JPH11316973A - 光記録媒体の製造方法およびその方法で製造される光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体の製造方法およびその方法で製造される光記録媒体Info
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- JPH11316973A JPH11316973A JP10134659A JP13465998A JPH11316973A JP H11316973 A JPH11316973 A JP H11316973A JP 10134659 A JP10134659 A JP 10134659A JP 13465998 A JP13465998 A JP 13465998A JP H11316973 A JPH11316973 A JP H11316973A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微小なピットあるいは溝が形成された基板上
にスピンコート法若しくは加熱真空蒸着法により光機能
性有機化合物を含有する薄膜が形成されてなる超解像光
ディスクにおいて、液体媒体により基板が侵される、ピ
ットあるいは溝が上記の有機化合物により埋められる、
昇華性を示さない化合物を使用できないなどの問題があ
る。 【解決手段】 基板上に、真空チャンバー内で前記有機
化合物の溶液または分散液を可視光線または赤外線を照
射しながら噴霧ノズルから噴霧して薄膜層を形成し、加
熱処理する。
にスピンコート法若しくは加熱真空蒸着法により光機能
性有機化合物を含有する薄膜が形成されてなる超解像光
ディスクにおいて、液体媒体により基板が侵される、ピ
ットあるいは溝が上記の有機化合物により埋められる、
昇華性を示さない化合物を使用できないなどの問題があ
る。 【解決手段】 基板上に、真空チャンバー内で前記有機
化合物の溶液または分散液を可視光線または赤外線を照
射しながら噴霧ノズルから噴霧して薄膜層を形成し、加
熱処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度記録用光記録
媒体の製造方法に関し、特に、有機化合物を含有する層
を有する、再生専用型、追記型あるいは書き換え可能型
の光ディスクの製造方法に関する。本発明は、また、上
記の製造方法による高密度記録用光記録媒体に関する。
媒体の製造方法に関し、特に、有機化合物を含有する層
を有する、再生専用型、追記型あるいは書き換え可能型
の光ディスクの製造方法に関する。本発明は、また、上
記の製造方法による高密度記録用光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスク(CD)を筆
頭に、高密度に記録された再生専用型光ディスク、一度
だけの記録が可能なライトワンス型光ディスク、あるい
は、書き換え可能な光磁気(MO)ディスクや相変化デ
ィスク(PD、CD−RW)などが急速に普及し始めて
いる。その中で、記録層などとして有機物を含有する層
を使用した光ディスクも種々開発され、実用に供されて
いる。
頭に、高密度に記録された再生専用型光ディスク、一度
だけの記録が可能なライトワンス型光ディスク、あるい
は、書き換え可能な光磁気(MO)ディスクや相変化デ
ィスク(PD、CD−RW)などが急速に普及し始めて
いる。その中で、記録層などとして有機物を含有する層
を使用した光ディスクも種々開発され、実用に供されて
いる。
【0003】有機化合物は、金属や無機化合物に比べ、
種類が非常に多いため、分子レベルで構造設計すること
により多数の機能を発現させることができ、高密度化、
高感度化が容易である。例えば、追記可能なCD(CD
−R)では、螺旋状の連続溝を有する透明樹脂基板上
に、液体媒体に溶解した有機色素をスピンコートして記
録層を形成することにより、安価で生産性の良好な光デ
ィスクが提供されている。
種類が非常に多いため、分子レベルで構造設計すること
により多数の機能を発現させることができ、高密度化、
高感度化が容易である。例えば、追記可能なCD(CD
−R)では、螺旋状の連続溝を有する透明樹脂基板上
に、液体媒体に溶解した有機色素をスピンコートして記
録層を形成することにより、安価で生産性の良好な光デ
ィスクが提供されている。
【0004】また、あらかじめ情報がピットとして記録
された透明基板上に、サーモクロミック化合物やフォト
クロミック化合物などの可逆性色素を有するマスク層を
形成した光ディスク、いわゆる、超解像光ディスクの研
究も進められている。
された透明基板上に、サーモクロミック化合物やフォト
クロミック化合物などの可逆性色素を有するマスク層を
形成した光ディスク、いわゆる、超解像光ディスクの研
究も進められている。
【0005】このようなマスク層が形成された光ディス
クにおいては、サーモクロミック化合物やフォトクロミ
ック化合物などの可逆性色素が有する、光強度に対する
光透過率の非線形変化を利用して、照射するレーザーの
波長とピックアップレンズの開口数(NA)で制限され
るレーザー光のスポット径を、このレーザー光の光強度
分布の強い領域のみを透過させることによって、照射し
た光をより小さいスポット径に絞り、より小さいピット
の再生を可能にし、結果として、より一層の高密度化が
達成されている。
クにおいては、サーモクロミック化合物やフォトクロミ
ック化合物などの可逆性色素が有する、光強度に対する
光透過率の非線形変化を利用して、照射するレーザーの
波長とピックアップレンズの開口数(NA)で制限され
るレーザー光のスポット径を、このレーザー光の光強度
分布の強い領域のみを透過させることによって、照射し
た光をより小さいスポット径に絞り、より小さいピット
の再生を可能にし、結果として、より一層の高密度化が
達成されている。
【0006】従来、上記のような有機化合物を含有する
層を基板上に形成する方法としては、前述のスピンコー
ト法が知られている。例えば、CD−Rのような記録層
に有機色素を使用した追記型光ディスクにおいては、通
常、螺旋状の連続溝を有する透明樹脂基板上に、液体媒
体に溶解させた有機色素をスピンコートして記録層を形
成している。ところが、従来のコンパクトディスクなど
の光ディスクの記録密度よりもさらに高密度化が図られ
ている次世代の光ディスクにおいては、ピットの大き
さ、深さ、あるいは、連続溝の溝幅、深さなどの寸法は
より小さくなる傾向にあるため、このような小さく浅い
ピットや細く浅い溝が形成された基板上に、有機液体媒
体に溶解させた色素などをスピンコートして層を形成す
ると、このピットおよび/または連続溝が埋まってしま
い、記録あるいは再生時にトラッキングを取ることが困
難になるなど、信号特性の劣化の原因になるという問題
がある。
層を基板上に形成する方法としては、前述のスピンコー
ト法が知られている。例えば、CD−Rのような記録層
に有機色素を使用した追記型光ディスクにおいては、通
常、螺旋状の連続溝を有する透明樹脂基板上に、液体媒
体に溶解させた有機色素をスピンコートして記録層を形
成している。ところが、従来のコンパクトディスクなど
の光ディスクの記録密度よりもさらに高密度化が図られ
ている次世代の光ディスクにおいては、ピットの大き
さ、深さ、あるいは、連続溝の溝幅、深さなどの寸法は
より小さくなる傾向にあるため、このような小さく浅い
ピットや細く浅い溝が形成された基板上に、有機液体媒
体に溶解させた色素などをスピンコートして層を形成す
ると、このピットおよび/または連続溝が埋まってしま
い、記録あるいは再生時にトラッキングを取ることが困
難になるなど、信号特性の劣化の原因になるという問題
がある。
【0007】さらに、最近の大部分の光ディスク類は、
コストや量産性の点から、基板として、ポリカーボネー
トに代表される非結晶性かつ光透過性の熱可塑性樹脂が
使用されている。しかしながら、この非結晶性の熱可塑
性樹脂は、有機溶剤に対する耐溶剤性が低い場合が多
く、そのため、次のような問題が生じる。
コストや量産性の点から、基板として、ポリカーボネー
トに代表される非結晶性かつ光透過性の熱可塑性樹脂が
使用されている。しかしながら、この非結晶性の熱可塑
性樹脂は、有機溶剤に対する耐溶剤性が低い場合が多
く、そのため、次のような問題が生じる。
【0008】(1)基板上に有機物を含有する層をスピ
ンコート法により形成する際に使用し得る、基板を侵さ
ない有機溶剤の種類が限定されてしまう。
ンコート法により形成する際に使用し得る、基板を侵さ
ない有機溶剤の種類が限定されてしまう。
【0009】(2)その基板を侵さない有機溶剤に溶解
する色素などの有機物の種類が、一層限定されてしま
う。
する色素などの有機物の種類が、一層限定されてしま
う。
【0010】一方、上述したスピンコート法以外に、有
機化合物を含有する層の形成方法として、真空蒸着法を
利用した光ディスクも研究されている。例えば、特開平
7−18693号公報には、基板上に、加熱真空蒸着法
によりサーモクロミック化合物などの可逆性色素を有す
るマスク層が形成された光ディスク、いわゆる、超解像
光ディスクの例が開示されている。超解像光ディスクの
ような小さなピットを有する基板上に、サーモクロミッ
ク化合物などの可逆性色素を有するマスク層を加熱真空
蒸着法を使用して形成することにより、前述のスピンコ
ート法のように、ピットおよび/または連続溝が埋めら
れてしまうことがなく、良好な超解像光ディスクを実現
することが可能となる。
機化合物を含有する層の形成方法として、真空蒸着法を
利用した光ディスクも研究されている。例えば、特開平
7−18693号公報には、基板上に、加熱真空蒸着法
によりサーモクロミック化合物などの可逆性色素を有す
るマスク層が形成された光ディスク、いわゆる、超解像
光ディスクの例が開示されている。超解像光ディスクの
ような小さなピットを有する基板上に、サーモクロミッ
ク化合物などの可逆性色素を有するマスク層を加熱真空
蒸着法を使用して形成することにより、前述のスピンコ
ート法のように、ピットおよび/または連続溝が埋めら
れてしまうことがなく、良好な超解像光ディスクを実現
することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この加
熱真空蒸着法にあっても、以下に示すような制約があ
り、必ずしも満足すべきものではない。
熱真空蒸着法にあっても、以下に示すような制約があ
り、必ずしも満足すべきものではない。
【0012】(1)安定して蒸着可能な有機化合物の種
類が限定される。例えば、シアニン色素などの有機イオ
ン性色素や高分子化合物は昇華性を示さないため、加熱
真空蒸着法で成膜することはできない。
類が限定される。例えば、シアニン色素などの有機イオ
ン性色素や高分子化合物は昇華性を示さないため、加熱
真空蒸着法で成膜することはできない。
【0013】(2)昇華性を有する有機化合物であって
も、無機物に比べて、一般的に加熱によって分解しやす
いため、成膜速度をあまり上げられず成膜に長時間を要
する。
も、無機物に比べて、一般的に加熱によって分解しやす
いため、成膜速度をあまり上げられず成膜に長時間を要
する。
【0014】(3)複数の種類の有機化合物を混合して
単一の蒸発源から、各々の昇華速度を制御しながら蒸着
することは困難であるため、複数種の有機化合物を同時
に蒸着させるためには、有機化合物の種類ごとに蒸着源
を用意しなければならない。
単一の蒸発源から、各々の昇華速度を制御しながら蒸着
することは困難であるため、複数種の有機化合物を同時
に蒸着させるためには、有機化合物の種類ごとに蒸着源
を用意しなければならない。
【0015】このような加熱真空蒸着法の欠点を補う方
法として、近年、溶液または分散液状態の有機系光学材
料を高真空チャンバー内に噴霧して基板上に堆積させ、
加熱処理することを特徴とする光学薄膜作成方法が、特
開平6−306181および7−252671号報に開
示され、また、学術文献[T.Hiraga,et.al.,J.Vac.Sci.
Technol.,A12(3),876-878(1994)およびT.Hiraga,et.a
l.,Jpn.J.Appl.Phys.,33(9A),5051-5059(1994)]にも記
載されている。
法として、近年、溶液または分散液状態の有機系光学材
料を高真空チャンバー内に噴霧して基板上に堆積させ、
加熱処理することを特徴とする光学薄膜作成方法が、特
開平6−306181および7−252671号報に開
示され、また、学術文献[T.Hiraga,et.al.,J.Vac.Sci.
