JPH11315221A - 無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物 - Google Patents

無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物

Info

Publication number
JPH11315221A
JPH11315221A JP12367398A JP12367398A JPH11315221A JP H11315221 A JPH11315221 A JP H11315221A JP 12367398 A JP12367398 A JP 12367398A JP 12367398 A JP12367398 A JP 12367398A JP H11315221 A JPH11315221 A JP H11315221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
inorganic filler
rosin acid
rosin
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12367398A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Tan
淳 二 丹
Tetsushi Kasai
井 徹 志 笠
Masao Maeda
田 正 雄 前
Eisuke Natsuhara
原 英 介 夏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc, Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP12367398A priority Critical patent/JPH11315221A/ja
Publication of JPH11315221A publication Critical patent/JPH11315221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】(A)無機充填剤と、その表面を被覆する
(B)ロジン酸および/またはその誘導体とからなり、
(B)が、(A)100重量部に対して0.01〜20
重量部であるロジン酸被覆無機充填剤(C)。(A)が
I〜III族、の金属元素(Mg、K、Na、Al)の
化合物特にタルク、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトが望まし
い。(B)が、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエ
チン酸、ジヒドロピマル酸またはその誘導体を主成分と
することが望ましい。(D)熱可塑性樹脂と、(C)と
を含有し、(D)100重量部に対し、(C)が0.0
1〜100重量部の量で配合された熱可塑性樹脂組成
物。 【効果】表面被覆され分散性に優れた無機充填剤、およ
び該無機充填剤が配合され、機械的強度等に優れた熱可
塑性樹脂組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機充填剤および
該無機充填剤が配合された熱可塑性樹脂組成物に関し、
さらに詳しくは、表面被覆(コーティング)され分散性
に優れた無機充填剤、および該無機充填剤が配合され、
機械的強度等に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】無機充填剤は、従来より熱可塑性
樹脂成形品の剛性、表面硬度などの機械的強度、寸法安
定性の向上を図り、コスト低減などを図る目的で広く用
いられている。
【0003】しかしながら、無機充填剤を熱可塑性樹脂
組成物中に多量に配合する場合、無機充填剤は一般的に
分散性が悪いため熱可塑性樹脂組成物中で凝集体を作
り、熱可塑性樹脂本来の機械的強度や熱可塑性樹脂成形
品の表面光沢が低下するなど、外観などが著しく損なわ
れることが多かった。
【0004】そのため、従来では、無機充填剤を、シラ
ンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、有
機チタネートなどで表面処理するという手法が広く用い
られている。
【0005】しかしながらこのような表面処理を行った
無機充填剤を熱可塑性樹脂に配合しても、満足な機械的
強度を有する熱可塑性樹脂組成物が得られない場合もあ
った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとしてなされたものであって、分散
性に優れ、結晶性樹脂においては結晶化度を大幅に向上
しうる無機充填剤を提供することを目的としている。
【0007】また本発明は、このような無機充填剤を熱
可塑性樹脂に配合することにより、外観、機械的強度等
に優れた成形体が得られるような熱可塑性樹脂組成物を
提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るロジン酸被覆無機充填剤
(C)は、 (A)無機充填剤と、該無機充填剤(A)の表面を被覆
する(B)ロジン中の樹脂酸(以下、本明細書ではロジ
ン酸と言う)および/またはその誘導体とからなり、ロ
ジン酸および/またはその誘導体(B)の量が、該無機
充填剤(A)100重量部に対して0.01〜20重量
部であることを特徴としている。
【0009】本発明においては、前記無機充填剤(A)
としては、周期律表第I族、II族、III族の金属元
素を含む少なくとも1種の化合物であることが好まし
く、Mg、K、Na、Alから選ばれる少なくとも1種
の金属元素を含む少なくとも1種の化合物であることが
より好ましく、マグネシウム化合物であることがさらに
好ましく、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、から選
ばれる少なくとも1種の化合物であることが特に好まし
い。
【0010】前記ロジン酸および/またはその誘導体
(B)は、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン
酸およびジヒドロピマル酸から選ばれる少なくとも1種
のロジン酸および/またはその誘導体を主成分とするも
のであることが好ましく、前記ロジン酸および/または
その誘導体(B)が、下記式(Ia)で表されるロジン
酸および下記式(Ib)で表されるロジン酸のうちから
選ばれる少なくとも1種のロジン酸および/またはその
誘導体を主成分とするものであることがより好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】[式(Ia)、(Ib)中、R1、R2およ
びR3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基を示し、各同一であっても異なっていて
もよい]。
【0013】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、
(D)熱可塑性樹脂と、上記のロジン酸被覆無機充填剤
(C)とを含有し、該熱可塑性樹脂(D)100重量部
に対し、ロジン酸被覆無機充填剤(C)が0.01〜1
00重量部の量で配合されていることを特徴としてい
