JPH11249523A - 電子写真システム - Google Patents

電子写真システム

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JPH11249523A
JPH11249523A JP6924998A JP6924998A JPH11249523A JP H11249523 A JPH11249523 A JP H11249523A JP 6924998 A JP6924998 A JP 6924998A JP 6924998 A JP6924998 A JP 6924998A JP H11249523 A JPH11249523 A JP H11249523A
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JP
Japan
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blade
photoreceptor
electrophotographic system
photoconductor
layer
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Withdrawn
Application number
JP6924998A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Masaya Kawada
将也 河田
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Makoto Aoki
誠 青木
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 摩擦力、トルクの上昇する、高速の電子写真
システムにおいて、クリーニング性に優れ、かつブレー
ドの高寿命化、感光体の負荷の低減、回転モーターの電
力を低減する。 【解決手段】 円筒状感光体を回転させ、帯電・露光・
現像・転写・クリーニングを繰り返す電子写真システム
において、現像剤を該感光体に現像し、転写材へ転写
し、現像剤が転写された後の感光体をブレードによって
クリーニングする構成を有し、前記感光体として少なく
とも水素原子を含有する非単結晶炭素で構成された表面
層を有する感光体を使用し、前記現像剤として平均粒径
が0.005〜0.008mmである現像剤を使用し、
前記ブレードとしてJIS硬度74度以上78度以下の
クリーニングブレードを使用し、前記感光体の表面の移
動速度に基づくプロセススピードが400mm/sec
以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円筒状感光体を用いこれ
を回転させて帯電・露光・現像・転写・クリーニングを
連続して行う電子写真システム(装置)に関する。より
詳しくは、本発明は、アモルファスシリコン系の光導電
層を有する円筒状感光体と小粒径の現像剤を用いる高速
電子写真プロセスにおいて、クリーニング特性に優れか
つ、いかなる環境下においても感光体の加温手段を設け
ることなくして画像ボケや画像流れのない高品質な画像
が得られ、かつその特性を維持するに足る高耐久性を有
し、電位特性の変動が少なく、高品位な画像が安定して
得られ、ゴースト現象を起こさない電子写真システム
(装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)電子写真装置について:従来、電
子写真法としては、米国特許第2,297,692号明
細書、特公昭42−23910号公報および特公昭43
−24748号公報に記載されている如く、多数の方法
が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該
潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙などの転
写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧
あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るもので
ある。この上記工程において、転写材へトナー画像を転
写した後でも感光体上には、未転写のトナーが残るた
め、これまではクリーニング工程により該未転写トナー
を回収し、いわゆる廃トナーとして系外に排出してい
た。近年の情報処理量の増大に伴い、コピーボリューム
の大きな複写機やレーザービームプリンターなどの電子
写真装置(すなわち大型の高速機)の需要がさらに大き
くなりつつある。
【0003】電子写真用の感光体としては、高速に対応
した電子写真特性の向上が要求されると共に、より精彩
な画質を要求される昨今においては、感光体特性の改善
はもとより、トナーの小粒径化が進められ、コールター
カウンターなどによる重量平均粒径が0.005〜0.
008mmであるものが多く使われている。一方、転写
材にトナー画像を定着させる能力は、定着器内で転写材
のトナー画像にいかに加熱するかにかかっており、高速
化に当たって、転写材が定着器内を通過する時間が短く
なると、定着器の温度を上昇させなくてはならず、電子
写真装置全体の消費電力の約8割を占める定着器での消
費電力を増加せざるを得ない状況にある。こうした状況
においても、市場ニーズとしての消費電力低減は重要な
課題であり、トナー自体の定着性向上が進められている
が、定着性向上に相反する融着に対して不利な方向であ
る。さらにトナーの粒径が小さいということも、融着に
対しては更に不利な方向であるため、感光体にトナーが
付着しにくくしたり、付着してしまったトナーを削りと
る能力を高めるため、ブレードの硬度を高めるなど、の
対策が必要であるが、ブレードの硬度を高めることは、
ブレードの特性としてはゴム的状態からガラス状態に近
づくため、材質としては脆くなりブレードの寿命を短く
してしまうことになる。
【0004】ところで、アモルファスシリコン(a−S
i)系の感光体の表面にはその製法上、多数の突起を有
しているのが現状である。そうした突起の高さは概ね
0.002〜0.003mm程度のものがほとんどであ
るが、稀に0.01mmを越えるものもあり、そのよう
な突起はブレードにダメージを与えることがある。特に
上記のような硬度を高めたブレードは脆いため、高速で
ダメージを受けると欠けが生じ、クリーニング性能を維
持できなくなることがある。唯一、クリーニング性能を
維持する手段としては前記突起の高さを0.006mm
以下に制限することであり、必要に応じてドラム製造工
程において研磨が必要になる。当該a−Si系の感光体
は表面硬度が高く、従来から、繰り返し使用により感光
体表面が削れるなどの画像品質低下をひき起こすことは
なかった。これは、クリーニングブレードが感光体上の
トナーを掻き落とす際に、極小量のトナーがクリーニン
グブレードと感光体の間をすり抜け、潤滑剤の役割を果
たしているためであり、このトナーの潤滑作用は、図1
1に示すように、クリーニングマグローラーによって、
ドラム上のトナーコート量を規制し、かつクリーニング
ブレードの当接角や圧力によって、ブレード突入部分の
トナーの対流状態やすり抜け量を規制することによって
成立している。しかし、図20に示すように、トナーの
微粒子化は、融着、感光体削れについて、不利な方向で
あり、図15に示すように、装置の高速化は、融着、感
光体削れについて、不利な方向である。即ち、微粒子化
したトナーは、凝集度が変化して潤滑機能が低下した
り、装置の高速化によりトナーの突入エネルギーが増加
すると、ブレード突入部分のトナーの対流状態やすり抜
け量に大きく影響するためであり、繰り返し使用により
感光体表面が削れることがある。この状態をクリーニン
グブレードの当接角や圧力によって、回避することは難
しく、感光体表面の削れによる画像品質低下をひき起こ
す現象が生じることがある。一方、クリーニング性を向
上するために、特開昭54−143149号公報に記載
されているような溝付きブレードや、特開昭57−12
4777号公報に記載されているような突起付きブレー
ド、などが考案されているが、プロセススピードが40
0mm/sec以上で、定着性の向上した微粒子トナー
とa−Si感光体からなる電子写真装置に好適なクリー
ニングシステムについては、言及されていない。
【0005】以上のような状況からして、高画質対応の
高速電子写真装置に好適なクリーニングシステムが求め
られている。図1(a)は複写機の画像形成プロセスの
一例を示す概略図であって、矢印X方向に回転する、面
状内面ヒータ123によって温度コントロールされた、
感光体101の周辺には、主帯電器102、静電潜像形
成部位103、現像器104、転写紙供給系105、転
写帯電器106(a)、分離帯電器106(b)、クリ
ーナー107、搬送系108、除電光源109などが配
設されている。以下、さらに具体例をもって画像形成プ
ロセスを説明すると、感光体101は+6〜8kVの高
電圧を印加した主帯電器102により一様に帯電され、
これに静電潜像形成部位、すなわちランプ110から発
した光が原稿台ガラス111上におかれた原稿112に
反射し、ミラー113,114,115を経由し、レン
ズユニット117のレンズ118によって結像され、ミ
ラー116を経由し、導かれ投影された静電潜像が形成
される。この潜像に現像器104からトナーが供給され
てトナー像となる。また、画像形成がレーザーまたはL
EDで行われるデジタル電子写真装置においては、図1
(b)に示すように、原稿112の画像情報は、ミラー
113を経由しCCD114によってデジタル信号化さ
れる。その信号によってレーザー115/ポリゴンミラ
ー117により感光体101上に潜像を形成する。また
は、レーザーの代りにLEDを用いることもある。一
方、転写紙供給系105を通って、レジストローラ12
0によって先端タイミングを調整され、感光体方向に供
給される転写材Pは+7〜8kVの高電圧を印加した転
写帯電器106(a)と感光体101の間隙において背
面から、トナーとは反対極性の電界を与えられ、これに
よって感光体表面のトナー像は転写材Pに転移する。1
2〜14kVp−p、300〜600Hzの高圧AC電
圧を印加した分離帯電器106(b)により、転写材P
は転写紙搬送系108を通って定着装置(不図示)に至
り、トナー像は定着されて装置外に排出される。感光体
101上に残留するトナーはクリーナーユニット107
のクリーニングローラー122によってドラム上のコー
ト量を規制された後、クリーニングブレード121によ
って掻き落とされ、残留する静電潜像は除電光源109
によって消去される。
【0006】(2)電子写真用感光体について:電子写
真用感光体に用いる素子部材としては、セレン、硫化カ
ドミニウム、酸化亜鉛、フタロシアニン、アモルファス
シリコン(以下a−Siと記す)など、各種の材料が提
案されている。中でもa−Siに代表される珪素原子を
主成分として含む非単結晶質堆積膜、例えば水素及び/
又はハロゲン(例えばフッ素、塩素など)で補償された
a−Siなどのアモルファス堆積膜は高性能、高耐久、
無公害な感光体として提案され、そのいくつかは実用化
されている。例えば、特開昭54−86341号公報に
は、光導電層を主としてa−Siで形成した電子写真用
感光体が開示されている。こうしたa−Si感光体は表
面硬度が高く、半導体レーザー(770nm〜800n
m)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰り返し
使用による劣化もほとんど認められないなど、特に高速
複写機やLBP(レーザービームプリンター)などの電
子写真用感光体として広く使用されている。電子写真用
感光体用の堆積膜の形成法としては、スパッタリング
法、熱により原料ガスを分解する方法(熱CVD法)、
光により原料ガスを分解する方法(光CVD法)、プラ
ズマにより原料ガスを分解する方法(プラズマCVD
法)などが知られている。中でもプラズマCVD法、す
なわち原料ガスを直流または高周波、(RF,VHF)
マイクロ波グロー放電などによって分解し、ガラス、石
英、耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス、アルミニウ
ムなどの基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、電
子写真用アモルファスシリコン堆積膜を形成するについ
て実用化が非常に進んでおり、そのための装置も各種提
案されている。さらに、近年では膜質および処理能力の
向上に対する要望が強くなっており様々な工夫も検討さ
れている。特に高周波電力を用いたプラズマプロセス
は、放電の安定性が高く酸化膜や窒化膜などの絶縁性材
料の形成にも使用できるなど様々な利点により使用され
ている。また、平行平板型のプラズマCVD装置を用い
て50MHz以上の高周波電源を用いたプラズマCVD
法の報告があり(Plasma Chemistrya
nd Plasma Processing,Vol.
