JPH11279885A - ゴムホース補強用コードおよびその製造方法 - Google Patents

ゴムホース補強用コードおよびその製造方法

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JPH11279885A
JPH11279885A JP10081935A JP8193598A JPH11279885A JP H11279885 A JPH11279885 A JP H11279885A JP 10081935 A JP10081935 A JP 10081935A JP 8193598 A JP8193598 A JP 8193598A JP H11279885 A JPH11279885 A JP H11279885A
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JP
Japan
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rubber hose
reinforcing cord
polyphenylene sulfide
cord
rubber
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JP10081935A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sato
康裕 佐藤
Tomoharu Kumaki
智春 久間木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で耐熱性およびエチレングリコール
系溶媒や鉱物油などの薬品に対する耐久性がすぐれ、し
かも高品位のゴムホースを製造することができるゴムホ
ース補強用コードを提供する。 【解決手段】 本発明のゴムホース補強用コードは、
ポリフェニレンサルファイド繊維の複数本を引き揃え撚
糸してなるコードであって、強度が4.0g/d以上、
150℃における湿熱収縮率が2%以下であることを特
徴とし、特に自動車用水系ゴムホースの補強用として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車の
ラジエターホースまたはパワーステアリングホースなど
のゴムホースの補強用に用いられるコードに関するもの
であり、さらに詳しくは、高強度で耐熱性およびエチレ
ングリコール系溶媒や鉱物油などの薬品に対する耐久性
がすぐれ、しかも高品位のホースを製造することができ
るゴムホース用補強用コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカプラミド(ナイロン6)およびポ
リヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)などに代
表されるポリアミドからなる繊維糸条は、高強力で接着
性および耐久性にすぐれているため、各種産業用途に使
用されており、とくにたとえばタイヤコード、動力伝達
ベルト、搬送用ベルトおよびゴムホースなどのゴム補強
用コードとして多く用いられている。
【0003】しかし、高温下で連続使用される自動車用
ラジエターホースやパワーステアリングホースなどの分
野においては、力学的特性もさることながら、さらにす
ぐれた耐熱性および耐薬品性が求められており、ポリア
ミド繊維糸条などの従来の汎用素材では、これらの問題
を解決することはできなかった。
【0004】一方、ポリフェニレンサルファイドは、耐
熱性、耐薬品性および耐油性などにすぐれたポリマであ
り、これらの特性を生かした高性能エンジニアリングプ
ラスチックとして注目されている。
【0005】そして、ポリフェニレンサルファイドは、
たとえば特開昭49−54617号公報に記載されると
おり、汎用熱可塑性ポリマーと同様な溶融紡糸法により
容易に繊維化できることが知られているが、ここで得ら
れる繊維糸条の物性は、強度がたかだか2.75g/d
程度であり、これは自動車ホース用補強コードとしての
十分な強度とはいえるものではない。
【0006】また、特開昭61−215715号公報に
は、高粘度のポリアリーレンチオエーテル(ポリフェニ
レンサルファイド)を用いて溶融紡糸することにより、
常温における引張り強度が40Kg/mm2 以上、20
0℃における引張り強度が20Kg/mm2 以上、引張
り弾性率が500Kg/mm2 以上の特性を有するポリ
アリーレンチオエーテル繊維が得られることが開示され
ている。しかし、この特開昭61−215715号公報
では、ポリアリーレンチオエーテル繊維の熱的寸法安定
性(熱収縮性)については何ら配慮されていないことか
ら、この繊維は自動車ホース補強用コードとしての十分
な物理特性を有しているとはいい難い。
【0007】さらに、特開平1−239109号公報に
は、強度が7.0g/d以上、シルクファクター(タフ
ネス)が20g/d(%)1/2以上、180℃の乾熱
収縮率がが15%以下のポリフェニレンサルファイド繊
維が開示されている。しかし、この特開平1−2391
09号公報では、ホースが製造される条件である150
℃付近の湿熱収縮率については、何ら配慮されていない
ことから、この繊維もまた、自動車ホース補強用繊維と
しての十分な物理特性を有しているとはいえないもので
あった。
【0008】このように、ポリフェニレンサルファイド