る。
【0014】本発明においては、前記熱可塑性樹脂
(D)は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド
およびポリアセタールより選ばれる1種以上の結晶性熱
可塑性樹脂であることが好ましい。
【0015】本発明においては、上記(D)熱可塑性樹
脂と、上記のロジン酸被覆無機充填剤(C)とを、熱可
塑性樹脂(D)の融点以上の温度で溶融混練して熱可塑
性樹脂組成物を製造することを特徴としている。
【0016】本発明に係る上記ロジン酸被覆無機充填剤
は、分散性に優れており、該無機充填剤が配合された熱
可塑性樹脂組成物からなる成形体は、剛性、表面硬度な
どの機械的強度に優れ、外観、表面光沢、寸法安定性等
に優れている。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るロジン酸被覆
無機充填剤、および該無機充填剤が配合された熱可塑性
樹脂組成物について具体的に説明する。
【0018】[ロジン酸被覆無機充填剤(C)]本発明
に係るロジン酸被覆無機充填剤(C)は、(A)無機充
填剤と、該無機充填剤(A)の表面を被覆する(B)ロ
ジン酸(ロジン中に含まれる樹脂酸)および/またはそ
の誘導体(これらをまとめて表面被覆剤ともいう)とか
らなり、ロジン酸および/またはその誘導体(B)の量
が、該無機充填剤(A)100重量部に対して0.01
〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部、より
好ましくは0.1〜10重量部である。
【0019】このロジン酸および/またはその誘導体の
量が上記範囲にあると、ロジン酸被覆無機充填剤の分散
性が向上し、しかも無機充填剤の粉体の性状が良好とな
り、取扱い性に優れるようになる。
【0020】このように無機充填剤(A)の表面を
(B)ロジン酸および/またはその誘導体にて被覆した
状態においては、無機充填剤(A)の表面全体あるいは
一部表面に、ロジン酸および/またはロジン酸誘導体が
存在している。
【0021】以下、このようなロジン酸被覆無機充填剤
(C)を構成する無機充填剤(A)、ロジン酸および/
またはその誘導体(B)について順次説明する。 <(A)無機充填剤>無機充填剤としては、従来から公
知の無機充填剤を用いることができ、特に限定されるも
のではないが、これらの無機充填剤は、周期律表第I
族、II族、III族の金属元素を含む化合物であるこ
とが好ましく、Mg、K、Na、Alから選ばれる少な
くとも1種の金属元素を含む化合物であることがより好
ましい。
【0022】具体的には、タルク、カオリナイト、焼成
クレー、パイロフィライト、セリサイト、ウォラスナイ
ト、モンモリロナイトなどの天然珪酸または珪酸塩、沈
降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグ
ネシウムなどの酸化物、ハイドロタルサイト、含水珪酸
カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪
酸などの合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填剤;マ
イカなどのフレーク状充填剤;塩基性硫酸マグネシウム
ウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Proces
sed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、
エレスタダイトなどの繊維状充填剤;ガラスバルン、シ
ラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填
剤;などを例示することができる。
【0023】これらの中では、タルク、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ハイドロ
タルサイトが好ましく用いられる。本発明では、これら
のうちでもタルクが好ましく用いられ、特に平均粒径が
0.01〜20μmの微粉末タルクが好ましく用いられ
る。 <(B)ロジン酸および/またはその誘導体>ロジン酸
および/またはその誘導体(B)のうちで、ロジン酸と
しては、ピマル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン
酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン
酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロア
ビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などの樹脂酸が
挙げられる。
【0024】また、ロジン酸誘導体としては、上記のよ
うなロジン酸と、金属化合物、アルコール、アミン、ア
ミドなどとの反応により、含まれる酸の一部または全部
が化学的に修飾されたものが挙げられ、後述するような
ロジン酸金属塩、ロジン酸エステル、ロジン酸アミド、
ロジン酸イミドなどが挙げられる。
【0025】ロジン酸および/またはその誘導体(B)
が含まれるロジン類としては、ガムロジン、トール油ロ
ジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;不均化ロジン、
水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α, β-
エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性
ロジン;前記天然ロジンの精製物;変性ロジンの精製
物;などを例示できる。
【0026】なお、前記α, β-エチレン性不飽和カル
ボン酸変性ロジンの調製に用いられる不飽和カルボン酸
としては、たとえばマレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸などを挙げることができる。
【0027】これらの中では、天然ロジン、変性ロジ
ン、天然ロジンの精製物および変性ロジンの精製物が好
ましい。本発明においては、ロジン酸として下記式(I
a)で表される化合物〔化合物(Ia)〕または下記式
(Ib)で表される化合物〔化合物(Ib)〕を用いる
ことが好ましい。
【0028】
【化3】
【0029】式(Ia)および式(Ib)中、R1、R2
およびR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、水
素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール
基である。
【0030】アルキル基として直鎖状または分岐状の何
れであってもよく、このようなアルキル基としては、例
えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブ
チル、i-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘプチル、
オクチルなどの炭素原子数が1〜8のアルキル基が挙げ
られ、これらの基はヒドロキシル基、カルボキシル基、
アルコキシ基(例:CnH2n+1O−、n=1〜10、好
