JPH11344841A - 発泡抑制剤を含有する湿式現像剤及びその製造方法 - Google Patents

発泡抑制剤を含有する湿式現像剤及びその製造方法

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JPH11344841A
JPH11344841A JP10277931A JP27793198A JPH11344841A JP H11344841 A JPH11344841 A JP H11344841A JP 10277931 A JP10277931 A JP 10277931A JP 27793198 A JP27793198 A JP 27793198A JP H11344841 A JPH11344841 A JP H11344841A
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JP
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copolymer resin
dispersion medium
monomer unit
foaming
wet developer
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Application number
JP10277931A
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English (en)
Inventor
Katsuya Tejima
勝弥 手嶋
Makoto Aoyanagi
誠 青柳
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発泡原反の表面に発泡抑制剤のパターンを静
電記録または静電転写の手法で形成して発泡させた表面
凹凸発泡体を得ることができる、発泡抑制剤を包含した
トナー粒子を分散させた湿式現像剤およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 電気絶縁性分散媒中に、2種以上のモノ
マー単位から構成される共重合樹脂からなり且つ発泡抑
制剤を包含してなる共重合樹脂粒子を分散した湿式現像
剤を用いる。(1)共重合樹脂の第1モノマー単位のみ
から構成されたホモポリマーのSP値δp 1 と分散媒の
SP値δdとの差が1.0以上であり、共重合樹脂の第
2モノマー単位のみから構成されたホモポリマーのSP
値δp 2 と分散媒のSP値δdとの差が1.0以下であ
り、δp1 とδp2 との差が0.5以上となる関係を有
しており、且つ、(2)共重合樹脂粒子が、分散媒に不
溶な核部分と、核部分を包む、分散媒に溶解または膨潤
する外縁部分とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体的な表面模様
を有する発泡体、例えば、発泡壁紙や発泡床材等を製造
するために用いられる湿式現像剤およびその製造方法に
関する。さらに詳しくは、発泡性樹脂組成物で形成され
た発泡原反(発泡性を有する予備成形体)の表面に、静
電記録、静電転写、静電印刷等の手法により発泡抑制剤
をパターン状に付着させることを可能とする、発泡抑制
剤を含有した湿式現像剤およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】発泡壁紙や発泡床材のように立体的模様
を有する印刷物或いは建築資材が、ケミカルエンボスと
言われる加工方法により製造されている。発泡性樹脂組
成物でできている発泡原反の表面に、発泡抑制剤を所定
のパターン状に被覆または浸透させ、それから加熱など
の方法により発泡させると、発泡抑制剤が存在していな
い部分は発泡して隆起するが、発泡抑制剤が存在してい
る部分では発泡しないままである。その結果、表面に凹
凸を有する発泡体が形成される。発泡体の表面に形成さ
れた凹凸は、発泡抑制剤のパターンに対応した立体的模
様となる。ケミカルエンボスにおいては、このような方
法によって立体的模様を有する印刷物或いは建築資材が
製造される。このようなケミカルエンボスの手法は、特
公昭43−28636号公報や特公昭47−29187
号公報等に記載されている。
【0003】発泡性樹脂組成物としては、例えば、ポリ
塩化ビニル樹脂と、アゾジカルボンアミドのような発泡
剤と、ナフテン酸亜鉛のような発泡促進剤を含有する組
成物が使用されている。アゾジカルボンアミドのような
発泡剤は、加熱されると分解して二酸化炭素等のガスを
発生させ、発泡性樹脂組成物中に気泡を形成する。ナフ
テン酸亜鉛のような発泡促進剤は、発泡剤の分解を促進
する触媒であり、分解温度を低下させる。一方、発泡抑
制剤としては、発泡促進剤の作用を妨害することのでき
るベンゾトリアゾール系化合物などが用いられる。この
ような発泡抑制剤を、発泡性樹脂組成物でできた発泡原
反の表面に塗布すると、発泡抑制剤を塗布した部分の発
泡温度は、これを塗布していない部分の発泡温度よりも
高くなる。そのため、発泡原反の加熱温度を、未塗布部
の発泡温度以上で、且つ、塗布部の発泡温度未満に調節
することにより、未塗布部だけを発泡させることができ
る。
【0004】従来は、グラビア印刷やオフセット印刷な
どの印刷法により、発泡原反の表面に発泡抑制剤をパタ
ーン状に塗布していた。しかしながら、印刷法による場
合には、印刷版を作成するために比較的長い時間がかか
り、コストもかさんでいた。このため、開発段階での試
作品の作成と評価を円滑に行なうことができないという
問題を抱えていた。
【0005】試作品を作成するかわりに、試作品の表面
デザインを再現した画像をデジタル処理により合成し、
それを静電プロッターや電子写真プリンターのようなオ
ンデマンドプリンターを利用して、迅速に出力するとい
う方法も考慮に値する。一般的な印刷物であれば、各種
のデジタル校正印刷機を用いることにより、最終製品ま
たは試作品の画像に良く似た画像を短時間のうちに合成
して出力できるので、校正用原稿の作成と評価を機動的
に行なうことができる。しかしながら、表面に凹凸を有
する発泡体は、印象や風合いなどを含めた意匠性が発泡
加工により大きく変化するので、デジタル校正印刷機等
をもってしても、最終製品または試作品の表面デザイン
に良く似た画像を合成し、評価することは不可能であっ
た。
【0006】このため、発泡壁紙や発泡床材などの立体
的模様を有する発泡製品の開発段階においては、デザイ
ナー等の開発者は、試作品を頻繁に作成することを許さ
れておらず、もっぱらデジタル校正印刷機等で出力し
た、あまり正確に再現されているとは言えない合成画像
を参考にして開発を進めざるを得ない状況にあり、表面
凹凸の意匠性を詳細に評価することが困難であった。
【0007】また、顧客に対して発泡製品をプレゼンテ
ーションするためには、上市品またはそれに非常に近い
見本を用いてその意匠性を充分にアピールするのが望ま
しい。しかしながら、そのためには、発泡抑制剤を塗布
するために印刷版を作成する必要があるので、時間的ま
たはコスト的な障害が大きくなる。従って、プレゼンテ
ーションを機動的に行なうことが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、もし発
泡抑制剤をトナー化できれば、発泡原反の表面に、所望
のパターンを持つ発泡抑制剤の被覆または浸透部分を、
静電プロッターや電子写真プリンターのようなオンデマ
ンドプリンターを利用して容易且つ迅速に形成できるよ
うになり、いろいろなデザインの発泡体を機動的に作成
できると考えた。しかしながら、発泡抑制剤をトナー化
するためには、発泡抑制剤に優れた分散性と帯電性を持
たせなければならない。
【0009】本発明は、上記の実状に鑑みて成し遂げら
れたものであり、その第1の目的は、発泡抑制剤を包含
すると共に優れた帯電性を備えたトナー粒子を良好に分
散させた湿式現像剤とその製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的は、発泡抑制剤を包含す
ると共に負帯電したトナー粒子を良好に分散させた湿式
現像剤を提供すると共に、発泡抑制剤を包含するトナー
粒子の帯電性を負電荷に調節することのできる、湿式現
像剤の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る湿式現像剤
は、電気絶縁性分散媒中に、少なくとも第1モノマー単
位と第2モノマー単位を含む2種以上のモノマー単位か
ら構成される共重合樹脂からなり且つ発泡性樹脂組成物
の発泡を抑制することができる発泡抑制剤を包含してな
る共重合樹脂粒子を分散した湿式現像剤であって、
(1)前記の電気絶縁性分散媒と共重合樹脂とは、
(i)共重合樹脂の第1モノマー単位のみから構成され
たホモポリマーの溶解度パラメーター値δp1 と電気絶
縁性分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差Δ(δp
1 −δd)が1.0以上であり、(ii)共重合樹脂の
第2モノマー単位のみから構成されたホモポリマーの溶
解度パラメーター値δp2 と電気絶縁性分散媒の溶解度
パラメーター値δdとの差Δ(δp2 −δd)が1.0
以下であり、(iii)2つの上記ホモポリマーの溶解
度パラメーター値δp1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp
2 )が0.5以上となる関係を有しており、(2)前記
の共重合樹脂粒子が、電気絶縁性分散媒に不溶な核部分
と、該核部分を包む、電気絶縁性分散媒に溶解または膨
潤する外縁部分とからなり、且つ、(3)電荷制御剤と
して、リン脂質、中性または塩基性金属ペトロネート、
或いは、有機酸の金属塩化合物を含有することを特徴と
する。
【0011】上記湿式現像剤の好適な第一の製造方法
(以下「溶媒置換法」という。)は、少なくとも下記の
工程群を含んでいる。そして、下記工程群を含む一連の
製造過程のいずれかの段階において、原料、原料以外の
材料または中間製造物中に、電荷制御剤としてレシチン
と塩基性カルシウムペトロネートを添加することを特徴
とする。
【0012】工程群: (1)少なくとも第1モノマー単位と第2モノマー単位
を含む2種以上のモノマー単位から構成される共重合樹
脂を溶媒中に溶解させた溶液と、下記の溶解度パラメー
ター特性を有する電気絶縁性分散媒とを準備する工程、 [電気絶縁性分散媒の溶解度パラメーター特性](i)
前記の第1モノマー単位のみから構成されたホモポリマ
ーの溶解度パラメーター値δp1 と当該分散媒の溶解度
パラメーター値δdとの差Δ(δp1 −δd)が1.0
以上であると共に、(ii)前記の第2モノマー単位の
みから構成されたホモポリマーの溶解度パラメーター値
δp2 と当該分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差
Δ(δp 2 −δd)が1.0以下であり、且つ、(ii
i)2つの上記ホモポリマーの溶解度パラメーター値δ
1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp2 )が0.5以上と
なる関係を有する。
【0013】(2)準備した共重合樹脂の溶液と電気絶
縁性分散媒を、発泡性樹脂組成物の発泡を抑制すること
ができる発泡抑制剤の共存下で混合する工程、及び、 (3)造粒後に前記溶媒を除去する工程。
【0014】ここで、本発明で使用される電気絶縁性分
散媒のSP値(溶解度パラメーター値)δdは、当該δ
dと共重合樹脂の第1モノマー単位のみで構成されたホ
モポリマーのSP値δp1 との差Δ(δp1 −δd)が
1.0以上になると共に、当該δdと共重合樹脂の第2
モノマー単位のみで構成されたホモポリマーのSP値δ
2 との差Δ(δp2 −δd)が1.0以下となる関係
を有している。すなわち、本発明で使用される分散媒
は、共重合樹脂の第1モノマー単位の部分との親和性は
低く、一方、共重合樹脂の第2モノマー単位の部分との
親和性は高い。しかも、2つの上記ホモポリマーの溶解
度パラメーター値δp1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp
2 )が0.5以上あるから、第1モノマー単位の部分に
対する当該分散媒の親和性と、第2モノマー単位の部分
に対する当該分散媒の親和性には、相当の開きがある。
【0015】そのため、少なくとも第1モノマー単位と
第2モノマー単位から構成される共重合樹脂の溶液と、
上記のようなSP値特性を有する電気絶縁性分散媒と
を、電気絶縁性分散媒に対して親和性が元々少ない発泡
抑制剤を共存させた条件下で混合すると、共重合樹脂の
第1モノマー単位の部分が分散媒と反発して発泡抑制剤
の表面に吸着し、その結果、発泡抑制剤を核にして共重
合樹脂が微視的に凝集する。このようにして発泡抑制剤
を包含する共重合樹脂粒子が形成される。
【0016】形成された共重合樹脂粒子は、分散媒に不
溶な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解または膨
潤する外縁部分からなる。ここで、核部分は、発泡抑制
剤と、共重合樹脂の分子中において発泡抑制剤に対する
親和性の高い部分、とりわけ第1モノマー単位の部分と
で構成されている。また、外縁部分は、共重合樹脂の分
子中において電気絶縁性分散媒に対する親和性の高い部
分、とりわけ第2モノマー単位の部分で構成されてい
る。共重合樹脂粒子はこのような構造を有しているの
で、発泡抑制剤の粒子同士を直接接触させないように
し、分散媒中に良好に分散させ、沈殿やマクロ的な凝集
を起こしにくい。また共重合樹脂粒子は、レシチンと塩
基性カルシウムペトロネートの添加により、帯電性も良
好に調節されている。従って、溶媒置換法によって製造
された本発明の湿式現像剤を用いて静電潜像を現像する
ことにより、静電潜像と一致し且つ発泡抑制剤を含有す
るパターンを形成することができる。
【0017】このように、溶媒置換法によって製造され
た湿式現像剤を用いれば、発泡抑制剤のパターンを静電
記録または静電転写の手法を利用して、容易且つ迅速に
発泡原反の表面に形成することができる。静電記録また
は静電転写による場合には製版工程が必要ない。従っ
て、凹凸発泡体を、時間や手間をかけないで製造するこ
とができる。特に、試作品を繰り返し作成したり、プレ
ゼンテーションのスケジュールにあわせて見本を早急に
作成したり、オーダーメイドシステムを構築して多品種
の凹凸発泡体を少量ずつ供給するなどの用途に適してい
る。なお静電記録または静電転写のほかにも、静電印刷
などのように静電的作用を利用する手法があるが、本発
明の湿式現像剤は、このような静電的手法全般に用いる
ことができる。
【0018】発泡抑制剤をトナー化するに当たっては、
帯電量を適切に調節することが重要であるが、それと共