繊維糸条は、耐熱性、耐薬品性および耐油性がすぐれる
という特性を有するにもかかわらず、これをゴムホース
補強用コードとして適用することは従来行なわれておら
ず、これはポリフェニレンサルファイド繊維を用いた補
強ゴムホースが形状品位に劣るなどの問題を有すること
に起因するものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0010】したがって、本発明の目的は、高強度で耐
熱性およびエチレングリコール系溶媒や鉱物油などの薬
品に対する耐久性がすぐれ、しかも高品位のホースを製
造することができるゴムホース用補強用コードを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のゴムホース補強用コードは、主として次
の構成を有する。すなわち、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維糸条の複数本が引き揃え撚糸されてなるコードで
あって、強度が4.0g/d以上、150℃における湿
熱収縮率が2%以下であることを特徴とするゴムホース
補強用コードである。
【0012】また、本発明のゴムホース補強用コードの
製造方法は、主として次の構成を有する。すなわち、ポ
リフェニレンサルファイド繊維糸条の複数本を引き揃え
撚糸した後、湿熱処理することを特徴とするゴムホース
補強用コードの製造方法である。
【0013】また、本発明のゴムホース用補強用コード
に用いるポリフェニレンサルファイド繊維糸条の強度が
4.5g/d以上、初期引張抵抗度が60g/d以上、
180℃乾熱収縮率が8%以下であること、ポリフェニ
レンサルファイド繊維糸条がコードを構成する繊維総繊
度の20%以上を占めること、ポリフェニレンサルファ
イド繊維糸条が酸化防止剤成分を0.5〜5.0重量%
含有する処理剤を.0.3〜2.0重量%付着されてな
ることが、本発明のゴムホース用補強用コードの好まし
い態様である。
【0014】また、撚糸した後の湿熱処理が120〜1
50℃でなされること、この湿熱処理に先立って乾熱処
理すること、ポリフェニレンサルファイド繊維の複数本
を引き揃え撚糸した後、レゾルシン・ホルマリン初期縮
合物とゴムラテックスとを主体とする接着処理剤で処理
することが、本発明のゴムホース用補強用コードの製造
方法の好ましい態様である。
【0015】および自動車のラジエーター用ホースまた
はパワーステアリング用ホースの補強に用いられること
が、本発明のゴムホース用補強用コードの好ましい用途
である。
【0016】これらの態様によって、一層すぐれた本発
明の目的とする効果の発現を期待することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0018】本発明のゴムホース用補強用コードにおい
ては、ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の複数本を
引き揃え撚糸されてなるコードの強度が4.0g/d以
上、好ましくは5.0g/d以上とするものである。コ
ードの強度が4.0g/d未満であると、得られるゴム
ホースの耐圧性が劣り、ホース補強用コードとしての性
能を十分に発揮することができない。
【0019】本発明のゴムホース用補強用コードにおい
ては、コードの150℃における湿熱収縮率が2%以
下、好ましくは1%以下とするものである。コードの1
50℃湿熱収縮率が2%を越えると、ゴムホース加硫時
における形状不良、具体的にはホースの変形や皺の発生
を招く。
【0020】本発明において、ポリフェニレンサルファ
イド繊維の素材ポリマであるポリフェニレンサルファイ
ド樹脂は、常法により製造された市販品を使用すること
ができ、たとえばパラジクロルベンゼンと二硫化ナトリ
ウムをN−メチル−ピロリドン中にて200〜250℃
で反応させ、溶媒を除去することにより得られたポリマ
ーを、ペレット状に成形して形成されたものを使用する
ことができる。
【0021】なお、本発明で用いるポリフェニレンサル
ファイド樹脂は、メルトフローレート(MFR)が10
0〜600の実質的に線状のポリマーであることが好ま
しいが、トリクロロベンゼン(TCB)を0.1重量%
以下含有した架橋ポリマーであってもよい。
【0022】ここでいうメルトフローレート(MFR)
とは、測定温度を316℃、荷重を5kgfとしたAS
TM D1238−70法によって測定されるポリマー
の溶融流れを意味する。
【0023】本発明において、目的とする特性を有する
ゴムホース補強用コードを得るためには、ポリフェニレ
ンサルファイド繊維の強度が4.5g/d以上であるこ
とが好ましい。
【0024】そして、このような高強度のポリフェニレ
ンサルファイド繊維糸条を得るためには、例えば、溶融
粘度指数(MFR値)が25〜300g/10minで
あるポリフェニレンサルファイド樹脂の粉末および/ま
たはペレット状のポリマを、−760mmHg以下の真
空条件下で、100℃以上200℃以下の範囲で加熱し
て、昇華した低分子量物を除去することにより、気泡の
生成や3次元架橋反応を抑制する方法が挙げられる。
【0025】繊維糸条の強度が低下するのを防止すると
共に、繊維糸条の延伸中の単繊維切断を防止するという
観点から、ポリフェニレンサルファイド繊維中に含有さ
れる気泡および不溶解物は、繊維軸方向の大きさが5.
