JPH11290445A - α▲2▼プラスミンインヒビター含有組織接着剤 - Google Patents

α▲2▼プラスミンインヒビター含有組織接着剤

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JPH11290445A
JPH11290445A JP10114217A JP11421798A JPH11290445A JP H11290445 A JPH11290445 A JP H11290445A JP 10114217 A JP10114217 A JP 10114217A JP 11421798 A JP11421798 A JP 11421798A JP H11290445 A JPH11290445 A JP H11290445A
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JP
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tissue adhesive
tissue
inhibitor
fibrin
adhesive
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JP10114217A
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Hiroshi Kaetsu
洋 嘉悦
Kouichiro Kamimura
晃一朗 上村
Takayoshi Hamamoto
高義 濱本
Toshihiro Nakagaki
智弘 中垣
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンパク質成分からなる組織接着剤におい
て、生体内での早期の分解が抑制されたより安全性の高
い製剤を提供する。 【構成】 タンパク質分解酵素阻害剤としてヒトα2
ラスミンインヒビターを含有させることを特徴とするタ
ンパク質成分からなる組織接着剤、特にフィブリン接着
剤。当該製剤は、生体内での早期の分解が抑制され、か
つより安全性の高いという特長を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組織接着剤の構成成分
であるタンパク質分解酵素阻害剤に関する。さらに詳細
には、タンパク質分解酵素の阻害剤としてα2プラスミ
ンインヒビター(以下、α2PIと称する)を含有する組
織接着剤に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする問題点】臨床医
療用の組織接着剤には、合成高分子型のシアノアクリレ
ート系接着剤及びポリウレタンポリマー、並びにタンパ
ク質成分から成る天然型接着剤のフィブリン接着剤及び
ゼラチン系糊などが知られている(Biomedical Perspec
tives, Vol.6, No.1, pp9-72, 1997年「特集・生体接着
剤」参照)。ここで、合成高分子型組織接着剤は生体毒
性や異物反応などの欠点が指摘されているため、従来よ
り、生体組織の接着にはタンパク質成分から成る天然型
組織接着剤が広く使用されてきた。その代表例として
は、フィブリン接着剤が挙げられる。繊維素原(フィブ
リノゲン)は、いわゆる凝固カスケードの最終段階に存
在する非常に重要な凝固因子である。フィブリノゲン
は、例えば損傷後の凝固系の活性化において、トロンビ
ンによりその可溶性形態から止血及び創傷治癒に重要な
寄与をする不溶性のフィブリンに変換される。このフィ
ブリンの膠着作用を利用したフィブリン接着剤は、生体
内でゲル化して接着作用を発揮した後、線溶系酵素等の
タンパク質分解酵素の作用により分解されるが、生体組
織の修復が進むまでは分解されずに接着強度を保つこと
が求められる。そこで、これらの組織接着剤には、タン
パク質分解酵素の阻害剤が含有される。タンパク質分解
酵素の阻害剤としては、フィブリノゲン及び血液凝固第
XIII因子を含有する組織接着剤においてはアプロチニン
が知られている(特開昭55-110556及び特開昭55-110557
号)。しかしながら、アプロチニン製剤自体は長年静脈
投与で使用されるなど臨床上での安全性が確認されては
いるものの、アプロチニンはウシ肺から調製された異種
ペプチドであるため、アレルギー反応等の異種成分に由
