JPH1156355A - コレステロール・エステラーゼの製造方法 - Google Patents

コレステロール・エステラーゼの製造方法

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JPH1156355A
JPH1156355A JP9239163A JP23916397A JPH1156355A JP H1156355 A JPH1156355 A JP H1156355A JP 9239163 A JP9239163 A JP 9239163A JP 23916397 A JP23916397 A JP 23916397A JP H1156355 A JPH1156355 A JP H1156355A
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esterase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エステル型コレステロールの定量などの際に
有用な、熱安定性に優れ、実用性に優れた理化学的性質
を有するコレステロール・エステラーゼを容易に製造す
る。 【解決手段】キサントモナス属に属し、コレステロール
・エステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養し、そ
の培養物からコレステロール・エステラーゼを採取す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コレステロール・
エステルを加水分解し、コレステロールと脂肪酸を生成
するコレステロール・エステラーゼの製造方法、さらに
詳しくはキサントモナス属に属し、コレステロール・エ
ステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養し、その培
養物からコレステロール・エステラーゼを採取する、コ
レステロール・エステラーゼの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血中の総コレステロール(遊離型コレス
テロールとエステル型コレステロールの合計量)及びエ
ステル型コレステロールの定量は、臨床学的な診断に際
して非常に重要であり、その定量値を知ることは動脈硬
化症、心筋梗塞症などの診断に役立ち、保健上重視され
ている。従来、遊離型コレステロールの定量法として
は、コレステロール・オキシダーゼを作用させて酵素的
に直接定量する方法が知られているが、該酵素は、エス
テル型コレステロールには作用しないため、エステル型
コレステロールを定量する場合には、まずエステル結合
を加水分解して遊離型のコレステロールを生成させ、そ
の後遊離型のコレステロールにコレステロール・オキシ
ダーゼを作用させて生成する過酸化水素を測定してエス
テル型のコレステロールを定量する方法が一般的に行わ
れている。前記のエステル型コレステロールを加水分解
する方法としては、例えばアルコール性水酸化カリウム
と化学的に反応させてケン化する方法、あるいは酵素的
にコレステロール・エステラーゼを作用させる方法など
が挙げられる。そして後者の方法は、前記分解操作が簡
便で、自動分析法などにおいて直接かつ迅速に定量がで
きることから好ましく用いられる。
【0003】コレステロール・エステラーゼは、エステ
ル型コレステロールに作用して遊離型コレステロールと
脂肪酸を生成する酵素であり、特に動物の膵臓、肝臓な
どに由来するもの、あるいは微生物由来のものなどが知
られている。微生物由来のコレステロール・エステラー
ゼとしては、シュードモナス(Pseudomona
s)属に属する微生物から得たもの(特開昭50−15
7588号公報参照)、フザリウム(Fusariu
m)属に属する微生物から得たもの(ジャーナル・オブ
・バイオケミストリー(Journal of Bio
chemistry)第81巻、1209−1215
頁、1977年、参照)、シゾフィラム(Schizo
phyllum)属に属する微生物から得たもの(特公
昭55−34674号公報参照)、カワラタケ属から得
たもの(特公昭56−53355号公報参照)、ストレ
プトミセス(Streptomyces)属から得たも
の(特公昭60−15311号公報参照)、ノカルジア
・コレステロリカム(Nocardia choles
terolicum)NRRL5767から得たもの
(特公昭60−58955号公報参照)などが知られて
いる。しかしながら、キサントモナス(Xanthom
onas)属に属する微生物由来のコレステロール・エ
ステラーゼについての報告はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エステル型
コレステロールの定量などの際に用いられる、実用性に
優れた理化学的性質を有するコレステロール・エステラ
ーゼを、容易に得る方法を提供することを目的としてな
されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ね、広く自然界よりコレ
ステロール・エステラーゼを生産し得る微生物の検索を
行った結果、土壌より分離したキサントモナス属に属す
る菌株がコレステロール・エステラーゼを生産するこ
と、そしてその菌株によって生産された酵素の至適pH
が微酸性にあり、かつ熱安定性に優れて実用に適してい
ることなどを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明はキサントモナス属に
属し、コレステロール・エステラーゼ生産能を有する菌
株を培地に培養し、その培養物からコレステロール・エ
ステラーゼを採取することを特徴とするコレステロール
・エステラーゼの製造方法である。以下、本発明につい
て詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に用いられる菌とし
ては、キサントモナス(Xanthomonas)属に
属し、コレステロール・エステラーゼ生産能を有する菌
株であればいかなる菌でもよく、またこれらの変種又は
変異株でもよい。そして、その具体例としては、キサン
トモナス・エスピー No.81−13(Xantho
monas sp.No.81−13)が挙げられ、該
菌株の変種又は変異株も用いることができる。このキサ
ントモナス・エスピー No.81−13(以下、本菌
という)は、本発明者らが熊本市郊外の畑の土壌から採
取して純粋分離して得た菌であり、その菌学的性質は以
下に示すとおりである。
【0007】<キサントモナス・エスピー No.81
−13の菌学的性質> (a)形態的性質 顕微鏡的観察(肉汁寒天培地(pH7.0)上で、30
℃、20時間培養) (1)細胞の大きさ及び形:0.3〜0.6×1.5〜
1.7μmの桿菌。 (2)細胞の多形性の有無:なし。 (3)運動性の有無及び鞭毛の着生状態:運動性あり。
1乃至数本の極鞭毛を有する。 (4)胞子の有無:なし。 (5)グラム染色性:陰性。
【0008】(b)生育状態 (1)肉汁寒天平板培養:30℃、24時間培養で直径
約0.8〜1.0mmの円形コロニーを形成し、その表
面は平滑で光沢があり、凸状に隆起しやや透明感のある
レモン色を呈する。 (2)肉汁液体培養:30℃、24時間の振盪培養で良
好に生育し、濁化する。また48時間以上の静置培養で
は培養液が粘性を帯びてくる。 (3)肉汁ゼラチン穿刺培養:30℃、4日間で液化す
る。 (4)リトマスミルク:30℃、2日間で液化が見られ
るが、酸、アルカリの生産はない。
【0009】(c)生理学的性質 (1)硝酸塩の還元:陽性。 (2)脱窒反応:陰性。 (3)MRテスト:陽性。 (4)VPテスト:陰性。 (5)インドールの生成:陰性。 (6)硫化水素の生成:陰性。 (7)デンプンの加水分解:陽性。 (8)クエン酸の利用:コーザー培地 陽性、クリステ
ンセン培地 陽性。 (9)無機窒素源の利用:硝酸塩、アンモニウム塩とも
に陽性。 (10)色素の生成:陰性。 (11)ウレアーゼ:陰性。 (12)オキシダーゼ:陽性。 (13)カタラーゼ:陽性。 (14)生育の範囲:pH;4.5〜9.5、温度;15
〜48℃。 (15)酸素に対する態度:好気性。 (16)O−Fテスト:酸化的。 (17)栄養要求性:なし。 (18)ONPGテスト(β−ガラクトシダーゼの生産テ
スト):陽性。 (19)菌体外DNase:陽性。 (20)カゼインの分解:陽性。 (21)エスクリンの分解:陽性。 (22)チロシン分解:陽性。 (23)アミノ酸デカルボキシラーゼ:基質としてL−リ
ジンを使用した場合、陰性。基質としてL−オルニチン
を使用した場合、陰性。 (24)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性。 (25)アミノ酸デアミナーゼ:基質としてフェニルアラ
ニンを使用した場合、フェニルピルビン酸の生成 陽
性。基質としてトリプトファンを使用した場合、インド
ールピルビン酸の生成 陰性。 (26)リパーゼ:陽性。 (27)レシチナーゼ:陽性。 (28)キノンタイプ:Q−8。 (29)菌体内主要脂肪酸:13−メチルテトラデカン
酸、15−メチルヘキサデカン酸、12−メチルテトラ
デカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸など。 (30)糖からの酸及びガスの生成の有無:L−アラビノ
ース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノー
ス、D−フラクトース、D−ガラクトース、マルトー
ス、スクロース、ラクトース、トレハロース及びデンプ
ンから酸を生成する。また何れからもガスの生成は認め
られない。
【0010】以上の諸性質をバージーズ・マニュアル・
オブ・デタミネイティブ・バクテリオロジー(Berg
ey′s Manual of Determinat