0μm以下、繊維径方向の大きさが1.0μm以下であ
り、単繊維中に含まれる量が1.0個/m以下であるこ
とが好ましい。
【0026】このような、ポリフェニレンサルファイド
繊維内の微小欠陥となる気泡や不溶解物を有効に除去す
る手段としては、例えば溶融防止工程における紡糸口金
内のフィルターとして5μm以下の微細孔を有する金属
不織布を使用する方法が好適である。
【0027】また、目的とする繊維糸条強度を容易に得
るという観点からは、ポリフェニレンサルファイド樹脂
中のオリゴマーのうち6量体以下のオリゴマの含有量
を、0.2重量%以下とすることが好ましい。
【0028】本発明のゴムホース用補強用コードは、ポ
リフェニレンサルファイド繊維糸条とロール表面の摩擦
力が増大して、延伸時糸切れを生じる傾向を有効に防ぐ
観点から、これを構成するポリフェニレンサルファイド
繊維糸条が、酸化防止剤成分を0.5〜5.0重量%含
有する処理剤を0.3〜2.0重量%付着されてなるこ
とが望ましい。
【0029】処理剤に含有される酸化防止剤は、とくに
自動車用ゴムホースにおける経時的な酸化劣化による接
着力低下を防止する機能を奏する。
【0030】ここで用いられる処理剤としては、水系エ
マルジョン油剤もしくは完全非含水油剤であり、処理剤
固形分濃度が5〜40重量%、さらには10〜30重量
%のものが好ましい。
【0031】処理剤としては、平滑剤成分A、乳化剤成
分B、界面活性剤成分Cおよび酸化防止剤成分Dを固形
分として含有し、平滑剤成分Aの50〜70重量%、乳
化剤成分Bの15〜30重量%、界面活性剤成分Cの1
5〜30重量%、酸化防止剤成分Dの0.5〜5重量%
の合計100重量%から固形分を形成したものが好まし
く使用される。
【0032】平滑剤成分Aの具体例としては、ネオペン
チルグリコールジラウレート、ジエチレングリコールジ
オレートなどの2価アルコールと高級脂肪酸のエステ
ル、グリセリントリオレート、トリネチルロールプロパ
ントリオレートなどの3価アルコールと高級脂肪酸のエ
ステル、ペンタエリスリトールテトラオレートなどの4
価以上のアルコールと高級脂肪酸エステル、ジオクチル
セバケート、ジオレイルアジペート、ジイソステアリル
チオジプロピオネートなどの高級アルコールと2塩基酸
のエステル、ジオレイルフタレート、トリオクチルトリ
メリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの高級
アルコールと芳香族カルボン酸のエステル、およびビチ
ルステアレート、イソステアリルパルミテート、オレイ
ルラレート、オレイルオレートなどの高級アルコールと
高級脂肪酸のエステルなどが挙げられる。
【0033】乳化剤成分Bの具体例としては、2−エチ
ルヘキシルアルコール、2−ノニルトリデカノール、2
−ウンデシルペンタデカノールなどのアルコール(C6
〜C26)のアルキレンオキサイド付加物(n=1〜
7)が挙げられる。
【0034】界面活性剤成分Cの具体例としては、多価
アルコールアルキレンオキサイド付加物のエステル化合
物であって、アルキレンオキサイドの付加モル数が10
〜40モルの化合物とモノカルボン酸および/またはジ
カルボン酸との反応物が挙げられる。該エステル化合物
とは、硬化ヒマシ油EO(25)、硬化ヒマシ油エチレ
ンオキサンドEO(25)のステアリン酸、マレイン酸
エステル、およびエチレンオキサイドEO(20)ジス
テアレートなどである。
【0035】酸化防止剤Dの具体例としては、フェノー
ル系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、アミン系酸化防
止剤、ヒンダード系酸化防止剤、およびイオウ系酸化防
止剤などの単一成分または2種以上混合したものが挙げ
られる。
【0036】本発明において、処理剤は、ゴムホース補
強用コードをゴム補強材として使用する場合に、エマル
ジョン化した接着処理剤が繊維内部へ急激に浸透するの
を適度に抑制し、かつ薄く均一に浸透させる効果をもた
らし、ゴムホースの耐疲労性を改善する機能を奏する。
【0037】次に本発明のゴムホース補強用コードの製
造方法について説明する。
【0038】本発明のゴムホース補強用コードは、前記
ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の複数本を撚糸し
た生コードを、例えばオートクレーブなどによって湿熱
処理することによって得ることができる。
【0039】つまり、生コードに湿熱処理を施すことに
より、コードの150℃における湿熱収縮率を前記した
2%以下に低下させることができるのである。
【0040】湿熱処理を十分に行ない湿熱収縮率を目標
の範囲にする一方、過度の熱負荷により繊維の初期モジ
ュラスが低くなるのを防ぐ観点から、湿熱処理温度とし