来する弊害の危惧を完全には否定できない。このような
状況下、本発明の課題は、異種成分を含有せず生体内で
の安定性を確保できる組織接着剤を明らかにすることで
ある。すなわち、本発明の目的は、異種成分を含有せ
ず、ヒト由来のタンパク質分解酵素阻害剤を用いること
により、生体内での早期の分解が抑制されたより安全性
の高い組織接着剤を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者らは
上述の諸問題に鑑み鋭意検討した結果、組織接着剤に関
する本発明を完成した。以下、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明は、ヒト由来のタンパク質分解酵素阻害
剤としてα2プラスミンインヒビター(α2PI)を含有す
る組織接着剤に関するものである。α2PIは肝臓で合成
される分子量58,000の血中糖タンパク質であり、ヒト血
漿中での濃度は70μg/mlである(α2PIの1血漿単位/ml
は70μg/mlに相当)。α2PIはセリンプロテアーゼの阻
害剤であり、その主要な阻害対象はプラスミンである。
α2PIは、以下の3つの機能により、プラスミンを介し
た線溶に対する主要な阻害剤として働く。 プラスミノゲン(プラスミン)のフィブリンへの結合
阻害。 プラスミン活性の阻害。 フィブリンへの架橋による取り込み。 線溶の過程は、フィブリン上でのプラスミノゲンの活性
化によって引き起こされるが、その反応はフィブリンに
結合したプラスミノゲンとプラスミノゲンアクチベータ
の量に依存する。従って、α2PIにより、フィブリンへ
のプラスミノゲンの結合が阻害されると、線溶反応の開
始が妨げられる。α2PIは非共有結合によりプラスミン
と可逆的な複合体を速やかに形成するが、その後プラス
ミン活性中心のセリン残基とα2PIの反応部位との間に
共有結合が形成され、プラスミンのタンパク質分解活性
が消失する。また、血液が凝固する際、血漿中のα2PI
の一部は、活性化された血液凝固第XIII因子の作用によ
り速やかにフィブリンのα鎖に架橋され、クロット内に
取り込まれたα2PIがクロットの線溶耐性に寄与するこ
とも知られている(Molecular Basis of Thrombosis an
d Hemostasis, High, K.A., Roberts, H.R.編集, New Y
ork, Marcel Dekker, Inc., 1995年, pp.545-559, Nobu
o Aoki著「α2-Plasmin Inhibitor」参照)。
【0004】本発明の対象物は、「タンパク質成分から
成る組織接着剤」、特に「フィブリノゲン及び血液凝固
第XIII因子を有効成分とする主剤と、トロンビン及び塩
化カルシウムで形成される補助剤から成る組織接着剤」
である。ここで用いられる「フィブリノゲン及び血液凝
固第XIII因子を有効成分とする主剤と、トロンビン及び
塩化カルシウムで形成される補助剤から成る組織接着
剤」は、一般にフィブリン接着剤またはフィブリン糊と
呼ばれるものである。上記の組織接着剤は、高純度精製
品である必要はなく、粗製品であってもよい。
【0005】上述のような「フィブリノゲン及び血液凝
固第XIII因子を有効成分とする主剤と、トロンビン及び
塩化カルシウムで形成される補助剤から成る組織接着
剤」に、タンパク質分解酵素阻害剤としてα2PIを添加
する場合、その添加方法としては、「フィブリノゲン及
び血液凝固第XIII因子を有効成分とする主剤への添
加」、「トロンビン及び塩化カルシウムで形成される補
助剤への添加」、または「凍結乾燥粉末の状態で存在す
る組織接着剤の構成成分に対する溶解液への添加」など
が例示される。
【0006】α2PIの添加量は、接着剤として作用する
最終組成において、終濃度0.1〜10血漿単位/ml程度が例
示されるが、終濃度1〜5血漿単位/mlの濃度がさらに
好ましい態様である。
【0007】なお、本発明の組織接着剤は、自体公知の
手法により製剤化される。以下に実施例を挙げて本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定
されるものではない。
【0008】
【実施例】《実施例1:フィブリンゲル残存率に対する
各種タンパク質分解酵素阻害剤添加効果》80mg/mlフィ
