JPH11302193A - 血管新生阻害剤 - Google Patents

血管新生阻害剤

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JPH11302193A
JPH11302193A JP12964698A JP12964698A JPH11302193A JP H11302193 A JPH11302193 A JP H11302193A JP 12964698 A JP12964698 A JP 12964698A JP 12964698 A JP12964698 A JP 12964698A JP H11302193 A JPH11302193 A JP H11302193A
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JP
Japan
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vegf
vpf
antibody
minocycline
angiogenesis
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JP12964698A
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English (en)
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Ayako Koda
綾子 幸田
Makoto Asano
誠 浅野
Hideo Suzuki
日出夫 鈴木
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗VEGF/VPF抗体とミノサイクリン等
の血管新生阻害剤との併用による相乗作用に基づく有効
な血管新生阻害方法、特に、癌血管新生阻害方法を提供
する。 【解決手段】 VEGF/VPFアンタゴニストとミノ
サイクリンを有効成分とする血管新生阻害剤。VEGF
/VPFアンタゴニストは抗VEGF/VPFモノクロ
ーナル抗体であることが好ましく、下記配列1〜3の少
なくとも1つと反応する抗体であることが特に好まし
い。 1.KPSCVPLMR 2.SFLQHNKCECRP 3.KCECRPKKDRAR

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管透過性因子(V
PF)[血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とも呼称されており、
本明細書では「VEGF/VPF」と総称する] アンタ
ゴニストとミノサイクリンとを併用した血管新生阻害
剤、とりわけ腫瘍の治療薬として有用な血管新生阻害剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】血管新生は、既存の血管から内皮細胞が
出芽して新しい血管が形成される現象であり、生体にお
いては主として病変部位で起こり、健常成人では女性の
性周期、妊娠などの場合以外には起こらない。血管新生
を伴う血管形成性疾患としては、固形腫瘍の増殖や腫瘍
の転移、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症などの眼内血管
新生病、リウマチ様関節炎、乾癬症、カポジ肉腫、動脈
性硬化症疾患などがある。
【0003】血管新生は種々の血管新生促進因子によっ
て制御されているが、中でも、内皮細胞に対して選択的
に作用するペプチド性の分泌型増殖因子であるVEGF
/VPFは、上記の生体における疾患の血管新生に直接
的な役割を担っていることが示唆されている。そして、
ある種の抗VEGF/VPF抗体を用いてVEGF/VPFを中和するこ
とにより、癌細胞の成長及び転移を抑制できることが報
告されている(M. Asano等、CANCER RESEARCH 55, 5296-
5301, November 15, 1995)。
【0004】かかる抗体の拮抗作用を利用した癌の治療
方法は、腫瘍そのものを標的とする現在の一般的な治療
方法と異なり、腫瘍血管の新生を抑制することによって
間接的に腫瘍の増殖を阻害するという新しい作用機作に
基づくものであり、副作用が極めて軽微であるため、効
果的な癌の化学療法として期待されている。
【0005】その他の血管新生阻害剤として、従来、血
管内皮細胞培養系を用いたin vitro培養系およびin viv
o血管新生モデルを用いて、血管新生を選択的に阻害す
る物質がスクリーニングされており、これまでに、例え
ば、プロタミン(Taylor, S.et al., Nature, 297, 30
7, 1982)、ヘパリンとコーチゾンの併用剤(Folkman,J.
et al., Science, 221, 71, 1983)、プレドニゾロン・
アセテート(Robin,J. B., Arch. Opthalmol., 103, 28
4, 1985)、硫酸化多糖(特開昭63-119500号公報)、ハ
ービマイシンA(特開平63-295509号公報)、フマギリ
ン(特開平1-279828号公報)、インターフェロンβ(国
際公開第WO/29092号公報)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ミノサイクリンはテト
ラサイクリン系抗生物質の一つであるが、これについて
は、ウサギ角膜法を用いたin vivo血管新生モデルにお
いて、コーチゾン単独又はコーチゾンとヘパリンの併用
系よりも有意に血管新生を抑制したとの報告がある(R.