7,No3(1987)p267−273)、放電周波
数を従来の13.56MHzより高くすることで堆積膜
の性能を落とさずに堆積速度を向上させることができる
可能性が示されており、注目されている。また、この放
電周波数を高くする報告はスパッタリングなどでもなさ
れ、近年広くその検討がされている。
【0007】上述した方法で作成されたa−Si感光体
を電子写真装置に応用する際、感光体の帯電および、除
電手段としては、ほとんどの場合ワイヤー電極(50〜
100μmφの金メッキを施したタングステン線などの
金属線)とシールド板を主構成部材とするコロナ帯電器
(コロトロン、スコロトロン)が利用されている。すな
わち該コロナ帯電器のワイヤー電極に高電圧(4〜8k
V程度)を印加することにより発生するコロナ電流を感
光体表面に作用させて表面の帯電および、除電を行うも
のである。コロナ帯電器は均一な帯電および除電に優れ
る。しかしコロナ放電に伴いオゾン(O3)が発生し、
空気中の窒素を酸化して窒素酸化物(NOx)などを発
生する。更には、その生成窒素酸化物などは空気中の水
分と反応して硝酸などを生じさせる。そして窒素酸化
物、硝酸などのコロナ放電による生成物は感光体や周辺
の機器に付着堆積して、それらの表面を汚損する。こう
したコロナ放電生成物は吸湿性が強く、その吸着を生じ
た感光体表面は付着コロナ放電生成物の吸湿による低抵
抗化で実質的に電荷保持能力が全面的に或いは、部分的
に低下して、画像ボケや画像流れ(感光体表面電荷が面
方向にリークして静電潜像パターンが崩れる或いは形成
されない)と称される画像欠陥を生じさせる原因となっ
ている。また、コロナ帯電器のシールド板内面に付着し
たコロナ放電生成物は電子写真装置の稼働中のみならず
夜間などの装置の休止中にも揮発遊離し、それが該帯電
器の放電開口に対応した感光体表面に付着して更に吸湿
し、その感光体表面を低抵抗化させる。そのため、装置
休止後の装置再稼働時に最初に出力される一枚目、ある
いは数枚のコピーについて、上記の装置休止中の帯電器
開口に対応する領域に画像ボケ、画像流れが生じ易い。
特にコロナ帯電器がACコロナ帯電器である場合に、こ
の現象が顕著である。特に、感光体がa−Si感光体で
ある場合には、上記のコロナ放電生成物による画像ボ
ケ、画像流れの問題が大きくなる。すなわちa−Si感
光体は他の感光体に比べて帯電および除電の効率が低く
(所定の帯電および除電電位を得るのに必要なコロナ帯
電電流量が多く)、そのために該a−Si感光体に対す
るコロナ放電による帯電および除電処理は他の感光体の
場合よりも帯電器に印加する電圧を高くして帯電電流量
を大幅に増大させるなどの構成がとられる。コロナ帯電
電流量とオゾン発生量は比例的な関係にあることから、
感光体がa−Si感光体であり、それをコロナ帯電で帯
電および除電処理する構成では、特にオゾンの発生量が
多くなり、そのために前記コロナ放電生成物の発生によ
る画像ボケ、画像流れの問題が特に大きいものとなる。
またa−Si感光体の場合は、表面硬度が他の感光体に
比べて極めて高いことが逆作用して、該感光体表面に付
着したコロナ放電生成物が、いつまでも残留し易い。
【0008】上述した画像ボケや画像流れ現象を防止す
る方法として、以下の2つの方法が提案されている。そ
の1つは、感光体に該感光体を加温するためのヒーター
を内蔵したり、温風送風装置により温風を感光体に送風
したりして感光体表面を加温(30〜50℃)すること
により相対湿度を低下させる方法である。この方法は感
光体表面に付着しているコロナ放電生成物や水分を揮発
させ、感光体表面の実質的な低抵抗化を抑える処置であ
り、実用化されている。他の1つは、表面の撥水性を向
上させることにより、初めからコロナ放電生成物を付着
しにくくし、それによって画像流れを防止する方法であ
る。従来技術としては、特開昭61−289354号公
報(以下、文献1という)に、表面をフッ素を含んだガ
スでプラズマ処理したa−C表面層が開示されている。
また、特開昭64−84257号公報(以下、文献2と
いう)には、フッ素を含んだアモルファスカーボンから
なる表面層の表面に、深さが0.1〜0.5μm、幅が
0.1〜1μmの凹凸をもつことを特徴とする電子写真
用感光体およびその製造方法が開示されている。この技
術によれば、表面積を増やすことで更に撥水性を向上さ
せることが可能であるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電子写真装置の高速度
化や画像の鮮明さの向上のためのトナーの小粒径化、定
着性の向上などにより、電子写真用感光体に対する負荷
の状況が変化してきている。すなわち、高速化に伴う、
クリーニング性の低下および摩擦力のアップである。電
子写真プロセスにおいて、プロセススピードが大きい場
合、クリーニングブレードのビビリなどによる現像剤な
どのすり抜けが発生し易い。その解決方法とし、プロセ
ススピードが大きくなるに従い、クリーニングブレード
の押し付け圧力を上げることにより、すり抜けなどを防
止できるが、プロセススピードが大きくなるに従い摩擦
力が大きくなり、感光体および電子写真装置に対する負
荷が大きくなる。また、現像剤の小粒径化についても、
高速化と同様の問題および融着に対する問題が生じ易
い。画像の鮮明さは現像剤粒子径が小さくなるに従い増
すが、高速の電子写真装置で用いた場合、負荷が大きく
なる。また、定着性の向上は融着などの問題が生じ易く
なり、これらの問題を解消するため、ブレード圧力を上
げる必要がある。そのため、高速機において鮮明な画像
を得るプロセスにおいては、クリーニングブレードの寿
命の低下、異物混入などでの傷が感光体につきやすくな
ったり、負荷アップによる回転モーターの電力アップな
どの問題をひき起こす場合がある。ドラムの加温装置に
より画像流れの問題は解消できるが、近年の複写機に対
する要求の高まりから、以下のような新たな問題があ
る。すなわち、省エネルギーやエコロジーという観点か
ら、ドラムヒーターによる加熱手段を行わないほうが望
ましい状況になってきた。別の問題として、高画質であ
るa−Si感光体ドラムをフルカラー複写機に搭載させ
る場合に、カラートナーなどの低融点トナーがドラム表
面に融着する可能性が高くなることである。更に別の問
題として、回転円筒状現像剤担持体の回転周期で部分的
に画像濃度が濃くなったり薄くなったりするといった問
題も挙げられる。この原因は装置の休止中に該感光体の
熱により、該回転円筒状現像剤担持体が膨張し該感光体
対向部との距離が短くなり、現像剤が通常よりも転移し
易くなるためである。これらの問題から、加温しなくて
も画像ボケや画像流れが発生しない感光体が求められて
いる。
【0010】ところで上述した文献1および2に開示さ
れた撥水性向上の技術に関しては、オゾンに晒した場合
の撥水性の向上は記載されているが、実際に大量枚数の
複写操作を行って耐久試験を行った結果についての記載
は全くない。そこで本発明者らは、文献1に開示された
方法に従って追試を行い、加温手段を用いないで連続的
に複写操作をする耐久試験を行ったところ、確かに初期
の画像流れ特性は改善されたが、a−Si感光体のメリ
ットの一つである高耐久性を考え、大量枚数の通紙耐久
試験において、更に撥水性を維持できるように改善する
必要性があることがわかった。同様に、文献2に開示さ
れている方法についても追試を行った。この場合、表面
に凹凸を設けて表面積を大きくすることにより、撥水性
の向上に対して効果があることは確かめられたが、通紙
耐久を行うことによって撥水性の効果が減少していくこ
とがわかった。この原因としてはフッ素を含むアモルフ
ァスカーボンが、柔らかいために感光体周辺部材や紙な
どの慴擦により徐々に削られていくためと考えられる。
これらのことから、加温手段を用いなくても画像ボケ、
画像流れを起こさないように高撥水性の表面層をもち、
かつその高撥水性が長期間、大量枚数の複写操作によっ
ても劣化しない感光体が望まれる。また、画像流れの問
題に加え、近年の複写画像に対する要求の高まりから、
高画質を安定して供給する技術が切望されている。複写
機の用途が文字中心の複写原稿から写真などの画像に移
り、ハーフトーンを多用する複写原稿が増えてきたた
め、濃度の安定性については、以前に増して厳しい基準
が要求されるようになってきた。このように同一の帯電
を行いたいときに帯電電位が時間的に変動してしまう場
合、その電位の変動分を電位シフトとよび、これが小さ
いほど高安定であるといえる。写真原稿に関しては、濃
度の安定性と共にゴースト現象に対しても要求が厳しい
ものとなる。ハーフトーンの部分は特にゴーストによる
影響を受けやすいためである。ここでゴーストとは、前
回複写したイメージが薄く顕在化してしまう現象である
ため、ハーフトーン電位を与えた時にゴーストが起きて
いる部分の電位とハーフトーン電位との差をゴースト電
位とよび、これが小さいほどゴーストが起きないことを
示している。これらの原因としては、帯電や除電を行う
プロセスにおいて、何らかの原因で電荷が膜中にトラッ
プされているために起こると考えられる。これまでにも
様々な方法によって電位シフトやゴースト電位をより小
さくする試みがなされているが、更に向上させることの
できる技術が切望されている。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、摩擦力、トルクの上昇
する、高速の電子写真システム(電子写真装置)におい
て、小粒径や定着性の優れたトナーを用いた場合におい
ても、クリーニング性が向上し、かつ、摩擦を減少し、
感光体とクリーニングブレードにかかる負荷を減少する
ことにより、クリーニング性に優れ、かつブレードの高
寿命化、感光体の負荷の低減、回転モーターの電力を低
減することを目的とする。本発明の他の目的は、いかな
る環境下においても、感光体の加温手段を設けることな
く画像ボケや画像流れのない高品質な画像が得られ、か
つ該感光体の特性が所望状態に維持される電子写真シス
テム(電子写真装置)を提供することにある。本発明の
他の目的は、電位特性の変動が少なく、高品位な画像が
経時的に変化することなく安定的に得られ、またゴース
ト現象の起こらない電子写真システム(電子写真装置)
を提供することにある。本発明の他の目的は、感光体の
加温手段を使用することなくして、カラートナーなどの
低融点トナーの融着防止、現像剤担持体の回転周期で発
生する濃度ムラの防止を実現できる電子写真システム
(電子写真装置)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】従来技術における上述し
た問題を解決し、上記目的を達成すべく、本発明者らは
実験を介して鋭意検討を行った。本発明者らはまず、ク
リーニング性の向上に着目し、感光体の表面の滑り性を
上げることを試みた。その結果、特定のa−Cの表面層
を有する感光体を用いた場合摩擦力が減少することを見
い出した。本発明者らは、更にクリーニング性につい
て、クリーニングブレードの硬度を変化した結果、JI
S硬度で74度から78度の範囲で使用することによ
り、クリーニング性に優れ、かつ滑り性がよくなり、感
光体やクリーニングブレードに対する負荷が小さくなる
ことを見い出した。そこで、発明者らはクリーニング性
を維持したままクリーニングブレードの圧力を下げるこ
とを試みた。結果、従来の高速の条件で行っていた圧力
より低い圧力で十分なクリーニング特性を得られた。ま
た、本発明者らは上述したJIS硬度の板状クリーニン
グブレードによる感光体表面のクリーニングにおいて、
該ブレードと該感光体表面とのなす角、すなわち、ブレ
ード当接角[θ1(度)]と、該ブレードと該感光体表
面との接触面(以下、これを“ニップ”と称す)の回転
上流側で該ニップと連続するブレード面が該感光体表面
とのなす角[θ2(度)](以下、該角をブレードドラ
ム挟み角と称す)について検討したところ、ブレード当
接角θ1(度)を20≦θ1≦40の範囲とし、ブレー
ドドラム挟み角θ2(度)を5≦θ2≦30の範囲とす
る場合、クリーニング特性が更に向上することがわかっ
た。これにより、高速機において鮮明な画像を得るプロ
セスにおいても、クリーニングブレードの長寿命化、異
物混入などでの傷が感光体の高耐久、回転モーターへの
負荷減少による電力ダウンなどが可能となった。
【0013】次に、本発明者らは、使用する感光体につ
いてその表面の高撥水性を維持させるための方法とし
て、非単結晶炭素膜表面の形状に注目した。表面に凹凸
形状を付けることで撥水性を制御する方法としては、前
述したように特開昭64−84257号公報に開示され
ているが、この方法では通紙耐久試験によって表面が徐
々に削られてしまい、凹凸の効果が確かめられなかっ
た。そこで削れない高硬度な表面層、すなわち前述した
特開昭61−289354号公報に開示されたフッ素を
含まない非単結晶炭素をフッ素プラズマによってエッチ