ive Bacteriology)第9版(1994
年)の記載と対比すると、本菌株は、好気性のグラム陰
性桿菌で、1乃至数本の極鞭毛を有し、発酵性がなく、
種々の糖から酸の生成が見られること、さらにはキノン
タイプがQ−8であることから、シュードモナス(Ps
eudomonas)属に近縁の細菌であることが予想
された。
【0011】そこで菌体の脂肪酸組成を調べたところ、
13−メチルテトラデカン酸と15−メチルヘキサデカ
ン酸の分岐型脂肪酸を主要成分とする組成であることが
分かった。シュードモナス属タイプの細菌で分岐型の脂
肪酸組成を示すものは、ステノトロフォモナス(Ste
notrophomonas)属及びキサントモナス
(Xanthomonas)属の細菌に見られる特徴で
ある〔ジャーナル・オブ・ジェネラル・アンド・アプラ
イド・ミクロバイオロジー(Journal of G
eneral and Applied Microb
iology)第24巻、199−213頁、1978
年、及びインターナショナル・ジャーナル・オブ・シス
テマチック・バクテリオロジー(Internatio
nal Journal of Systematic
Bacteriology)、第46巻、298−3
04頁、1996年、参照〕。
【0012】まず、ステノトロフォモナス属との比較の
ためDNA−DNAハイブリダイゼーションを行った。
ステノトロフォモナス属には、現在ステノトロフォモナ
ス・マルトフィリア(S.maltophilia)と
ステノトロフォモナス・アフリカナ(S.africa
na)の2種が報告されているが、後者は新種として発
表されたばかりであり、タイプストレインが入手できな
いため、ステノトロフォモナス・マルトフィリアとのみ
で相同性を調べた。その結果、本菌はステノトロフォモ
ナス・マルトフィリアとは20%程度の相同性しか示さ
ないことから、明らかにステノトロフォモナス・マルト
フィリアとは異なっており、ステノトロフォモナス属に
属する細菌とは考えられなかった。次にキサントモナス
属との比較は16S リボゾーマルDNA(rDNA)
の塩基配列で行った。その結果、16S rDNA塩基
配列のホモロジー検索から、本菌はキサントモナス属の
細菌と近縁であることが分かり、特にキサントモナス・
カムペストリス(X.campestris)と最もホ
モロジーが高かった。そこで、文献(インターナショナ
ル・ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロ
ジー、第47巻、328−335頁、1997年)に記
載のとおり、代表的なキサントモナス属細菌13株及び
ステノトロフォモナス属細菌2株を用いて近隣結合法
(neighbor−joining method)
による系統解析を行った。その結果、本菌は高いブート
ストラップ値(近隣結合法に基づいて作成した系統樹の
信頼性を示す値)でキサントモナス属細菌とは異なった
系統樹を形成した。次に近縁属であるシュードモナス属
細菌3株及びブルクホルデリア(Burkholder
ia)属細菌1株をさらに含めて同様に系統樹を作成し
たところ、本菌はブートストラップ値が高い値で、ステ
ノトロフォモナス属とキサントモナス属細菌の間に位置
することが分かった。前述のステノトロフォモナス・マ
ルトフィリアは、以前にはキサントモナス属に含められ
ていたが、本菌はそれよりもキサントモナス属に近縁で
あると考えられる。しかし、いずれの系統樹においても
キサントモナス属細菌の集団の外側に位置することか
ら、本菌はキサントモナス属の新種と判断された。以上
のことから、本菌株をキサントモナス・エスピー N
o.81−13(Xanthomonas sp.N
o.81−13)と命名した。そしてこの菌株は、工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−16
369として寄託されている。
【0013】次に、前記のキサントモナス属に属し、コ
レステロール・エステラーゼ生産能を有する菌株を培地
に培養し、その培養物からコレステロール・エステラー
ゼを採取してコレステロール・エステラーゼ(以下、本
酵素という)を製造するには、先ず培養方法としては、
通常の固体培養法でもよいが、液体培養法が好ましい。
そしてその培地としては、炭素源、窒素源、無機物、そ
の他の栄養素を程よく含有するものであれば、合成培地
又は天然培地のいずれでも使用できる。炭素源として
は、同化可能な炭素化合物であればいずれでもよく、例
えばマルトース、グルコース、デンプン加水分解物、グ
リセリン、フラクトース、糖蜜、大豆油、ステアリン酸
コレステリルなどが使用される。また、窒素源として
は、利用可能な窒素化合物であればよく、例えば酵母エ
キス、ペプトン、肉エキス、コーンスチープリカー、大
豆粉、アミノ酸、硫安、硝酸アンモニウムなどが使用さ
