【発明の詳細な説明】
金属タンパク質分解酵素阻害剤
本発明は、治療的に活性なヒドロキサム酸及びカルボン酸誘導体、それらの製
造方法、それらを含有する医薬組成物及びそのような化合物の医薬への用途に関
する。さらに詳しくは、この化合物は組織崩壊に関与する金属タンパク質分解酵
素の阻害剤であり、さらに細胞からの腫瘍壊死因子の放出阻害剤である。背景
コラゲナーゼ、ストロメリシン及びセラチナーゼのような結合組織損傷に関与
する金属タンパク質分解酵素(”マトリックス金属タンパク質分解酵素”として
知られ、ここではMMPsと略記される)の作用を阻害する特性を有する化合物は、
例えば慢性関節リューマチ、変形性関節症、骨粗鬆症のようなオステオペニアス
(osteopenias)、歯周炎、歯肉炎、角膜潰瘍、表皮潰瘍、又は胃潰瘍及び腫瘍の
転移、浸潤及び生長のような組織損傷に関与する症状の治療又は予防に有望であ
ると考えられている。MMP阻害剤はまた、例えば多発性硬化症のような髄鞘崩壊
に関与する疾病を含む壊死性炎症疾病の治療にも、乾癬、増殖性網膜症、血管新
生性緑内障、眼性腫瘍、線維性血管腫及び血管腫のみならず関節炎症状及び充実
性腫瘍生長を含む脈管形成依存性疾患の管理にも有望である。しかしながら、上
記記載の疾患いずれでも個々のMMPsの相対的な効果はまだ十分に理解さ
れていない。
金属タンパク質分解酵素は、亜鉛(II)イオン活性部位が構造に存在することで
特徴づけられる。現在、繊維芽細胞コラゲナーゼ(タイプ1)、PMN-コラゲナー
ゼ、72kDa-ゼラチナーゼ、92kDa-ゼラチナーゼ、ストロメリシン、ストロメリシ
ン-2及びPUMP-1を含む金属タンパク質分解酵素群の存在することが知られている
(J.F.Woessner,FASEB J,1991,5,2145-2154)。多くの公知のMMP阻害剤はペプチド
誘導体であり、天然に存在するアミノ酸に基づくコラーゲン分子中の開裂部位の
類似体である。チャップマンらによる最近の論文(J.Med.Chem.1993,36,4293-430
1)は、一連のN-カルボキシアルキル ペプチドにおける一般的な構造/ 活性に
ついての知見を幾つか報告している。他の公知のMMP阻害剤は、構造においてペ
プチドであるというよりむしろ擬似ペプチド又はペプチド様とみなすほうがより
適切であると考えられる。このような化合物は、通常MMP中の亜鉛(II)部位と結
合しうる官能基を有しており、公知の群には亜鉛結合基がヒドロキサム酸、カル
ボン酸、スルフィドリル及び酸素化リン基(例えば、ホスフィン酸及びホスホン
酸)であるものが含まれる。
擬似ペプチド又はペプチド様MMP阻害剤のうち2つの公知の群は、その亜鉛結
合基としておのおのヒドロキサム酸基及びカルボキシル基を有している。少数の
例外を除いて、そのような公知のMMPsは構造式(I)で示される。
[式中、Xは亜鉛結合のヒドロキサム酸(−CONHOH)又はカルボン酸(−
COOH)基であり、基R1からR5はそのような化合物の特定の先行技術の開示
に伴って変化する。そのような構造を開示している特許公報の実施例を以下に示
す。
そのような化合物において、亜鉛結合基及び置換基R1、R2及びR3の変化は
金属タンパク質分解酵素の比(relative inhibition)阻害にかなりの影響を有
していることが当該分野で一般に理解されている。基Xは、活性部位中の亜鉛(I
I)イオンに結合することによって金属タンパク質分解酵素と相互作用すると考え
られている。一般に、ヒドロキサム酸基は様々な金属タンパク質分解酵素に対す
る阻害活性に関してカルボン酸基より好ましい。しかしながら、他の置換基と組
み合わせでカルボン酸基は、ゼラチナーゼ(EP-489,577-A)の選択的阻害を与えう
る。R1、R2及びR3基は、天然の酵素基質に対しておのおのP1、P1’及びP2’
アミノ酸側鎖結合部位を占めると信じられている。より大きいR1置換基はスト
ロメリシンに対する活性を増加させること、及びR2における(C1-C6)アルキル
基(イソブチルのような)はコラゲナーゼに対する活性に好ましいこと、しかし
R2におけるアルキルフェニル基(フェニル
プロピルのような)は他の金属タンパク質分解酵素よりもゼラチナーゼに対する
選択性を与えうるという証拠がある。
潜在的な生体外活性を有する式(I)の擬似ペプチド又はペプチド様MMP阻害剤は
公知であるが、一般に経口投与後の吸収がされにくい。多くの因子(水溶解度、
pKa、logP及び分子量のような)が経口吸収に影響することが知られているが、
経口吸収性の高い擬似ペプチド阻害剤のデザインは簡単ではない。活性、水溶解
度、経口吸収性及び薬物動態特性の固有のレベルが良好なバランスとなるR1、
R2、R3、R4又はR5置換基の組み合わせを見出すことが、置換基R1-R5が変
化するとそれらの性質も予測外に変化することから、当該分野において継続する
問題である。そのような性質を有するヒドロキサム酸及びカルボン酸に基づくMM
P阻害剤を明らかにすることが、当該分野で切望されている。
腫瘍壊死因子(ここでは”TNF”として略記される)は、細胞関連の28kD前駆
体として最初に産生されるサイトカインである。それは、生体内で多くの有害な
効果を媒介しうる、活性な17kD型として放出される。動物又はヒトに投与される
と、炎症、発熱、心臓血管への影響、出血、凝固及び急性感染やショック状態に
おいて見られるのに類似した、急性相反応を引き起こす。長期の投与はまた悪液
質及び食欲不振を生じさせる。過剰なTNFの蓄積は致死になりうる。
特異的な抗体でTNFの効果を阻害することが、急性感染、ショック状態、移植
片対宿主反応及び自己免疫疾患に有益であ
るという、かなりの証拠が動物モデル研究から提出されている。TNFはまた幾つ
かの骨髄腫及びリンパ腫のオートクリン(autocrine)生長因子であり、これらの
腫瘍を有する患者の通常の造血を阻害するように作用する。
TNFの産生又は作用を阻害する化合物は、そのため多くの炎症、感染、免疫又
は悪性腫瘍の治療又は予防に有望であると考えられる。これらは敗血性ショック
、血流力学ショック及び敗血性症候群、後虚血性再潅流損傷、マラリア、クロー
ン病、コバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、鬱血性心不全、線維性(fibrotic)疾
患、悪液質、移植片拒絶、がん、自己免疫疾患、慢性関節リューマチ、多発性硬
化症、放射線障害、OKT3又はCAMPATH-1のような免疫抑制モノクローナル抗体投
与後の毒性及び高酸素歯槽損傷を含むが、これらに限定されるものではない。
過剰なTNF産生はMMP媒介性組織崩壊によっても特徴づけられる幾つかの疾患又
は症状において認められるので、MMPs及びTNFの産生両方を阻害する化合物は両
機構が関与する疾患又は症状の治療又は予防において特に有用である。
最近、WO 93/20047がTNF産生阻害においてもまた活性なMMP阻害剤に基づくヒ
ドロキサム酸の群を開示している。
以下の特許公報はヒドロキサム酸に基づくMMP阻害剤を開示している:
US 4599361(サール)
EP-A-2321081(アイ・シー・アイ)
EP-A-0236872(ロッシュ)
EP-A-0274453(ベロン)
WO 90/05716 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 90/05719(ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 91/02716 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 92/09563 (グリコメド)
US 5183900(グリコメド)
US 5270326(グリコメド)
WO 92/17460 (スミスクライン ビーチャム)
EP-A-0489577(セルテック)
EP-A-0489579(セルテック)
EP-A-0497192(ロッシュ)
US 5256657(スターリング)
WO 92/13831 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 92/22523 (リサーチ コーポレーション テクノロギーズ)
WO 93/09090 (山之内)
WO 93/09097 (三共)
WO 93/20047 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 93/24449 (セルテック)
WO 93/24475 (セルテック)
EP-A-0574758 (ロッシュ)
EP-A-0575844 (ロッシュ)
WO 94/02446 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 94/02447 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 94/21612 (大塚製薬)
WO 94/21625 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 94/24140 (ブリティッシュ バイオテクノロジー)
WO 94/25434 (セルテック)
WO 94/25435 (セルテック)発明の概要
上記特許公報の開示中には、広範囲なスペクトラムを有するMMP阻害剤として
生体外活性が良い化合物や、他の群に対して1つの群のMMPの阻害剤としての生
体外活性、すなわち”選択的”MMP阻害活性が良い他の化合物が報告されている
。しかし化合物の要件として、試験管内で強いMMP阻害活性のみならず、製剤化
や投薬しやすい水溶性のような物理化学的性質の良好であり、かつ経口投与後に
所望の薬物動態学的プロフィル、例えば血中の高い及び/又は持続した有効濃度
を生じるものがある。
本発明は、Xにヒドロキサム酸又はカルボン酸基を有しR4基には複数のエー
テル結合を有する基を持つ上記式(I)の化合物が、MMP阻害剤として良好な固有の