Technol.,A12(3),876-878(1994)およびT.Hiraga,et.a
l.,Jpn.J.Appl.Phys.,33(9A),5051-5059(1994)]にも記
載されている。
【0016】特開平6−306181および7−252
671号報には、基板を前記堆積物の熱分解温度を越え
ない温度まで加熱して揮発成分を除去すること、また、
基板加熱装置および基板表面加熱装置を用いて基板およ
び基板上の堆積物を加熱することが記載されている。真
空チャンバー内に置いた基板を、熱変形開始温度よりも
低い温度(例えば150℃)に加熱していても、基板上
に到達した噴霧液ミスト中に大量(例えば50wt%)
の液体媒体が残っていると、基板表面から液体媒体の蒸
発熱が奪われる。このとき、基板が金属や光学ガラスの
ように、熱伝導性が高い材質であれば、蒸発熱は直ちに
基板ヒーターから供給されるが、ポリカーボネートのよ
うに、熱伝導率が低い有機材料の場合、基板表面温度は
著しく低下し、残留液体媒体の蒸発に長時間を要するこ
ととなる。したがって、ポリカーボネート基板上の情報
ピットおよび/または連続溝を破壊せずに、基板上に薄
膜を作成するには、液体媒体の種類、溶液および基板の
温度、液の噴霧速度、およびノズルと基板の距離などの
条件を極めて厳密に設定・制御する必要がある。
671号報には、基板を前記堆積物の熱分解温度を越え
ない温度まで加熱して揮発成分を除去すること、また、
基板加熱装置および基板表面加熱装置を用いて基板およ
び基板上の堆積物を加熱することが記載されている。真
空チャンバー内に置いた基板を、熱変形開始温度よりも
低い温度(例えば150℃)に加熱していても、基板上
に到達した噴霧液ミスト中に大量(例えば50wt%)
の液体媒体が残っていると、基板表面から液体媒体の蒸
発熱が奪われる。このとき、基板が金属や光学ガラスの
ように、熱伝導性が高い材質であれば、蒸発熱は直ちに
基板ヒーターから供給されるが、ポリカーボネートのよ
うに、熱伝導率が低い有機材料の場合、基板表面温度は
著しく低下し、残留液体媒体の蒸発に長時間を要するこ
ととなる。したがって、ポリカーボネート基板上の情報
ピットおよび/または連続溝を破壊せずに、基板上に薄
膜を作成するには、液体媒体の種類、溶液および基板の
温度、液の噴霧速度、およびノズルと基板の距離などの
条件を極めて厳密に設定・制御する必要がある。
【0017】文献[T.Hiraga,et.al.,J.Vac.Sci.Techno
l.,A12(3),876-878(1994)およびT.Hiraga,et.al.,Jpn.
J.Appl.Phys.,33(9A),5051-5059(1994)]には、噴霧ノ
ズルヒーターが記載されている。このヒーターは、噴霧
ノズル部分において、液体媒体の蒸発によって温度が低
下し、液体媒体が凝固することを防ぐのには有効であ
る。しかしながら、噴霧ノズルを充分加熱することによ
っても、噴霧された成膜材料溶液または分散液ミスト
に、液体媒体の完全蒸発に必要な熱量を、あらかじめ供
給するようなことは、困難であると判断される。一般的
な有機液体媒体の諸物性を、表1に示すが、液体媒体の
比熱と蒸発熱が沸点から融点までの温度領域で一定であ
ると仮定して、蒸発熱[単位:J/mol]を比熱[単
位:J/mol/K]で割り算すると、「蒸発による仮
想的な温度低下」の値(Tvp)を推定することができ
る。実際には、液体媒体の温度低下に伴い、蒸発熱の値
は大きくなり、比熱の値は小さくなるため、この計算値
よりも大きな温度低下が起こると考えられる。表1およ
び表2に、この値(Tvp)を例示してあるが、大多数の
液体媒体について、Tvpは個々の液体媒体の「沸点−融
点」の温度範囲(Tv-m )を越えている。すなわち、常
圧における沸点の温度にある液滴を真空中、空間に置い
ても、液体媒体が完全に蒸発する以前に、融点まで温度
降下し、固体になる。固体になった後の「昇華」は、蒸
発に比べて著しく遅い。いずれにせよ、噴霧ノズルを加
熱しても、ポリカーボネート基板上の情報ピットおよび
/または連続溝を破壊せずに、基板上に薄膜を作成する
には、液体媒体の種類、溶液および基板の温度、液の噴
霧速度、およびノズルと基板の距離などの条件を極めて
厳密に設定・制御する必要がある。
l.,A12(3),876-878(1994)およびT.Hiraga,et.al.,Jpn.
J.Appl.Phys.,33(9A),5051-5059(1994)]には、噴霧ノ
ズルヒーターが記載されている。このヒーターは、噴霧
ノズル部分において、液体媒体の蒸発によって温度が低
下し、液体媒体が凝固することを防ぐのには有効であ
る。しかしながら、噴霧ノズルを充分加熱することによ
っても、噴霧された成膜材料溶液または分散液ミスト
に、液体媒体の完全蒸発に必要な熱量を、あらかじめ供
給するようなことは、困難であると判断される。一般的
な有機液体媒体の諸物性を、表1に示すが、液体媒体の
比熱と蒸発熱が沸点から融点までの温度領域で一定であ
ると仮定して、蒸発熱[単位:J/mol]を比熱[単
位:J/mol/K]で割り算すると、「蒸発による仮
想的な温度低下」の値(Tvp)を推定することができ
る。実際には、液体媒体の温度低下に伴い、蒸発熱の値
は大きくなり、比熱の値は小さくなるため、この計算値
よりも大きな温度低下が起こると考えられる。表1およ
び表2に、この値(Tvp)を例示してあるが、大多数の
液体媒体について、Tvpは個々の液体媒体の「沸点−融
点」の温度範囲(Tv-m )を越えている。すなわち、常
圧における沸点の温度にある液滴を真空中、空間に置い
ても、液体媒体が完全に蒸発する以前に、融点まで温度
降下し、固体になる。固体になった後の「昇華」は、蒸
発に比べて著しく遅い。いずれにせよ、噴霧ノズルを加
熱しても、ポリカーボネート基板上の情報ピットおよび
/または連続溝を破壊せずに、基板上に薄膜を作成する
には、液体媒体の種類、溶液および基板の温度、液の噴
霧速度、およびノズルと基板の距離などの条件を極めて
厳密に設定・制御する必要がある。
【0018】
【表1】 有機溶媒の物性 [ Tv-m = [沸点温度] − [融点温度] Tvp = [蒸発熱]/[比熱] ] 溶 媒 沸点 融点 Tv-m 蒸発熱 比熱 Tvp [℃] [℃] [K] [kJ/mol] [J/mol/K] [K] メタノール 64.7 -97.5 162.2 35.27 81.06 435 エタノール 78.3 -130 208 38.6 111.4 346 イソプロピルアルコール 82.3 -89.5 171.8 41.49 152.89 271 n-ブチルアルコール 117.7 -89.8 207.5 44.39 179 248 酢酸エチル 77.11 -83.6 160.7 35.62 169 211 酢酸イソプロピル 88.6 -73.4 162.0 37.2 223 167 酢酸n-ブチル 126.1 -73.5 199.6 43.64 223 196 アセトン 56.1 -94.7 150.8 29.6 126.7 234 メチルエチルケトン 79.6 -86.3 165.9 32.0 158.1 202 メチルイソブチルケトン 116.2 -84 200.2 34.6 191.6 181 ジエチルエーテル 34.6 -116 150.6 26.78 166.9 160 ジクロロメタン 39.8 -96.7 136.5 27.96 99.4 281 クロロホルム 61.3 -63.2 124.5 29.5 117.0 252 四塩化炭素 76.7 -22.9 99.6 29.95 133.2 225 1,2-ジクロロエタン 83.7 -35.3 119.0 32.01 127.5 251 トリクロロエチレン 86.7 -87.1 173.8 31.5 123.6 255 1,1,2-トリクロロエタン 113.7 -37.0 150.7 38.0 148.5 256 トルエン 110.6 -95.2 205.8 33.18 103.3 321 n-ペンタン 36.0 -129.8 165.8 25.77 118.4 218 n-ヘキサン 68.7 -95.4 164.1 − − − n-ヘプタン 98.4 -90.6 189 − − − シクロヘキサン 80.7 6.5 74.2 − − − アセトニトリル 81.8 -45.7 127.5 32.8 51.88 632 プロピオニトリル 97.2 -91.8 189.0 − − − ピリジン 115.5 -42 157.5 35.53 136 261 トリエチルアミン 89.4 -114.5 203.9 − − − ニトロメタン 101.3 -28.4 129.7 − − − 二硫化炭素 46.3 -111 157.3 26.8 18.26 1468
【0019】
【表2】 有機溶媒の物性 [ Tv-m = [沸点温度] − [融点温度] Tvp = [蒸発熱]/[比熱] ] 溶 媒 沸点 融点 Tv-m 蒸発熱 比熱 Tvp [℃] [℃] [K] [kJ/mol] [J/mol/K] [K] n-アミルアルコール 138.0 -78.2 216.2 44.48 209 213 シクロヘキサノール 161.1 25.2 135.9 45.2 214.98 210 ベンジルアルコール 205.8 -15.3 221.1 53.60 244.42 219 ethylene glycol 197.6 -13 210.6 52.33 150 349 酢酸n-アミル 149.2 -70.8 220.0 41 276 149 シクロヘキサノン 155.7 -31.2 186.9 40.2 177.8 226 ジブチルエーテル 142.0 -95.4 237.4 − − − ベンゼン 80.1 5.5 74.6 30.76 80.8 381 クロロベンゼン 131.7 -45.3 177.0 37.27 150.8 247 水 100.0 0.0 100.0 40.66 75.42 539
【0020】本発明は、以上述べてきた従来技術の欠点
を解消し、次の課題を解決することを目的とする。
を解消し、次の課題を解決することを目的とする。
【0021】1)真空中にノズルから噴霧された成膜材
料の溶液または分散液のミストが基板表面に到達するま
での期間に、ミストから、液体媒体をできる限り蒸発さ
せることによって、基板表面に到達したミストが流動
し、基板上に形成された記録ピットおよび/または連続
溝の形状を損なうことを防ぐような成膜方法、および、
その方法で製造された光記録媒体を提供する。
料の溶液または分散液のミストが基板表面に到達するま
での期間に、ミストから、液体媒体をできる限り蒸発さ
せることによって、基板表面に到達したミストが流動
し、基板上に形成された記録ピットおよび/または連続
溝の形状を損なうことを防ぐような成膜方法、および、
その方法で製造された光記録媒体を提供する。
【0022】2)真空中にノズルから噴霧された成膜材
料の溶液または分散液のミストが基板表面に到達するま
での期間に、ミストから、液体媒体をできる限り蒸発さ
せることによって、液体媒体が基板材質を溶解して、基
板上に形成された記録ピットおよび/または連続溝を破
壊することを防ぐような成膜方法、および、その方法で
製造された光記録媒体を提供する。
料の溶液または分散液のミストが基板表面に到達するま
での期間に、ミストから、液体媒体をできる限り蒸発さ
せることによって、液体媒体が基板材質を溶解して、基
板上に形成された記録ピットおよび/または連続溝を破
壊することを防ぐような成膜方法、および、その方法で
製造された光記録媒体を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
は、少なくとも1つの記録面にあらかじめ情報がピット
および/または連続溝として記録された基板を用い、前
記ピットおよび/または連続溝の形状を損なわないよう
に実質的に液体媒体フリーの状態で薄膜を形成できるよ
うな条件を満たして、真空チャンバー内に置いた前記基
板の少なくとも1つの記録面に、少なくとも1種類の光
機能性有機化合物を含有する成膜材料の溶液または分散
液を噴霧し、さらに、薄膜を加熱乾燥処理することを特
徴とする。
め、本発明の請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
は、少なくとも1つの記録面にあらかじめ情報がピット
および/または連続溝として記録された基板を用い、前
記ピットおよび/または連続溝の形状を損なわないよう
に実質的に液体媒体フリーの状態で薄膜を形成できるよ
うな条件を満たして、真空チャンバー内に置いた前記基
板の少なくとも1つの記録面に、少なくとも1種類の光
機能性有機化合物を含有する成膜材料の溶液または分散
液を噴霧し、さらに、薄膜を加熱乾燥処理することを特
徴とする。
【0024】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項2に記載の光記録媒体の製造方法は、真空チャン
バー内へ噴霧された前記成膜材料の溶液または分散液の
ミストへ、ミストが吸収する波長帯域の光線および/ま
たは熱線を照射することによって、ミスト中の液体媒体
の蒸発熱を供給することを特徴とする。
請求項2に記載の光記録媒体の製造方法は、真空チャン
バー内へ噴霧された前記成膜材料の溶液または分散液の
ミストへ、ミストが吸収する波長帯域の光線および/ま