ては120〜150℃の範囲が好ましい。
【0041】また、湿熱処理を十分に行ない湿熱収縮率
を目標の範囲にする一方、不必要なエネルギーロスを防
ぐ観点から、湿熱処理時間は20〜40分が好ましい。
【0042】なお、本発明のゴムホース補強用コード
は、上記の方法で製造されたポリフェニレンサルファイ
ド繊維を撚糸した生コードを、上記湿熱処理に先立って
乾熱熱処理し、次いでオートクレーブなどにより湿熱処
理することによっても得ることができる。このように湿
熱処理を行なう前に乾熱処理を行なうことにより、得ら
れるコードのモジュラスを一層高くすることが可能であ
り好ましい。
【0043】また、本発明のホース補強用コードは接着
剤を付与したものでも良い。
【0044】本発明のゴムホース用補強コードは、その
すべてをポリフェニレンサルファイド繊維糸条から構成
することができるが、ポリフェニレンサルファイド繊維
がコードを構成する繊維総繊度の20%以上、特に30
%以上を占めればよく、この場合にはコードを構成する
他の繊維成分をポリアミド繊維糸条、ポリエステル繊維
糸条、ポリビニルアルコール繊維糸条およびレーヨン繊
維糸条などの合成繊維糸条とすることができる。
【0045】上記繊維糸条物性を有するポリフェニレン
サルファイド繊維糸条および本発明のゴムホース用補強
コードは、例えば以下に述べる方法によって製造され
る。
【0046】まず、市販のポリフェニレンサルファイド
樹脂を、ペレット状で−760mmHg以下の真空条件
下、100〜200℃の温度で、2時間以上、通常は4
〜48時間乾燥する。
【0047】次に、ポリフェニレンサルファイド樹脂
を、好ましくはエクストルダー型紡糸機で溶解し、5.
0μ以下の微細孔を有する金属焼結不織布フィルターを
通過させた後、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2
〜0.3mmの細孔を有する紡糸口金より紡糸し、紡出
糸条となす。
【0048】次いで、紡出糸条は、口金直下5〜30c
m間の雰囲気を200〜350℃とした保温筒または加
熱筒で囲まれた高温雰囲気中を通過した後、100℃以
下の温風で冷却される。
【0049】口金直下に設けられた高温雰囲気は、ポリ
マーのメルトフローレート(MFR)および糸条の繊維
と紡糸速度などをあわせて適切な条件を選択する。
【0050】続いて、紡出糸条は、100℃以下、好ま
しくは20〜80℃の温風ないし冷風で均一冷却固化さ
れ、油剤(処理剤)が付着された後、300〜1000
m/minの回転する引取ローラで引き取られる。
【0051】上記未延伸糸は、通常巻き取られることな
く連続して熱延伸工程に送られ、通常は2段以上の多段
延伸が付与される。延伸倍率は、紡糸条件に応じて、
3.0〜5.5倍、好ましくは3.5〜5.0倍であ
る。2段延伸を用いる場合の一段目の延伸は総合倍率の
70%以上、通常は75〜85%とし、残りを2段目延
伸で行なう。
【0052】延伸温度は、通常最高温度を120〜18
0℃とする。
【0053】なお、ここでの延伸熱処理は、一般に加熱
ローラ上で行われるが、延伸ローラ間に熱媒体、例えば
赤外線ヒーターなどを設けて、非接触延伸熱処理を行っ
てもよい。
【0054】延伸を終えたポリフェニレンサルファイド
繊維糸条は、通常リラックスロールとの間で弛緩熱処理
を施された後に巻き取られる。熱処理後のリラックス率
は0〜10%さらには2〜6%の範囲が好ましい。
【0055】次に、得られたポリフェニレンサルファイ
ド繊維糸条を、必要に応じてワインダーの前でエアーノ
ズルに通して交絡を付与する。
【0056】次に、得られたポリフェニレンサルファイ
ド繊維糸条を必要に応じて所定の下撚りをかけた後、複
数本引き揃え、撚数4t/10cm程度となるよう撚糸
することにより、生コードを得る。
【0057】さらに、この生コードをオートクレーブに
入れ、例えば120〜150℃で30分間の湿熱処理を
施すことにより、本発明のゴムホース補強用コードを得
ることができる。
【0058】また、上記の湿熱処理を施す前に乾熱処理
を行なう場合には、220〜250℃で行なうのが好ま
しい。
【0059】なお、接着処理剤で処理する場合は、例え
ば、以下の方法で行なわれる。
【0060】上記生コードに対し、2浴接着剤処方を用
いて、接着剤組成物を付与する。
【0061】まず、1浴目で第一処理液(固形分濃度1
0重量%程度)を3.5重量%程度付与し、引き続いて
70〜150℃で乾燥した後、200〜245℃で熱処
理を施す。次いで、2浴目で第二処理液(固形分濃度1
2重量%程度)を1.5重量%程度付与し、引き続いて
220〜255℃で熱処理することによりディップコー
ドが得られる。
【0062】ここで使用する第一処理液の処方として
