JPH11242246A - エレクトロクロミック素子及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック素子及びその製造方法

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JPH11242246A
JPH11242246A JP10043025A JP4302598A JPH11242246A JP H11242246 A JPH11242246 A JP H11242246A JP 10043025 A JP10043025 A JP 10043025A JP 4302598 A JP4302598 A JP 4302598A JP H11242246 A JPH11242246 A JP H11242246A
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JP
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thin film
electrochromic
color
ion conductive
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JP10043025A
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English (en)
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Toru Nakamura
徹 中村
Akiko Sakamoto
晶子 坂本
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のエレクトロクロミック素子は応答性
を速くするために駆動電圧を高くすると、素子が変色す
るという問題点があった。この変色は、消色状態におけ
る素子の可視光透過率を低下させる為、外観上の不具合
を生じるのみならず、スイッチング比を低下させる。 【解決手段】 エレクトロクロミック素子を、基板上
に、積層状に配置された、電解酸化発色性薄膜層、2層
以上の分割イオン導電層から構成されるイオン導電層、
及び電解還元発色性薄膜層を有するエレクトロクロミッ
ク層と、前記エレクトロクロミック層を狭持する一対の
電極層とを有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐電圧性、耐湿性、
等の耐久性、及び応答性に優れたエレクトロクロミック
素子、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧を物質に印加すると可逆的に電解酸
化または電界還元反応が起こり、可逆的に着色または消
色する現象をエレクトロクロミズムという。この現象を
示すエレクトロクロミック物質を用いて、電圧操作によ
り着消色するエレクトロクロミック素子を作り、このエ
レクトロクロミック素子を光量制御素子(例えば、調光
ガラスや防眩ミラーなど)や7セグメントを利用した数
字表示素子に利用する試みは、20年以上前から行われ
ている。
【0003】エレクトロクロミック素子は、基本的には
基板及び基板上の一対の電極に狭持されたエレクトロク
ロミック層と絶縁層とから構成され、エレクトロクロミ
ック素子を構成する各層の材料形態によって、溶液型、
ゲル型、全固体型等に大別する事ができ、その中でも全
固体型エレクトロクロミック素子は、各層が全て薄膜状
に積層して形成されている。そのため、全固体型エレク
トロクロミック素子では、溶液型やゲル型のエレクトロ
クロミック素子を作製するときのような、各層を別々の
基板に形成して両基板を貼り合わせる工程や液状あるい
はゲル状の材料の密封工程が不要であるため生産性に優
れ、大型化も容易である。
【0004】例えば、ガラス基板の上に、透明電極層
(陰極)、三酸化タングステン薄膜層(エレクトロクロ
ミック層)、二酸化ケイ素薄膜層( 絶縁層) 、電極層
(陽極)を順次積層してなるエレクトロクロミック素子
(特公昭52−46098参照)が全固体型エレクトロ
クロミック素子として知られている。このエレクトロク
