JPH11255922A - 金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム

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JPH11255922A
JPH11255922A JP10083032A JP8303298A JPH11255922A JP H11255922 A JPH11255922 A JP H11255922A JP 10083032 A JP10083032 A JP 10083032A JP 8303298 A JP8303298 A JP 8303298A JP H11255922 A JPH11255922 A JP H11255922A
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JP
Japan
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film
polyester
polyester film
metal plate
temperature
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JP10083032A
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English (en)
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Nobuhisa Yamane
延久 山根
Kozo Takahashi
弘造 高橋
Ryosuke Matsui
良輔 松井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶などに成形する際の厳しい成形加工に対応
でき、さらに優れた耐摩耗性や味特性、特に優れたレト
ルト後の接着性を発現する金属缶に好適な金属板貼合わ
せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 融解ピーク温度が215〜260℃の範
囲にあるポリエステルを主成分とする二軸延伸フィルム
であって、示差走査型熱量計を用いた温度Txにおける
溶融性パラメータdΔTcg(Tx)(Tx:融点〜融
点+30℃の間での任意の温度)の最大値が5以上であ
る金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器用として好適
な二軸延伸フィルムからなる金属板貼合わせ成形加工用
ポリエステルフィルムに関するものである。更に詳しく
は、金属板へのラミネート性、成形時の耐摩耗性、レト
ルト後の接着性、成形缶上部の長期安定性に優れ、成形
加工などにより製造される金属缶等の容器の、特にレト
ルト後にも優れた接着性を発揮できる金属板貼合わせ成
形加工用ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶の缶内面及び外面は腐食防
止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱
硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布
し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しか
しながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法では、塗
料の乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の
有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】これらの問題を解消する方法として、金属
缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板
にめっき等各種の表面処理を施した金属板にフィルムを
ラミネートする方法がある。そして、フィルムのラミネ
ート金属板を絞り成形やしごき成形加工して金属缶を製
造する場合、フィルムには次のような特性が要求され
る。 (1)金属板へのラミネート性に優れていること。 (2)金属板との密着性に優れていること。 (3)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を
生じないこと。 (4)金属缶に対する衝撃によって、ポリエステルフィ
ルムが剥離したり、クラック、ピンホールが発生したり
しないこと。 (5)缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着したり、
フィルムからの溶出物によって内容物の風味がそこなわ
れないこと(以下味特性と記載する)。
【0004】これらの要求を満たすために多くの提案が
なされており、例えば特開平2−57339号公報には
特定の結晶性を有する共重合ポリエステルフィルム等が
開示されている。しかしながら、近年、製缶速度の向上
に伴い、ラミネート金属板からの製缶成形比が増大して
おり、より一層のラミネート性、成形性、フィルムと金
属板との密着性の向上が望まれている。また、成形比が
増加することにより、特に缶成形後のレトルト後のフィ
ルムと金属板との密着性がより重要になってきており、
レトルト後の長期安定性もより厳しく要求されている。
上記の提案はこれらの要求特性を総合的に満足できるも
のではなくなってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、上記した従来技術の問題を解消するとともに最近の
より厳しい要求特性を満たすために、優れた耐摩耗性や