ましくは1〜6程度。以下同様)、ハロゲン(例:F、
Cl、Br、I等)などの置換基を有していてもよい。
【0031】シクロアルキル基として具体的には、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭
素原子数が5〜8のシクロアルキル基が挙げられ、これ
らの基はヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ
基、ハロゲンなどの置換基を有していてもよい。
【0032】アリール基としては、フェニル基、トリル
基、ナフチル基などの炭素原子数が6〜10のアリール
基が挙げられ、これらの基はヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アルコキシ基、ハロゲンなどの置換基を有して
いてもよい。
【0033】このような化合物(Ia)および化合物
(Ib)のなかでは、R1、R2およびR3がそれぞれ、
同一または異なるアルキル基である化合物が好ましく、
R1がi-プロピル基であり、R2およびR3がメチル基で
ある化合物がより好ましい。このようなロジン酸および
/またはその誘導体にて表面被覆(表面処理、コーティ
ング)を行った無機充填剤(C)が、熱可塑性樹脂組成
物中に配合されると、該組成物中に良好に分散し、剛
性、表面硬度等の機械的強度に優れた組成物が得られ、
該組成物は成形時等の寸法安定性に優れ、また該組成物
から形成された成形体は表面光沢に優れる。
【0034】化合物(Ia)として具体的には、デヒド
ロアビエチン酸などが挙げられ、化合物(Ib)として
具体的には、ジヒドロアビエチン酸などが挙げられる。
このような化合物(Ia)および化合物(Ib)のうち
で、たとえば式(Ia)で表されるデヒドロアビエチン
酸類は、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンな
どの天然ロジンを不均化または脱水素化し、次いで精製
することにより得られる。なお、天然ロジンには、ピマ
ル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン酸、イソピマ
ル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビ
エチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、
テトラヒドロアビエチン酸などの樹脂酸が、通常複数種
含まれている。
【0035】本発明においてロジン酸誘導体すなわちロ
ジン中に含まれる樹脂酸の誘導体としては、上記のよう
なロジン酸と、金属化合物、アルコール、アミン、アミ
ドなどとの反応により、含まれる酸の一部または全部が
化学的に修飾されたロジン酸金属塩、ロジン酸エステ
ル、ロジン酸アミド、ロジン酸イミドなどが挙げられ、
このうちでロジン酸金属塩は、ロジン酸と金属化合物と
の反応生成物である。
【0036】前記ロジン酸と反応して金属塩を形成する
金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウムなどの金属元素を有し、かつ前記ロジン酸と造塩す
る化合物が挙げられる。具体的には、前記金属の塩化
物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化
物などが挙げられる。
【0037】本発明では、ロジン酸金属塩が、前記ロジ
ン酸のナトリウム塩、前記ロジン酸のカリウム塩および
前記ロジン酸のマグネシウム塩からなる群より選ばれる
ロジン酸金属塩であることが好ましい。さらに前記ロジ
ン酸金属塩が、水素化ロジンの金属塩、不均化ロジンの
金属塩および脱水素化ロジンの金属塩からなる群より選
ばれるロジン酸金属塩であることが好ましく、中でもデ
ヒドロアビエチン酸金属塩、ジヒドロアビエチン酸金属
塩およびジヒドロピマル酸金属塩からなる群より選ばれ
るロジン酸金属塩であることが好ましい。
【0038】このようなロジン酸金属塩の製造方法とし
ては、例えば、本願出願人が先に提案した特開平8-5
9968号公報に示されるような従来公知の方法が採用
できる。
【0039】本発明においては、ロジン酸金属塩を合成
する際には、ロジン酸として前記式(Ia)で表される
化合物〔化合物(Ia)〕または前記式(Ib)で表さ
れる化合物〔化合物(Ib)〕を用いることが好まし
い。
【0040】すなわち、
【0041】
【化4】
【0042】[式(Ia)および式(Ib)中、R1、
R2およびR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基である。]。
【0043】化合物(Ia)および化合物(Ib)のな
かでは、R1、R2およびR3がそれぞれ、同一または異
なるアルキル基である化合物が好ましく、R1がイソプ
ロピル基であり、R2およびR3がメチル基である化合物
がより好ましい。このような化合物の金属塩にて表面被
覆を行った無機充填剤は、該無機充填剤が配合される樹
脂組成物の物性向上に寄与する。
【0044】このような化合物(Ia)として具体的に
は、デヒドロアビエチン酸などが挙げられ、化合物(I
b)として具体的には、ジヒドロアビエチン酸などが挙
げられる。
【0045】また、前記化合物(Ia)の金属塩として
は、下記式(IIa)で表される化合物〔化合物(II
a)〕が挙げられ、前記化合物(Ib)の金属塩として
は、下記式(IIb)で表される化合物〔化合物(II
b)〕が挙げられる。
【0046】
【化5】
【0047】式(IIa)および(IIb)中、R1、R2お
よびR3は、前記式(Ia)および(Ib)と同様であ
る。Mは、1〜3価の金属イオンであり、具体的には、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ムなどの1価の金属イオン;ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛など
の2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イ
オン;が挙げられる。これらのうち1価または2価の金
属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン、マグネシウムイオンであることがより好
ましい。
【0048】nは、前記金属イオンMの価数と同一の整
数であり、1〜3の整数である。化合物(IIa)および
化合物(IIb)のなかでは、R1、R2およびR3がそれ
ぞれ、同一もしくは異なるアルキル基である化合物、ま
たは、Mが1価もしくは2価の金属イオンである化合物
が好ましく、R1がi-プロピル基であり、R2およびR3
がメチル基である化合物(すなわち、デヒドロアビエチ
ン酸系またはジヒドロアビエチン酸系の化合物)、また
は、Mがナトリウムイオン、カリウムイオンもしくはマ
グネシウムイオンである化合物がより好ましく、R1がi
-プロピル基であり、R2およびR3がメチル基であり、
かつ、Mがナトリウムイオン、カリウムイオンもしくは
マグネシウムイオンである化合物が特に好ましい。
【0049】化合物(IIa)として具体的には、たとえ
ばデヒドロアビエチン酸リチウム、デヒドロアビエチン
酸ナトリウム、デヒドロアビエチン酸カリウム、デヒド