に、帯電の極性を意図的に正負のいずれかに調節するこ
とも重要である。本発明者らの研究によれば、発泡抑制
剤のトナーを意図的に負帯電させるのは非常に困難であ
ったが、電荷制御剤としてレシチンと塩基性カルシウム
ペトロネートを組み合わせて用いることによって、発泡
抑制剤のトナー粒子を負帯電させることができるように
なった。特に、発泡抑制剤として無水トリメリット酸を
用いた場合や、第1モノマー単位が酸性基を有している
共重合樹脂を用いた場合には、トナー粒子を負帯電させ
やすい。
【0019】また、レシチンと塩基性カルシウムペトロ
ネートそれぞれの添加量を、発泡抑制剤3.6重量部に
対していずれも0.05〜0.5重量部とすることによ
り、トナー粒子を負帯電させやすく、また、静電潜像上
に多量の発泡抑制剤を付着させることができる。
【0020】本発明の第一の製造方法である溶媒置換法
で無水トリメリット酸をトナー化する場合には、共重合
樹脂をトルエンで溶解するのが好ましい。共重合樹脂粒
子は発泡抑制剤の表面に共重合樹脂を吸着させた構造を
有しているが、共重合樹脂を溶解するための溶媒が発泡
抑制剤まで溶解してしまうと、そのような構造の共重合
樹脂粒子をうまく析出させることができない。トルエン
は、共重合樹脂に対しては溶解性が良好であるが、無水
トリメリット酸に対しては不溶性または難溶性なので、
共重合樹脂のトルエン溶液を、無水トリメリット酸の共
存下で電気絶縁性分散媒と混合すると、トリメリット酸
を包含した共重合樹脂粒子をうまく析出させることがで
きる。
【0021】次いで、上記湿式現像剤の好適な第二の製
造方法(以下「徐冷法」という。)は、少なくとも下記
の工程群を含んでいる。そして、下記の工程群を含む一
連の製造過程のいずれかの段階において、原料、原料以
外の材料または中間製造物中に、電荷制御剤として、リ
ン脂質、中性または塩基性金属ペトロネート、或いは、
有機酸の金属塩化合物を添加することを特徴とする。
【0022】工程群: (1)下記の溶解度パラメーター特性を有する電気絶縁
性分散媒を加熱して、少なくとも第1モノマー単位と第
2モノマー単位を含む2種以上のモノマー単位から構成
される共重合樹脂を溶解すると共に、前記電気絶縁性分
散媒中に、前記共重合樹脂と同時または別個に発泡性樹
脂組成物の発泡を抑制することができる発泡抑制剤を分
散させて加熱混合物を調製する工程、 [電気絶縁性分散媒の溶解度パラメーター特性](i)
前記の第1モノマー単位のみから構成されたホモポリマ
ーの溶解度パラメーター値δp1 と当該分散媒の溶解度
パラメーター値δdとの差Δ(δp1 −δd)が1.0
以上であると共に、(ii)前記の第2モノマー単位の
みから構成されたホモポリマーの溶解度パラメーター値
δp2 と当該分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差
Δ(δp 2 −δd)が1.0以下であり、且つ、(ii
i)2つの上記ホモポリマーの溶解度パラメーター値δ
1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp2 )が0.5以上と
なる関係を有する。
【0023】(2)前記の加熱混合物を徐冷する工程 ここで、徐冷法で使用される電気絶縁性分散媒のSP値
(溶解度パラメーター値)δdと共重合樹脂の第1モノ
マー単位のみで構成されたホモポリマーのSP値δp1
との差Δ(δp1 −δd)、および、当該δdと共重合
樹脂の第2モノマー単位のみで構成されたホモポリマー
のSP値δp2 との差Δ(δp2 −δd)は、上述の溶
媒置換法と同一の関係を有している。すなわち、徐冷法
で使用される分散媒も、共重合樹脂の第1モノマー単位
の部分との親和性は低く、一方、共重合樹脂の第2モノ
マー単位の部分との親和性は高い。しかも、2つの上記
ホモポリマーの溶解度パラメーター値δp1 、δp2
差Δ(δp1 −δp2 )も、上述の溶媒置換法と同一の
関係を有するので、第1モノマー単位の部分に対する当
該分散媒の親和性と、第2モノマー単位の部分に対する
当該分散媒の親和性には、相当の開きがある。
【0024】さらに、この電気絶縁性分散媒は、加熱さ
れることによって、少なくとも第1モノマー単位と第2
モノマー単位から構成される共重合樹脂を溶解し、その
後冷却されることによって、その電気絶縁性分散媒中に
溶解した共重合樹脂を析出するという性質を有してい
る。
【0025】そのため、少なくとも第1モノマー単位と
第2モノマー単位から構成される共重合樹脂は、上記の
ようなSP値特性を有する電気絶縁性分散媒を加熱する
ことによってその分散媒中に溶解される。この溶解を、
電気絶縁性分散媒に対して親和性が元々少ない発泡抑制
剤を共存させた条件下で行うと、共重合樹脂が電気絶縁
性分散媒に溶解した溶液中に、発泡抑制剤が分散した状
態の高温の混合物が得られる。その後その混合物を冷却
すると、共重合樹脂が析出する。この析出は、共重合樹
脂の第1モノマー単位の部分が分散媒と反発して発泡抑
制剤の表面に吸着し、その結果、発泡抑制剤を核にして
共重合樹脂が微視的に凝集することによって起こる。こ
のようにして発泡抑制剤を包含する共重合樹脂粒子が形
成される。共重合樹脂の析出が開始する温度から共重合
樹脂の析出が完了する温度の間の冷却を徐々に行うこと
によって、上記の混合物中に混合した発泡抑制剤を核に
した微視的な凝集を均一に起こすことができる。
【0026】形成された共重合樹脂粒子は、上述の溶媒
置換法で得られたものと同じ構成であり、分散媒に不溶
な核部分と、該核部分を包む、分散媒に溶解または膨潤
する外縁部分からなる。ここで、核部分は、発泡抑制剤
と、共重合樹脂の分子中において発泡抑制剤に対する親
和性の高い部分、とりわけ第1モノマー単位の部分とで
構成されている。また、外縁部分は、共重合樹脂の分子
中において電気絶縁性分散媒に対する親和性の高い部
分、とりわけ第2モノマー単位の部分で構成されてい
る。共重合樹脂粒子はこのような構造を有しているの
で、発泡抑制剤の粒子同士を直接接触させないように
し、分散媒中に良好に分散させ、沈殿やマクロ的な凝集
を起こしにくい。
【0027】また共重合樹脂粒子は、リン脂質、中性ま
たは塩基性金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩
化合物の添加により、帯電性も良好に調節されている。
従って、徐冷法によって製造された湿式現像剤を用いて
静電潜像を現像することにより、静電潜像と一致し且つ
発泡抑制剤を含有するパターンを形成することができ
る。
【0028】このように、徐冷法によって製造された湿
式現像剤を用いれば、発泡抑制剤のパターンを静電記録
または静電転写の手法を利用して、容易且つ迅速に発泡
原反の表面に形成することができる。静電記録または静
電転写による場合には製版工程が必要ない。従って、凹
凸発泡体を、時間や手間をかけないで製造することがで
きる。特に、試作品を繰り返し作成したり、プレゼンテ
ーションのスケジュールにあわせて見本を早急に作成し
たり、オーダーメイドシステムを構築して多品種の凹凸
発泡体を少量ずつ供給するなどの用途に適している。な
お静電記録または静電転写のほかにも、静電印刷などの
ように静電的作用を利用する手法があるが、本発明の湿
式現像剤は、このような静電的手法全般に用いることが
できる。
【0029】発泡抑制剤をトナー化するに当たっては、
帯電量を適切に調節することが重要であるが、それと共
に、帯電の極性を意図的に正負のいずれかに調節するこ
とも重要である。徐冷法によった本発明によれば、発泡
抑制剤として無水トリメリット酸を用いたとき、第1モ
ノマー単位が酸性基を有している共重合樹脂を用いた場
合には、トナー粒子を負帯電させやすい。特に、電荷制
御剤として、リン脂質、中性または塩基性金属ペトロネ
ート、或いは、有機酸の金属塩化合物を組み合わせて用
いることによって、発泡抑制剤のトナー粒子を負帯電さ
せることができる。
【0030】前記電荷制御剤であるリン脂質、中性また
は塩基性金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化
合物を、前記の加熱混合物を調製する工程で添加するこ
とが好ましい。この時に添加される電荷制御剤は、形成
される共重合樹脂粒子の分散性を向上させる分散剤とし
て作用したり、最終的な帯電量を調節しやすくする補助
的な作用をすると推測され、その結果、分散性に優れ、
容易に帯電量を調節できる湿式現像剤を製造することが
できる。
【0031】また、中性または塩基性金属ペトロネート
を構成する金属としては、カルシウム、マグネシウム、
バリウムまたはナトリウムの何れのものも使用すること
ができ、リン脂質としてはレシチンを好ましく使用する
ことができ、有機酸の金属塩化合物を構成する金属とし
てはコバルト、マンガン、ジルコニウム、イットリウ
ム、ニッケル、カルシウム、鉄、鉛、クロム、亜鉛、マ
グネシウム、バリウム等の何れのものも使用することが
できる。
【0032】リン脂質、或いは、中性または塩基性金属
ペトロネートの添加量を、発泡抑制剤60重量部に対し
て0.1〜30重量部とすることにより、トナー粒子を
負帯電させやすく、また、静電潜像上に多量の発泡抑制
剤を付着させることができる。
【0033】徐冷法による場合には、溶媒置換法による
場合よりもさらに再現性が高く、同一条件の下では同一
極性で帯電量の一定した湿式現像剤を容易に得ることが
できる。また、徐冷法による場合には、溶媒置換法によ
る場合よりもさらに発泡抑制剤の含有率の高い共重合樹
脂粒子が得られる。溶媒置換法による場合にも、共重合
樹脂粒子中の発泡抑制剤の含有率を50重量%とかなり
高くまで上げることができるが、徐冷法による場合に
は、実用に適する極性と帯電量を保有したまま、共重合
樹脂粒子中の発泡抑制剤の含有率を50重量%〜80重
量%とさらに高くすることができるので、特に好まし
い。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0035】(1)発泡性樹脂組成物と発泡抑制剤 本発明の湿式現像剤は発泡抑制剤のトナー粒子を分散さ
せたものであり、静電記録や静電転写や静電印刷のよう
な静電気的作用を利用して、発泡性樹脂組成物により形
成された予備成形体(発泡原反)の表面にトナー粒子を
所定のパターン状に付着させることができる。そして、
トナー粒子の付着後に発泡原反を発泡させると、表面凹
凸を有する発泡体が得られる。
【0036】発泡性樹脂組成物としては、少なくとも樹
脂を含有し、何らかの加工方法、例えば加熱や化学反応
などの方法により発泡する性質を有し、発泡後には樹脂
中に気泡を多量に包含する組織構造を形成し、且つ、適
切に選択した発泡抑制剤によって当該発泡性樹脂組成物
の発泡性を阻止または減退することができるものを使
う。
【0037】通常よく用いられる樹脂組成物としては、
熱可塑性樹脂と、加熱により分解してガスを発生する発
泡剤と、発泡剤の熱分解温度(発泡温度)を降下させる
触媒として作用する発泡促進剤の混合物を用いる。ま
た、このような樹脂組成物と組み合わせて用いる発泡抑
制剤としては、発泡促進剤の作用を阻害して発泡剤の分
解温度を上昇させるものを用いることができる。熱可塑
性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、特に多
孔質ポリ塩化ビニル樹脂を用いる。発泡剤としては、例
えば、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、P−トルエンスルホニルセミカ
ルバジドなどを用いる。発泡促進剤としては、例えば、
ナフテン酸亜鉛などを用いる。発泡性樹脂組成物には、
発泡後の意匠性等を高めるなどの目的で、必要に応じて
着色剤、蛍光剤、脱臭剤、紫外線カット剤、抗菌剤など
を添加してもよい。
【0038】また、発泡抑制剤としては、無水トリメリ
ット酸またはベンゾトリアゾールを単独で、または組み
合わせて用いるのが好ましい。発泡抑制剤をトナー化す
るためには、常温で固体の発泡抑制剤を用いる必要があ
る。発泡抑制剤には常温で液体のものが多いが、無水ト
リメリット酸とベンゾトリアゾールは常温で固体であ
る。
【0039】(2)湿式現像剤とその製造方法 本発明にかかる湿式現像剤は、少なくとも第1モノマー
単位と第2モノマー単位を含む2種以上のモノマー単位
から構成された共重合樹脂からなり且つ無水トリメリッ
ト酸等の発泡抑制剤を包含してなる共重合樹脂粒子を、
電気絶縁性分散媒中に分散してなるものである。また、
本発明の湿式現像剤には、電荷制御剤としてリン脂質、
中性または塩基性金属ペトロネート、或いは、有機酸の
金属塩化合物が添加されている。
【0040】本発明の湿式現像剤は、例えば、共重合樹
脂を溶媒中に溶解させた溶液と、電気絶縁性分散媒と
を、無水トリメリット酸等の発泡抑制剤の共存下で混合
して共重合樹脂粒子を造粒したのち、前記溶媒を除去す
る溶媒置換法によって製造したり、発泡抑制剤の共存下
で共重合樹脂を電気絶縁性分散媒中に加熱溶解し、得ら
れた混合物を徐冷することによって共重合樹脂粒子を析
出させる徐冷法によって製造することができる。電荷制
御剤であるリン脂質、中性または塩基性金属ペトロネー
ト、或いは、有機酸の金属塩化合物は、何れの方法であ
っても製造過程中の任意の段階で添加すればよい。
【0041】本発明によれば、共重合樹脂の溶液から発
泡抑制剤を包含する共重合樹脂粒子を析出させ、分散さ
せる電気絶縁性分散媒のSP値を調節することにより、
共重合樹脂粒子すなわちトナー粒子の分散性に優れた湿
式現像剤が提供される。
【0042】[溶解度パラメーター(SP値)]一般
に、SP値は物質同士の相溶性、非相溶性を示す指標と
して知られている。樹脂と溶媒との関係を例にすると、
溶媒に対する樹脂の溶解性の程度をSP値により示すこ
とができる。樹脂のSP値と溶媒のSP値の差が小さけ
れば溶解性が大きく、易溶性となり、一方、その差が大
きければ溶解性が小さく、不溶性となることを示す。
【0043】樹脂のSP値を測定する方法としては、例
えば、(1)溶解法によるもの、即ち、樹脂を溶解する
溶媒のSP値から推定する方法(H. Burrell, Official
Digest, 27(369), 726(1950))、(2)膨潤法、即
ち、溶解困難な樹脂については、膨潤度が最大となるよ
うな溶媒のSP値から推定する方法(同上)、(3)樹
脂の極限粘度から求める方法、即ち、溶媒中における樹
脂の極限粘度は樹脂のSP値と溶媒のSP値とが一致す
る時に最大値を示すので、樹脂を各種のSP値を有する
溶媒に溶解させてそれぞれ極限粘度を測定し、極限粘度
の最大値を与える溶媒のSP値から樹脂のSP値を推定
する方法(H. Ahmed, M. Yassen, J. Coat. Technol.,
50, 86(1970)、W. R. Song, D. W. Brownawell, Polym.