は、例えば、3元共重合体ゴムラテックスの固形分10
0重量部程度に対し、レゾルシン・ホルマリン初期縮合
物を5重量部程度混合してレゾルシン・ホルマリン初期
縮合物/ゴムラテックス混合物(RFL)とし、次にR
FL100重量部程度に対して、ポリエポキシド化合物
を15重量部程度およびエチレン尿素化合物30重量部
程度を混合して調製したものを好ましく挙げることがで
きる。
【0063】第二処理液の処方としては、例えば、3元
共重合体ゴムラテックスの固形物100重量部程度に対
し、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物を15重量部程
度混合してRFLとし、次にRFL100重量部程度に
対して、エチレン尿素化合物を15重量部程度混合して
得たものを好ましく挙げることができる。
【0064】ここで、レゾルシン・ホルマリン初期縮合
物は、アルカリ触媒下に、例えばレゾルシン1モル程度
に対し、ホルマリン1.35モル程度を反応したもので
ある。3元共重合体ゴムとしては、共重合組成を3−ブ
タジエン(共役ジエン系単重体):40〜60重量%、
2−ビニルピリジン(ビニルピリジン系単重体):10
〜20重量%、スチレン(スチレン系単重体):30〜
40重量%としたものが好ましく使用される。
【0065】次に、このディップコードをオートクレー
ブに入れ、例えば150℃で30分間の湿熱処理を施す
ことにより、本発明のゴムホース補強用コードを効率よ
く得ることができ好ましい。
【0066】本発明のゴムホース補強用コードを用いて
補強されるゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン
−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(I
R)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム
(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン
・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム(以下、EPD
M)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム
(HNBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(C
SM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(CH
C)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)あるいはこれ
ら各種のゴムの混合物などが挙げられ、いかなるゴム種
であっても良いが、なかでも自動車用ゴムホースには、
主としてEPDMが使用される。
【0067】ここで、自動車用ゴムホースは、EPDM
をウオーミングマシンで加熱軟化させて内面層を形成
し、チュービングマシンで内面層となるゴム層を成形し
たものである。
【0068】そして、上記処理コード(本発明のゴムホ
ース補強用コード)を縦型に網上げることにより網上げ
チューブとなし、カバーリングマシンで上記網上げチュ
ーブにEPDMをゴムラッピングし、このホースを加硫
機に通すことにより、すぐれた性能を有する自動車用ゴ
ムホースを得ることができる。
【0069】本発明のゴムホース補強用コードにより補
強されたゴムホースは、水系ホース、なかでも自動車の
ラジエーター用ホースまたはパワーステアリングホース
に適用した場合に理想的な性能を発揮する。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の構成および
効果をより具体的に説明する。
【0071】なお、以下の実施例における各測定値は下
記の方法により求めたものである。 [ポリマー特性MFR]島津製作所製メルトフローテス
ターを用い、ASTM−D−1238−70の規格によ
り測定した。
【0072】[処理剤の付着量]フィラメント100g
をトリクロルエチレンに浸漬し、処理剤を分離抽出し、
重量法にて算出した。
【0073】[原糸繊度]JIS L 1013(19
92)の7.3により測定した。
【0074】[原糸強度、伸度]JIS L 1013
(1992)の7.5により測定した。
【0075】[原糸の初期引張抵抗度]JIS L 1
013(1992)の7.10により測定した。
【0076】[原糸の乾熱収縮率]繊維を乾熱オープン
中で180℃、30分間自由収縮させた後、JIS L
1013の規格により測定した。
【0077】[コード強度]試料を20℃、65%RT
の温調室に24時間以上放置した後、(株)オリエンテ