ロミック素子は三酸化タングステン薄膜層と二酸化ケイ
素薄膜層の内部に水を含有し、このエレクトロクロミッ
ク素子に電圧(着色電圧)を印加すると、三酸化タング
ステン(WO3 )薄膜層が青色に着色する。その後、この
エレクトロクロミック素子に極性が逆の電圧(消色電
圧)を印加すると、WO3薄膜層の青色が消えて、無色に
戻る。この着消色する機構は詳しく解明されてはいない
が、WO3 薄膜層及び絶縁層(イオン導電層)中に含まれ
る少量の水分がWO 3 の着消色を支配していると理解され
ている。
【0005】着色の反応式は、以下のように推定されて
いる。 従って、このような表示素子は、(1)着色反応の際、
酸素ガス発生という副反応を起こし、この酸素ガスが膜
の内部から離脱するので、この副反応により含有水分が
消費されるという性質、及び(2)逆の消色反応によっ
て、材料となる酸素が膜の内部に存在しないため、水が
生成されないという性質を有する。そのため、着色消色
のためには膜の内部の水を消費し、着色消色の繰り返し
には大気中からの水の補給が必要という欠点がある。特
に後者(2)の理由により.このタイプの素子には、着
色の再現性が大気中の水分の影響を受ける欠点がある。
【0006】最近、着色反応により消費される水の量と
同じ量の水が消色反応により生成され、従って外界から
の水の補給を必要とせずに着色消色を繰り返す事がで
き、しかも繰り返される着色濃度が外界の影響を受けな
い全固体型エレクトロクロミック素子が提案された。
(特開昭52−73749)この素子は、基本的には電
極としての透明電極層と、エレクトロクロミック層とし
てのWO3 膜のような電解還元発色性薄膜層及びCr2O3 膜
のような電解酸化発色性薄膜と、もう一方の電極とを順
次積層してなるものである。また、前記特開昭52−7
3749公報には、この素子の電極ともう一方の電極と
に直流電源を接続し直流電圧を印加して素子を着色した
後、直流電源との接続を解除した場合、着色が自然放電
により徐々に消色する現象が見られるが、透明電極とも
う一方の電極との間の任意の位置に絶縁層例えば二酸化
ケイ素、フッ化マグネシウムなどの薄膜を設ける事によ
り、電圧解除後も着色が保存される性質(これをメモリ
ー性という)がこの素子に付与される事が開示されてい
る。特公昭62−52845は、この絶縁層を、電子の
良導体ではないが、プロトン、及びヒドロキシイオンの
移動は自由にできる物質、つまりイオン導電物質の層で
あると推定している。さらに、特公昭62−52845
は、絶縁層即ちイオン導電層は電解還元発色性薄膜層と
電解酸化発色性薄膜層との間に存在させる事が最も望ま
しい事、並びに電解還元発色性薄膜層と電解酸化発色性
薄膜層とは、両者とも発色性である必要がなく、いずれ
か一方が外部より変化が識別できるような変色をすれば
足りる事が開示されている。
【0007】 エレクトロクロミック素子のエレクトロク
ロミック層を直接または間接的に挟む一対の電極層は、
着消色したエレクトロクロミック層に光を入射し、さら
には出射した光を取り出すため、少なくとも一方の電極
層は透明でなければならない。特に、透過型エレクトロ
クロミック素子の場合は両電極層とも透明でなければな
らない。
【0008】 透明な電極層材料としては、現在のところ
SnO2、In2O3 、ITO (In2O3 とSnO2の混合物)、ZnO 等
が知られているが、これらの材料は光吸収率が比較的高
いため、必要な透過率を得るために膜厚を薄くせねばな
らず、エレクトロクロミック素子は基板(例えば、ガラ
ス板やプラスチック板)の上に薄膜として形成されるの
が普通である。
【0009】 一対の電極層には、外部電源から電圧を印
加するために、外部配線との接続部である取り出し電極
を設ける。電極層として透明電極を使用した場合は、透
明電極層が外部配線に対して高抵抗であるので、透明電
極層に重ねて(即ち、接触させて)低抵抗のとりだし電
極を設ける事が多い。通常は、基板表面端部に位置する
透明電極層の周辺に帯状に低抵抗電極部を設けて(例え
ば、金属性クリップを装着したり、低抵抗金属材料をメ
ッキする)、低抵抗の取り出し電極としている。
【0010】また、エレクトロクロミック素子は用途に