たは熱線を照射することによって、ミスト中の液体媒体
の蒸発熱を供給することを特徴とする。
【0025】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項3に記載の光記録媒体の製造方法は、前記成膜材
料が本質的に、少なくとも1種類の前記光機能性有機化
合物からなることを特徴とする。
請求項3に記載の光記録媒体の製造方法は、前記成膜材
料が本質的に、少なくとも1種類の前記光機能性有機化
合物からなることを特徴とする。
【0026】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項4に記載の光記録媒体の製造方法は、前記成膜材
料が本質的に、少なくとも1種類の前記光機能性有機化
合物およびバインダー樹脂の混合物からなることを特徴
とする。
請求項4に記載の光記録媒体の製造方法は、前記成膜材
料が本質的に、少なくとも1種類の前記光機能性有機化
合物およびバインダー樹脂の混合物からなることを特徴
とする。
【0027】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項5に記載の光記録媒体の製造方法は、前記基板と
して直径40mmから300mmの大きさの円盤を用
い、前記溶液または分散液の液体媒体として、常圧にお
ける沸点が30℃以上、120℃以下、かつ融点が−2
0℃以下の化合物を用い、成膜条件として、前記真空チ
ャンバー内の圧力を1から10-6Paに保ち、前記真空
チャンバーからの排気速度を1気圧20℃換算で50リ
ットル/分から100立方メートル/分とし、噴霧ノズ
ルと前記基板間の距離を前記基板直径の1倍から10倍
とし、噴霧ノズルの温度を前記液体媒体の融点より高
く、常圧における沸点以下の温度に保ち、液体トラップ
の温度を前記液体媒体の融点よりも10℃以上低く保
ち、前記溶液または分散液を1ナノリットル/分から1
ミリリットル/分の噴霧速度で噴霧することを特徴とす
る。
請求項5に記載の光記録媒体の製造方法は、前記基板と
して直径40mmから300mmの大きさの円盤を用
い、前記溶液または分散液の液体媒体として、常圧にお
ける沸点が30℃以上、120℃以下、かつ融点が−2
0℃以下の化合物を用い、成膜条件として、前記真空チ
ャンバー内の圧力を1から10-6Paに保ち、前記真空
チャンバーからの排気速度を1気圧20℃換算で50リ
ットル/分から100立方メートル/分とし、噴霧ノズ
ルと前記基板間の距離を前記基板直径の1倍から10倍
とし、噴霧ノズルの温度を前記液体媒体の融点より高
く、常圧における沸点以下の温度に保ち、液体トラップ
の温度を前記液体媒体の融点よりも10℃以上低く保
ち、前記溶液または分散液を1ナノリットル/分から1
ミリリットル/分の噴霧速度で噴霧することを特徴とす
る。
【0028】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項6に記載の光記録媒体の製造方法は、前記液体ト
ラップが液体窒素によって冷却されていることを特徴と
する。
請求項6に記載の光記録媒体の製造方法は、前記液体ト
ラップが液体窒素によって冷却されていることを特徴と
する。
【0029】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項7に記載の光記録媒体の製造方法は、前記基板と
して熱可塑性樹脂からなる基板を用い、前記薄膜の加熱
乾燥処理温度を前記熱可塑性樹脂の熱変形開始温度を越
えない温度で行うことを特徴とする。
請求項7に記載の光記録媒体の製造方法は、前記基板と
して熱可塑性樹脂からなる基板を用い、前記薄膜の加熱
乾燥処理温度を前記熱可塑性樹脂の熱変形開始温度を越
えない温度で行うことを特徴とする。
【0030】また、上記目的を達成するため、本発明の
請求項8に記載の光記録媒体の製造方法は、前記薄膜の
上に反射膜および保護膜を形成することを特徴とする。
請求項8に記載の光記録媒体の製造方法は、前記薄膜の
上に反射膜および保護膜を形成することを特徴とする。
【0031】また、上記目的を達成するため、本発明
は、本発明の請求項1に記載の光記録媒体の製造方法に
よって製造される光記録媒体を提供する。
は、本発明の請求項1に記載の光記録媒体の製造方法に
よって製造される光記録媒体を提供する。
【0032】そして、上記の光記録媒体において、基板
は光透過性を有することが好ましい。さらに、これらの
光記録媒体において、基板は熱可塑性樹脂により形成さ
れていることが好ましい。
は光透過性を有することが好ましい。さらに、これらの
光記録媒体において、基板は熱可塑性樹脂により形成さ
れていることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体の製造方法に
おいて、基板はあらかじめ用意されたものを用いる。基
板の種類としては、前述のCD、CD−R、MO、P
D、CD−RW、および超解像度光ディスクの他、デジ
タルバーサタイルディスク(DVD、DVD−RAM、
DVD−R、DVD−RW)などのいずれに用いられる
ものでも良い。本発明の実施にあたり、情報がピットお
よび/または連続溝として少なくとも1つの記録面にあ
らかじめ記録された基板を用いるものとする。
おいて、基板はあらかじめ用意されたものを用いる。基
板の種類としては、前述のCD、CD−R、MO、P
D、CD−RW、および超解像度光ディスクの他、デジ
タルバーサタイルディスク(DVD、DVD−RAM、
DVD−R、DVD−RW)などのいずれに用いられる
ものでも良い。本発明の実施にあたり、情報がピットお
よび/または連続溝として少なくとも1つの記録面にあ
らかじめ記録された基板を用いるものとする。
【0034】また、基板の材料としては、特に限定され
るものではないが、光透過性の材料で形成されたものが
好ましく、具体的には、例えば、ガラス、またはポリカ
ーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非結晶性ポリオ
レフィン樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂をあげることができる。中でも、ポリカー
ボネートのような光透過性の熱可塑性樹脂は好適なもの
である。
るものではないが、光透過性の材料で形成されたものが
好ましく、具体的には、例えば、ガラス、またはポリカ
ーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非結晶性ポリオ
レフィン樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂をあげることができる。中でも、ポリカー
ボネートのような光透過性の熱可塑性樹脂は好適なもの
である。
【0035】このような基板を真空チャンバー内に置
き、情報がピットおよび/または連続溝として記録され
た記録面に、少なくとも1種類の光機能性有機化合物を
含有する成膜材料の溶液または分散液を噴霧し、さら
に、加熱乾燥処理することによって薄膜が形成される。
ここで「光機能性」とは、光ディスクにおける光記録機
能、超解像度光ディスクにおけるマスク作用、可逆的な
顕色・脱色現象、フォトクロミズム、サーモクロミズム
など、光吸収によって誘起される諸機能をいう。
き、情報がピットおよび/または連続溝として記録され
た記録面に、少なくとも1種類の光機能性有機化合物を
含有する成膜材料の溶液または分散液を噴霧し、さら
に、加熱乾燥処理することによって薄膜が形成される。
ここで「光機能性」とは、光ディスクにおける光記録機
能、超解像度光ディスクにおけるマスク作用、可逆的な
顕色・脱色現象、フォトクロミズム、サーモクロミズム
など、光吸収によって誘起される諸機能をいう。
【0036】光機能性有機化合物としては、例えば、有
機色素として、一般的な色素、蛍光色素、赤外線吸収色
素、紫外線吸収色素、フォトクロミック色素、サーモク
ロミック色素など、公知のものをあげることができる。
これらの色素の具体例としては、例えば、ローダミン
B、ローダミン6G、エオシン、フロキシンBなどのキ
サンテン系色素、アクリジンオレンジ、アクリジンレッ
ドなどのアクリジン系色素、エチルレッド、メチルレッ
ドなどのアゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニ
ン系色素、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨー
ジド、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨー
ジドなどのシアニン色素、メロシアニン色素、スチリル
色素、オキソノール色素、トリアリールメタン色素、ス
ピロピラン誘導体、フルギド誘導体、ジアリールエテン
誘導体などのフォトクロミック色素などが好適なものと
してあげられる。
機色素として、一般的な色素、蛍光色素、赤外線吸収色
素、紫外線吸収色素、フォトクロミック色素、サーモク
ロミック色素など、公知のものをあげることができる。
これらの色素の具体例としては、例えば、ローダミン
B、ローダミン6G、エオシン、フロキシンBなどのキ
サンテン系色素、アクリジンオレンジ、アクリジンレッ
ドなどのアクリジン系色素、エチルレッド、メチルレッ
ドなどのアゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニ
ン系色素、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨー
ジド、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨー
ジドなどのシアニン色素、メロシアニン色素、スチリル
色素、オキソノール色素、トリアリールメタン色素、ス
ピロピラン誘導体、フルギド誘導体、ジアリールエテン
誘導体などのフォトクロミック色素などが好適なものと
してあげられる。
【0037】本発明においては、上述したような色素を
単独で、若しくは、2種以上を混合して使用することが
できる。さらに、これらの色素をバインダー樹脂と組み
合わせて使用することも可能である。
単独で、若しくは、2種以上を混合して使用することが
できる。さらに、これらの色素をバインダー樹脂と組み
合わせて使用することも可能である。
【0038】このバインダー樹脂としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、熱可塑性有機高分子化合
物が好ましく、具体的には、ポリスチレン、ポリ(α−
メチルスチレン)、ポリインデン、ポリ(4−メチル−
1−ペンテン)、ポリビニルピリジン、ポリビニルホル
マール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラー
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルベンジルエ
ーテル、ポリビニルメチルケトン、ポリ(N−ビニルカ
ルバゾール)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポ
リメタクリル酸ベンジル、ポリメタクリル酸シクロヘキ
シル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アミド、ポ
リメタクリロニトリル、ポリアセトアルデヒド、ポリク
ロラール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
シド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート類(ビスフェノール類+
炭酸)、ポリ(ジエチレングリコール・ビスアリルカー
ボネート)類、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12
−ナイロン、6,12−ナイロン、ポリアスパラギン酸
エチル、ポリグルタミン酸エチル、ポリリジン、ポリプ
ロリン、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、アセチルセルロース、セルローストリアセ
テート、セルローストリブチレート、ポリウレタン樹脂
などの樹脂、ポリ(フェニルメチルシラン)などの有機
ポリシラン、有機ポリゲルマン、並びに、これらの共重
合体若しくは共重縮合体などをあげることができる。
れるものではないが、例えば、熱可塑性有機高分子化合
物が好ましく、具体的には、ポリスチレン、ポリ(α−
メチルスチレン)、ポリインデン、ポリ(4−メチル−
1−ペンテン)、ポリビニルピリジン、ポリビニルホル
マール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラー
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルベンジルエ
ーテル、ポリビニルメチルケトン、ポリ(N−ビニルカ
ルバゾール)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポ
リメタクリル酸ベンジル、ポリメタクリル酸シクロヘキ
シル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アミド、ポ
リメタクリロニトリル、ポリアセトアルデヒド、ポリク