ングした表面層を考慮に入れて、様々な方法で表面の凹
凸を変化させて実験をした。表面の詳細な形状を観察す
るために原子力間顕微鏡(AFM)を用いて、フッ素プ
ラズマによるエッチングで表面形状を変化させたものに
ついて詳しく調べた。その結果、耐久性の低い感光体表
面は原子レベルで非常に荒れた面であり、逆に耐久性の
比較的高い感光体では表面は平坦性が高いことがわかっ
た。つまり、画像流れに関する耐久性の変化を表面粗さ
を指標として更に詳しく検討したところ、5μm四方の
視野において十点平均粗さ(Rz)が1000Å程度を
境にして、耐久性が大きく変化していることが見い出さ
れた。Rzが1000Åを越えるような激しい条件、例
えば100Å/secを大きく越えるような極端に速い
エッチングレートでエッチングを施すと、表面の形状は
大きく変化し非常に荒れた面となり、また画像流れに対
する耐久性が大きく劣化した。一方、Rzを1000Å
以下に抑制するようなエッチングを行った場合には、表
面の形状が緩やかな曲面からなり、画像流れに対する耐
久性が大きく向上しており、表面の凹凸が少ないほど画
像流れ特性を長期間保つことができる傾向にあることが
わかった。
【0014】このように非常に平坦な表面にした場合、
従来の表面層に比べて撥水性は向上するものの、凹凸を
もつ場合に比べると若干低い結果となる。しかしその高
撥水性を維持するための耐久性に関しては、より平坦な
ほうが向上している。この理由としてはまだ明らかでは
ないが、次のように考えている。表面に凹凸をもつ場
合、表面積が大きくなるためにフッ素の効果が大きく、
撥水性は向上する。しかし、実際の複写操作を行うこと
により、表面は様々な部材や紙によって慴擦されるが、
凸部にかかる力が集中するため、慴擦の条件はより厳し
くなると考えられる。このような力の集中が長期間続い
た場合、例え削れない高硬度な膜であっても、最表面付
近のフッ素やフッ素と結合した炭素が脱離しやすくなる
のではないかと考えられる。実際に大量枚数の複写を行
った後の表面層を調べたところ、光学的手段による膜厚
測定では変化がみられないものの、フッ素含有量が減少
しており、最表面付近のフッ素が脱落したためと考えら
れる。それに比べ、表面が平坦な場合、力の集中が起こ
らず、長期間の使用によっても撥水性が持続するものと
考えられる。通常は平坦にした場合のほうが滑り性が悪
くなり、摩耗特性は劣化する場合が多いが、本発明の場
合には、フッ素の効果によって滑り性が劣化することは
なく、逆に一般の電子写真用感光体に比べて滑り性は改
善しており、クリーニング不良が全く発生しないという
効果が得られる。そのため、表面層にa−Cを用いた場
合より更に摩擦力が減少する。
【0015】次に、表面近傍のフッ素量について検討を
行った。即ち、Rzがほぼ同じになるようにし、フッ素
の濃度が変化するようにエッチング条件を変えて実験を
したところ、含有されるフッ素が20%以下であるよう
な場合には、初期の撥水性が低く、画像流れ防止効果が
十分ではなかった。しかし、20%以上フッ素を含有さ
せた場合には撥水性が大量枚数の複写操作後でも維持さ
れることが判明した。また別の効果として、離型性の向
上による転写効率の向上がみられた。よってフッ素は炭
素に対して20%以上の濃度で拡散していることが望ま
しいことがわかった。また、予期せぬ効果として、フッ
素を拡散させる深さに関して、50Å前後で大きく電位
特性が変化することが判明した。特に電位シフト、ゴー
ストレベルについては、フッ素原子の分布範囲が最表面
から50Å以内程度になるようにフッ素プラズマによる
エッチングの条件をコントロールすると、大きく改善さ
れる傾向がみられた。フッ素原子を実質的に50Å以内
に納めるような条件でのみ電位特性が向上する原因とし
ては、表面層の最表面にフッ素と炭素の強固な共有結合
が形成されることにより、膜がより緻密になり、帯電電
荷の注入を抑えると共に、キャリアのトラップが減少し
たのではないかと考えている。更にフッ素原子の存在深
さを50Å以内にすることによって、フッ素原子導入時
の水素原子の脱離を最小限に抑えることができ、両者の
絶妙なバランスによって上記の改善が得られたものと推
測される。これらのことから、フッ素の拡散は50Åの
範囲(数〜十数原子層分)が望ましく、かつ炭素に対し
て20%以上の濃度で拡散していることが望ましいこと
がわかった。
【0016】本発明の電子写真システム(電子写真装
置)において使用する感光体(電子写真用感光体)は、
上述した事実に基づくものである。本発明における電子
写真用感光体の好ましい態様は以下に述べる構成のもの
である。すなわち、減圧可能な反応容器内で、高周波電
力を印加するカソード電極と、該カソード電極に対向す
る導電性基体との間にプラズマを発生させ基体をプラズ
マ処理するプラズマ処理装置を用いて、被処理基体上に
シリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光
導電層を堆積し、該光導電層の上に原料ガスとして少な
くとも炭化水素系のガスを用い、少なくとも水素を含む
非単結晶炭素からなる表面層を設け、該表面層の表面を
少なくともフッ素原子を含むガスを分解したプラズマ中
でエッチングすることにより表面をフッ素化し、エッチ
ングによって表面に生じた、基準長さを5μmとした場
合の表面粗さRzを1000Å未満に抑え、かつ該表面
層に含有されるフッ素を実質的に表面から50Å以内に
存在させ、その領域における炭素に対するフッ素の濃度
を20%以上にすることを特徴とする。
【0017】以下に、本発明の電子写真システム(電子
写真装置)について具体的に説明する。本発明の電子写
真システムは、電子写真用感光体(電子写真用円筒状感
光体)[以下、単に感光体または場合により感光体ドラ
ムという]を回転させ、帯電・露光・現像・転写・クリ
ーニングを繰り返す電子写真システムであって、現像剤
を前記感光体に現像した後転写材に転写し、現像剤が転
写された後の該感光体をブレードによってクリーニング
する構成を有し、前記感光体として導電性基体上にシリ
コン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電
層および少なくとも水素原子を含有する非単結晶炭素で
構成された表面層がこの順序で積層された感光体(以
下、当該感光体を“a−Si感光体”ということもあ
る)を使用し、前記現像剤として平均粒径が0.005
〜0.008mmである現像剤を使用し、前記ブレード
としてJIS硬度74度以上78度以下のクリーニング
ブレードを使用し、前記感光体の表面の移動速度に基づ
くプロセススピードが400mm/sec以上であるこ
とを特徴とする。ここで使用する前記感光体の好適な具
体例として、上述したように、前記少なくとも水素原子
を含有する非単結晶炭素からなる表面層の表面をフッ素
ガスを分解したプラズマ中でエッチングすることにより
フッ素化したものを挙げることができる。また、該感光
体の光導電層は、以下に述べる構成のものであることが
できる。すなわち、シリコン原子を母体とし水素原子及
び/又はハロゲン原子および周期律表第IIIb族に属
する元素を含有する非単結晶材料で構成された光導電層
であって、該光導電層は水素含有量が25〜35原子
%、光学的バンドギャップが1.80eV以上、光吸収
スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが
55meV以下であって、該光導電層に入射する光が一
定量吸収する領域とその他の領域で該周期律表第III
b族に属する元素の含有量が異なる。
【0018】本発明の電子写真システム(電子写真装
置)におけるクリーニングブレードおよび現像剤につい
て説明する。本発明におけるクリーニングブレード(図
1における121参照)は、JIS硬度は通常74度以
上78度以下の材質で板状の形態を有しており、感光体
のクリーニング性に優れる。図7に硬度を変化した場合
の融着、ブレードの耐久性を評価した結果を示した。融
着に関してブレードの硬度を上げたほうが効果があるこ
との反面、ブレードの欠けによるクリーニング不良が発
生し易い。しかしながら、滑り性のよいa−Cまたはa
−C:Fの表面層をもつ感光体を使用することにより、
ブレードの長寿命化が達成できる。また、前述したよう
に、より精彩な画質を要求される昨今においては、トナ
ーの小粒径化が進められ、コールターカウンターなどに
よる重量平均粒径が0.005〜0.008mmである
ものが多く使われている。一方、転写材にトナー画像を
定着させる能力は、定着器内で転写材のトナー画像にい
かに加熱するかにかかっており、高速化にあたって、転
写材が定着器内を通過する時間が短くなると、定着器の
温度を上昇させなくてはならず、電子写真装置全体の消
費電力の約8割を占める定着器での消費電力を増加せざ
るを得ない状況にあり、トナー自体の定着性向上が進め
られているが、定着性向上に相反する融着に対して不利
な方向である。融着に対するトナー粒径依存性、トナー
定着性依存性をみた結果、図8、図20および図21よ
り粒径が小さい程、定着性がよい程、融着に対して不利
になることがわかった。こういった状況に対し、感光体
にa−Cまたはa−C:Fを使用し、かつJIS硬度は
通常74度以上78度以下の材質を使用することで、対
策できることがわかった。また、上述した感光体を使用
し、上述したように平均粒径が0.005〜0.008
mmである微粒子トナーを現像剤として使用し、JIS
硬度74度以上78度以下の板状弾性ブレードをクリー
ニングブレードとして使用する本発明の電子写真システ
ムにおいては、ブレード当接角θ1(度)が、20≦θ
1≦40なる範囲にあり、ブレードドラム挟み角θ2
(度)が、5≦θ2≦30、なる関係を満たすことによ
り、プロセススピードが500mm/sec以上である
場合であっても、良好なクリーニングシステムが達成さ
れることがわかった。
【0019】本発明の電子写真システムにおけるクリー
ナーについて説明する。上述したように、図1(a)に
示す電子写真装置においては、矢印X方向に回転する、
面状内面ヒータ123によって温度コントロールされ
た、感光体101の周辺には、主帯電器102、静電潜
像形成光線103、現像器104、転写紙供給系10
5、転写帯電器106(a)、分離帯電器106
(b)、クリーナー107、搬送系108、除電光源1
09などが配設されている。ここにおけるクリーナーユ
ニット107については、図4にその一例を示す。具体
的には、図9〜図12に本発明にかかわるクリーナーの
一例を示す。図9に示すように、矢印X方向に回転する
感光体901の周辺には、本発明の特徴であるブレード
902、背板903、ブレード押さえ板904、支持台
905などが配設されている。ブレード902は、JI
S硬度は通常74度以上78度以下の材質で板状の形態
を有しており、背板903およびブレード押さえ板90
4によって挟み込まれた状態で支持台905に固定され
ている。ブレードの厚さDは通常3mm程度、ブレード
の幅aは通常20mm程度、ブレード押さえ板904か
らブレード先端までの長さbは通常6mm程度、背板9
03からブレード先端までの長さLは、以後、自由長と
称すが、通常これを3mm程度の範囲で配設する。以上
の構成でブレードは感光体に押し付けられ、感光体接触
部でブレードは圧力変形し、感光体とは面接触する。図
10はブレード当接部の位置関係を示すもので、矢印X
方向に回転する感光体1001と当接してブレード10
02が配設されており、該ブレードと該感光体の表面と
のなす角(ブレード当接角)をθ1、該ブレードと該感
光体とのニップの上流側で、ニップと連続するブレード
面が該感光体の表面とのなす角(ブレードドラム挟み
角)をθ2としている。図11で、矢印X方向に回転す
る感光体1101と当接してブレード1102が、そし
て感光体と一定のギャップを設けて感光体上のトナーコ
ート量を規制するクリーニングマグローラー1103、
マグローラー上のトナーコート量を規制するドクターロ
ーラー1104が配設されており、模式的にトナー11
05の状態を示してある。ブレード1102と感光体1
101の当接部においては、トナーの対流する領域が存
在し、そのごく一部はブレード1102と感光体110
1のすきまをすり抜けて潤滑剤の役割を果たしている。
図12は、ブレード形状を示すもので、ブレード単体状
態とドラム当接時の圧力変形状態について、本発明の一
例と従来例を比較している。
【0020】本発明の電子写真システム(電子写真装
置)における電子写真用感光体について図を参照して説
明する。図4(a)および図4(b)は、それぞれ本発
明における電子写真用感光体(以下、単に感光体とい
う)の一例の構成を示す模式的断面図である。図4
(a)に示す感光体は、光導電層を機能分離していない
単層型とよんでいる感光体である。該感光体は、基体4