Eng. Sci., 10, 222(1970))、(4)分子引力定数か
ら求める方法、即ち、樹脂分子を構成する各官能基また
は原子団の分子引力定数(G)、及びモル容積(V)か
ら、式 SP値=ΣG/Vにより求める方法(D. A. Sm
all, J. Appl. Chem., 3, 71(1953)、K. L. Hoy, J. Pa
int Technol., 42, 76(1970))などが知られている。
【0044】以下、本発明においては、樹脂のSP値と
しては分子引力定数により求められる値を使用する。ま
た、溶媒のSP値としては、Hildebrand-Scatchardの溶
液理論(J. H. Hildebrand, R. L. Scott, 「The Solbi
lity of Nonelectrolytes」3rd Ed., Reinhold Publish
ing cop., New York (1949)、G. Scatchard, Chem.,Re
v., 8, 321(1931))に基づき分子間の引き合う力を考え
て得られるもので、
【数1】SP値(δ)=(ΔEV/ΔV11/2 [ただし、ΔEV:蒸発エネルギー、V1:分子容、ΔE
V/ΔV1:凝集エネルギー]で示されるもので、本発明
においては、K. L. Hoy, J. Paint Technol., 42, 76(1
970)に記載されている、25℃での値を使用する。
【0045】溶媒置換法で行われるように、樹脂を溶媒
に溶解する場合を例として、樹脂と溶媒の両SP値の関
係について説明すると、SP値が9.1のポリスチレン
は、SP値が9.1のテトラヒドロフランには非常に溶
解しやすく、SP値が8.5〜9.3の範囲の溶媒には
可溶性があり、SP値が7.3のn−ヘキサンには全く
溶解しない。このように、樹脂と溶媒のSP値の差を見
ることで、溶媒中における樹脂の状態を推定することが
できる。
【0046】また、比較的希薄な状態で樹脂をその良溶
媒中に溶解させた後、その溶液を貧溶媒中に添加し、良
溶媒を除去する操作を行なうと樹脂粒子を析出させるこ
とができるが、これは、良溶媒中では単分子状で且つ分
子鎖が伸びた状態で存在していた樹脂が、貧溶媒中では
分子鎖が縮まって粒子化し、析出するに至るものと考え
ることができる。従って、貧溶媒として、樹脂が膨潤す
る程度のSP値の差を有する溶媒を用いるか、また、S
P値の差が大きく、樹脂が完全に不溶性の溶媒を用いる
かにより、溶媒中での樹脂粒子の状態が相違する。ま
た、一般に、樹脂における重量平均分子量が大きくなる
と、形成される樹脂粒子の粒径は大となる。
【0047】[共重合樹脂]共重合樹脂は、トリメリッ
ト酸等の発泡抑制剤の分散性を高めるために使用され
る。そのような共重合樹脂としては、例えば、スチレン
−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合
樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重
合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−
メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合樹脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重
合樹脂、アクリル酸−メチルメタクリレート共重合樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性
樹脂を用いることができる。共重合樹脂の、ASTM
D−1238で規定されるメルトフローレート(MF
R)は、通常は1〜400dg/min、好ましくは2
〜150dg/minとする。このMFR値の範囲を重
量平均分子量に換算すると、1〜400dg/minは
重量平均分子量で約6万〜25万に相当し、2〜150
dg/minは重量平均分子量で約7万5千〜20万に
相当する。
【0048】本発明で用いられる共重合樹脂は、2種以
上のモノマー単位から構成されており、電気絶縁性分散
媒に対する親和性が低く、それゆえに当該分散媒に対し
て不溶な部分を形成すると見做される第1のモノマー単
位と、電気絶縁性分散媒に対する親和性が高く、それゆ
えに当該分散媒に対して溶解または膨潤する部分を形成
すると見做される第2のモノマー単位とを含んでいる。
第1モノマー単位と第2モノマー単位の割合は、重量比
で95/5〜5/95、好ましくは85/15〜15/
85とする。
【0049】第1モノマー単位としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルのような
短鎖メチレンを有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチルのような窒素含有アクリ
ル酸エステル;アクリルアミド、イソプロピルアクリル
アミド、メチレンビスアクリルアミド、N−アリルアク
リルアミド、N−ジアセトンアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミドのようなアクリルアミド誘導
体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、スチレン、メチルスチレン、酢酸ビニ
ル等のその他のモノマーから誘導されるモノマー単位を
例示できる。特に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、メチルスチレン、及び、酢酸
ビニルから誘導されるものが第1モノマー単位として好
ましい。
【0050】溶剤への溶解性、分散性を調節するために
有効な第2モノマー単位としては、側鎖として長鎖メチ
レンを有するビニルモノマー、より具体的には(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルのような長鎖
メチレンを有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導
されるモノマー単位、ならびに、エチレン、イソプレ
ン、ブタジエン、プロピレンのようなビニルモノマーか
ら誘導されるモノマー単位を例示できる。特に、(メ
タ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、あるいはエチレ
ンから誘導されるものが第2モノマー単位として好まし
い。
【0051】モノマー単位が3成分以上からなる共重合
樹脂の場合には、分散媒のSP値との差が一番大きいも
のを第1モノマー単位として特定し、分散媒のSP値と
の差が一番小さいものを第2モノマー単位として特定す
るとよく、その重量比は、上記の2成分からなる共重合
樹脂の場合と同様とするとよい。また、第3のモノマー
成分が分散媒のSP値との関係で不溶性部分または溶解
部分を形成する第1または第2モノマー単位のいずれか
一方と同様のSP値を有するのであれば、そのような近
似のSP値を有するモノマー単位と同等の成分と見做し
てよい。
【0052】[発泡抑制剤]共重合樹脂粒子の中に包含
させる発泡抑制剤としては、上述したように、発泡性樹
脂組成物の発泡性を適切に抑制できるものが使用され
る。本発明においては、通常、二次凝集状態での平均粒
径が0.1〜100μmの発泡抑制剤の粉末を用いる。
【0053】本発明の湿式現像剤は、発泡抑制剤を包含
した多量の共重合樹脂粒子を含有させても凝集等の問題
を起こしにくいので、湿式現像剤中の発泡抑制剤の含有
量を大きくすることができる。
【0054】[電荷制御剤]本発明においては、電荷制
御剤としてリン脂質、中性または塩基性金属ペトロネー
ト、或いは、有機酸の金属塩化合物を使用して、トナー
粒子の帯電量を充分なものとすることができる。
【0055】ここで、リン脂質としてはレシチンやセハ
リン等が挙げられ、例えばレシチンは次の式(1)で表
わされる。
【0056】
【化1】 式(1)において、R1 CO及びR2 COはそれぞれ飽
和または不飽和のアシル基を示し、炭素数は特に限定さ
れない。
【0057】レシチンは、その分子中に疎水性の脂肪酸
グリセリド基、及び、親水性のリン酸エステル基或いは
エタノールアミノ基の両者を持っているので、両イオン
性の界面活性能を有している。レシチンは、酸価が約2
0ではワックス状の物質であり、酸価が約30では粘ち
ょうな液体である。レシチンは水に不溶であるが、水に
より膨潤する。レシチンとしては、例えば、大豆レシチ
ンや卵黄レシチン等を使用できる。大豆レシチンの構成
脂肪酸は、パルミチン酸が11.7%、ステアリン酸が
4%、パルミトオレイン酸が8.6%、オレイン酸が
9.8%、リノール酸が55%、リノレン酸が4%、及
び、炭素数20〜22の酸が5.5%である。
【0058】中性または塩基性金属ペトロネートとは、
金属スルホネートと鉱油を大量に含有する中性または塩
基性の混合物である。中性または塩基性金属ペトロネー
トを構成する金属が、カルシウム、マグネシウム、バリ
ウムまたはナトリウムの何れかからなるペトロネート類
を適宜選択して用いることができる。例えば、塩基性カ
ルシウムペトロネート(BCP)、塩基性マグネシウム
ペトロネート(BMP)、塩基性バリウムペトロネート
(BBP)、塩基性ナトリウムペトロネート、ニュート
ラル(中性)カルシウムペトロネート(NCP)等であ
る。
【0059】これらのうち、溶媒置換法によって湿式現
像剤が製造される場合においては、塩基性カルシウムペ
トロネートを用いることが好ましい。塩基性カルシウム
ペトロネート(BCP)は、次の式(2)で表わされる
カルシウムスルホネートと鉱油を大量に含有する塩基性
の混合物である。
【0060】
【化2】 [式中、nは20以上の整数を示す。]
【0061】塩基性カルシウムペトロネートは、従来か
ら防錆剤として使用されている。もともとの塩基性カル
シウムペトロネートは、石油から抽出したものである
が、現在では合成品もある。本発明では、抽出品と合成
品のどちらも使用できる。
【0062】塩基性カルシウムペトロネートとしては、
カルシウムスルホネート(ASTM−D−3721で測
定した平均分子量が約880)を約45重量%、水酸化
カルシウム及び炭酸カルシウムに由来するカルシウムを
約3%、及び、水を約1%含有し、残部の大部分を鉱油
が占めている。この組成例では、塩基性カルシウムペト
ロネートの総アルカリ価(Total Base Number)が21
であり、カルシウム無機塩のアルカリ価(Free Alkalin
ity)が25である。
【0063】発泡抑制剤をトナー化するに当たっては、
帯電量を適切に調節することが重要であるが、それにも
増して、帯電の極性を意図的に正負のいずれかに調節す
ることがより重要である。本発明者らの研究によれば、
発泡抑制剤のトナーを意図的に負帯電させるのは非常に
困難であったが、特に溶媒置換法による湿式現像剤の製
造においては、電荷制御剤としてレシチンと塩基性カル
シウムペトロネートを組み合わせて用いることによっ
て、発泡抑制剤のトナー粒子を負帯電させることができ
るようになった。
【0064】発泡抑制剤の種類や、共重合樹脂の種類
や、電荷制御剤の使用量などの条件によっては、電荷制
御剤としてレシチンと塩基性カルシウムペトロネートを
用いてもトナー粒子が負帯電しない場合がある。しかし
ながら、発泡抑制剤として無水トリメリット酸を用いた
場合には、トナー粒子が負帯電しやすい。また、共重合
樹脂の第1モノマー単位が酸性基を有している場合、例
えば、(メタ)アクリル酸由来のモノマー単位である場
合にも、トナー粒子を負帯電させやすい。
【0065】また、溶媒置換法においては、レシチンと
塩基性カルシウムペトロネートそれぞれの含有率は、発
泡抑制剤3.6重量部に対していずれも0.05〜0.
