JPH11294299A - 燃料噴射弁 - Google Patents
燃料噴射弁Info
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- JPH11294299A JPH11294299A JP9950798A JP9950798A JPH11294299A JP H11294299 A JPH11294299 A JP H11294299A JP 9950798 A JP9950798 A JP 9950798A JP 9950798 A JP9950798 A JP 9950798A JP H11294299 A JPH11294299 A JP H11294299A
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Landscapes
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 初期噴射率を低減させる2スプリング型燃料
噴射弁において、高速高負荷時に生じる燃料の供給遅れ
を防止する。 【解決手段】 本発明の燃料噴射弁は、燃料噴射ポンプ
から高圧の燃料の供給を受ける油溜まり5と、その油圧
が上昇したときにリフトするニードル8と、それを閉弁
方向に常時付勢する第1スプリング24と、ニードルが
第1スプリングを圧縮して隙間cだけリフトしたときに
接触するプレッシャーピン23と、プレッシャーピンを
常時付勢する第2スプリング26と、プレッシャーピン
と連動する油圧ピストン23aと、油圧ピストンの下部
に空間として形成されて油溜まりと同時に油圧を受け入
れる圧力室29とを備えており、機関の高速高負荷時に
圧力室に作用する高い油圧によってプレッシャーピンを
先にリフトさせるので、第2スプリングがニードルのリ
フトを妨げることがなく、迅速にリフトする。
噴射弁において、高速高負荷時に生じる燃料の供給遅れ
を防止する。 【解決手段】 本発明の燃料噴射弁は、燃料噴射ポンプ
から高圧の燃料の供給を受ける油溜まり5と、その油圧
が上昇したときにリフトするニードル8と、それを閉弁
方向に常時付勢する第1スプリング24と、ニードルが
第1スプリングを圧縮して隙間cだけリフトしたときに
接触するプレッシャーピン23と、プレッシャーピンを
常時付勢する第2スプリング26と、プレッシャーピン
と連動する油圧ピストン23aと、油圧ピストンの下部
に空間として形成されて油溜まりと同時に油圧を受け入
れる圧力室29とを備えており、機関の高速高負荷時に
圧力室に作用する高い油圧によってプレッシャーピンを
先にリフトさせるので、第2スプリングがニードルのリ
フトを妨げることがなく、迅速にリフトする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(主とし
てディーゼルエンジン)に使用される燃料噴射弁(燃料
噴射ノズル)に係り、特に初期噴射率を低減させるため
に、噴孔を開閉するニードルを燃料の圧力に抗して閉弁
方向に付勢するスプリングが2段階に設けられている、
所謂2スプリング型の燃料噴射弁に関する。
てディーゼルエンジン)に使用される燃料噴射弁(燃料
噴射ノズル)に係り、特に初期噴射率を低減させるため
に、噴孔を開閉するニードルを燃料の圧力に抗して閉弁
方向に付勢するスプリングが2段階に設けられている、
所謂2スプリング型の燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】第1の従来技術として、内燃機関におけ
る燃焼騒音やNOx の排出量を低減させる目的で、各気
筒毎に設けられた燃料噴射弁の毎回の噴射時期の初期に
おける燃料噴射率を低減させるために考案された、所謂
2スプリング型燃料噴射弁の全体構造を図2(a)に示
す。その要部B’の構造は拡大されて図2(b)に示さ
れている。図2の(a)及び(b)において、1はホル
ダーボディ、2はその先端側に取り付けられるノズルボ
ディ、3は取り付け用のナット、4はノズルボディ2の
先端に形成された噴孔、5はノズルボディ2の中に形成
された油溜まり、6は油溜まり5と噴孔4を連通する燃
料通路であって、燃料通路6の途中の噴孔4の近傍には
円錐形の弁座開口7が形成されている。
る燃焼騒音やNOx の排出量を低減させる目的で、各気
筒毎に設けられた燃料噴射弁の毎回の噴射時期の初期に
おける燃料噴射率を低減させるために考案された、所謂
2スプリング型燃料噴射弁の全体構造を図2(a)に示
す。その要部B’の構造は拡大されて図2(b)に示さ
れている。図2の(a)及び(b)において、1はホル
ダーボディ、2はその先端側に取り付けられるノズルボ
ディ、3は取り付け用のナット、4はノズルボディ2の
先端に形成された噴孔、5はノズルボディ2の中に形成
された油溜まり、6は油溜まり5と噴孔4を連通する燃
料通路であって、燃料通路6の途中の噴孔4の近傍には
円錐形の弁座開口7が形成されている。
【0003】8は、燃料通路6内で上下方向に移動可能
に挿入されて、先端の円錐形部分によって弁座開口7を
開閉することができるニードルであって、油溜まり5の
中に位置する円錐形の段部8aを備えている。この場
合、ホルダーボディ1とノズルボディ2との間にはスペ
ーサ9が挿入されている。そして一体化されたホルダー
ボディ1とスペーサ9及びノズルボディ2には燃料通路
10が連続して形成されている。燃料通路10の上流側
端部10aにはバーフィルタ11が設けられ、図示しな
い高圧燃料配管によって燃料噴射ポンプに接続されてい
る。
に挿入されて、先端の円錐形部分によって弁座開口7を
開閉することができるニードルであって、油溜まり5の
中に位置する円錐形の段部8aを備えている。この場
合、ホルダーボディ1とノズルボディ2との間にはスペ
ーサ9が挿入されている。そして一体化されたホルダー
ボディ1とスペーサ9及びノズルボディ2には燃料通路
10が連続して形成されている。燃料通路10の上流側
端部10aにはバーフィルタ11が設けられ、図示しな
い高圧燃料配管によって燃料噴射ポンプに接続されてい
る。
【0004】ニードル8の段部8aによって拡径した大
径部8bの上端には小径端部8cが一体に形成される。
ニードル8の大径部8bはノズルボディ2に形成された
円筒孔2aに摺動可能に挿入されることによって支持さ
れており、小径端部8cの上端面は上下方向に移動可能
な棒状のプレッシャーピン12の下端面と常時衝合して
いる。ニードル8の小径端部8cには硬質の金属からな
るリング13が嵌合されていると共に、プレッシャーピ
ン12の下端部を摺動可能に支持する硬質の金属からな
る中空の鍔付きブッシュ14が、スペーサ9に設けられ
た大径の孔9aに上下方向に摺動可能に嵌合している。
径部8bの上端には小径端部8cが一体に形成される。
ニードル8の大径部8bはノズルボディ2に形成された
円筒孔2aに摺動可能に挿入されることによって支持さ
れており、小径端部8cの上端面は上下方向に移動可能
な棒状のプレッシャーピン12の下端面と常時衝合して
いる。ニードル8の小径端部8cには硬質の金属からな
るリング13が嵌合されていると共に、プレッシャーピ
ン12の下端部を摺動可能に支持する硬質の金属からな
る中空の鍔付きブッシュ14が、スペーサ9に設けられ
た大径の孔9aに上下方向に摺動可能に嵌合している。
【0005】プレッシャーピン12の上端に近い部分に
は鍔部12aが形成されて、それがホルダーボディ1に
形成された円筒孔1aに摺動可能に緩く嵌合して支持さ
れている。円筒孔1aの上端の底部とプレッシャーピン
12の鍔部12aとの間には第1のスプリング15が圧
縮状態で装着されている。それによって、ニードル8は
プレッシャーピン12を介して常に下方へ付勢されてお
り、油溜まり5に所定値以上の燃料の油圧が作用してい
ないときは、先端が弁座開口7に着座することによって
燃料通路6と噴孔4との間の連通を遮断して閉弁状態を
とっている。この閉弁状態においては、ニードル8とプ
レッシャーピン12が第1のスプリング15の付勢力に
よって押し下げられているので、リング13の上面13
aと、それに対向してスペーサ9の下面として形成され
た停止面9bとの間には、ニードル8の最大リフトに相
当する隙間が形成されている。
は鍔部12aが形成されて、それがホルダーボディ1に
形成された円筒孔1aに摺動可能に緩く嵌合して支持さ
れている。円筒孔1aの上端の底部とプレッシャーピン
12の鍔部12aとの間には第1のスプリング15が圧