よって、素子を保護するための封止基板を素子基板と対
向するようにするように配置し、例えばエポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、等を用いて密封封止して
用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に、全固体型
エレクトロクロミック素子は着消色特性に優れ、大型化
も可能であるなどの長所を持つ。しかしながらこの固体
型エレクトロクロミック素子は従来から応答性が遅いと
いう欠点を持っている。特に消色時の応答性の遅さは問
題だった。この応答性は駆動電圧が高いほど速くなる。
しかしながら、従来のエレクトロクロミック素子は決め
られた駆動電圧(印加電圧)を越えて高くすると(即
ち、過電圧を印加すると)、エレクトロクロミック素子
が変色するという問題点があった。この変色は、消色状
態における素子の可視光透過率を低下させる為、外観上
の不具合を生じるのみならず、着色状態の透過率に対す
る消色状態の透過率の比、即ちスイッチング比を低下さ
せる。そのため従来のエレクトロクロミック素子では駆
動電圧は最大でも1.35ボルト程度に制限されてい
た。
【0012】そこで、本発明の課題は耐電圧が高く、応
答性が速い、変色のないエレクトロクロミック素子を提
供することにある。
【0013】
【発明を解決するための手段】本発明者らは上記課題解
決の為に過電圧により変色したエレクトロクロミック素
子を詳細に分析した結果、原因は電解酸化発色性薄膜層
側の電極層の変質である事を見い出した。さらに本発明
者らは、エレクトロクロミック素子に過電圧がかかった
時に生じる生じる電解酸化発色性薄膜層側の電極層の変
質を防ぐ為様々な手段を検討した結果、イオン伝導層を
互いに異なる組成をもつ複数の層より構成する事が有効
である事を見い出した。
【0014】そのため本発明は第一に、「基板上に、積
層状に配置された、電解酸化発色性薄膜層、2層以上の
分割イオン導電層から構成されるイオン導電層、及び電
解還元発色性薄膜層を有するエレクトロクロミック層
と、前記エレクトロクロミック層を狭持する一対の電極
層とを有することを特徴とするエレクトロクロミック素
子。(請求項1)」を提供する。
【0015】第二に、「前記電解酸化発色性薄膜層側の
前記分割イオン導電層中の酸素含有率が、電解還元発色
性薄膜層側の分割イオン導電層中の酸素含有率より低い
事を特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック
素子。(請求項2)」を提供する。第三に、「請求項2
に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法におい
て、エレクトロクロミック層が真空成膜技術により形成
され、かつ、電解酸化発色性薄膜層側の分割イオン伝導
層成膜時の酸素分圧が、電解還元発色性薄膜層側の分割
イオン伝導層成膜時の酸素分圧より低い事を特徴とする
エレクトロクロミック素子の製造方法。(請求項3)」
を提供する。
【0016】第四に、「請求項2に記載のエレクトロク
ロミック素子の製造方法において、エレクトロクロミッ
ク層が真空成膜技術により形成され、かつ、電解酸化発
色性薄膜層側の分割イオン伝導層成膜時の素子基板温度
が、電解還元発色性薄膜層側の分割イオン伝導層成膜時
の素子基板温度より低い事を特徴とするエレクトロクロ
ミック素子の製造方法。(請求項4)」を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明請求項1のエレクトロクロ
ミック素子構成を図1、図2、図3に示す。図1におい
て10は基板、11及び12は電極層、13は電解還元
発色性薄膜層、14は電解還元発色性薄膜層側の分割イ
オン導電層(2)、15は電解酸化発色性薄膜層側の分
割イオン導電層(1)、16は電解酸化発色性薄膜層を
それぞれ表わす。
【0018】また、図2に示す様に、イオン導電層が隣
接する3層以上の分割イオン導電層より構成されるよう
にしても良い。図2において20は基板、21及び22
は電極層、23は電解還元発色性薄膜層、241〜24