味特性とともに、特にレトルト後にも優れた接着性を発
現できる、金属缶に用いて好適な金属板貼合わせ成形加
工用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の金属板貼合わせ成形加工用ポリエステ
ルフィルムは、融解ピーク温度が215〜260℃の範
囲にあるポリエステルを主成分とする二軸延伸フィルム
であって、示差走査型熱量計を用いた温度Txにおける
溶融性パラメータdΔTcg(Tx)(Tx:融点〜融
点+30℃の間での任意の温度)の最大値が3以上であ
ることを特徴とするものからなる。
【0007】すなわち、本発明においては、融解ピーク
温度が比較的低い範囲にある低重合体からなるポリエス
テルを主成分とする二軸延伸ポリエステルフィルムにお
いて、その低重合体からなるポリエステルを、上記溶融
性パラメータの特性を満たすように改質することによっ
て、とくにレトルト後の優れた接着性を発現させ、さら
に望ましくは、加えて、優れた味特性、耐摩耗性を確保
できるようにしている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明における
ポリエステルとは、エステル結合により構成される高分
子量体の総称であり、ジカルボン酸成分としては、例え
ばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカル
ボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカ
ルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等
を用いることができる。一方、グリコール成分としては
例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタン
ジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキ
サンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチ
レングリコール等を用いることができる。なお、これら
のジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用
してもよい。
【0009】また、本発明のポリエステルは、とくに耐
熱性をもたせる点から、主構成成分となるポリエステル
として、エチレンテレフタレートまたはエチレンナフタ
レート単位が80モル%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは85モル%以上、更に好ましくは90モル
%以上である。
【0010】本発明では、上記ポリマを2種以上ブレン
ドして使用してもかまわない。また、本発明の効果を阻
害しない限りにおいて、共重合ポリエステルにトリメリ
ット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多
官能化合物を共重合してもよい。
【0011】本発明のポリエステルの融解ピーク温度
は、成形性、レトルト後の接着性向上の点から215℃
〜260℃の範囲にあることが必要であり、好ましくは
220℃〜258℃の範囲である。215℃未満では望
ましい耐熱性を得ることが困難であり、260℃を越え
ると成形性の低下を招くため好ましくない。
【0012】本発明においては、耐熱性、熱寸法安定性
の点から、ポリエステルを二軸延伸フィルムにすること
が必要である。二軸延伸の方法としては、同時二軸延
伸、逐次二軸延伸のいずれであってもよい。
【0013】本発明においては、優れたレトルト後の接
着性を発現させるために、金属板へのラミネート前のフ
ィルムの示差走査型熱量計を用いた溶融性パラメータd
ΔTcg(Tx)(Tx:融点〜融点+30℃の間での
任意の温度)の最大値が3以上であることが必要であ
る。更に好ましくは5以上であり、特に好ましくは6以
上である。ここで溶融性パラメータdΔTcgとは、フ
ィルムの融け易さを示すパラメータであり、この値が大
きくなるほどラミネート時に金属板近傍層のいわゆる溶
融層の配向、結晶性が十分に低下し、接着力、特にレト
ルト後の接着性が向上する。
【0014】溶融性パラメータdΔTcg(Tx)は、
フィルムを次の方法で示差走査熱量計により測定して求
めることができる。 (1)25℃から温度Txまで昇温速度100℃/分
(設定)で昇温する。 (2)その後速やかに25℃まで降温速度100℃/分
(設定)で液体窒素を用いて冷却する。 (3)次いで20℃/分で昇温し、そのときのガラス転
移温度Tgおよび冷結晶化温度Tccを記録し、この温
度差をΔTcg(Tx)(℃)として測定する。 (4)Txは融点〜融点+30℃の間で1℃ごとに測定
する。 それぞれのΔTcg(Tx)の測定値をΔTcg(Tx
1 )、ΔTcg(Tx2)、ΔTcg(Tx3 )、・・
・とすると、ΔTcg(Txn+1 )−ΔTcg(T
xn )をdΔTcg(Txn )とし、このdΔTcg
(Txn )が最大値をとるとき、その値をこのフィルム
のdΔTcg(Tx)の最大値とする。
【0015】ここでdΔTcg(Tx)の最大値を3以
上とするためには、イソフタル酸共重合ポリエチレンテ
レフタレートを例にとると、重合過程において、酸成分
に対するエチレングリコールのモル比率を増加させるこ
とや、重縮合段階においてエチレングリコールを追加し
た後に粒子を添加する方法や、粒子をエチレングリコー
ルで低濃度に分散させてから重合層に添加する方法が挙
げられるが、これに限定されるものではない。粒子を低
濃度で重合層に添加する場合、例えばエチレングリコー
ルに分散させた粒子の濃度は、好ましくは4重量%以
下、より好ましくは3重量%以下とすることが望まし
い。