ロラール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
シド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート類(ビスフェノール類+
炭酸)、ポリ(ジエチレングリコール・ビスアリルカー
ボネート)類、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12
−ナイロン、6,12−ナイロン、ポリアスパラギン酸
エチル、ポリグルタミン酸エチル、ポリリジン、ポリプ
ロリン、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、アセチルセルロース、セルローストリアセ
テート、セルローストリブチレート、ポリウレタン樹脂
などの樹脂、ポリ(フェニルメチルシラン)などの有機
ポリシラン、有機ポリゲルマン、並びに、これらの共重
合体若しくは共重縮合体などをあげることができる。
【0039】本発明の光記録媒体は次のようにして製造
することができる。すなわち、先ず、前述した光機能性
有機化合物単独、あるいは、光機能性有機化合物と熱可
塑性有機高分子化合物の混合物とを液体媒体に溶解させ
るか、あるいは、分散させて液体状態の薄膜形成材料を
調製する。
することができる。すなわち、先ず、前述した光機能性
有機化合物単独、あるいは、光機能性有機化合物と熱可
塑性有機高分子化合物の混合物とを液体媒体に溶解させ
るか、あるいは、分散させて液体状態の薄膜形成材料を
調製する。
【0040】このとき使用される溶媒または分散媒体
(以下、「液体媒体」という)としては、上記の薄膜形
成材料を溶解または分散させることが可能で、揮発性を
有し、かつ、腐食性のない化合物が用いられる。好まし
くは、1気圧における沸点範囲が30℃以上、120℃
以下、さらに好ましくは40℃以上、100℃以下であ
って、融点が−20℃以下、さらに好ましくは−40℃
以下の液体媒体が好適に用いられる。一般に、沸点が低
いものは、すぐに揮発してしまうため取り扱いが厄介で
ある。また、沸点が120℃を越えるような液体媒体
を、薄膜内部から完全に揮発させるには非常に長い時間
を要する。一方、水、ベンゼン、シクロヘキサンなどの
ように、融点(凝固点)が高い液体媒体は、噴霧ミスト
の温度降下による固体化を起こしやすく、最適噴霧条件
の達成を難しくするため、好ましくない。
(以下、「液体媒体」という)としては、上記の薄膜形
成材料を溶解または分散させることが可能で、揮発性を
有し、かつ、腐食性のない化合物が用いられる。好まし
くは、1気圧における沸点範囲が30℃以上、120℃
以下、さらに好ましくは40℃以上、100℃以下であ
って、融点が−20℃以下、さらに好ましくは−40℃
以下の液体媒体が好適に用いられる。一般に、沸点が低
いものは、すぐに揮発してしまうため取り扱いが厄介で
ある。また、沸点が120℃を越えるような液体媒体
を、薄膜内部から完全に揮発させるには非常に長い時間
を要する。一方、水、ベンゼン、シクロヘキサンなどの
ように、融点(凝固点)が高い液体媒体は、噴霧ミスト
の温度降下による固体化を起こしやすく、最適噴霧条件
の達成を難しくするため、好ましくない。
【0041】上記の条件を満足し、本発明の実施にあた
って推奨される液体媒体は、上述の表1に掲げたもので
ある。一方、上述の表2に掲げた液体媒体は、使用でき
ないことはないが、沸点が高すぎたり、融点が高すぎた
りで、使用し難いものである。特に推奨される液体媒体
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などの低級アルコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル
などのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなど
のケトン類、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、トルエンなどの
芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素、アセトニトリル、プロピ
オニトリルなどのニトリル化合物、トリエチルアミンな
どのアミン類、その他、ピリジン、ニトロメタン、二硫
化炭素などである。これらの液体媒体は、1種のみを使
用しても、あるいは、2種以上を混合して使用しても良
い。
って推奨される液体媒体は、上述の表1に掲げたもので
ある。一方、上述の表2に掲げた液体媒体は、使用でき
ないことはないが、沸点が高すぎたり、融点が高すぎた
りで、使用し難いものである。特に推奨される液体媒体
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などの低級アルコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル
などのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなど
のケトン類、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、トルエンなどの
芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素、アセトニトリル、プロピ
オニトリルなどのニトリル化合物、トリエチルアミンな
どのアミン類、その他、ピリジン、ニトロメタン、二硫
化炭素などである。これらの液体媒体は、1種のみを使
用しても、あるいは、2種以上を混合して使用しても良
い。
【0042】使用する光機能性有機化合物が、これらの
液体媒体に溶解しないか、溶解度が低い場合、バインダ
ー樹脂と混合して使用することが好ましい。この場合、
バインダー樹脂は溶液として用いられ、前記光機能性有
機化合物を分散させる。そして、光機能性有機化合物の
分散液として噴霧される。
液体媒体に溶解しないか、溶解度が低い場合、バインダ
ー樹脂と混合して使用することが好ましい。この場合、
バインダー樹脂は溶液として用いられ、前記光機能性有
機化合物を分散させる。そして、光機能性有機化合物の
分散液として噴霧される。
【0043】噴霧する溶液または分散液に含まれる有機
化合物、また必要に応じて用いるバインダー樹脂の最適
濃度は、目的とする有機薄膜の厚さ(目標値)、前記溶
液または分散液の構成成分、使用する装置の大きさおよ
び構造、使用する噴霧ノズルの形状、溶液または分散液
の噴霧速度、ノズル加熱温度、および噴霧ミストの加熱
条件に依存するものであり、成膜時間を最短にするよ
う、実験的に決定される。
化合物、また必要に応じて用いるバインダー樹脂の最適
濃度は、目的とする有機薄膜の厚さ(目標値)、前記溶
液または分散液の構成成分、使用する装置の大きさおよ
び構造、使用する噴霧ノズルの形状、溶液または分散液
の噴霧速度、ノズル加熱温度、および噴霧ミストの加熱
条件に依存するものであり、成膜時間を最短にするよ
う、実験的に決定される。
【0044】目的とする有機薄膜の厚さを、できる限り
薄くしようと意図する場合、前記最適濃度は、多くの場
合、例えば0.1mg/mlないし0.01mg/ml
よりも小さいことが好ましい。短時間で、できるだけ厚
い膜を得ようとする場合、前記濃度を高くすれば良い。
しかしながら、高くしすぎるとノズルの閉塞というトラ
ブルが起こりやすくなる。使用する有機化合物の種類と
ノズルの形状に強く依存するが、例えば、テトラter
t−ブチル銅フタロシアニンのように凝集性が高い有機
色素の場合、ジクロロメタン中、色素濃度0.1mg/
mlで問題なく使用できたノズルが、色素濃度0.2m
g/mlでは、噴霧開始直後に閉塞してしまった。同じ
ノズルを用いた場合、例えば、ポリ(ベンジルメタクリ
レート)のアセトン溶液については樹脂濃度1mg/m
lであっても問題なく使用可能であった。以上の例から
明らかなように、噴霧する溶液または分散液に含まれる
有機化合物、また必要に応じて用いられるバインダー樹
脂の最適濃度は、上記の諸条件を考慮して実験的に決定
することが推奨される。
薄くしようと意図する場合、前記最適濃度は、多くの場
合、例えば0.1mg/mlないし0.01mg/ml
よりも小さいことが好ましい。短時間で、できるだけ厚
い膜を得ようとする場合、前記濃度を高くすれば良い。
しかしながら、高くしすぎるとノズルの閉塞というトラ
ブルが起こりやすくなる。使用する有機化合物の種類と
ノズルの形状に強く依存するが、例えば、テトラter
t−ブチル銅フタロシアニンのように凝集性が高い有機
色素の場合、ジクロロメタン中、色素濃度0.1mg/
mlで問題なく使用できたノズルが、色素濃度0.2m
g/mlでは、噴霧開始直後に閉塞してしまった。同じ
ノズルを用いた場合、例えば、ポリ(ベンジルメタクリ
レート)のアセトン溶液については樹脂濃度1mg/m
lであっても問題なく使用可能であった。以上の例から
明らかなように、噴霧する溶液または分散液に含まれる
有機化合物、また必要に応じて用いられるバインダー樹
脂の最適濃度は、上記の諸条件を考慮して実験的に決定
することが推奨される。
【0045】バインダー樹脂を使用する場合、光機能性
有機化合物の濃度は、液体媒体を除いた全有機化合物
(光機能性有機化合物+バインダー樹脂)の重量に対し
て1ppmから99.9wt%である。濃度範囲がこの
ように広範囲におよぶのは、光機能性有機化合物の種類
と機能が多岐に渡るためである。例えば、蛍光色素はp
pmオーダーの濃度において、充分機能を発揮できるこ
とが知られている。
有機化合物の濃度は、液体媒体を除いた全有機化合物
(光機能性有機化合物+バインダー樹脂)の重量に対し
て1ppmから99.9wt%である。濃度範囲がこの
ように広範囲におよぶのは、光機能性有機化合物の種類
と機能が多岐に渡るためである。例えば、蛍光色素はp
pmオーダーの濃度において、充分機能を発揮できるこ
とが知られている。
【0046】このような溶液または分散液が真空チャン
バー内に置かれた基板に向けて噴霧され、情報がピット
および/または連続溝として記録された基板の記録面の
上に、光機能性有機化合物の薄膜が形成される。
バー内に置かれた基板に向けて噴霧され、情報がピット
および/または連続溝として記録された基板の記録面の
上に、光機能性有機化合物の薄膜が形成される。
【0047】本発明の実施にあたって、噴霧ノズルから
真空チャンバー内へ噴霧されたミストないし微細な液滴
は、基板に到着するまでに実質的に液体媒体フリーの状
態にされる必要がある。「実質的に液体媒体フリーの状
態」を実現するためには、相互に関連した諸条件を、総
合的に制御する必要がある。諸条件は物理定数と操作条
件からなる。
真空チャンバー内へ噴霧されたミストないし微細な液滴
は、基板に到着するまでに実質的に液体媒体フリーの状
態にされる必要がある。「実質的に液体媒体フリーの状
態」を実現するためには、相互に関連した諸条件を、総
合的に制御する必要がある。諸条件は物理定数と操作条
件からなる。
【0048】物理定数としては、(1)液体媒体の蒸発
潜熱、(2)液体媒体の凝固点(融点)温度、および、
(3)真空中のミストからの液体媒体蒸発速度を考える
必要がある。
潜熱、(2)液体媒体の凝固点(融点)温度、および、
(3)真空中のミストからの液体媒体蒸発速度を考える
必要がある。
【0049】項目(1)に関しては、ミスト中の液体媒
体の蒸発潜熱を「ほぼ完全に」補う必要がある。項目
(2)の液体媒体の凝固点(融点)温度に関しては、真
空中のミストから蒸発潜熱が奪われ、熱の供給がない場
合、ミストの温度が凝固点温度に達した時点から、液体
媒体の発散は「昇華」による極めて遅いものとなり、基
板到達前に、「実質的に液体媒体フリーの状態」を実現
することが困難になる。したがって、「実質的に液体媒
体フリーの状態」を実現するためには、基板に到達する
までのミスト温度が液体媒体の融点温度を下回らないよ
うに制御する必要がある。項目(3)に関しては、
(i)真空中のミストからの液体媒体蒸発速度はミスト
のサイズに依存し、(ii)ミストの周辺に、液体媒体蒸
気が充満するため、装置内部の「平均圧力」の値とは異
なる圧力下で、ミストからの蒸発が起こり、(iii)ミ
スト周辺からの液体媒体蒸気の拡散速度は、装置の形
状、圧力分布などの影響下にある、という複雑な諸要素
を考慮する必要がある。なお、(iv)真空中のミストの熱
容量や蒸発熱の値は一定ではなく、ミストの温度および
ミスト周辺の圧力とともに変動するという厄介な問題も
ある。
体の蒸発潜熱を「ほぼ完全に」補う必要がある。項目
(2)の液体媒体の凝固点(融点)温度に関しては、真
空中のミストから蒸発潜熱が奪われ、熱の供給がない場
合、ミストの温度が凝固点温度に達した時点から、液体
媒体の発散は「昇華」による極めて遅いものとなり、基
板到達前に、「実質的に液体媒体フリーの状態」を実現
することが困難になる。したがって、「実質的に液体媒
体フリーの状態」を実現するためには、基板に到達する
までのミスト温度が液体媒体の融点温度を下回らないよ
うに制御する必要がある。項目(3)に関しては、
(i)真空中のミストからの液体媒体蒸発速度はミスト
のサイズに依存し、(ii)ミストの周辺に、液体媒体蒸
気が充満するため、装置内部の「平均圧力」の値とは異
なる圧力下で、ミストからの蒸発が起こり、(iii)ミ