5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部とするのが
好ましい。含有率が0.05重量部よりも少ないと正帯
電しやすい。一方、含有率が0.5重量部よりも大きい
と静電潜像上に付着する発泡抑制剤の量が不充分になり
やすい。
【0066】また、溶媒置換法による湿式現像剤の製造
においては、レシチンと塩基性カルシウムペトロネート
の何れもが上記の含有率で用いられることが好ましく、
何れか一方だけの使用では、トナー粒子を十分に負帯電
することができない場合がある。そして、十分に負帯電
していないトナー粒子を含む湿式現像剤によって印刷し
ても、得られた印刷物に画像が形成しないおそれがあ
る。従って、溶媒置換法で湿式現像剤を製造する場合に
は、レシチンと塩基性カルシウムペトロネートの両方を
用いることが特に好ましい。
【0067】電荷制御剤は、溶媒置換法において、後述
する製造過程、或いは溶媒を除去した後のいずれの段階
で添加しても電荷制御効果を示すが、好ましくは造粒工
程以前の製造工程において添加し、共重合樹脂の溶液と
電気絶縁性分散媒とを、発泡抑制剤と電荷制御剤の共存
下で混合する。
【0068】一方、徐冷法によって湿式現像剤が製造さ
れる場合においては、上述したリン脂質、中性または塩
基性金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化合物
の何れも好ましく用いることができる。なお、有機酸の
金属塩化合物としては、例えば、ジアルキルスルホコハ
ク酸コバルト、ジアルキルスルホコハク酸マンガン、ジ
アルキルスルホコハク酸ジルコニウム、ジアルキルスル
ホコハク酸イットリウム、ジアルキルスルホコハク酸ニ
ッケル等のジアルキルスルホコハク酸金属塩;ナフテン
酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコ
ニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン
酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸クロム、ナフテ
ン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸マンガ
ン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、
オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オ
クチル酸クロム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マグネシ
ウム、ドデシル酸マンガン、ドデシル酸カルシウム、ド
デシル酸ジルコニウム、ドデシル酸鉄、ドデシル酸鉛、
ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸
クロム、ドデシル酸亜鉛、ドデシル酸マグネシウム等の
金属石鹸;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸バリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
金属塩などを使用できる。
【0069】上述と同様に、発泡抑制剤をトナー化する
に当たっては、帯電量を適切に調節することが重要であ
るが、それにも増して、帯電の極性を意図的に正負のい
ずれかに調節することがより重要である。本発明によれ
ば、電荷制御剤としてリン脂質、中性または塩基性金属
ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化合物を用いる
ことによって、発泡抑制剤のトナー粒子を負帯電させる
ことができる。
【0070】徐冷法においても、発泡抑制剤の種類や、
共重合樹脂の種類や、電荷制御剤の使用量などの条件に
よっては、電荷制御剤としてリン脂質、中性または塩基
性金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化合物を
用いてもトナー粒子が負帯電しない場合がある。しかし
ながら、発泡抑制剤として無水トリメリット酸を用いた
場合には、トナー粒子が負帯電しやすい。また、共重合
樹脂の第1モノマー単位が酸性基を有している場合、例
えば、(メタ)アクリル酸又は酢酸ビニル由来のモノマ
ー単位である場合にも、トナー粒子を負帯電させやす
い。
【0071】レシチン、或いは、中性または塩基性金属
ペトロネートを用いた場合の好ましい含有率は、発泡抑
制剤60重量部に対していずれも0.1〜30重量部、
更に好ましくは1〜10重量部である。含有率が0.1
重量部よりも少ないと正帯電しやすい。一方、含有率が
30重量部よりも大きいと静電潜像上に付着する発泡抑
制剤の量が不充分になりやすい。また、有機酸の金属塩
化合物を用いた場合の好ましい含有率は、発泡抑制剤6
0重量部に対して30〜300重量部である。含有率が
30重量部よりも少ないと正帯電しやすい。一方、含有
率が300重量部よりも大きいと静電潜像上に付着する
発泡抑制剤の量が不充分になりやすい。
【0072】電荷制御剤は、後述する徐冷法の製造過程
のいずれの段階で添加しても電荷制御効果を示すが、特
に加熱混合物を調製する工程、すなわち電気絶縁性分散
媒中に共重合樹脂と同時または別個に発泡抑制剤を分散
させて加熱混合物を調製する工程で添加することが好ま
しい。この工程時に添加される電荷制御剤は、形成され
る共重合樹脂粒子の分散性を向上させる分散剤として作
用したり、最終的な帯電量を調節しやすくする補助的な
作用をすると推測される。その結果、分散性に優れ、容
易に帯電量を調節できる湿式現像剤を製造することがで
きる。
【0073】[添加剤]本発明の湿式現像剤には、必要
に応じて、分散剤、定着剤等のようなその他の添加剤を
添加してもよい。本発明における共重合樹脂は、それ自
体分散媒との親和性に優れるので、分散剤は必ずしも必
要ないが、分散剤を後述の造粒工程において存在させる
ことにより良溶媒中での分散性を向上し、且つ、造粒に
際しての分子鎖の絡まりを制御するので、トナー粒子の
粒径をサブミクロンの単位まで小さくすることができ、
且つ、粒度分布を狭くすることができる。
【0074】このような分散剤としては、例えば、ポリ
ヒドロキシカルボン酸エステル等の高分子分散剤を使用
することができる。ポリヒドロキシカルボン酸エステル
は、次の式で表わされるヒドロキシカルボン酸のエステ
ル誘導体の重合体である。
【0075】
【化3】HO−X−COOH [上式において、Xは炭素原子数12以上で、2価の飽
和または不飽和の脂肪族炭化水素であり、ヒドロキシ基
とカルボキシ基との間には少なくとも4個の炭素原子が
ある。]
【0076】ヒドロキシカルボン酸の好ましいエステル
誘導体としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン
酸メチルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸エチ
ルエステル等のヒドロキシカルボン酸アルキルエステ
ル;12−ヒドロキシカルボン酸リチウム、12−ヒド
ロキシカルボン酸アルミニウム等のヒドロキシカルボン
酸金属塩;ヒドロキシカルボン酸アマイド;硬化ひまし
油等を例示することができる。
【0077】ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒ
ドロキシカルボン酸エステルを少量のアミン類若しくは
触媒の存在下で部分鹸化することにより重合させて得ら
れる淡灰褐色のワックス状物質であり、その重合形態と
して、分子間でエステル化したものや分子内でエステル
化したもの等の種々の形態のものを含有している。
【0078】ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒ
ドロキシカルボン酸エステルの3〜10量体が好まし
い。ポリヒドロキシカルボン酸エステルの重合度が3よ
りも小さいかまたは10よりも大きいと、n−ヘキサン
等の分散媒との相溶性がなく、分散剤としての効果が得
られない。ポリヒドロキシカルボン酸エステルの添加量
は特に限定されないが、通常は樹脂重量あたり0.01
〜200重量%とする。ポリヒドロキシカルボン酸エス
テルは、溶媒置換法にあっては造粒工程以前の製造工程
中のどの時点で添加してもよく、また、徐冷法にあって
も、どの時点で添加してもよいが、徐冷工程以前の製造
工程中に添加することが好ましい。
【0079】定着剤としては、例えば、n−ヘキサン等
の分散媒に可溶な各種樹脂を使用することができ、より
具体的には、変性または未変性のアルキッド樹脂、通常
のアルキル樹脂、合成ゴム、ポリアルキレンオキシド、
ポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラー
ル)、酢酸ビニル樹脂などを例示できる。
【0080】[溶媒]溶媒は、溶媒置換法によって湿式
現像剤を製造する場合に用いられる。共重合樹脂粒子
は、共重合樹脂を溶解または膨潤することのできる溶媒
と電気絶縁性分散媒のSP値の差を利用することによっ
て造粒される。溶媒は、共重合樹脂を完全に溶解させら
れなくてもよいが、共重合樹脂を室温(25℃)にて溶
解、膨潤させることができるものであるか、または、不
溶状態であったとしても共重合樹脂中に存在する部分的
なホモポリマー鎖を良好に分散できるものでなければな
らない。
【0081】また、溶媒は、共重合樹脂粒子の核部分を
構成する発泡抑制剤に対しては、不溶性または難溶性で
なければならない。共重合樹脂粒子は発泡抑制剤の表面
に共重合樹脂を吸着させた構造を有しているが、共重合
樹脂を溶解するための溶媒が発泡抑制剤まで溶解してし
まうと、そのような構造の共重合樹脂粒子をうまく析出
させることができない。
【0082】共重合樹脂に対して良好な溶解性を有する
ためには、溶媒のSP値は、共重合樹脂分子中の第1モ
ノマー単位のみから構成されたホモポリマーのSP値δ
1、及び、共重合樹脂分子中の第2モノマー単位のみ
から構成されたホモポリマーのSP値δp2 のどちらか
一方に近似している必要があり、δp1 及びδp2 のど
ちらにも近似しているのが好ましい。
【0083】例えば、スチレン−イソプレン共重合樹脂
の場合には、ポリスチレン(第1モノマー単位)のSP
値が9.1、ポリイソプレン(第2モノマー単位)のS
P値が8.15である。従って、トルエン(SP値:
8.9)やシクロヘキサン(SP値:8.2)で溶解す
ることができる。
【0084】共重合樹脂を溶解させる溶媒としては、例
えば、シクロヘキサン(SP値8.2)、酢酸セロソル
ブ(SP値9.4)、トルエン(SP値8.9)、テト
ラヒドロフラン(SP値9.1)、メチルエチルケトン
(SP値9.5)、シクロヘキサノン(SP値10.
4)、アセトン(SP値9.6)、ジオキサン(SP値
10.1)、エチルセロソルブ(SP値10.7)、シ
クロヘキサノール(SP値11.4)、メチルセロソル
ブ(SP値11.7)、イソプロピルアルコール(SP
値11.4)、エタノール(SP値12.8)、メタノ
ール(SP値14.5)等を例示できる。
【0085】発泡抑制剤が無水トリメリット酸の場合に
は、共重合樹脂をトルエンで溶解するのが好ましい。ト
ルエンは、共重合樹脂に対しては溶解性が良好である
が、無水トリメリット酸に対しては不溶性または難溶性
なので、共重合樹脂のトルエン溶液を、無水トリメリッ
ト酸の共存下で電気絶縁性分散媒と混合すると、トリメ
リット酸を包含した共重合樹脂粒子をうまく析出させる
ことができる。
【0086】[電気絶縁性分散媒]電気絶縁性分散媒と
しては、液状の脂肪族炭化水素を使用するのが好まし
い。その中でも1010Ω・cm以上の体積抵抗を有する
ものが特に好ましい。液状の脂肪族炭化水素としては、
n−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化
水素、これらのパラフィン系炭化水素の混合物、ハロゲ
ン化脂肪族炭化水素、或いは、分岐鎖脂肪族炭化水素等
を例示できる。特に好ましいのは、分岐鎖脂肪族炭化水
素である。分岐鎖脂肪族炭化水素は、エクソン社からア
イソパーの商品名で供給されている。アイソパーには、
アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパ
ーL、アイソパーM等のグレードがあり、共重合樹脂の
種類に応じて適切なものを選択する。
【0087】本発明においては、次のようなSP値特性
を備えた電気絶縁性分散媒を使用する必要がある。
【0088】(i) 共重合樹脂分子の一部としての第
1モノマー単位のみから構成されたホモポリマーのSP
値δp1 と、当該分散媒のSP値δdとの差Δ(δp1
−δd)が、1.0以上であること。
【0089】(ii) 共重合樹脂分子の一部としての
第2モノマー単位のみから構成されたホモポリマーのS
P値δp2 と、当該分散媒のSP値δdとの差Δ(δp
2 −δd)が、1.0以下であること。
【0090】(iii) 2つの上記ホモポリマーの溶
解度パラメーター値δp1 、δp2 の差Δ(δp1 −δ
2 )が0.5以上であること。
【0091】例えば、溶媒置換法においては、スチレン
−イソプレン共重合樹脂の溶液を、発泡抑制剤の共存下
でn−ヘキサンと混合することにより、発泡抑制剤を包
含するスチレン−イソプレン共重合樹脂の粒子を析出さ
せることができる。この場合には、ポリスチレン(第1
モノマー単位)のSP値δp1 が9.1、ポリイソプレ
ン(第2モノマー単位)のSP値δp2 が8.15、そ
してn−ヘキサン(分散媒)のSP値δdが7.3であ
るから、下記計算式に示すように、上記の条件を満たし
ている。
【0092】
【数2】δp1 −δd=9.1−7.3=1.8 ∴ Δ(δp1 −δd)≧1 δp2 −δd=8.15−7.3=0.85 ∴ Δ(δp2 −δd)≦1 δp1 −δp2 =9.1−8.15=0.95 ∴ Δ(δp1 −δp2 )≧0.5
【0093】そして、スチレン−イソプレン共重合樹脂
の粒子は、分散媒であるn−ヘキサン中において、イソ
プレン単位に由来する部分が溶解状態または膨潤状態の
外縁部分を形成し、スチレン単位に由来する部分が発泡
抑制剤の表面に吸着して、当該発泡抑制剤と共に不溶性
の核部分を形成した形状をとると考えることができる。
【0094】ここで、共重合樹脂の第1モノマー単位ま
たは第2モノマー単位のみから構成されたホモポリマー
のSP値を特定するに際して指標となり得るホモポリマ
ーと各ホモポリマーのSP値を列挙すると、次のように
なる。ポリエチレン(8.1)、ポリブタジエン(8.