ロアビエチン酸ベリリウム、デヒドロアビエチン酸マグ
ネシウム、デヒドロアビエチン酸カルシウム、デヒドロ
アビエチン酸亜鉛、デヒドロアビエチン酸アルミニウム
などのデヒドロアビエチン酸金属塩などが挙げられ、デ
ヒドロアビエチン酸ナトリウム、デヒドロアビエチン酸
カリウム、デヒドロアビエチン酸マグネシウムが好まし
く用いられる。
【0050】化合物(IIb)として具体的には、たとえ
ばジヒドロアビエチン酸リチウム、ジヒドロアビエチン
酸ナトリウム、ジヒドロアビエチン酸カリウム、ジヒド
ロアビエチン酸ベリリウム、ジヒドロアビエチン酸マグ
ネシウム、ジヒドロアビエチン酸カルシウム、ジヒドロ
アビエチン酸亜鉛、ジヒドロアビエチン酸アルミニウム
などのジヒドロアビエチン酸金属塩などが挙げられ、ジ
ヒドロアビエチン酸ナトリウム、ジヒドロアビエチン酸
カリウム、ジヒドロアビエチン酸マグネシウムが好まし
く用いられる。
【0051】本発明では、上記のような無機充填剤
(A)用の表面被覆剤(表面処理剤)として少なくとも
2種のロジン酸金属塩を用いてもよい。この少なくとも
2種のロジン酸金属塩は、同一のロジン酸に異なる金属
を反応させてなるロジン酸金属塩を少なくとも2種含ん
でいてもよく、異なるロジン酸に同一の金属を反応させ
てなるロジン酸金属塩を少なくとも2種含んでいてもよ
く、異なるロジン酸に異なる金属を反応させてなるロジ
ン酸金属塩を少なくとも2種含んでいてもよい。
【0052】少なくとも2種のロジン酸金属塩中のロジ
ン酸金属塩の量比は任意であるが、少なくとも2種のロ
ジン酸金属塩中のロジン酸金属塩の合計量(100モル
%)に対して、1種のロジン酸金属塩が0モル%を超
え、好ましくは5〜95モル%の量で、他の1種以上
(残部)のロジン酸金属塩が100モル%未満、好まし
くは95〜5モル%の割合となるように組み合わせるこ
とが望ましい。
【0053】少なくとも2種のロジン酸金属塩の組み合
わせとしては、ロジン酸マグネシウム塩と、ロジン酸ナ
トリウム塩および/またはロジン酸カリウム塩との組み
合わせが好ましい。さらには、少なくとも2種のロジン
酸金属塩中のロジン酸金属塩の合計量(100モル%)
に対しロジン酸マグネシウム塩が20モル%以上、好ま
しくは40〜95モル%、より好ましくは45〜80モ
ル%の量で、ロジン酸ナトリウム塩および/またはロジ
ン酸カリウム塩が80モル%以下、好ましくは60〜5
モル%、より好ましくは55〜20モル%の割合となる
ように組み合わせることが望ましい。
【0054】また、この他のロジン酸誘導体としては、
ロジン酸エチレングリコールエステル、ロジン酸のグリ
セリンエステル、ロジン酸ペンタエリスリトールエステ
ル、ロジン酸高級アルキルエステル、ロジン酸高級アル
キルアミドなどが挙げられる。
【0055】この中で、ロジン酸エチレングリコールエ
ステルは、モノロジン酸エチレングリコールエステルで
あっても、ジロジン酸エチレングリコールエステルであ
っても、ロジン酸ポリエチレングリコールエステルであ
ってもよい。
【0056】また、ロジン酸グリセリンエステルは、モ
ノロジン酸グリセリンエステルであっても、ジロジン酸
グリセリンエステルであっても、トリロジン酸グリセリ
ンエステルであっても、ロジン酸ポリグリセリンエステ
ルであってもよい。
【0057】さらには、ロジン酸ペンタエリスリトール
エステルは、モノロジン酸ペンタエリスリトールエステ
ルであっても、ジロジン酸ペンタエリスリトールエステ
ルであっても、トリロジン酸ペンタエリスリトールエス
テルであっても、テトラロジン酸ペンタエリスリトール
エステルであっても、モノロジン酸ポリペンタエリスリ
トールエステルであってもよい。
【0058】具体的には、例えば、デヒドロアビエチン
酸エチレングリコールエステル、デヒドロアビエチン酸
グリセリンエステル、デヒドロアビエチン酸ペンタエリ
スリトールエステル、デヒドロアビエチン酸高級アルコ
ールエステル、デヒドロアビエチン酸高級アルキルアミ
ド、ジデヒドロアビエチン酸エチレングリコールエステ
ル、ジデヒドロアビエチン酸グリセリンエステル、ジヒ
ドロアビエチン酸ペンタエリスリトールエステル、ジヒ
ドロアビエチン酸酸高級アルキルエステル、ジヒドロア
ビエチン酸高級アルキルアミドなどが挙げられる。
【0059】このようなロジン酸誘導体は、単独で用い
てもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明
の上記ロジン酸および/またはその誘導体(B)として
は、少なくともロジン酸を含有していることが好まし
い。ロジン酸の含有量は、20モル%以上が好ましく、
40モル%以上含有するのがより好ましく、60モル%
以上含有することが特に好ましい。このような量でロジ
ン酸が含まれていると、溶融混練して得られる樹脂組成
物からなる成形体は、剛性、表面硬度などの機械的強度
に優れ、外観、表面光沢、寸法安定性等に優れる傾向が
ある。
【0060】本発明においては、上記ロジン酸および/
またはその誘導体(B)としては、デヒドロアビエチン
酸、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロピマル酸のうちか
ら選択される少なくとも1種のロジン酸および/または
その誘導体を主成分、すなわち上記ロジン酸およびその
誘導体の合計量(100モル%)に対し、デヒドロアビ
エチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロピマル酸お
よび/またはこれらの誘導体が通常5〜100モル%、
好ましくは20〜100モル%、特に好ましくは40〜
100モル%の量で含まれていることが望ましい。この
ような量で上記デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸および
/またはその誘導体が含まれていると、溶融混練して得
られる樹脂組成物からなる成形体は、剛性、表面硬度な
どの機械的強度に優れ、外観、表面光沢、寸法安定性等
に優れる傾向がある。
【0061】また、本発明においては、上記ロジン酸お
よび/またはその誘導体(B)としては、前記ロジン酸
(Ia)および/またはロジン酸(Ib)あるいはこれ
らの誘導体が上記のような量で含まれていることが特に
好ましい。 <ロジン酸被覆無機充填剤の製造>このようなロジン酸
被覆無機充填剤を得るには、従来公知のいかなる方法を
用いても良い。例えば、無機充填剤(A)の表面をロジ
ン酸および/またはその誘導体(B)の軟化・溶融物あ
るいは樹脂酸等の含有液にてコーティングする方法や、
無機充填剤とロジン酸および/またはその誘導体とを所
定量比で混合し適当な温度下で高速混合する方法などが
挙げられる。
【0062】コーティングによる方法としては、さらに
具体的には、例えば、有機溶媒にロジン酸を溶解させ、
そのロジン酸溶液中に任意量の無機充填剤を添加し、十
分に撹拌を行った後、固体成分をろ過、乾燥させるよう
な方法が挙げられる。なお、このロジン酸に代えてロジ
ン酸誘導体を用いてもよく、このロジン酸と共にその誘
導体を用いてもよい。有機溶媒としては、ロジン酸をコ
ーティングする場合には、トルエン、キシレンが好適に
用いられる。このような無機充填剤の表面被覆の際に
は、無機充填剤(A)100重量部に対して、ロジン酸