活性を持ち、かつ良好な水溶性を持つという所見に基づく。その発明の化合物の
群には、経口投与後に高い及び/又は持続した生体利用性のような、薬動力学的
性質を有する化合物も含まれる。加えて、その群には、細胞からの前炎症性(pr
o-inflammatory)サイトカインTNFの放出を阻害する化合物も含まれる。
上に挙げた特許公報のうち、EP-A-0489577、EP-A-0489579、
WO 93/24449、WO 94/25434とWO 94/25435(セルテック)のみが、R4置換基に”
任意に一つ以上の-O-などの原子により断続された任意に置換された直鎖又は分
岐アルキル基、”を含みその定義は、複数のエーテル結合を含む置換基を有する
化合物が開示されている。しかし、これらの開示は,本発明の化合物には見られ
ない制限された範囲の置換基R2又はR3を有する化合物に限定されている。なお
、ポリエーテルR4置換基を有する化合物の例は特に挙げられておらず、R4置換
基には特別な注意は払われておらず、そのようなポリエーテル置換基R4の利点
についての教示はない。発明の詳細な説明
本発明によれば、一般式(I)の化合物が提供される。
[式中、
Xは−CO2H又は−CONHOH基であり;
R1は水素、C1-C6アルキル、C1-C6アルケニル、フェニル、置換フェニル
、フェニル(C1-C6アルキル),ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、ヘテ
ロサイクリル(C1-C6アルキル)、置換ヘテロサイクリル(C1-C6アルキル)又は
基BSOnA-[式中、nは0、1又は2であり,Bは水素又は(C1-C6)アルキル、フ
ェニル、置換フェニル、ヘテロサイクリル、C1-C6アシル、フェナシル又は置
換フェナシル基であり、AはC1-C6アルキル];アミノ;保護されたアミノ;ア
シルアミノ;OH;SH;C1-C6アルコキシ;C1-C6アルキルアミノ;C1-C6
アルキルチオ;アリール(C1-C6アルキル);アミノ(C1-C6アルキル);ヒドロ
キシ(C1-C6アルキル)、メルカプト(C1-C6アルキル)又はカルボキシ(C1-C6
アルキル)[これらの中で、アミノ-、ヒドロキシ-、メルカプト-又はカルボキシ
ル基は任意に保護されるか、又はカルボキシル基はアミド化されてもよい];又は
マレイミド、サクシナミド、ナフタルイミド、2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキシ-1H-
ベンゾ[d,e]イソキノル-2-イル、カルバモイル、モノ(低級アルキル)カルバモ
イル、ジ(低級アルキル)カルバモイル、ジ(低級アルキル)アミノ、カルボキ
シ-低級アルカノイルアミノ、ピロリジノ又はモルホリノにより置換された低級
アルキルである;
R2はC1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12ア
ルキニル、ベンジル、シクロアルキル(C1-C6アルキル)-、シクロアルケニル(
C1-C6アルキル)-、フェニル(C1-C6アルキル)O(C1-C6アルキル)-又はヘテ
ロアリール(C1-C6アルキル)O(C1-C6アルキル)-基であり、そのいずれも、
C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロ又はシアノ(-CN)により任意に置
換されてもよい;
R3は、天然のアミノ酸の側鎖[官能基があれば保護されてもよい、例えばアミ
ノ基のアシル化やカルボキシル基のアミド化など];又は基-CR6R7R8である[
式中、R6,R7及びR8の各々が独立して、水素、(C1-C6)アルキル、(C2-C6
)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、フェニル(C1-C6)アルキル、ハロゲン,-
CN、-CO2H、(C1-C6)パーフルオロアルキル、-CO2H、-CO2(C1-C6)
アルキル、又は任意にヒドロキシ、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2(C1-C6
)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CONH(C1-C6ア
ルキル)2,-CHO、-CH2OH、(C1-C4)パーフルオロアルキル、-O(C1-C6
)アルキル、-S(C1-C6)アルキル、-SO(C1-C6)アルキル、-SO2(C1-C6
)アルキル、−NO2、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキ
ル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル
、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C4-C8)シクロアルケニ
ル、フェニル又はベンジルから独立して選ばれた一つ以上の置換基により置換さ
れたフェニルある
いはヘテロアリールの基;又はR6とR7は、それらが結合した炭素原子と共に3
から8員環シクロアルキル又は5員から6員ヘテロ環を形成する;又はR6、R7
及びR8はそれらが結合した炭素原子と共に二環式環(例えばアダマンチル)を
形成する];
R4は式-(Z-O)n-Zの基[式中、Zは任意に一つ以上の隣接しないS及び/
又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、nは1より大きい
整数、基R4中で連続した線状の原子配列が、>12ではない、又は、任意に一つ
以上の隣接しないS及び/又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC2-6アルキ
ル基で、そのアルキル基は式-(Z)p-(OZ)qの置換基の少なくとも二つで置換さ
れており[式中、Zは直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、任意に一つ以上の隣
接しないS及び/又はN原子で分断され、pは0又は1、qは1又は2である]、置換基
R4中で連続した線状の原子配列は>12ではない;
R5は、水素又は(C1-C6)アルキル基である;
又はその塩、水和物又は溶媒化物を提供する。
ここで用いられる用語”天然に存在するアミノ酸の側鎖”は、アラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸
、グリシン、ヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、4-ヒドロキシプロリン、イソロ
イシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン
、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ア
ルファ-アミノアジピン酸、アルファ-アミノ-n-ブチル酸、3,4-ジヒドロキシフ
ェニルアラニン、ホモセリン、アルファ−メチルセリン、オルニチン、ピペコリ
ン酸、チロキシンの側鎖を含む。アミノ酸側鎖は、保護されていてもよく;例え
ば、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルファ-アミノアジピン酸のカルボキシ
ル基は、エステル化されていてもよく(例えばC1-C6アルキルエステルとして
)、リシン、オルニチン、5-ヒドロキシリシン、4-ヒドロキシプロリンのアミノ
基は、アミド(例えば-NHCOC1-C6アルキルアミドとして)又はカルバメー
ト(例えば-NHC(=O)OC1-C6アルキル又は-NHC(=O)OCH2Phカル
バメートとして)に変換されていてもよく、5-ヒドロキシリシン、4-ヒドロキシ
プロリン、セリン及びスレオニン、チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニ
ン、ホモセリン、アルファ-メチルセリン、チロキシンの水酸基はエーテル(例
えば-OC1-C6アルキル又は-O(C1-C6アルキル)フェニルエーテル)又はエ
ステル(例えば-OC(=O)C1-C6アルキルエステル)に変換されていてもよく
、システインのチオール基はチオエーテル(例えば-SC1-C6アルキルチオエー
テル)又はチオエステル(例えば-SC(=O)C1-C6アルキルチオエステル)に
変換されていてもよい。
ここで用いられる用語”シクロアルキル”は、3-8個の炭素原子を有する飽和
脂環式環を意味し、例えばシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロヘプチル、
シクロペンチル、シクロブ
チル及びシクロプロピルを含む。
ここで用いられる用語”シクロアルケニル”は、5-8個の炭素原子を有する不
飽和脂環式環を意味し、例えばシクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロヘ
プテニル及びシクロペンテニルを含む。環は一つ以上の二重結合を含んでもよい
。
ここで用いられる限定されていない用語”ヘテロサイクリル”又は”ヘテロサ
イクリック”は、S、N及びOから選択された一つ以上のヘテロ原子を含む5-7
員の複素環式環であり、任意にベンゼン環に縮合される[例えばピロリル、フリ
ル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジ
ニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルフォリニル、ピペリジニル、インドリ
ル、ベンズイミダゾール、フタルイミド、1,2-ジメチル-3,5-ジオキソ-1,2,4-ト
リアゾリジン-4-イル、3-メチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル及び3,4,4-
トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニルを含む]。
ここで用いられる用語”ヘテロアリール”は、一つ以上のヘテロ原子を含む5-
又は6-員の置換又は非置換の芳香族複素環を意味する。そのような環の例として
、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソ
キサゾリル、イソチアゾリル、トリゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル
、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルがあ
る。
この明細書で特に断りがなければ、ここでいかなる部分(
moiety)にも適用される用語”置換”は、そのそれぞれが独立してC1-C6アル
コキシ、ヒドロキシ、チオ、C1-C6アルキルチオ、アミノ、ハロ(フルオロ、
クロロ、ブロモ及びヨードを含む)、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、-
COOH、-CONH2、-CONHRA又は-CONHRARA(式中、RAはC1-C6
アルキル基又は天然アルファ-アミノ酸の残基である)でありえる四つまでの置
換基で置換されることを意味する。
本発明の化合物の塩は、生理学的に受容な酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素
塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、酢酸塩
、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩及びマレイン酸塩を
含む。塩は、また塩基と形成していてもよく、例えばナトリウム、カリウム、マ
グネシウム及びカルシウム塩がある。
本発明による化合物には、不斉炭素原子が存在するために、幾つかのキラル中
心がある。幾つかの不斉炭素原子の存在は、各キラル中心にR又はS立体化学を
有する多くのジアステレオ異性体を生じる。この明細書で、一般式(I)及び(特
に指定しない限り)全ての他の式は、全てこのような立体異性体及びその混合物
(例えばラセミ混合物)を含むものと解されるべきである。
本発明の化合物において、好ましい立体化学は一般的に以下のとおりである:
R1及びX基を有するC原子-S、
R2基を有するC原子 -R、
R3基を有するC原子 -S、
ただし、上記配置が優勢の混合物も考えられる。
本発明の化合物において構造的特色を特徴づける主な新規性は、ポリエーテル
基R4である。本文中既に定義されたR1、R2、R3及びR5基によると、それぞ
れの基は、上記記載の特許公報のいずれかに開示されている化合物の対応する位
置で提案されている基のいずれであってもよい。前述の一般性を限定しないで:
特定のR1基の例は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシル、ア
リル、メトキシ及びチエニルメチルスルファニルを含む。現在好ましいのは、R1
が水素、ヒドロキシル、n-プロピル又はアリルである化合物である。
特定のR2基の例は、イソ-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-
ノニル、n-デシル及びベンジルオキシプロピルを含む。現在好ましいのは,R2
がイソブチルである化合物である。
特定のR3基の例はベンジル、イソ-ブチル、t-ブチル及び1-フルオロ-1-メチ
ルエチルを含む。現在好ましいのは、R3がt-ブチルである化合物である。
R4は例えば、少なくとも二つの隣接しない酸素原子を含むポリエーテルであ
る。特定のR4置換基の例は、2-(2-メトキシエトキシメトキシ)エチル、1,1-ジ
メチル-2-(2-メトキシエトキシメトキシ)エチル、2-(2−エトキシエトキシメト
キ
シ)エチル、2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エチル、2-(2-(3-メトキシプ
ロポキシ)エトキシ)エチル、3-(2-メトキシエトキシメトキシ)プロピル、2,2-ジ
メチル-3-(2-メトキシエトキシメトキシ)プロピル、2-(2-エトキシエトキシ)エ
チル、2-(2-メトキシエトキシ)エチル、3-(2-メトキシエトキシ)プロピル、2,2-
ジ(2-メトキシメチル)プロピル及び2,2-ジ(2-メトキシメチル)ブチルを含む。現
在好ましいのは、R4が2-(2-メトキシエトキシ)エチルである。
R5は例えば水素、メチル又はエチルである。現在好ましいのは、R5が水素で
ある化合物である。
現在、良好な水溶性と経口投与後に高くて持続した有効血中濃度を生じる化合
物は、
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキ
シ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-サクシナミド及びその塩、
溶媒化物又は水和物である。
本発明の他に特定の化合物は:
2S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメ
トキシ)エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-サクシナミド、
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキ
シメトキシ)エチルカルバモイル]-2-フェニル-エチル}-サクシナミド、
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[
2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル
}-サクシナミド、
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-(1S-{2-[2-(2-メトキシ-エト
キシ)-エトキシ]-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-サクシナミド
、
2S-アリル-N4-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-プロピルカルバモイル}-2
,2-ジメチル-プロピル]-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド、
2S-アリル-N4-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-ブチルカルバモイル]-2,2-
ジメチル-プロピル]-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド)、
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチル
カルバモイル]-2,2-ジメチルプロピル}-3S-(チオフェン-2-イルースルファニ
ルメチル)-サクシナミド)、
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-(1S-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エ
トキシ]-エチルカルバモイル}-2,2-ジメチル-プロピル)-3S-(チオフェン-2-
イル-スルファニルメチル)-サクシナミド)、
N1-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-プロピルカルバモイル]-2,2-ジメチル-
プロピル}-N4-ヒドロキシ-3R-イソブチル-3S-(チオフェン-2-イル−スルファ
ニルメチル)-サクシナミド
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ
-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチルプロピル}-3S-プロピル-サク
シナミド)、
及びその酸、溶媒化物又は水和物である。
Xがヒドロキサム酸基-CONHOHである本発明による化合物は、Xがカル
ボン酸基-COOHである本発明による化合物から製造できる。本発明の別の観
点をなすその方法は、
(a)一般式(II)の酸又はその活性誘導体を、
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、ヒドロキシルアミン、O−保護ヒドロ
キシルアミン、N,O-二保護ヒドロキシルアミン又はそれらの塩と潜在的に反
応性であるR1、R2、R3、R4及びR5のうちいずれかの置換基がそれら自体そ
のような反応から保護され得る以外、一般式(I)と同意義である。]。
ヒドロキシルアミン、O−保護ヒドロキシルアミン又はN,O-二保護ヒドロ
キシルアミン又はその塩と反応させ、次いで得られたヒドロキサム酸部分及びR1
、R2、R3、R4及びR5におけるいずれかの保護置換基から、いずれかの保護
基を除去することからなる。
(II)のペンタフルオロフェニル、ヒドロキシサクシニル又はヒドロキシベンゾ
トリアゾリル エステルのような活性中間体への変換は、脱水剤、例えばジシク
ロヘキシルジカルボジイミ
ド(DCC)、N,N-ジメチルアミノプロピル-N'-エチルカルボジイミド(EDC)又は
2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)の存在下、適当
なアルコールとの反応によってなし得る。
上述した保護基は、例えばペプチド化学の技術からそれ自体よく知られている
。アミノ基は、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル又はアセチル
基により、あるいはフタルイミド基の形態でしばしば保護される。ヒドロキシ基
