JPH11293035A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JPH11293035A
JPH11293035A JP10097734A JP9773498A JPH11293035A JP H11293035 A JPH11293035 A JP H11293035A JP 10097734 A JP10097734 A JP 10097734A JP 9773498 A JP9773498 A JP 9773498A JP H11293035 A JPH11293035 A JP H11293035A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オゾン性、耐酸化性を低下させることな
く、アミン系老化防止剤の移行によるタイヤ表面の茶変
色等の外観変化を防止するタイヤ用ゴム組成物を提供す
る。 【解決手段】 天然ゴム及びジエン系ゴムよりなる群の
中から選ばれる少なくとも1種のゴムにアミン系老化防
止剤を混合したゴム組成物において、前記ゴム100重
量部に対し、多孔性カーボンブラックを0.5〜10重
量部配合したことを特徴とする。前記多孔性カーボンブ
ラックとして、DBP給油量が300cm 3 /100g
以上であるカーボンブラック、又はケッチェンブラック
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ表面の茶変
色の原因である老化防止剤やワックスの表面移行を防止
して、外観上の美観を保つタイヤ用ゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用タイヤには、原料ゴムとして、
天然ゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴムが用いられ
ている。原料ゴムのオゾンや酸素による老化、また経日
や走行に伴う硬化による亀裂を防止する目的で、原料ゴ
ムにアミン系の老化防止剤、パラフィン系のワックス等
を配合したゴム組成物が用いられている。
【0003】しかし、これらの老化防止剤やワックスは
短期間でブルーム現象を起こしやすく、経日とともにタ
イヤ表面に移行してタイヤ表面を茶変色させる。茶変色
したタイヤは外観が著しく悪く、その商品価値は低くな
る。この問題を解決するため、従来はシリコン系塗布剤
(特開昭60−38205号公報、これを従来例1とす
る)やポリエチレングリコールのアルコール溶液(特開
昭63−41203号公報、これを従来例2とする)を
タイヤ表面に塗布したり、ゴム成分中に界面活性剤を配
合する(特開平5−194790号公報、これを従来例
3とする)等して外観不良を防止しようとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塗布剤の使用には以下
の問題点がある。一般に塗布剤は、タイヤ表面が磨耗す
るため効果の持続性に劣る。またタイヤが磨耗すると塗
布剤が飛散するため、環境に悪影響を与え、好ましくな
い。加えてタイヤ製造過程において塗装工程を設ける必
要もあり煩雑である。
【0005】上記従来例1は、シリコン系塗布材を塗布
することでビード部が滑り易くなり、タイヤのリム外れ
が生じ易く車の安全性が低下するという問題がある。上
記従来例2のポリエチレングリコール系の塗布剤は、耐
リム外れ性能を保持しつつタイヤ表面の茶変色を防ぐこ
とができるが、OH基による極性のために非極性のタイ
ヤ表面と反発しあうため、表面に均一塗布させることが
困難である。
【0006】また上記従来例3にも効果はあるが、老化
防止剤やワックスによるタイヤの茶変色を防止するには
不十分である。他方、老化防止剤の配合量を低下させる
ことによりブルーム現象を抑制することも考えられる
が、老化防止剤含有量の減少は耐候性の低下につながり
好ましくない。本発明はこのような技術的背景に鑑みて
なされたのであり、その目的とするところは、耐オゾン
性、耐酸化性等のゴム物性を低下させることなく、当該
特性を維持するための添加剤によるブルーム現象をはじ
めとするタイヤの外観変化を防止し、更にこの変色防止
効果を長時間維持するタイヤ用ゴム組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、以下の手段を講じた。すなわち天然ゴム及びジエン
系合成ゴムよりなる群の中から選ばれる少なくとも1種
のゴムにアミン系老化防止剤を混合したゴム組成物にお