4)、ポリイソプレン(8.15)、ポリイソブチレン
(7.7)、ポリラウリルメタクリレート(8.2)、
ポリステアリルメタクリレート(8.2)、ポリイソボ
ニルメタクリレート(8.2)、ポリ−t−ブチルメタ
クリレート(8.2)、ポリスチレン(9.1)、ポリ
エチルメタクリレート(9.1)、ポリメチルメタクリ
レート(9.3)、ポリメチルアクリレート(9.
7)、ポリエチルアクリレート(9.2)、ポリアクリ
ロニトリル(12.8)。
【0095】また、使用できる電気絶縁性分散媒と各分
散媒のSP値を列挙すると、次のようになる。n−ヘキ
サン(7.3)、n−ヘプタン(7.5)、n−オクタ
ン(7.5)、ノナン(7.6)、デカン(7.7)、
ドデカン(7.9)、シクロヘキサン(8.2)、パー
クロロエチレン(9.3)、トリクロロエタン(9.
9)。エクソン社製から供給されているアイソパーシリ
ーズ(商品名)のSP値は、7.0〜7.3である。
【0096】共重合樹脂と電気絶縁性分散媒の好ましい
組み合わせとしては、次のような組み合わせを例示する
ことができる。
【0097】先ず、n−ヘキサン(δd=7.3)を分
散媒として用いる場合について、好ましい共重合樹脂を
列挙すると共に、当該共重合樹脂の第1モノマー単位の
みから構成されるホモポリマーのSP値δp1 と分散媒
のSP値δdの差Δ(δp1−δd)、当該共重合樹脂
の第2モノマー単位のみから構成されるホモポリマーの
SP値δp2 と分散媒のSP値δdの差Δ(δp2 −δ
d)、そして、δp1とδp2 の差Δ(δp1 −δp
2 )を併記する。ただし、カッコ内の数値は、そのモノ
マー単位のみから構成されるホモポリマーのSP値であ
る。
【0098】エチレン(8.1)−酢酸ビニル(9.
4)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.1、Δ(δ
2 −δd)=0.8、Δ(δp1 −δp2 )=1.3 エチレン(8.1)−メチルアクリレート(9.7)共
重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.4、Δ(δp2
δd)=0.8、Δ(δp1 −δp2 )=1.6 エチレン(8.1)−エチルアクリレート(9.2)共
重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.9、Δ(δp2
δd)=0.8、Δ(δp1 −δp2 )=1.1 スチレン(9.1)−イソプレン(8.15)共重合樹
脂、Δ(δp1 −δd)=1.8、Δ(δp2 −δd)
=0.9、Δ(δp1 −δp2 )=0.9 ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリレ
ート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.
0、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.1 ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレ
ート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
8、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=0.9 ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレー
ト(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.
4、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレー
ト(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
9、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 ラウリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリレ
ート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
7、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=0.8 ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
2.0、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=1.1 ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.8、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=0.9 ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.
4、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
9、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 ステアリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.7、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
2.0、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=1.1 イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.8、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=0.9 イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.
4、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
9、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 イソボニルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.7、Δ(δp2 −δd)=0.9、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
2.0、Δ(δp2 −δd)=1.0、Δ(δp1−δ
2 )=1.0 t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.8、Δ(δp2 −δd)=1.0、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=2.
4、Δ(δp2 −δd)=1.0、Δ(δp1 −δp
2 )=1.4 t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
9、Δ(δp2 −δd)=1.0、Δ(δp1 −δp
2 )=0.9 t−ブチルメタクリレート(8.3)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.7、Δ(δp2 −δd)=1.0、Δ(δp1−δ
2 )=0.7 上記の共重合樹脂と、n−ヘプタン、n−オクタン、ノ
ナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン等との組み合
わせも好ましい。
【0099】パークロロエチレン(δd=9.3)を分
散媒として用いる場合の好ましい共重合樹脂としては、
例えば、次のようなものがある。
【0100】エチレン(8.1)−酢酸ビニル(9.
4)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.2、Δ(δ
2 −δd)=0.1、Δ(δp1 −δp2 )=1.3 エチレン(8.1)−メチルアクリレート(9.7)共
重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.2、Δ(δp2
δd)=0.4、Δ(δp1 −δp2 )=1.6 エチレン(8.1)−エチルアクリレート(9.2)共
重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.2、Δ(δp2
δd)=0.1、Δ(δp1 −δp2 )=1.1 スチレン(9.1)−イソプレン(8.15)共重合樹
脂、Δ(δp1 −δd)=1.15、Δ(δp2 −δ
d)=0.2、Δ(δp1 −δp2 )=0.95 ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリレ
ート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0、Δ(δp1 −δp 2 )=
1.1 ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリレ
ート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1 −δp
2 )=0.9 ラウリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレー
ト(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.4、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 ラウリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレー
ト(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.1、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 ラウリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリレ
ート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.3、Δ(δp1 −δp
2 )=0.8 ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0、Δ(δp1 −δp
2 )=1.1 ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1−δ
2 )=0.9 ステアリルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.4、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 ステアリルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.1、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 ステアリルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0.3、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0、Δ(δp1 −δp
2 )=1.1 イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1−δ
2 )=0.9 イソボニルメタクリレート(8.2)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.4、Δ(δp1 −δp
2 )=1.5 イソボニルメタクリレート(8.2)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
1、Δ(δp2 −δd)=0.1、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 イソボニルメタクリレート(8.2)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0.3、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.0、Δ(δp2 −δd)=0、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルメタクリ
レート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.0、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1−δ
2 )=0.8 t−ブチルメタクリレート(8.3)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
0、Δ(δp2 −δd)=0.4、Δ(δp1 −δp
2 )=1.4 t−ブチルメタクリレート(8.3)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
0、Δ(δp2 −δd)=0.1、Δ(δp1 −δp
2 )=0.9 t−ブチルメタクリレート(8.3)−プロピルアクリ
レート(9.0)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.0、Δ(δp2 −δd)=0.3、Δ(δp1−δ
2 )=0.7 トリクロロエタン(δd=9.9)を分散媒として用い
る場合の好ましい共重合樹脂としては、例えば、次のよ
うなものがある。
【0101】n−プロピルメタクリレート(8.8)−
メチルアクリレート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1
−δd)=1.1、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ
(δp1−δp2 )=0.9 n−プロピルメタクリレート(8.8)−メチルメタク
リレート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.1、Δ(δp2 −δd)=0.6、Δ(δp 1 −δ
2 )=0.5 n−ブチルメタクリレート(8.7)−メチルアクリレ
ート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
2、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1 −δp
2 )=1.0 n−ブチルメタクリレート(8.7)−エチルアクリレ
ート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=1.
2、Δ(δp2 −δd)=0.7、Δ(δp1 −δp
2 )=0.5 n−ブチルメタクリレート(8.7)−メチルメタクリ
レート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.2、Δ(δp2 −δd)=0.6、Δ(δp1−δ