J. Tamargo等、CANCER RESEARCH 51, 672-675, January
15, 1991)。しかし、いずれの場合も、投与を継続して
暫くすると、その血管新生阻害効果が薄れてくる傾向が
見られる。
【0007】本発明者等は、上記の抗VEGF/VPF
抗体と上記のミノサイクリン等の血管新生阻害剤との併
用系については未だ検討されていないことに鑑み、両者
の相乗作用にに基づく更に有効な血管新生阻害方法、特
に、癌血管新生阻害方法を提供することを目的として鋭
意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、VEGF/V
PFアンタゴニストとミノサイクリンを有効成分とする
血管新生阻害剤に関するものである。すなわち、本発明
は、VEGF/VPFアンタゴニストとミノサイクリン
とを併用して投与することにより血管新生を有効に阻害
する点に特徴を有する。
【0009】したがって、本発明の別の局面によれば、
VEGF/VPFアンタゴニストとミノサイクリンとを
併用して投与することを特徴とする血管新生阻害方法が
提供される。
【0010】理論に拘束されるものではないが、本発明
者等の知見によれば、本発明は、以下のような作用機作
でその優れた効果を発現しているものと考えられる。す
なわち、血管新生を伴う病的部位をミノサイクリンなど
の血管新生阻害剤で処理すると、該病的部位の血流が絶
たれてその部位が低酸素状態になる。しかし、VEGF
/VPFは低酸素状態になる誘導される性質があるた
め、ミノサイクリンなどの血管新生阻害剤で処理してか
ら暫くするとVEGF/VPFが誘導され、逆に血管新
生が亢進される状況が生まれる。しかし、本発明にした
がって、該病的部位にVEGF/VPFアンタゴニスト
を併用すると、VEGF/VPFの作用が阻害されて、
VEGF/VPFの誘導後もミノサイクリンなどの血管
新生阻害剤による血管新生阻害効果が有効に維持される
ものと考えられる。
【0011】ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗生
物質として知られている化合物であるが、本発明におい
ては、ミノサイクリン、その塩酸塩等の塩の他、同等の
薬効を有する誘導体も包含され、細粒、顆粒、錠剤、カ
プセル、静注用剤等の形態で市販されている如何なる形
態のものであっても使用することができる。
【0012】VEGF/VPFは、直接的に血管内皮細
胞に作用し、血管新生すなわち毛細血管内皮細胞の増
殖、移動および組織への浸潤という現象を誘発し、胎児
の生長、創傷治癒、癌細胞の増殖などの生理または病理
的現象において重要な作用を果たしている。VEGF/
VPFは、マウス、ラット、モルモット、ウシ及びヒト
の正常又は腫瘍細胞株で分泌されており、また組織別で
は脳、下垂体、腎臓、卵巣に存在することが明らかにさ
れている[Ferrara, N.等、Endocrine Reviews 13: 18(1
992)]。
【0013】ヒトVEGF/VPF遺伝子についてはそ
のcDNAがすでに単離されて塩基配列が決定され、アミノ
酸配列も推定されている。この遺伝子からアミノ酸残基
数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残基数121個、1
65個、189個、206個の4種類)が作られ、それ
らの中で121個のアミノ酸残基数のもの(VEGF
121)と165個のアミノ酸残基数のもの(VEG
165)が成熟蛋白であると言われている[Ferrara, N.