いて、前記ゴム100重量部に対し、多孔性カーボンブ
ラックを0.5〜10重量部配合した。
【0008】上記ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブ
タジエン共重合体ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム等が挙げられ、これらのジエン系ゴムは単独
または混合してもよく、また天然ゴムと併用してもよ
い。アミン系老化防止剤としては、例えばN−フェニル
−N’−(1、3ジメチルブチル)−p−フェニレンジ
アミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェ
ニレンジアミン等が用いられる。アミン系老化防止剤の
配合量としては、一般にゴム成分100重量部に対して
1〜5重量部であることが好ましい。
【0009】本発明ではアミン系老化防止剤の表面移行
によるタイヤ茶変色を防止するために、アミン系老化防
止剤を吸着できる物質(以下、吸着物質)について検討
した。吸着テストではサンプルとして備長炭(荒く砕い
たものと細かく砕いたものの二種)、カーボンN330
(タイヤゴムに一般に使用されているカーボンブラック
の一種)、シリカVN3、多孔性カーボンブラックを用
いた。その結果、多孔性カーボンブラックの吸着量が極
めて大きいことがわかったので、当該物質を吸着物質と
して使用することとした。
【0010】また前記多孔性カーボンブラックは、その
DBP給油量が300cm3 /100g以上であるもの
を採用した。前記多孔性の基準を明確にするために、カ
ーボンブラックの多孔性に相関するファクターであるD
BP給油量について規定した。通常タイヤゴムに使用さ
れるカーボンブラックのDBP給油量は、おおよそ10
0cm3 /100g程度である。例えば先述のカーボン
N330のDBP給油量は101cm3 /100g、カ
ーボンN220のDBP給油量は115cm3/100
gである。これらのカーボンブラックのアミン系老化防
止剤の吸着能力が低いことは、従来のタイヤの表面が茶
変色することから明らかである。従って通常のカーボン
ブラックのDBP給油量は、多孔性の指標とはならな
い。
【0011】また前記多孔性カーボンブラックにケッチ
ェンブラックを採用した。該ケッチェンブラックは多孔
性のカーボンブラックとして知られており、そのDBP
給油量も300cm3 /100g以上である。本発明に
使用したのは、例えばDBP給油量が495cm3 /1
00gのケッチェンブラックEC600JDである。こ
の他にも、例えばDBP給油量が360cm3 /100
gのケッチェンブラックEC等が例示できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。まずはじめに、本発明の目的のアミ
ン系老化防止剤の表面移行の防止を図るために、吸着物
質について検討した。吸着テストで使用したサンプル
は、前述の通り備長炭(荒く砕いたものと細かく砕いた
ものの二種)、カーボンN330、シリカVN3、ケッ
チェンブラックEC600JDである。
【0013】吸着テストの方法を以下に説明する。老化
防止剤N−(1、3−ジブチル)−N’−フェニル−p
−フェニレンジアミン(以下6cと略記する)1gを1
00mlのメタノールに溶解させたメタノール溶液を作
成した。ロートに脱脂綿をつめて各サンプル10gを乗
せ、十分にメタノールで洗浄した後に前記メタノール溶
液5mlを満遍なくサンプルに流し込んだ。この上から
更にメタノール10mlを流し、出てきた溶液を100
倍に希釈したものを試料溶液とした。
【0014】次に前記試料溶液の290nmにおける吸
光度をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。この
測定値が低いほど、サンプルが前記6cを多く吸着した
ことを意味する。ケッチェンブラックEC600JDに
通した試料溶液の吸光度は他のサンプルのそれと比較し
て著しく低く、これよりケッチェンブラックの吸着能力
が極めて優れていることがわかった。
【0015】タイヤゴムに通常使用されているカーボン
N330は備長炭やシリカよりは吸着能力を持つことが
わかるが、ケッチェンブラックより明らかに劣る。よっ
てケッチェンブラックを、アミン系老化防止剤を吸着す
る物質として使用することにした。
【0016】
【表1】
【0017】次にケッチェンブラックの構造について説
明する。ケッチェンブラックは、外側に薄くグラファイ
