JPH11255882A - ポリエステルブロック共重合体及びその製造法 - Google Patents

ポリエステルブロック共重合体及びその製造法

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JPH11255882A
JPH11255882A JP7302759A JP30275995A JPH11255882A JP H11255882 A JPH11255882 A JP H11255882A JP 7302759 A JP7302759 A JP 7302759A JP 30275995 A JP30275995 A JP 30275995A JP H11255882 A JPH11255882 A JP H11255882A
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陽一 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、弾性回復性に優れ、製造の容易な、
ポリエステルエラストマーとして好適なポリエステルブ
ロック共重合体を得る。 【解決手段】 ポリブチレンテレフタレートからなるハ
ードセグメント並びに、テレフタル酸及びオキシエチレ
ン単位2〜5個のポリオキシエチレングリコールがジカ
ルボン酸成分当たり50モル%以上であるソフトセグメ
ントからなるポリエステルブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエステ
ルブロック共重合体に関する。更に詳しくは、耐熱性、
弾性回復性に優れ、製造が容易なポリエステルブロック
共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルエラストマーは、エンジニ
アリングプラスチック系の熱可塑性エラストマーであ
り、芳香族ポリエステルのハードセグメントと、脂肪族
ポリエーテルのソフトセグメントとから構成されるポリ
エステルブロック共重合体が主に使用されている。
【0003】これらのポリエステルブロック共重合体
は、耐熱性の点で不十分な問題があったことから、本発
明者らは、耐熱性の改善されたポリエステルエラストマ
ーとして、芳香族ジカルボン酸とポリオキシエチレング
リコールとからなるポリエステルのソフトセグメントを
有するポリエステルブロック共重合体を提案した(特開
平4―153216号公報)。
【0004】同号公報に記載のポリエステルブロック共
重合体は、非晶性のポリエステル部分と結晶性のポリエ
ステル部分とから成るポリエステルブロック共重合体で
あり、非晶性ポリエステル部分はイソフタル酸及び/又
はフタル酸を主たる酸成分とし、トリエチレングリコー
ル及び/又はテトラエチレングリコールを主たるグリコ
ール成分として成るものであり、結晶性ポリエステル部
分は芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族ジ
オールをグリコール成分として成るものである。このポ
リエステルブロック共重合体は結晶性ポリエステル部分
と非晶性ポリエステル部分のエステル交換反応によって
製造され、エステル交換の程度はポリエステルブロック
共重合体の融点が指標となる。エステル交換反応によっ
て共重合を行い、ブロック共重合体を製造する場合一般
的に反応が進行するにつれて融点が降下する。
【0005】従来の技術においては、所望の融点を有し
て得られたブロック共重合体を、改質剤等を混練するた
め溶融押出したり、さらに溶融成形する場合、溶融押
出、溶融成形中にもエステル交換反応が比較的速く進行
する。このため、押出、成形中のエステル交換反応によ
る融点の降下速度を低く抑える技術が望まれていた。
【0006】また、従来技術のポリエステルブロック共
重合体は、ソフトセグメントのジカルボン酸成分が、工
業的に多くの量が製造されているポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートに使用されるテレ
フタル酸ではないため、ポリマーの製造が比較的困難な
問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の問題点に鑑み溶融押出時及び溶融成形時の溶融過
程におけるポリマーの融点降下速度が低く、融点の安定
したポリエステルブロック共重合体を提供することを主
な課題とし、併せてかかる融点安定性に加え耐熱性、弾
性回復性に優れたポリエステルブロック共重合体を提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ブロック
共重合体を構成するジカルボン酸成分及びジオール成分
によって、溶融押出時及び溶融成形時のエステル交換反
応による融点降下の速度に差があることを認め、ブロッ
ク共重合体の構成成分であるハードセグメントを構成す
るジカルボン酸成分とソフトセグメントを構成するジカ
ルボン酸成分に共通のテレフタル酸成分を用いることに