等、Endocrine Reviews 13: 18(1992)]。VEGF121
VEGF165のカルボキシル末端側の44個のアミノ酸
が欠失したものであるが、VEGF121とVEGF165
間に、血管内皮細胞に対する作用の違いがあるかどうか
については明らかにされていない。
【0014】本発明において、VEGF/VPFアンタ
ゴニストとは、上記のVEGF/VPFの作用を阻害す
る機能を有するものをさし、その機能を有するものであ
れば如何なる形態のものでもよく、最も一般的には、V
EGF/VPFに作用する抗体、またはその一部分が挙
げられるが、それらに限定されることなく、例えば、V
EGF/VPFの作用を阻害する不活性なVEGF/V
PF、またはその一部分、VEGF/VPFの受容体の
機能を損なう、例えば、血管透過性因子受容体に対する
抗体、またはその一部分、さらには、VEGF/VPF
の産生そのものを抑制する薬剤等を挙げることができ
る。
【0015】VEGF/VPFに作用する抗体は、アミ
ノ酸残基数121個、165個、189個又は206個
の4種類のVEGF/VPFサブタイプの何れに対する
抗体であってもよい。
【0016】代表的なVEGF/VPFアンタゴニスト
としては、抗VEGF/VPFモノクローナル抗体が挙
げられ、特に、該抗VEGF/VPFモノクローナル抗
体が、VEGF/VPFのアミノ酸配列の一部である下
記配列1〜3:
【0017】1.KPSCVPLMR 2.SFLQHNKCECRP 3.KCECRPKKDRAR
【0018】の少なくとも1つと反応する抗体がである
ことが好ましい。
【0019】上記の抗VEGF/VPF抗体としては、
マウス抗体等もあげられるが、ヒトへの投与において副
作用を軽減するための処理を行ったものも使用すること
ができる。例えば、マウスモノクローナル抗体をポリエ
チレングリコールのような物質で化学修飾を行い、抗原
性を軽減させたもの、また、マウスモノクローナル抗体
の可変領域を残して他の部分をヒトの抗体に変換させた
マウス・ヒトキメラ抗体や、マウスモノクローナル抗体
の抗原との結合領域であるCDR領域を残して他の領域
をヒト抗体に抗原との結合力を保持させたまま置き換え
たヒト化抗体も使用することができる。さらに、これら
を酵素的に切断して低分子化した抗体も使用することが
できる。該キメラ抗体またはヒト化抗体としては、Ig
Gタイプ又はIgAタイプ等があげられ、該IgGのイ
ソタイプとしては、IgG1、IgG2、IgG3又は
IgG4があげられる。
【0020】本発明は、ミノサイクリンの投与により活
力が低下して低酸素状態となった病的部位に誘導された
VEGF/VPFの作用をVEGF/VPFアンタゴニ
ストの作用によって中和し、該病的部位における血管新
生を抑制するという作用機作に基づくため、癌細胞を含
むあらゆる血管形成性疾患の治療に対して有効に適用で
きると考えられる。したがって、本発明の血管新生阻害
剤を投与する場合、投与する対象は特に限定されない。
例えば、個々の血管形成性疾患の予防或いは治療を特異
目的として局所又は全身投与することができる。投与す
る方法は経口又は非経口でもよく、経口投与には舌下投
与を包含する。
【0021】非経口投与には注射例えば皮下、筋肉、血
管内、腹腔内又は胸腔内などへの注射、点滴、座剤等を
含む。又、その投与量および有効成分の割合は動物か人
間かによって、又年齢、投与経路、投与回数により異な
り、広範囲に変えることができる。この場合VEGF/
VPFアンタゴニスト及びミノサイクリンの有効量と適
切な希釈剤および薬学的に使用し得る担体の組成物とし
て投与される有効量は0.1〜100mg/kg体重/日であ
り1日1回から数回に分けて毎日又は数日に1回又は1
〜2週間に1回投与される。VEGF/VPFアンタゴ
ニストとミノサイクリンは、任意の割合で併用すること
ができ、両者は混合した状態で、又は、別々の状態で併
用することも可能である。
【0022】本発明の血管新生阻害剤を非経口投与する
場合には、安定剤・緩衝剤・保存剤・膨張化剤等の添加
剤を含有し通常単位投与量アンプル若しくは多投与量容
器又はチューブの状態で提供される。たとえば、注射用
製剤は、精製されたVEGF/VPFアンタゴニスト及
び/又はミノサイクリンを溶剤、たとえば、生理食塩
水、緩衝液などに溶解し、それに、吸着防止剤、たとえ
ば、Tween80、ゼラチン、ヒト血清アルブミン
(HSA)などを加えたものであり、または、使用前に
溶解再構成するために凍結乾燥したものであってもよ
い。凍結乾燥のための賦形剤としては例えばマンニトー
ル、ブドウ糖などの糖アルコールや糖類を使用すること