01の上に、電荷注入阻止層402、少なくとも水素を
含むa−Siからなる光導電層403、および非単結晶
炭素(a−C)からなる表面層404がこの順序で積層
されたものである。図4(b)に示す感光体は、非単結
晶炭素(a−C)表面層の表面にフッ素が拡散した表面
層(a−C:F)をもつ感光体である。図4(b)に示
す感光体は、基体401の上に、電荷注入阻止層40
2、少なくとも水素を含むa−Siからなる光導電層4
03、および非単結晶炭素からなる表面層404がこの
順序で積層されていて、405は表面層の最表面に存在
する、フッ素が拡散したフッ素拡散領域を示す。光導電
層403は、電荷発生層と電荷輸送層の2つに機能分離
してもよく、機能分離を組成変化で行う場合に、その組
成変化を連続的に行ってもよい。図1(a)および
(b)に示す感光体においては、それぞれの層は連続的
な組成変化を伴ってもよく、明確な界面をもたなくても
よい。また、電荷注入阻止層402は、必要に応じて省
略してもよい。また、光導電層103と非単結晶炭素か
らなる表面層404との間には、密着性向上などの目的
で必要に応じて中間層を設けてもよい。中間層の材料と
しては光導電層403と表面層404との中間の組成を
もったSiC層が挙げられるが、この他に、SiO,S
iNなどを用いた層であってもよい。また中間層は組成
を連続的に変化させてもよい。
【0021】上述の非単結晶炭素とは、主として、黒鉛
(グラファイト)とダイヤモンドとの中間的な性質をも
つアモルファス状の炭素をいうが、微結晶や多結晶を部
分的に含んでいてもよい。これらはプラズマCVD法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などによっ
て作成可能であるが、プラズマCVD法を用いて作成し
た膜は透明度、硬度共に高く、感光体の表面層として用
いるには好ましい。プラズマCVD法により非単結晶炭
素膜を形成する際の放電周波数としては如何なる周波数
も用いることができる。工業的にはRF周波数帯とよば
れる1〜450MHz、特に13.56MHzの高周波
が好適に用いることができる。また、特に50〜450
MHzのVHFとよばれる周波数帯の高周波を用いた場
合には、透明度、硬度ともに更に高くできるので、表面
層としての使用に際してはより好ましい。表面層404
の最表面にフッ素拡散領域を形成するについて使用する
フッ素系のガスとしては、CF4,CHF3,CH22
CH3F,C26,C24,CH2CF2,ClF3,SF
6,HF,F2などのプラズマ化により活性なフッ素ラジ
カルを生成できるものであれば如何なるものでも使用可
能である。またこれらのガスを混合したもの、あるいは
希ガスなどの他のガスで希釈したものであってもよい。
【0022】図2は、本発明の高周波電源を用いたプラ
ズマCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に
示した図である。この装置は大別すると、堆積装置21
00、原料ガス供給系2200、反応容器2110内を
減圧するための排気装置(図示せず)から構成されてい
る。堆積装置2100中の反応容器2110内にはアー
スに接続された円筒状基体2112、円筒状基体の加熱
用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置さ
れている。反応容器2110の周囲壁を兼ねるカソード
電極2111には、高周波マッチングボックス2115
を介して高周波電源2120が接続されている。原料ガ
ス供給系2200は、SiH4,H2,CH4,NO,B2
6,CF4などの原料ガス用のガスボンベおよびエッチ
ングガス用のガスボンベ2221〜2226とバルブ2
231〜2236、2241〜2246、2251〜2
256およびマスフローコントローラー2211〜22
16から構成され、各ガスボンベは補助バルブ2260
を介して反応容器2110内のガス導入管2114に接
続されている。高周波電源2120としては、10W〜
5000W以上の範囲の電力を発生することができるも
のであれば、如何なる出力のものであっても使用でき
る。更に、高周波電源2120の出力変動率は、如何な
る値であっても本発明の効果を得ることができる。マッ
チングボックス2115は、高周波電源2120と負荷
の整合をとることができるものであれば如何なる構成の
ものでも好適に使用できる。また、整合をとる方法とし
ては、自動的に調整されるものが好適であるが手動で調
整されるものであってもよい。高周波電力が印加される
カソード電極2111の材質としては、銅、アルミニウ
ム、金、銀、白金、鉛、ニッケル、コバルト、鉄、クロ
ム、モリブデン、チタン、ステンレスおよび、これらの
材料の2種類以上の複合材料などが使用できる。また、
形状は円筒形状が好ましいが必要に応じて楕円形状、多
角形状を用いてもよい。カソード電極2111には、必
要に応じて冷却手段を設けてもよい。具体的な冷却手段
としては水、空気、液体窒素、ペルチェ素子などによる
冷却が必要に応じて用いられる。円筒状基体2112
は、使用目的に応じた材質や形状を有するものであれば
よい。例えば、形状に関しては、電子写真用感光体を製
造する場合には、円筒状が望ましいが、必要に応じて平
板状や、その他の形状であってもよい。また、材質にお
いては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉛、ニッケ
ル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ステ
ンレスおよび、これらの材料の2種類以上の複合材料、
更にはポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ガラス、
石英、セラミックス、紙などの絶縁材料に導電性材料を
被覆したものなどが使用できる。円筒状基体2112の
表面形状については、バイト切削、ディンプル加工など
による、比較的大きい周期での凹凸を、高温・高湿環境
における画像ボケに対する耐久性を劣化させないように
する目的、干渉防止などの目的で有することが可能であ
る。本発明の効果は、感光体の最表面の粗さを基準長さ
5μmとした場合に、Rzが1000Å未満であれば得
ることができる。感光体堆積後のフッ素プラズマによる
エッチングによって、表面の粗れは平坦化することがで
きるため、成膜前の基体表面の粗さに関してはそれほど
考慮しなくてもよい。
【0023】以下、図2の装置を用いた、感光体の形成
方法の手順の一例について説明する。反応容器2110
内に円筒状基体2112を設置し、不図示の排気装置
(例えば真空ポンプ)により反応容器2110内を排気
する。続いて円筒状基体加熱用ヒーター2113により
円筒状基体2112の温度を20℃〜500℃の所定の
温度に制御する。感光体形成用の原料ガスを反応容器2
110内に流入させるにはガスボンベのバルブ2231
〜2236、反応容器のリークバルブ2117が閉じら
れていることを確認しまた、流入バルブ2241〜22
46、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ22
60が開かれていることを確認し、メインバルブ211
8を開いて反応容器2110内およびガス供給配管21
16内に排気する。次に真空計2119の読みが5×1
-6Torrになったところで、補助バルブ2260、
流出バルブ2251〜2256を閉じる。その後ガスボ
ンベ2221〜2226より各ガスをバルブ2231〜
2236を開いて導入し圧力調整器2261〜2266
により各ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に流入
バルブ2241〜2246を徐々に開けて各ガスをマス
フローコントローラー2211〜2216内に導入す
る。以上の手順によって成膜準備を完了した後、円筒状
基体2112上に各層の形成を以下のようにして行う。
円筒状基体2112が所定の温度になったところで、各
流出バルブ2251〜2256のうちの必要なものと補
助バルブ2260とを徐々に開き、各ガスボンベ222
1〜2226から所定の原料ガスをガス導入管2114
を介して反応容器2110内に導入する。次に、各マス
フローコントローラー2211〜2216によって、各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
反応容器2110内が1Torr以下の所定の圧力にな
るように、真空計2119をみながらメインバルブ21
18の開口を調整する。内圧が安定したところで、高周
波電源2120を所望の電力に設定して高周波マッチン
グボックス2115およびカソード電極2111を介し
て高周波電力を反応容器2110内に供給し高周波グロ
ー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応
容器2110内に導入した原料ガスが分解され、円筒状
基体2112上に所定のシリコン原子を主成分とする堆
積膜が形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高
周波電力の供給を止め、各流出バルブ2251〜225
6を閉じて反応容器2110への各原料ガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。このようにして光導電層の
形成を行うことができる。
【0024】表面層の形成も基本的には上記の操作を繰
り返すことにより行うことができる。具体的には各流出
バルブ2251〜2256のうちの必要なものと補助バ
ルブ2260とを徐々に開き、各ガスボンベ2221〜
2226から表面層に必要な原料ガスをガス導入管21
14を介して反応容器2110内に導入する。次に、各
マスフローコントローラー2211〜2216によっ
て、各原料ガスが所定の流量になるように調整する。そ
の際、反応容器2110内が1Torr以下の所定の圧
力になるように、真空計2119をみながらメインバル
ブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところ
で、高周波電源2120を所望の電力に設定して高周波
電力を高周波マッチングボックス2115およびカソー
ド電極2111を介して反応容器2110内に供給し高
周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによ
って反応容器2110内に導入された原料ガスが分解さ
れ、表面層が形成される。所望の膜厚の形成が行われた
後、高周波電力の供給を止め、各流出バルブ2251〜
2256を閉じて反応容器2110への各原料ガスの流
入を止め、表面層の形成を終える。
【0025】成膜に用いたガスを反応容器内から十分に
排気したあと、各流出バルブ2251〜2256のうち
の必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開き、各
ガスボンベ2221〜2226からエッチング処理に必
要な、少なくともフッ素原子を含むガスをガス導入管2
114を介して反応容器2110内に導入する。次に、
各マスフローコントローラー2211〜2216によっ
て、フッ素原子を含むガスが所定の流量になるように調
整する。その際、反応容器2110内が1Torr以下
の所定の圧力になるように、真空計2119をみながら
メインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定し
たところで、高周波電源2120を所望の電力に設定し
て高周波電力を高周波マッチングボックス2115およ
びカソード電極2111を介して反応容器2110内に
供給し高周波グロー放電を生起させる。この放電エネル
ギーによって反応容器2110内に導入させたフッ素原
子を含むガスが分解され、表面層と反応することにより
表面層のエッチング処理が行われる。表面形状の制御お
よびフッ素原子の含有深さは、内圧、高周波電力、基体
温度などを変化させることにより任意に設定できるの
で、所望の条件とすることができる。所望の膜厚のエッ
チング処理が行われた後、高周波電力の供給を止め、各
流出バルブ2251〜2256を閉じて反応容器211
0への各原料ガスの流入を止める。膜形成を行っている
間は円筒状基体2112を駆動装置(不図示)によって
所定の速度で回転させてもよい。
【0026】図3は前記、図2とは別形態のプラズマC
VD法による電子写真用感光体の形成装置(量産型)の
一例の模式図である。図3はその堆積装置部分の模式的
断面図である。図3において301は反応容器であり、
真空気密化構造を成している。302は一端が反応容器
301内に開口し、他端が排気装置(図示せず)に連通
している排気管である。303は円筒状基体304によ
って囲まれた放電空間を示す。高周波電源305は、高
周波マッチングボックス306を介して電極307に電