よって、従来技術における問題点を解決することができ
ることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明はテトラメチレンテレフタレ
ート単位が60モル%以上のポリブチレンテレフタレー
トからなるハードセグメント(A)20〜80重量%、
並びに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全
ジカルボン酸成分に対して50モル%以上及びジオール
成分としてオキシエチレン単位2〜5個からなるポリオ
キシエチレングリコール成分が全ジカルボン酸成分に対
して50モル%以上から構成されるポリエステルからな
るソフトセグメント(B)80〜20重量%からなるポ
リエステルブロック共重合体であって、その融点T
(℃)が下記式(I)及び(II)を満たすことを特徴と
するポリエステルブロック共重合体である。
【0010】
【数2】T0 −5>T>T0 −60 (I) T>T′+10 (II) [但しT0 はハードセグメントを構成する成分からなる
ポリマーの融点(℃)、T′はハードセグメント及びソ
フトセグメントを構成する全成分からなるランダム共重
合体の融点(℃)を示す]
【0011】本発明によれば、上記のポリエステルブロ
ック共重合体、並びに上記ポリエステルブロック共重合
体の製造においてハードセグメントを構成する成分から
なるポリエステル及びソフトセグメントを構成する成分
からなるポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶融
混合し、融点がハードセグメントを構成する成分からな
るポリエステルよりも5〜60℃低くなるように共重合
することを特徴とするポリエステルブロック共重合体の
製造法が提供される。
【0012】本発明のポリエステルブロック共重合体を
構成する成分の一つであるハードセグメント(A)はテ
トラメチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とす
るポリエステルから成る。
【0013】このハードセグメント(A)にはテレフタ
ル酸以外のベンゼン環を含む芳香族ジカルボン酸、ナフ
タレン環を含む芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜12の
脂肪族ジカルボン酸、テトラメチレングリコール以外の
炭素数2〜12の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール等が共重合されていて
もよい。
【0014】ハードセグメント(A)はテトラメチレン
テレフタレート単位が60モル%以上含まれて構成され
ている必要があり、好ましくは70モル%以上である。
共重合成分の割合は、少ないほど融点が高く好ましい。
テトラメチレンテレフタレート単位が60モル%未満で
あると、結晶化しにくくなり成形性が悪くなる。
【0015】ハードセグメント(A)を構成する共重合
成分は、上述のように40モル%未満であることが必要
であるが、この共重合成分の割合は、結晶の融点が16
0℃以上、更には170℃以上になるような共重合割合
であることが好ましい。融点が上記より低い場合、結晶
性も低下し好ましくない。
【0016】本発明のポリエステルブロック共重合体を
構成するもう一方のセグメントであるソフトセグメント
(B)はジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全
ジカルボン酸に対して50モル%以上、及びジオール成
分としてオキシエチレン単位を2〜5個からなるポリオ
キシエチレングリコール成分が全ジカルボン酸成分に対
して50モル%以上から構成されるポリエステルから成
る。
【0017】ジオール成分のオキシエチレン単位が2〜
5個のポリオキシエチレングリコールは、例えばジエチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコールであり、これらの混合物でも好い。この
場合平均したオキシエチレン単位が2.5〜4のポリエ
チレングリコールの混合物が好ましく用いられる。オキ
シエチレン単位が少ない場合は、弾性回復性が低下し好
ましくなく、また、オキシエチレン単位が多い場合は、
耐熱性が不十分となり、また、耐水性が低下する問題も
あり、好ましくない。
【0018】このソフトセグメント(B)は、ソフトセ
グメントを構成する成分のみからなる共重合体の融点が
100℃以下であるものが好ましく、50℃以下である
ものが更に好ましく、非晶であるものが好ましく用いら
れる。
【0019】ジオール成分として用いられるオキシエチ
レン単位2〜5個からなるポリオキシエチレングリコー
ルは全ジカルボン酸に対して50モル%以上であること
が必要であり、50モル%未満の場合弾性回復性が低下
し好ましくない。
【0020】ソフトセグメントを構成するもう一方の成
分であるジカルボン酸はテレフタル酸である。テレフタ
ル酸は全ジカルボン酸に対して50モル%以上含有され