ができる。同様に、点眼液、点眼軟膏、乳化剤等の形態
としたり、滞留を延長させるためにリポソームやマイク
ロスフェアーにして使用することも出来る。
【0023】また経口投与する場合はそれに適用される
錠剤・顆粒剤・細粒剤・散剤・カプセル剤等は通常それ
らの組成物中に製剤上一般に使用される結合剤・包含剤
・賦形剤・滑沢剤・崩壊剤・湿潤剤のような添加剤を含
有する。又、経口用液体製剤としては内用水剤・懸濁剤
・乳剤・シロップ剤等いずれでの状態であってもよく、
又、使用する際に再溶解させる乾燥生成物であっても良
い。更にその組成物は添加剤・保存剤の何れを含有して
も良い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい具体例に
ついて、VEGF/VPFアンタゴニストとして抗VE
GF/VPFモノクローナル抗体を用いて詳細に説明す
る。
【0025】モノクローナル抗体の製造 各モノクローナル抗体は動物をVEGF/VPFで免疫
し、その脾細胞を取り出しこれをミエローマ細胞と融合
して得たハイブリドーマ細胞を培養することにより製造
することができる。このハイブリドーマの製造は例えば
KohlerとMilsteinの方法[Nature,256:495(1975)]等によ
り行うことができる。
【0026】(1)抗体産生細胞の調製 免疫用動物にはマウス、ラット、ウサギ等の齧歯類が用
いられる。ミエローマ細胞としてはマウスまたはラット
由来の細胞が用いられる。そして免疫動物1匹に対して
VEGF/VPF10〜100μgの量を抗原として2
〜4週間の間隔で少なくとも計2〜3回の免疫を行う。
動物の飼育及び脾細胞の採取は常法に従って行われる。
尚、免疫の際には抗原に例えばグルタチオン-S-トラン
スフェラーゼ等を融合させて得られた蛋白質又はキーホ
ールリンペットヘモシアニン等を結合させて得られた複
合蛋白質を抗原として用いることもできる。
【0027】(2)ミエローマ細胞の調製 ミエローマ細胞としてはマウスミエローマSp2/O-Ag14(S
p2)、P3/NSI/1-Ag4-1(NS-1)、P3×63-Ag.8.U・1(P3U1)等
が挙げられる。これらの細胞の継代培養は常法に従って
行われる。
【0028】(3)細胞融合 脾細胞とミエローマ細胞とを1:1〜10:1の割合で
混合してポリエチレングリコールと混合するか電気パル
ス処理することにより細胞融合を行うことができる。
【0029】(4)ハイブリドーマの選択 融合細胞(ハイブリドーマ)の選択はヒポキサンチン
(10-3〜10-5M)、アミノプテリン(10-6〜10-7
M)、チミジン(10-5〜10-6M)を含む培地を用いて
培養して生育してくる細胞をハイブリドーマとすること
により行われる。
【0030】(5)ハイブリドーマの培養 ハイブリドーマのクローン化は限界希釈法により少なく
とも2回繰り返して行う。ハイブリドーマを通常の動物
細胞と同様にして培養すれば培地中に本発明のモノクロ
ーナル抗体が産生される。又、ハイブリドーマ細胞をマ
ウス腹腔内に移植して増殖させることにより腹水中に本
発明のモノクローナル抗体を蓄積させることもできる。
【0031】(6)モノクローナル抗体の採取及び精製 ハイブリドーマ細胞の培養液中又は腹水中に蓄積したモ
ノクローナル抗体は従来から用いられている硫安分画
法、PEG分画法、イオン交換クロマトグラフィー及び
ゲル濾過クロマトグラフィーを用いる方法で精製され
る。又、プロテインAやプロテインG等のアフィニティ
ークロマトグラフィーによる方法も利用できる。
【0032】モノクローナル抗体の選別には酵素免疫測
定法、ウエスタンブロッティング法等が用いられる。
又、モノクローナル抗体のアイソタイプの決定はモノク
ローナル抗体の酵素免疫測定法又はオクタロニー法等に
よって行うことができる。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。但し本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0034】参考例1(抗VEGF/VPFモノクロー
ナル抗体MV833の調製) (1)抗VEGF/VPFモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマの作製 単離したヒトVEGF/VPFのcDNAにて形質転換
した酵母の培養液よりヒトVEGF/VPFを精製し
(特開平7−31496号参照)、キーホールリンペット
ヘモシアニン(KLH)とグルタルアルデヒドを用いて複
合体を作製し、得られた蛋白を抗原として常法に従って
マウスモノクローナル抗体を作製した。即ち、KLH-