2 )=0.6 n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−メチルアクリ
レート(9.7)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.3、Δ(δp2 −δd)=0.2、Δ(δp1−δ
2 )=1.1 n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−エチルアクリ
レート(9.2)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.3、Δ(δp2 −δd)=0.7、Δ(δp1−δ
2 )=0.6 n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−メチルメタク
リレート(9.3)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.3、Δ(δp2 −δd)=0.6、Δ(δp 1 −δ
2 )=0.7 n−ヘキシルメタクリレート(8.6)−エチルメタク
リレート(9.1)共重合樹脂、Δ(δp1 −δd)=
1.3、Δ(δp2 −δd)=0.8、Δ(δp 1 −δ
2 )=0.5 一方、徐冷法においても、上述の(i)〜(iii)の
SP値特性を備えた電気絶縁性分散媒を使用する必要が
ある。
【0102】さらに、徐冷法においては、加熱された電
気絶縁性分散媒は、少なくとも第1モノマー単位と第2
モノマー単位から構成される共重合樹脂を溶解し、その
後この溶解溶液が冷却されることによって、電気絶縁性
分散媒中に溶解した共重合樹脂を析出するという性質を
有するものであることが必要である。上述した電気絶縁
性分散媒は、こうした性質を満たすので、何れも好まし
く使用することができる。
【0103】冷却によって析出した共重合樹脂粒子は、
共重合樹脂の第1モノマー単位の部分が分散媒と反発し
て発泡抑制剤の表面に吸着し、その結果、発泡抑制剤を
核にして共重合樹脂が微視的に凝集した状態となる。こ
のようにして発泡抑制剤を包含する共重合樹脂粒子が形
成される。形成された共重合樹脂粒子は、上述の溶媒置
換法で得られたものと同じ構成であり、分散媒に不溶な
核部分と、その核部分を包む、分散媒に溶解または膨潤
する外縁部分からなる。
【0104】[湿式現像剤の第一の製造方法(溶媒置換
法)]本発明の湿式現像剤を溶媒置換法によって製造す
るには、(1)共重合樹脂を溶媒に溶解し、(2)共重
合樹脂を溶解した溶液を発泡抑制剤の共存下で電気絶縁
性分散媒と混合し、その後、(3)溶媒を除去すればよ
い。共重合樹脂粒子は、(2)の電気絶縁性分散媒混合
工程、若しくは、(3)の溶媒除去工程の少なくとも一
つの工程で析出(造粒)される。電荷制御剤であるレシ
チンと塩基性カルシウムペトロネートは、製造過程の任
意の段階で、共重合樹脂や発泡抑制剤などの原料中に添
加したり、原料以外の材料、例えば溶媒中に添加した
り、造粒後或いは溶媒除去後の中間製造物中に添加す
る。
【0105】先ず、(1)の工程においては、共重合樹
脂を適切な溶媒を用いて溶解する。溶解液中において共
重合樹脂は完全に溶解しているのが好ましいが、膨潤状
態になっていてもよいし、仮に不溶状態であったとして
も共重合樹脂中に存在する部分的なホモポリマー鎖が良
好に分散していればよい。また、溶媒は、共重合樹脂を
室温(25℃)にて溶解、膨潤できるか、または、部分
的なホモポリマー鎖を良好に分散できるものであるのが
好ましい。さらに溶媒は、発泡抑制剤に対しては不溶性
または難溶性でなければならない。
【0106】分散剤を、共重合樹脂の溶液中に0.3〜
0.5重量%の範囲で含有させておくと、樹脂の分散状
態を良好なものとすることができる。溶媒に対する共重
合樹脂の溶解量は任意であるが、樹脂の割合が高すぎる
と造粒工程において樹脂粒子が相互に接触し、ゲル状の
塊となるおそれがあるので、通常は1〜80重量%の割
合で共重合樹脂を含有する溶液を調製し、好ましくは5
〜10重量%の希薄溶液を調製する。
【0107】次に、(2)の電気絶縁性分散媒混合工程
においては、(1)の工程で調製された溶液と、電気絶
縁性分散媒とを、トリメリット酸等の発泡抑制剤の共存
下で混合して共重合樹脂粒子を析出させる。
【0108】例えば、トルエン中にスチレン−イソプレ
ン共重合樹脂をトルエン重量の10重量%の割合で溶解
した溶液をn−ヘキサンと混合すると白濁化し、スチレ
ン−イソプレン共重合樹脂粒子の析出が明瞭に観察でき
る。また、上記の樹脂溶液を、発泡抑制剤であるトリメ
リット酸の共存下でn−ヘキサンと混合すると、トリメ
リット酸が分散しているので白濁の確認は困難になる
が、トリメリット酸を包含した樹脂粒子がガラス瓶の壁
面に付着するのが観察できる。
【0109】トリメリット酸等の発泡抑制剤を混合時に
共存させるには、発泡抑制剤の粉末を樹脂溶液または電
気絶縁性分散媒のいずれかに添加しておけばよい。樹脂
溶液と分散媒とを発泡抑制剤の共存下で混合すると、溶
液中で溶解、膨潤、または分子レベルで分散した状態に
あった樹脂分子鎖が、貧溶媒である電気絶縁性分散媒で
満たされた環境に添加されることになる。その結果、共
重合樹脂の分子鎖は、分散媒に対してよりも発泡抑制剤
に対して親和性の高い第1モノマー単位を介して発泡抑
制剤の表面に吸着し、発泡抑制剤の粒子を包み込む形で
絡まりあい、樹脂粒子が形成される。このようにして形
成された共重合樹脂粒子の表面は、分散媒に対して親和
性の高い第2モノマー単位の部分に富んでおり、分散媒
中で溶解部分または膨潤部分となっているので、多量の
発泡抑制剤を含有させても発泡抑制剤同士の接触を回避
し、優れた分散安定性を発揮する。
【0110】上述したように、電荷制御剤であるレシチ
ンと塩基性カルシウムペトロネートは製造中のどの段階
で添加してもよいが、発泡抑制剤と電荷制御剤の両方の
存在下で造粒を行えるように、あらかじめ樹脂溶液また
は電気絶縁性分散媒のいずれかに添加しておくのが好ま
しい。
【0111】そして、(3)の工程においては、共重合
樹脂粒子と分散媒と良溶媒を含有する液状の混合物から
溶媒を除去する。造粒性の観点から見ると、デカンテー
ション、エバポレーション等の方法により溶媒を除去す
るのが好ましい。また、樹脂粒子の粒径を調整するため
に、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー、
ケディミル、三本ロール等を使用して、さらに微粒子化
してもよい。
【0112】このようにして発泡抑制剤を包含してなる
共重合樹脂粒子が電気絶縁性分散媒中に分散した湿式現
像剤が得られる。共重合樹脂粒子の核部分は、主として
発泡抑制剤と当該発泡抑制剤の表面に吸着した第1モノ
マー単位の部分により形成されており分散媒に不溶であ
るが、核部分の周囲には電気絶縁性分散媒との親和性が
高い第2モノマー単位に富んだ外縁部分が形成されてい
る。従って共重合樹脂粒子は、湿式現像剤中において良
好に分散しており、粒子濃度を高くしても、ゲル化、マ
クロ的凝集、沈殿等を起こさず、分散安定性に優れてい
る。湿式現像剤中の固形分濃度は1〜5重量%とすれば
よく、また、湿式現像剤中の固形分量に対する共重合樹
脂粒子の含有割合は、通常0.01〜80重量%、好ま
しくは0.1〜50重量%とする。
【0113】溶媒置換法で製造した湿式現像剤において
は、発泡抑制剤を、共重合樹脂粒子中に80重量%ま
で、好ましくは75重量%まで包含させることができ
る。しかしながら、共重合樹脂粒子の極性および帯電性
が、実用上特に好ましく使用することができるように調
整した場合には、発泡抑制剤を共重合樹脂粒子中に、お
よそ50重量%まで包含させることができる。
【0114】[湿式現像剤の第二の製造方法(徐冷
法)]本発明の湿式現像剤を徐冷法によって製造するに
は、(1)電気絶縁性分散媒を加熱して共重合樹脂を溶
解すると共に、その電気絶縁性分散媒中に共重合樹脂と
同時又は別個に発泡抑制剤を分散させて加熱混合物を調
製し、(2)その加熱混合物を徐冷すればよい。共重合
樹脂粒子は、(2)の徐冷工程や、その後に必要に応じ
て行われる希釈分散工程において析出(造粒)される。
電荷制御剤であるリン脂質、中性または塩基性金属ペト
ロネート、或いは、有機酸の金属塩化合物は、製造過程
の任意の段階で添加できる。例えば、共重合樹脂や発泡
抑制剤などの原料中に添加したり、電気絶縁性分散媒な
どの原料以外の材料中に添加したり、析出(造粒)後或
いは分散工程後の中間製造物中に添加することができ
る。
【0115】先ず、(1)の工程においては、上述した
ような溶解度パラメーター特性を有する電気絶縁性分散
媒を加熱して共重合樹脂を溶解すると共に、この電気絶
縁性分散媒中に、発泡抑制剤を分散させて加熱混合物を
調製する。発泡抑制剤は、電気絶縁性分散媒中に、共重
合樹脂と同時に添加して分散させてもよいし、別個に添
加して分散させてもよい。高温状態の混合物中におい
て、共重合樹脂は完全に溶解しているのが好ましいが、
膨潤状態になっていてもよい。また、仮に不溶状態であ
ったとしても共重合樹脂中に存在する部分的なホモポリ
マー鎖が良好に分散していればよい。共重合樹脂を溶解
するための電気絶縁性分散媒の温度としては、発泡抑制
剤の分解温度以下であることが好ましく、その温度は特
に限定されないが、通常、70℃〜150℃程度が好ま
しい。さらに電気絶縁性分散媒は、発泡抑制剤に対して
は不溶性または難溶性の溶媒でなければならない。
【0116】徐冷法においても溶媒置換法と同様に、分
散剤を、共重合樹脂が溶解した溶液中に0.3〜0.5
重量%の範囲で含有させておくと、樹脂の分散状態を良
好なものとすることができる。
【0117】次に、(2)の加熱混合物を徐冷する工程
においては、(1)の工程で調製された加熱混合物を徐
冷することによって共重合樹脂粒子を析出(造粒)させ
る。
【0118】例えば、スチレン−イソプレン共重合樹脂
を所定の温度に加熱したn−ヘキサンに溶解し、その
後、溶液中のスチレン−イソプレン共重合樹脂が析出し
始める温度からその共重合樹脂の析出が停止する温度ま
で徐々に冷却すると、スチレン−イソプレン共重合樹脂
粒子の析出が明瞭に観察できる。また、上記の溶液に、
発泡抑制剤であるトリメリット酸を混合した混合物を、
溶液中のスチレン−イソプレン共重合樹脂が析出し始め
る温度からその共重合樹脂の析出が停止する温度まで徐
々に冷却すると、トリメリット酸が分散しているので白
濁の確認は困難になるが、発泡抑制剤を包含した共重合
樹脂粒子がガラス瓶の壁面に付着するのが観察できる。
【0119】徐冷は、少なくとも溶液中の共重合樹脂が
析出し始める温度からその共重合樹脂の析出が停止する
温度の間で行えばよく、共重合樹脂が析出し始める温度
以上または共重合樹脂の析出が停止する温度以下では必
ずしも徐冷する必要はない。徐冷の速度は、用いる電気
絶縁性分散媒や共重合樹脂等によって異なるが、おおむ
ね30℃/時間〜0.1℃/時間の範囲で行うのが好ま
しい。徐冷の速度は、共重合樹脂粒子の粒径やトナー粒
子間の凝集に影響し、徐冷速度を大きくすると大粒径と
なり、徐冷速度を小さくすると小粒径となる傾向があ
る。
【0120】トリメリット酸等の発泡抑制剤が混合した
混合物は、発泡抑制剤の粉末を、電気絶縁性分散媒中ま
たは共重合樹脂を電気絶縁性分散媒に溶解した溶液中の
何れかに添加することによって得ることができる。発泡
抑制剤を電気絶縁性分散媒中に混合した場合には、その
後に電気絶縁性分散媒を加熱して共重合樹脂を溶解する
ことによって加熱混合物となる。
【0121】この混合物中において、共重合樹脂の分子
鎖である第1モノマー単位及び第2モノマー単位の少な
くとも一方が、加熱された電気絶縁性分散媒中で溶解、
膨潤、または分子レベルで分散し、樹脂として溶解した
状態となっている。そして、この混合物が冷却されるこ
とによって、共重合樹脂の分子鎖の少なくとも一方が、
電気絶縁性分散媒に対して溶解、膨潤、または分子レベ
ルで分散した状態から不溶状態に変化することによって
共重合樹脂の析出が起こる。具体的には、共重合樹脂の
析出は、共重合樹脂の分子鎖が、電気絶縁性分散媒に対
してよりも発泡抑制剤に対して親和性の高い第1モノマ
ー単位を介して発泡抑制剤の表面に吸着し、発泡抑制剤
の粒子を包み込む形で絡まりあい、共重合樹脂粒子が形
成されることによって起こる。このようにして析出した
共重合樹脂粒子の表面は、電気絶縁性分散媒に対して親
和性の高い第2モノマー単位の部分に富んでおり、電気
絶縁性分散媒中で溶解部分または膨潤部分となっている
ので、多量の発泡抑制剤を含有させても発泡抑制剤同士
の接触を回避し、優れた分散安定性を発揮する。
【0122】上述したように、電荷制御剤であるリン脂
質、中性または塩基性金属ペトロネート、或いは、有機
酸の金属塩化合物は、製造中のどの段階で添加してもよ
いが、加熱混合物を調製する(1)の工程で添加するこ
とが好ましい。この時に添加される電荷制御剤は、形成
される共重合樹脂粒子の分散性を向上させる分散剤とし
て作用したり、最終的な帯電量を調節しやすくする補助
的な作用をすると推測され、その結果、分散性に優れ、
容易に帯電量を調節できる湿式現像剤を製造することが
できる。
【0123】電気絶縁性分散媒に対する共重合樹脂の溶
解量は、分散媒の種類や加熱温度によって任意となる。
そのため、その後の冷却工程で共重合樹脂粒子が析出
(造粒)する際に、共重合樹脂粒子の濃分散液が直接得
られることもあるが、通常は、共重合樹脂粒子が相互に
接触して分散状態になっていない粘土状の混合物が得ら
れる。このような粘土状の混合物が得られる場合には、
徐冷後にその粘土状の混合物を前記と同じ電気絶縁性分
散媒中に加えたり、粘土状の混合物に電気絶縁性分散媒
を追加したりして、共重合樹脂粒子を形成し、分散させ
る。(2)の徐冷工程により得られた濃分散液に、或い
は、(2)の徐冷工程により得られた粘土状の混合物に
電気絶縁性分散媒を追加等して得られた濃分散液に、更
に電気絶縁性分散媒を追加することによって、共重合樹
脂粒子の分散安定性を維持しながら、共重合樹脂粒子を
所望の濃度に調製することができる。
【0124】このようにして発泡抑制剤を包含してなる
共重合樹脂粒子が電気絶縁性分散媒中に分散した湿式現
像剤が得られる。共重合樹脂粒子の核部分は、主として
発泡抑制剤と当該発泡抑制剤の表面に吸着した第1モノ
マー単位の部分により形成されており電気絶縁性分散媒
に不溶であるが、核部分の周囲には電気絶縁性分散媒と
の親和性が高い第2モノマー単位に富んだ外縁部分が形
成されている。従って共重合樹脂粒子は、湿式現像剤中
において良好に分散しており、粒子濃度を高くしても、
ゲル化、マクロ的凝集、沈殿等を起こさず、分散安定性
に優れている。湿式現像剤中の固形分濃度は1〜5重量
%とすればよく、また、湿式現像剤中の固形分量に対す
る共重合樹脂粒子の含有割合は、通常0.01〜80重
量%、好ましくは0.1〜50重量%とする。
【0125】徐冷法による場合には、溶媒置換法による
場合よりもさらに再現性が高く、同一条件の下では同一
極性で帯電量の一定した湿式現像剤を容易に得ることが
できる。また、徐冷法による場合には、溶媒置換法によ
る場合よりもさらに発泡抑制剤の含有率の高い共重合樹
脂粒子が得られる。溶媒置換法による場合にも、共重合
樹脂粒子中の発泡抑制剤の含有率を50重量%とかなり
高くまで上げることができるが、溶媒置換法ではこの程