ている必要がある。50モル%未満では、本発明の主要
な効果である溶融保持の融点降下速度を低く抑える効果
が十分に発揮されない。
【0021】ソフトセグメントには、酸成分として、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族又は脂環
族ジカルボン酸が共重合させていてもよく、ジオール成
分として、脂肪族グリコール及び/又は主成分として用
いたポリオキシアルキレングリコール以外のポリオキシ
アルキレングリコールが共重合されていてもよい。
【0022】ソフトセグメントに酸成分として使用され
得る共重合可能な芳香族ジカルボン酸としては、例えば
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸を、
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば炭素数4〜12の
直鎖状のジカルボン酸、特に炭素数8〜12の直鎖状の
ジカルボン酸を、脂環族ジカルボン酸としては、例え
ば、シクロヘキサンジカルボン酸を挙げることができ
る。
【0023】ソフトセグメントにジオール成分として使
用され得る共重合可能な脂肪族グリコールとしては、例
えば炭素数2〜12の脂肪族グリコールを、ポリオキシ
アルキレングリコールとしては、例えばポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールを挙げること
ができる。
【0024】ソフトセグメントに共重合成分として用い
られるポリオキシアルキレングリコールには、分子量1
500以下、更に好ましくは1000以下の比較的低分
子量のものが好ましく用いられる。
【0025】本発明のポリエステルブロック共重合体は
上述のハードセグメント(A)及びソフトセグメント
(B)から構成されており、ハードセグメント(A)と
ソフトセグメント(B)の量比は、重量比において(2
0〜80)対(80〜20)であり、好ましくは(25
〜50)対(75〜50)である。
【0026】ハードセグメント(A)及びソフトセグメ
ント(B)の量比が上記の範囲外にあると、弾性回復性
が低下して好ましくない。
【0027】ポリエステルブロック共重合体を構成する
ハードセグメント及びソフトセグメントのセグメント長
は、分子量として、およそ500〜7000が好まし
く、800〜5000が更に好ましい。このセグメント
長は直接測定するのは困難であるが、例えばハードセグ
メント、ソフトセグメントそれぞれ構成する成分の全体
の量比と、ハードセグメントを構成する成分からなるポ
リエステルの融点及び得られたポリエステルブロック共
重合体の融点とから、フローリーの融点降下式を用いて
推定することができる。
【0028】本発明のポリエステルブロック共重合体
は、その融点T(℃)が下記式(I)及び(II)を満た
すことが必要である。
【0029】
【数3】T0 −5>T>T0 −60 (I) T>T′+10 (II) [但しT0 :ハードセグメントを構成する成分からなる
ポリマーの融点(℃)、T′はハードセグメント及びソ
フトセグメントを構成する全成分からなるランダム共重
合体の融点(℃)を示す]
【0030】ポリエステルブロック共重合体の融点は、
この範囲を外れた場合、弾性回復性の不十分な共重合体
となる。
【0031】ハードセグメント、ソフトセグメントを構
成する全成分からなる共重合ポリマーが融点を示さない
場合は、式(I)を満たすことが必要であるが式(II)
を満たす必要はない。
【0032】本発明のポリエステルブロック共重合体
は、固有粘度(35℃、オルトクロロフェノール溶液中
での測定値)が0.6以上、好ましくは0.8〜1.5
である。固有粘度が低い場合、機械的強度が低くなるた
め好ましくない。
【0033】本発明のポリエステルブロック共重合体の
製造法は、ハードセグメントを構成する成分からなるポ
リエステル及びソフトセグメントを構成する成分からな
るポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶融混合
し、融点がハードセグメントを構成するポリエステルよ
りも5〜60℃低くなるように共重合する方法が好まし
い。
【0034】本発明のポリエステルブロック共重合体
は、その製造におけるブロック共重合反応において、ハ
ードセグメントとソフトセグメントの間のエステル交換
反応をある程度以上進行させないようにする為に、触媒
の失活剤を添加しても良い。失活剤は、例えば、燐酸、
亜燐酸、ホスフォン酸、ホスフィン酸及びこれらの誘導
体、例えば、低分子アルコールのエステル、ナトリウム
であり、これらの失活剤は、触媒のチタン化合物、錫化
合物、亜鉛化合物、マンガン化合物などの金属と当モル
以上の量を使用することが好ましい。
【0035】本発明のポリエステルブロック共重合体
は、安定剤、補強材、難燃剤、核剤、滑剤、顔料、染
料、制電剤、相溶化剤等の添加剤を配合した組成物とし
て用いてもよく、また、他のポリマーを本発明の効果を