【0016】本発明のフィルムは単層、積層いずれの形
態でも使用できる。積層とする場合、その構成は任意に
設定することができ、例えばA/B、A/B/A、A/
B/C等の積層構成(A、B、Cは互いに異なる組成の
層)が挙げられるが、特に限定されるものではない。し
かしいずれの場合においても、金属板側の層を構成する
ポリエステル層のdΔTcg(Tx)の最大値が3以上
であることが必要であり、好ましくは5以上、より好ま
しくは6以上である。
【0017】本発明においては、優れた味特性、低溶出
性を発現するために、フィルムの主成分ポリエステル中
に含まれる遊離の芳香族ジカルボン酸モノメチルエステ
ルは2ppm以下であることが好ましく、より好ましく
は1.5ppm以下である。ここで、フィルム中に含ま
れる遊離の芳香族ジカルボン酸モノメチルエステルと
は、共重合芳香族ポリエステルの主な酸成分を構成する
芳香族ジカルボン酸と同じ酸のモノメチルエステルであ
り、例えば主たる酸成分がテレフタル酸であるときに
は、遊離のモノメチルテレフタレートのことである。芳
香族ジカルボン酸モノメチルエステルが2ppmを越え
るとフィルムから低分子成分が溶出しやすくなり、内容
物の味覚を損なう。このことは、レトルト後長期経時に
より更に悪化する。芳香族ジカルボン酸モノメチルエス
テルを2ppm以下とするためには、重合の出発原料と
して、テレフタル酸を使用することや固相重合により達
成することができるが、これに限定されるものではな
い。この芳香族ジカルボン酸モノメチルエステルを2p
pm以下とするのは、単層のフィルムの場合にはそのフ
ィルム全体をこの特性を満たすようにすればよいが、積
層構成とする場合には、とくに非金属板側、つまり、金
属缶の内容物側の層についてこの特性を満たすようにす
ればよい。
【0018】本発明においては、優れた低溶出性、味特
性、特に味覚性保持能力を発現させる目的で、主成分で
あるポリエステル中に含まれるTi、Mn、Mgの全金
属含有量が10ppm以下であることが好ましく、より
好ましくは5ppm以下である。
【0019】また、本発明のフィルムの取扱い性、加工
性を向上させるために、平均粒子径0.01〜10μm
の内部析出粒子、無機粒子および/または有機粒子など
の外部添加粒子の中から任意に選定される粒子が含有さ
れていることが好ましい。特に平均粒子径0.1〜5μ
mの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子が0.
01〜3重量%含有されていることが缶内面に使用され
るフィルムとして好ましい。内部粒子の析出方法として
は公知の技術を採用でき、例えば特開昭48−6155
6号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53
−41355号公報、特開昭54−90397号公報な
どに記載の技術が適用できる。さらに特開昭55−20
496号公報、特開昭59−204617号公報などの
他の粒子との併用も行うことができる。10μmを越え
る平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルムの欠陥
が生じ易くなるので好ましくない。無機粒子および/ま
たは有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、
コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、
マイカ、カオリン、クレー等の無機粒子およびスチレ
ン、シリコーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機
粒子等を挙げることができる。なかでも好ましい粒子と
して、湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の
無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メ
タクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成
成分とする有機粒子等を挙げることができる。これらの
内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上
を併用してもよい。
【0020】本発明における添加粒子は、缶の成形時に
おけるフィルムの耐削れ性を向上させる点から不定形粒
子であることが好ましい。特に耐削れ性が要求される用
途では粒子添加量は0.01〜0.5重量%であること
が好ましく、より好ましくは0.02〜0.2重量%で
ある。0.01重量%未満ではフィルムの滑りが悪く取
扱い性が悪い。また、0.5重量%を越えると取扱い性
が悪化するおそれがあるばかりか、溶融性にも悪影響を
及ぼし、フィルムの金属板への接着性悪化の原因にな
る。不定形粒子としては、特に経済性、取扱い性の点か
ら凝集シリカが好ましい。
【0021】本発明における二軸延伸フィルムは、主に
ラミネート性、成形性の点から面配向係数が0.08〜
0.130の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は0.09〜0.120の範囲である。
【0022】また積層構成とする場合には、より一層の
ラミネート性、レトルト後の接着性向上の点から、非金
属板側層の面配向係数から金属板側層の面配向係数を引
いた値(Δfn)が0.001〜0.05であることが
好ましく、より好ましくは0.005〜0.03であ
る。
【0023】本発明では、フィルムと金属板の接着性を
さらに向上させる点からは、ポリエステルのカルボキシ
ル末端基量が35〜50当量/トンであることが好まし
く、特に好ましくは37〜47当量/トンである。積層