度が実用上の限界となる。しかしながら、徐冷法による
場合には、実用に適する極性と帯電量を保有したまま、
共重合樹脂粒子中の発泡抑制剤の含有率を50重量%〜
80重量%とさらに高くすることができるので、特に好
ましい。
【0126】何れにしても溶媒置換法及び徐冷法によっ
て得られた本発明の湿式現像剤は、発泡抑制剤を包含し
た多量の共重合樹脂粒子を含有させても凝集等の問題を
起こしにくいので、湿式現像剤中の発泡抑制剤の含有量
を大きくすることができる。
【0127】(3)表面凹凸を有する発泡体と中間製品
の製造方法 発泡原反すなわち発泡性を有する予備成形体の表面に、
上記の湿式現像剤を用いて、静電記録、静電転写、静電
印刷等の静電的作用を利用する手法により、発泡抑制剤
を所定のパターン状に被覆または浸透させた後、これを
発泡させることによって、意匠性の高い凹凸模様を有す
る発泡体を作成することができる。
【0128】本発明の湿式現像剤および本発明の製造方
法によって製造された湿式現像剤は、静電気的な印字方
式の中でも、静電記録や静電転写を利用したオンデマン
ドタイプの印字方式に特に適しており、印刷版を使用し
ないで、容易且つ迅速に発泡抑制剤のパターンを形成す
ることが可能である。
【0129】ここで、静電記録の手法によれば、発泡原
反の表面に静電潜像を直接形成し、発泡原反を湿式現像
剤にさらして静電潜像を現像する。一方、静電転写の手
法によれば、発泡原反ではない誘電体の表面に静電潜像
を形成し、誘電体を湿式現像剤にさらして静電潜像を現
像し、その後、誘電体上に形成された発泡抑制剤のパタ
ーンを発泡原反の表面に直接的または間接的に転写す
る。静電転写においては、誘電体上のトナーパターン
を、静電気力により被転写体上に直接転写できる。或い
は、誘電体上のトナーパターンをいったん中間的受容体
上に転写し、中間的受容体上のトナーパターンを熱転写
等の方法により被転写体上に転写するというように、被
転写体上に間接的に転写してもよい。
【0130】図1乃至図7は、擬似タイル発泡体、すな
わち、タイルのような外見の表面を有する発泡体を、静
電記録の手法を利用して製造するための各工程を説明し
たものである。図1は、本発明で使用される発泡原反の
一例(1)の部分的な平面図であり、図2は、そのA−
A線に沿って切断した断面の模式図である。図2に示す
ように、発泡原反1は、支持体3の一面側に、発泡性樹
脂で形成された発泡性部位2を設け、さらに発泡性部位
2の上に誘電層4を設けたものである。誘電層4は、発
泡性部位の表面に適切な帯電性を与えるために、帯電性
に優れた樹脂または樹脂組成物により形成される。発泡
性部位2がポリ塩化ビニル樹脂のような帯電性があまり
良好でない樹脂で形成されている場合には、誘電層を設
けないと良好な静電潜像を形成できない。なお発泡原反
は、発泡性樹脂が帯電性に優れる時、もしくは、発泡原
反上に熱転写や静電転写の方法により発泡抑制剤のパタ
ーンを設けるなどして静電潜像を形成する必要がない時
には、導電層を設けた発泡性樹脂部位だけで形成されて
いてもよい。
【0131】発泡性部位用の樹脂組成物、支持体など
は、ケミカルエンボスを行なう際に従来から用いている
材料を用いて形成してよい。支持体3としては、例え
ば、紙、織物、メリヤス、フェルト、不織布等を使用す
ることができる。発泡性部位2は、すでに述べたような
発泡性樹脂組成物を用いて支持体上に形成できる。
【0132】また誘電層4は、静電記録を行なう際に従
来から用いている材料を用いて形成してよい。誘電層4
は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリ−p−
フェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、
ポリカーボネート樹脂等を用いて形成するのが好まし
い。発泡性部位がポリ塩化ビニルを主体とする樹脂組成
物で形成されている場合には、誘電層4をアクリル樹
脂;ポリエステル;エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂や
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のようなエチ
レン系共重合樹脂で形成するのが好ましい。これらの樹
脂は帯電性のみならず、ポリ塩化ビニルとの密着性や耐
熱性にも優れている。
【0133】このような発泡原反1を準備し、その発泡
性部位2の表面に静電潜像5を形成する。図3において
は、タイル模様の目地部分を非発泡の凹部にすることを
意図しているので、帯電部分が格子状パターンとなって
いる静電潜像5が形成されている。次に、静電潜像5を
有する発泡性部位2の表面を本発明の湿式現像剤にさら
して現像すると、現像剤中に分散していた共重合樹脂粒
子が、静電潜像5の帯電部分に付着する。その結果、図
4及び図5に示すように、発泡性部位2の表面に、発泡
抑制剤を含有する格子状パターンの被覆7が形成され
る。このようにして、発泡抑制剤のパターンを有する発
泡性中間製品6が得られる。
【0134】その後、発泡性中間製品6を適切な温度で
加熱することにより、図6及び図7に示すように、未発
泡の凹部10が格子状に形成された擬似タイル発泡体が
得られる。発泡性中間製品6を加熱すると、発泡性部位
2の表面に存在していた発泡抑制剤が発泡性部位の内部
に拡散していき、発泡抑制剤のパターンの直下では発泡
促進剤の触媒作用が阻害されて、発泡温度が上昇する。
従って、発泡性中間製品6を、発泡抑制剤のパターンか
ら外れた領域が発泡可能な温度以上となり、且つ、発泡
抑制剤のパターン直下が発泡可能な温度未満となる温度
に加熱することにより、発泡によりかさが増えた凸部9
と、発泡抑制剤のパターン部または静電潜像のパターン
に一致した未発泡の凹部10とを有する発泡体8が得ら
れる。
【0135】
【実施例】本発明に係る湿式現像剤について、実施例を
通じてさらに詳述する。以下において、実施例1〜17
は溶媒置換法によって製造した湿式現像剤であり、実施
例18〜31は徐冷法によって製造した湿式現像剤であ
る。
【0136】[実施例1] 溶媒置換法による湿式現像剤1の製造;先ず、下記組成
の混合物7.35gをトルエン80g中に添加した後、
ペイントシェーカーを使用して室温にて溶解・分散させ
た。得られた溶解・分散液を、室温のアイソパーL(S
P値:7.3、エクソン社製)360g中に超音波を照
射しながら添加し、次いでエバポレーターを使用してト
ルエンのみを除去し、さらに超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所製US−300T)で超音波を照射してマ
スタートナーを得た。得られたマスタートナーを、アイ
ソパーLで希釈してトナー濃度を4重量%に調整し、溶
媒置換法による湿式現像剤1を得た。ここで、トナー濃
度とは、湿式現像剤の全量に対する発泡抑制剤と共重合
樹脂の合計量の割合のことである。
【0137】 〈湿式現像剤1用組成物〉 ・無水トリメリット酸(三菱ガス化学製):3.6重量部 ・エチレン(SP値:8.1)/メタクリル酸共重合樹脂(SP値:9.4)( Nucrel N035、三井デュポン製):3.6重量部 ・大豆レシチン(純正化学製):0.1重量部 ・塩基性カルシウムペトロネート(Witco社製):0.05重量部 (合計:7.35重量部) [実施例2〜9]電荷制御剤であるレシチン及び塩基性
カルシウムペトロネートの添加量を変更した以外は実施
例1と同様に行なって、溶媒置換法による湿式現像剤2
〜9を作製した。各実施例の添加量を表1に示す。
【0138】[実施例10]下記組成の混合物7.35
gをトルエン80g中に添加し、その後は実施例1と同
様に行なって、溶媒置換法による湿式現像剤10を作製
した。
【0139】 〈湿式現像剤10用組成物〉 ・無水トリメリット酸(三菱ガス化学製):3.6重量部 ・エチレン(SP値:8.1)/酢酸ビニル共重合樹脂(SP値:9.4)(El vax 4310、三井デュポン製):3.6重量部 ・大豆レシチン(純正化学製):0.05重量部 ・塩基性カルシウムペトロネート(Witco社製):0.1重量部 (合計:7.35重量部) [実施例11〜17]電荷制御剤であるレシチン及び塩
基性カルシウムペトロネートの添加量を変更した以外は
実施例10と同様に行なって、溶媒置換法による湿式現
像剤11〜17を作製した。各実施例の添加量を表2に
示す。
【0140】[実施例18] 徐冷法による湿式現像剤18の製造;先ず、下記組成の
混合物463.54gをアイソパーL(SP値:7.
3、エクソン社製)300g中に添加した後、ダブルプ
ラネタリーミキサー(愛工舎社製)とオイルバスを利用
して120℃にて溶解・撹拌させた。この時の撹拌速度
は、前記のプラネタリーミキサーの機械目盛りで5とし
た。
【0141】混合物を十分に溶解するため、120℃で
1時間保持した後、110℃に温度を下げてさらに2時
間保持した。次いで、10℃/0.5時間の速度で80
℃まで急冷し、その後、2℃/0.5時間の速度で60
℃まで徐冷した。次いで、オイルバスを取り外して室温
まで放冷し、粘土状のコンクトナー(濃厚トナー)を得
た。撹拌は、一連の冷却・放冷の際においても継続して
行った。
【0142】さらに、得られたコンクトナー763.5
4gのうち150gをアイソパーL250g中に添加
し、ペイントシェーカーを使用して室温にて分散させ
た。得られた分散液400gを、アイソパーL3100
gで希釈してトナー濃度が2.6重量%となるように調
整してマスタートナー3500gを得た。得られたマス
タートナー3500gに対して2.5gの割合でレシチ
ンおよび塩基性カルシウムペトロネートをそれぞれ添加
し、これを軽く撹拌して湿式現像剤18を得た。ここ
で、トナー濃度とは、湿式現像剤の全量に対する発泡抑
制剤と共重合樹脂の合計量の割合のことである。また、
トナー中のレシチンと塩基性カルシウムペトロネートの
総量は、湿式現像剤18用組成物中にあらかじめ含まれ
ているものと後に添加されるものの合計であるが、それ
ぞれの含有率は、無水トリメリット酸60重量部に対し
て何れも3.85重量部である。
【0143】 〈湿式現像剤18用組成物〉 ・無水トリメリット酸(三菱ガス化学製):300重量部 ・エチレン(SP値:8.1)/メタクリル酸共重合樹脂(SP値:9.4)( Nucrel N1050H、三井デュポン製):150重量部 ・大豆製レシチン(純正化学製):6.77重量部 ・塩基性カルシウムペトロネート(Witco社製):6.77重量部 (合計:463.54重量部) [実施例19〜21]エチレン/メタクリル酸共重合樹
脂の添加量を表3に示すように変更した以外は、実施例
18と同様に行って、徐冷法による湿式現像剤19〜2
1を作製した。
【0144】[実施例22〜31] 徐冷法による湿式現像剤22〜31の製造;先ず、電荷
制御剤が添加されていない下記組成の混合物450gを
アイソパーL(SP値:7.3、エクソン社製)300
g中に添加した後、実施例18と同様の方法によって、
粘土状のコンクトナー(濃厚トナー)を得た。
【0145】得られたコンクトナー750gのうち15
0gをアイソパーL250g中に添加し、ペイントシェ
ーカーを使用して室温にて分散させた。得られた分散液
400gを、アイソパーL3100gで希釈して固形分
(トナー濃度)が2.6重量%となるように調整してマ
スタートナー3500gを得た。得られたマスタートナ
ー3500gに対して、表4に示した種々の電荷制御剤
を、表4に示した割合で添加し、これを軽く撹拌して湿
式現像剤22〜31を得た。
【0146】 〈湿式現像剤22〜31用組成物〉 ・無水トリメリット酸(三菱ガス化学製):300重量部 ・エチレン(SP値:8.1)/メタクリル酸共重合樹脂(SP値:9.4)( Nucrel N1050H、三井デュポン製):150重量部 (合計:450.00重量部) [評価]各実施例で得られた湿式現像剤について、共重
合樹脂粒子の帯電量と負帯電性を評価した評価結果を表
1〜表4に示す。
【0147】(1)帯電量の評価法 共重合樹脂粒子の帯電量は次のような方法で測定した。
間隔が1.0cm、縦が5.0cm、横が4.5cmの
真鍮性電極板の間に湿式現像剤を満たし、高電圧発生装
置(KEITHLEY社製237型)を使用して両電極間に10
00Vの電圧を印加し、通電開始時から60秒間経過す
るまでの電流値を経時的に測定した。測定値に基づい
て、先ず、通電開始時の初期電流量(I0 )から60秒
経過後の電流値(I60)までを積分して通電開始から6
0秒経過するまでに費やした初期総電荷量Q0 を算出し
た。次に、通電開始から60秒後の電流値に基づいて、
定常状態の60秒間に費やされる電荷量Q60を算出し
た。そして、両電荷量の差を算出することにより共重合
樹脂粒子の総電荷量Qt を算出した。上記計算のための
式は次のように表わされる。
【0148】
【数3】Qt =Q0 −Q60=Q0 −I60×60秒
【0149】その後、湿式現像剤が付着した電極板を電
流値測定用セルから取り出し、乾燥させ、電極板上のト
ナー付着量(M)を測定した。この付着量(M)と総電
荷量Qt に基づいて、トナー比電荷すなわちトナー1g
当りの帯電量Qt /M(μC/g)を算出した。
【0150】(2)負帯電性の評価法 帯電量を測定する際に使用する電極板へのトナーの付着
状態を観察した。評価基準は次の通りである。
【0151】〈帯電極性の評価基準〉 ◎(優れる):正極板にのみトナーが付着した。また定
着性も良く、正極板をセルから取り出す時にトナーが流
れ落ちなかった。
【0152】○(良好):正極板にトナーが定着性よく
付着し、負極板には極く少量のトナーしか付着しなかっ
た。
【0153】△(やや不良):正極板に対してトナーの
定着性が無かった。若しくは、負極板にやや多量のトナ
ーが付着した。
【0154】×(不良):正極板に対してよりも、負極
板に多く付着した。
【0155】(3)印刷物の評価方法 実施例によって得られた各湿式現像剤を使用して、オン
デマンドタイプの静電印刷方法である電子写真法によっ
て図4に示すON/OFF2値の印刷物を作製した。な
お、印刷物を得る装置は、電子写真法の装置として一般
的に使用されているもの使用することができる。
【0156】図8は、電子写真法による印刷装置の一例
を示す概略図である。使用した印刷装置101Aは、感
光性誘電体からなる感光ドラム111を潜像担持手段1
02として備え、感光ドラム111の表面を清浄化して
電気的に中性にするクリーニング装置、例えばブレード
112と徐電装置、例えば大量露光装置113を徐電・
クリーニング手段103として備え、印刷すべき静電潜
像を形成する帯電装置、例えばスコロトロン114と露
光装置、例えばレーザー光照射装置115を潜像形成手
段104として備え、感光ドラム111上の潜像形成部
に上述の実施例等で得られた湿式現像剤119を供給す
る現像ローラー116と貯蔵槽118を現像手段105
として備え、現像後の現像液の付着量を一定にするリバ
ースローラー117を備え、現像された画像を感光ドラ
ム111の回転に従って移動して発泡原反125に印刷
するための圧接部材である中間転写体122と圧胴12
4を出力手段106として備えている。そして、以下の
ような電気的、熱的条件で印刷を行った。
【0157】〈電気的、熱的条件〉 ・スコロトロン114電圧:−6kV、 ・均一帯電した感光ドラム111の表面電位:−700