縮状態で装着されている。それによって、ニードル8は
プレッシャーピン12を介して常に下方へ付勢されてお
り、油溜まり5に所定値以上の燃料の油圧が作用してい
ないときは、先端が弁座開口7に着座することによって
燃料通路6と噴孔4との間の連通を遮断して閉弁状態を
とっている。この閉弁状態においては、ニードル8とプ
レッシャーピン12が第1のスプリング15の付勢力に
よって押し下げられているので、リング13の上面13
aと、それに対向してスペーサ9の下面として形成され
た停止面9bとの間には、ニードル8の最大リフトに相
当する隙間が形成されている。
【0006】ホルダーボディ1の内部には、円筒孔1a
に続いて、それよりも下部に大径の円筒孔1bが形成さ
れていて、それら円筒孔1a,1bの段部によってリン
グ16が係止されており、このリング16と鍔付きブッ
シュ14の上面との間には第2のスプリング17が圧縮
状態で装着されている。従って、ブッシュ14の鍔部の
下面14aは、下端面14bがニードル8によってリン
グ13を介して突き上げられて第2のスプリング17を
圧縮する時以外は、第2のスプリング17の付勢力によ
ってスペーサ9の上面9cに着座しているので、その状
態では、リング13の上面13aとブッシュ14の下端
面14bとの間に、図2の(b)に示すニードル8のプ
レリフトに相当する大きさの隙間c’が形成される。
に続いて、それよりも下部に大径の円筒孔1bが形成さ
れていて、それら円筒孔1a,1bの段部によってリン
グ16が係止されており、このリング16と鍔付きブッ
シュ14の上面との間には第2のスプリング17が圧縮
状態で装着されている。従って、ブッシュ14の鍔部の
下面14aは、下端面14bがニードル8によってリン
グ13を介して突き上げられて第2のスプリング17を
圧縮する時以外は、第2のスプリング17の付勢力によ
ってスペーサ9の上面9cに着座しているので、その状
態では、リング13の上面13aとブッシュ14の下端
面14bとの間に、図2の(b)に示すニードル8のプ
レリフトに相当する大きさの隙間c’が形成される。
【0007】なお、図2(a)に示す18は、ホルダー
ボディ1内の円筒孔1a,1b内へ洩れて来る燃料を集
めて燃料タンク等の低圧部分へ戻すための逃がし通路で
あって、19は逃がし通路18の終端に設けられたドレ
ンポートである。
ボディ1内の円筒孔1a,1b内へ洩れて来る燃料を集
めて燃料タンク等の低圧部分へ戻すための逃がし通路で
あって、19は逃がし通路18の終端に設けられたドレ
ンポートである。
【0008】第1の従来技術としての2スプリング型燃
料噴射弁は図2に示したような構造を有するので、取付
対象となる内燃機関において、図示された燃料噴射弁が
取り付けられている特定の気筒への燃料の噴射時期が来
て、図示しない燃料噴射ポンプから燃料通路10を経て
油溜まり5へ供給される燃料の油圧が上昇すると、その
油圧がニードル8の段部8aに対して上向きに作用する
ため、ニードル8とプレッシャーピン12が第1のスプ
リング15の付勢力に抗して図2の(b)に示す隙間
c’の分だけ上方へ移動し、リング13の上面13aが
ブッシュ14の下端面14bに軽く接触しているプレリ
フトの状態となる。それによってニードル8の先端が弁
座開口7を開くので、比較的小さな噴射率で燃料が噴孔
4から噴射される。
料噴射弁は図2に示したような構造を有するので、取付
対象となる内燃機関において、図示された燃料噴射弁が
取り付けられている特定の気筒への燃料の噴射時期が来
て、図示しない燃料噴射ポンプから燃料通路10を経て
油溜まり5へ供給される燃料の油圧が上昇すると、その
油圧がニードル8の段部8aに対して上向きに作用する
ため、ニードル8とプレッシャーピン12が第1のスプ
リング15の付勢力に抗して図2の(b)に示す隙間
c’の分だけ上方へ移動し、リング13の上面13aが
ブッシュ14の下端面14bに軽く接触しているプレリ
フトの状態となる。それによってニードル8の先端が弁
座開口7を開くので、比較的小さな噴射率で燃料が噴孔
4から噴射される。
【0009】機関がアイドル時のように低速低負荷の状
態で運転されるときは、図2に示す従来の燃料噴射弁に
おいても、図3の(a)において破線で示すようにニー
ドル8は比較的遅く立ち上がって隙間c’の分だけ、即
ちプレリフトに相当する距離だけ上昇する。リング13
の上面13aがブッシュ14の下端面14bに接触する
と、第1のスプリング15の付勢力に加えて第2のスプ
リング17の付勢力がニードル8を押し下げる方向に加
わるが、低速低負荷の運転状態においては油溜まり5に
作用する燃料噴射ポンプの吐出圧が比較的低いので、ブ
ッシュ14の下端面14bがストッパとなって、ニード
ル8はそれ以上上昇することができず、低速低負荷の運
転状態に適した小さな噴射率による噴射が行われ、燃焼
温度が低下して排気中の窒素酸化物(NOx )の量が減
少するためエミッション特性が良くなると共に、燃焼騒
音も低減する。
態で運転されるときは、図2に示す従来の燃料噴射弁に
おいても、図3の(a)において破線で示すようにニー
ドル8は比較的遅く立ち上がって隙間c’の分だけ、即
ちプレリフトに相当する距離だけ上昇する。リング13
の上面13aがブッシュ14の下端面14bに接触する
と、第1のスプリング15の付勢力に加えて第2のスプ
リング17の付勢力がニードル8を押し下げる方向に加
わるが、低速低負荷の運転状態においては油溜まり5に
作用する燃料噴射ポンプの吐出圧が比較的低いので、ブ
ッシュ14の下端面14bがストッパとなって、ニード
ル8はそれ以上上昇することができず、低速低負荷の運
転状態に適した小さな噴射率による噴射が行われ、燃焼
温度が低下して排気中の窒素酸化物(NOx )の量が減
少するためエミッション特性が良くなると共に、燃焼騒
音も低減する。
【0010】車両が定速走行する時のような機関の中速
中負荷の運転状態では、燃料噴射ポンプの吐出圧が低速
低負荷の運転状態よりも高くなるので、図3の(a)に
おいて鎖線によって示したように、前述のプレリフトの
状態が短時間継続する間に、油溜まり5に作用する燃料
の油圧が更に高まると、ニードル8はリング13とブッ
シュ14の接触面を介して第2のスプリング17をも圧
縮し、図2(b)に示した最大リフト分までリフトす
る。それによって、中速中負荷の運転状態に必要な中程
度の大きさの出力が得られる一方、噴射初期に短時間だ
けプレリフトが行われることによって噴射初期の噴射率
が低くなるため、それが所謂パイロット噴射と同様な作
用をして、燃焼騒音を低減させることができる。なお、
中速中負荷の状態においては、低速低負荷の状態よりも
エンジンの回転数が上昇しているため、図示しない燃料
噴射ポンプの公知のタイマーの作用により噴射開始の時
期が早くなっている。
中負荷の運転状態では、燃料噴射ポンプの吐出圧が低速
低負荷の運転状態よりも高くなるので、図3の(a)に
おいて鎖線によって示したように、前述のプレリフトの
状態が短時間継続する間に、油溜まり5に作用する燃料
の油圧が更に高まると、ニードル8はリング13とブッ
シュ14の接触面を介して第2のスプリング17をも圧
縮し、図2(b)に示した最大リフト分までリフトす
る。それによって、中速中負荷の運転状態に必要な中程
度の大きさの出力が得られる一方、噴射初期に短時間だ
けプレリフトが行われることによって噴射初期の噴射率
が低くなるため、それが所謂パイロット噴射と同様な作
用をして、燃焼騒音を低減させることができる。なお、
中速中負荷の状態においては、低速低負荷の状態よりも
エンジンの回転数が上昇しているため、図示しない燃料
噴射ポンプの公知のタイマーの作用により噴射開始の時
期が早くなっている。
【0011】図2に示す従来の燃料噴射弁によれば、車
両の加速時のような機関の高速高負荷時の運転状態にお
いて、燃料噴射ポンプの吐出圧が更に高くなって噴射率
が最大となっても、プレリフトの影響が依然として残っ
ていて、図3の(a)において実線によって示したよう
に、噴射開始からニードルのリフト量が最大になるまで
に、途中のプレリフトの高さに達したところでニードル
のリフトの上昇が一時止まって、短時間Sだけではある
が噴射率の上昇が遅滞する時期が生じる。
両の加速時のような機関の高速高負荷時の運転状態にお
いて、燃料噴射ポンプの吐出圧が更に高くなって噴射率
が最大となっても、プレリフトの影響が依然として残っ
ていて、図3の(a)において実線によって示したよう