は、t-ブチル又はベンジルエーテルのような容易に開裂可能なエーテル又はアセ
テートのような容易に開裂可能なエステルとしてしばしば保護される。カルボキ
シ基は、t-ブチル又はベンジルエステルのような容易に開裂可能なエステルとし
てしばしば保護される。
化合物(I)のR1が水酸基である特定の場合には、化合物(II)とヒドロキサム酸
のカップリング反応中、R1をも保護してもよい。その場合、特に有用な技術と
しては、水酸基R1と隣接するカルボキシル基を式(IIa)のようなジオキサロンと
して同時に保護するものがある。
[式中、基R12及びR13はジオキサロン形成試薬から誘導され、例えば水素、
アルキル、フェニル又は置換フェニルであっ
てもよい]。ジオキサロン環はヒドロキシルアミンとの反応で開環され、式(I)の
所望のヒドロキサム酸誘導体を得る。
Xがカルボン酸基-COOHである本発明による化合物は、式(IV)の酸又はそ
の活性誘導体を式(V)のアミンとカップリングさせ、
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、カップリング反応と潜在的に反応性で
あるR1、R2、R3、R4及びR5のいずれかの置換基が、それ自体カップリング
反応から保護されるてもよい以外は一般式(I)と同意義であり、かつR11はヒ
ドロキシ保護基を示す]
次いで保護基R11及びR1、R2、R3、R4及びR5からいずれかの保護基を除
去することからなる方法により製造されてもよい。
酸(IV)の活性誘導体は、ペンタフルオロフェニルエステルのような活性化エス
テル、酸無水物及び塩化物のような酸ハライドを含む。適当なヒドロキシ保護基
は、当該分野で公知の保護基から選択され得る。
化合物(IV)におけるR1が水酸基である特定の場合には、化合物(IV)と(V)のカ
ップリング反応中、R1も保護してもよい。その場合、特に有用な技術としては
、二つの水酸基を式(VI)の
ようなジオキサロンとして同時に保護するものがある。
[式中、基R12及びR13はジオキサロン形成試薬から誘導され、例えば水素、ア
ルキル、フェニル又は置換フェニルであってもよい]
原料(V)は、相当するアルファ-アミノ酸H2N-CH(R3)-COOHから相当す
るポリエーテルアミンHNR4R5とアミドを形成することによるか、又はアルフ
ァ-アミノ酸の適当なヒドロキシアルキルアミドから出発した所望のエーテル結
合を連続して形成するかにより、製造することができる。
原料(IV)及び前の段落で原料として用いられたアルファ-アミノ酸は、既知で
あるか又は既知の製造方法、例えば上述の関連した特許公報中の合成方法により
合成される。
上記記載のように、式(I)の化合物はMMPsの阻害剤として活性であるのでヒト
又は家畜用医薬に有用であり、細胞からの腫瘍壊死因子(TNF)の放出阻害能力に
おいてさらに利点がある。
したがって、別の観点によればこの発明は:
(i)哺乳類、特にヒトにおいてMMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患又は症状
の管理法(治療又は予防を意味)であって、上記の式(I)に関して定義される化
合物又は医薬的に受容なそ
の塩の有効量を投与することからなる方法;及び
(I)ヒト又は家畜用医薬、特にMMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患又は症状
の管理(治療又は予防を意味)において用いられる式(I)に関して定義される化
合物;及び
(iii)MMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患又は症状の管理(治療又は予防を
意味)用薬剤の製造における、式(I)に関して定義される化合物の使用に関する
。
MMPsにより媒介される疾患又は症状は、骨吸収、炎症疾患、皮膚科学的症状、
二次転移による腫瘍浸潤、特に慢性関節リューマチ、変形性関節症、歯周炎、歯
肉炎、角膜潰瘍、二次転移による腫瘍浸潤を含む。TNFにより媒介される疾患又
は症状は、炎症、発熱、心臓血管への影響、出血、凝固及び急性相反応、悪液質
及び食欲不振、急性感染、ショック状態、移植片対宿主反応及び自己免疫疾患を
含む。
本発明は、さらに、式(I)の化合物と医薬学的又は獣医学的に受容な賦形剤又
は担体からなる医薬又は獣医用組成物を提供するものである。本発明による化合
物の水溶性及び経口的生体利用の利点の観点から、本発明の更なる局面としては
、経口投与に適応されることを特徴とする、式(I)の化合物と医薬学的又は獣医
学的に受容な賦形剤又は担体とからなる、医薬又は獣医用組成物が含まれるもの
である。
一般式(I)の一つ以上の化合物は、組成物中に一つ以上の賦形剤又は担体と存
在してもよい。
本発明に関わる化合物は、それらの薬物動態的特性と矛盾し
ないいずれかの経路による投与用に製造してもよい。経口投与しうる組成物は、
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、ロゼンジ、液体又はゲル製剤、例えば経口
用、局所用、あるいは無菌非経口用溶液又は懸濁剤のような形態をとっていても
よい。経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、単位服用提供形態であり、結合剤の
ような従来の賦形剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール
、トラガント又はポリビニルピロリドン;充填剤、例えば乳糖、砂糖、トウモロ
コシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン;錠剤用滑剤、例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレン、グリコール又はシリカ;崩
壊剤、例えばバレイショ澱粉又はラウリル硫酸ナトリウムのような受容な湿潤剤
などを含んでもよい。錠剤は、通常の製薬の実際で周知の方法で被覆してもよい
。経口液体製剤は、例えば水性又は油性の懸濁剤、溶液、乳濁剤、シロップ又は
エリキシルの形態をとってもよく、使用前に水又は他の適切な賦形剤と再形成す
るよう乾燥製品として提供してもよい。こうした液体製剤は、懸濁剤のような従
来の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシ
ロップ、ゼラチン水素添加食用脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオ
レエート又はアラビアゴム;非水性賦形剤(食用脂を含んでもよい)、例えばア
ーモンド油、分画ココヤシ油、又グリセリン、プロピレングリコール又はエチル
アルコールのような油性エステル;保存剤、例えばメチル又はプロピル-p-ヒド
ロキシ安息香酸塩又はソルビン酸、及び所望により従来の
着香剤又は着色剤を含んでもよい。
経口投与に関する服用単位は、本発明の化合物を約1-250mg、例えば約10-250m
g含有できる。哺乳動物に対する一日分の適切な服用量は、服用対象の症状によ
り大きく異なる。しかしながら、一般式(I)の化合物の服用は、約0.1-300mg/kg
体重、特に約1-100mg/kg体重が好適であろう。
皮膚に局所的に適用する場合は、薬剤はクリーム、ローション又は軟膏の形態
をとってもよい。薬剤として用いることができるクリーム又は軟膏製剤は、当該
分野において周知の通常製剤であり、例えば英国薬局方のような製薬学の標準的
な教則本に記載されている。
眼に局所的に適用する場合は、医薬は適切な無菌水性又は非水性賦形剤の溶液
又は懸濁剤の形態をとってもよい。添加剤、例えばメタ重亜硫酸ナトリウム又は
エデア酸ジナトリウムのような緩衝剤;酢酸フェニル第二水銀又は硝酸フェニル
第二水銀、ベンザルコニウム クロライド又はクロロヘキシジンのような殺菌剤
及び防菌剤ならびにハイプロメースのような粘稠剤を含む保存剤を含有してもよ
い。
局所投与の場合の服用量は、もちろん治療面積の大きさにより異なる。眼の場
合は、各1回につき医薬10-100mgが代表的である。
活性成分は、また無菌媒体において非経口的に投与してもよい。用いる賦形剤
及び濃度により、医薬を賦形剤に懸濁させるか、又は溶解させてもよい。局部麻
酔剤、保存剤及び緩衝剤の
ようなアジュバントは賦形剤に溶解させるのが有用である。
慢性関節リューマチの治療に用いる場合は、経口投与又は疾患のある関節への
関節内注射により医薬を投与することができる。70kgの哺乳動物の一日分の適用
量は、10mg-1gであってもよい。
以下の実施例は発明の具体例を例証するものである。
実施例で用いたアミノ酸は、購入可能か又は文献記載の製法に従い合成した。
以下の略語を使用している:
DIPE ジイソプロピルエーテル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
EDC N-エチル-N'-(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド 塩酸塩
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
LDA リチウム N,N-ジイソプロピルアミド
NMM N-メチルモルホリン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー1
H及び13CNMRスペクトルは、ブルーカーAC250E分光計を用い、250.1及び62.9MHz
で各々記録した。元素微量分析は、CHN分析社(アルファハウス、カウンテスト
ーペ ロード、サウスウイグストン、レイセスター、LE8 2PJ,英国)及びMEDAC
社(化
学科、ブルネル大学、ユックスブリッジ、ミドルセックス、UB8 3PH)で行われ
た。
実施例1
2S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキ
シ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-サクシナミド
工程A:
2S-ヒドロキシ-3R-(2-メチル-アリル)-コハク酸ジイソプロピルエステル
2S-ヒドロキシ-コハク酸ジイソプロピルエステル(50g,230mmol)を、温度-70
℃に保ちつつLDA[N,N-ジイソプロピルアミン(80ml,570mmol)と10M n-ブチルリ
チウム溶液(48.1ml,481mmol)より調製]のTHF(500ml)溶液に加えた。添加後、反
応液を-15℃に温め、8時間撹拌した。反応液は-70℃に冷却し、ヨウ化メチル(4
6g,252mmol)を反応温度が-65℃を越えないように確認しながらゆっくり加えた
。反応混合物は-40℃に温め、18時間撹拌した後に-15℃でクエン酸で失活させた
。有機相は分離し10%炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)及びブライン(300ml)で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥。溶液はろ過され、真空で濃縮すると茶色油状
物(64g)となり、それはカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1kg、勾配展開
溶媒ヘキサン中
20から35%ジエチルエーテル)により精製。目的化合物は無色油状物(30.9g,49%
)[NMRにより17:1のジアステレオ異性体混合物と判明]として単離された。
工程B
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸ジイソプロピルエステル
2S-ヒドロキシ-3R-(2-メチル-アリル)-コハク酸ジイソプロピルエステル(7.14
g,26.2mmol)をエタノール(80ml)中に溶かし、水素気流下で10%パラジウム木炭
触媒(1.0g)を加えて一晩撹拌した。触媒はろ過で除去し、ろ液は蒸発乾固させて
透明な油状物として生成物(7.03g,98%)を得た。
工程C
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸ジイソプロピルエステル(7.0g,25.6m
mol)をジオキサン(15ml)と水(15ml)中に溶かし、水酸化カリウム(4.29g)水溶液(
22ml)を加え、混合物を90℃で一晩加熱した。溶液を冷却し、イオン交換レシン(
ダウエックス 50X4-400,200ml)に通し、蒸発させて表題の化合物(4.82g,99%)
を得た。
工程D
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチルペンタノイ
ル酸
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸(5.19g,27.3mmol)を2,2-ジメトキシ
プロパン(150ml)とDMF(40ml)に溶かし、触媒量のp-トルエンスルホン酸存在下、
30℃で一晩撹拌した。溶媒を除去し、溶媒が混在した表題の化合物(6.87g、粗生
成物)を得た。
工程E
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチルペンタノ
イル酸 ペンタフルオロフェニルエステル
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチルペンタノ
イル酸(558mg,2.4mmol)をジクロロメタン(10ml)中に取り、0℃まで冷却し、ペ
ンタフルオロフェノール(670mg,3.6mmol)とEDC(560mg,2.9mmol)を加える。反
応液は0℃で2時間撹拌し、次にIM炭酸ナトリウム(50ml)とブライン(20ml)にて洗
浄する。有機相は乾燥(硫酸マグネシウム)、ろ過し、蒸発乾固させ、カラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)により精製し、活性化エステ
ル(552mg,58%)を得た。
工程F
N-ベンジルオキシカルボニル-O-(2-メトキシエトキシメチル)エタノールアミ
ン
N-ベンジルオキシカルボニル-エタノールアミン(12.03g,61.6mmol)の乾燥ジ
クロロメタン(50ml)冷却(0℃)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(32.2ml,18
4.9mmol)と2-メトキシエトキシメチルクロライド(16.9ml,147.9mmol)を撹拌し
ながら加えた。混合液は室温まで温め、それから更に3時間撹拌した。溶媒は減
圧下に除去し、残査を酢酸エチルにとり、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、ブラインにて連続して洗浄した。有機相は硫酸マグネシウムにて乾燥し、ろ
過し、蒸発させて表題の化合物を橙色/黄色油状物[更なる精製をせず使用]を得
た。
工程G
O-(2-メトキシエトキシメチル)エタノールアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-O-(2-メトキシエトキシメチル)エタノールア
ミン(6.25g,22.0mmol)をエタノール(10ml)に溶かし、アルゴンブランケット下
に置いた。10%パラジウム木炭触媒(1.0g)の酢酸エチル懸濁液を加えて水素ガス
を懸濁液内へ3時間通気し、混合物は水素気流下一晩静置した。TLCによると原
料の一部が残っていたので、更に触媒(1g)を加え、水素添加を更に6時間続け、
原料は全て消費された。触媒はろ
過で除去し、ろ液は直接実施例1hで、用いられた。(生成物揮発性)工程H
N-ベンジルオキシカルボニル-L-t-ロイシン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメトキ
シ)エチルアミド
N-ベンジルオキシカルボニル-L-t-ロイシン(2.01g,7.6mmol)をDMF(20ml)に
溶かし、氷浴中にて冷やし、撹拌しながら、ペンタフルオロフェノール(2.83g,
15.4mmol)とEDC(2.95g,15.4mmol)を加えた。混合物は0℃にて1時間、次いで室
温にて2時間撹拌した。溶液は0℃に再び冷却し、工程Gで合成したO-(2-メトキ
シエトキシメチル)エタノールアミンのエタノール溶液を加え、室温で一晩撹拌
した。溶媒は減圧下に除去し、残査はジエチルエーテル(50ml)に溶かし、その溶
液は1M炭酸ナトリウム(2x30ml)、1M 塩酸(2x30ml)、ブライン(30ml)で連続的に
洗浄した。有機相は硫酸マグネシウムにて乾燥し、ろ過し、蒸発させて油状物を
得、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配展開溶媒ヘキサン中50から75
%酢酸エチル)により精製。収率:1.79g(67%)。
工程I
L-t-ロイシン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)エチルアミド
N-ベンジルオキシカルボニル-L-t-ロイシン-N-2-(2-メ
トキシ-エトキシメトキシ)エチルアミドは工程Gに述べたように水素化分解によ
り脱保護した。反応は3時間後に完了しTLC(ジクロロメタン5%メタノール)に
て単一のニンヒドリン陽性スポットが得られた。溶媒を除去すると表題の化合物
が白色発泡体として得られた。収率:1.17g(92%)。
工程J
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキシラン-4S-イル)-4-メチルペンタノイ
ル酸 {1-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメ
チル-プロピル}-アミド
工程Eからの生成物(1.79g,6.0mmol)をDMF(4ml)に溶かし、L-t-ロイシン-N-2
-(2-メトキシエトキシメトキシ)エチルアミド(1.50g 5.71mmol)のDMF(3ml)溶液
を加える間、0℃に冷やした。溶液は0℃で10分間、次いで30℃で一晩撹拌した。
TLC(ジクロロメタン中5%メタノール)により原料ほとんどが残っていないこと
が、示された。溶媒は減圧下除去され、残査はジエチルエーテルに溶かし、水、
1M 炭酸ナトリウム、ブラインにて連続して洗浄した。有機相は、硫酸マグネシ
ウムにて乾燥し、ろ過し、減圧下蒸発させ蝋質の固形を得、酢酸エチル-ヘキサ
ンより再結晶した。収率:1.32g(46%)。
工程K
2S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキ
シ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-サクシナミド
ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.71g,10.2mmol)をメタノール(10ml)中に溶かし
、無水ナトリウムメトキサイド(0.55g,10.2mmol)を加え、混合物を室温で2時
間撹拌した。残存する固体はろ過により除き、ろ液は2R-(2,2-ジメチル-5-オキ
ソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチルペンタノイル酸 {1-[2-(2-メトキシ
-エトキシメトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-アミドを
摘下する間0℃に冷却した。溶液は0℃で10分、室温で一晩撹拌した。溶媒は減圧
下蒸発させ、残査はカラムクロマトグラフィー(酸洗浄したシリカゲル、勾配展
開溶媒ジクロロメタン中2から10%メタノール)により精製、後にメタノール-DIP
Eから再結晶。収率:0.81g(70%)。
実験値:C.53.34,H,8.67,N,9.20%;C20H39N3O8
理論値:C,53.44,H,8.74,N,9.35%.