および/またはその誘導体(B)は0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは
0.1〜10重量部の量で用いられる。
【0063】[熱可塑性樹脂組成物]本発明に係る熱可
塑性樹脂組成物は、下記(D)熱可塑性樹脂と、上記の
ロジン酸被覆無機充填剤(C)とを含有している。
【0064】このような本発明の熱可塑性樹脂組成物に
は、熱可塑性樹脂(D)100重量部に対して、ロジン
酸被覆無機充填剤(C)は、0.01〜100重量部、
好ましくは0.1〜30重量部の量で含まれていること
が望ましい。
【0065】このロジン酸被覆無機充填剤(C)が上記
量で含まれていると、得られる熱可塑性樹脂組成物から
成る成形品の剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的
強度;寸法安定性;表面光沢などの成形品外観;がバラ
ンス良く充分に向上する。 <(D)熱可塑性樹脂>熱可塑性樹脂としては、ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタ
ジエン共重合体(ABS)、ポリメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビ
ニルなどが挙げられる。
【0066】ポリオレフィンとしては、1種類のオレフ
ィン(通常炭素数2以上、好ましくは炭素数2〜15程
度)の単独重合体であっても、2種以上のオレフィンの
共重合体であってもよく、またブロック共重合体、ラン
ダム共重合体などの何れであってもよい。
【0067】このようなポリオレフィンとしては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、
ポリメチルペンテン、ポリメチルブテンなどのオレフィ
ン単独重合体;エチレン・α−オレフィンランダム共重
合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・
エチレンブロック共重合体、プロピレン・α−オレフィ
ンブロック共重合体などのオレフィン共重合体;などを
挙げることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、プ
ロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・α
−オレフィンブロック共重合体が好ましい。なお、ポリ
オレフィンが炭素原子数3以上のオレフィンから得られ
るポリオレフィンである場合には、アイソタクチック重
合体であってもよく、シンジオタクチック共重合体であ
ってもよい。これらの中では、特にポリプロピレンを主
体とした重合体が好ましい。また、このようなポリオレ
フィンは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0068】なお、上記ポリオレフィンの製造の際に
は、触媒として、チーグラー・ナッタ型触媒または、メ
タロセン触媒のいずれをも用いることができる。ポリエ
ステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
の芳香族系ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリヒ
ドロキシブチレートなどを挙げることができ、ポリエチ
レンテレフタレートが特に好ましい。このようなポリエ
ステルは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0069】ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロ
ン−46等の脂肪族ポリアミド;芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミド;など
を挙げることができ、ナイロン−6が特に好ましい。こ
のようなポリアミドは、単独で用いてもよく、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0070】ポリアセタールとしては、ポリホルムアル
デヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒ
ド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド
などを挙げることができ、ポリホルムアルデヒドが特に
好ましい。このようなポリアセタールは、単独で用いて
もよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0071】ポリスチレンは、スチレンの単独重合体で
あってもよく、スチレンとアクリロニトリル、メタクリ
ル酸メチル、α−メチルスチレンなどとの二元共重合
体、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体であ
ってもよい。
【0072】ABSとしては、アクリロニトリルから誘
導される構成単位を20〜30モル%の量で含有し、ブ
タジエンから誘導される構成単位を20〜30モル%の
量で含有し、スチレンから誘導される構成単位を40〜
60モル%の量で含有するものが好ましく用いられる
(但し全構成単位の合計を100モル%とする)。
【0073】ポリメタクリレートとしては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)が、好ましい。ポリカーボ
ネートとしては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)ブタンなどから得られるものを挙げ
ることができ、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロ
パンから得られるポリカーボネートが好ましい。
【0074】ポリフェニレンオキシドとしては、ポリ
(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシド)が好まし
い。ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの単独重合体であっ
てもよく、塩化ビニルと、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、アクリロニトリル、プロピレンなどとの共重
合体であってもよい。
【0075】上記のような熱可塑性樹脂は、1種単独で
または2種以上組み合わせて用いることができる。これ
らのうちでは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミドおよびポリアセタールが好ましく、ポリオレフィン
がより好ましく、ポリプロピレン、プロピレン・エチレ
ンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合
体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体が機
械的性質の改善効果が大きいため好ましい。 <熱可塑性樹脂組成物の製造>本発明に係る熱可塑性樹
脂組成物を製造するには、従来公知の方法を利用するこ
とができる。この熱可塑性樹脂組成物は、例えば、上記