構成とする場合には金属板側層のカルボキシル末端基が
35〜50当量/トンであることが好ましい。
【0024】本発明では、味特性を向上させる点から
は、ポリエステルのカルボキシル末端基量が35当量/
トン未満であることが好ましく、特に好ましくは30当
量/トン未満である。積層構成とする場合には非金属板
側層のカルボキシル末端基が35当量/トン未満である
ことが好ましい。とくに、積層構成とする場合には、こ
の非金属板側層におけるカルボキシル末端基の要求特性
と、上記金属板側層のカルボキシル末端基要求特性とを
両立させることができる。
【0025】本発明では、接着性、味特性をより一層向
上させるためにポリエステルの固有粘度が0.6dl/
g以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.6
2dl/g以上、特に好ましくは0.65dl/g以上
である。固有粘度が0.6dl/g未満ではオリゴマの
溶出などにより味特性が悪化することがあるため好まし
くない。
【0026】本発明のポリエステルフィルムにおいて
は、缶内面に使用される場合、中心線平均粗さRaは
0.005〜0.07μmであることが好ましく、さら
に好ましくは0.008〜0.05μmである。さら
に、最大粗さRtとの比Rt/Raが4〜50、好まし
くは6〜40であると高速製缶性が向上する。また、特
に飲料面側の中心線平均粗さRaは0.002〜0.0
4μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.0
03〜0.03μmであると味特性が向上するので好ま
しい。
【0027】本発明のポリエステルを製造する際には、
各種の反応触媒、着色防止剤を使用することができ、反
応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土
類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合
物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン
化合物、チタン化合物等、着色防止剤としては例えばリ
ン化合物等を用いることができる。好ましくは、通常ポ
リエステルの製造が完結する以前の任意の段階におい
て、重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウ
ム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。こ
のような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物を例
にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する
方法や、あるいは特公昭54−22234号公報に記載
されているように、ポリエステルの出発原料であるグリ
コール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加す
る方法等を挙げることができる。ゲルマニウム化合物と
しては、例えば二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化
ゲルマニウム、あるいはゲルマニウムテトラメトキシ
ド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテト
ラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等の
ゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノ
レート、ゲルマニウムβ−ナフトレート等のゲルマニウ
ムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸
ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲ
ルマニウム等を挙げることができる。中でも二酸化ゲル
マニウムが好ましい。アンチモン化合物としては、特に
限定されないが例えば、三酸化アンチモンなどのアンチ
モン酸化物、酢酸アンチモンなどが挙げられる。チタン
化合物としては、特に限定されないがテトラエチルチタ
ネート、テトラブチルチタネートなどのアルキルチタネ
ート化合物などが好ましく使用される。
【0028】例えばポリエチレンテレフタレートを製造
する際に、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウ
ムを添加する場合について説明する。テレフタル酸成分
とエチレングリコールをエステル交換またはエステル化
反応せしめ、次いで二酸化ゲルマニウム、リン化合物を
添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリ
コール含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲルマニウ
ム元素含有重合体を得る。さらに、好ましくは得られた
重合体をその融点以下の温度において減圧下または不活
性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアデルヒ
ドの含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシル
末端基を得る方法等を挙げることができる。
【0029】本発明におけるポリエステルは、好ましく
はジエチレングリコール成分量が0.01〜3.5重量
%、さらに好ましくは0.01〜2.5重量%、特に好
ましくは0.01〜2.0重量%であることが製缶工程
での熱処理、製缶後のレトルト処理などの多くの熱履歴