実施例2
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ
メトキシ)-エチルカルバモイル]-2-フェニル-エチル}-サクシナミド
工程A
4S-ベンジル-3-(4-メチル-ペンタノイル)-オキサゾリジン-2-オン
磁気撹拌機を備えた乾燥500mlフラスコに4S-ベンジルオキサゾリジン-2-オン(
17.72g,100mmol)を満たし、ゴム栓で閉め、窒素を流した。無水THF(300ml)をカ
ニューレを通じて加え、得た溶液をアセトン/ドライアイス浴中で-78℃に冷却し
た。1.47M n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(68.4ml,101mmol)をカニューレに
通して、乾燥したゴム栓で止めた100mlの滴下ロートに移した。これを先ほどのT
HF溶液に10分間かけて滴加した。n-ブチルリチウムの添加終了後、4-メチル吉草
酸塩化物(14.80g,110mmol)をシリンジで一度に加えた。得た溶液は-78℃で30分
間撹拌し、次いで30分間で室温に温めた。過剰な酸塩化物は、塩化アンモニウム
水溶液(60ml)の添加により失活させ、大部分の溶媒を減圧下で除去した。得られ
たスラリーは、
ジクロロメタン(2x80ml)で抽出した。合わせた有機抽出物は1M水酸化ナトリウム
(75ml)、ブライン(75ml)で洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させ、ろ過した。
溶媒を除去すると、表題の化合物が黄色油状物(29.20g,粗生成物)として得られ
た。
工程B
3-(4S-ベンジル-2-オキソ-オキサゾリジン-3-カルボニル)-5-メチル-ヘキサン酸
-4-t-ブチルエステル)
4S-ベンジル-3-(4-メチル-ペンタノイル)-オキサゾリジン-2-オン(20g,72.6m
mol)を乾燥している1リットルの三ツ頚フラスコに入れ、乾燥THF(400ml)を加え
た。混合物をアルゴン気流下におき、-78℃に冷却した(ドライアイス/アセト
ン)。ナトリウム ビス(トリメチル)シリルアミド(THF中1M溶液、72.6ml,72
.6mmol)を滴下ロートを通して滴加した。20分撹拌後、ブロモ酢酸t-ブチル(21.0
2g,15.8ml,109mmol)を1分間にわたって滴加し、橙色溶液を得た。混合物は-78℃
におき、2時間で-50℃に温めた(その後混合物が桃色に変化した)。次いで反
応を-50℃でエーテル(50ml)中の酢酸(10.90g,10.4ml,182mmol)を加えて失活さ
せると、溶液は無色になった。溶媒は減圧下で除去し、生成したスラリーを酢酸
エチル及びブラインに分画した。酢酸エチル相はブラインで1回洗浄し、もとの
ブライン相は酢酸エチルて逆抽出した。合わせた有機相は乾燥
させ、溶媒を除去し、生じた黄色油状物を一晩冷却して結晶化させ、表題化合物
を結晶固体(21.36g,76%)として得た。
工程C
2R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル
3-(4S-ベンジル-2-オキソ-オキサゾリジン-3-カルボニル)-5-メチル-ヘキサン
酸-4-t-ブチルエステル(15.30g,39mmol)を撹拌棒を備えた1リットルのフラス
コに入れ、それにTHF(600ml)及び水(150ml)の混合物を加えた。溶液を撹拌し、0
℃(アイス/アセトン浴)に冷却し、ついで60%過酸化水素水溶液(4.5ml,157mmo
l)をシリンジを通じて5分間で、次に水酸化リチウム(2.65g,63mmol)水溶液(100
ml)を加えた。反応混合物は0℃で1時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン中10%メ
タノール)により、反応の終結(生成物はブロモクレゾールグリーン及び加熱に
よる染色でTLC上に黄色のスポットを生じた)が示された。反応混合物は亜硝酸
ナトリウム(10.88g,157mmol)で失活させ、最終的なpHを12-13にした。THFは真
空除去し、水相はキラル補助体を回収するため、ジクロロメタン(3x200ml)で抽
出した。有機抽出物は無水硫酸マグネシウムにて乾燥、ろ過し、溶媒は真空除去
し、得られた固体キラル補助体(7.05g,39mmol,100%)を酢酸エチル-ヘキサン(2
:1)から再
結晶させた[α]25 D=-13.0°(c=1,メタノール)。水相を氷浴中で冷却し、2M塩酸でpH5
-6に酸性化した。得た濁った溶液を酢酸エチル(4x200ml)で抽出し、抽出中にpH5
-6に再調整した。合わせた有機抽出物は硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過させ、溶
媒は除去し、淡黄色油状化合物(8.21g,91%)として表題化合物を得た。
工程D
2R,S-アリル-3R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル(1:9,RS:RR)
2R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル(5g,21.7mmol)の乾燥THF(100ml
)溶液に、撹拌しながら、-78℃アルゴン気流下で、1.5M LDA(31.8ml,47.74mmol
)をカニューレを通じて滴加した。溶液を-78℃で1時間撹拌した後、臭化アリル
(2.44ml,28.21mmol)をシリンジを通じて滴加した。生成した溶液は2時間をか
けて室温に温めた。メタノール(10ml)を加えて溶液を室温で撹拌した。30分後反
応混合物を減圧下に濃縮した。残査をジクロロメタン(100ml)にとり、1M塩酸(10
0ml)及びブライン(100ml)にて連続して洗浄した。ジクロロメタン相は硫酸マグ
ネシウムにて乾燥、ろ過し、溶媒は減圧下除去すると表題化合物が黄金色油状物
(5.6g,96.7%)として得られた。(1:9,RS:RR)
工程E
3R,S-アリル-2R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル(3:1,RS:RR)
(i)2R,S-アリル-3R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル(1:9,RS:RR)(5.11
g,18.9mmol)の乾燥THF(100ml)溶液に、撹拌しながら、-78℃アルゴン気流下で
、1.5M LDA(27.7ml,41.6mmol)をカニューレを通じて滴加した。反応混合物は2
時間をかけて室温に温め、-78℃に再冷却し、メタノール(8ml)をシリンジを通じ
て加えた。反応液を2時間室温で放置した。溶媒を減圧下に除去。残査をジクロ
ロメタン(150ml)にとり、1M塩酸(150ml)及びブライン(150ml)にて洗浄した。ジ
クロロメタン相は硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒は減圧下除去すると表題化
合物が茶色油状物(4.7g,92%)として得られた。(3:2,RS:RR)
(ii)実施例2e(i)に述べたエピメリ化方法を用い、しかし反応混合物を室温に温
める代わりにLDA添加の後反応温度を-78℃とし、表題化合物を主ジアステレオ異
性体(3:1,RS:SR)、茶色油状化合物(4.6g,98%)として得た。
工程F
3R,S-アリル-2R-イソブチル-コハク酸 1-ペンタフルオロフェニルエステル4-t-
ブチルエステル(3:1,RS:RR)
3R,S-アリル-2R-イソブチル-コハク酸-4-t-ブチルエステル(4.60g,17.2mmol)
(3:1,RS:RR)のジクロロメタン(50ml)溶液にペンタフルオロフェノール(6.13g,3
3.3mmol)を撹拌しながら加えた。反応混合物は、0℃に冷却しNMM(2.02g,20.0mm
ol)とEDC(3.94g,20.0mmol)を加えた。反応混合物は室温に温められ、12時間撹
拌した。溶媒は減圧下除去した。残査はジクロロメタン(50ml)にとり、1M塩酸(3
x50ml)、飽和炭酸ナトリウム(3x50ml)、及びブライン(50ml)にて洗浄した、ジク
ロロメタン相は硫酸マグネシウムにて乾燥、ろ過し、溶媒は減圧下に除去し、茶
色油状物が得られた。カラムクロマトグラフィー(フラッシュシリカ、ジクロロ
メタン)により表題化合物(5.47g,74%)(3:1,RS:SR)が黄金色油状物で得られた
。
工程G
N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン-N-(2-ヒドロキシルエチル)
アミド
Na-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン(10g,33.0mmol)溶液に
、撹拌しながら0℃でペンタフルオロフェノール(9.2g,50.0mmol)次いでEDC(7.6
g,39mmol)を加えた。反応混合物は室温に温め二時間撹拌し、それからエタノー
ルアミン(1.8ml,43.0mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。溶媒は減圧下除去し、
残った黄色油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0
から5%メタノール)にて精製し、次いで酢酸エチル-ヘキサンにて粉砕した。収率
:16.2g(残余溶媒ヘキサンを含む)
工程H
N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメ
トキシ)エチルアミド
N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン-N-(2-ヒドロキシエチル)
アミド(7.0g,20.4mmol)の乾燥ジクロロメタン(150ml)にアルゴン気流下、塩化2
-メトキシエトキシメチル(5.6ml,49.0mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1
0.7m
l,61.4mmol)を加えた。反応混合物は室温で一晩撹拌し、その後でもTLCで原料
がまだ確認された。溶媒の量を3分の1に濃縮し、同量のDMFを加え、反応混合
物を更に60時間室温撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残査を酢酸エチルに溶かし
、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインにて連続的に洗浄した。有
機相は硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮して目的化合物を淡黄色油状化
合物[約1時間高減圧下にて結晶化]として得た。収率:8.0g(90%)
工程I
L-フェニルアラニン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)エチルアミド
実施例2hからの化合物(8.0g,18.3mmol)をエタノール(200ml)に溶かし、アル
ゴンブランケット下に置いた。10%パラジウム木炭触媒(800mg)を酢酸エチルの懸
濁液として加え、混合物は水素気流下撹拌した。4時間後原料はTLCで確認され
なかった。触媒はろ過により除き、ろ液は減圧下に濃縮し表題化合物を泡状物と
して得た。収率:5.36g(約定量的)
工程J
2S-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)-エチルカルバモイル]-2-フェ
ニル-エチルカルバモイル}-3-メチル-
ブチル)-ペンテ-4-ノイック酸t-ブチルエステル
実施例2i(5.36g,21.4mmol)及び実施例2f(7.79g,17.8mmol)からの化合物を一
緒にしてDMF(50ml)中に溶かし、室温で一晩中撹拌した。TLCによるとペンタフル
オロフェニルエステルは全て消費された。溶媒は減圧下除去され、残査は酢酸エ
チルに溶かし、1M塩酸、1M炭酸ナトリウム、ブラインにて連続的に洗浄した。有
機相は硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮すると黄色油状物が得られ、カ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中2から10%メタノール)
にて精製。酢酸エチル-ヘキサンからの再結晶により目的化合物を白色固形物と
して得た。収率:2.5g(26%、単一ジアステレオ異性体)
工程K
S-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)-エチルカルバモイル]-2-フェニ
ル-エチルカルバモイル}-3-メチル-ブチル)-ペンテ-4-ノイック酸
実施例2j(2.5g,455mmol)からの化合物をジクロロメタン(4ml)とTFA(4ml)に溶
かし、室温で45分間撹拌した。TLC(ジクロロメタン中10%メタノール)によると
原料は消費された。溶媒は真空で除去し、残査を酢酸エチルに溶かし、蒸発して
黄色油状化合物(3.4g,TFAを含む)を得た。[更なる精製をせず、使用された]
工程L
3R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)-エチルカルバモイル]-2-フェニル-
エチルカルバモイル}-5-メチル-2S-プロペン-2-イル-ヘキサノヒドロキサム酸
実施例2k(3.4g,6.9mmol)からの化合物をDMF(50ml)に溶かし、その溶液をHOBt
(0.93g,6.9mmol)とEDC(1.3g,6.9mmol)を加える間、0℃に冷却した。混合物は
約1時間0℃で、それから約2時間室温で活性エステルの形成を確実にするため
撹拌した。溶液を0℃に再冷却し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.72g,10.3mmol
)、次いでNMM(1ml,9.1mmol)を加え、反応混合物を室温まで温め、60時間撹拌
した。溶媒は真空で除去し、残査はジエチルエーテル(50ml)と水(25ml)の混合物
で粉砕し、2時間放置した。生成した油状固形物をろ過により集め、更にカラム
クロマトグラフィー(酸洗浄シリカ、勾配展開溶媒ジクロロメタン中5から10%メ
タノール)にて精製した。ヒドロキサム酸を含む区分(TLC、エタノール性塩化
鉄(III)にて赤色染色)を集め、メタノール-ジイソプロピルエーテルより二度再
結晶した。収率:140mg(4%)。
実験値:C,61.68,H,7.85,N,8.44%;C26H41N3O7
理論値:C,61.52,H,8.14,N,8.28%.