ック社製のテンシロン引っ張り試験機を用いて、試料長
25cm、引き取り速度30cm/分でS−S曲線を求
め、1デニールあたりの強力を求めた。
【0078】[150℃湿熱収縮率]オートクレーブ中
で、繊維を150℃の水蒸気の雰囲気で30分間処理し
た後、JIS L 1017(1995)により測定し
た。
【0079】[耐熱性]150℃に加熱したオーブン中
に、処理コードを入れて750時間熱処理し、取り出し
た後に上記の方法によりコード強度を測定し、次式より
耐熱強度保持率を求めた。 強度保持率(%)=(熱処理後コード強度/熱処理前コ
ード強度)×100 [処理コード耐グリコール(LLC)性]150℃に加
熱した市販の自動車ラジエター用LLC(ロングライフ
クーラント液)の浴中に処理コードを250時間浸漬処
理し、処理前後の強度を測定し、次の式により強度保持
率を求め、耐久性の尺度とした。
【0080】強度保持率(%)=(浸漬後強度/浸漬前
強度)×100 [ホース特性]ゴムホースの形状品位を目視観察し、○
…良好、×…不良と判別した。
【0081】(実施例1)溶融粘度指数(MFR値)が
54g/10minであるポリフェニレンサルファイド
樹脂のオペレットを、−760mmHg(ゲージ圧、以
下同様)の真空式加熱機内で温度150℃、16hR以
上放置した。放冷後、紡糸機のエクストルーダ中へ供給
し、−760mmHgの真空下、温度335℃で溶融
し、5μm以下の微細孔を有する金属不織布フィルター
で濾過した後、口金孔径0.50mm、孔数50ホール
の紡糸口金から口金直下100mmの雰囲気を300℃
に保った徐冷ゾーン中に吐出した。
【0082】さらに、冷却ゾーンを通過した糸条に、酸
化防止剤を2.5重量%含む非水系処理剤を1.4重量
%付与した後、700m/minで引取り、次いで、連
続的に延伸および熱処理を加熱ローラ上で行ない、総合
延伸率4.6倍に3段階で延伸した。
【0083】次いで、リラックス率3%で引続き熱処理
して巻き取り、ポリフェニレンサルファイドフィラメン
ト繊維糸条を得た。
【0084】このようにして得られたポリフェニレンサ
ルファイドフィラメント繊維糸条を4本引き揃え、撚糸
機で撚数4T/10cmとなるように撚糸し、未処理コ
ードを得た。
【0085】次に、この未処理コードをかせに巻いた
後、かせより外し、オートクレーブの中に入れ、145
℃の蒸気で30分間湿熱処理を行なった後、常温で乾燥
することにより、処理コードを得た。
【0086】一方、内面層を形成するEPDMをウォー
ミングマシンで加温軟化させ、チュービングマシンで内
面層となるゴム層をチューブ状に成形した。
【0087】上記処理コードを、縦型編み上げ機で内面
層ゴムチューブを被覆するよう編み上げてチューブとな
し、カバーリングマシンで前記編み上げチューブにEP
DMをゴムラッピングし、次いでゴムホースを加硫機に
通すことにより、自動車用ゴムホースを作製した。
【0088】上記原糸の各特性、上記処理コードの強
度、湿熱収縮率、耐熱性、耐LLC性およびホース特性
を評価し、結果を表1に記載した。
【0089】表1の結果から明らかなように、本発明の
処理コードは、後述する湿熱処理を省略したコード(比
較例1)に比較して、湿熱収縮率が小さく、形状品位の
すぐれたゴムホースを与えものであった。また、本発明
の処理コードは、後述する従来のポリアミド繊維からな
る処理コード(比較例2)に比較して、湿熱収縮率、耐
熱性、耐グリコール性が格段にすぐれるものであった。
【0090】
【表1】 (実施例2〜3)実施例1において、真空条件および処
理剤付与条件などを表1に示したように変更した以外
は、実施例1と同様の操作を行ない、得られた原糸、処
理コードおよびホースの評価結果を表1に併記した。
【0091】(実施例4)実施例2において、得られた
ポリフェニレンサルファイドフィラメント繊維糸条から
なる未処理コードを、130℃で100秒間、250℃
で60秒間、リラックス率5%の条件で乾熱処理するこ
とにより、ヒートセットコードを得た。
【0092】次に、このヒートセットコードをかせに巻
いた後、かせより外し、オートクレーブの中に入れ、1
45℃の蒸気で30分間湿熱処理を行なった後、常温で
乾燥することにより処理コードを得た。
【0093】このようにして得られた処理コードについ
て、実施例1と同様の操作を行ない、得られた原糸、処
理コードおよびホースの評価結果を表1に併記した。
【0094】(比較例1)実施例2において、得られた
ポリフェニレンサルファイドフィラメント繊維糸条から
なる未処理コードを、130℃で100秒間、250℃
で60秒間、リラックス率5%の条件で乾熱処理し、湿
熱処理を省略したヒートセットコードを得た。
【0095】このようにして得られた処理コードについ