を受けても優れた味特性を維持する上で望ましい。この
ことは、200℃以上での耐酸化分解性が向上するもの
と考えられ、さらに公知の酸化防止剤を0.0001〜
1重量%添加してもよい。また、特性を損ねない範囲で
ジエチレングリコールをポリマ製造時に添加してもよ
い。
【0030】また、味特性を良好にする上で、フィルム
中のアセトアルデヒドの含有量を好ましくは25ppm
以下、さらに好ましくは20ppm以下に抑えることが
望ましい。アセトアルデヒドの含有量が25ppmを越
えると味特性に劣る。フィルム中のアセトアルデヒドの
含有量を25ppm以下とする方法は特に限定されるも
のではないが、例えばポリエステルを重縮合反応等で製
造する際の熱分解によって生じるアセトアルデヒドを除
去するため、ポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス
雰囲気下において、ポリエステルの融点以下の温度で熱
処理する方法、好ましくはポリエステルを減圧下あるい
は不活性ガス雰囲気下において155℃以上、融点以下
の温度で固相重合する方法、ベント式押出機を使用して
溶融押出する方法、ポリマを溶融押出する際に押出温度
を高融点ポリマ側の融点+30℃以内、好ましくは融点
+25℃以内で、短時間、好ましくは平均滞留時間1時
間以内で押し出す方法等を挙げることができる。
【0031】本発明の二軸延伸フィルムの厚さは、金属
にラミネートした後の成形性、金属に対する被覆性、耐
衝撃性、味特性の点で、3〜50μmであることが好ま
しく、さらに好ましくは5〜35μmであり、特に好ま
しくは10〜30μmである。積層にて使用される場
合、熱可塑性ポリマ、熱硬化性ポリマなどのポリマを積
層してもよく、ポリエステル、例えば高分子量ポリエチ
レンテレフタレート、イソフタル酸共重合ポリエチレン
テレフタレート、ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエ
チレンテレフタレート、ブタンジオール、イソフタル酸
残基骨格を有する共重合ポリエチレンテレフタレート、
さらにジエチレングリコールを添加、共重合したポリエ
ステルなどが好ましく使用される。
【0032】本発明における二軸延伸フィルムの製造方
法としては、特に限定されないが、例えばポリエステル
を必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給
し、スリット状のダイからシート状に押し出し、静電印
加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷
却固化し未延伸シートを得る。延伸方式としては、同時
二軸、逐次二軸延伸いずれでもよいが、該未延伸シート
をフィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目
的とする面配向度のフィルムを得る。好ましくはフィル
ムの品質の点でテンター方式によるものが好ましく、長
手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方
式、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二
軸延伸方式が望ましい。延伸倍率としてはそれぞれの方
向に1.6〜4.2倍、好ましくは1.7〜4.0倍で
ある。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくし
てもよく、同一としてもよい。また、延伸速度は100
0%/分〜200000%/分であることが望ましく、
延伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上ガラス転
移温度+100℃以下であれば任意の温度とすることが
できるが、通常は80〜170℃が好ましい。更に二軸
延伸の後にフィルムの熱処理を行うが、この熱処理はオ
ーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方
法で行なうことができる。熱処理温度は120℃以上2
45℃以下の任意の温度とすることができるが、好まし
くは120〜240℃である。また熱処理時間は任意と
することができるが、通常1〜60秒間行うのが好まし
い。熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅
方向に弛緩させつつ行ってもよい。さらに、再延伸を各
方向に対して1回以上行ってもよく、その後熱処理を行
ってもよい。
【0033】また、フィルムにコロナ放電処理などの表
面処理を施すことにより接着性を向上させることはさら
に特性を向上させる上で好ましい。さらに、本発明のフ
ィルム上には各種コーティングを施してもよく、その塗
布化合物、方法、厚みは、本発明の効果を損なわない範
囲であれば、特に限定されない。
【0034】本発明における金属板としては特に限定さ
れないが、成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材と
する金属板が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板
の場合、その表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸
化物被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム
酸/リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、
クロムクロメート処理などで代表される化成処理被覆層
を設けてもよい。特に金属クロム換算値でクロムとして
6.5〜150mg/m2 のクロム水和酸化物が好まし