実施例3
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ
メトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}サクシナミド
表題化合物は、Cbz-t-フェニルアラニンをCbz-t-ロイシンに変えて、実施例2
の方法に従い合成した。
実施例4
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)
-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}サクシナミド
表題化合物は、L-t-ロイシン−N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミドをL-
フェニルアラニン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)エチルアミドに変えて
、実施例2の方法に従い合成した。
L-t-ロイシン-N-2-(2-メトキシ-エトキシ)エチルアミドは次のようにして合成
した。
カリウムフタルイミド(20g,108mmol)をトルエン(100ml)中懸濁させ、n-ヘキ
サデシル-トリ-n-ブチル-ホスホニウムブロマイド(4.4g,8.66mmol)と2-(メトキ
シエトキシ)エチルブロマイド(11.5ml,84.8mmol)を加えた。反応混合物は2時
間還流加熱し、TLC分析によればほんの痕跡程度の原料が見られた。混合物は室
温に冷却され、無機部分はろ過により除き、ジエチルエーテルにて洗浄した。合
わせたろ液と洗液は、減圧下濃縮し、残査はフラッシュクロマトグラフィー(シ
リカゲル、展開溶媒としてヘキサン中40%酢酸エチル)にて精製し、2-(メトキシ
エトキシ)エチルフタルイミドを無色油状化合物(18.1g,67%)として得た。
フタルイミド(9.0g,36.1mmol)をアルゴン気流下乾燥メタノール(500ml)に溶
かし、ヒドラジン(1.4ml,44.6mmol)を加えた。反応混合物は2時間室温で撹拌
し、TLC分析には全ての原料消費が示された。1M塩酸(21.6ml)を加え、反応混合
物を真空で濃縮した。残査を4℃で一晩保存し、0.1M塩酸(200ml)を加え、混合物
をろ過した。水を減圧下除去し、5M水酸化ナトリウムを加えてpH11にした。生成
物はジクロロメタンへ抽出し、合わせた有機相は硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過
、蒸発させて2-(メトキシエトキシ)エチルアミンを無色油状物(2.84g,66%)とし
て得た。
アミン(2.84g,23.9mmol)をDMF(80ml)に溶かし、Cbz-L-t-ロイシン ペンタフ
ルオロフェニルエステル(10.3g,23.8mmol)で処理した。反応混合物は、室温で
3時間撹拌し、溶媒は減圧下で除去した。残査は酢酸エチルに溶かし、溶液は水
、1M炭酸ナトリウム(x2)、1M塩酸、水(x3)にて連続的に洗浄した。有機相は硫酸
ナトリウムにて乾燥、ろ過、減圧下に濃縮した。残査はフラッシュクロマトグラ
フィー(シリカ、酢酸エチルを展開溶媒として)にて精製し、Cbz-L-t-ロイシン
-N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミドを無色油状物(7.7g,88%)として得た
。
Cbz-L-t-ロイシン-N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミド(7.66g,20.9mmol)
はアルゴン気流下エタノール(100ml)に溶かし、10%パラジウム木炭(1g)をエタノ
ール(30ml)懸濁液として加えた。混合物は水素ガス気流下に置き、室温で一晩撹
拌した。TLC分析によると原料は全く残っていなかった。フラスコをアルゴンで
洗浄し、触媒はろ過により除いた。溶媒は減圧下除去し、L-t-ロイシン-N-2-(2-
メトキシエトキシ)エチルアミドを無色油状物(4.55g,94%)として得た。
実施例5-7の化合物は、実施例2の合成法に類似した方法で、L-フェニルアラ
ニン-N-2-(2-メトキシ-エトキシメトキシ)エチルアミドの代わりに適当なL-t-ロ
イシン誘導体を用いて合成した。必要なL-t-ロイシン誘導体は上記記載のL-t-ロ
イシン-N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミド合成方法と類似した方法で合成
した。
実施例5
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S−{2-[2-(2-メトキシ-エ
トキシ)-エトキシ]-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}サクシナミ
ド
実験値:C57.80,H9.15,N8.54%;C24H45N3O7,0.6H2O
理論値:C57.83,H9.34,N8.43%.
実施例6
2S-アリル-N4-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-プロピルカルバモイル]-2,2-ジ
メチル-プロピル}-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド
実施例7
2S-アリル-N4-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-ブチルカルバモイル]-2,2-ジメ
チル-プロピル}-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド
実施例8
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカ
ルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-3S-(チオフェン-2-イル-スルファニル
メチル)-サクシナミド
工程A
2-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プ
ロピルカルバモイル}-3-(メチル-ブチ
ル)-マロン酸 ジベンジルエステル
2-ベンジルオキシカルボニル-3R-イソブチル-コハク酸-4-ベンジルエステル
(WO 90/05719に記述通り合成)(5.9g,16.1mmol)をDMF(100ml)に溶かし、その
溶液をHOBt(2.6g,19.3mmol)、次いでEDC(3.7g,19.3mmol)を加える間、0℃に冷
却した。混合物は室温に温められ、3.5時間撹拌した。L-t-ロイシン-N-2-(2-メ
トキシエトキシ)エチルアミド(3.72g,16.0mmol)を加え、反応混合物は室温で3
日間撹拌した。溶媒は減圧下に除去され、残査は酢酸エチル(200ml)に溶かした
。溶液は水(x2)、1M塩酸、1M炭酸ナトリウム、最後に水にて連続的に洗浄し、硫
酸ナトリウムにて乾燥、ろ過し、減圧下に濃縮した。残査はフラッシュクロマト
グラフィー(シリカゲル、展開溶媒としてヘキサン中70%酢酸エチル)にて精製
し、表題化合物を無色油状物(8.08g,86%)として得た。
工程B
2-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プ
ロピルカルバモイル}-3-(メチル-ブチル)-アクリル酸
2-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-
プロピルカルバモイル}-3-(メチル-ブチル)-マロン酸 ジベンジルエステル(8.