て、実施例1と同様の操作を行ない、得られた原糸、処
理コードおよびホースの評価結果を表1に併記した。
【0096】(比較例2)98%硫酸相対粘度3.00
のナイロン66を溶融紡糸し、延伸して得られた原糸強
度9.4g/d、1260デニールのナイロン66繊維
糸条を4回/10cmの撚数で撚糸して生コードを得
た。
【0097】この生コードについて、実施例1と同様の
操作を行ない、得られた処理コードおよびホースの評価
結果を表1に併記した。
【0098】
【発明の効果】本発明のゴムホース補強用コードは、高
強度で耐熱性およびエチレングリコール系溶媒や鉱物油
などの薬品に対する耐久性がすぐれ、しかも高品位のホ
ースを製造することができ、本発明のゴムホース補強用
コードにより補強されたゴムホースは、水系ホース、な
かでも自動車のラジエーター用ホースまたはパワーステ
アリングホースに適用した場合に理想的な性能を発揮す
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の
    複数本が引き揃え撚糸されてなるコードであって、強度
    が4.0g/d以上、150℃における湿熱収縮率が2
    %以下であることを特徴とするゴムホース補強用コー
    ド。
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の
    強度が4.5g/d以上、初期引張抵抗度が60g/d
    以上、180℃乾熱収縮率が8%以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のゴムホース補強用コード。
  3. 【請求項3】 ポリフェニレンサルファイド繊維糸条が
    コードを構成する繊維糸条総繊度の20%以上を占める
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のゴムホース
    用補強コード。
  4. 【請求項4】 ポリフェニレンサルファイド繊維糸条
    が、酸化防止剤成分を0.5〜5.0重量%含有する処
    理剤を0.3〜2.0重量%付着されてなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴムホース用補
    強コード。
  5. 【請求項5】 ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の
    複数本を引き揃え撚糸した後、湿熱処理することを特徴
    とするゴムホース補強用コードの製造方法。
  6. 【請求項6】 湿熱処理が120〜150℃でなされる
    ことを特徴とする請求項5に記載のホース補強用コード
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 湿熱処理に先立って乾熱処理することを
    特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載のゴムホ
    ース補強用コードの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリフェニレンサルファイド繊維糸
    条の複数本を引き揃え撚糸し湿熱処理した後、レゾルシ
    ン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとを主体と
    する接着処理剤で処理することを特徴とする請求項5〜
    7のいずれか1項に記載のゴムホース用補強コードの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 自動車のラジエーター用ホースまたはパ
    ワーステアリング用ホースの補強に用いられることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴムホー
    ス用補強コード。
JP10081935A 1998-03-27 1998-03-27 ゴムホース補強用コードおよびその製造方法 Pending JPH11279885A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014118664A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Toray Ind Inc ポリフェニレンサルファイド繊維
JP2019138312A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 横浜ゴム株式会社 高圧ホースの製造方法

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