nはn層の分割イオン導電層、25は電解酸化発色性薄
膜層をそれぞれ表わす。本発明のエレクトロクロミック
素子を構成する各薄膜の膜厚は、電解還元発色性薄膜層
は0.1μm 以上3μm 以下にするのが好ましい。膜厚
がこれより薄いと十分な着色濃度が得られなくなり、こ
れより厚いと消色時の透明性が悪くなる。 イオン導電
層を合わせた膜厚は0.1μm 以上5μm 以下にするの
が好ましい。膜厚がこれより薄いとリーク電流が大きく
なり、十分に着色する素子を得る事ができない。また、
膜厚がこれより厚いと応答速度が遅くなってしまう。
【0019】また、個々の分割イオン導電層の膜厚は
0.001μm 以上3μm 以下にするのが好ましい。膜
厚がこれより薄いと過電圧に対する耐性向上効果が無く
なり、これより厚いと応答速度が遅くなってしまう。電
解酸化発色性薄膜層は0.01μm 以上2μm 以下にす
るのが好ましい。膜厚がこの範囲を超えると、応答速度
が低下する。また、膜厚がこれより薄いと充分な着色濃
度が得られなくなる。
【0020】これらのエレクトロクロミック層の構成層
の膜形成では、膜厚の管理がエレクトロクロミック特性
を決める重要な因子の1つである。したがって、これら
の薄膜形成にはゾルーゲル法などの湿式法も可能である
が、精密な膜厚管理の為には真空薄膜形成法がより有効
である。より具体的には、真空蒸着、イオンプレーティ
ング、スパッタリングなどの手法を挙げる事ができる。
【0021】本発明のイオン導電層には、酸化ケイ素、
酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ニ
オブ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタ
ン、等の金属酸化物、等が好ましく使用される。イオン
導電層は、電子に対して絶縁体であるが、プロトン(H
+ )及びヒドロキソイオン(OH ̄)に対しては良導体と
なる.エレクトロクロミック層の着消色反応にはカチオ
ンが必要とされ、H + やLi+ をエレクトロクロミック層
その他に含有させる必要がある。H + は初めからイオン
である必要はなく、電圧が印加されたときにH + が生じ
ればよく、したがってH + の代わりに水を含有させても
よい.この水は非常に少なくて十分であり、しばしば大
気中から自然に侵入する水分でも着消色する。
【0022】 本発明のエレクトロクロミック素子のイオ
ン導電層は2層以上の分割イオン導電層複数層より構成
される事が特徴である。これらの分割イオン導電層は前
述の様に金属酸化物より成る。各分割イオン導電層は金
属を共通とするが、金属と酸素の含有比が互いに異なる
金属酸化物膜からなる。より具体的には、電解酸化発色
性薄膜層側の分割イオン導電層中の酸素含有率を、電解
還元発色性薄膜層側の分割イオン導電層中の酸素含有率
より低くしている。
【0023】本発明者らは、イオン導電層中の酸素含有
率を低下させると、駆動電圧を増加してもエレクトロク
ロミック素子の変色を起こさないことを発見した。しか
し、酸素含有率の低い金属酸化膜は可視光透過率が低
い。よって、イオン導電層を単一の層で構成し、酸素含
有率を下げると耐電圧性は向上するが、消色時の可視光
透過率が低下して外観上の不都合を生じる。これを回避
するために酸素含有率を下げたイオン導電層の膜厚を薄
くして消色時の可視光透過率が高く、外観の良好な素子
を作製すると、今度はリーク電流値が増大して着消色濃
度及び応答速度が低下するという不具合を生じてしま
う。
【0024】本発明者らは鋭意研究の結果、過電圧印加
時に生じる変色が電解酸化発色性薄膜層側の電極層の変
質によるものである事をつきとめ、さらに検討を加えた
結果、イオン導電層を複数の層に分割し、電解酸化発色
性薄膜層側の酸素含有率を低くする事により、優れた耐
電圧性を有すると共に外観も良好で、応答性にも優れた
エレクトロクロミック素子が作製できることを見い出し
た。
【0025】イオン導電層は3層以上で構成しても良
く、その場合には電解酸化発色性薄膜に近い層ほど酸素
含有率が低くなるようにするのが好ましい。イオン導電
層が真空成膜技術によって形成される場合には、イオン