VEGF/VPFで免疫したマウスの脾細胞とマウスミ
エローマ細胞(Sp2)をポリエチレングリコール存在下で
細胞融合させた。得られたハイブリドーマは限界希釈法
によりクローニングした。VEGF/VPFとクローン
化したハイブリドーマの培養上清の反応性を酵素免疫測
定法により調べ、VEGF/VPFと反応するモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマを選択した。又、
このハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体をM
V833と命名した。なお、得られたモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマは通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM BP−5669として
寄託されている。
【0035】(2)抗VEGF/VPFモノクローナル
抗体の調製 選択したハイブリドーマをヌードマウスの腹腔内に移植
し、モノクローナル抗体を大量に含む腹水を採取した。
この腹水中からプロテインGアフィニティーカラム(M
AbTrapGII、ファルマシア社製)を用いてモノクロー
ナル抗体を精製した。又、抗体のクラスを抗マウス免疫
グロブリンサブクラス特異的抗体を用いた酵素免疫測定
法により調べた結果、MV833抗体のクラスはIgG1で
あった。
【0036】又、下記の方法で測定したVEGF121
びVEGF165に対する解離定数は以下の通りであり本
発明のモノクローナル抗体はVEGF/VPFに対して
強い親和性を有することがわかる。
【0037】○ 5.70×10-11M±0.35×10
-11M(VEGF121) ○ 1.10×10-10M±0.11×10-10M(VEG
165)
【0038】解離定数の測定方法 モノクローナル抗体を0.1M塩化ナトリウムを含む2
5mM炭酸緩衝液(pH=9.0)で2μg/mlに調製し、取り
外し可能な有穴プレートに100μlずつ添加し4℃で
一晩放置する。次に穴から溶液を除き1%BSA-PB
Sを300μlずつ添加し37℃で4時間放置する。1
%BSA-PBSを取り除いた後0.1%BSA-PBS
で調製したVEGFと125I標識VEGF(125I標識V
EGF121はVEGF121をクロラミンT法により標識、
125I標識VEGF165はアマシャム社より購入)反応混
液を穴あたり200μl添加して一晩放置する。この反
応混液中のVEGF濃度はVEGF121が0〜1ng/穴,
VEGF165が0〜10ng/穴、125I標識VEGFが1
×104cpm/穴(125I標識VEGF121; 66.7pg/穴、
1 25I標識VEGF165;116pg/穴)とする。穴から反
応混液を取り除き0.1%BSA-PBSで6回洗浄した
後、穴を1個ずつ切り離して分析用チューブに入れガン
マーカウンターにてカウントし、その結果より作成した
散布図から解離定数を求める。
【0039】又、下記の方法で測定した本発明のモノク
ローナル抗体の等電点はpI=5.2〜5.5であった。
現時点で報告のある他のIgG1タイプの抗VEGF/V
PFモノクローナル抗体の等電点は我々の報告している
MV101がpI=7.0〜7.5でありジェネンテック社の
A4.6.1がpI=4.2〜5.2[Kim,K.J. et.al. Grow
th Factors,7:53(1992)]であり本発明の物質はいずれの
物質とも異なる物質である。
【0040】等電点の測定方法 モノクローナル抗体の等電点電気泳動は市販の等電点電
気泳動用アガロースゲル(和科盛社)を使用し同社の等電
点電気泳動層にて泳動した。泳動は等電力出力可能なパ
ワーサプライ(バイオラド社)により3Wで30分間泳動
した。泳動後ゲルは銀染色キット(バイオラド社)にて蛋
白染色した。モノクローナル抗体の等電点は同時に泳動
した等電点マーカー蛋白の泳動度より抗体の等電点を求
めた。
【0041】(3)VEGF/VPF中のモノクローナ
ル抗体の反応部位の同定 (3-1)VEGF/VPFのアミノ酸配列の一部分に相当
するペプチドの作製 ヒトVEGF121のアミノ配列の連続した12個のアミ
ノ酸を1つのペプチドとして全配列を網羅する67種の
ペプチドを考案し、各ペプチドをマルチピンペプチド合
成法[Maeji,N,J, et.al. J.Immunol.method,134:23(199
0)]により合成した。
【0042】まず96穴アッセイプレート用ピンブロッ
クのピンの先端に導入された9-フルオレニルメトキシカ
