JPH11276151A - ウイスキーの香味の改質方法 - Google Patents

ウイスキーの香味の改質方法

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JPH11276151A
JPH11276151A JP8701298A JP8701298A JPH11276151A JP H11276151 A JPH11276151 A JP H11276151A JP 8701298 A JP8701298 A JP 8701298A JP 8701298 A JP8701298 A JP 8701298A JP H11276151 A JPH11276151 A JP H11276151A
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whiskey
wood
cedar
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cypress
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Yoshihisa Fujii
敬久 藤井
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウイスキーの香味の改質を行い、今までになか
った新しいタイプのウイスキーを提供し、新しい香り、
味、風味を有するウイスキーで、なめらかな口当たり、
クリーン度が高い味、すっきりとした後味のウイスキー
を提供する。 【解決手段】ウイスキーを、杉材、桧材及び山桜材から
なる群から選ばれる木材と接触処理することにより、ウ
イスキーは従来にない香味と後味を有し、さらに木炭と
接触処理させたウイスキーを配合することにより、全く
新しい香味を有するとともに、クリーン度が高い味とな
めらかな口当たりと、べたつき感がない切れのあるすっ
きりとした後味を持つウイスキーを得ることができる。
杉材又は桧材と接触処理する場合、好ましいウイスキー
を得るための指標としてウイスキー中への杉材又は桧材
からの抽出成分であるδ−カジネンのウイスキーのへの
移行量を知ることにより、改質方法の実施をコントロー
ルすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明のウイスキーの香味の改質
方法は、今までになかった新しいタイプのウイスキーを
提供するものであり、新しい香り、味、風味を有するウ
イスキーで、なめらかな口当たり、クリーン度が高い
味、すっきりとした後味のウイスキーを提供する。ま
た、新しい香味はアロマセラピー効果が期待でき、飲用
時にその香りによりリラックス感を感じられるウイスキ
ーを提供する。
【0002】
【従来技術】ウイスキーは古来より広く愛飲されている
酒類であって、原料の違い、蒸溜法の違い、他の製造工
程の違い等により、色々な香味を有するものがある。し
かしながら、それらは一定の範囲の香味のものに過ぎ
ず、大幅にタイプの違う香味のものはなかった。また、
従来の複数の原酒のブレンドによる香味の改質は、得ら
れる香味のバリエーションに限度があるという問題点が
あった。一方、ウイスキーが飲まれるシュチュエーショ
ンは多様化し、料理と共にウイスキーが飲まれる場合も
多くなり、またさまざまな民族、国民にウイスキーは飲
まれるようになってきている。既存のウイスキーでは、
料理のタイプ、例えば海鮮料理のように生の素材の風味
を生かした料理や、だしを生かした薄味の料理などで
は、ウイスキーの香味があわない場合や、好みによって
はウイスキー飲用後の後味のべたつきが好まれない場合
があった。
【0003】
【発明が解決しようする課題】消費者の嗜好の多様化や
飲用層の拡大が進み、多種多様な香味を有するウイスキ
ーが求められてきているなか、本発明の目的は、ウイス
キーに対する消費者の嗜好の多様化に対応することを目
的とし、ウイスキーを、今までになかった新しい香り、
味、風味を有し、なめらかな口当たり、クリーン度が高
い味、すっきりとした後味のウイスキーに改質する方法
を提供することにある。そこで、ウイスキーの香味の改
質を試みるために、蒸溜後の貯蔵工程において、従来で
は全く用いられたことがなかった木材の樽による貯蔵を
試みることとした。従来、ウイスキーの貯蔵に用いられ
る樽は、ホワイトオーク材製の樽であり、ホワイトオー
クから、ウイスキー特有の芳香、ウイスキーの色である
琥珀色が形成される。他の木材による樽は、ウイスキー
特有の芳香や色が得られないために、また樽材として必
要な物理的強度を持たないこと、欠減量が増加する危険
性があること等から、ウイスキーの製造工程では用いら