気的に接続されている。円筒状基体304はホルダー3
08にセットした状態で回転軸309に設置される。ホ
ルダー308上の円筒状基体304は、必要に応じてモ
ーター310で回転できるようになっている。原料ガス
供給系(不図示)は、図2に示した2200と同様のも
のを用いればよい。原料ガス供給系からの原料ガスは、
バルブ312を有するガス導入管311を介して反応容
器301内に導入される。図3に示す装置の高周波電源
305としては、10W〜5000W以上の範囲の電力
を発生することができるものであれば、如何なる出力の
ものであっても使用できる。更に、高周波電源305の
出力変動率は、如何なる値であっても本発明の効果を得
ることができる。マッチングボックス306は高周波電
源305と負荷の整合をとることができるものであれば
如何なる構成のものでも好適に使用できる。また、整合
をとる方法としては、自動的に調整されるものが好適で
あるが手動で調整されるものであってもよい。高周波電
力が印加される電極307の材質としては、銅、アルミ
ニウム、金、銀、白金、鉛、ニッケル、コバルト、鉄、
クロム、モリブデン、チタン、ステンレス、およびこれ
らの材料の2種類以上の複合材料などが使用できる。ま
た、形状は円筒形状が好ましいが、必要に応じて楕円形
状、多角形状を用いてもよい。電極307は必要に応じ
て冷却手段を設けてもよい。具体的な冷却手段として
は、水、空気、液体窒素、ペルチェ素子などによる冷却
が必要に応じて用いられる。本発明に用いる円筒状基体
304は、使用目的に応じた材質や形状を有するもので
あればよい。例えば、形状に関しては、電子写真用感光
体を製造する場合には、円筒状が望ましいが、必要に応
じて平板状や、その他の形状であってもよい。また、材
質においては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉛、
ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタ
ン、ステンレスおよび、これらの材料の2種類以上の複
合材料、更にはポリエステル、ポリエチレン、ポリカー
ボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ガ
ラス、石英、セラミックス、紙などの絶縁材料に導電性
材料を被覆したものなどが使用できる。図3の装置によ
る成膜は、上述した図2の装置による成膜手法と同様に
して行うことができる。
【0027】
【実験例】以下に本発明を実験例を用いて具体的に説明
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。
【0028】
【実験例1】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層し表面層がa−Cからなる感光体を作成した。ま
た、表面層を従来法によりa−SiCからなるものとし
た以外は同様にしてa−SiC表面層の感光体を作成し
た。作成した感光体をキヤノン製複写機NP6060を
改造した評価装置を用いて、クリーニング性の評価を行
った。プロセススピードは400mm/sec、トナー
粒径は6.5μmとした。結果を表4乃至7に示した。
表中、○はクリーニング性および、耐久性に問題がない
場合、×は問題がある場合を表す。ビビリ、すり抜けに
関してはクリーニングブレードにかける圧力が小さい場
合に発生した。表面層に本発明のa−C膜を用いた場
合、クリーニングブレードにかける圧力が小さい場合に
おいてもすり抜けなどが発生しなかった。また、本発明
のクリーニングブレードを用いた場合、クリーニングブ
レードの圧力が小さい場合においても融着の発生はなか
った。以上のように、本発明の系においては、クリーニ
ングブレードの圧力範囲を広く使用できることがわかっ
た。
【0029】
【実験例2】実験例1で得られた2種の感光体のそれぞ
れについて、実験例1で用いた評価装置を用い、各種の
プロセススピードに対し、ドラム回転によって発生す
る、ドラムとクリーニングブレードとの摩擦に関する負
荷力を調べた。ブレードの圧力は14g/cmにし、ト
ナーは粒径6.5μmのものを用いた。結果を図5に示
す。表面層をa−Cを用いることおよび、クリーニング
ブレードを本発明のものを用いることにより、ドラム回
転モーターにかかる負荷力が減少した。次に、クリーニ
ングブレードの圧力を下げ、同じ実験を行ったところ、
8gf/cmまでクリーニングブレードの圧力を下げた
とき、表面層にa−Cを用いそしてクリーニングブレー
ドに本発明のものを用いた以外は、すり抜け、融着など
が発生した。表面層にa−Cまたはa−C:Fを用い、
クリーニングブレードに本発明のものを用い、圧力が8
gf/cmにした場合を図6に示した。クリーニングブ
レードの圧力を下げることにより、更にドラム回転モー
ターにかかる負荷力が減少した。
【0030】
【実験例3】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層し、感光体を3本作成した。次に表2に示す条件
で高周波電力を変えてエッチングをすることにより、エ
ッチング後の表面のRzが200Å程度のもの、500
Å程度のもの3種類を作成した。この範囲の電力ではフ
ッ素の侵入深さは20Å前後であり、濃度は30〜40
%であることがわかっている。上記の感光体の撥水性を
評価するために協和界面科学社製の接触角計(CA−S
−ロール型)により表面の接触角を純水で測定したとこ
ろ、3本共100度以上の接触角であり高い撥水性が得
られた。次に電位特性を評価した。すなわち、それぞれ
の感光体を測定器に搭載し、様々な条件で表面電位の変
化を測定した。電位シフトの評価には、帯電器に一定電
流を流しておき、2分間(キヤノン製複写機NP−50
60なら100枚相当)の感光体表面の帯電電位を観測
し、その変動の様子を調べた。また、ゴースト電位に関
しては、帯電させた後、露光、除電などの複写プロセス
と同等のプロセスを経て、一周した後にハーフトーン電
位を与え、露光した部分としなかった部分とでの電位の
差を観測することにより得られる。次いで、この感光体
を実験用に改造したキヤノン製複写機NP−6060改
造機に搭載し30℃80%の高温・高湿環境で、ドラム
ヒーターなどの加熱手段を一切用いずに10万枚連続複
写して耐久試験とした。このとき、マグローラーをカウ
ンター方向に通常使用よりも高速で回転して接触させ、
クリーナーブレードの押し付け圧を通常より高くし、慴
擦による表面への負荷がより厳しい環境に設定した。複
写原稿にはキヤノン製テストチャート(部品番号:FY
99058)を用いた。このような耐久試験前後で接触
角、画像流れ特性について評価を行った。接触角につい
ては上記と同様の方法で、画像流れについては上記のテ
ストチャートの細線がぼけていないかで評価した。ま
た、転写効率を調べるために、耐久試験後に廃トナーを
回収して重量を正確に量って比較した。また、キズの発
生し易さについては、耐久後に強制ジャム試験を10回
行い、その後ハーフトーン画像を出してキズの状態を調
べた。以上の評価で得られた諸特性の結果を表8に示
す。表8には、得られた結果を以下の基準で示した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:実用上問題なし ×:実用上問題あり
【0031】
【比較例1】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を2本作成した。次
に表2に示す条件で高周波電力を実験例3に比べ増大さ
せてエッチングをすることにより、エッチング後の表面
のRzが1000Å程度のもの、2000Å程度のもの
の2種類を作成した。この条件範囲ではフッ素の侵入深
さは35Å前後であり、濃度は40〜50%であること
がわかっている。次いで、実験例3と同様の耐久および
評価をそれぞれについて行った。評価結果は、実験例3
の結果と合わせて表8に示す。電位測定では、全ての感
光体について電位シフト、ゴースト電位共に問題がない
ことがわかった。Rzが800Åまでの感光体について
は10万枚の耐久でも画像流れは全く発生しなかった
が、粗さが1000Åではやや解像度が低下した画像と
なり、2000Åでは画像流れが発生してしまった。こ
のことはRzが1000Åを境にして表面の結合状態が
大きく変わったため、フッ素が脱落しやすくなったため
であると考えられる。画像流れが発生した粗さ1000
Å,2000Åの感光体では、10万枚耐久後の接触角
はそれぞれ45,35に劣化していた。また、強制ジャ
ム試験ではいずれの感光体についてもキズなどの発生は
みられなかったことから、表面層としての硬度は十分で
あることが確かめられた。
【0032】
【実験例4】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を3本作成した。次
に表3に示す条件でエッチングを行い、反応させる温度
と圧力を変えることでフッ素の侵入深さを5Å,25
Å,50Åとなるように変化させた。エッチングに伴う
表面粗さはほぼ500Åになるようにしてある。この3
本の感光体の表面層の炭素に対するフッ素含有量をXP
Sにより測定したところ、それぞれ22,37,45%
であった。次いで、実験例3と同様の耐久および評価を
それぞれについて行った。得られた評価結果を表9に示
す。
【0033】
【比較例2】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を3本作成した。次
に表3に示す条件でエッチングを行い、反応させる温度
と圧力を変えることでフッ素の侵入深さを5Å,55
Å,70Åとなるように変化させた。エッチングに伴う
表面粗さはほぼ500Åになるようにしてある。この3
本の感光体の表面層の炭素に対するフッ素含有量をXP
Sにより測定したところ、それぞれ15,46,55%
であった。次いで、実験例3と同様の耐久および評価を
それぞれについて行った。得られた評価結果を実験例4
と合わせて表9に示す。実験例4、比較例2の結果か
ら、侵入深さが同じ5Åであっても、フッ素量が20%
より少ないと、耐久後の撥水性が低下していることがわ
かる。それに伴って軽微だが画像流れが発生してしまっ
た。また、フッ素量が20%以下のものに比べ、20%
以上のものは離型性の向上により、転写効率が更に向上
していることが分かった。一方、フッ素量が20%より
多くても、侵入深さが50Åを越えた場合と50Å以内
にとどめた場合とを比較すると、50Å以内にとどめた
ほうが電位シフト、ゴースト電位共に更に良化すること
がわかった。これらの結果から、フッ素の侵入深さで5
0Å以内、フッ素量で炭素に対して20%以上である必
要があることがわかった。
【0034】
【実験例5】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を5本作成した。次
に表2に示す条件でエッチングを行った。このとき、エ
ッチング時間を変化させてエッチング膜厚を20Å,1
00Å,500Å,2000Å、2900Åと変化させ
た。表面層の膜厚が3000Åであるので、エッチング
後の膜厚はそれぞれ、2980Å,2900Å,250
0Å,1000Å,100Åとなる。次いで、実験例3
と同様の耐久および評価をそれぞれについて行った。得
られた評価結果を表10に示す。
【0035】
【比較例3】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を2本作成した。次
に表2に示す条件でエッチングを行った。このとき、エ
ッチング時間を変化させてエッチング膜厚を5Å、29
50Åと変化させた。表面層の膜厚が3000Åである
ので、エッチング後の膜厚はそれぞれ、2995Å,5
0Åとなる。次いで、実験例3と同様の耐久および評価
をそれぞれについて行った。得られた評価結果を実験例
5の結果と合わせて表10に示す。エッチング膜厚が少
ない場合、含有されるフッ素の量が少なくなることが予
想される。エッチング膜厚が5Åのものと20Åのもの
を比べると、5Åのものは耐久試験後に軽微な画像流れ
が生じたのに対し、20Åのものは生じなかった。同条
件で作成したドラムの分析から、エッチング膜厚5Å,
20Åの表面層に含まれるフッ素量は、それぞれ11
%、28%であった。また、エッチング膜厚が5Åのも
のに比べ、20Å以上のものは離型性が向上しているた
め、転写効率が更に向上していることがわかった。この
ことから、エッチング膜厚は20Å以上が望ましいこと
がわかった。逆にエッチング膜厚が大きい場合、残存す
る膜厚は小さくなり、キズが発生しやすくなることが分
かった。エッチング膜厚2900Å(表面層の残留する
膜厚100Å)のものと、2950Å(残留する膜厚5
0Å)のものとを比較した。強制ジャム試験によるキズ
の有無を調べたところ、残留膜厚が50Åの場合、強制