スト周辺からの液体媒体蒸気の拡散速度は、装置の形
状、圧力分布などの影響下にある、という複雑な諸要素
を考慮する必要がある。なお、(iv)真空中のミストの熱
容量や蒸発熱の値は一定ではなく、ミストの温度および
ミスト周辺の圧力とともに変動するという厄介な問題も
ある。
【0050】一方、操作条件としては、(4)ノズル加
熱温度、(5)液の噴霧速度、(6)ノズルと基板の距
離、および、(7)ミストの加熱条件を考える必要があ
る。
熱温度、(5)液の噴霧速度、(6)ノズルと基板の距
離、および、(7)ミストの加熱条件を考える必要があ
る。
【0051】項目(4)に関しては、ノズル加熱温度が
高すぎると、ノズルが閉塞してしまう。項目(5)の噴
霧速度は、最も制御しやすいものである。実用面では、
成膜速度、ひいては生産性を高くするため、噴霧速度は
速いほど好ましい。項目(6)ノズル−基板距離は、装
置全体の設計に関連するため、自由度が低い。項目
(7)に関しては、ミストを遠隔加熱するための光線お
よび赤外線の波長、ミストの光吸収特性、ミストのサイ
ズ変化、ミストの温度変化に伴う熱容量および蒸発潜熱
の変化など、複雑に関連した諸条件を考慮する必要があ
る。いずれにせよ、真空中に噴霧されたミストが吸収す
る帯域の光線・赤外線を、噴霧ノズルから噴霧されたミ
ストへ照射することによって、真空中に置かれたミスト
中の液体媒体へ蒸発熱が供給される。
高すぎると、ノズルが閉塞してしまう。項目(5)の噴
霧速度は、最も制御しやすいものである。実用面では、
成膜速度、ひいては生産性を高くするため、噴霧速度は
速いほど好ましい。項目(6)ノズル−基板距離は、装
置全体の設計に関連するため、自由度が低い。項目
(7)に関しては、ミストを遠隔加熱するための光線お
よび赤外線の波長、ミストの光吸収特性、ミストのサイ
ズ変化、ミストの温度変化に伴う熱容量および蒸発潜熱
の変化など、複雑に関連した諸条件を考慮する必要があ
る。いずれにせよ、真空中に噴霧されたミストが吸収す
る帯域の光線・赤外線を、噴霧ノズルから噴霧されたミ
ストへ照射することによって、真空中に置かれたミスト
中の液体媒体へ蒸発熱が供給される。
【0052】ここで、真空中に放出されたミストからの
液体媒体蒸発速度は、ミスト周辺に発生した液体媒体蒸
気の発散速度を通じて使用する装置固有の値を示す。こ
の液体媒体蒸発速度を実用的な速度まで速くするために
は、(a)液体媒体冷却トラップの使用、(b)できる
だけ大きな排気速度の真空ポンプの使用が推奨される。
特に、液体窒素で冷却した液体媒体冷却トラップが有効
である。
液体媒体蒸発速度は、ミスト周辺に発生した液体媒体蒸
気の発散速度を通じて使用する装置固有の値を示す。こ
の液体媒体蒸発速度を実用的な速度まで速くするために
は、(a)液体媒体冷却トラップの使用、(b)できる
だけ大きな排気速度の真空ポンプの使用が推奨される。
特に、液体窒素で冷却した液体媒体冷却トラップが有効
である。
【0053】ノズル加熱温度は、使用する液体媒体の種
類、光機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂
の種類および濃度、噴霧ノズルの形状、溶液または分散
液の噴霧速度に応じて、実験的に最適値が求められる。
この最適値を下回ると、噴霧速度を高くすることができ
ず、一方、この最適値を越えると、ノズル部分で噴霧液
が乾固し、ノズルが閉塞してしまう。なお、言うまでも
なく、ノズル加熱を行わないと、蒸発熱によって温度が
低下し、ノズル部分で液体媒体が凝固し、ノズルが閉塞
することがある。
類、光機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂
の種類および濃度、噴霧ノズルの形状、溶液または分散
液の噴霧速度に応じて、実験的に最適値が求められる。
この最適値を下回ると、噴霧速度を高くすることができ
ず、一方、この最適値を越えると、ノズル部分で噴霧液
が乾固し、ノズルが閉塞してしまう。なお、言うまでも
なく、ノズル加熱を行わないと、蒸発熱によって温度が
低下し、ノズル部分で液体媒体が凝固し、ノズルが閉塞
することがある。
【0054】ノズル−基板間距離K[m]は、噴霧溶液
の種類、ノズル形状、ノズル加熱温度、ミスト加熱条
件、および、装置形態によって定まる溶媒蒸発速度(平
均値)v[g/s]、ノズルから噴霧される液滴の平均
重量w[g]、ノズルから噴霧される液滴の平均飛翔速
度L[m/s]を用いると、以下に示す式のようにな
る。
の種類、ノズル形状、ノズル加熱温度、ミスト加熱条
件、および、装置形態によって定まる溶媒蒸発速度(平
均値)v[g/s]、ノズルから噴霧される液滴の平均
重量w[g]、ノズルから噴霧される液滴の平均飛翔速
度L[m/s]を用いると、以下に示す式のようにな
る。
【0055】
【数1】K = L・w/v
【0056】実際には、vの値は一定ではなく、液滴か
ら溶媒が抜けて、液滴中に色素/樹脂の固体が析出する
にしたがい、遅くなっていく。なお、真空中に置かれた
揮発性物体の重量に関わる数値であるため、vやwを実
験的に求めることは極めて難しい。また、装置設計面で
は、ノズル−基板間距離を大幅に(例えば数十cmの範
囲で)変更することは容易でない。フランジなどを着脱
することによって、容易に可変できるのは10cmから
数cm程度である。実際には、特定の装置に合わせて、
噴霧速度を調整して、基板のダメージが出ない条件を実
験的に求めることになる。
ら溶媒が抜けて、液滴中に色素/樹脂の固体が析出する
にしたがい、遅くなっていく。なお、真空中に置かれた
揮発性物体の重量に関わる数値であるため、vやwを実
験的に求めることは極めて難しい。また、装置設計面で
は、ノズル−基板間距離を大幅に(例えば数十cmの範
囲で)変更することは容易でない。フランジなどを着脱
することによって、容易に可変できるのは10cmから
数cm程度である。実際には、特定の装置に合わせて、
噴霧速度を調整して、基板のダメージが出ない条件を実
験的に求めることになる。
【0057】ミストから液体媒体を完全に除去するに
は、析出した固形分が液体媒体分子の物質移動を妨害す
るため、極めて時間を要する。例えば、直径数μmのP
MMA粒子から揮発成分を完全に除去するには、10-4
Paの真空下、100℃以上に加熱して数時間以上を要
する。したがって、実用的な噴霧速度(すなわち成膜速
度)を達成するためには、基板にダメージを与えない程
度の溶媒の残留を許す必要がある。これが「実質的に液
体媒体フリーの状態」の意味である。
は、析出した固形分が液体媒体分子の物質移動を妨害す
るため、極めて時間を要する。例えば、直径数μmのP
MMA粒子から揮発成分を完全に除去するには、10-4
Paの真空下、100℃以上に加熱して数時間以上を要
する。したがって、実用的な噴霧速度(すなわち成膜速
度)を達成するためには、基板にダメージを与えない程
度の溶媒の残留を許す必要がある。これが「実質的に液
体媒体フリーの状態」の意味である。
【0058】以上の項目を整理すると、(1)液体媒体
の蒸発潜熱、および(2)液体媒体の凝固点(融点)温
度は液体媒体の種類によって定まる物理定数である。
(3)ミストからの液体媒体の蒸発速度は、ミストの大
きさ(装置および操作条件に依存)、ミストの温度(装
置および操作条件に依存)、ミストの熱容量(温度・圧
力に依存)、液体媒体の蒸発潜熱(温度に依存)、装
置、および、上記の操作条件に依存しており、実験的に
測定される。操作条件の項目(4)ないし項目(7)は
相互に依存しているが、装置のサイズおよび形態、およ
び、ノズルの形態に強く支配されている。基板の大きさ
および一度に成膜する枚数によって、使用する装置の大
きさが定まり、次いで、装置およびノズルの形態を定め
ると、ノズル−基板間距離が、ほぼ定まる(前述のよう
に、数cm程度変化させることは容易である)。次に、
ミストの加熱条件が定まる(ミストに供給可能な熱には
限界がある)。以上の項目が決定されると、使用する液
体媒体の種類に応じて、溶媒の蒸発速度を実験的に求め
ることができ、最後に、「実質的に液体媒体フリーの状
態」を実現するための噴霧速度を決定することができ
る。
の蒸発潜熱、および(2)液体媒体の凝固点(融点)温
度は液体媒体の種類によって定まる物理定数である。
(3)ミストからの液体媒体の蒸発速度は、ミストの大
きさ(装置および操作条件に依存)、ミストの温度(装
置および操作条件に依存)、ミストの熱容量(温度・圧
力に依存)、液体媒体の蒸発潜熱(温度に依存)、装
置、および、上記の操作条件に依存しており、実験的に
測定される。操作条件の項目(4)ないし項目(7)は
相互に依存しているが、装置のサイズおよび形態、およ
び、ノズルの形態に強く支配されている。基板の大きさ
および一度に成膜する枚数によって、使用する装置の大
きさが定まり、次いで、装置およびノズルの形態を定め
ると、ノズル−基板間距離が、ほぼ定まる(前述のよう
に、数cm程度変化させることは容易である)。次に、
ミストの加熱条件が定まる(ミストに供給可能な熱には
限界がある)。以上の項目が決定されると、使用する液
体媒体の種類に応じて、溶媒の蒸発速度を実験的に求め
ることができ、最後に、「実質的に液体媒体フリーの状
態」を実現するための噴霧速度を決定することができ
る。
【0059】以下、図面に基づき本発明の実施形態につ
いて、さらに詳細に説明する。
いて、さらに詳細に説明する。
【0060】図1は、本発明の光記録媒体において、基
板上に光機能性有機化合物を含有する薄膜を形成する工
程に使用される真空成膜装置の一例を示す概略構成図で
ある。図において、真空チャンバー10内に回転機構を
有する基板支持台12が配設され、この基板支持台12
に基板14が回転可能に取り付けられている。基板14
と対向する真空チャンバー10の壁部には、噴霧ノズル
16が配設され、加圧送液ポンプ18からこの噴霧ノズ
ル16へ液体状態の薄膜形成材料が送られる。なお、こ
の噴霧ノズル16は図示しない噴霧ノズル加熱ヒーター
により温度制御されている。また、回転式シャッター板
41の位置をシャッター板回転機構42を用いて変更す
ることにより、基板14へ向かう噴霧ノズル16からの
噴霧ミスト44を、必要に応じて、一時的に遮断できる
ものとする。真空チャンバー10の壁部に取り付けられ
た窓51を介してランプ50の光が真空チャンバー10
内部へ向けて照射される。ランプ50から照射される光
は、噴霧ミスト44が吸収する波長の光線および/また
は赤外線であって、平行光線55である。ランプ50か
らの平行光線55は、噴霧ノズル16から基板14へ向
かう噴霧ミスト44の飛翔方向に対し、ほぼ直交するよ
うに照射される。基板支持台12の後部には、気化した
液体媒体を捕捉するための液体媒体冷却トラップ20が
配設され、また、真空チャンバー10の下流には排気系
として、ターボポンプ22および真空ポンプ24が配設
されている。ターボポンプ22の前段として用いられる
真空ポンプ24としては、油回転ポンプまたはスクロー
ルポンプなどが好適である。
板上に光機能性有機化合物を含有する薄膜を形成する工
程に使用される真空成膜装置の一例を示す概略構成図で
ある。図において、真空チャンバー10内に回転機構を
有する基板支持台12が配設され、この基板支持台12
に基板14が回転可能に取り付けられている。基板14
と対向する真空チャンバー10の壁部には、噴霧ノズル
16が配設され、加圧送液ポンプ18からこの噴霧ノズ
ル16へ液体状態の薄膜形成材料が送られる。なお、こ
の噴霧ノズル16は図示しない噴霧ノズル加熱ヒーター
により温度制御されている。また、回転式シャッター板
41の位置をシャッター板回転機構42を用いて変更す
ることにより、基板14へ向かう噴霧ノズル16からの
噴霧ミスト44を、必要に応じて、一時的に遮断できる
ものとする。真空チャンバー10の壁部に取り付けられ
た窓51を介してランプ50の光が真空チャンバー10
内部へ向けて照射される。ランプ50から照射される光
は、噴霧ミスト44が吸収する波長の光線および/また
は赤外線であって、平行光線55である。ランプ50か
らの平行光線55は、噴霧ノズル16から基板14へ向
かう噴霧ミスト44の飛翔方向に対し、ほぼ直交するよ
うに照射される。基板支持台12の後部には、気化した
液体媒体を捕捉するための液体媒体冷却トラップ20が
配設され、また、真空チャンバー10の下流には排気系
として、ターボポンプ22および真空ポンプ24が配設
されている。ターボポンプ22の前段として用いられる
真空ポンプ24としては、油回転ポンプまたはスクロー
ルポンプなどが好適である。
【0061】図2には、基板支持台12の回転機構の概
略が示されている。基板14は、歯車30と一体に回転
するように取り付けられており、歯車30は、これより
大径の歯車32に噛合し、この状態でアーム34に、歯
車30、32はそれぞれ回転軸34b、34aにより軸
支されている。アーム34が回転軸34aを中心に回転
すると、歯車30は自らも回転しながら、歯車32の外
周に沿って回転する。これにより、基板14は自転しな
がら、歯車32の周囲を公転することとなり、この基板
14上へ有機化合物を堆積させることによって、形成さ
れる薄膜の膜厚を均一にすることが可能となる。
略が示されている。基板14は、歯車30と一体に回転
するように取り付けられており、歯車30は、これより