に、噴射開始からニードルのリフト量が最大になるまで
に、途中のプレリフトの高さに達したところでニードル
のリフトの上昇が一時止まって、短時間Sだけではある
が噴射率の上昇が遅滞する時期が生じる。
【0012】これは、ニードル8と一体のリング13が
ブッシュ14の下端面14bに接触したときから第2の
スプリング17の圧縮が始まるために、油溜まり5内の
燃料の油圧が上昇して第1のスプリング15に加えて第
2のスプリング17を圧縮するに足る力を発生するとき
まで、ニードル8がプレリフトの位置を維持するためで
ある。しかしながら、高速高負荷の運転状態では燃焼騒
音を低減させることよりも高出力の要求の方が優先する
し、高速高負荷時に燃料の噴射が遅れるとエミッション
特性が悪化するから、従来の2スプリング型燃料噴射弁
を使用すると高速高負荷時に噴射率の上昇が一時的にせ
よ遅滞し、機関の最大出力が比較的低い値で頭打ちにな
ると共に、エミッションも悪化するという結果をもたら
す。
ブッシュ14の下端面14bに接触したときから第2の
スプリング17の圧縮が始まるために、油溜まり5内の
燃料の油圧が上昇して第1のスプリング15に加えて第
2のスプリング17を圧縮するに足る力を発生するとき
まで、ニードル8がプレリフトの位置を維持するためで
ある。しかしながら、高速高負荷の運転状態では燃焼騒
音を低減させることよりも高出力の要求の方が優先する
し、高速高負荷時に燃料の噴射が遅れるとエミッション
特性が悪化するから、従来の2スプリング型燃料噴射弁
を使用すると高速高負荷時に噴射率の上昇が一時的にせ
よ遅滞し、機関の最大出力が比較的低い値で頭打ちにな
ると共に、エミッションも悪化するという結果をもたら
す。
【0013】なお、第2のスプリング17を廃止して第
1のスプリング15のみにすれば、噴射率の上昇過程に
おける一時的な遅滞はなくなるので、高速高負荷の運転
状態における前述のような問題は解消するが、もしその
ようにすれば、低速低負荷や中速中負荷の運転状態にお
いて初期噴射率を低減させて、排気エミッション特性の
改善や燃焼騒音の低減を図るという、2スプリング型燃
料噴射弁の本来の目的を達成することができなくなる。
1のスプリング15のみにすれば、噴射率の上昇過程に
おける一時的な遅滞はなくなるので、高速高負荷の運転
状態における前述のような問題は解消するが、もしその
ようにすれば、低速低負荷や中速中負荷の運転状態にお
いて初期噴射率を低減させて、排気エミッション特性の
改善や燃焼騒音の低減を図るという、2スプリング型燃
料噴射弁の本来の目的を達成することができなくなる。
【0014】また、それとは別の第2の従来技術とし
て、実開昭61−19671号公報には、前述の従来の
2スプリング型燃料噴射弁と同様に初期噴射率の低減を
目的として、きわめて複雑な機構と高圧燃料のスピル通
路とを備えた燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴
射弁においては、アイドル時のような低速低負荷の運転
状態では、前述の第1の従来技術としての燃料噴射弁と
同様に、ニードルと一体になって上下方向に移動するプ
ッシュロッドの上端がアジャスティングロッドの下端に
接触する時までは、ニードルのリフトは、プッシュロッ
ドを下方に向かって付勢しているバルブスプリングのみ
を圧縮することによって行われるので、この間は前述の
プレリフトに相当し、ニードルのリフト量は図3(b)
に破線によって示したように低くて平坦なものになるも
のと考えられる。
て、実開昭61−19671号公報には、前述の従来の
2スプリング型燃料噴射弁と同様に初期噴射率の低減を
目的として、きわめて複雑な機構と高圧燃料のスピル通
路とを備えた燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴
射弁においては、アイドル時のような低速低負荷の運転
状態では、前述の第1の従来技術としての燃料噴射弁と
同様に、ニードルと一体になって上下方向に移動するプ
ッシュロッドの上端がアジャスティングロッドの下端に
接触する時までは、ニードルのリフトは、プッシュロッ
ドを下方に向かって付勢しているバルブスプリングのみ
を圧縮することによって行われるので、この間は前述の
プレリフトに相当し、ニードルのリフト量は図3(b)
に破線によって示したように低くて平坦なものになるも
のと考えられる。
【0015】また、中速中負荷(部分負荷)の運転状態
では、プッシュロッドの上端がアジャスティングロッド
の下端に接触した所で、アジャスティングロッドを下方
へ付勢している第1スプリングの付勢力が加わるので、
図3(b)に鎖線によって示したように、ニードルのリ
フト量は短い一時期T1 のように停滞する。略その時期
に、「燃料案内部」と呼ばれているスピル通路に形成さ
れたスピル弁がニードルのリフトによって開弁するの
で、供給される燃料の油圧の急上昇が抑えられて、時期
T1 後には緩やかにニードルのリフト量が増加する時期
T2 があり、それによって目的のように初期噴射率を低
減させる。そして、このスピル通路に設けられたスピル
弁がニードルの緩やかな上昇によって閉じられた後は燃
料の油圧が高くなるために、リフト量が急増してニード
ルが最大リフト位置に達するものと考えられる。
では、プッシュロッドの上端がアジャスティングロッド
の下端に接触した所で、アジャスティングロッドを下方
へ付勢している第1スプリングの付勢力が加わるので、
図3(b)に鎖線によって示したように、ニードルのリ
フト量は短い一時期T1 のように停滞する。略その時期
に、「燃料案内部」と呼ばれているスピル通路に形成さ
れたスピル弁がニードルのリフトによって開弁するの
で、供給される燃料の油圧の急上昇が抑えられて、時期
T1 後には緩やかにニードルのリフト量が増加する時期
T2 があり、それによって目的のように初期噴射率を低
減させる。そして、このスピル通路に設けられたスピル
弁がニードルの緩やかな上昇によって閉じられた後は燃
料の油圧が高くなるために、リフト量が急増してニード
ルが最大リフト位置に達するものと考えられる。
【0016】そして、機関の高速高負荷の運転状態にお
いては、急上昇して高圧に達する燃料の油圧を受けて第
2のピストンが上昇し、スピル通路に形成されたスピル
弁を閉弁させるので、時期T2 を経ることなく、高速高
負荷の運転状態に応じてニードルのリフト量が急上昇す
るものの、この場合もニードルが上昇する途中におい
て、プッシュロッドの上端とアジャスティングロッドの
下端との間の隙間l0 が閉じた時に、第1スプリングの
付勢力が加わるので、図3の(b)に実線で示したよう
に、ニードルのリフト量の増加が止まる短時間S’が存
在する結果、リフト特性に段部が生じるものと考えら
れ、噴射率が全く遅滞することなく上昇するものとは考
えられない。
いては、急上昇して高圧に達する燃料の油圧を受けて第
2のピストンが上昇し、スピル通路に形成されたスピル
弁を閉弁させるので、時期T2 を経ることなく、高速高
負荷の運転状態に応じてニードルのリフト量が急上昇す
るものの、この場合もニードルが上昇する途中におい
て、プッシュロッドの上端とアジャスティングロッドの
下端との間の隙間l0 が閉じた時に、第1スプリングの
付勢力が加わるので、図3の(b)に実線で示したよう
に、ニードルのリフト量の増加が止まる短時間S’が存
在する結果、リフト特性に段部が生じるものと考えら
れ、噴射率が全く遅滞することなく上昇するものとは考
えられない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らか
なように、燃焼騒音やNOx の排出量を低減させるため
に初期噴射率を低減させることを目的とする従来の2ス
プリング型燃料噴射弁においては、機関の低速低負荷や
中速中負荷の運転状態では満足な特性が得られるもの
の、機関の高速高負荷の運転状態においては、図3の
(a)や(b)の実線の特性曲線にS又はS’として示
したように、ニードルのリフト量の増加において停滞時
期(段部)が生じるので、必要な燃料の供給が遅れて機
関の高速高負荷の運転状態における出力の伸び悩みが生
じ、エミッション特性も悪化して、2スプリング型燃料
噴射弁を使用した内燃機関の高速高負荷時における出力
特性を不満足なものとすると共に、エミッション対策上
も問題を残すことになる。
なように、燃焼騒音やNOx の排出量を低減させるため
に初期噴射率を低減させることを目的とする従来の2ス
プリング型燃料噴射弁においては、機関の低速低負荷や