く、さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、ス
ズ、亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどを設けて
もよい。スズメッキの場合0.5〜15mg/m2 、ニ
ッケルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2
のメッキ量を有するものが好ましい。
【0035】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、金属缶に適用される場合、金属板等にラミネートし
た後、絞り成形やしごき成形によって製造されるツーピ
ース金属缶の内面被覆用に好適に使用することができ
る。また、ツーピース缶の蓋部分、あるいはスリーピー
ス缶の胴、蓋、底の被覆用としても良好な金属接着性、
成形性を有するため好ましく使用することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明する。なお、本発明の説明に用いた各特性は以下の
方法により測定、評価した。 (1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0037】(2)ポリエステルの融解ピーク温度(融
点) ポリエステルを結晶化させ、示差走査熱量計(パーキン
・エルマー社製DSC2型)により、10℃/分の昇温
速度で測定し融解のピーク温度を融点とした。
【0038】(3)面配向係数(fn) ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッ
ベ屈折計を用いて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率
(それぞれNx,Ny,Nz)から得られる面配向係数
fn=(Nx+Ny)/2−Nzを計算して求めた。
【0039】(4)溶融性パラメータdΔTcgおよび
その最大値 フィルム5mgを以下の順で示差走査熱量計(セイコー
社、RDC220)により、測定を行った。Txは融点
〜融点+30℃まで1℃ごとにとり、各Txごとに未測
定のサンプルを利用した。 (A)25℃から温度Txまで昇温速度100℃/分
(設定)で昇温する。 (B)その後速やかに25℃まで降温速度100℃/分
(設定)で液体窒素を用いて冷却する。 (C)次いで20℃/分で昇温し、そのときのガラス転
移温度Tgおよび冷結晶化温度Tcgを記録し、この温
度差をΔTcg(Tx)(℃)として測定する。 それぞれのΔTcg(Tx)の測定値をΔTcg(Tx
1 )、ΔTcg(Tx2)、ΔTcg(Tx3 )、・・
・とすると、ΔTcg(Txn+1 )−ΔTcg(T
xn )をdΔTcg(Txn )とし、このdΔTcg
(Txn )が最大値をとるとき、その値をこのフィルム
のdΔTcg(Tx)の最大値とする。
【0040】(5)ジカルボン酸モノメチルエステル
(MMT)含有量 フィルムから500mgを削り取り、これをヘキサフル
オロイソプロパノールに溶解させる。これにメタノール
を加え濾過した濾液を液体クロマトグラフにかけフィル
ム中のジカルボン酸モノメチルエステル量を定量した。
【0041】(6)接着性(レトルト後の接着力) フィルムと加熱(フィルムの融点〜融点+30℃の範囲
の温度で、非金属板側の面の面配向係数fnの平均値が
0.02〜0.03となる条件)したTFS鋼板(厚さ
0.22mm)に80m/分でラミネート後、60℃の
水槽で急冷した。該ラミネート鋼板を幅30mmに切り
取り、一部をフィルムを残して鋼板のみをカットし、カ
ットした部分に110gの錘を吊し120℃、35分間
のレトルト処理を行った。レトルト後の鋼板からのフィ
ルムの剥離長さで評価を行った。ここでB級以上が実用
に耐えうるものである。 A級:10mm未満 B級:15mm未満10mm以上 C級:20mm未満15mm以上 D級:20mm以上
【0042】(7)耐摩耗性 上記ラミネート鋼板をしごき成形機、絞り成形機でコイ
ル5000m成形し(成形比(最大厚み/最小厚み)=
1.40,成形可能温度領域で成形)、缶(直径6c
m,高さ12cm)を得た。この時のツールに付着した
フィルムの削れ量を測定し、耐摩耗性(耐削れ性)を評
価した。ここでB級以上が実用に耐えうるものである。 A級:1mg未満 B級:1〜3mg C級:3mgを越えるもの
【0043】(8)味特性(濁り) 上記缶に120℃×20分の加圧蒸気処理を行った後、
水を充填し、50℃密封後1日放置し、その後開封して
液の濁りにより、以下の基準で評価した。ここでA級以
上が望ましいが、B級でも用途によっては実用に供する
ことができる。 特A級:全く濁りがみられない。 A級:濁りがほとんど見られない。 B級:やや濁りが見られる。 C級:全面に濁りが見られる。
【0044】実施例1 テレフタル酸、イソフタル酸にエチレングリコール(E
G)をEG/酸成分モル比1.1で仕込みエステル化反
応を行い、さらに重合触媒として二酸化ゲルマニウム、
耐熱安定剤としてリン酸を加え、次いで平均粒径0.4
μmの凝集乾式シリカ粒子のエチレングリコールスラリ
ー(粒子濃度2.5重量%)を粒子として0.15重量
%となるように3回にわけて添加した。引き続いて常法
に従い重縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレート(固有粘度0.69dl/g,融点
224.4℃,カルボキシル末端量36.1当量/ト
ン)を得た。得られたポリエスエルを180℃3時間真
空乾燥後、押出機に供給し、口金から吐出後、静電印加
(6.7kv)しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化し