れる。その他、食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化マンガン、硫酸第一鉄、リン酸第一カリウム、
リン酸第二カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム
などの種々の塩類、ビタミン類、消泡剤などが使用され
る。そしてこれらの栄養源はそれぞれ単独で用いること
もでき、また組み合わせて用いることもできる。このよ
うにして調製した培地を用いて本酵素を製造するには、
通気撹拌深部培養または振盪培養などにより好気的に培
養し、その際に、培地の初発pHを5〜9程度に調整
し、20〜40℃、好ましくは25〜35℃前後の温度
で10〜50時間、好ましくは15〜25時間培養す
る。こうすることによって、培養物中に本酵素が生成
し、蓄積する。
【0014】次いでこの培養物から本酵素を採取するに
は、通常の酵素採取手段を用いることができる。本酵素
は、主に菌体外に存在する酵素であるため、培養物か
ら、例えばろ過、遠心分離などの操作により菌体を除去
したのち、その菌体除去液からアセトン、アルコールに
よる有機溶媒沈殿法、あるいは硫安、その他塩類による
塩析法などの通常用いられる方法で酵素を得る。さらに
高度に精製された酵素標品を得るには、疎水及びイオン
交換を応用した吸着溶出法及び電気泳動法などを用いる
ことができる。次に本発明の方法によって得られた本酵
素の理化学的性質の一例は、下記のとおりである。
【0015】<キサントモナス・エスピー No.81
−13由来コレステロール・エステラーゼの理化学的性
質> (1)作用:コレステロール・エステルを加水分解して
脂肪酸とコレステロールを生成する。
【0016】(2)基質特異性:本酵素の、種々のコレ
スエロール・エステルに対する活性を後に述べる活性測
定法によって測定し、コレステロール・リノール酸に対
する活性を100としたときの相対活性(%)を求めた
結果の一例を表1に示す。
【0017】
【表1】表1
【0018】表1からわかるように、本酵素は、コレス
テロール・リノール酸、コレステロール・オレイン酸、
コレステロール・パルミチン酸、コレステロール・オク
タン酸及びコレステロール・ステアリン酸に作用し、中
でもコレステロール・オレイン酸に対して最も強く作用
する。また、コレステロール・酢酸にもわずかに作用す
る。
【0019】(3)至適pH及び安定pH範囲:至適p
Hは、200mMリン酸緩衝液を用い、希釈した水酸化
ナトリウム及び塩酸にて各pHに調整し、各pHにおけ
る本酵素の活性測定を行って求めた。その結果は、図1
に示すとおりであり、本酵素の至適pHは6.5付近で
ある。また、安定pH範囲は、50mM酢酸ナトリウム
−酢酸緩衝液(pH4.5〜5.5)、50mMメス−
水酸化ナトリウム緩衝液(pH5.5〜7.0)、50
mMヘペス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH7.0〜
8.0)及び50mMチェス−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH8.0〜10.0)を用い、pH4.5〜10.
0において37℃、60分間それぞれ処理した後、本酵
素の残存活性を測定して求めた。その結果は、図2に示
すとおりであり、本酵素の安定pH範囲は5.5〜8.
5である。なお、図2中に示すマークで、□は50mM
酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液(pH4.5〜5.5)
を、■は50mMメス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH
5.5〜7.0)を、●は50mMヘペス−水酸化ナト
リウム緩衝液(pH7.0〜8.0)を、また○は50
mMチェス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.0〜1
0.0)を、それぞれ用いたときの結果を示している。
【0020】(4)作用適温の範囲:後記する力価の測
定法におけると同一の基質と酵素液を用い、種々の温度
(25℃〜70℃)で反応を行い、本酵素の活性測定を
行った。その結果は、図3に示すとおりであり、本酵素
の作用適温の範囲は45〜50℃である。
【0021】(5)pH、温度などによる失活の条件:
本酵素は、37℃、60分間の処理では、pH5.5〜
8.5で安定であり、50mMのヘペス−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)を用いて、各温度で30分間
処理した場合の本酵素の熱安定性を調べた。その結果
は、図4に示すとおりであり、本酵素は55℃まで安定
であり、65℃で約40%失活する。
【0022】(6)阻害、活性化及び安定化:後記する
力価の測定法における同一の基質・酵素混合液に、表2
に示す種々の金属塩(各々1mMの濃度)を添加して酵