ブリノゲン溶液と、40mM塩化カルシウムを含有する2.5
NIH units/mlトロンビン溶液を等量混合し、アクリル容
器に流し込み、室温で1時間静置して1×2×0.2cmのフ
ィブリンゲルを形成する。フィブリノゲン溶液及びトロ
ンビン溶液は、市販のフィブリン接着剤「ボルヒール
(登録商標)」((財)化学及血清療法研究所製)を用いて
調製される。また、ここで用いているトロンビン活性の
単位は,アメリカ標準品(U.S. Standard Thrombin,旧N
IH標準品)の単位に合わせたNIH単位で表している。フ
ィブリンゲルの調製に際し、フィブリノゲン溶液に各種
タンパク質分解酵素阻害剤をあらかじめ添加しておく
が、その種類と濃度は以下の通りである。対照群(無
添加),アプロチニン群(1,000KIE/ml),α2PI群
(3血漿単位/ml),α1アンチトリプシン群(5mg/m
l),ε-アミノカプロン酸群(0.1M)。アプロチニ
ンは「ボルヒール(登録商標)」キット内の溶液が用いら
れ、ε-アミノカプロン酸は和光純薬工業製の試薬から
調製される。α2PIは、ヒト新鮮凍結血漿を原料とし、C
ohnのアルコール分画 FractionI上清画分を Lysine-Se
pharose(ファルマシア・バイオテク製)カラムに通し
プラスミノーゲンを除去した後、Kringle(プラスミノ
ーゲンのエラスターゼ処理断片)-Sepharose(自家調
製)及びButyl-トヨパール(東ソー製)クロマトグラフ
ィーにより精製される。α1アンチトリプシンは、ヒト
新鮮凍結血漿を原料とし、Cohnのアルコール分画Fracti
on IV-1 沈殿画分から、PEG分画、DEAE-Sepharose FF
(ファルマシア・バイオテク製)及びSP-トヨパール
(東ソー製)クロマトグラフィーを経て精製される。フ
ィブリンゲルの重量を測定した後、各群8頭のWistarラ
ット(エスエルシー)の背部皮下及び腹腔内にフィブリ
ンゲルを埋め込み、3日後にゲルを取り出し、残存する
フィブリン量を、40%尿素及び0.2N水酸化ナトリウム
液に可溶化し282nmでの吸光度を測定することで定量す
る。あらかじめゲル重量と総A282値(フィブリンゲルを
可溶化した後の282nmでの吸光度に容量を乗じた値)の
対応の係数を求めておき、挿入前のゲル重量から挿入時
の総A282値を推定し、総A282値をベースにした残存率を
算出する。α2PIのフィブリノゲン溶液中での終濃度
は、予備検討の結果、1,000KIE/ml濃度のアプロチニン
と比較して、0.2血漿単位/mlでは効果がやや弱く、5血
漿単位/mlでの効果はやや強かったことから、以下のデ
ータ処理により3血漿単位/mlの濃度が選択された。0.2
及び5血漿単位/mlのα2PIの効果(ゲル残存率)から得
られる回帰式をもとに、1,000KIE/ml濃度のアプロチニ
ンの残存率と同等の値が得られると推定されたα2PIの
濃度を求めた結果、表1(アプロチニン1,000KIE/mlと
同等な効果を示すα2PI濃度の推定)に示すように、皮
下と腹腔内についてそれぞれ、2.7及び3.1血漿単位/ml
であった。
【0009】
【表1】
【0010】また、表2に各種タンパク質分解酵素阻害
剤の存在下でのフィブリンゲルの残存率を示した。表2
に示すように、対照群に比し、アプロチニン群及びα2P
I群では有意な残存率の上昇が認められたが、α1アンチ
トリプシン及びε-アミノカプロン酸の添加は残存率に
影響しなかった。
【0011】
【表2】
【0012】《実施例2:タンパク質分解酵素阻害剤添
加によるフィブリンゲル残存率の経時変化》実施例1と
同様の条件で試験を実施したが、ゲルのラット背部皮下
及び腹腔内からの取り出し時期を2,4,7日後とし、
フィブリノゲン溶液に添加するタンパク質分解酵素阻害
剤としてα2PI(3血漿単位/ml)及びアプロチニン(1,
000KIE/ml)を選択して、非添加の対照群を含めた3者
の経時的比較を行った。その結果、図1(経時的なフィ
ブリンゲル残存率の比較:皮下)及び図2(経時的なフ
ィブリンゲル残存率の比較:腹腔内)に示すように、α
2PI群とアプロチニン群の経時的変化は同様であり、対
照群に比し高い残存率が得られた。
【0013】《実施例3:α2PI含有フィブリン接着剤
の調製》クエン酸塩血漿から得られた寒冷沈殿物を可溶
化し、1.5Mグリシン溶液を用いて沈殿させたフィブリ