導電層の酸素含有率は成膜条件を変える事により制御可
能である。具体的には、成膜中の酸素分圧を下げると膜
中の酸素含有率は下がり、逆に酸素分圧を上げると膜中
の酸素含有率は上がる。また、成膜中の基板温度によっ
てもイオン導電層中の酸素含有量は変化し、基板温度を
下げると膜中の酸素含有量は低くなり、反対に基板温度
を上げると膜中の酸素含有量は高くなる。
【0026】以下、エレクトロクロミック素子で用いら
れる、イオン導電層の他の構成層の材料について説明す
る。透明電極の材料としては、例えば、SnO2、In2O3 、
ITO (In2O3 とSnO2との混合物)、ZnO などが好ましく
使用される。透明である必要がなければ、金属材料また
は炭素で電極層が形成される。金属材料としては、例え
ば、金、銀、アルミニウム、クロム、スズ、亜鉛、ニッ
ケル、ルテニウム、ロジウム、ステンレス等が好ましく
使用される。金属電極層は、上記のごとき透明な電極層
をかりに低抵抗なものにしても、それより遥かに低抵抗
であるという長所がある。
【0027】電解還元発色性薄膜層には、一般にWO3 、
MoO3またはこれらの混合物等が使用される。 電解酸化発
色性薄膜層としては、酸化イリジウム、水酸化イリジウ
ム、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、酸化クロム、水酸
化クロム、酸化バナジウム、水酸化バナジウム、酸化ル
テニウム、水酸化ルテニウム、酸化ロジウム、水酸化ロ
ジウム、等が好ましく使用される。
【0028】その他のエレクトロクロミック発色性物質
として、例えば、酸化チタン、酸化コバルト、酸化鉄、
酸化ケイ素、酸化鉛、酸化銅、硫化鉄、酸化ビスマス、
硫化ニオブ等の金属酸化物や金属硫化物のほか、ハイド
ロキノン誘導体、ベルリン酸鉄誘導体、金属フタロシア
ニン誘導体(Co、Fe、Zn、Ni、Cuの各フタロシアニン誘
導体)、プルシアンブルー、プルシアンブルー類似化合
物、窒化インジウム、窒化スズ、窒化塩化ジルコニウ
ム、ビオロゲン系有機エレクトロクロミック材料、スチ
リル系有機エレクトロクロミック材料、ポリアニリン等
がエレクトロクロミック層に使用できる。
【0029】エレクトロクロミック素子の耐久性を高め
るためには、図3に示す様に電極(31)を有する基板
(30)上に電解還元発色性薄膜層、イオン導電層、電
解酸化発色性薄膜層を含むエレクトロクロミック層(3
3)及び電極(32)を形成した後に、封止樹脂層(3
4)を介して封止基板(35)を接着することもでき
る。
【0030】前記封止剤には、エポキシ樹脂、ウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニール系樹脂、エン−
チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー系、
等の透明材料が好ましく使用されるが、これらに限定さ
れるものではない。以下、実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例】[実施例1] (1)厚さ約0.2 μm の透明電極膜(ITO )が形成され
た4インチ角、厚さ1mmのガラス平板を基板とし、フ
ォトリソグラフィーにより透明電極のパターニングを行
った。 (2)前記(1)でパターニングした透明電極上に、電
解酸化発色性薄膜層として酸化イリジウムと酸化錫の混
合薄膜を二元イオンプレーティング法により形成した。
すなわち、酸素ガス圧4×10-4Torr、RFパワー
100W、蒸着時間20分で、膜厚0.1μm の薄膜を
形成した。 (3)前記(2)で形成した電解酸化発色性薄膜層上
に、分割イオン導電層(1)として5酸化タンタルの薄
膜をイオンプレーティング法により形成した。すなわ
ち、酸素ガス圧1.5×10-4Torr、RFパワー4
00W、蒸着時間10分、基板加熱はしないで膜厚0.
2μm の薄膜を形成した。 (4)前記(3)で形成した分割イオン導電層(1)上
に、分割イオン導電層(2)として五酸化タンタルの薄
膜をイオンプレーティング法により形成した。すなわ
ち、酸素ガス圧2.5×10-4Torr、RFパワー4
00W、蒸着時間35分、基板加熱はしないで膜厚0.