れることがなかった。また樽材中のそれぞれの樹木由来
の各成分が貯蔵工程により樽内のウイスキーに移行する
が、所謂建築臭、木材臭がウイスキーに移行することが
考えられ、試みられることもなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、各種の木材
の樽によるウイスキーの貯蔵を試みるために、まず蒸溜
後一定期間ホワイトオーク製樽で貯蔵したウイスキー
を、ウイスキーの貯蔵に数回用いたホワイトオーク製の
古樽の鏡板に試みる木材を用いて、予備的にウイスキー
への香味の改質実験を行った。杉材、桧材、山桜材等数
十種類の木材による実験の結果、杉材、桧材、山桜材の
3種がウイスキー本来の香味と非常にあうことがわかっ
た。そこで、次に、蒸溜後のウイスキーであるニューメ
イクを用いて、この杉材、桧材、山桜材の3種の木材に
よる樽の貯蔵を試みたところ、ウイスキーの香味が非常
に好ましく改質されることが判った。更に本発明では、
杉材又は桧材からの香味の移行により得られた新しい香
味のウイスキーの香味の改質をより強調し、かつ嗜好性
を高めるために、ウイスキーを木炭で接触処理すること
により香味を改質したものとを配合することより、今ま
でになかった新しい香り、味、風味を有し、なめらかな
口当たり、クリーン度が高い味を有するウイスキーを得
られることを見出した。なお、本発明において、ウイス
キーとは、蒸溜後のものであればどのようなものでも良
く、蒸溜後のニューメイク、熟成(貯蔵)途中のウイス
キー原酒、熟成(貯蔵)後のウイスキー原酒、あるいは
ブレンド後、ヴァッティング後或は後熟後のウイスキ
ー、熟成(貯蔵)後に蒸溜したウイスキー等を意味し、
また、グレーンウイスキー、モルトウイスキーなどいず
れの種類のウイスキーでも同様に本発明の方法を行うこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の態様】従来、杉材、桧材或いは山桜材は
建築材、建具、家具、船舶、土木用材等多方面に用いら
れ、杉材は飲食物関連でも用いられることが多く、箸、
かまぼこ板、寿司台等に用いられてきた。また、酒類で
も杉材は日本酒の樽容器の材料として使用されている。
日本酒の樽容器は、最終製品を詰めるための容器であ
り、杉材の日本酒の火落ち菌等による腐敗を抑制する効
果を期待しての使用であり、流通過程でほのかな杉香が
日本酒に付与されるに過ぎなかった。従って、日本酒の
杉樽は、最終製品を詰め流通に用いられる容器に過ぎ
ず、杉材による樽貯蔵が行われるものではなかった。杉
材、桧材或いは山桜材には、セスキテルペン類、セスキ
テルペンアルコール類等の様々な成分が含まれており、
これらの成分によって杉や桧、山桜特有の香りが形成さ
れているとことは知られているが、杉材、桧材或いは山
桜材と酒類との接触により、どのような成分がどのよう
な速度で、酒類に移行するのかは知られていなかった。
また、杉材、桧材或いは山桜材と酒類の接触時間による
酒類の香味の変化については全く研究されたことがなか
った。
【0006】本発明者は、杉材、桧材及び山桜材とウイ
スキーの接触時間による香味の変化を調べたところ、杉
材、桧材及び山桜材との接触時間が長過ぎたり、或いは
ウイスキーと接触させる木材の量が多過ぎた場合、杉
材、桧材及び山桜材よりウイスキーに対して好ましくな
い成分が抽出されウイスキーに雑味がつく、或は過度に
特定の成分が抽出されウイスキーに移行し、好ましくな
い香味となってくることを突き止めた。更に、杉材、桧
材及び山桜材との接触によりウイスキーの後味の切れが
良くなるという新しい効果を見出した。そこで、杉材に
含まれる成分のウイスキーへの移行とウイスキーの香味
の嗜好性の関係を追求したところ、杉材に含まれる成分
であるδ−カジネンのウイスキーへの移行量が、好まし
いウイスキーが得られる指標となることが判った。更
に、ウイスキー中のδ−カジネンの含有量の程度とウイ
スキーの香味の改質程度とも一致することが判った。な
お、δ−カジネン(δ−Cadinene)は、以下の構造式で
表される化合物であり、杉材及び桧材には含まれいる。
【化1】
【0007】なお、杉材の原木である杉とはCryptomeri
a japonica の学名で知られるすぎ科の常緑の高木で、
桧材の原木である桧とは Chamaecyparis obtusa の学
名で知られるひのき科の常緑の高木で、山桜材の原木で
ある山桜とは Prunus donarium の学名で知られるばら
科の落葉高木である。
【0008】δ−カジネンのウイスキーへの移行量は、
ウイスキー中の含有量を測定することにより知ることが
できる。δ−カジネンの場合は、最終製品のウイスキー
中0.01ppm〜10ppmの範囲、ISとのヒ゜ーク面積比:0.