ト結晶が集まったような中空シェル構造を持つ(本発明
においては、当該構造をもって多孔性を規定し、以後当
該構造と同様または類似の構造を、多孔構造とする)。
この多孔構造が、ケッチェンブラックの吸着能力の高さ
に寄与していると考えられる。
【0018】またケッチェンブラックのDBP給油量が
大きいことも当該構造によるものであり、先述したDB
P給油量と多孔性の相関はここにおいて説明される。従
ってDBP給油量が大きいカーボンブラックは上記多孔
構造持つと考えられ、当該カーボンブラックは多孔性で
あるといえる。よってアミン系老化防止剤の吸着能力に
優れ、該防止剤のタイヤ表面への移行を効果的に防止で
きる。
【0019】従って本発明で使用する吸着物質は、ケッ
チェンブラックに限定されるものではなく、上記多孔構
造を持つDBP給油量の大きい多孔性カーボンブラック
であればよい。ここでカーボンブラックの多孔性の指標
となるDBP給油量について説明する。タイヤゴムに通
常使用するカーボンブラックのDBP給油量は、おおよ
そ100cm3 /100g程度である。例えば先述のカ
ーボンN330のDBP給油量は101cm3 /100
g、カーボンN220のDBP給油量は115cm3
100gである。これらのカーボンブラックのアミン系
老化防止剤の吸着能力が低いことは、従来のタイヤの表
面が茶変色することから明らかである。100cm3
100g程度のDBP給油量では、多孔性カーボンブラ
ックであるとはいえない。
【0020】これらと比較して、ケッチェンブラックの
DBP給油量は極めて大きい。例えばケッチェンブラッ
クECは360cm3 /100g、前記EC600JD
は495cm3 /100gである。吸着物質に使用する
多孔性カーボンブラックのDBP給油量は、前記ケッチ
ェンブラックと同程度であることが最も望ましい。しか
し、DBP給油量はそれぞれのカーボンブラックで固有
の値を持つため、程度の同一を明確に規定することは困
難である。従って本発明では、DBP給油量がおおよそ
300cm3 /100g以上であることを多孔性の指標
とした。
【0021】よって本発明における吸着物質として、ケ
ッチェンブラックのみならず上記DBP給油量が300
cm3 /100g以上の多孔性カーボンブラックでも使
用可能であるとした。次に、具体的なゴム組成物の例を
挙げて詳細に説明する。上述の過程で選択したケッチェ
ンブラックEC600JD(以下、EC600JD)を
使用して、表2に示すような配合の五種類のゴム組成物
を作成した(単位は重量部)。カーボンN550とEC
600JD以外の成分については全て同一で、配合量も
すべて同量である。使用したゴムはNRとBRである
が、これらに限定されるものではない。先述したスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、合成ポリイソプレンゴム
等のジエン系ゴムであってもよい。これらジエン系ゴム
は単独で使用してもよく.上述のように混合してもよ
い。また混合されるゴムの種類も限定されない。
【0022】使用した老化防止剤は先述の6cである
が、これに限定されることはない。また、加硫促進剤は
N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェ
ンアミド(以下、NSと略記)を使用したが、これに限
定されるものではない。比較例1は、前記ゴム成分に対
しカーボンN550を50phr配合したものである。
カーボンN550はタイヤゴムに通常使用されるカーボ
ンブラックである。本例はEC600JDを配合しな
い、通常のタイヤ用ゴム組成物の配合例である。
【0023】比較例2は比較例1の配合にEC600J
Dを0.1phr配合したものである。比較例3は前記
ゴム成分に対しカーボンN550を30phr、EC6
00JDを20phr配合したものである。実施例1は
前記ゴム成分に対しカーボンN550を48phr、E
C600JDを2phr配合したもの、実施例2は前記
ゴム成分に対しカーボンN550を45phr、EC6
00JDを5phr配合したものである。
【0024】これらの組成物を屋外で一週間放置して、
変色の程度を評価した。また、それぞれのゴム組成物の
引張応力M300、引っ張り強さTB ,伸びEB 、スプ
リング硬さHS の各ゴム物性も測定し、併せて評価し
た。これらの結果も表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】〔評価方法〕上記引張応力M300、引っ