6μm の薄膜を形成した。 (5)前記(4)で形成した分割イオン導電層(2)上
に、電解還元発色性薄膜層として三酸化タングステンを
真空蒸着法により形成した。すなわち、酸素ガス圧4×
10-4Torr、蒸着時間12分で、膜厚0.7μm の
薄膜を形成した。 (6)前記(5)で形成した電解還元発色性薄膜層上に
透明電極としてITO薄膜をイオンプレーティング法に
より形成した。すなわち、酸素ガス圧2×10-4Tor
r、RFパワー180W、蒸着時間8分で膜厚2μm の
薄膜を形成した。 (7)前記(6)でエレクトロクロミック層を形成した
基板を、エポキシ樹脂及び厚さ0.3mmのガラス製封
止基板にて封止して図1に示す様な層構成をもつエレク
トロクロミック素子を作製した。
【0032】前記(7)で得られたエレクトロクロミッ
ク素子は消色時に於いて透明であった。この素子の2つ
の電極のうち、図1の上側の電極(12)を外部電源の
陰極に接続し、もう一方の電極(11)を外部電源の陽
極に接続し、+1.35Vの電圧を印加すると、素子は
1秒以内に青色に発色した。電源への接続を切っても素
子は青色発色状態を保った。また、極性が逆になるよう
接続を変え、もう一方の電極(11)に−1.35Vの
電圧を印加すると、1秒以内に消色し、元の透明な状態
に戻った。
【0033】さらに、エレクトロクロミック素子の電極
(11)に+1.35Vを4秒間印加して着色させた
後、今度は極性を逆にして電極(11)に−1.5Vの
電圧を4秒間印加するサイクルを繰り返すサイクル試験
を24時間行なったが、エレクトロクロミック素子の外
観や着消色速度に変化は見られなかった。以上のよう
に、本実施例の素子は消色に対する印加電圧を−1.5
Vまで上昇させることができ、耐電圧性が向上した。 [実施例2] (1)実施例1の(1)と同様にして透明電極のパター
ニングを行った。 (2)実施例1の(2)と同様にして透明電極の上に電
解酸化発色性薄膜層を形成した。 (3)前記(2)で形成した電解酸化発色性薄膜層上
に、分割イオン導電層(1)として五酸化タンタルの薄
膜をイオンプレーティング法により形成した。すなわ
ち、酸素ガス圧1.0×10-4Torr、RFパワー4
00W、蒸着時間5分、基板加熱温度150℃で膜厚
0.1μm の薄膜を形成した。 (4)前記(3)で形成した分割イオン導電層(1)上
に、分割イオン導電層(2)として五酸化タンタルの薄
膜をイオンプレーティング法により形成した。すなわ
ち、酸素ガス圧2.0×10-4Torr、RFパワー4
00W、蒸着時間40分、基板加熱温度250℃で膜厚
0.7μm の薄膜を形成した。 (5)実施例1の(5)と同様にして分割イオン導電層
(2)上に、電解還元発色性薄膜層を形成した。 (6)実施例1の(6)と同様にして電解還元発色性薄
膜層上に透明電極を形成した。 (7)前記(6)でエレクトロクロミック層を形成した
基板を、紫外線硬化型アクリル系樹脂及び厚さ0.3m
mのガラス製封止基板にて封止して図1に示す様なエレ
クトロクロミック層構成をもつエレクトロクロミック素
子を作製した。
【0034】前記(7)で得られたエレクトロクロミッ
ク素子は消色時に於いて透明であった。この素子の2つ
の電極のうち、図1の上側の電極(12)を外部電源の
陰極に接続し、もう一方の電極(11)を外部電源の陽
極に接続し、+1.35Vの電圧を印加すると、素子は
1秒以内に青色に発色した。電源への接続を切っても素
子は青色発色状態を保った。また、極性が逆になるよう
接続を変え、もう一方の電極(11)に−1.35Vの
電圧を印加すると、1秒以内に消色し、元の透明な状態
に戻った。
【0035】さらに、エレクトロクロミック素子の電極
(11)に+1.35Vを4秒間印加して着色させた
後、今度は極性を逆にして電極(11)に−1.5Vの
電圧を4秒間印加するサイクルを繰り返すサイクル試験
を24時間行なったが、エレクトロクロミック素子の外
観や着消色速度に変化は見られなかった。以上のよう
に、本実施例の素子は消色に対する印加電圧を−1.5