0002〜1で含まれると、新しい香味を有した好ましいウ
イスキーが得られることが判った。特にδ−カジネンが
0.01ppmから5ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:0.0002〜
0.1)の範囲のものが一般的に好まれる嗜好性をもった
ウイスキーとなる。δ−カジネンのウイスキー中の含有
量が0.01ppm未満(ISとのヒ゜ーク面積比:0.0002)で
あると、ウイスキーの香味の増強・改質に効果があまり
得られなく、またδ−カジネンのウイスキー中の含有量
が50ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:1)より多いと、木材か
らの他の抽出成分による雑味がついたり、δ−カジネン
による香味が強すぎて好まれない場合がある。
【0009】ウイスキーへのδ−カジネンのウイスキー
中の含有量の測定方法は、例えば以下の方法により行う
ことができる。 (サンプル前処理)サンプル1mlに内部標準(Decanoic
acid methyl ester 500ppm)を0.1ml添加し、よく振り
混ぜる。 (使用機器) GC:Hewlet Packard 社製 5890IIカラム :Hewlet Packard社製 Ultra2 50m×0.32mm×0.52
μmキャリアカ゛ス :He 3.0ml/min 検出器:FID 温度250℃ 水素0.6kg/cm2 空気0.6kg
/cm2 注入口温度:250℃カラムオーフ゛ン 温度:42℃で8分保持後、230℃まで10℃/分で
昇温。230℃で23分保持。 注入量:1μl
【0010】本発明においては、 δ−カジネン等杉
材、桧材又は山桜材からの成分をウイスキーに含有させ
るために、ウイスキーと杉材、桧材又は山桜材を接触さ
せこれらの木材から成分を移行させる方法、ウイスキー
と杉材、桧材又は山桜材を接触させ杉材、桧材及び山桜
材から成分を移行させたウイスキーを他のウイスキーに
配合させる方法が好ましく用いられるが、化学合成品或
は杉材又は桧材等から抽出されたδ−カジネン等をウイ
スキーへ添加する方法のいずれでも行うことができる。
【0011】ウイスキーと杉材、桧材又は山桜材との接
触方法は、ウイスキー又は蒸溜工程後のニューメイク以
降のウイスキー半製品への杉材、桧材又は山桜材のチッ
プ等の浸漬或は濾過、杉材、桧材又は山桜材からなる樽
による貯蔵等の方法が挙げられる。その中でも、杉材、
桧材又は山桜材からのウイスキーへの雑味の移行やウイ
スキーの香味の損失がないことから、ウイスキーを杉
材、桧材又は山桜材からなる樽による貯蔵による方法が
好ましく用いられる。杉材、桧材又は山桜材からなる樽
による貯蔵の場合、ウイスキーの通常の貯蔵期間に比し
て、非常に短い時間で必要量のカジネン等杉材、桧材又
は山桜材からの成分が抽出されるので、δ−カジネン等
杉材、桧材又は山桜材からの成分のウイスキーへの移行
量のコントロールを簡便に行うために、ウイスキーの通
常工程のオーク樽貯蔵後、更に杉材、桧材又は山桜材か
らなる樽による貯蔵方法が好ましい。杉材、桧材又は山
桜材からなる樽は、杉材、桧材又は山桜材による樽を作
製してもよいが、杉材、桧材又は山桜材の曲げ加工性の
点から、オーク材等の既成の樽の鏡板のみを杉材、桧材
又は山桜材に変えて、使用するのが簡便である。本発明
で必要なδ−カジネン等杉材、桧材又は山桜材からの成
分の量は、鏡板のみ杉材、桧材又は山桜材からなる樽に
よる貯蔵でも十分に得られることができる。またこの
時、オーク樽の既成の樽はウイスキー等の貯蔵に数回用
いた古樽で行うことが好ましい。古樽であれば、ウイス
キーへのオーク材等の香味成分の抽出等を考慮せず行
え、δ−カジネン等杉材、桧材又は山桜材からの成分の
含有量のコントロールが、簡便に行えるためである。貯
蔵条件、用いるウイスキーの種類等によっても異なる
が、例えば、オーク材等の既成の樽の古樽の鏡板のみを
杉材に変えた樽での貯蔵の場合、δ−カジネン量10pp
m(ISとのヒ゜ーク面積比:0.2)をウイスキーに含ませるた
めに必要な日数は約60日間である。
【0012】なお、本発明では、杉材、桧材又は山桜材
から選ばれる2種以上の木材を同時にウイスキーに接触
させてもよく、また、それぞれの木材と接触させたウイ
スキーを配合する、或いは順次、杉材、桧材又は山桜材
から選ばれる木材に接触させていくこともできる。本発