そこなわない範囲で少量配合した組成物として用いても
よい。
【0036】本発明のポリエステルブロック共重合体に
好適に配合することのできるポリマーはエチレン、(メ
タ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アク
リロニトリル等の共重合体である。これらの添加剤やポ
リマーの配合量は、本発明のポリエステルブロック共重
合体100重量部に対し、0.01〜50重量部である
ことが好ましく、配合量が多過ぎると、その組成物は本
発明の効果を発揮できない。
【0037】本発明の構成をとることによって溶融保持
の際のポリマーの融点降下の速度を低く抑える効果が奏
されるのである。この効果の理由は定かではないが次の
ような理由によるものと考えられる。
【0038】ハードセグメントとソフトセグメントが異
種のジカルボン酸を主成分として構成されている場合に
は、エステル交換反応に関与する成分は、ジオール成分
及びジカルボン酸成分である。一方、本発明のように、
ハードセグメントとソフトセグメントが同じジカルボン
酸成分を主成分として構成されている場合には、エステ
ル交換反応に関与する成分は見かけ上ジオール成分のみ
であり、共重合成分の数が少ないことになる。この結
果、溶融保持の際のポリマーの融点降下の速度を低く抑
えることができるものと考えられる。
【0039】
【実施例】実施例により本発明を詳述する。なお、実施
例中「部」とは、「重量部」を示す。固有粘度は、オル
トクロロフェノール溶液、35℃で測定した値をもとに
算出した値である。
【0040】[実施例1]テレフタル酸ジメチル100
部、トリエチレングリコール94部を、ジブチル錫ジア
セテートを触媒としてエステル交換反応を行い、引き続
き、減圧下に重縮合反応を行い、固有粘度1.01のポ
リエステル(II)を得た。このポリエステルに、別途重
縮合して得た固有粘度0.95のポリブチレンテレフタ
レート(I)のチップを乾燥して、63部添加し、減圧
下に240℃で更に65分反応させた後、フェニルホス
フォン酸0.06部を添加した。得られたポリエステル
ブロック共重合体を取り出しチップ化した。このポリエ
ステルブロック共重合体の固有粘度は1.04、融点は
170℃であった。
【0041】このポリエステルブロック共重合体を、1
20℃で3時間乾燥後、溶融温度230℃、金型温度8
0℃の条件で、JIS3号ダンベル試験片を射出成形し
た。
【0042】この試験片を用い、永久歪(10%伸長、
10分保持)、及び繰返し伸長後の永久歪(10%伸
長、10分保持を10回)を測定した。結果は表1に示
したとおりであり、このポリエステルブロック共重合体
は弾性回復性に優れている。
【0043】また、この試験片をギアオープンで、15
0℃、24時間保持し、熱老化試験を行った。熱老化試
験の前後に引張試験を行い比較した。熱老化試験後の伸
度保持率は表1に示した通りであり、このポリエステル
ブロック共重合体は耐熱性に優れている。
【0044】[比較例1]ジメチルテレフタレート、テ
トラメチレングリコール、及び平均分子量が2000の
ポリテトラメチレングリコールとから、常法に従ってポ
リテトラメチレングリコール成分が70重量%のポリエ
ステルブロック共重合体を得た。
【0045】このポリエステルブロック共重合体を実施
例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示し
たとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は
耐熱性が劣る。
【0046】[比較例2]実施例1において、ポリエス
テル(II)としてイソフタル酸とヘキサメチレングリコ
ールとからなるポリエステルを用いる以外は実施例1と
同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。
【0047】このポリエステルブロック共重合体を実施
例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示し
たとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は
弾性回復性の点が若干劣る。
【0048】[比較例3]実施例1において、ポリエス
テル(II)としてテレフタル酸と平均分子量300のポ
リエチレングリコールとからなるポリエステルを用いる
以外は実施例1と同様にして、ポリエステルブロック共
重合体を得た。
【0049】このポリエステルブロック共重合体を実施
例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示し
たとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は
耐熱性が劣る。
【0050】[実施例2〜4]表1記載のポリブチレン
テレフタレート(I)及びポリエステル(II)を表1記
載の量比で用い、実施例1と同様にして、ポリエステル
ブロック共重合体を得た。このポリエステルブロック共