Vまで上昇させることができ、耐電圧性が向上した。 [比較例1] (1)実施例1の(1)と同様にして透明電極のパター
ニングを行った。 (2)実施例1の(2)と同様にして透明電極の上に電
解酸化発色性薄膜層を形成した。 (3)前記(2)で形成した電解酸化発色性薄膜層上
に、イオン導電層として五酸化タンタルの薄膜をイオン
プレーティング法により形成した。すなわち、酸素ガス
圧1.0×10-4Torr、RFパワー400W、蒸着
時間45分、基板加熱温度150℃で膜厚0.8μm の
薄膜を形成した。 (4)前記(3)で形成したイオン導電層上に、実施例
1の(5)と同様にして電解還元発色性薄膜層を形成し
た。 (5)前記(4)で形成した電解還元発色性薄膜層上
に、実施例1の(6)と同様にして透明電極を形成し
た。 (6)前記(5)でエレクトロクロミック層を形成した
基板を、紫外線硬化型アクリル系樹脂及び厚さ0.3m
mのガラス製封止基板にて封止して図1に示す様なエレ
クトロクロミック層構成をもつエレクトロクロミック素
子を作製した。
【0036】前記(6)得られたエレクトロクロミック
素子は消色時に可視光透過率が低く、薄茶色に着色して
いた。この素子の2つの電極のうち、図1の上側の電極
(12)を外部電源の陰極に接続し、もう一方の電極
(11)を外部電源の陽極に接続し、+1.35Vの電
圧を印加すると、素子は1秒以内に青色に発色した。電
源への接続を切っても素子は青色発色状態を保った。ま
た、極性が逆になるよう接続を変え、もう一方の電極
(11)に−1.35Vの電圧を印加すると、1秒以内
に消色し、薄茶色の状態に戻った。
【0037】さらに、エレクトロクロミック素子の電極
(11)に+1.35Vを4秒間印加して着色させた
後、今度は極性を逆にして−1.5V の電圧を4秒間印
加するサイクルを繰り返すサイクル試験を24時間行な
ったが、エレクトロクロミック素子の外観や着消色速度
に変化は見られなかった。以上のように比較例1の素子
は耐電圧性は高いものの、酸素濃度が低いイオン導電層
の膜厚が厚いため、サイクル試験以前に素子は消色時に
薄茶色で、透過率は低かった。 [比較例2] (1)実施例1の(1)と同様にして透明電極のパター
ニングを行った。 (2)実施例1の(2)と同様にして透明電極の上に電
解酸化発色性薄膜層を形成した。 (3)前記(2)で形成した電解酸化発色性薄膜層上
に、イオン導電層として五酸化タンタルの薄膜をイオン
プレーティング法により形成した。すなわち、酸素ガス
圧2.5×10-4Torr、RFパワー400W、蒸着
時間45分、基板加熱はしないで膜厚0.8μm の薄膜
を形成した。 (4)前記(3)で形成したイオン導電層上に、実施例
1の(5)と同様にして電解還元発色性薄膜層を形成し
た。 (5)前記(4)で形成した電解還元発色性薄膜層上
に、実施例1の(6)と同様にして透明電極を形成し
た。 (6)前記(5)でエレクトロクロミック層を形成した
基板を、エポキシ樹脂及び厚さ0.3mmのガラス製封
止基板にて封止して図1に示す様なエレクトロクロミッ
ク層構成をもつエレクトロクロミック素子を作製した。
【0038】前記(6)で得られたエレクトロクロミッ
ク素子は消色時に於いて透明であった。この素子の2つ
の電極のうち、図1の上側の電極(12)を外部電源の
陰極に接続し、もう一方の電極(11)を外部電源の陽
極に接続し、+1.35Vの電圧を印加すると、素子は
1秒以内に青色に発色した。電源への接続を切っても素
子は青色発色状態を保った。また、極性が逆になるよう
接続を変え、もう一方の電極(11)に−1.35Vの
電圧を印加すると、1秒以内に消色し、元の透明な状態
に戻った。さらに、エレクトロクロミック素子の電極
(11)に+1.35Vを4秒間印加して着色させた
後、今度は極性を逆にして−1.5Vの電圧を4秒間印
加するサイクル試験を24時間行なったところ、エレク
トロクロミック素子の外観や着消色速度に変化は見られ
なかったものの、消色時でも薄い褐色の着色が残った。
【0039】以上のように比較例2の素子はイオン導電
層の酸素濃度が高いため消色時の可視光透過率は高いも