明における、杉材、桧材又は山桜材の木材とは、常法に
より乾燥工程を経た木材を意味する。本発明では乾燥を
行っていない木材も用いることができるが、木材からの
樹脂成分の抽出により雑味がウイスキーにつき好ましく
なく、また木材としての加工も困難である。また、杉
材、桧材又は山桜材の木材を、樽材として用いる場合
は、常法により内面を焦がして使用しても良い。さら
に、杉材、桧材又は山桜材の木材は、木口面、板目面、
柾目面のいずれでも用いることができる。
【0013】本発明のウイスキー及びウイスキーの製造
方法のもう一つの特徴は、ウイスキーを木炭で接触処理
したものを配合することである。ウイスキーを木炭で接
触処理すると、ウイスキーの香味が円やかになり、なめ
らかな口当たり、クリーン度が高い味となる。本発明者
は、先に特開平5−308948号において、ウイスキ
ーの香味の改質方法として、ウイスキーを木炭で接触処
理することを提案したが、ウイスキーを、杉材、桧材及
び山桜材からなる群から選ばれる木材と接触処理した香
味を改質したウイスキーと木炭で接触処理したウイスキ
ーを配合することにより、画期的に新しい香味を有した
ウイスキーを得られることが判った。
【0014】本発明においては、木炭で接触処理したウ
イスキーの含有量が、ウイスキー全体の5%未満である
と、ウイスキーの香味がそれほど改質されないので、5
%以上配合することが必要である。5%以上であれば、
得たいウイスキーの製品設計に応じて、自由に配合量を
決めることができる。
【0015】本発明で用いるウイスキーを接触処理する
木炭は、電気抵抗値が10〜1000Ωであるものが好ましく
用いられる。電気抵抗値が10Ωより小さいと香味の改質
の効果が得られにくく、また電気抵抗値が1000Ωより大
きいと木炭の不十分な炭化による焦げ臭等が付く場合が
ある。電気抵抗値が10〜1000Ωである木炭を得る方法と
しては、市販の木炭を650℃以上で900℃以下の温度で再
精錬することによって得ることができる。なお、本発明
における電気抵抗値とは、岸本定吉の方法(「わが国木
炭精錬に関する研究」、農林省林業試験所報告、65
号、1953年)により測定した値である。また、木炭
を製造する原木としては、オーク類、楢類、樫類、ブナ
類、桜類、竹類、桐などが挙げられるが、特に竹類を原
木とした木炭がウイスキーの香味の改質の点で特に好ま
しく用いられる。ウイスキーを木炭で接触処理する方法
としては、ウイスキーに木炭を添加し、攪拌、保持した
後濾別するか、あるいは、ウイスキーを木炭が詰められ
たカラムに通すなどの方法が挙げられる。木炭はどのよ
うな大きさのものでも使用できるが、必要に応じて粉砕
して使用することができ、特にウイスキーとの接触の効
率を考えた場合、より細かく粉砕されたものを使用する
ことが好ましい。
【0016】本発明のウイスキーの香味の改質方法にお
いては、ウイスキーを杉材、桧材及び山桜材からなる群
から選ばれる木材と接触処理する方法、杉材、桧材及び
山桜材からなる群から選ばれる木材と接触処理したウイ
スキーと木炭で接触処理したウイスキーを配合する方
法、木炭で接触処理したウイスキーを更に杉材、桧材及
び山桜材からなる群から選ばれる木材と接触処理する方
法のいずれの方法も含まれる。また、杉材、桧材及び山
桜材からなる群から選ばれる木材と接触処理したウイス
キー、杉材、桧材及び山桜材からなる群から選ばれる木
材と接触処理したウイスキーと木炭で接触処理したウイ
スキーを配合したウイスキー、或は、木炭で接触処理し
たウイスキーを更に杉材、桧材及び山桜材からなる群か
ら選ばれる木材と接触処理したウイスキーを更に貯蔵
(熟成)する、他のウイスキーとブレンドする、ヴァッ
ティングする、後熟する、或はウイスキー以外の酒類を
添加する等行っても、ウイスキーの香味の改質を行うこ
とができる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)各種木材よりなる樽貯蔵によるウイスキー
の製造例とその官能評価 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板にオーク材、杉材、桧材、山桜材を用いて
製造した小容量樽(1リットル)に、オーク樽で6年貯
蔵されたウイスキー1リットルを詰めて2ヶ月間貯蔵し
た。貯蔵したウイスキーをウイスキー専門パネラー5名
により、官能評価した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0018】(実施例2)δ−カジネンの含有量とウイ