中速中負荷の運転状態では満足な特性が得られるもの
の、機関の高速高負荷の運転状態においては、図3の
(a)や(b)の実線の特性曲線にS又はS’として示
したように、ニードルのリフト量の増加において停滞時
期(段部)が生じるので、必要な燃料の供給が遅れて機
関の高速高負荷の運転状態における出力の伸び悩みが生
じ、エミッション特性も悪化して、2スプリング型燃料
噴射弁を使用した内燃機関の高速高負荷時における出力
特性を不満足なものとすると共に、エミッション対策上
も問題を残すことになる。
【0018】そこで本発明は、従来技術におけるこのよ
うな問題に対処して、図3の(c)に示したように、機
関の低速低負荷(破線)及び中速中負荷(鎖線)の運転
状態においては、従来技術と同様に噴射の初期の燃料噴
射率を低減させることによって燃焼騒音やNOx の排出
量を低減させると共に、高速高負荷の運転状態において
は、図3の(c)に実線で示したようにニードルのリフ
ト量が迅速に休みなく増大して、高くて平坦なニードル
のリフト特性と、同様な形の噴射率特性が得られるよう
にすることにより、高速高負荷時において十分に高い出
力と、良好なエミッション特性が得られるような、改良
された燃料噴射弁を提供することを目的としている。
うな問題に対処して、図3の(c)に示したように、機
関の低速低負荷(破線)及び中速中負荷(鎖線)の運転
状態においては、従来技術と同様に噴射の初期の燃料噴
射率を低減させることによって燃焼騒音やNOx の排出
量を低減させると共に、高速高負荷の運転状態において
は、図3の(c)に実線で示したようにニードルのリフ
ト量が迅速に休みなく増大して、高くて平坦なニードル
のリフト特性と、同様な形の噴射率特性が得られるよう
にすることにより、高速高負荷時において十分に高い出
力と、良好なエミッション特性が得られるような、改良
された燃料噴射弁を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、燃料噴射ポンプから高圧の
燃料の供給を受ける油溜まりと、油溜まりにある燃料の
油圧が上昇したときにリフトして噴孔への燃料通路を開
くニードルと、ニードルを閉弁方向に常時付勢する第1
スプリングと、ニードルが所定の距離だけリフトしたと
きに接触するプレッシャーピンと、プレッシャーピンを
ニードルの閉弁方向に常時付勢する第2スプリングと、
油溜まりと共に燃料噴射ポンプから燃料の油圧を受け入
れる圧力室と、圧力室内の油圧を受けてプレッシャーピ
ンをニードルの開弁方向に付勢する油圧ピストンとを備
えている燃料噴射弁を提供する。
解決するための手段として、燃料噴射ポンプから高圧の
燃料の供給を受ける油溜まりと、油溜まりにある燃料の
油圧が上昇したときにリフトして噴孔への燃料通路を開
くニードルと、ニードルを閉弁方向に常時付勢する第1
スプリングと、ニードルが所定の距離だけリフトしたと
きに接触するプレッシャーピンと、プレッシャーピンを
ニードルの閉弁方向に常時付勢する第2スプリングと、
油溜まりと共に燃料噴射ポンプから燃料の油圧を受け入
れる圧力室と、圧力室内の油圧を受けてプレッシャーピ
ンをニードルの開弁方向に付勢する油圧ピストンとを備
えている燃料噴射弁を提供する。
【0020】この場合、必要があれば、圧力室が燃料噴
射ポンプから燃料の油圧を受け入れる通路に絞り手段を
設けることができる。また、第2スプリングと共にニー
ドルの最大リフト量を決定するピンを設けることもでき
る。更に、第1スプリング及び第2スプリングの少なく
とも一方の上端には、厚さを変更することができ交換可
能なシムを装着することが望ましい。
射ポンプから燃料の油圧を受け入れる通路に絞り手段を
設けることができる。また、第2スプリングと共にニー
ドルの最大リフト量を決定するピンを設けることもでき
る。更に、第1スプリング及び第2スプリングの少なく
とも一方の上端には、厚さを変更することができ交換可
能なシムを装着することが望ましい。
【0021】より一般的に言って、本発明の解決手段
は、燃料噴射弁の噴射特性を、機関の低速低負荷の運転
状態においては低い噴射率を維持する形とし、中速中負
荷の運転状態においては低い初期噴射率を短時間経た後
に高い噴射率へ移行する形とすると共に、高速高負荷の
運転状態においては噴射率を低減させることなく、ニー
ドルのリフト量が直線的に最大リフト量に到達するよう
に、燃料噴射弁を構成することに特徴があると言うこと
ができる。
は、燃料噴射弁の噴射特性を、機関の低速低負荷の運転
状態においては低い噴射率を維持する形とし、中速中負
荷の運転状態においては低い初期噴射率を短時間経た後
に高い噴射率へ移行する形とすると共に、高速高負荷の
運転状態においては噴射率を低減させることなく、ニー
ドルのリフト量が直線的に最大リフト量に到達するよう
に、燃料噴射弁を構成することに特徴があると言うこと
ができる。
【0022】
【作用】本発明の燃料噴射弁においては、具体的な構成
として、プレッシャーピンをニードルの開弁方向に付勢
する油圧ピストンと、その油圧ピストンの下部に空間と
して形成されて燃料噴射ポンプから燃料の油圧を受け入
れる圧力室が設けられるので、燃料噴射ポンプから供給
される燃料の油圧が油溜まりに作用して、第1スプリン
グを圧縮することによりニードルをリフトさせて燃料の
噴射を開始するが、機関の低速低負荷時には第2スプリ
ングの付勢力が、ニードルのそれ以上のリフトを妨げる
ように作用するので、低くて平坦な噴射量が得られる。
として、プレッシャーピンをニードルの開弁方向に付勢
する油圧ピストンと、その油圧ピストンの下部に空間と
して形成されて燃料噴射ポンプから燃料の油圧を受け入
れる圧力室が設けられるので、燃料噴射ポンプから供給
される燃料の油圧が油溜まりに作用して、第1スプリン
グを圧縮することによりニードルをリフトさせて燃料の
噴射を開始するが、機関の低速低負荷時には第2スプリ
ングの付勢力が、ニードルのそれ以上のリフトを妨げる
ように作用するので、低くて平坦な噴射量が得られる。
【0023】また、機関の中速中負荷時には、噴射の初
期において第2スプリングの付勢力がニードルのリフト
を妨げるように作用するので、初期噴射率を低減させる
ことができ、その後の供給油圧の上昇によって、ニード
ルは第2スプリングをも圧縮して最大リフト量に到達す
る。いずれの場合も初期噴射率が低いために燃焼温度が
低く抑えらてNOx の発生量が少なくなり、パイロット
噴射の場合と同様に燃焼騒音が低くなる。
期において第2スプリングの付勢力がニードルのリフト
を妨げるように作用するので、初期噴射率を低減させる
ことができ、その後の供給油圧の上昇によって、ニード
ルは第2スプリングをも圧縮して最大リフト量に到達す
る。いずれの場合も初期噴射率が低いために燃焼温度が
低く抑えらてNOx の発生量が少なくなり、パイロット
噴射の場合と同様に燃焼騒音が低くなる。
【0024】機関の高速高負荷時においては、燃料の油
圧が供給開始の初期から高くなるので、その油圧が同時
に作用している圧力室の油圧も噴射開始の初期から所定
値以上に高くなる。その高い油圧を受けて油圧ピストン
が上昇して第2スプリングを圧縮する。また、プレッシ
ャーピンも油圧ピストンと連動して上昇するから、この
状態においては、ニードルがリフトする際に第2スプリ
ングによる閉弁方向への力を受けないので、第1スプリ
ングのみを圧縮してニードルが直線的にリフトし、初期
噴射率を低減させることがない。それによって機関の高
速高負荷の運転状態において燃料の供給遅れが生じるこ
とが防止され、高い出力特性と良好なエミッション特性
が得られる。
圧が供給開始の初期から高くなるので、その油圧が同時
に作用している圧力室の油圧も噴射開始の初期から所定
値以上に高くなる。その高い油圧を受けて油圧ピストン
が上昇して第2スプリングを圧縮する。また、プレッシ
ャーピンも油圧ピストンと連動して上昇するから、この
状態においては、ニードルがリフトする際に第2スプリ
ングによる閉弁方向への力を受けないので、第1スプリ
ングのみを圧縮してニードルが直線的にリフトし、初期
噴射率を低減させることがない。それによって機関の高
速高負荷の運転状態において燃料の供給遅れが生じるこ
とが防止され、高い出力特性と良好なエミッション特性
が得られる。
【0025】この場合、圧力室が燃料噴射ポンプから燃
料の油圧を受け入れる通路に絞り手段を設けると、機関
の高速高負荷時に圧力室に作用する高い油圧によってプ