ルボニル(Fmoc)-β-アラニンからピペリジンによりFm
oc基を除去した後、ジシクロヘキシカルボジイミドとヒ
ドロキシベンゾトリアゾール存在下でFmoc-アミノ酸を
縮合させた。N,N-ジメチルホルムアミドで洗浄後、再び
ジシクロヘキシカルボジイミドとヒドロキシベンゾトリ
アゾール存在下でFmoc-アミノ酸を縮合させ、この操作
を繰り返すことにより目的のペプチドを合成した。縮合
反応終了後、無水酢酸でアセチル化を行い、さらにトリ
フルオロ酢酸で側鎖保護基を除去した。ピン上で合成し
たペプチドはピンを中性溶液中に浸すことにより切り出
した。合成したペプチドの定量はオルトフタルアルデヒ
ドを用いてアミノ基を定量することにより行った。合成
した67種のペプチドのアミノ酸配列を表1に示した。
数字はペプチド識別番号を示す。
【0043】
【表1】
【0044】(3-2)MV833抗体と反応するペプチドの同
定 以上のようにして合成した67種のペプチドはヒトVE
GF121の全領域に対応するものである。したがって6
7種のペプチドとMV833抗体との反応性を調べること
によりMV833抗体がVEGF/VPFのどの部位に反
応しているかを明らかにすることができる。そこで酵素
免疫測定法により67種のペプチドとMV833抗体との
反応性を調べた。96穴NOSプレート(コースター社
製)に67種の20μMペプチド溶液を入れ室温で2時
間放置した。0.1%BSA-PBSでプレートの穴を3
回洗浄した後、2%BSA-PBSを入れ室温で1時間
放置した。2%BSA-PBSを除いた後、MV833(1
%BSA-PBS溶液)を入れ室温で1時間放置した。
0.1%BSA-PBSで6回洗浄後ペルオキシダーゼ標
識したヒツジ抗マウスIgG(アマシャム社)(0.1%B
SA-PBS溶液)を入れ室温で1時間放置した。0.1
%BSA-PBSで6回洗浄後8.3mg/mlオルトフェニ
レンジアミン2塩酸塩および0.01%過酸化水素を含
む0.2Mトリス−クエン酸緩衝液(pH=5.2)を入れて
発色させた。反応は2規定硫酸を加えて停止させた後、
吸光度(OD490/650)を測定した。なお、反応性
の測定には、上記のような酵素免疫測定法の他、オクタ
ロニー法、ウエスタンブロッティング法等を用いてもよ
い。
【0045】MV833抗体は67種類のペプチドの中で
ペプチド識別番号31、32、33、60、63の5つ
のペプチドに強く反応した。ペプチド識別番号31〜3
3のペプチドにはKPSCVPLMRという配列が共通
に含まれていることより、この領域ではMV833抗体は
KPSCVPLMRというアミノ酸配列部分と反応して
いると考えられる。したがって、MV833抗体はVEG
F/VPFのKPSCVPLMR配列(配列番号1)と
SFLQHNKCECRP配列(配列番号2)とKCE
CRPKKDRAR配列(配列番号3)とに反応してい
ることが予想される。抗体はタンパク質の表面に露出し
ている部分を認識すると考えられるため、この2種類の
アミノ酸配列部分はVEGF/VPFの表面に露出して
いる部分であると言える。又、モノクローナル抗体は抗
原決定基が単一であると言われているが、高次構造をと
っている蛋白質などの高分子物質が抗原の場合は抗体が
立体的に抗原を認識し、蛋白質の一次構造レベルで抗体
の反応性を調べた時に二箇所以上の不連続なアミノ酸配
列に反応することがある。MV833抗体がVEGF/V
PF中の二箇所のアミノ酸配列部分に反応したことよ
り、本抗体は二箇所のアミノ酸配列部分を立体的に同時
に認識していると考えられる。
【0046】微量タンパク質やウイルスの研究を行う場
合現在ではその遺伝子のクローニングを行い、その塩基
配列よりタンパク質のアミノ酸配列が予想できる。この
アミノ酸配列をもとにして親水性の高い部位を探索し、
その部位の合成ペプチドに対するポリクローナル抗体や
モノクローナル抗体を作製して免疫学的解析に用いてい
る。親水性の高い部位の探索にはHoop&Woodsらの方法
[Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:3824(1981)]などを用
いて解析しているが、あらゆるタンパク質にあてはまる
とは限らない。したがって本発明によりVEGF/VP
Fの表面に露出している部位の中で血管新生等の阻害に
重要である部分が明らかにされたことにより強い抗癌活
性を有したVEGF/VPF抗体を容易に作製できるよ
うになり、また、本発明に採用された方法は蛋白質の表
面に露出している部位を明らかにする方法としても適用
できる。
【0047】実施例1(抗VEGF/VPFモノクロー
ナル抗体MV833とミノサイクリンの併用による腫瘍