て未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを温度9
8℃にて長手方向に3.04倍延伸し、予熱温度95℃
(3.5秒)、延伸温度111℃で幅方向に3.04倍
延伸した後、180℃にて弛緩5%、5秒間熱処理し、
厚さ25μm、二軸延伸積層ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの特性を表1に示す。評価結果は
表1に示す通り、極めて優れたものであった。
【0045】実施例2、6 実施例1と同様の方法で粒子の種類、添加条件を変えて
表1に示す二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果は表1に示す通りであり、優れ
たものであった。
【0046】実施例3 テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールとをEG/酸成分モル比1.8となるよう
に仕込み、酢酸マグネシウム4水和物を触媒として常法
に従いエステル交換反応を行った。エステル交換反応終
了後、二酸化ゲルマニウム、リン化合物としてリン酸を
添加し、次いで平均粒径0.4μmの凝集乾式シリカ粒
子のエチレングリコールスラリーを粒子として0.15
重量%となるように添加した。引き続いて常法に従い重
縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレ
フタレート(固有粘度0.69dl/g,融点224.
3℃,カルボキシル末端量33.4当量/トン)を得
た。得られたポリエステルを実施例1と同様にして、表
1に示す二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られ
たフィルムの評価結果は表1に示す通りであり、良好で
あった。
【0047】実施例4 表1に示すポリマーを用いて実施例2と同様の方法で二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
の特性、評価結果は表1に示す通りであり、良好であっ
た。
【0048】実施例5 テレフタル酸、イソフタル酸にエチレングリコール(E
G)をEG/酸成分モル比1.1となるように仕込みエ
ステル化反応を行った後、さらにEGをモル比0.25
加え、次いで平均粒径0.45μmの凝集乾式シリカ粒
子のエチレングリコールスラリーを粒子として0.15
重量%となるように添加した。引き続いて常法に従い重
縮合反応を行い、表1に示すイソフタル酸共重合ポリエ
チレンテレフタレートを得た。得られたポリエステルを
実施例1と同様にして、表1に示す二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果は表1
に示す通りであり、良好であった。
【0049】比較例1 表1に示す条件で実施例1の延伸温度を10℃高くした
以外は同様の方法で表1に示す二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性、評価結果は表
1に示す通りであり、非常に劣るものであり実用に耐え
られるものではなかった。
【0050】比較例2 表1に示す条件で実施例3と同様の方法で表1に示す二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
の特性、評価結果は表1に示す通りであり、非常に劣る
ものであり実用に耐えられるものではなかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、二軸延伸ポリエステル
フィルムの融解ピーク温度を特定の範囲に規定し、か
つ、溶融性パラメータdΔTcg(Tx)の最大値を3
以上とすることにより、金属板貼合わせ成形加工用ポリ
エステルフィルムの特性を金属缶等用に最適な特性に制
御することができ、優れた成形時の耐摩耗性、味特性、
レトルト後の密着性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融解ピーク温度が215〜260℃の範
    囲にあるポリエステルを主成分とする二軸延伸フィルム
    であって、示差走査型熱量計を用いた温度Txにおける
    溶融性パラメータdΔTcg(Tx)(Tx:融点〜融
    点+30℃の間での任意の温度)の最大値が3以上であ
    ることを特徴とする金属板貼合わせ成形加工用ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルム中に含有される遊
    離の芳香族ジカルボン酸モノメチルエステルが2ppm
    以下である請求項1に記載の金属板貼合わせ成形加工用
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルム中におけるTi、
    Mn、Mgの全金属含有量が10ppm以下である請求
    項1または2に記載の金属板貼合わせ成形加工用ポリエ
    ステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルム中に不定形シリカ
    を0.01〜0.5重量%含有する請求項1ないし3の
    いずれかに記載の金属板貼合わせ成形加工用ポリエステ
    ルフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008034724A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Shin Etsu Polymer Co Ltd 低誘電配線板の製造方法

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