スキーの香味 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板に杉材を用いて製造した樽(230リット
ル)に、オーク樽で6年貯蔵されたウイスキーを2ヶ月
間貯蔵した。そのウイスキー中のδ-カジネンの含有量
は9.3ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:0.186)であった。こ
のδ-カジネンを含むウイスキーを、ウイスキー中のδ-
カジネン濃度が0.01ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:0.000
2)、0.1ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:0.002)、1ppm
(ISとのヒ゜ーク面積比:0.02)、10ppm(ISとのヒ゜ーク面
積比:0.2)、50ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:1)になる
ように、他のオーク樽で6年貯蔵されたウイスキーに配
合した。得られたウイスキーをウイスキー専門パネラー
5名により、官能評価した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0019】(実施例3)杉材と接触処理させたウイス
キーの製造 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板に杉材を用いて製造した樽(230リット
ル)に、オーク樽で6年貯蔵されたウイスキーを2ヶ月
間貯蔵した。得られたウイスキーには、δ−カジネンは
9.3ppm(ISとのヒ゜ーク面積比:0.186)含まれていた。
製造に用いたオーク樽で6年貯蔵されたウイスキーに比
べて、得られたウイスキーは、杉特有の爽やかな香りを
有し、口に含んだ際の後味も切れが良く、香味が改質さ
れていた。
【0020】(実施例4)杉材と接触処理させたウイス
キーの製造 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板に杉材を用いて製造した樽(230リット
ル)に、蒸溜まで行ったニューメイクを2ヵ月貯蔵し
た。得られたウイスキーには、δ−カジネンは6.9pp
m(ISとのヒ゜ーク面積比:0.138)含まれていた。製造に用
いたニューメイクに比べて、得られたウイスキーは、杉
特有の爽やかな香りを有し、未熟臭がマスキングされる
など、香味が改質されていた。 (実施例5)桧材と接触処理させたウイスキーの製造 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板に桧材を用いて製造した樽(1リットル)
に、オーク樽で6年貯蔵されたウイスキーを2ヶ月間貯
蔵した。製造に用いたオーク樽で6年貯蔵されたウイス
キーに比べて、得られたウイスキーは、桧特有の爽やか
な香りを有し、水で割った際の香りの伸びが良く、口に
含んだ際の後味のキレが良く、香味が改質されていた。 (実施例6)山桜材と接触処理させたウイスキーの製造 側板に、ウイスキーの貯蔵に4回以上使用したオーク材
を用い、鏡板に山桜材を用いて製造した樽(1リット
ル)に、オーク樽で6年貯蔵されたウイスキーを2ヶ月
間貯蔵した。製造に用いたオーク樽で6年貯蔵されたウ
イスキーに比べて、得られたウイスキーは、桜餅を連想
させるクマリン様の香りを有し、口に含んだ際の後味の
キレが良く、香味が改質されていた。
【0021】(実施例7)木炭で接触処理させたウイス
キーの官能評価 蒸留後ホワイトオーク材の樽にて96ヶ月貯蔵されたウ
イスキー原酒1000ミリリットルに対して、ホワイト
オーク又は孟宗竹を原木とする電気抵抗値100Ωの木
炭をそれぞれ150μm以下に粉砕してから10gずつ
ウイスキー原酒に添加し、48時間撹拌しながら保持さ
せた後に、木炭を濾別した。得られたウイスキーをウイ
スキー専門パネラー7名により、官能評価した。その結
果を表3に示す。
【表3】
【0022】(実施例8)木炭で接触処理させたウイス
キーと杉材と接触処理させたウイスキーとの配合による
ウイスキーの製造 蒸溜後、ホワイトオーク材の樽にて、通常の貯蔵庫内に
て8年貯蔵された貯蔵ウイスキー1リットルに対し、電
気抵抗値が10〜1000Ωの竹を原木とする木炭10gを1