のの、サイクル試験で消色時に薄い褐色の着色が残るよ
うになり、耐電圧性は低かった。
【0040】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、優れた耐電
圧特性を有すると共に、消色時に残る着色がないため外
観が良好で、着色状態の透過率に対する消色状態の透過
率の比(スイッチング比)が高い、応答性に優れたエレ
クトロクロミック素子を作製する事ができる。
【0041】このような耐電圧特性、応答性、及び外観
に優れたエレクトロクロミック素子は、可逆な色変化を
するサングラスや建造物の窓として、あるいはカメラ、
時計、電卓、その他各種測定機などの表示素子としても
幅広く長期間に亘って使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1、2のエレクトロクロミッ
ク素子構造を示す図である。
【図2】 本発明のイオン導電層が3層以上の分割イオ
ン導電層からなる場合のエレクトロクロミック素子構造
を示す図である。(請求項1対応)
【図3】 本発明のエレクトロクロミック素子を封止し
た場合の素子構造を示す図である。
【符号の説明】
10 基板 11 電極 12 電極 13 電解還元発色性薄膜層 14 分割イオン導電層(2) 15 分割イオン導電層(1) 16 電解酸化発色性薄膜層 20 基板 21 電極 22 電極 23 電解還元発色性薄膜層 241〜24n 分割イオン導電層(1〜n) 25 電解酸化発色性薄膜層 30 基板 31 電極 32 電極 33 エレクトロクロミック層 34 封止樹脂 35 封止基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、積層状に配置された、電解酸
    化発色性薄膜層、2層以上の分割イオン導電層から構成
    されるイオン導電層、及び電解還元発色性薄膜層を有す
    るエレクトロクロミック層と、前記エレクトロクロミッ
    ク層を狭持する一対の電極層とを有することを特徴とす
    るエレクトロクロミック素子。
  2. 【請求項2】 前記電解酸化発色性薄膜層側の前記分割
    イオン導電層中の酸素含有率が、電解還元発色性薄膜層
    側の分割イオン導電層中の酸素含有率より低い事を特徴
    とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエレクトロクロミック
    素子の製造方法において、エレクトロクロミック層が真
    空成膜技術により形成され、かつ、電解酸化発色性薄膜
    層側の分割イオン伝導層成膜時の酸素分圧が、電解還元
    発色性薄膜層側の分割イオン伝導層成膜時の酸素分圧よ
    り低い事を特徴とするエレクトロクロミック素子の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のエレクトロクロミック
    素子の製造方法において、エレクトロクロミック層が真
    空成膜技術により形成され、かつ、電解酸化発色性薄膜
    層側の分割イオン伝導層成膜時の素子基板温度が、電解
    還元発色性薄膜層側の分割イオン伝導層成膜時の素子基
    板温度より低い事を特徴とするエレクトロクロミック素
    子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010529507A (ja) * 2007-06-07 2010-08-26 ソラディグム, インコーポレイテッド エレクトロクロミックデバイスおよびその製造方法
KR101288761B1 (ko) * 2010-11-12 2013-07-23 제이 터치 코퍼레이션 입체영상표시장치 및 그의 전기변색모듈
CN107045242A (zh) * 2016-02-06 2017-08-15 合肥威迪变色玻璃有限公司 电致变色结构及其形成方法

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