ジャム試験により表面にキズが発生することがあった。
これに対し、残留膜厚が100Å以上の場合にはキズの
発生はみられなかった。これらのことから、エッチング
によって除去される膜厚は少なくとも20Å以上必要で
あり、表面に残留する表面層の厚さは100Å以上が望
ましいことがわかった。
【0036】
【実験例6】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を6本作成した。次
に表2に示す条件で、ガス種をCF4,CHF3,C
26,CF2=CF2,ClF3,SF6の6種類のガスを
用いてエッチングを行った。次いで、実験例3と同様の
耐久および評価をそれぞれについて行った。得られた評
価結果を表11に示す。この結果から、エッチングに用
いるフッ素含有ガスの種類によらず本発明の効果が得ら
れることがわかった。
【0037】
【実験例7】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。このようにして感光体を4本作成した。次
に表2に示す条件でガスをHe,Ne,Ar,N2の4
種類で希釈(50%)してエッチングを行った。次い
で、実験例3と同様の耐久および評価をそれぞれについ
て行った。得られた評価結果を表12に示す。この結果
から、希ガスによるフッ素含有ガスの希釈によらず本発
明の効果が得られることがわかった。
【0038】
【実験例8】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。次に表2に示す条件でエッチングしフッ素
化を行った。この条件では、Rzは500Å、フッ素は
20Å程度拡散し、同領域に40%程度含有されている
ことがわかっている。次いで得られた感光体をキヤノン
製複写機NP−5060改造機に搭載し、50万枚の耐
久を実験例3と同様に行った。但し、ドラムの加温装置
を用いてドラム表面を50℃程度に維持した。得られた
評価結果を表13に示す。
【0039】
【比較例4】図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層した。フッ素化は行わなかった。得られた感光体
をキヤノン製複写機NP−5060改造機に搭載し、5
0万枚の耐久を実験例3と同様に行った。但し、ドラム
の加温装置を用いてドラム表面を50℃程度に維持し
た。評価結果を実験例8と合わせて表13に示す。比較
例4においては、画像に融着の痕跡が現れ、ドラム表面
に微小な融着が発見された。通常の使用条件よりもブレ
ード圧を高くしているために融着は出やすい環境にある
が、a−Siドラムに要求される耐久枚数まで複写工程
を行った場合には画像に顕在化する可能性もある。一
方、実験例8のドラムではドラム表面温度を50℃程度
まで上げても融着は発生しなかった。これは表面に存在
するフッ素のために滑り性が向上したためと思われる。
【0040】
【実験例9】図3に示すプラズマCVD装置を用いて、
放電周波数105MHzにて表14に示した条件により
円筒形のAl基体に堆積膜を順次積層して、複数の感光
体を作成した。また、比較のために図2に記載の放電周
波数13.56MHzのRFプラズマCVD装置を用い
て表15に示した条件により感光体を作成した。次いで
表2に示す条件で、フッ素プラズマによるエッチングを
行った。得られた感光体のそれぞれについて、実験例3
と同様の耐久および評価を行った。得られた結果を表1
6に示す。105MHzのVHFで作成したものは、1
3.56MHzの高周波で作成したものに比べ全ての特
性において全く遜色がない。加えて、感度、硬度の点で
13.56MHzで作成したものに比べて更に向上して
いることがわかった。
【0041】
【実験例10】実験例3〜9で作成した感光体を、実験
例2と同様に、実験例1で用いた評価装置を用い、プロ
セススピードに対し、ドラム回転によって発生する、ド
ラムとクリーニングブレードとの摩擦に関する負荷力を
調べた。ブレードの圧力は全て14g/cmに統一し
た。トナー粒径は6.5μmである。いずれの場合も表
面層のa−Cの場合と比べ更に回転モーターにかかる負
荷力が減少した。次に、クリーニングブレードの圧力を
下げ、同じ実験を行ったところ、8g/cmまでクリー
ニングブレードの圧力を下げたとき、実験例3〜9で作
成したいずれの感光体を用いた場合においても、すり抜
け、融着などの発生がなかった。
【0042】
【実験例11】平均面に対する突起部の高さの異なる感
光体、粒径、定着性の異なる種々のトナーを用意した。
更に、ブレードに関してはJIS硬度、厚さの異なるも
の、および形状の異なるもの即ち、図12に示すよう
に、ドラム当接エッジを落としたもので、ドラム当接時
のブレードドラム挟み角が選択できるよう数種類のもの
を用意した。そして、プロセススピードが変化できるよ
うに改造し、ブレードの押し付け圧力を変化できるよう
に改造した図1(a)に示すような電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6060をテスト用に改造)に、作成した
感光体、トナーおよびブレードをセットして、画質、融
着、クリーニング性、ブレード欠け、ブレード寿命、な
らびに感光体削れを評価した。図13は、クリーニング
性、感光体削れのブレード当接角(図10におけるθ
1)依存性を示すものである。クリーニング性は、クリ
ーナー通過後のドラム面上に残存するトナー量をランク
で評価した。感光体削れは、感光体表面を目視観察して
ランクで評価した。クリーニング性は、ブレード当接角
に対して適正な範囲が存在し、ブレードドラム挟み角に
依存しないが、感光体削れは、ブレードドラム挟み角が
65度の場合より、20度の場合の方が、当接角に対し
て良好な範囲の広いことが分かった。また、図14は、
感光体削れのブレードドラム挟み角(図10におけるθ
2)依存性を示すものである。ブレードドラム挟み角
は、小さすぎても大きすぎても感光体が削れやすい傾向
にあり、感光体削れに対してブレードドラム挟み角の適
正な範囲が存在することがわかる。更にブレード硬度の
高いものでは、使用可能範囲が狭い状況にあった。一
方、図10からわかるように、通常の板状ブレードのま
まで、ブレードドラム挟み角を小さくするためには、当
接角を大きくしなければならず、クリーニング性が悪化
するので、両立しない。そこで本発明者らは、形状に注
目し、図12のように、ドラム当接エッジを落とした形
状のものを使用したところ、ブレード当接角とブレード
ドラム挟み角の両立する最適範囲を十分とれることが可
能であることを見い出した。図15は、融着、感光体削
れについて、プロセススピード依存性を測定した結果を
示している。融着、感光体削れ両者とも、プロセススピ
ードの増加と共に悪化するが、前述の通り、ブレードド
ラム挟み角を最適値に設定することで解消する。更に、
ブレードの厚さ、押し付け圧を変化させ、融着、クリー
ニング性、ブレード寿命を評価した結果を図18、図1
9に示す。ブレード硬度の高いほうが、融着、クリーニ
ング性に対するブレードの厚さの適性範囲は広く、融
着、ブレード寿命に対する押し付け圧の適性範囲も広い
ことがわかった。
【0043】また、平均面に対する突起部の高さを変化
させた感光体およびJIS硬度を変化させたブレードを
用い、ブレード欠けによるクリーニング不良、融着につ
いて評価した結果を図16、図17に示す。この結果か
ら、JIS硬度の低いブレードは該突起部の高さに対す
るブレード欠けの許容範囲が広いが、融着に関して不利
である。一方、JIS硬度の高いブレードは、融着に効
果がある反面、ブレード欠けによるクリーニング不良が
発生しやすいが、感光体表面の平均面に対する突起部の
高さが低い感光体を使用すれば解消できることがわかっ
た。更に、粒径、定着性の異なる種々のトナーを用い、
融着、感光体削れ、画質の評価を行った結果を図20、
図21に示す。定着性とは、定着後の画像をシルボン紙
ですり取った際のすり取れ率で定義し、画像濃度をD
0、擦り後濃度をD1としたとき、(D0−D1)/D
0*100(%)で表わす量で、数値が大きいほど定着
性が悪いことを意味する。この結果から、トナー粒径が
小さくなると、融着、感光体削れに関して不利である
が、トナー粒径を大きくすると画質が低下することがわ
かった。また、トナーの定着性が良くなると、融着に関
して不利であるが、ブレードの硬度を上げることで、融
着に関して問題のないレベルになることがわかった。以
上代表的なものについて、☆:非常に良好、◎:良好、
○:実用上問題なし、△:実用上やや難あり、×:実用
上難あり、の5段階で判定し、結果を表17にまとめて
示す。
【0044】以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0045】
【実施例1】図2に示したプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層し表面a−Cからなる2種類の感光体を作成し
た。作成した感光体をキヤノン製複写機NP−6060
を改造した評価装置を用いて評価を行った。プロセスス
ピードは450mm/sec、トナー粒径は7μm、ク
リーナーブレードはJIS硬度76度のものを用いクリ
ーニングブレード圧力を14g/cmにした。このとき
ビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。10万枚使
用後のクリーニングブレードも良好であった。
【0046】
【実施例2】図2に示したプラズマCVD装置を用いて
表1に示した条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順
次積層しこのような感光体を3本作成した。次に表2に
示す条件で高周波電力を変えてエッチングをすることに
より、エッチング後の表面のRzが200Å程度のもの
の感光体を作成した。このフッ素の侵入深さは約20Å
あり、濃度は35%であった。作成した感光体をキヤノ
ン製複写機NP−6060のを改造した評価装置を用い
て評価を行った。プロセススピードは510mm/se
c、トナー粒径は6μm、クリーナーブレードはJIS
硬度75度のものを用い圧力を16g/cmにした。こ
のときビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。10
万枚使用後のクリーニングブレードも良好であった。次
にゴースト電位測定、耐久試験前後で接触角、画像流れ
特性について評価を行った。強制ジャム試験を行いいず
れも良好な結果が得られた。
【0047】
【実施例3】図3に示したプラズマCVD装置を用い
て、放電周波数105MHzにて表14に示す条件によ
り円筒形のAl基体に堆積膜を順次積層して感光体を作
成した。次に表2に示す条件で、フッ素プラズマによる
エッチングを行った。作成した感光体をキヤノン製複写
機NP−6060のを改造した評価装置を用いて評価を
行った。プロセススピードは420mm/sec、トナ
ー粒径は7.5μm、クリーナーブレードはJIS硬度
78度のものを用い圧力を10g/cmにした。このと
きビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。10万枚
使用後のクリーニングブレードも良好であった。次にゴ
ースト電位測定、耐久試験前後で接触角、画像流れ特性
について評価を行った。強制ジャム試験を行いいずれも
良好な結果が得られた。
【0048】
【実施例4】図2に示したプラズマCVD装置を用い、
直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリン
ダー上に、表18に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作成した。感光体の全面を
観察し、平均面に対する突起部の高さの異なる部分を探
し、突起部の高さが0.005mmである感光体を用
い、粒径0.007mm、定着性10%であるトナー、
JIS硬度76度のブレードを用い、当接角25de
g、挟み角20deg、ブレードの厚さを3mm、押し
付け圧力を400g/cm2に設定し、プロセススピー
ド520mm/secで使用して、画質、融着、クリー
ニング性、ブレード欠け、ブレード寿命、ならびに感光
体削れを評価したところ、良好な結果が得られた。結果
を表17に示す。
【0049】
【実施例5】ブレードを感光体の母線方向にレシプロさ
せる機構を設け、JIS硬度76度のブレードを用い、
当接角25deg、挟み角20deg、ブレードの厚さ
を3mm、押し付け圧力を400g/cm2に設定し、
実施例1と同様に作成した、突起部の高さが0.005
mmである感光体、および粒径0.007mm、定着性
10%であるトナーを用い、プロセススピード520m
m/secで使用して、画質、融着、クリーニング性、