熱可塑性樹脂(D)と、表面被覆された上記量の無機充
填剤(C)と、必要により配合される架橋剤等の配合剤
とを押出機、ニーダーなどを用いて熱可塑性樹脂の融点
以上で分解温度以下の温度、好ましくは熱可塑性樹脂の
融点+10℃〜融点+100℃の温度で、通常0.2〜
20分間、好ましくは0.5〜10分間程度、溶融混練
することにより得られる。
【0076】具体的には、例えば、熱可塑性樹脂(D)
がポリオレフィンである場合には、通常170〜300
℃、好ましくは180〜250℃の温度で、通常0.2
〜20分間、好ましくは0.5〜10分間、熱可塑性樹
脂(D)のポリオレフィンと、ロジン酸被覆無機充填剤
(C)とを溶融混練すればよい。
【0077】このようにして得られた本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、(イ)表面被覆を施してない無機充填剤
や、(ロ)従来公知の方法で表面処理(例:シランカップ
リング剤表面処理)された無機充填剤を熱可塑性樹脂に
配合したものに比べて、剛性、耐熱剛性などの機械的特
性に優れている。
【0078】これは、ロジン酸および/またはその誘導
体(B)にて、無機充填剤に表面被覆を施すことによ
り、表面被覆されていない無機充填剤(A)などに比べ
てその分散性が向上したのに加え、ロジン酸および/ま
たはその誘導体(B)の中にロジン酸を含む場合にはロ
ジン酸の一部が無機充填剤中の金属イオンと反応し、樹
脂の結晶化速度を向上させたことに起因するのであろう
と考えられる。
【0079】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、架
橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離型剤、無機充
填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤
が、本発明の目的を損なわない範囲で含まれていてもよ
い。
【0080】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、家庭用品
から工業用品に至る広い用途、たとえば、食品容器、電
気部品、電子部品、自動車部品、機械機構部品、フィル
ム、シート、繊維などの各種成形体製造用の素材として
好適に使用される。
【0081】
【発明の効果】本発明に係るロジン酸被覆無機充填剤
は、充填剤の表面がロジン酸および/またはその誘導体
にて表面被覆されて成っており、充填剤の表面をシラン
カップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、有機
チタネートなどで表面処理した従来の充填剤に比べて、
分散性に優れ、結晶性を向上させうる。
【0082】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、充
填剤の表面をロジン酸および/またはその誘導体にて表
面被覆した無機充填剤が含有されており、このような充
填剤を含有する熱可塑性樹脂組成物によれば、無機充填
剤の表面をシランカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂
肪酸金属塩、有機チタネートなどで表面処理した従来の
充填剤を含有する熱可塑性樹脂組成物に比べて、あるい
は、充填剤とロジン酸と熱可塑性樹脂とを直接配合し溶
融混練してなる熱可塑性樹脂組成物に比べて、外観、機
械的性質など上記した種々の特性に優れた成形体が得ら
れる。
【0083】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定され
るものではない。
【0084】なお、実施例、比較例での略号等の意味は
下記の通り。 (イ)ロジン酸:デヒドロアビエチン酸 (ロ)無機充填剤(C-1):タルク(平均粒径15μm)に
ロジン酸をタルク重量の2重量%の量でコーティングし
たもの。
【0085】(ハ)無機充填剤(C-2):タルク(平均粒径
15μm)にロジン酸をタルク重量の5重量%の量でコ
ーティングしたもの。 (ニ)無機充填剤(C-3):タルク(平均粒径15μm)
に、ロジン酸部分マグネシウム塩(マグネシウム塩含有
率:25%)をタルク重量の5重量%の量でコーティン
グしたもの。
【0086】(ホ)無機充填剤(CX):タルク(平均粒径
15μm)、コーティングなし。 <評価項目> (a)結晶化温度(Tc):得られたペレットを、示差走
査熱量計(DSC)により溶融状態から一定速度(10
℃/分)で冷却し、結晶化発熱ピーク温度[結晶化温度
(Tc)]を測定することにより結晶化速度を評価し
た。結晶化速度(Tc)の上昇効果の高いものほど結晶
化速度が速い。
【0087】(b)曲げ弾性率(FM):長さ5インチ、
幅1/2インチ、厚み1/8インチの射出成形試験片を
用い、ASTM D 638に準拠して曲げ弾性率を測定
した。
【0088】(c)熱変形温度(HDT):長さ5イン
チ、幅1/4インチ、厚み1/2インチの射出成形試験
片を用い、ASTM D 648に準拠して熱変形温度を
測定した。熱変形温度が高いものほど耐熱性が大きい。
【0089】(d)表面硬度(HR):長さ12cm、幅
12cm、厚さ3.0mmの射出成形角板を用い、AS
TM D-785に準拠してロックウェル硬度(Rスケー
ル)を測定した。その値が大きいほど硬度が高い。
【0090】(e)表面光沢度(グロス):長さ12c
m、幅12cm、厚さ3.0mmの射出成形角板の中央
部について、JIS K 7105に準拠し、60゜のグ
ロスを測定し、外観を評価した。その値が大きいほど表
面光沢が大きい。
【0091】
【実施例1】プロピレンブロックコポリマー(略号:b
-PP、温度230℃、荷重2.16kgで測定したM
FR:27g/10分)100重量部に、無機充填剤
(C-1)を10重量部、イルガノックス1010TM(Irg
anox1010TM、チバガイギー社製、酸化防止剤)0.1重
量部、およびステアリン酸カルシウム(CaSt)0.
1重量部を添加し、30mmφ二軸押出機により樹脂温
度220℃で溶融混練しペレットを製造した。
【0092】得られたプロピレンブロックコポリマーペ
レットを用い、シリンダー温度200℃、金型温度40
℃で射出成形し各種の試験片を作成した。この試験片を
用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。
【0093】結果を表1に示す。
【0094】
【実施例2】実施例1において、無機充填剤(C-1)を
20重量部用いた以外は、実施例1と同様にして試験片
を作成し、各種物性の測定を行った。
【0095】結果を表1に示す。
【0096】
【実施例3】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(C-2)を10重量部用いた以外
は、実施例1と同様にして試験片を作成し、各種物性の
測定を行った。
【0097】結果を表1に示す。
【0098】
【実施例4】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(C-3)を10重量部用いた以外
は、実施例1と同様にして試験片を作成し、各種物性の
測定を行った。
【0099】結果を表1に示す。
【0100】