大径の歯車32に噛合し、この状態でアーム34に、歯
車30、32はそれぞれ回転軸34b、34aにより軸
支されている。アーム34が回転軸34aを中心に回転
すると、歯車30は自らも回転しながら、歯車32の外
周に沿って回転する。これにより、基板14は自転しな
がら、歯車32の周囲を公転することとなり、この基板
14上へ有機化合物を堆積させることによって、形成さ
れる薄膜の膜厚を均一にすることが可能となる。
【0062】図1および2に示した真空成膜装置におい
て、更に詳説する。先ず、ターボポンプ22および真空
ポンプ24により真空チャンバー10内を排気した後、
液体媒体冷却トラップ20を液体窒素若しくはヘリウム
循環式冷凍機(図示せず)などにより、使用する液体媒
体の融点よりも10℃以上低い温度、例えば液体窒素の
沸点−196℃まで冷却する。液体媒体の融点は、例え
ば、アセトンについて−95℃、ジクロロメタンについ
て−97℃である。万一、液体媒体冷却トラップ20の
温度が使用する液体媒体の融点に近すぎると、噴霧ミス
トから蒸発した液体媒体の蒸気を完全に捕集することが
困難になる。また、液体媒体冷却トラップ20の表面は
固体化した液体媒体によって、徐々に覆われていくた
め、トラップ20の効率は徐々に低下していく。この効
率低下を補うため、トラップ20の温度は可能な限り低
いことが好ましい。
て、更に詳説する。先ず、ターボポンプ22および真空
ポンプ24により真空チャンバー10内を排気した後、
液体媒体冷却トラップ20を液体窒素若しくはヘリウム
循環式冷凍機(図示せず)などにより、使用する液体媒
体の融点よりも10℃以上低い温度、例えば液体窒素の
沸点−196℃まで冷却する。液体媒体の融点は、例え
ば、アセトンについて−95℃、ジクロロメタンについ
て−97℃である。万一、液体媒体冷却トラップ20の
温度が使用する液体媒体の融点に近すぎると、噴霧ミス
トから蒸発した液体媒体の蒸気を完全に捕集することが
困難になる。また、液体媒体冷却トラップ20の表面は
固体化した液体媒体によって、徐々に覆われていくた
め、トラップ20の効率は徐々に低下していく。この効
率低下を補うため、トラップ20の温度は可能な限り低
いことが好ましい。
【0063】言うまでもなく、トラップ20の捕集容量
には上限がある。トラップ20を1つだけ使用する場
合、この上限に達した時点で成膜を中断しなければなら
ない。必要であれば、複数のトラップ20を用意し、個
々に真空チャンバー10の真空状態を保ったまま取り外
せるような機構にすることが好ましい。、例えば、2つ
のトラップを用いる場合、まず第1のトラップのみを稼
働して液体媒体をトラップし、その後第1のトラップ表
面が固体化した液体媒体で完全に覆われたら、第2のト
ラップを稼働状態にし、その後第1のトラップを取り外
し、第1のトラップから液体媒体を回収する。そして、
第2のトラップ表面が固体化した液体媒体で完全に覆わ
れたら、再度第1のトラップを稼働させることによっ
て、連続的な成膜が可能になる。
には上限がある。トラップ20を1つだけ使用する場
合、この上限に達した時点で成膜を中断しなければなら
ない。必要であれば、複数のトラップ20を用意し、個
々に真空チャンバー10の真空状態を保ったまま取り外
せるような機構にすることが好ましい。、例えば、2つ
のトラップを用いる場合、まず第1のトラップのみを稼
働して液体媒体をトラップし、その後第1のトラップ表
面が固体化した液体媒体で完全に覆われたら、第2のト
ラップを稼働状態にし、その後第1のトラップを取り外
し、第1のトラップから液体媒体を回収する。そして、
第2のトラップ表面が固体化した液体媒体で完全に覆わ
れたら、再度第1のトラップを稼働させることによっ
て、連続的な成膜が可能になる。
【0064】次に、前述の光機能性有機化合物、および
必要に応じて用いられるバインダー樹脂を含有する液体
状態または分散状態の薄膜形成材料は、加圧送液ポンプ
18により加圧送液され、噴霧ノズル加熱ヒーター(図
示せず)により温度制御された噴霧ノズル16から、高
真空状態の真空チャンバー10内へミスト状に噴霧され
る。こうして、温度制御された溶液または分散液が、ノ
ズル16から真空チャンバー10内にミスト44として
噴霧される。
必要に応じて用いられるバインダー樹脂を含有する液体
状態または分散状態の薄膜形成材料は、加圧送液ポンプ
18により加圧送液され、噴霧ノズル加熱ヒーター(図
示せず)により温度制御された噴霧ノズル16から、高
真空状態の真空チャンバー10内へミスト状に噴霧され
る。こうして、温度制御された溶液または分散液が、ノ
ズル16から真空チャンバー10内にミスト44として
噴霧される。
【0065】噴霧される溶液または分散液の温度は、使
用する液体媒体の種類、光機能性有機化合物および/ま
たはバインダー樹脂の種類および濃度、噴霧ノズルの形
状、溶液または分散液の噴霧速度に応じて最適になるよ
う、噴霧ノズル加熱ヒーターによって制御される必要が
ある。ノズル加熱温度には最適値があるが、支配要因が
複数あるため、使用条件に合わせて、実験的に設定する
必要がある。噴霧されたミストからの溶媒の蒸発を促進
させるためには、ノズル加熱温度は高いほど好ましい
が、一方、高い加熱温度はノズルの閉塞および、最悪の
場合、有機化合物の熱分解というトラブルに結びつきや
すい。ノズルの閉塞を防ぐためには、噴霧開始時はノズ
ル加熱温度を低めに設定し、噴霧開始以降、徐々に最適
値まで温度を上昇させる手法が効果的である。この手法
を用いる場合、最初に噴霧されるミストの温度は最適値
よりも低く、このようなミストが基板へ堆積されること
は避けなければならない。そのためには、ノズルからの
ミストを一時的に遮断するような、回転式シャッター板
41を用いる。噴霧開始時は、このシャッター板41に
よって、ノズル16からのミスト44が基板14へ届か
ないよう遮断し、ノズル加熱温度が最適値に到達した後
に、はじめてシャッター板41を開くことによって、好
ましい成膜条件、すなわち「実質的に液体媒体フリーの
状態で薄膜を形成できるような条件」を達成することが
できる。
用する液体媒体の種類、光機能性有機化合物および/ま
たはバインダー樹脂の種類および濃度、噴霧ノズルの形
状、溶液または分散液の噴霧速度に応じて最適になるよ
う、噴霧ノズル加熱ヒーターによって制御される必要が
ある。ノズル加熱温度には最適値があるが、支配要因が
複数あるため、使用条件に合わせて、実験的に設定する
必要がある。噴霧されたミストからの溶媒の蒸発を促進
させるためには、ノズル加熱温度は高いほど好ましい
が、一方、高い加熱温度はノズルの閉塞および、最悪の
場合、有機化合物の熱分解というトラブルに結びつきや
すい。ノズルの閉塞を防ぐためには、噴霧開始時はノズ
ル加熱温度を低めに設定し、噴霧開始以降、徐々に最適
値まで温度を上昇させる手法が効果的である。この手法
を用いる場合、最初に噴霧されるミストの温度は最適値
よりも低く、このようなミストが基板へ堆積されること
は避けなければならない。そのためには、ノズルからの
ミストを一時的に遮断するような、回転式シャッター板
41を用いる。噴霧開始時は、このシャッター板41に
よって、ノズル16からのミスト44が基板14へ届か
ないよう遮断し、ノズル加熱温度が最適値に到達した後
に、はじめてシャッター板41を開くことによって、好
ましい成膜条件、すなわち「実質的に液体媒体フリーの
状態で薄膜を形成できるような条件」を達成することが
できる。
【0066】溶液または分散液の噴霧速度は加圧送液ポ
ンプ18によって、前記最適値に調整される。さらに、
真空チャンバー10内の圧力を排気系、すなわちターボ
ポンプ22および真空ポンプ24の排気速度により調節
する。
ンプ18によって、前記最適値に調整される。さらに、
真空チャンバー10内の圧力を排気系、すなわちターボ
ポンプ22および真空ポンプ24の排気速度により調節
する。
【0067】さらにまた、噴霧ノズル16と基板14と
の間の距離を調節することによって、噴霧された溶液ま
たは分散液のミストが、真空チャンバー10内を噴霧ノ
ズル16から基板14に至るまで飛散する間に、ミスト
が吸収する帯域の光線・赤外線の照射を受けて、大部分
の液体媒体が気化するように設定することが可能とな
る。その結果、基板14上に実質的に液体媒体フリーの
前記光機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂
を堆積させることができる。なお、気化した液体媒体
は、トラップ20に捕捉される。
の間の距離を調節することによって、噴霧された溶液ま
たは分散液のミストが、真空チャンバー10内を噴霧ノ
ズル16から基板14に至るまで飛散する間に、ミスト
が吸収する帯域の光線・赤外線の照射を受けて、大部分
の液体媒体が気化するように設定することが可能とな
る。その結果、基板14上に実質的に液体媒体フリーの
前記光機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂
を堆積させることができる。なお、気化した液体媒体
は、トラップ20に捕捉される。
【0068】基板14として直径40mmから300m
mの大きさの円盤を用い、さらに溶液または分散液の液
体媒体として、常圧における沸点が30℃以上、120
℃以下、かつ融点が−20℃以下の化合物を用いた場
合、「実質的に液体媒体フリーの状態」の均一な膜厚の
薄膜を得るための成膜条件は、真空チャンバー10内の
圧力を1から10-6Paに保ち、真空チャンバー10か
らの排気速度を1気圧20℃換算で50リットル/分か
ら100立方メートル/分とし、噴霧ノズル16と基板
14間の距離を基板直径の1倍から10倍とし、噴霧ノ
ズル16の温度を前記液体媒体の融点より高く、常圧に
おける沸点以下の温度に保ち、液体トラップの温度を前
記液体媒体の融点よりも10℃以上低く保ち、さらに前
記溶液または分散液を1ナノリットル/分から1ミリリ
ットル/分の噴霧速度で噴霧することによって達成され
る。
mの大きさの円盤を用い、さらに溶液または分散液の液
体媒体として、常圧における沸点が30℃以上、120
℃以下、かつ融点が−20℃以下の化合物を用いた場
合、「実質的に液体媒体フリーの状態」の均一な膜厚の
薄膜を得るための成膜条件は、真空チャンバー10内の
圧力を1から10-6Paに保ち、真空チャンバー10か
らの排気速度を1気圧20℃換算で50リットル/分か
ら100立方メートル/分とし、噴霧ノズル16と基板
14間の距離を基板直径の1倍から10倍とし、噴霧ノ
ズル16の温度を前記液体媒体の融点より高く、常圧に
おける沸点以下の温度に保ち、液体トラップの温度を前
記液体媒体の融点よりも10℃以上低く保ち、さらに前
記溶液または分散液を1ナノリットル/分から1ミリリ
ットル/分の噴霧速度で噴霧することによって達成され
る。
【0069】さらに、真空中に噴霧されたミストが吸収
する帯域の光線・赤外線をランプ50から照射すること
によって、「実質的に溶媒を含有しない状態」をより確
実に達成することができる。真空中に噴霧されたミスト
へ光線・赤外線を照射することによって、そのミスト中
に含まれる液体媒体の蒸発熱を供給することが可能にな
る。
する帯域の光線・赤外線をランプ50から照射すること
によって、「実質的に溶媒を含有しない状態」をより確
実に達成することができる。真空中に噴霧されたミスト
へ光線・赤外線を照射することによって、そのミスト中
に含まれる液体媒体の蒸発熱を供給することが可能にな
る。
【0070】光源のランプ50としては、通常のタング
ステン電球やハロゲンランプに双曲線または楕円断面の
反射ミラーを組み合わせ、光線がおおむね平行光線55
として照射されるものを用いる。平行光線55の断面形
状については、特に制限はないが、以下、円形断面の平
行光線として説明する。円形断面の直径は、基板の直径
の0.5倍から5倍が好適である。平行光線の照射方向
は、ノズルから噴霧されたミストの照射方向に対して、
おおむね直交する方向が最適である。直交方向から70
度程度傾いていても差し支えない。ランプ50は真空チ
ャンバー10内部に設置しても、真空チャンバー10外
部に設置し、チャンバー外壁に設けた窓51を通じて、
チャンバー内へ照射しても良い。
ステン電球やハロゲンランプに双曲線または楕円断面の
反射ミラーを組み合わせ、光線がおおむね平行光線55
として照射されるものを用いる。平行光線55の断面形
状については、特に制限はないが、以下、円形断面の平
行光線として説明する。円形断面の直径は、基板の直径
の0.5倍から5倍が好適である。平行光線の照射方向
は、ノズルから噴霧されたミストの照射方向に対して、
おおむね直交する方向が最適である。直交方向から70
度程度傾いていても差し支えない。ランプ50は真空チ
ャンバー10内部に設置しても、真空チャンバー10外
部に設置し、チャンバー外壁に設けた窓51を通じて、
チャンバー内へ照射しても良い。
【0071】ランプ50の出力は、使用する光機能性有
機化合物および、使用する場合はバインダー樹脂の紫外
線、可視光線、および赤外線領域の光吸収特性に応じて
決定される。光機能性有機化合物が色素であり、基板の
直径が40mmから120mmの場合、白熱ランプの容
量は100Wから500Wが推奨される。基板の直径が
120mmから300mmの場合は、白熱ランプの容量
は200Wから2kWが好適である。使用する光機能性
有機化合物が可視光線領域に吸収を示さない場合は、赤