ブレード欠け、ブレード寿命、ならびに感光体削れを評
価したところ、良好な結果が得られた。結果を表17に
示す。
【0050】
【実施例6】図2に示したプラズマCVD装置を用い、
直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリン
ダー上に、表18に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作成した。感光体の全面を
観察し、平均面に対する突起部の高さの異なる部分を探
し、突起部の高さが0.02mmである感光体の表面を
ラッピングテープで研磨し、突起部の高さを0.005
mmにしたものを用い、粒径0.007mm、定着性1
0%であるトナー、JIS硬度76度のブレードを用
い、当接角25deg、挟み角20deg、ブレードの
厚さを3mm、押し付け圧力を400g/cm2に設定
し、プロセススピード520mm/secで使用して、
画質、融着、クリーニング性、ブレード欠け、ブレード
寿命、ならびに感光体削れを評価したところ、良好な結
果が得られた。結果を表17に示す。
【0051】
【実施例7】図3に示したプラズマCVD装置を用いて
VHF−プラズマCVD法により、直径108mmの鏡
面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表19に
示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる
感光体を作成した。感光体の全面を観察し、平均面に対
する突起部の高さの異なる部分を探し、突起部の高さが
0.02mmである感光体の表面をラッピングテープで
研磨し、突起部の高さを0.005mmにしたものを用
い、粒径0.007mm、定着性10%であるトナー、
JIS硬度76度のブレードを用い、当接角25de
g、挟み角20deg、ブレードの厚さを3mm、押し
付け圧力を400g/cm2に設定し、プロセススピー
ド520mm/secで使用して、画質、融着、クリー
ニング性、ブレード欠け、ブレード寿命、ならびに感光
体削れを評価したところ、良好な結果が得られた。結果
を表17に示す。
【0052】
【比較例1】ブレードのJIS硬度が74度乃至78度
の範囲外であり、あるいはブレード当接角(度、図10
におけるθ1)が20≦θ1≦40ではなく、あるいは
ブレードドラム挟み角(度、図10におけるθ2)が5
≦θ2≦30ではなく、あるいは感光体表面の平均面に
対する突起部の高さが0.006mm以下でないものを
用い、粒径0.007mm、定着性が10%であるトナ
ーを用い、プロセススピード520mm/secで使用
したところ、いずれかの特性に不具合が生じ、良好な電
子写真特性を得ることはできなかった。結果を表17に
示す。
【0053】
【実施例8】図2に示したプラズマCVD装置を用いて
表20に示した条件により阻止層/感光層を支持体上に
逐次形成し、表面層については表21に示した条件でa
−C表面層を設けた。感光層のCh,Eg,Euはそれ
ぞれ25原子%、1.81eV、57meVであった。
光導電層は、SiH4ガスとH2ガスとの混合比、SiH
4ガスと放電電力との比率ならびに支持体温度を種々変
えることによって、Ch,Eg,Euはそれぞれ22原
子%,1.81eV、60meV(a)、10原子%、
1.75eV,55meV(b)、28原子%、1.8
3eV、62meV(c)および30原子%、1.85
eV、65meV(d)とChが10〜30原子%、E
gが1.75eV以上1.85eV未満、Euが55m
eV〜65meVの種々の感光体、またCh,Eg,E
uはそれぞれ20原子%、1.75eV、55meV
(e)、10原子%、1.68eV、47meV
(f)、15原子%、1.70eV、50meV(g)
および19原子%、1.74eV、53meV(h)と
Chが10〜20原子%、Egが1.75eV以下、E
uが55meV以下の種々の感光体、さらにCh,E
g,Euはそれぞれ32原子%、1.85eV、53m
eV(i)、25原子%、1.80eV、47meV
(j)、34原子%、1.85eV、54meV(k)
および35原子%、1.87eV、55meV(l)と
Chが25〜35原子%、Egが1.80eV以上、E
uが55meV以下の種々の感光体を作成した。
【0054】得られた感光体のそれぞれについて、該感
光体を電子写真装置(キヤノン製NP−6650を実験
用に改造したもの)にセットして、電位特性の評価を行
った。この際、まずプロセススピード300mm/se
c、前露光(波長700nmのLED)4lux・se
c、像露光(680nmのLEDとレーザー光が交換可
能)のNP−6650にセットして、帯電器の電流値1
000μAの条件にて、電子写真装置の現像器位置にセ
ットした表面電位計(TREK社Model344)の
電位センサーにより感光体の表面電位を測定し、それを
帯電能とし、像露光1.5lux・secの時の表面電
位を測定し、それを残留電位とした。また、感光体に内
蔵したドラムヒーターにより温度を室温(約25℃)か
ら50℃まで変えて、上記の条件にて帯電能を測定し、
そのときの温度1℃当たりの帯電能の変化を温度特性と
した。そして、室温と45℃のそれぞれについて暗電位
が400Vとなるように帯電条件を設定し、像露光光源
に680nmのLEDを用いてE−V特性(曲線)を測
定して、感度の温度特性ならびに感度の直線性を評価し
た。更に、メモリー電位は、像露光光源に波長680n
mのLEDを用い、上述の条件下において同様の電位セ
ンサーにより非露光状態での表面電位と一旦露光した後
に再度帯電した時との電位差を測定した。その後、画像
特性を680nmのLEDをNP−6650にセットし
て評価した。それぞれの特性に関して、光導電層(層厚
30μm)を第一の層領域または第二の層領域のみで構
成した場合を基準として帯電能、温度特性、メモリー電
位、感度の温度特性および感度の直線性について評価を
行った。その結果、帯電能、残留電位、温度特性、メモ
リー電位、感度の温度特性、感度の直線性およびクリー
ニング性(ビビリ、すり抜け、融着、ブレードおよびド
ラム耐久性)のいずれについても良好な結果が得られ
た。また、露光光源をLEDに代えて半導体レーザー
(波長680nm)にした場合も同様の結果が得られる
ことが分かった。また、作成した感光体をキヤノン製複
写機NP−6060のを改造した評価装置を用いて評価
を行った。条件は、プロセススピードは450mm/s
ec、トナー粒径は7μm、クリーナーブレードはJI
S硬度76度のものを用い圧力を14g/cmにした。
このときビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。1
0万枚使用後のクリーニングブレードも良好であった。
すなわち、本発明において表面層のシリコン原子および
炭素原子の含有量を層厚方向に不均一な分布状態とした
表面層を設けた場合においても、良好な電子写真特性が
得られることがわかった。次に、表面層を次に表22に
示す条件で高周波電力を変えてエッチングをすることに
より、エッチング後の表面のRzが200Å程度にし
た、フッ素の侵入深さ約20Å、濃度は35%のa−C
表面層の感光体を作成した。作成した感光体をキヤノン
製複写機NP−6060のを改造した評価装置を用いて
評価を行った。プロセススピードは510mm/se
c、トナー粒径は6μm、クリーナーブレードはJIS
硬度75度のものを用い圧力を16g/cmにした。こ
のときビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。10
万枚使用後のクリーニングブレードも良好であった。ま
た、ゴースト電位測定、耐久試験前後で接触角、画像流
れ特性、強制ジャム試験を行い、いずれも良好な結果が
得られた。
【0055】
【実施例9】実施例8と同様にRF−プラズマCVD法
で電荷注入阻止層、光導電層(第一の層領域と680n
mの光を50%吸収できる膜厚に相当する第二の層領域
でB26を分布)を有する感光体を作成した。その後、
感光体を図3に示すプラズマCVD装置を用いてVHF
−プラズマCVD法により非単結晶炭素からなる表面層
を有する光受容部材を作成した。作成条件は、表21に
準じた。作成した種々の感光体について実施例8におけ
ると同様に評価したところ、実施例8と同様に帯電能、
残留電位、温度特性、メモリー電位、感度の温度特性、
感度の直線性および画像特性いずれについても良好な結
果が得られた。また、露光光源をLEDに代えて半導体
レーザー(波長680nm)にした場合も同様の結果が
得られることがわかった。すなわち、表面層のみをVH
F−プラズマCVD法を用い、非単結晶炭素膜を形成し
た場合においても良好な電子写真特性が得られることが
わかった。また、作成した感光体をキヤノン製複写機N
P−6060のを改造した評価装置を用いて評価を行っ
た。条件は、プロセススピードは450mm/sec、
トナー粒径は7μm、クリーナーブレードはJIS硬度
76度のものを用い圧力14g/cmにした。このとき
ビビリ、すり抜け、融着の発生はなかった。10万枚使
用後のクリーニングブレードも良好であった。すなわ
ち、本発明において表面層のシリコン原子および炭素原
子の含有量を層厚方向に不均一な分布状態とした表面層
を設けた場合においても、良好な電子写真特性が得られ
ることが分かった。また、表面層を次に表22に示す条
件で高周波電力を変えてエッチングをすることにより、
エッチング後の表面のRzが200Å程度にした、フッ
素の侵入深さ約20Å、濃度は35%のa−C表面層の
感光体を作成した。作成した感光体をキヤノン製複写機
NP−6060のを改造した評価装置を用いて評価を行
った。プロセススピードは510mm/sec、トナー
粒径は6μm、クリーナーブレードはJIS硬度75度
のものを用い圧力を16g/cmにした。このときビビ
リ、すり抜け、融着の発生はなかった。10万枚使用後
のクリーニングブレードも良好であった。次にゴースト
電位測定、耐久試験前後で接触角、画像流れ特性、強制
ジャム試験を行い、いずれも良好な結果が得られた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】クリーニング性(ビビリ)
【0060】
【表5】ブレードすり抜け
【0061】
【表6】融着
【0062】
【表7】ブレードの耐久性
【0063】
【表8】表面粗さによる特性の変化
【0064】
【表9】フッ素の侵入深さと濃度の変化による特性の変
【0065】
【表10】エッチング膜厚による特性の変化
【0066】
【表11】エッチングガスの違いによる画像流れ特性変
【0067】
【表12】希釈ガスの違いによる画像流れ特性変化
【0068】
【表13】ドラムヒーターで加熱した場合の融着などの
比較
【0069】
【表14】
【0070】
【表15】
【0071】
【表16】表面層の作成方法による比較
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
【0075】
【表20】
【0076】
【表21】
【0077】
【表22】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光導電層上に非単結晶炭素からなる表面層を設け、該表
面層がフッ素化された表面をもつものであって、クリー
ニングブレードをJIS硬度74度以上78度以下を用
いることにより、摩擦力、トルクの上昇する、高速の電
子写真装置機や、小粒径のトナーを用いた場合において
も、クリーニング性が向上し、かつ、摩擦を減少するこ
とができた。また、感光体に非単結晶炭素からなる表面
層について、表面粗さRzが基準長さを5μmとした時
の微小範囲内で観測した場合1000Å未満であり、か
つ該表面層に含有されるフッ素が実質的に表面から50
Å以内に存在し、その領域における炭素に対するフッ素
の濃度が20%以上とすることにより、撥水性に優れ、
高温・高湿環境下で加温手段なしに高品位な画像を提供
する感光体が非常に再現性よく得られた。コロナ放電生
成物が付着しにくく、加温手段を設ける必要がないため
にトナー融着が起きにくい。また、表面の平均面に対す
る突起部の高さが0.006mm以下であるa−Si感
光体、平均粒径が0.005〜0.008mmである微
粒子トナー、および融着に有効なJIS硬度74度以上
78度以下の板状弾性ブレードを用い、ブレード当接角
θ1(度)が、20≦θ1≦40なる範囲にあり、ブレ
ードドラム挟み角θ2(度)が、5≦θ2≦30、なる
関係を満たすことにより、プロセススピードが400m
m/sec以上でa−Si感光体に好適なクリーニング
システムを成立させた高画質対応の高速電子写真システ
ムが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真装置の模式的断面図である。