08g,13.9mmol)をエ
タノール(150ml)に溶かし、10%パラジウム木炭(1.6g)を加えた。水素ガスを懸濁
液内に激しく撹拌しながら5.5時間通気した。反応系をアルゴンで置換し、触媒
をろ過にて除いた。2-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル
]-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル}-3-(メチル-ブチル)-マロン酸を含んで
いるろ液を0℃に冷却し、ピペリジン(1.5ml,15.2mmol)を加え、次いで37%ホ
ルムアルデヒド水溶液(10ml)を滴加した。反応混合液は室温に温められ、室温で
一晩撹拌した。溶媒は減圧下除去し、残査は酢酸エチルに溶かし、1M炭酸ナトリ
ウム(3x50ml)にて抽出した。水相は合わせて一つにし、酢酸エチルへ抽出される
前に濃塩酸にて酸性化した。有機相は合わせて一つにし、硫酸ナトリウムにて乾
燥、ろ過、濃縮した。残査をDIPEより再結晶すると、表題化合物が白色固形物(4
.4g,総収率79%)が得られた。
工程C
3R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピ
ルカルバモイル}-5-メチル-2S-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-ヘ
キサン酸
2-(1R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-
プロピルカルバモイル}-3-(メチル-ブチル)-アクリル酸(4.4g,11.0mmol)を
メタノール(100ml)に
溶かし、アルゴン気流下に放置した。チオフェン-2-チオール(3g,25.9mmol)を
加え、反応混合物は60℃、暗所で一晩撹拌した。溶媒は真空下除去し、DIPEを残
査油状物に加え、すると白色固形物が沈澱した。固形物は集められ、DIPEでよく
洗浄し、乾燥した。1H-NMR分析によると、反応は不完全であった。原料と生成物
の混合物はメタノールに溶かし直し、上述のように反応を繰り返した。溶媒は減
圧下に除去し、残査はジエチルエーテルから再結晶し、酢酸エチルから再々結晶
すると、表題化合物が白色固形物(2.91g,51%)として得られた。
工程D
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカ
ルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-3S-(チオフェン-2-イルスルファニルメ
チル)-サクシナミド
3R-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロ
ピルカルバモイル}-5-メチル-2S-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-ヘ
キサン酸(2.91g,XXmmol)を、実施例2(工程L)に述べた方法と類似の方法にて
表題化合物(1.00g,33%)へ変換した。
実験値:C54.06,H7.78,N7.86%,C24H41N3O5S2.0.1H2O
理論値:C54.03,H7.78,N7.88%
実施例9と10の化合物は実施例8に述べた方法と類似の方法により、L-t-ロ
イシン-N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミドを適当なL-t-ロイシン誘導体を
用い、合成した。必要なL-t-ロイシン誘導体は、上述(実施例4)のL-t-ロイシ
ン-N-2-(2-メトキシエトキシ)エチルアミド合成方法に類似した方法により、合
成した。
実施例9
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-(1S-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エト
キシ]-エチルカルバモイル}-2,2-ジメチル-プロピル)-3S-(チオフェン-2-イル
スルファニルメチル)-サクシナミド
実験値:C54.02,H7.88,N7.29%;C26H45N3O7S2.0.1H2O
理論値:C54.07,H7.89,N7.28%.
実施例10
N1-{1S-[2,2-ジ-(メトキシメチル)-プロピルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プ
ロピル}-N4-ヒドロキシ-3R-イソブチル-3S-(チオフェン-2-イルスルファニ
ルメチル)-サクシナミド
実施例11
N4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-N1-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチル
カルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}-3S-プロピル-サクシナミド
2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-{1S-[2-(2-メトキシ-エトキ
シ)-エチルカルバモイル]-2,2-ジメチル-プロピル}サクシナミド(実施例4、40
0mg,0.9mmol)をエタノール(40ml)に溶かした。溶液はアルゴン気流下に置かれ
、10%パラジウム木炭(50mg)を加えた。激しく撹拌しながら、水素ガスを溶液内
に3時間通気した。触媒はろ過により除去し、ろ液は減圧下に濃縮した。残査は
フラッシュクロマトグラフィー(酸洗浄処理シリカ、展開溶媒としてジクロロメ
タン中5%メタノール)にて精製し、表題化合物を白色固形物(300mg,70%)として
得た。
実施例12
次の表は、試験管中でのMMPsに対する活性を維持しながら、本発明の化合物は
R4基がMeの当該分野にて既知の化合物(比較化合物1から3)よりも水溶性が
増加していることを示している。
比較化合物1:N4-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル)-2S,N1-
ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド
比較化合物2:2S-アリル-N4-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル
)-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシナミド
比較化合物3:N1-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル)-N4-ヒド
ロキシ-2R-イソブチル-3-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-サクシナ
ミド
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年10月4日
【補正内容】
WO 93/24449、WO 94/25434とWO 94/25435(セルテック)のみが、R4置換基に”
任意に一つ以上の-O-などの原子により断続された任意に置換された直鎖又は分
岐アルキル基、”を含みその定義は、複数のエーテル結合を含む置換基を有する
化合物が開示されている。しかし、これらの開示は,本発明の化合物には見られ
ない制限された範囲の置換基R2又はR3を有する化合物に限定されている。なお
、ポリエーテルR4置換基を有する化合物の例は特に挙げられておらず、R4置換
基には特別な注意は払われておらず、そのようなポリエーテル置換基R4の利点
についての教示はない。 更に、EP-A-0236872は、上記式(I)のR4に相当する置換基が2,2-ジ(C1-C6 −アルコキシ)エチルである化合物、そのような化合物の特有な開示例として[4 -(N-ヒドロキシアミノ)2(RS)-イソブチルサクシニル]-L-ロイシン-2,2-ジメ トキシエチルアミドが、開示されている。しかし、EP-A-0236872には、本発明の 化合物に存在するポリエーテル基の利点についての教示はない。 発明の詳細な説明
本発明によれば、一般式(I)の化合物が提供される。
いはヘテロアリールの基;又はR6とR7は、それらが結合した炭素原子と共に3
から8員環シクロアルキル又は5員から6員ヘテロ環を形成する;又はR6、R7
及びR8はそれらが結合した炭素原子と共に二環式環(例えばアダマンチル)を
形成する];
R4は式-(Z-O)n-Zの基[式中、Zは任意に一つ以上の隣接しないS及び/
又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、nは1より大きい
整数、基R4中で連続した線状の原子配列が、>12ではない、又は、任意に一つ
以上の隣接しないS及び/又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC2-6アルキ
ル基で、そのアルキル基は式-(Z)p-(OZ)qの置換基の少なくとも二つで置換さ
れており[式中、Zは直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、任意に一つ以上の隣
接しないS及び/又はN原子で分断され、p は1、 qは1又は2である]、置換基R4中
で連続した線状の原子配列は>12ではない;
R5は、水素又は(C1-C6)アルキル基である;
又はその塩、水和物又は溶媒化物を提供する。
ここで用いられる用語”天然に存在するアミノ酸の側鎖”は、アラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸
、グリシン、ヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、4-ヒドロキシプロリン、イソロ
イシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン
、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ア
(C1-C6)アルキル、-SO(C1-C6)アルキル、-SO2(C1-C6)アルキル、-N
O2、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1-C6)アルキル)2、-NHCO(
C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アル
キニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C4-C8)シクロアルケニル、フェニル又は
ベンジルより独立して選ばれた1以上の置換基で任意に置換されたフェニル又は
ヘテロアリール-基;又はR6とR7はそれらが結合した炭素原子と共に、3-8員の
シクロアルキル又は5-6員の複素環を形成する;又はR6、R7及びR8はそれらが
結合した炭素原子と共に二環式環(例えばアダマンチル)を形成する;
R4は式-(Z−O)n-Zの基[式中、Zは任意に一つ以上の隣接しないS及び/
又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、nは1より大きい
整数、基R4中で連続した線状の原子配列が、>12ではない、又は、任意に一つ
以上の隣接しないS及び/又はN原子で分断された直鎖又は分岐したC2-6アルキ
ル基で、そのアルキル基は式-(Z)p-(OZ)qの置換基の少なくとも二つで置換さ
れており[式中、Zは直鎖又は分岐したC1-6アルキル基で、任意に一つ以上の隣
接しないS及び/又はN原子で分断され、p は1、 qは1又は2である]、置換基R4中
で連続した線状の原子配列は>12ではない:
R5は水素又は(C1-C6)アルキル基である;
又はその塩、水和物又は溶媒化物。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/38 ABJ A61K 31/38 ABJ
ABL ABL
ABN ABN
ACK ACK
ADU ADU
C07D 333/34 C07D 333/34
// C07M 7:00
(72)発明者 ウイッタカー マーク
イギリス国、オーエックス4 5エルワ
イ、オックスフォード、カウリー、ウォト
リントン ロード(番地なし)、ブリテッ
シュ バイオテック ファーマシューティ
カルズ リミテッド
(72)発明者 ミラー アンドリュー
イギリス国、オーエックス4 5エルワ
イ、オックスフォード、カウリー、ウォト
リントン ロード(番地なし)、ブリテッ
シュ バイオテック ファーマシューティ
カルズ リミテッド
(72)発明者 マーチン フィオナ ミッチェル
イギリス国、オーエックス4 5エルワ
イ、オックスフォード、カウリー、ウォト
リントン ロード(番地なし)、ブリテッ
シュ バイオテック ファーマシューティ
カルズ リミテッド