張り強さTB ,伸びEB の測定には株式会社島津製作所
製のAUTO GRAPH AGS−500Dを用い
た。試験片はダンベル状3号形で、その厚みは約2mm
である。試験速度は500mm/min 、試験温度は24
±2℃の条件で行った。なお、引張応力は伸び300%
のときの値である。
【0027】またスプリング硬さHS については、JI
SK6301に従いJIS−A硬度を測定した。変色テ
スト結果は、それぞれの試験片を屋外で一週間放置した
後の目視結果である。試験片が茶変色すれば×、茶変色
が起こらなければ◎、ほとんど茶変色が起こらなければ
〇、と評価した。 〔評価結果〕実施例1、2の変色テストの結果より、ケ
ッチェンブラック、すなわち多孔性カーボンブラックを
ゴム成分に配合すれば、ゴム組成物の茶変色を防止でき
ることが確認された。
【0028】ここにおいて、前記多孔性カーボンブラッ
クの配合量は、タイヤゴムとしての物性に悪影響を及ぼ
さない範囲内でなければならない。つまり、上記具体例
に示すケッチェンブラックを配合したゴム組成物の前記
各測定値が、比較例1(通常のタイヤ用ゴム組成物の配
合例)のそれと大幅に異なるのは好ましくない。この観
点より前記EC600JDを配合したゴム組成物の物性
について評価し、併せてケッチェンブラックの配合量に
ついて説明する。
【0029】ケッチェンブラックの配合量(以下、配合
量とする)が、先述した所定量0.5〜10phrの範
囲内であるとき(実施例1及び2)、表2の物性の各数
値には比較例1の各数値と多少の差異がみられるが、タ
イヤ走行性においては許容範囲内である。配合量が10
phr以上であれば、例えば比較例4のように12ph
rであれば、変色防止効果はあるが各物性数値が比較例
1と大きく異なりタイヤ走行性において好ましくなく、
高コストでもある。比較例3のように20phrであれ
ば、この傾向は更に顕著になる。したがって配合量は1
0phr以下がよい。
【0030】配合量が先述した所定量以下の場合、例え
ば比較例2の0.1phr、比較例3の0.3phrと
すれば、各測定値は比較例1のそれとほぼ同じで差はほ
とんどない。しかし期待する変色防止効果はえられない
ため問題外である。以上の評価より、ケッチェンブラッ
クの配合量について以下のようにいうことができる。
0.5phr以下であれば期待する変色防止効果は得ら
れず、10phr以上であれば、変色防止効果は顕著で
あるがタイヤの走行性に影響するうえ、高コストであ
る。従ってケッチェンブラックの配合量は0.5〜10
phrであることが望ましく、特に1〜5phrが好ま
しい。
【0031】なお本発明のタイヤ用ゴム組成物は、自動
車用タイヤのトレッド部やサイドウォール部を構成する
ゴム組成物として使用されるが、特に茶変色が問題とな
るサイドウォール部において有利である。
【0032】
【発明の効果】本発明のタイヤ用ゴム組成物は、多孔性
カーボンブラックの配合によりアミン系老化防止剤の表
面移行を防止する。従って本発明のタイヤ用ゴム組成物
を用いれば、耐オゾン性や耐酸化性等のゴム物性を低下
させることなく、老化防止剤のブルーム現象やタイヤ表
面の茶変色を防止し、外観上の美観を保ったタイヤを作
成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 13/04 C08K 13/04 C08L 9/00 C08L 9/00 //(C08K 13/04 7:24 5:17)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムよりなる
    群の中から選ばれる少なくとも1種のゴムにアミン系老
    化防止剤を混合したゴム組成物において、前記ゴム10
    0重量部に対し、多孔性カーボンブラックを0.5〜1
    0重量部配合したことを特徴とするタイヤ用ゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記多孔性カーボンブラックのDBP給
    油量が300cm3/100g以上であることを特徴と
    する請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記多孔性カーボンブラックがケッチェ
    ンブラックであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のタイヤ用ゴム組成物。
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