レッシャーピンと連動する油圧ピストンが上昇して第2
スプリングを圧縮したのちに、次の噴射時期までに燃料
の油圧が低下しても、絞り手段が設けられているために
圧力室の油圧の低下が遅れる。そのため、プレッシャー
ピンと油圧ピストンが噴射時期毎に大きく上下動をする
ことがなくなり、油圧ピストンとそれを受け入れる油圧
シリンダとの摺動面の摩耗も減少する。また、第2スプ
リングと共にピンを設けるとニードルの最大リフト量を
正確に規制することができる。更に、第1スプリング及
び第2スプリングの少なくとも一方の上端に厚さを変更
することができ交換可能なシムを装着すると、それらに
よって第1スプリング又は第2スプリングの設定圧縮力
を自由に調節することができるので、噴射開始の第1開
弁圧と中速中負荷時における第2開弁圧を容易に調整す
ることが可能になる。
料の油圧を受け入れる通路に絞り手段を設けると、機関
の高速高負荷時に圧力室に作用する高い油圧によってプ
レッシャーピンと連動する油圧ピストンが上昇して第2
スプリングを圧縮したのちに、次の噴射時期までに燃料
の油圧が低下しても、絞り手段が設けられているために
圧力室の油圧の低下が遅れる。そのため、プレッシャー
ピンと油圧ピストンが噴射時期毎に大きく上下動をする
ことがなくなり、油圧ピストンとそれを受け入れる油圧
シリンダとの摺動面の摩耗も減少する。また、第2スプ
リングと共にピンを設けるとニードルの最大リフト量を
正確に規制することができる。更に、第1スプリング及
び第2スプリングの少なくとも一方の上端に厚さを変更
することができ交換可能なシムを装着すると、それらに
よって第1スプリング又は第2スプリングの設定圧縮力
を自由に調節することができるので、噴射開始の第1開
弁圧と中速中負荷時における第2開弁圧を容易に調整す
ることが可能になる。
【0026】本発明をより一般的に表現すれば、燃料噴
射弁を、その燃料噴射弁が取り付けられる機関の低速低
負荷の運転状態においては低い噴射率を維持する形と
し、中速中負荷の運転状態においては低い初期噴射率を
短時間経た後に高い噴射率へ移行する形とすると共に、
高速高負荷の運転状態においては噴射率を低減させるこ
となく、ニードルのリフト量が直線的に最大リフトに到
達するように作動させることであると言える。前述の第
2の従来技術もこれに近い意図を有する可能性がある
が、実開昭61−19671号のマイクロフィルムに記
載された手段がこのような作用を奏することができない
ことは従来の技術の項において説明した通りであるか
ら、第2の従来技術の存在下においても本発明には新規
性がある。
射弁を、その燃料噴射弁が取り付けられる機関の低速低
負荷の運転状態においては低い噴射率を維持する形と
し、中速中負荷の運転状態においては低い初期噴射率を
短時間経た後に高い噴射率へ移行する形とすると共に、
高速高負荷の運転状態においては噴射率を低減させるこ
となく、ニードルのリフト量が直線的に最大リフトに到
達するように作動させることであると言える。前述の第
2の従来技術もこれに近い意図を有する可能性がある
が、実開昭61−19671号のマイクロフィルムに記
載された手段がこのような作用を奏することができない
ことは従来の技術の項において説明した通りであるか
ら、第2の従来技術の存在下においても本発明には新規
性がある。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の燃料噴射弁の好適な実施
形態の1つを図1に示す。本発明の燃料噴射弁もやはり
2スプリング型燃料噴射弁に属するものであって、その
全体構造は図1(a)に示されており、その要部Bの構
造は拡大されて図1(b)に示されている。先に詳細に
説明した図2に示す従来の2スプリング型燃料噴射弁と
の比較を容易にするために、両者が実質的に同じ構成部
分については、図2において使用したものと同じ参照符
号を、本発明の実施形態を示す図1においても使用する
ことにする。
形態の1つを図1に示す。本発明の燃料噴射弁もやはり
2スプリング型燃料噴射弁に属するものであって、その
全体構造は図1(a)に示されており、その要部Bの構
造は拡大されて図1(b)に示されている。先に詳細に
説明した図2に示す従来の2スプリング型燃料噴射弁と
の比較を容易にするために、両者が実質的に同じ構成部
分については、図2において使用したものと同じ参照符
号を、本発明の実施形態を示す図1においても使用する
ことにする。
【0028】図1に示す21はホルダーボディであっ
て、2はその先端側に取り付けられるノズルボディ、3
は取り付け用のナット、4はノズルボディ2の先端に形
成された噴孔、5はノズルボディ2の中に形成された油
溜まり、6は油溜まり5と噴孔4を連通する燃料通路で
あって、燃料通路6の途中の噴孔4の近傍には円錐形の
弁座開口7が形成されている。
て、2はその先端側に取り付けられるノズルボディ、3
は取り付け用のナット、4はノズルボディ2の先端に形
成された噴孔、5はノズルボディ2の中に形成された油
溜まり、6は油溜まり5と噴孔4を連通する燃料通路で
あって、燃料通路6の途中の噴孔4の近傍には円錐形の
弁座開口7が形成されている。
【0029】8は、燃料通路6内で上下方向に移動可能
に挿入されて、先端の円錐形部分によって弁座開口7を
開閉することができるニードルであって、油溜まり5の
中に位置する円錐形の段部8aを備えている。ナット3
によって一体化されたホルダーボディ21とノズルボデ
ィ2には燃料通路10が連続して形成されている。燃料
通路10の上流側端部10aにはバーフィルタ11が設
けられ、図示しない高圧燃料配管によって燃料噴射ポン
プに接続されている。
に挿入されて、先端の円錐形部分によって弁座開口7を
開閉することができるニードルであって、油溜まり5の
中に位置する円錐形の段部8aを備えている。ナット3
によって一体化されたホルダーボディ21とノズルボデ
ィ2には燃料通路10が連続して形成されている。燃料
通路10の上流側端部10aにはバーフィルタ11が設
けられ、図示しない高圧燃料配管によって燃料噴射ポン
プに接続されている。
【0030】ニードル8の段部8aによって拡径した大
径部8bの上端には、小径端部8cが一体に形成され
る。ニードル8の大径部8bはノズルボディ2に形成さ
れた円筒孔2aに摺動可能に挿入されて支持されてお
り、その小径端部8cにはキャップ型をした第1のプレ
ッシャーピン22が被せられている。第1のプレッシャ
ーピン22はホルダーボディ21内に形成された円筒孔
21aの中で上下方向に摺動可能となっている。第1の
プレッシャーピン22の上方には移動可能な棒状の第2
プレッシャーピン23が設けられており、この実施形態
ではその上端に一体化されている鍔部23aは、1つの
油圧ピストンとして、ホルダーボディ21に形成された
油圧シリンダとしての小径の円筒孔21b内に摺動可能
に油密に嵌合している。なお、第2プレッシャーピン2
3の下端面23bは、ニードル8の先端が弁座開口7に
着座している閉弁状態において、第1のプレッシャーピ
ン22の上面22aから所定の距離だけ離れており、そ
こに隙間cが形成される。
径部8bの上端には、小径端部8cが一体に形成され
る。ニードル8の大径部8bはノズルボディ2に形成さ
れた円筒孔2aに摺動可能に挿入されて支持されてお
り、その小径端部8cにはキャップ型をした第1のプレ
ッシャーピン22が被せられている。第1のプレッシャ
ーピン22はホルダーボディ21内に形成された円筒孔
21aの中で上下方向に摺動可能となっている。第1の
プレッシャーピン22の上方には移動可能な棒状の第2
プレッシャーピン23が設けられており、この実施形態
ではその上端に一体化されている鍔部23aは、1つの
油圧ピストンとして、ホルダーボディ21に形成された
油圧シリンダとしての小径の円筒孔21b内に摺動可能
に油密に嵌合している。なお、第2プレッシャーピン2
3の下端面23bは、ニードル8の先端が弁座開口7に
着座している閉弁状態において、第1のプレッシャーピ
ン22の上面22aから所定の距離だけ離れており、そ
こに隙間cが形成される。
【0031】ホルダーボディ21の円筒孔21a内には
第1の圧縮スプリング24が装填され、その下端は第1
のプレッシャーピン22の上面22aに常時接触してい
て、ニードル8を閉弁位置に向かって常時下方へ付勢し
ている。従って、油溜まり5に所定値以上の燃料の油圧
が作用していないときは、第1スプリング24の付勢力
によってニードル8の先端が弁座開口7に着座すること