【比較例1】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(CX)を10重量部用いた以外は、
実施例1と同様にして試験片を作成し、各種物性の測定
を行った。
【0101】結果を表1に示す。
【0102】
【比較例2】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(CX)を20重量部用いた以外は、
実施例1と同様にして試験片を作成し、各種物性の測定
を行った。
【0103】結果を表1に示す。
【0104】
【比較例3】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(CX)を10重量部と、ロジン酸を
0.2重量部用いた以外は、実施例1と同様にして試験
片を作成し、各種物性の測定を行った。
【0105】結果を表1に示す。
【0106】
【比較例4】実施例1において、無機充填剤(C-1)の
代わりに無機充填剤(CX)を10重量部と、ロジン酸を
0.5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして試験
片を作成し、各種物性の測定を行った。
【0107】結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/00 C08L 77/00 101/00 101/00 C09C 1/02 C09C 1/02 1/28 1/28 (72)発明者 前 田 正 雄 大阪府大阪市鶴見区鶴見一丁目1番9号 荒川化学工業株式会社内 (72)発明者 夏 原 英 介 大阪府大阪市鶴見区鶴見一丁目1番9号 荒川化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)無機充填剤と、該無機充填剤(A)
    の表面を被覆する(B)ロジン酸および/またはその誘
    導体とからなり、 ロジン酸および/またはその誘導体(B)の量が、該無
    機充填剤(A)100重量部に対して0.01〜20重
    量部であることを特徴とするロジン酸被覆無機充填剤。
  2. 【請求項2】前記無機充填剤(A)が周期律表第I族、
    II族、III族のうちから選ばれる1種以上の金属元
    素を含む少なくとも1種の化合物であることを特徴とす
    る請求項1に記載のロジン酸被覆無機充填剤。
  3. 【請求項3】前記無機充填剤(A)がMg、K、Na、
    Alのうちから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含
    む少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求
    項1〜2の何れかに記載のロジン酸被覆無機充填剤。
  4. 【請求項4】前記無機充填剤(A)がマグネシウム化合
    物である請求項1〜3の何れかに記載のロジン酸被覆無
    機充填剤。
  5. 【請求項5】前記無機充填剤(A)がタルク、炭酸マグ
    ネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ハ
    イドロタルサイトのうちから選ばれる少なくとも1種の
    化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のロジン酸被覆無機充填剤。
  6. 【請求項6】前記ロジン酸および/またはその誘導体
    (B)が、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン
    酸、ジヒドロピマル酸のうちから選択される少なくとも
    1種のロジン酸またはその誘導体を主成分とすることを
    特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のロジン酸被覆
    無機充填剤。
  7. 【請求項7】前記ロジン酸および/またはその誘導体
    (B)が、下記式(Ia)で表されるロジン酸および下
    記式(Ib)で表されるロジン酸のうちから選択される
    少なくとも1種のロジン酸またはその誘導体を主成分と
    することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のロ
    ジン酸被覆無機充填剤; 【化1】 [式(Ia)、(Ib)中、R1、R2およびR3は、水
    素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール
    基を示し、各同一であっても異なっていてもよい]。
  8. 【請求項8】(D)熱可塑性樹脂と、請求項1〜7の何
    れかの項に記載のロジン酸被覆無機充填剤(C)とを含
    有し、該熱可塑性樹脂(D)100重量部に対し、ロジ
    ン酸被覆無機充填剤(C)が0.01〜100重量部の
    量で配合されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】前記熱可塑性樹脂(D)が、ポリオレフィ
    ン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアセタールか
    らなる群より選ばれる1種以上の結晶性熱可塑性樹脂で
    ある請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(D)熱可塑性樹脂と、請求項1〜7の
    何れかの項に記載のロジン酸被覆無機充填剤(C)と
    を、溶融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
JP12367398A 1998-05-06 1998-05-06 無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物 Pending JPH11315221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12367398A JPH11315221A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12367398A JPH11315221A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11315221A true JPH11315221A (ja) 1999-11-16

Family

ID=14866477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12367398A Pending JPH11315221A (ja) 1998-05-06 1998-05-06 無機充填剤および該無機充填剤が配合された樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11315221A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303269A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Harima Chem Inc 顆粒状タルク及び当該タルク含有の熱可塑性樹脂成形材料