【図2】本発明のプラズマCVD法により基体上に感光
体を形成するための堆積装置の模式図である。
【図3】VHF−プラズマCVD法を用いた感光体を形
成するための堆積装置の模式図である。
【図4】(a)電子写真感光体の層構成を表わす模式的
断面図である。 (b)表面をフッ素処理した場合の電子写真感光体の層
構成を表わす模式的断面図である。
【図5】プロセススピードを変えた場合における、ブレ
ードおよび表面層を変えた場合の、静止および回転時に
かかる回転モーターへの負荷を表わす図である。
【図6】プロセススピードを変えた場合における、ブレ
ードおよび表面層を変えた場合の、静止および回転時に
かかる回転モーターへの負荷を表わす図である。
【図7】本発明のブレードのJIS硬度と融着、ブレー
ド欠けによるクリーニング不良との関係を示す図であ
る。
【図8】トナー粒径と融着、画質との関係を示す図であ
る。
【図9】本発明の一形態である電子写真装置を説明する
ためのブレード周辺の模式的断面図である。
【図10】本発明の一形態であるブレードとドラムの当
接位置関係を説明するための模式的断面図である。
【図11】本発明の一形態であるブレードとドラムの当
接時の周辺状態を説明するための模式的断面図である。
【図12】本発明の一形態であるブレード形状を説明す
るための模式的断面図である。
【図13】クリーニング性と感光体削れに対するブレー
ド当接角依存性を示す図である。
【図14】感光体削れに対するブレードドラム挟み角依
存性を示す図である。
【図15】融着と感光体削れに対するプロセススピード
依存性を示す図である。
【図16】ブレード欠けによるクリーニング不良に対す
る感光体の突起高さ依存性を示す図である。
【図17】融着とブレード欠けによるクリーニング不良
に対するブレードのJIS硬度依存性を示す図である。
【図18】融着とクリーニング性に対するブレードの厚
さ依存性を示す図である。
【図19】融着とブレード寿命に対するブレードの押し
付け圧依存性を示す図である。
【図20】感光体削れと融着および画質に対するトナー
粒径依存性を示す図である。
【図21】融着に対するトナー定着性の依存性を示す図
である。
【符号の説明】
101 電子写真用感光体 102 主帯電器 103 静電潜像形成部位 104 現像器 105 転写紙供給系 106(a) 転写帯電器 106(b) 分離帯電器 107 クリーナー 108 搬送系 109 除電光源 110 静電潜像形成部位 111 原稿台ガラス 112 原稿 113,114,115,116 ミラー 117 レンズユニット 118 レンズ 121 クリーニングブレード 122 レジストロー 123 熱源(内面ヒータ) 2100 堆積装置 2110 反応容器 2111 カソード電極 2112 導電性基体 2113 基体加熱用ヒーター 2114 ガス導入管 2115 高周波マッチングボックス 2116 ガス配管 2117 リークバルブ 2118 メインバルブ 2119 真空系 2120 高周波電源 2200 ガス供給装置 2211〜2216 マスフローコントローラー 2221〜2226 ボンベ 2231〜2236 バルブ 2241〜2246 流入バルブ 2251〜2256 流出バルブ 2260 補助バルブ 2261〜2266 圧力調整器 300 VHFを用いた堆積装置(量産型) 301 反応容器 302 排気管 303 放電空間 304 円筒状被成膜基体 305 高周波電源 306 マッチングボックス 307 電極 308(a)(b) 基体ホルダー 309 回転軸 310 モーター 311 ガス導入管 312 ガス導入バルブ 401 導電性基体 402 電荷注入阻止層 403 光導電層 404 表面層 405 フッ素が拡散している領域 901 感光体 902 ブレード 903 背板 904 ブレード押さえ板 905 支持台 D ブレードの厚さ L 自由長 a ブレードの幅 b ブレード押さえ板904からブレード先端までの長
さ 1001 感光体 1002 ブレード θ1 ブレード当接角 θ2 ブレードドラム挟み角 1101 感光体 1102 ブレード 1103 クリーニングローラー 1004 ドクターローラー 1005 トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栢 孝明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 青木 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状感光体を回転させ、帯電・露光・
    現像・転写・クリーニングを繰り返す電子写真システム
    において、現像剤を該感光体に現像し、転写材へ転写
    し、現像剤が転写された後の感光体をブレードによって
    クリーニングする構成を有し、前記円筒状感光体として
    円筒状の導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単
    結晶材料で構成された光導電層および少なくとも水素原
    子を含有する非単結晶炭素で構成された表面層がこの順
    序で積層された円筒状感光体を使用し、前記現像剤とし
    て平均粒径が0.005〜0.008mmである現像剤
    を使用し、前記ブレードとしてJIS硬度74度以上7
    8度以下のクリーニングブレードを使用し、前記感光体
    の表面の移動速度に基づくプロセススピードが400m
    m/sec以上であることを特徴とする電子写真システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記感光体の表面層が、少なくとも炭化
    水素系のガスを分解したプラズマを用いて形成されたも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記感光体の表面層が、1〜450MH
    zの高周波を用いたプラズマCVD法によって、少なく
    とも炭化水素系のガスを分解することにより形成された
    ものであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    電子写真システム。
  4. 【請求項4】 前記感光体の表面層が、50〜450M
    Hzの高周波を用いたプラズマCVD法によって、少な
    くとも炭化水素系のガスを分解することにより形成され
    たものであることを特徴とする請求項3に記載の電子写
    真システム。
  5. 【請求項5】 前記感光体の表面層はフッ素を含有した
    表面をもつものであって、該表面は基準長さを5μmと
    した場合の表面粗さRzが1000Å未満であり、かつ
    該表面層に含有されるフッ素が実質的に表面から50Å
    以内に存在し、その領域における炭素に対するフッ素の
    濃度が20%以上であることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真システム。
  6. 【請求項6】 前記表面層は、少なくともフッ素原子を
    含むガスを分解したプラズマ中でエッチングされること
    によりフッ素化されたものであることを特徴とする請求
    項5に記載の電子写真システム。
  7. 【請求項7】 前記フッ素原子を含むガスによるエッチ
    ングで前記非単結晶炭素に生じるエッチング層が、下限
    として膜厚方向に20Å以上であり、上限としては残存
    する該非単結晶炭素の膜厚の最も薄い部分が100Å以
    上となる範囲であることを特徴とする請求項5または6
    に記載の電子写真システム。
  8. 【請求項8】 前記ブレードと前記感光体の表面とのな
    すブレード当接角θ1(度)が、20≦θ1≦40の範
    囲にあり、該ブレードと該感光体との接触面の回転上流
    側で前記接触面と連続するブレード面が該感光体の表面
    とのなす角θ2(度)が、5≦θ2≦30の範囲である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電
    子写真システム。
  9. 【請求項9】 前記ブレードを前記感光体の回転方向と
    垂直な方向に周期的に往復運動をさせる機構を有するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の電子写真システム。
  10. 【請求項10】 前記感光体は、それを作成した後、そ
    の表面を研磨してから使用することを特徴とする請求項
    8または9に記載の電子写真システム。
  11. 【請求項11】 前記感光体は、その表面の突起高さが
    0.006mm以下であることを特徴とする請求項8乃
    至10に記載の電子写真システム。
  12. 【請求項12】 前記プロセススピードが500mm/
    secであることを特徴とする請求項8乃至10のいず
    れかに記載の電子写真システム。
  13. 【請求項13】 前記感光体の光導電層は、シリコン原
    子を母体とし水素原子及び/又はハロゲン原子および周
    期律表第IIIb族に属する元素を含有する非単結晶材
    料で構成されたものであって、該光導電層は水素含有量
    が25〜35原子%、光学的バンドギャップが1.80
    eV以上、光吸収スペクトルから得られる指数関数裾の
    特性エネルギーが55meV以下であって、該光導電層
    に入射する光が一定量吸収する領域とその他の領域で該
    周期律表第IIIb族に属する元素の含有量が異なるこ
    とを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の電
    子写真システム。
  14. 【請求項14】 前記光導電層の光が入射する側であっ
    て光を50%以上90%以下吸収するために必要な領域
    がその他の領域よりも該周期律表第IIIb族に属する
    元素の含有量が少ないことを特徴とする請求項13に記
    載の電子写真システム。
  15. 【請求項15】 前記光導電層の光が入射する側であっ
    て光を50%以上90%以下吸収するために必要な領域
    において、前記周期律表第IIIb族に属する元素の含
    有量がシリコン原子に対して0.03ppm以上5pp
    m以下であることを特徴とする請求項14に記載の電子
    写真システム。
  16. 【請求項16】 前記光導電層の光が入射する側であっ
    て光を90%より多く吸収するために必要な領域におい
    て、前記周期律表第IIIb族に属する元素の含有量が
    シリコン原子に対して0.2ppm以上25ppm以下
    であることを特徴とする請求項14に記載の電子写真シ
    ステム。
  17. 【請求項17】 前記光導電層の光が入射する側であっ
    て光を50%以上90%以下吸収するために必要な領域
    の該周期律表第IIIb族に属する元素の含有量に対す
    るその他の領域での該周期律表第IIIb族に属する元
    素の含有量の割合が1.2〜200であることを特徴と
    する請求項14に記載の電子写真システム。
  18. 【請求項18】 前記光導電層に含有される前記周期律
    表第IIIb族に属する元素の含有量が、前記導電性基
    体側から表面側に向かって階段状に減少していることを
    特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載の電子
    写真システム。
  19. 【請求項19】 前記光導電層に含有される前記周期律
    表第IIIb族に属する元素の含有量が、前記導電性基
    体側から表面側に向かって滑らかに減少していることを
    特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載の電子
    写真システム。
  20. 【請求項20】 前記光導電層中に炭素、酸素、窒素の
    中の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項
    13乃至19に記載の電子写真システム。
  21. 【請求項21】 前記感光体は、シリコン原子を母体と
    して水素原子及び/又はハロゲン原子を含有し、炭素、
    酸素、窒素の中の少なくとも一種と周期律表第IIIb
    族から選ばれる元素を含有する非単結晶材料からなる電
    荷注入阻止層を前記導電性基体と前記光導電層の間に有
    することを特徴とする請求項13乃至20のいずれかに
    記載の電子写真システム。
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