ノゲン沈殿を、0.15M塩化ナトリウムを含むpH8.0の25m
Mクエン酸緩衝液に37℃で溶解させた。このフィブリノ
ゲン溶液を−2℃に冷却した後、8%(v/v)エタノー
ルを添加し沈殿を回収した。得られた沈殿を0.075M塩
化ナトリウムを含むpH7.0の10mMクエン酸緩衝液に37℃
で溶解させた。フィブリノゲン濃度を約2%(w/v)に
調製した後、フィブリノゲン溶液1mlあたり1血漿単位
のα2PIが添加された。この溶液を無菌濾過し、凍結乾
燥及びそれに続く乾燥加熱処理を行い組織接着剤の製剤
を得た。この組織接着剤は、用時凍結乾燥前の1/4量の
溶解液で溶解される。この際、組織接着剤溶液中のα2P
I濃度は3〜4血漿単位/ml,トロンビン及び塩化カルシ
ウムで形成される補助剤との等量混合後の最終組成にお
ける濃度は1.5〜2血漿単位/mlとなる。
【0014】
【発明の効果】本発明により、タンパク質成分から成る
組織接着剤、特にフィブリン接着剤において、タンパク
質分解酵素の阻害剤としてヒトα2PIを含有する製剤が
得られる。当該α2PI含有組織接着剤は、従来のウシ由
来アプロチニン含有組織接着剤のように異種成分を含有
しないため、生体内での早期の分解が抑制され、かつ安
全性が高いという特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラット背部皮下における経時的なフィブリン
ゲル残存率を示す図である。
【図2】 ラット腹腔内における経時的なフィブリンゲ
ル残存率を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質成分から成る組織接着剤にお
    いて、タンパク質分解酵素の阻害剤としてα2プラスミ
    ンインヒビター(以下、α2PIと称する)を含有する組
    織接着剤。
  2. 【請求項2】 フィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子
    を有効成分とする主剤と、トロンビン及び塩化カルシウ
    ムで形成される補助剤から成り、タンパク質分解酵素の
    阻害剤としてα2PIを含有する組織接着剤。
  3. 【請求項3】 α2PI及びその他のタンパク質成分が、
    全てヒト由来である請求項2に記載の組織接着剤。
  4. 【請求項4】 α2PIが、フィブリノゲン及び血液凝固
    第XIII因子を有効成分とする主剤に含有される、請求項
    2または請求項3に記載の組織接着剤。
  5. 【請求項5】 α2PIが、トロンビン及び塩化カルシウ
    ムで形成される補助剤に含有される、請求項2または請
    求項3に記載の組織接着剤。
  6. 【請求項6】 組織接着剤の構成成分が凍結乾燥粉末の
    状態で存在し、その溶解液内にα2PIが存在すること
    で、最終調製物にα2PIを含有する、請求項1から請求
    項3のいずれかに記載の組織接着剤。
  7. 【請求項7】 α2PIが、接着剤として作用する最終組
    成において、終濃度0.1〜10血漿単位/mlの濃度で含有さ
    れる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の組織接
    着剤。
  8. 【請求項8】 α2PIが、接着剤として作用する最終組
    成において、終濃度1〜5血漿単位/mlの濃度で含有さ
    れる、請求項7に記載の組織接着剤。
JP10114217A 1998-04-08 1998-04-08 α▲2▼プラスミンインヒビター含有組織接着剤 Withdrawn JPH11290445A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008066182A1 (fr) * 2006-11-30 2008-06-05 Bmg Incorporated Adhésif autodégradable à usage médical d'un système réactif à deux composants comprenant le mélange poudre-liquide ou bien poudre-poudre

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