外線ランプを用いる。かかる場合のランプ出力は、色素
に白熱ランプを照射する上記の場合の、2倍から10倍
が好ましい。使用する光機能性化合物が、紫外線に敏感
で、光分解反応などを起こす場合は、紫外線カットフィ
ルターを用いる。
機化合物および、使用する場合はバインダー樹脂の紫外
線、可視光線、および赤外線領域の光吸収特性に応じて
決定される。光機能性有機化合物が色素であり、基板の
直径が40mmから120mmの場合、白熱ランプの容
量は100Wから500Wが推奨される。基板の直径が
120mmから300mmの場合は、白熱ランプの容量
は200Wから2kWが好適である。使用する光機能性
有機化合物が可視光線領域に吸収を示さない場合は、赤
外線ランプを用いる。かかる場合のランプ出力は、色素
に白熱ランプを照射する上記の場合の、2倍から10倍
が好ましい。使用する光機能性化合物が、紫外線に敏感
で、光分解反応などを起こす場合は、紫外線カットフィ
ルターを用いる。
【0072】ランプ50による加熱の状態は、以下のよ
うにしてモニターすることができる。すなわち、真空チ
ャンバー内部の光線通過領域で、噴霧ミストが付着しな
い位置に、熱伝導の影響を避けるため、先端部分の直径
が0.1ないし0.2mmの細い熱電対を設置し、その
表面を使用する光機能性化合物および使用する場合はバ
インダー樹脂によってコーティングしておく。コート層
の厚さは1から200μmとする。ランプ50を点灯し
た際にこの熱電対が示す温度は、溶媒が完全に蒸発した
後のミストにランプ加熱を継続した場合の到達温度に相
当し、この温度から、噴霧ミストが受ける熱量を推測す
ることができる。使用する光機能性化合物が熱分解しや
すい場合、このシステムによって、溶媒の蒸発に必要な
エネルギーを越えるようなランプ照射を避けることがで
きる。
うにしてモニターすることができる。すなわち、真空チ
ャンバー内部の光線通過領域で、噴霧ミストが付着しな
い位置に、熱伝導の影響を避けるため、先端部分の直径
が0.1ないし0.2mmの細い熱電対を設置し、その
表面を使用する光機能性化合物および使用する場合はバ
インダー樹脂によってコーティングしておく。コート層
の厚さは1から200μmとする。ランプ50を点灯し
た際にこの熱電対が示す温度は、溶媒が完全に蒸発した
後のミストにランプ加熱を継続した場合の到達温度に相
当し、この温度から、噴霧ミストが受ける熱量を推測す
ることができる。使用する光機能性化合物が熱分解しや
すい場合、このシステムによって、溶媒の蒸発に必要な
エネルギーを越えるようなランプ照射を避けることがで
きる。
【0073】溶液または分散液の噴霧終了後、基板14
上の薄膜中に残留した液体媒体などの揮発成分を完全に
除去するために、基板14の加熱を行う。
上の薄膜中に残留した液体媒体などの揮発成分を完全に
除去するために、基板14の加熱を行う。
【0074】基板および/またはバインダー樹脂として
熱可塑性樹脂を用いた場合、上記加熱温度は該熱可塑性
樹脂の熱変形開始温度を越えてはならない。同時に、使
用した光機能性有機化合物の融点および熱分解開始温度
を越えてはならない。また、使用した光機能性有機化合
物が昇華性の場合、激しい昇華が始まる温度を越えては
ならない。
熱可塑性樹脂を用いた場合、上記加熱温度は該熱可塑性
樹脂の熱変形開始温度を越えてはならない。同時に、使
用した光機能性有機化合物の融点および熱分解開始温度
を越えてはならない。また、使用した光機能性有機化合
物が昇華性の場合、激しい昇華が始まる温度を越えては
ならない。
【0075】基板およびバインダー樹脂が熱可塑性でな
い場合は、使用した光機能性有機化合物の融点および熱
分解開始温度を越えてはならない。また、使用した光機
能性有機化合物が昇華性の場合、激しい昇華が始まる温
度を越えてはならない。
い場合は、使用した光機能性有機化合物の融点および熱
分解開始温度を越えてはならない。また、使用した光機
能性有機化合物が昇華性の場合、激しい昇華が始まる温
度を越えてはならない。
【0076】また、上記のいずれの場合も、使用した光
機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂が、非
可逆的な相変化または結晶型変化を起こす場合、その開
始温度を越えてはならない。
機能性有機化合物および/またはバインダー樹脂が、非
可逆的な相変化または結晶型変化を起こす場合、その開
始温度を越えてはならない。
【0077】例えば、基板材質がポリカーボネートで、
バインダー樹脂を用いず、低分子量の有機化合物のみを
成膜する場合、熱処理は40℃から80℃、1分から2
時間で充分である。
バインダー樹脂を用いず、低分子量の有機化合物のみを
成膜する場合、熱処理は40℃から80℃、1分から2
時間で充分である。
【0078】さらにバインダー樹脂を用いる場合は、4
0℃で24から48時間、80℃で1から8時間を要す
る。
0℃で24から48時間、80℃で1から8時間を要す
る。
【0079】以上の工程で作成される薄膜の厚さは、光
記録媒体の種類にもよるが、10nmないし2000n
m程度である。
記録媒体の種類にもよるが、10nmないし2000n
m程度である。
【0080】さらに、以上の工程で作成される薄膜の上
に、例えばアルミニウムからなる反射膜を真空蒸着法で
形成し、積層しても良い。また、例えば紫外線硬化樹脂
からなる保護層を、公知の方法にしたがって、成膜・積
層しても良い。
に、例えばアルミニウムからなる反射膜を真空蒸着法で
形成し、積層しても良い。また、例えば紫外線硬化樹脂
からなる保護層を、公知の方法にしたがって、成膜・積
層しても良い。
【0081】
【実施例】以下に示す実施例により、本発明をさらに具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0082】<実施例1>シアニン色素として、1,
3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチル−2,2’−
(4,5,4’,5’−ジベンゾ)インドジカルボシア
ニンパークロレートをアセトンに溶解させ、1重量%の
濃度の溶液を調製した。通常のコンパクトディスクの約
4倍密度のEFM信号が微小なピット(最短ピット長
0.4μm、ピット深さ80nm)として形成されてい
るポリカーボネート樹脂射出成形基板上に、上記の色素
溶液を図1および図2に示した真空成膜装置を使用し
て、膜厚約250nmの色素薄膜を形成した。噴霧中、
開口部の直径60mmのパラボラ形反射ミラーを取り付
けた300Wハロゲンランプ50からの平行光線55
を、真空チャンバー10の外壁に設けた窓51から、ノ
ズル16からの噴霧方向に直交する向きに照射した。ラ
ンプの照射中、表面を前記シアニン色素で厚さ10μm
にコートした熱電対で測定した加熱温度は150℃であ
り、前記色素の熱分解開始温度よりも低かった。
3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチル−2,2’−
(4,5,4’,5’−ジベンゾ)インドジカルボシア
ニンパークロレートをアセトンに溶解させ、1重量%の
濃度の溶液を調製した。通常のコンパクトディスクの約
4倍密度のEFM信号が微小なピット(最短ピット長
0.4μm、ピット深さ80nm)として形成されてい
るポリカーボネート樹脂射出成形基板上に、上記の色素
溶液を図1および図2に示した真空成膜装置を使用し
て、膜厚約250nmの色素薄膜を形成した。噴霧中、
開口部の直径60mmのパラボラ形反射ミラーを取り付
けた300Wハロゲンランプ50からの平行光線55
を、真空チャンバー10の外壁に設けた窓51から、ノ
ズル16からの噴霧方向に直交する向きに照射した。ラ
ンプの照射中、表面を前記シアニン色素で厚さ10μm
にコートした熱電対で測定した加熱温度は150℃であ
り、前記色素の熱分解開始温度よりも低かった。
【0083】このときの、その他の真空成膜条件は以下
に示すとおりであった。
に示すとおりであった。
【0084】 (1)真空チャンバー内圧 : 1×10-4 Pa (2)色素溶液の噴霧速度 : 100 μl/分 (3)真空チャンバー排気速度 : 450 l/分
(1気圧、20℃換算) (4)噴霧ノズルと基板との距離: 180mm (5)噴霧ノズル加熱温度 : 40℃ 基板上にシアニン色素を含有する薄膜を形成した後に、
基板を約60℃で1時間加熱した。
(1気圧、20℃換算) (4)噴霧ノズルと基板との距離: 180mm (5)噴霧ノズル加熱温度 : 40℃ 基板上にシアニン色素を含有する薄膜を形成した後に、
基板を約60℃で1時間加熱した。
【0085】しかるのち、走査型電子顕微鏡(SEM)
で基板表面のピットを観察したところ、図3に示したよ
うに、色素薄膜形成後においてもピットは埋められてい
ないことが確認された。
で基板表面のピットを観察したところ、図3に示したよ
うに、色素薄膜形成後においてもピットは埋められてい
ないことが確認された。
【0086】<比較例1>実施例1と同じシアニン色素
をエチルセロソルブに溶解させ、3重量%の濃度の溶液
を調製した。次いで、実施例1において使用したのと同
じピットが形成されたポリカーボネート樹脂射出形成基
板上に、スピンコート法により塗布し、膜厚約300n
mの色素薄膜を形成した。上記と同様に基板表面のピッ
トをSEMにより観察したところ、図4に示したよう
に、色素薄膜形成後のピットは色素により埋められてい
ることが確認された。
をエチルセロソルブに溶解させ、3重量%の濃度の溶液
を調製した。次いで、実施例1において使用したのと同
じピットが形成されたポリカーボネート樹脂射出形成基
板上に、スピンコート法により塗布し、膜厚約300n
mの色素薄膜を形成した。上記と同様に基板表面のピッ
トをSEMにより観察したところ、図4に示したよう
に、色素薄膜形成後のピットは色素により埋められてい
ることが確認された。
【0087】<実施例2>基板上に可逆性色素であるサ
ーモクロミック化合物を有するマスク層を形成して超解
像光ディスクを製造した。すなわち、電子供与性呈色化
合物としてフルオランテン系化合物、顕色剤としてビス
フェノールAをモル比率1:3の割合でアセトンに溶解
させ、1重量%の濃度の混合溶液を調製した。
ーモクロミック化合物を有するマスク層を形成して超解
像光ディスクを製造した。すなわち、電子供与性呈色化
合物としてフルオランテン系化合物、顕色剤としてビス
フェノールAをモル比率1:3の割合でアセトンに溶解
させ、1重量%の濃度の混合溶液を調製した。
【0088】通常のコンパクトディスクの約4倍密度の
EFM信号が微小なピット(最短ピット長0.4μm、
ピット深さ80nm)として形成されているポリカーボ
ネート樹脂射出成形基板上に、上記の色素溶液を図1お
よび図2に示した真空成膜装置を使用して、膜厚約80
0nmの色素薄膜よりなるマスク層を形成した。噴霧
中、開口部の直径120mmのパラボラ形反射ミラーを
取り付けた250W赤外線ランプからの平行光線を、真
空チャンバーの外壁に設けた窓から、ノズル噴霧方向に
直交する向きに照射した。ランプ照射中、表面を前記噴
霧液中の固形分で200μmの厚さにコートした熱電対
で測定した加熱温度は120℃であり、使用した有機化
合物各々の熱分解開始温度よりも低かった。
EFM信号が微小なピット(最短ピット長0.4μm、
ピット深さ80nm)として形成されているポリカーボ
ネート樹脂射出成形基板上に、上記の色素溶液を図1お
よび図2に示した真空成膜装置を使用して、膜厚約80
0nmの色素薄膜よりなるマスク層を形成した。噴霧
中、開口部の直径120mmのパラボラ形反射ミラーを
取り付けた250W赤外線ランプからの平行光線を、真
空チャンバーの外壁に設けた窓から、ノズル噴霧方向に
直交する向きに照射した。ランプ照射中、表面を前記噴
霧液中の固形分で200μmの厚さにコートした熱電対
で測定した加熱温度は120℃であり、使用した有機化
合物各々の熱分解開始温度よりも低かった。
【0089】このときの、その他の真空成膜条件は以下
に示すとおりであった。
に示すとおりであった。
【0090】 (1)真空チャンバー内圧 : 1×10-4 Pa (2)色素溶液の噴霧速度 : 360 μl/分 (3)真空チャンバー排気速度 : 450 l/分
(1気圧、20℃換算) (4)噴霧ノズルと基板との距離: 180mm (5)噴霧ノズル加熱温度 : 40℃ さらに、このマスク層上に反射層としてアルミニウムを
真空スパッタリング法により約70nmの厚さに形成
し、その上に、保護層として紫外線硬化樹脂セイカビー
ムVDAL−392(大日精化工業製)を約7μmの厚
さで形成し、超解像光ディスクを得た。
(1気圧、20℃換算) (4)噴霧ノズルと基板との距離: 180mm (5)噴霧ノズル加熱温度 : 40℃ さらに、このマスク層上に反射層としてアルミニウムを
真空スパッタリング法により約70nmの厚さに形成
し、その上に、保護層として紫外線硬化樹脂セイカビー
ムVDAL−392(大日精化工業製)を約7μmの厚
さで形成し、超解像光ディスクを得た。
【0091】この超解像光ディスクを、波長680nm
の半導体レーザーを搭載したプレーヤーにより再生し
た。なお、このときのピックアップレンズの開口数(N
A)は0.6、再生条件として線速度(CLV)3m/
s、再生パワー約3.0mWとした。
の半導体レーザーを搭載したプレーヤーにより再生し