重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。結果
を表1に示した。
【0051】[比較例4]実施例1において、ポリブチ
レンテレフタレート(I)及びポリエステル(II)の量
比を表1記載の量比に変える以外は、実施例1と同様に
して、ポリエステルブロック共重合体を得た。
【0052】このポリエステルブロック共重合体を実施
例1と同様の方法で成形し評価した。結果は表1に示し
たとおりであり、このポリエステルブロック共重合体は
弾性回復性が劣る。
【0053】[比較例5]実施例1において、ポリエス
テル(II)にポリブチレンテレフタレート(I)を添加
した後の反応時間を10分とし、それ以外は実施例1と
同様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。こ
のポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.0
2、融点は222℃であった。このポリエステルブロッ
ク共重合体を実施例1と同様の方法で成形し評価した。
結果は表1に示したとおりであり、このポリエステルブ
ロック共重合体は弾性回復性が劣る。
【0054】[実施例5]実施例1において、ポリエス
テル(II)とポリブチレンテレフタレート(I)を反応
させた後、フェニルホスフォン酸を添加しないで、ポリ
エステルブロック共重合体を得た。このポリエステルブ
ロック共重合体の固有粘度は1.06、融点は169℃
であった。
【0055】このポリエステルブロック共重合体100
部を、120℃で3時間乾燥後、モンタン酸ワックス
0.2部を添加し、押出機を用いて240℃で溶融押出
しして、冷却、チップ化した。
【0056】さらに、このチップを、実施例1同様の方
法で、JIS3号ダンベル試験片を射出成形した。この
試験片の融点は167℃であった。
【0057】[比較例6]実施例5において、ポリエス
テル(II)として、イソフタル酸とトリエチレングリコ
ールからなるポリエステルを用いる以外は実施例5と同
様にして、ポリエステルブロック共重合体を得た。この
ポリエステルブロック共重合体の固有粘度は1.04、
融点は168℃であった。
【0058】このポリエステルブロック共重合体を実施
例5と同様の方法で、押出機を用い溶融押出ししてチッ
プ化し、さらに、JIS3号ダンベル試験片を射出成形
した。この試験片の融点は161℃であった。
【0059】このポリエステルブロック共重合体は、実
施例5のポリエステルブロック共重合体と比較し、溶融
保持の際の融点降下が大きいものであった。
【0060】
【表1】
【0061】表中、<1は1未満を、90<は90を越
えることを意味する。
【0062】
【発明の効果】本発明のポリエステルブロック共重合体
は溶融押出時及び溶融成形時の溶融保持におけるポリマ
ーの融点降下速度が小さく融点の安定している点におい
て、従来技術に比較して著しい効果を奏する。本発明の
ポリエステルブロック共重合体及びその製造方法によれ
ば、上述の融点安定性を備え、成形時に融点降下による
成形困難の発生することない耐熱性、弾性回復性に優れ
たポリエステルブロック共重合体を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラメチレンテレフタレート単位が6
    0モル%以上のポリブチレンテレフタレートからなるハ
    ードセグメント(A)20〜80重量%、並びに、ジカ
    ルボン酸成分としてテレフタル酸成分が全ジカルボン酸
    成分に対して50モル%以上及びジオール成分としてオ
    キシエチレン単位2〜5個からなるポリオキシエチレン
    グリコール成分が全ジカルボン酸成分に対して50モル
    %以上から構成されるポリエステルからなるソフトセグ
    メント(B)80〜20重量%からなるポリエステルブ
    ロック共重合体であって、その融点T(℃)が下記式
    (I)及び(II)を満たすことを特徴とするポリエステ
    ルブロック共重合体。 【数1】T0 −5>T>T0 −60 (I) T>T′+10 (II) [但し、T0 はハードセグメントを構成する成分からな
    るポリマーの融点(℃)、T′はハードセグメント及び
    ソフトセグメントを構成する全成分からなるランダム共
    重合体の融点(℃)を示す]
  2. 【請求項2】 請求項1のポリエステルブロック共重合
    体の製造において、ハードセグメントを構成する成分か
    らなるポリエステル及びソフトセグメントを構成する成
    分からなるポリエステルをそれぞれ製造し、続いて、溶
    融混合し、融点がハードセグメントを構成する成分から
    なるポリエステルよりも5〜60℃低くなるように共重
    合することを特徴とするポリエステルブロック共重合体
    の製造法。
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