により、燃料通路6と噴孔4との間の連通を遮断して閉
弁状態をとっている。第1のスプリング24の上端は、
第2プレッシャーピン23の軸部を挿通させる液密の穴
を有する第1のシム25を介して、やはり液密の穴を有
する仕切壁21cによって支持されている。従って、第
1のシム25を交換してその厚さを変更すると、第1ス
プリング24の設定圧縮力が変化するので、開弁時にニ
ードル8がリフトを開始する第1開弁圧の設定値を自由
に調整することができる。
第1の圧縮スプリング24が装填され、その下端は第1
のプレッシャーピン22の上面22aに常時接触してい
て、ニードル8を閉弁位置に向かって常時下方へ付勢し
ている。従って、油溜まり5に所定値以上の燃料の油圧
が作用していないときは、第1スプリング24の付勢力
によってニードル8の先端が弁座開口7に着座すること
により、燃料通路6と噴孔4との間の連通を遮断して閉
弁状態をとっている。第1のスプリング24の上端は、
第2プレッシャーピン23の軸部を挿通させる液密の穴
を有する第1のシム25を介して、やはり液密の穴を有
する仕切壁21cによって支持されている。従って、第
1のシム25を交換してその厚さを変更すると、第1ス
プリング24の設定圧縮力が変化するので、開弁時にニ
ードル8がリフトを開始する第1開弁圧の設定値を自由
に調整することができる。
【0032】また、ホルダーボディ21の小径の円筒孔
21b内には第2の圧縮スプリング26が装填され、そ
の下端は第2プレッシャーピン23の上端の鍔部23a
に接触して第2プレッシャーピン23を常時下方へ付勢
している。この場合、鍔部23aの下方への移動は、仕
切壁21cの上方に所定の間隔をおいて設けられた環状
の突出壁21dによって阻止される。更に、円筒孔21
b内には、コイル状の第2スプリング26の中に挿通さ
れるようにして、鍔部23aと一体又は別体のピン27
が設けられる。
21b内には第2の圧縮スプリング26が装填され、そ
の下端は第2プレッシャーピン23の上端の鍔部23a
に接触して第2プレッシャーピン23を常時下方へ付勢
している。この場合、鍔部23aの下方への移動は、仕
切壁21cの上方に所定の間隔をおいて設けられた環状
の突出壁21dによって阻止される。更に、円筒孔21
b内には、コイル状の第2スプリング26の中に挿通さ
れるようにして、鍔部23aと一体又は別体のピン27
が設けられる。
【0033】第2スプリング26の上端は、円筒孔21
bの上方の底部に装着された第2のシム28によって支
持されるので、第2スプリング26が圧縮されてニード
ル8が最大のリフト位置をとる時に、ピン27の上端2
7aが第2のシム28に接触して、それ以上ニードル8
が上昇するのを阻止する。また、第2のシム28を交換
してその厚さを変更すると第2スプリング26の設定圧
縮力が変化するので、プレリフトの後にニードル8を更
にリフトさせるための第2開弁圧の設定値を自由に調整
することができる。
bの上方の底部に装着された第2のシム28によって支
持されるので、第2スプリング26が圧縮されてニード
ル8が最大のリフト位置をとる時に、ピン27の上端2
7aが第2のシム28に接触して、それ以上ニードル8
が上昇するのを阻止する。また、第2のシム28を交換
してその厚さを変更すると第2スプリング26の設定圧
縮力が変化するので、プレリフトの後にニードル8を更
にリフトさせるための第2開弁圧の設定値を自由に調整
することができる。
【0034】本発明の構造上の最も特徴的な点として、
図示実施形態においては、油圧ピストンである第2プレ
ッシャーピン23の鍔部23aと、円筒孔21aの上方
に設けられた仕切壁21cとの間に圧力室29が形成さ
れており、その圧力室29が絞り通路30によって燃料
通路10に接続されていて、圧力室29内に燃料噴射ポ
ンプによって加圧された燃料の油圧が作用することによ
り、第2のスプリング26の付勢力に対抗して第2プレ
ッシャーピン23を上方に向かって付勢するように構成
されている。
図示実施形態においては、油圧ピストンである第2プレ
ッシャーピン23の鍔部23aと、円筒孔21aの上方
に設けられた仕切壁21cとの間に圧力室29が形成さ
れており、その圧力室29が絞り通路30によって燃料
通路10に接続されていて、圧力室29内に燃料噴射ポ
ンプによって加圧された燃料の油圧が作用することによ
り、第2のスプリング26の付勢力に対抗して第2プレ
ッシャーピン23を上方に向かって付勢するように構成
されている。
【0035】なお、図1(a)に示す18は、ホルダー
ボディ21内の油圧シリンダである円筒孔21bから第
2のシム28の周囲を通って洩れて来る燃料を集めて燃
料タンク等の低圧部分へ戻すための逃がし通路であっ
て、19は逃がし通路18の終端に設けられたドレンポ
ートである。
ボディ21内の油圧シリンダである円筒孔21bから第
2のシム28の周囲を通って洩れて来る燃料を集めて燃
料タンク等の低圧部分へ戻すための逃がし通路であっ
て、19は逃がし通路18の終端に設けられたドレンポ
ートである。
【0036】本発明の実施形態としての2スプリング型
燃料噴射弁は図1に示したような構造を有するので、取
付対象となる内燃機関において、この燃料噴射弁が取り
付けられている特定の気筒への燃料の噴射時期が来て、
図示しない燃料噴射ポンプから燃料通路10を経て油溜
まり5へ供給される燃料の油圧が第1の開弁圧以上に上
昇すると、その油圧がニードル8の段部8aに対して上
向きに作用するため、ニードル8と第1のプレッシャー
ピン22が第1のスプリング24の付勢力に抗して図1
の(a)に示す隙間cの距離だけ上方へ移動して、第1
プレッシャーピン22の上面22aが第2プレッシャー
ピン23の下端面23bに軽く接触するプレリフトの状
態となる。それによってニードル8の先端が弁座開口7
を開くので、比較的小さな噴射率によって燃料が噴孔4
から噴射される。
燃料噴射弁は図1に示したような構造を有するので、取
付対象となる内燃機関において、この燃料噴射弁が取り
付けられている特定の気筒への燃料の噴射時期が来て、
図示しない燃料噴射ポンプから燃料通路10を経て油溜
まり5へ供給される燃料の油圧が第1の開弁圧以上に上
昇すると、その油圧がニードル8の段部8aに対して上
向きに作用するため、ニードル8と第1のプレッシャー
ピン22が第1のスプリング24の付勢力に抗して図1
の(a)に示す隙間cの距離だけ上方へ移動して、第1
プレッシャーピン22の上面22aが第2プレッシャー
ピン23の下端面23bに軽く接触するプレリフトの状
態となる。それによってニードル8の先端が弁座開口7
を開くので、比較的小さな噴射率によって燃料が噴孔4
から噴射される。
【0037】機関がアイドル時のように低速低負荷の状
態で運転されるときは、燃料噴射ポンプの吐出圧は第1
開弁圧を僅かに超える程度の大きさにすぎないから、従
来の燃料噴射弁の場合と同様に、図3の(c)において
破線で示すようにニードル8はプレリフト分だけリフト
する。第1のプレッシャーピン22が第2のプレッシャ
ーピン23に接触すると、第1のスプリング24の付勢
力に加えて第2のスプリング26の付勢力がニードル8
を押し下げる方向に加わるが、低速低負荷の運転状態に
おいては油溜まり5に作用する燃料噴射ポンプの吐出圧
が前述のように比較的低いので、第2プレッシャーピン
23の下端面23bがストッパとなって、第1プレッシ
ャーピン22とニードル8はそれ以上リフトすることが
できず、低速低負荷の運転状態に適した小さな噴射率に
よる燃料噴射が行われ、燃焼温度が低下して排気中の窒
素酸化物(NOx )の量が減少するためエミッション特
性が良くなると共に、燃焼騒音も低減する。
態で運転されるときは、燃料噴射ポンプの吐出圧は第1
開弁圧を僅かに超える程度の大きさにすぎないから、従
来の燃料噴射弁の場合と同様に、図3の(c)において
破線で示すようにニードル8はプレリフト分だけリフト
する。第1のプレッシャーピン22が第2のプレッシャ
ーピン23に接触すると、第1のスプリング24の付勢
力に加えて第2のスプリング26の付勢力がニードル8
を押し下げる方向に加わるが、低速低負荷の運転状態に
おいては油溜まり5に作用する燃料噴射ポンプの吐出圧
が前述のように比較的低いので、第2プレッシャーピン
23の下端面23bがストッパとなって、第1プレッシ
ャーピン22とニードル8はそれ以上リフトすることが
できず、低速低負荷の運転状態に適した小さな噴射率に