た。なお、このときのピックアップレンズの開口数(N
A)は0.6、再生条件として線速度(CLV)3m/
s、再生パワー約3.0mWとした。
【0092】再生したディスクの再生信号波形(アイパ
ターン)は超解像により、図5のオシロスコープ波型に
示したように、11T信号振幅に対する3T信号振幅の
比が82.2%となり、極めて良好な周波数特性を示す
ことが確認された。
ターン)は超解像により、図5のオシロスコープ波型に
示したように、11T信号振幅に対する3T信号振幅の
比が82.2%となり、極めて良好な周波数特性を示す
ことが確認された。
【0093】<比較例2>実施例2で使用したフルオラ
ンテン系化合物とビスフェノールAとをモル比率1:3
の割合にアセトンに溶解させ、4重量%の濃度の混合溶
液を調製した。
ンテン系化合物とビスフェノールAとをモル比率1:3
の割合にアセトンに溶解させ、4重量%の濃度の混合溶
液を調製した。
【0094】次いで、実施例2において使用したのと同
じピットが形成されたポリカーボネート樹脂射出形成基
板上に、スピンコート法により塗布し、膜厚約700n
mの色素薄膜を形成した。さらに、実施例2と同様に色
素薄膜上に反射膜および保護膜を形成し、光ディスクを
得た。
じピットが形成されたポリカーボネート樹脂射出形成基
板上に、スピンコート法により塗布し、膜厚約700n
mの色素薄膜を形成した。さらに、実施例2と同様に色
素薄膜上に反射膜および保護膜を形成し、光ディスクを
得た。
【0095】得られた光ディスクについて、実施例2と
同様のプレーヤーで再生を試みたが、サーモクロミック
材料が基板のピットを埋めてしまったため、再生するこ
とが不可能であった。
同様のプレーヤーで再生を試みたが、サーモクロミック
材料が基板のピットを埋めてしまったため、再生するこ
とが不可能であった。
【0096】このように、本発明においては、基板とし
て耐液体媒体性の比較的低いポリカーボネート樹脂を使
用した場合でも、液体媒体により基板が侵されることな
く、また、ピットが埋められることなく、有機化合物を
含有する薄膜を形成することができる。さらに、昇華性
を示さないため、加熱真空蒸着法で成膜できないシアニ
ン色素を容易に成膜することができるという利点を有す
る。
て耐液体媒体性の比較的低いポリカーボネート樹脂を使
用した場合でも、液体媒体により基板が侵されることな
く、また、ピットが埋められることなく、有機化合物を
含有する薄膜を形成することができる。さらに、昇華性
を示さないため、加熱真空蒸着法で成膜できないシアニ
ン色素を容易に成膜することができるという利点を有す
る。
【0097】
【発明の効果】本発明の光記録媒体の製造方法によっ
て、基板上に既に形成されている小さいピットや浅い溝
などを埋めることなく、また、これらピットや溝を損傷
することなく、基板上に光機能性有機化合物を含有する
薄膜層を形成することができる。すなわち、本発明の方
法によって、実質的に液体媒体フリーの状態で薄膜を形
成できるような条件が達成され、基板上に噴霧された溶
液や分散液が流動したり、基板を侵す可能性のある液体
媒体が基板と直接接触することなく、基板上に光機能性
有機化合物を含有する薄膜層を形成することができる。
て、基板上に既に形成されている小さいピットや浅い溝
などを埋めることなく、また、これらピットや溝を損傷
することなく、基板上に光機能性有機化合物を含有する
薄膜層を形成することができる。すなわち、本発明の方
法によって、実質的に液体媒体フリーの状態で薄膜を形
成できるような条件が達成され、基板上に噴霧された溶
液や分散液が流動したり、基板を侵す可能性のある液体
媒体が基板と直接接触することなく、基板上に光機能性
有機化合物を含有する薄膜層を形成することができる。
【0098】また、本発明の光記録媒体は、基板にあら
かじめ形成されている微小なピットや溝が有機化合物を
含有する層により埋められることがないため、高密度の
記録または再生が可能となる。
かじめ形成されている微小なピットや溝が有機化合物を
含有する層により埋められることがないため、高密度の
記録または再生が可能となる。
【図1】本発明の光記録媒体の製造に使用される真空成
膜装置の構成の一例を示す概略構成図である。
膜装置の構成の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の真空成膜装置における基板支持台の回転
機構を説明するための概略構成図である。
機構を説明するための概略構成図である。
【図3】実施例1により得られた光記録媒体の表面をピ
ットの形状がわかるように撮影した走査型電子顕微鏡写
真である。
ットの形状がわかるように撮影した走査型電子顕微鏡写
真である。
【図4】比較例1により得られた光記録媒体の表面をピ
ットの形状がわかるように撮影した走査型電子顕微鏡写
真である。
ットの形状がわかるように撮影した走査型電子顕微鏡写
真である。
【図5】実施例2により得られた光記録媒体の再生信号
のアイパターンを撮影したオシロ波型の写真である。
のアイパターンを撮影したオシロ波型の写真である。
10 真空チャンバー、12 回転機構を有する基板支
持台、14 基板、16 噴霧ノズル、18 加圧送液
ポンプ、20 液体媒体冷却トラップ、22ターボポン
プ、24 真空ポンプ、30、32 歯車、34 アー
ム、34a、34b 回転軸、41 回転式シャッター
板、42 シャッター板回転機構、44 噴霧ミスト、
50 ランプ、51 窓、55 平行光線。
持台、14 基板、16 噴霧ノズル、18 加圧送液
ポンプ、20 液体媒体冷却トラップ、22ターボポン
プ、24 真空ポンプ、30、32 歯車、34 アー
ム、34a、34b 回転軸、41 回転式シャッター
板、42 シャッター板回転機構、44 噴霧ミスト、
50 ランプ、51 窓、55 平行光線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宝田 茂 東京都足立区堀之内1丁目9番4号 大日 精化工業株式会社東京製造事業所内 (72)発明者 柳本 宏光 東京都足立区堀之内1丁目9番4号 大日 精化工業株式会社東京製造事業所内 (72)発明者 上野 一郎 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 辻田 公二 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも1つの記録面にあらかじめ情
報がピットおよび/または連続溝として記録された基板
を用い、 前記ピットおよび/または連続溝の形状を損なわないよ
うに実質的に液体媒体フリーの状態で薄膜を形成できる
ような条件を満たし、真空チャンバー内に置いた前記基
板の少なくとも1つの記録面に、少なくとも1種類の光
機能性有機化合物を含有する成膜材料の溶液または分散
液を噴霧し、 さらに、薄膜を加熱乾燥処理することを特徴とする光記
録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 真空チャンバー内へ噴霧された前記成膜材料の溶液また
は分散液のミストへ、ミストが吸収する波長帯域の光線
および/または熱線を照射することによって、ミスト中
の液体媒体の蒸発熱を供給することを特徴とする成膜方
法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 前記成膜材料が、本質的に、少なくとも1種類の前記光
機能性有機化合物からなることを特徴とする光記録媒体
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 前記成膜材料が、本質的に、少なくとも1種類の前記光
機能性有機化合物およびバインダー樹脂の混合物からな
ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 前記基板として直径40mmから300mmの大きさの
円盤を用い、 前記溶液または分散液の液体媒体として、常圧における
沸点が30℃以上、120℃以下、かつ融点が−20℃
以下の化合物を用い、 成膜条件として、 前記真空チャンバー内の圧力を1から10-6Paに保
ち、 前記真空チャンバーからの排気速度を1気圧20℃換算
で50リットル/分から100立方メートル/分とし、 噴霧ノズルと前記基板間の距離を前記基板直径の1倍か
ら10倍とし、 噴霧ノズルの温度を前記液体媒体の融点より高く、常圧
における沸点以下の温度に保ち、 液体トラップの温度を前記液体媒体の融点よりも10℃
以上低く保ち、 前記溶液または分散液を1ナノリットル/分から1ミリ
リットル/分の噴霧速度で噴霧することを特徴とする光
記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の光記録媒体の製造方法
において、 前記液体トラップが液体窒素によって冷却されているこ
とを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 前記基板として熱可塑性樹脂からなる基板を用い、 前記薄膜の加熱乾燥処理温度は、前記熱可塑性樹脂の熱
変形開始温度を越えない温度であることを特徴とする光
記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
において、 さらに、前記薄膜の上に反射膜および保護膜を形成する
ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法
によって製造される光記録媒体。 - 【請求項10】 前記基板が光透過性を有することを特
徴とする請求項9記載の光記録媒体。 - 【請求項11】 前記基板が熱可塑性樹脂により形成さ
れている請求項9または10記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10134659A JPH11316973A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 光記録媒体の製造方法およびその方法で製造される光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10134659A JPH11316973A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 光記録媒体の製造方法およびその方法で製造される光記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11316973A true JPH11316973A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=15133564
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10134659A Pending JPH11316973A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 光記録媒体の製造方法およびその方法で製造される光記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11316973A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005508515A (ja) * | 2001-10-30 | 2005-03-31 | コヴィオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー | Ir/nir放射を使用して有機半導体、有機導電体または有機カラーフィルターの層を乾燥する方法 |
| WO2006070713A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
| WO2019004299A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | 株式会社シンクロン | 成膜装置 |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP10134659A patent/JPH11316973A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005508515A (ja) * | 2001-10-30 | 2005-03-31 | コヴィオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー | Ir/nir放射を使用して有機半導体、有機導電体または有機カラーフィルターの層を乾燥する方法 |
| WO2006070713A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
| WO2019004299A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | 株式会社シンクロン | 成膜装置 |
| CN109207932A (zh) * | 2017-06-30 | 2019-01-15 | 株式会社新柯隆 | 成膜装置 |
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