50μm以下に粉砕してから添加し、48時間攪拌しな
がら保持後、濾別して、木炭で接触処理させたウイスキ
ーを得た。この木炭で接触処理させたウイスキー970
mlと実施例3で得た杉材と接触処理させたウイスキー3
0mlを配合して、ウイスキーを得た。得られたウイスキ
ーにはδ−カジネンは0.3ppm含まれていた。また木
炭で接触処理させたウイスキー単独、杉材と接触処理さ
せたウイスキー単独、得られたウイスキーの3種をウイ
スキー専門パネラ5名により、官能評価した。その結果
を表4に示す。
【表4】
【0023】(実施例9)木炭で接触処理させたウイス
キーと桧材と接触処理させたウイスキーとの配合による
ウイスキーの製造 蒸溜後、ホワイトオーク材の樽にて、通常の貯蔵庫内に
て8年貯蔵された貯蔵ウイスキー1リットルに対し、電
気抵抗値が10〜1000Ωの竹を原木とする木炭10gを1
50μm以下に粉砕してから添加し、48時間攪拌しな
がら保持後、濾別して、木炭で接触処理させたウイスキ
ーを得た。この木炭で接触処理させたウイスキー970
mlと実施例5で得た桧材と接触処理させたウイスキー3
0mlを配合して、ウイスキーを得た。また木炭で接触処
理させたウイスキー単独、桧材と接触処理させたウイス
キー単独、得られたウイスキーの3種をウイスキー専門
パネラ4名により、官能評価した。その結果を表5に示
す。
【表5】
【0024】
【発明の効果】ウイスキーを、杉材、桧材及び山桜材か
らなる群から選ばれる木材と接触処理することにより、
ウイスキーは従来にない香味と後味を有し、さらに木炭
と接触処理させたウイスキーを配合することにより、全
く新しい香味を有するとともに、クリーン度が高い味と
なめらかな口当たりと、べたつき感がない切れのあるす
っきりとした後味を持つウイスキーを得ることができ
る。また、本発明のウイスキーの新しいさわやかな香味
はアロマセラピー効果が期待でき、飲用時にその香りに
よりリラックス感を感じられるウイスキーである。本発
明のウイスキーの香味の改質方法においては、杉材又は
桧材と接触処理する場合、好ましいウイスキーを得るた
めの指標としてウイスキー中への杉材又は桧材からの抽
出成分であるδ−カジネンのウイスキーの移行量を知る
ことにより、改質方法の実施をコントロールすることが
でき、簡便にかつ専門のウイスキパネラによる官能評価
を行うことなく、その香味の改質を行うことができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウイスキーを、杉材、桧材及び山桜材から
    なる群から選ばれる1種又は2種以上の木材と接触処理
    することを特徴とするウイスキーの香味の改質方法。
  2. 【請求項2】 木材が杉材又は桧材であることを特徴と
    する請求項1記載のウイスキーの香味の改質方法。
  3. 【請求項3】 杉材又は桧材の木材と接触処理すること
    により、ウイスキーにδーカジネンを含有させることを
    特徴とする請求項2記載のウイスキーの香味の改質方
    法。
  4. 【請求項4】 ウイスキーと接触処理する木材が杉材で
    あり、δ−カジネンをウイスキー中に0.01ppm〜1
    0ppm含有させることを特徴とする請求項3記載のウイ
    スキーの香味の改質方法。
  5. 【請求項5】 ウイスキーと木材との接触処理の方法
    が、杉材、桧材及び山桜材からなる群から選ばれる1種
    又は2種以上の木材からなる樽にウイスキーを貯蔵する
    ことを特徴とする請求項1記載のウイスキーの香味の改
    質方法。
  6. 【請求項6】 樽の構成材料のうち少なくとも鏡板が、
    杉材、桧材及び山桜材からなる群から選ばれる1種又は
    2種以上の木材からなる樽であることを特徴とする請求
    項5記載のウイスキーの香味の改質方法。
  7. 【請求項7】 ウイスキーの香味の改質方法において、
    木炭で接触処理したウイスキーを5%以上含有すること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項記載のウ
    イスキーの香味の改質方法。
  8. 【請求項8】 木炭の原木が竹類であることを特徴とす
    る請求項7記載のウイスキーの香味の改質方法。
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