よる燃料噴射が行われ、燃焼温度が低下して排気中の窒
素酸化物(NOx )の量が減少するためエミッション特
性が良くなると共に、燃焼騒音も低減する。
【0038】車両が定速走行する時のような機関の中速
中負荷の運転状態では、燃料噴射ポンプの吐出圧が低速
低負荷の運転状態よりも高くなるので、図3の(c)に
おいて鎖線によって示したように、前述のように低い噴
射率のプレリフトの状態が短時間継続する間に、油溜ま
り5に作用する燃料の油圧が更に高まって第2開弁圧に
達すると、ニードル8は第1プレッシャーピン22と第
2プレッシャーピン23の接触面を介して第2のスプリ
ング26をも圧縮し、ピン27の上端27aが第2のシ
ム28に接触して停止させられる最大リフト位置までリ
フトする。それによって、中速中負荷の運転状態に必要
な中程度の出力が得られる一方、噴射初期に短時間だけ
プレリフトすることによって噴射率が低くなる時期があ
るため、プレリフトによる噴射がパイロット噴射と同様
な作用をして、燃焼騒音を低減させることができる。
中負荷の運転状態では、燃料噴射ポンプの吐出圧が低速
低負荷の運転状態よりも高くなるので、図3の(c)に
おいて鎖線によって示したように、前述のように低い噴
射率のプレリフトの状態が短時間継続する間に、油溜ま
り5に作用する燃料の油圧が更に高まって第2開弁圧に
達すると、ニードル8は第1プレッシャーピン22と第
2プレッシャーピン23の接触面を介して第2のスプリ
ング26をも圧縮し、ピン27の上端27aが第2のシ
ム28に接触して停止させられる最大リフト位置までリ
フトする。それによって、中速中負荷の運転状態に必要
な中程度の出力が得られる一方、噴射初期に短時間だけ
プレリフトすることによって噴射率が低くなる時期があ
るため、プレリフトによる噴射がパイロット噴射と同様
な作用をして、燃焼騒音を低減させることができる。
【0039】車両の加速時のような機関の高速高負荷時
の運転状態において燃料噴射ポンプの吐出圧が更に高く
なると、前述のような本発明の特徴とする構造における
圧力室29内の燃料の油圧も高くなるので、その油圧に
よって油圧ピストンである第2プレッシャーピン23の
鍔部23aが第2のスプリング26を圧縮して、ピン2
7の上端27aが第2のシム28に接触するところまで
上昇する。従って、同時に油溜まり5に作用する燃料の
高い油圧によって、ニードル8と第1プレッシャーピン
22が第1スプリング24を圧縮して一気にリフトする
時は、第2プレッシャーピン23が圧力室29に作用す
る油圧によって上昇した後になるから、最大リフト位置
において第2プレッシャーピン23が停止するまで、ニ
ードル8は実質的に第2のスプリング26の付勢力によ
る抵抗を受けることなく、急速に最大リフト位置まで上
昇することができる。
の運転状態において燃料噴射ポンプの吐出圧が更に高く
なると、前述のような本発明の特徴とする構造における
圧力室29内の燃料の油圧も高くなるので、その油圧に
よって油圧ピストンである第2プレッシャーピン23の
鍔部23aが第2のスプリング26を圧縮して、ピン2
7の上端27aが第2のシム28に接触するところまで
上昇する。従って、同時に油溜まり5に作用する燃料の
高い油圧によって、ニードル8と第1プレッシャーピン
22が第1スプリング24を圧縮して一気にリフトする
時は、第2プレッシャーピン23が圧力室29に作用す
る油圧によって上昇した後になるから、最大リフト位置
において第2プレッシャーピン23が停止するまで、ニ
ードル8は実質的に第2のスプリング26の付勢力によ
る抵抗を受けることなく、急速に最大リフト位置まで上
昇することができる。
【0040】従って、図3の(c)において実線によっ
て示すように、燃料噴射ポンプの吐出する燃料の油圧が
所定値よりも高くなる高速高負荷の運転状態では、ニー
ドルのリフト量は途中で停滞することなく一気に増加す
るので、機関の高速高負荷の運転状態に適した高い出力
が得られると共に、良好なエミッション特性も併せて得
られる。
て示すように、燃料噴射ポンプの吐出する燃料の油圧が
所定値よりも高くなる高速高負荷の運転状態では、ニー
ドルのリフト量は途中で停滞することなく一気に増加す
るので、機関の高速高負荷の運転状態に適した高い出力
が得られると共に、良好なエミッション特性も併せて得
られる。
【0041】図2に示した従来の燃料噴射弁等では、機
関の高速高負荷時の運転状態においても、2スプリング
型燃料噴射弁特有のプレリフトの機能が残っていて、図
3の(a)や(b)において実線によって示したよう
に、噴射開始からニードルのリフト量が最大になるまで
に、途中のプレリフトの高さに達したところでニードル
の上昇が一時的に止まって、短時間S又はS’だけ噴射
率の上昇が遅滞する時期があり、直線的に立ち上がるこ
とが望ましい高速高負荷の噴射特性に段部が生じるが、
本発明の場合は、図3の(c)に実線で示したように、
段部が全く生じないように設定することができる。
関の高速高負荷時の運転状態においても、2スプリング
型燃料噴射弁特有のプレリフトの機能が残っていて、図
3の(a)や(b)において実線によって示したよう
に、噴射開始からニードルのリフト量が最大になるまで
に、途中のプレリフトの高さに達したところでニードル
の上昇が一時的に止まって、短時間S又はS’だけ噴射
率の上昇が遅滞する時期があり、直線的に立ち上がるこ
とが望ましい高速高負荷の噴射特性に段部が生じるが、
本発明の場合は、図3の(c)に実線で示したように、
段部が全く生じないように設定することができる。
【0042】なお、図示実施形態においては、燃料通路
10と圧力室29との間を絞り通路30によって接続し
ているので、抵抗のない単なる通路によって接続する場
合と異なり、圧力室29内に燃料の高い油圧が供給され
て第2プレッシャーピン23が第2スプリング26を圧
縮して上昇して噴射が行われた後は、次の噴射時期が来
るまでに燃料通路10内の燃料の油圧が低下しても、圧
力室29内の油圧はあまり低下しないで比較的高く維持
される。従って、高速高負荷の運転状態等においては第
2プレッシャーピン23が噴射の都度上昇するのではな
く、最大リフト位置付近で停止することができるので、
第2プレッシャーピン23とそれに関連する油圧ピスト
ンに対して摺動係合する部分における摩耗が軽減され
る。
10と圧力室29との間を絞り通路30によって接続し
ているので、抵抗のない単なる通路によって接続する場
合と異なり、圧力室29内に燃料の高い油圧が供給され
て第2プレッシャーピン23が第2スプリング26を圧
縮して上昇して噴射が行われた後は、次の噴射時期が来
るまでに燃料通路10内の燃料の油圧が低下しても、圧
力室29内の油圧はあまり低下しないで比較的高く維持
される。従って、高速高負荷の運転状態等においては第
2プレッシャーピン23が噴射の都度上昇するのではな
く、最大リフト位置付近で停止することができるので、
第2プレッシャーピン23とそれに関連する油圧ピスト
ンに対して摺動係合する部分における摩耗が軽減され
る。
【0043】他の実施形態を、その特徴となる圧力室周
りについて図4に示す。この実施形態は、油圧ピストン
31を第2プレッシャーピン23’と別体とし、各々を
付勢するスプリング32,26’を設けたことを特徴と
する。第2プレッシャーピン23’の上端には油圧ピス
トン31の穴31aに係合する鍔部23cが設けられ
る。この実施形態では、中速中負荷の状態までは、圧力
室29’内の圧力を受ける油圧ピストン31が第3のス
プリング32に付勢されて動かず、圧力室29’内の燃
料の油圧が第2プレッシャーピン23’に作用しないた
め、ニードル8の挙動に関して、図2に示された従来技
術と全く同等のものとすることができる。高速高負荷の
状態においては、上昇した燃料噴射ポンプの吐出圧を受
けて、圧力室29’内の燃料の油圧の作用が、第2のス
プリング26’および第3のスプリング32の付勢力に
勝って、油圧ピストン31が円筒孔21e内を上昇し、
それに係合する第2プレッシャーピン23’を上昇させ
る。それによって、ニードル8は途中で停滞することな
く一気にリフトする。
りについて図4に示す。この実施形態は、油圧ピストン
31を第2プレッシャーピン23’と別体とし、各々を
付勢するスプリング32,26’を設けたことを特徴と
する。第2プレッシャーピン23’の上端には油圧ピス
トン31の穴31aに係合する鍔部23cが設けられ
る。この実施形態では、中速中負荷の状態までは、圧力
室29’内の圧力を受ける油圧ピストン31が第3のス