抑制試験)
【0048】固形癌の増殖モデルとしてヒト線維肉腫株
HT−1080の2mm角をBALB/cnu/nu(ヌードマウ
ス、雄、6週令、n=4又は5)の腹部皮下に常法に従
って移植した。
【0049】移植翌日から以下に示す投与量及びスケジ
ュールに従って、尾静脈からの投与を行った。 ・ミノサイクリン単独投与群(●):10mg/kg, 1、2、
3、4、7、8、9、10、11日目投与 ・MV833単独投与群(▲) :12.5μg/マウス、
1、5、9、13、17日目投与 ・MV833とミノサイクリン併用投与群(■):MV
833:12.5μg/マウス、 1、5、9、13、17日目投与 ミノサイクリン:10mg/kg, 1、2、3、4、7、8、9、10、
11日目投与 ・コントロール群(○):PBS(-)0.2ml/マウス、 1、
5、9、13、17日目投与
【0050】各群の経時的な腫瘍径をノギスで測定し、
(短径)2×(長径)/2の式に従って腫瘍体積を算出
し、その結果を図1に示した。
【0051】図1から、MV833とミノサイクリン併
用投与群では、夫々の単独使用群よりも有意に腫瘍増殖
が抑制され、特に、ミノサイクリン投与終了後(12日
目以降)でも高い抑制効果が得られることが判る。した
がって、抗VEGF/VPF抗体とミノサイクリンの血管新生阻
害作用とが相乗的に固形腫瘍形成阻害に作用することが
示された。また、ミノサイクリンの投与終了後に抗VEGF
/VPF抗体を投与し続けることでも、腫瘍増殖が有効に抑
制されることが示された。したがって、ミノサイクリン
が投与されて低酸素状態となった腫瘍細胞から誘導され
るVEGF/VPFを中和すれば、腫瘍細胞の血管新生が抑制さ
れ、その結果、腫瘍増殖も効果的に抑制できることが示
唆された。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、VEGF/VPFアン
タゴニスト及びミノサイクリンを併用することにより、
腫瘍の増殖及びそれに伴う血管新生を有効に抑制するこ
とができる。したがって、本発明は、各種の癌、及びそ
の他の血管形成性疾患の治療に有効に利用されるもので
ある。
【0053】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン:
【0054】配列番号:2 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン:
【0055】配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:タンパク質 起源: セルライン:
【図面の簡単な説明】
【図1】ミノサイクリン単独、抗VEGF/VPF抗体単独、両
者の併用によるヒト線維肉腫細胞の増殖に対する阻害効
果を経時的に示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VEGF/VPFアンタゴニストとミノ
    サイクリンを有効成分とする血管新生阻害剤。
  2. 【請求項2】 VEGF/VPFアンタゴニストが抗V
    EGF/VPFモノクローナル抗体であることを特徴と
    する請求項1の血管新生阻害剤。
  3. 【請求項3】 抗VEGF/VPFモノクローナル抗体
    がVEGF/VPFのアミノ酸配列の一部である下記配
    列1〜3の少なくとも1つと反応する抗体であることを
    特徴とする請求項2の血管新生阻害剤。 1.KPSCVPLMR 2.SFLQHNKCECRP 3.KCECRPKKDRAR
  4. 【請求項4】 VEGF/VPFアンタゴニストとミノ
    サイクリンとを併用して投与することを特徴とする血管
    新生阻害方法。
  5. 【請求項5】 VEGF/VPFアンタゴニストとミノ
    サイクリンとを併用して投与した後、VEGF/VPF
    アンタゴニスト単独の投与を継続することを特徴とする
    請求項4に記載の血管新生阻害方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136522A (ja) * 2005-03-24 2012-07-19 Thrombogenics Nv 新規な抗plgf抗体

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JP2012136522A (ja) * 2005-03-24 2012-07-19 Thrombogenics Nv 新規な抗plgf抗体

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