V、 ・レーザー光照射装置115の露光部の表面電位:−1
00V、 ・現像ローラー116のバイアス電圧:−300V(こ
の時、負に帯電した湿式現像剤119を用いて反転現像
を行った。)、 ・リバースローラー117のバイアス電圧:−200V
(この時、過剰な溶剤を除去した。)、 ・中間転写体122のバイアス電圧:+400V(温
度:120℃、この時、接触により発泡抑制剤パターン
の転写を行い、その後、圧胴124を用いて発泡原反1
25を中間転写体122に接触させ、発泡原反125上
に発泡抑制剤のパターンを作成した。) 〈印刷物の評価基準〉 ◎(優れる):画像流れのない高濃度の印刷物が得られ
た。
【0158】○(良好):多少の画像流れが見られる
が、高濃度の印刷物が得られた。
【0159】△(やや不良):画像流れが著しい印刷物
または印刷濃度の低い印刷物が得られた。
【0160】×(不良):画像が形成しなかった。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】得られた印刷物をオーブン中で加熱(22
0℃、1分間)することによって、発泡抑制剤を含む湿
式現像剤が印刷された部分は発泡せず、印刷されない部
分が発泡することによって、凹凸を有する発泡体を得
た。表1から表4の印刷物評価結果でも示したように、
発泡抑制剤の含有率の高い共重合樹脂粒子によって印刷
された印刷物は、高濃度で発泡抑制剤を印刷できるの
で、加熱によって十分な凹凸を有する発泡体が得られ
た。これに対して、発泡抑制剤の含有率があまり高くな
い共重合樹脂粒子によって印刷された印刷物は、高濃度
で発泡抑制剤を印刷することができないので、加熱して
も十分な凹凸を有する発泡体を得ることができなかっ
た。
【0166】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発泡抑制剤を包含すると共に優れた帯電性を備えたトナ
ー粒子を良好に分散させた湿式現像剤が提供される。か
かる湿式現像剤を用いれば、静電記録、静電転写、静電
印刷などの静電的作用を利用した手法により、発泡原反
上に発泡抑制剤のパターンを形成することができる。特
に、静電記録または静電転写の手法によれば印刷版が不
要であり、発泡抑制剤を所望のパターンを有する発泡原
反を、迅速且つ容易に形成することができる。
【0167】従って、この発泡原反を加熱することで、
表面凹凸を有する発泡体を迅速且つ低コストで得ること
ができる。特に、開発段階での試作、プレゼンテーショ
ンのための見本作成、多品種少量の製品上市などの要望
や注文に即応できる。
【0168】また、本発明によれば、発泡抑制剤を包含
するトナー粒子を負帯電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡原反の一例を示す部分的平面図である。
【図2】図1の発泡原反のA−A断面を模式的に示した
図である。
【図3】発泡原反の表面に静電潜像を形成した状態を示
す平面図である。
【図4】発泡原反の表面の静電潜像を発泡抑制剤を含有
する湿式現像剤で現像して作成した発泡性中間製品を示
す部分的平面図である。
【図5】図4の中間製品のB−B断面を模式的に示した
図である。
【図6】本発明にかかる表面凹凸発泡体の一例を示す部
分的平面図である。
【図7】図6の表面凹凸発泡体のC−C断面を模式的に
示した図である。
【図8】電子写真法による印刷装置の一例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1…発泡原反 2…発泡性部位 3…支持体 4…誘電層 5…静電潜像 6…発泡性中間製品 7…発泡抑制剤のパターン 8…表面凹凸発泡体 9…凸部 10…凹部

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性分散媒中に、少なくとも第1
    モノマー単位と第2モノマー単位を含む2種以上のモノ
    マー単位から構成される共重合樹脂からなり且つ発泡性
    樹脂組成物の発泡を抑制することができる発泡抑制剤を
    包含してなる共重合樹脂粒子を分散した湿式現像剤であ
    って、 (1)前記の電気絶縁性分散媒と共重合樹脂とは、
    (i)共重合樹脂の第1モノマー単位のみから構成され
    たホモポリマーの溶解度パラメーター値δp1 と電気絶
    縁性分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差Δ(δp
    1 −δd)が1.0以上であり、(ii)共重合樹脂の
    第2モノマー単位のみから構成されたホモポリマーの溶
    解度パラメーター値δp2 と電気絶縁性分散媒の溶解度
    パラメーター値δdとの差Δ(δp2 −δd)が1.0
    以下であり、(iii)2つの上記ホモポリマーの溶解
    度パラメーター値δp1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp
    2 )が0.5以上となる関係を有しており、 (2)前記の共重合樹脂粒子が、電気絶縁性分散媒に不
    溶な核部分と、該核部分を包む、電気絶縁性分散媒に溶
    解または膨潤する外縁部分とからなり、且つ、 (3)電荷制御剤として、リン脂質、中性または塩基性
    金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化合物を含
    有することを特徴とする、湿式現像剤。
  2. 【請求項2】 前記電荷制御剤として、レシチンと塩基
    性カルシウムペトロネートを含有することを特徴とす
    る、請求項1に記載の湿式現像剤。
  3. 【請求項3】 前記のレシチンおよび塩基性カルシウム
    ペトロネートそれぞれの含有率が、発泡抑制剤3.6重
    量部に対して何れも0.05〜0.5重量部であること
    を特徴とする、請求項2に記載の湿式現像剤。
  4. 【請求項4】 前記の中性または塩基性金属ペトロネー
    トを構成する金属が、カルシウム、マグネシウム、バリ
    ウムまたはナトリウムの何れかであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の湿式現像剤。
  5. 【請求項5】 前記リン脂質が、レシチンであることを
    特徴とする、請求項4に記載の湿式現像剤。
  6. 【請求項6】 前記のレシチン、或いは、中性または塩
    基性金属ペトロネートの含有率が、発泡抑制剤60重量
    部に対して0.1〜30重量部であることを特徴とす
    る、請求項5に記載の湿式現像剤。
  7. 【請求項7】 前記共重合樹脂粒子中の前記発泡抑制剤
    の含有率が、50重量%〜80重量%であることを特徴
    とする、請求項4乃至請求項6の何れかに記載の湿式現
    像剤。
  8. 【請求項8】 前記発泡抑制剤が、無水トリメリット酸
    であることを特徴とする、請求項1乃至請求項7の何れ
    かに記載の湿式現像剤。
  9. 【請求項9】 前記共重合樹脂の第1モノマー単位が、
    酸性基を有していることを特徴とする、請求項1乃至請
    求項8の何れかに記載の湿式現像剤。
  10. 【請求項10】 前記の共重合樹脂粒子が負に帯電して
    いることを特徴とする、請求項1乃至請求項9の何れか
    に記載の湿式現像剤。
  11. 【請求項11】 下記の工程群を含む一連の製造過程の
    いずれかの段階において、原料、原料以外の材料または
    中間製造物中に、電荷制御剤としてレシチンと塩基性カ
    ルシウムペトロネートを添加することを特徴とする、湿
    式現像剤の製造方法。 工程群: (1)少なくとも第1モノマー単位と第2モノマー単位
    を含む2種以上のモノマー単位から構成される共重合樹
    脂を溶媒中に溶解させた溶液と、下記の溶解度パラメー
    ター特性を有する電気絶縁性分散媒とを準備する工程、 [電気絶縁性分散媒の溶解度パラメーター特性](i)
    前記の第1モノマー単位のみから構成されたホモポリマ
    ーの溶解度パラメーター値δp1 と当該分散媒の溶解度
    パラメーター値δdとの差Δ(δp1 −δd)が1.0
    以上であると共に、(ii)前記の第2モノマー単位の
    みから構成されたホモポリマーの溶解度パラメーター値
    δp2 と当該分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差
    Δ(δp 2 −δd)が1.0以下であり、且つ、(ii
    i)2つの上記ホモポリマーの溶解度パラメーター値δ
    1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp2 )が0.5以上と
    なる関係を有する。 (2)準備した共重合樹脂の溶液と電気絶縁性分散媒
    を、発泡性樹脂組成物の発泡を抑制することができる発
    泡抑制剤の共存下で混合する工程、及び、 (3)電気絶縁性分散媒の混合後に前記溶媒を除去する
    工程。
  12. 【請求項12】 前記の発泡抑制剤が無水トリメリット
    酸であることを特徴とする、請求項11に記載の湿式現
    像剤の製造方法。
  13. 【請求項13】 共重合樹脂のトルエン溶液を準備する
    ことを特徴とする、請求項11または請求項12に記載
    の湿式現像剤の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記共重合樹脂の第1モノマー単位が
    酸性基を有していることを特徴とする、請求項11乃至
    請求項13の何れかに記載の湿式現像剤の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記のレシチン及び塩基性カルシウム
    ペトロネートそれぞれの添加量を、発泡抑制剤3.6重
    量部に対していずれも0.05〜0.5重量部とするこ
    とを特徴とする、請求項11乃至請求項14の何れかに
    記載の湿式現像剤の製造方法。
  16. 【請求項16】 発泡抑制剤と電荷制御剤であるレシチ
    ン及び塩基性カルシウムペトロネートの共存下で、共重
    合樹脂の溶液と電気絶縁性分散媒を混合することを特徴
    とする、請求項11乃至請求項15の何れかに記載の湿
    式現像剤の製造方法。
  17. 【請求項17】 下記の工程群を含む一連の製造過程の
    いずれかの段階において、原料、原料以外の材料または
    中間製造物中に、電荷制御剤としてリン脂質、中性また
    は塩基性金属ペトロネート、或いは、有機酸の金属塩化
    合物を添加することを特徴とする、湿式現像剤の製造方
    法。 工程群: (1)下記の溶解度パラメーター特性を有する電気絶縁
    性分散媒を加熱して、少なくとも第1モノマー単位と第
    2モノマー単位を含む2種以上のモノマー単位から構成
    される共重合樹脂を溶解すると共に、前記電気絶縁性分
    散媒中に、前記共重合樹脂と同時または別個に発泡性樹
    脂組成物の発泡を抑制することができる発泡抑制剤を分
    散させて加熱混合物を調製する工程、 [電気絶縁性分散媒の溶解度パラメーター特性](i)
    前記の第1モノマー単位のみから構成されたホモポリマ
    ーの溶解度パラメーター値δp1 と当該分散媒の溶解度
    パラメーター値δdとの差Δ(δp1 −δd)が1.0
    以上であると共に、(ii)前記の第2モノマー単位の
    みから構成されたホモポリマーの溶解度パラメーター値
    δp2 と当該分散媒の溶解度パラメーター値δdとの差
    Δ(δp 2 −δd)が1.0以下であり、且つ、(ii
    i)2つの上記ホモポリマーの溶解度パラメーター値δ
    1 、δp2 の差Δ(δp1 −δp2 )が0.5以上と
    なる関係を有する。 (2)前記の加熱混合物を徐冷する工程。
  18. 【請求項18】 前記の徐冷後に、分散媒を追加して前
    記共重合樹脂粒子を分散する工程をさらに含むことを特
    徴とする、請求項17に記載の湿式現像剤の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記の中性または塩基性金属ペトロネ
    ートを構成する金属が、カルシウム、マグネシウム、バ
    リウムまたはナトリウムの何れかであることを特徴とす
    る、請求項17または請求項18に記載の湿式現像剤の
    製造方法。
  20. 【請求項20】 前記リン脂質が、レシチンであること
    を特徴とする、請求項19に記載の湿式現像剤の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記のレシチン、或いは、中性または
    塩基性金属ペトロネートの含有率が、発泡抑制剤60重
    量部に対して0.1〜30重量部であることを特徴とす
    る、請求項20に記載の湿式現像剤の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記の発泡抑制剤が、無水トリメリッ
    ト酸であることを特徴とする、請求項17乃至請求項2
    1の何れかに記載の湿式現像剤の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記共重合樹脂粒子中の前記発泡抑制
    剤の含有率を、50重量%〜80重量%とすることを特
    徴とする、請求項16乃至請求項20の何れかに記載の
    湿式現像剤の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記共重合樹脂の第1モノマー単位が
    酸性基を有していることを特徴とする、請求項17乃至
    請求項23の何れかに記載の湿式現像剤の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記電荷制御剤を、前記の加熱混合物
    を調製する工程で添加することを特徴とする、請求項1
    7乃至請求項24の何れかに記載の湿式現像剤の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 前記の共重合樹脂粒子を負に帯電させ
    ることを特徴とする、請求項11乃至請求項25の何れ
    かに記載の湿式現像剤の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016190450A1 (en) * 2015-05-27 2016-12-01 Canon Kabushiki Kaisha Liquid developer and method of producing said liquid developer
US11345116B2 (en) * 2016-07-18 2022-05-31 Beaulieu International Group Nv Multi-layered sheet suitable as floor or wall covering exhibiting a three-dimensional relief and a decorative image

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