プリング32に付勢されて動かず、圧力室29’内の燃
料の油圧が第2プレッシャーピン23’に作用しないた
め、ニードル8の挙動に関して、図2に示された従来技
術と全く同等のものとすることができる。高速高負荷の
状態においては、上昇した燃料噴射ポンプの吐出圧を受
けて、圧力室29’内の燃料の油圧の作用が、第2のス
プリング26’および第3のスプリング32の付勢力に
勝って、油圧ピストン31が円筒孔21e内を上昇し、
それに係合する第2プレッシャーピン23’を上昇させ
る。それによって、ニードル8は途中で停滞することな
く一気にリフトする。
【0044】また、本発明は、図1、及び図4に示す実
施形態に限定されるものではなく、例えば、図2に示さ
れる従来技術の様にスプリングが配置された燃料噴射弁
にも適用可能である。この場合は、ブッシュ14を油圧
ピストンとし、スペーサ9とブッシュ14の間に圧力室
を形成すればよい。
施形態に限定されるものではなく、例えば、図2に示さ
れる従来技術の様にスプリングが配置された燃料噴射弁
にも適用可能である。この場合は、ブッシュ14を油圧
ピストンとし、スペーサ9とブッシュ14の間に圧力室
を形成すればよい。
【0045】
【発明の効果】本発明の2スプリング型燃料噴射弁によ
れば、機関の低速低負荷運転時にはプレリフトに相当す
る低い噴射率を維持すると共に、中速中負荷運転時には
プレリフトを伴って2段に噴射率が変化する噴射特性が
得られるので、2スプリング型燃料噴射弁の特質を十分
に発揮して燃焼騒音やNOx の排出量を低減させること
ができる一方、機関の高速高負荷運転時には燃料の供給
が遅れるという2スプリング型燃料噴射弁の欠点を排除
して、噴射率が途中で停滞することなく一気に、且つ迅
速に増大するような噴射特性が得られる。これは噴射の
初期における噴霧の貫徹力を強めることにもつながり、
それらによって、機関の出力特性やエミッション特性を
併せて改善することができる。
れば、機関の低速低負荷運転時にはプレリフトに相当す
る低い噴射率を維持すると共に、中速中負荷運転時には
プレリフトを伴って2段に噴射率が変化する噴射特性が
得られるので、2スプリング型燃料噴射弁の特質を十分
に発揮して燃焼騒音やNOx の排出量を低減させること
ができる一方、機関の高速高負荷運転時には燃料の供給
が遅れるという2スプリング型燃料噴射弁の欠点を排除
して、噴射率が途中で停滞することなく一気に、且つ迅
速に増大するような噴射特性が得られる。これは噴射の
初期における噴霧の貫徹力を強めることにもつながり、
それらによって、機関の出力特性やエミッション特性を
併せて改善することができる。
【図1】本発明の実施形態を示す縦断正面図であって、
(a)は燃料噴射弁の全体を示すと共に、(b)は
(a)における要部Bを拡大して示している。
(a)は燃料噴射弁の全体を示すと共に、(b)は
(a)における要部Bを拡大して示している。
【図2】1つの従来例を示す縦断正面図であって、
(a)は燃料噴射弁の全体を示すと共に、(b)は
(a)における要部B’を拡大して示している。
(a)は燃料噴射弁の全体を示すと共に、(b)は
(a)における要部B’を拡大して示している。
【図3】噴射特性を示す線図であって、(a)は第1の
従来例の場合、(b)は第2の従来例の場合、(c)は
本発明の場合を示している。
従来例の場合、(b)は第2の従来例の場合、(c)は
本発明の場合を示している。
【図4】本発明の他の実施形態について要部のみを拡大
して示す部分的な縦断正面図である。
して示す部分的な縦断正面図である。
1…ホルダーボディ(第1の従来例) 4…噴孔 5…油溜まり 8…ニードル 8a…段部 10…燃料通路 21…ホルダーボディ(実施形態) 21a…円筒孔 21b…円筒孔(油圧シリンダ) 21c…仕切壁 21d…突出壁 22…第1のプレッシャーピン 23…第2のプレッシャーピン 23a…鍔部(油圧ピストン) 24…第1のスプリング 25…第1のシム 26…第2のスプリング 27…ピン 28…第2のシム 29…圧力室 30…絞り通路 31…油圧ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 61/16 F02M 61/16 L
Claims (5)
- 【請求項1】 燃料噴射ポンプから高圧の燃料の供給を
受ける油溜まりと、前記油溜まりにある燃料の油圧が上
昇したときにリフトして噴孔への燃料通路を開くニード
ルと、前記ニードルを閉弁方向に常時付勢する第1スプ
リングと、前記ニードルが所定の距離だけリフトしたと
きに接触するプレッシャーピンと、前記プレッシャーピ
ンを前記ニードルの閉弁方向に常時付勢する第2スプリ
ングと、前記油溜まりと共に前記燃料噴射ポンプから燃
料の油圧を受け入れる圧力室と、前記圧力室内の油圧を
受けて前記プレッシャーピンを前記ニードルの開弁方向
に付勢する油圧ピストンとを備えていることを特徴とす
る燃料噴射弁。 - 【請求項2】 前記圧力室が燃料の油圧を受け入れる通
路に絞り手段が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載された燃料噴射弁。 - 【請求項3】 前記第2スプリングと共に、前記ニード
ルの最大リフト量を決定するピンが設けられていること
を特徴とする請求項1又は2に記載された燃料噴射弁。 - 【請求項4】 前記第1スプリング及び前記第2スプリ
ングの少なくとも一方の上端が、厚さを変更することが
できるシムを介して支持されていることを特徴とする請
求項1ないし3のいずれか1つに記載された燃料噴射
弁。 - 【請求項5】 それが取り付けられる機関の低速低負荷
の運転状態においては低い噴射率を維持する形とし、中
速中負荷の運転状態においては低い初期噴射率を短時間
経た後に高い噴射率へ移行する形とすると共に、高速高
負荷の運転状態においては初期噴射率を低減させること
なく、ニードルのリフト量が直線的に最大リフトに到達
するように構成されていることを特徴とする燃料噴射
弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9950798A JPH11294299A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 燃料噴射弁 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9950798A JPH11294299A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 燃料噴射弁 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11294299A true JPH11294299A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14249186
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9950798A Pending JPH11294299A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 燃料噴射弁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11294299A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009537744A (ja) * | 2006-05-24 | 2009-10-29 | コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | サクションジェットポンプ |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP9950798A patent/JPH11294299A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009537744A (ja) * | 2006-05-24 | 2009-10-29 | コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | サクションジェットポンプ |
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