WO2009119759A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 宇部興産株式会社 ポリアミド樹脂組成物
JP2011122074A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 As R&D合同会社 制振複合フィラー及びそれを用いた制振材料
US8063127B2 (en) * 2005-12-06 2011-11-22 Polyplastics Co., Ltd. Antihazing agent for noncrystalline cycloolefin resins, resin compositions, and optical elements
WO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
KR20210109638A (ko) * 2019-11-29 2021-09-06 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 폴리아세탈 섬유 및 그의 제조 방법, 및 연신용 재료
JP2022141595A (ja) * 2021-03-15 2022-09-29 荒川化学工業株式会社 樹脂組成物、成形体及びポリオレフィン樹脂用の流動性向上剤

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8063127B2 (en) * 2005-12-06 2011-11-22 Polyplastics Co., Ltd. Antihazing agent for noncrystalline cycloolefin resins, resin compositions, and optical elements
JP2008303269A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Harima Chem Inc 顆粒状タルク及び当該タルク含有の熱可塑性樹脂成形材料
WO2009119759A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 宇部興産株式会社 ポリアミド樹脂組成物
JP5585443B2 (ja) * 2008-03-28 2014-09-10 宇部興産株式会社 ポリアミド樹脂組成物
JP2011122074A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 As R&D合同会社 制振複合フィラー及びそれを用いた制振材料
WO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
CN103814082A (zh) * 2011-11-10 2014-05-21 尤尼吉可株式会社 热塑性树脂组合物及由其形成的成型体
JPWO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2015-04-02 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
CN103814082B (zh) * 2011-11-10 2016-05-25 尤尼吉可株式会社 热塑性树脂组合物及由其形成的成型体
TWI579336B (zh) * 2011-11-10 2017-04-21 由尼帝佳股份有限公司 熱可塑性樹脂組成物及由該熱可塑性樹脂組成物製成之成形體
KR20210109638A (ko) * 2019-11-29 2021-09-06 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 폴리아세탈 섬유 및 그의 제조 방법, 및 연신용 재료
JP2022141595A (ja) * 2021-03-15 2022-09-29 荒川化学工業株式会社 樹脂組成物、成形体及びポリオレフィン樹脂用の流動性向上剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201012858A (en) Filled poly vinyl chloride composition
CA2032704A1 (en) Thermoplastic resin compositions
US5075354A (en) Polyester resin composition and process for the preparation thereof
JP2932904B2 (ja) マイカ補強ポリプロピレン樹脂組成物
JP3575510B2 (ja) 樹脂組成物および結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JPH11323146A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法およびそれに用いる結晶核剤組成物
JPH09157437A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂用マスターバッチ組成物
JPH0422936B2 (ja)
JPH054228A (ja) 再生樹脂組成物及びその再生方法
JP3320584B2 (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物
US5314946A (en) Polyolefin resin compositions, methods of making such compositions, and molded articles formed thereof
JP3364004B2 (ja) ポリオレフィン用結晶核剤およびポリオレフィン組成物
JPH1060162A (ja) 樹脂組成物および結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JPH01131260A (ja) プラスチックマグネット組成物
JPH11279418A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JPH06220258A (ja) 色相の改良されたポリオレフィン樹脂組成物
JPH08277366A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物
JP2001261971A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JPH01131259A (ja) プラスチックマグネット組成物
JP2741262B2 (ja) 無機充填剤含有ポリオレフィン組成物
JPH10226754A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JPH0859968A (ja) ポリエステル用結晶核剤
JPH08302079A (ja) 結晶性ポリオレフィン組成物
JPH04252245A (ja) 無機充填剤含有ポリオレフィン組成物
JPS58162652A (ja) 大型成形品用ポリプロピレン組成物