素活性を測定し、各金属塩による影響を調べた結果を表
2に示す。
【0023】
【表2】表2
【0024】表2からわかるように、本酵素は、HgC
2で強く阻害され、またZnSO4とCuSO4で15
〜25%程度阻害されるが、活性化及び安定化に特別に
寄与する金属塩は見当らない。
【0025】(7)分子量:SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法による本酵素の分子量は、約55,0
00である。
【0026】(8)力価の測定方法:コレステロール・
リノール酸を基質として、コレステロール・エステラー
ゼを作用させ、生成するコレステロールをさらにコレス
テロール・オキシダーゼによって酸化し、生成する過酸
化水素をさらに4−アミノアンチピリンとフェノールを
定量的に酸化縮合せしめ、キノン色素を生じさせる。こ
の色素を500nmで測定し、酵素力価を求めた。な
お、酵素反応液の組成及び測定手順は以下のとおりであ
る。また、本発明におけるコレステロール・エステラー
ゼ1単位は、コレステロール・リノール酸を基質とし
て、pH7.0、37℃の条件で1分間に1マイクロモ
ルの遊離コレステロールを生成するに要する酵素量とし
た。
【0027】<反応液の組成> 0.6mM コレステロール・リノール酸溶液(1
%トリトンX−100含有); 1.0ml 86.6mM 4−アミノアンチピリン水溶液;
0.05ml 638mM フェノール水溶液;0.1ml パーオキシダーゼ溶液(150単位/ml、0.1
Mリン酸緩衝液、pH7.0);0.1ml コレステロール・オキシダーゼ溶液(100単位/
ml、0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0);0.1m
l 酵素液;0.1ml 200mMリン酸緩衝液(pH7.0);1.5m
l 反応液量;2.95ml
【0028】<測定手順>前記の、、、、の
反応混液(2.75ml)を試験管に採り、37℃で約
5分間予備加温し、これにを加えてさらに2分間加温
する。次に前記したを添加し、緩やかに混和後、水を
対照に37℃に制御された分光光度計で500nmの吸
光度変化を3〜4分間記録し、その初期直線部分から1
分間あたりの吸光度変化量を求める。
【0029】(9)精製方法:本酵素の単離、精製は常
法に従って行うことができ、例えば硫安塩析法、有機溶
媒沈澱法、イオン交換体などによる吸着処理法、イオン
交換クロマトグラフ法、疎水クロマトグラフ法、ゲルろ
過クロマトグラフ法、吸着クロマトグラフ法、アフィニ
ティークロマトグラフ法、電気泳動法などを単独又は適
宜組合わせて用いられる。
【0030】なお、本発明によって得られるコレステロ
ール・エステラーゼの主要な理化学的性質は前記のとお
りであるが、この酵素が従来知られているコレステロー
ル・エステラーゼとは異なるものであることを、主とし
て至適pH、熱安定性について表3に示して比較する。
比較の対象としては、シュードモナス属として、(1)
特開昭50−157588号公報記載のシュードモナス
・フルオレッセンス KY3955、(2)特公昭58
−30033号公報記載のシュードモナス・ノブ・エス
ピーNo.109、(3)アグリカルチュラル・アンド
・バイオロジカル・ケミストリー(Agricultu
ral and Biological Chemis
try)第40巻、1957−1964頁、1976
年、記載のシュードモナス・フルオレッセンスATCC
21156、及び(4)東洋紡績カタログに記載のシュ
ードモナス・エスピー由来のものを挙げた。また(5)
フザリウム属として、ジャーナル・オブ・バイオケミス
トリー(Journal of Biochemist
ry)第81巻、1209−1215頁、1977年、
に記載のFusarium oxysporum IG
H−2由来のものを、(6)シゾフィラム属として、特
公昭55−34674号公報記載のSchizophy
llum commune IFO4928由来のも
の、(7)カワラタケ属として、特公昭56−5335
5号公報記載のCoriolus versicolo
r K−1213由来のもの及び(8)ストレプトミセ
ス属として、特公昭60−15311号公報記載のSt
reptomyces lavendulae H−6
46−SY2由来のもの、を挙げて各文献に記載のコレ
ステロール・エステラーゼの性質と本酵素のそれとを比
較した。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示すごとく、本発明の方法によるコ
レステロール・エステラーゼは、至適pHが微酸性にあ
り、かつ熱安定性がpH7.0で30分間の処理で55
℃まで安定であり、他の微生物由来のそれとは異なって
いる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 大豆油 0.5%(W/V)、酵母エキス 0.5%
(W/V)、リン酸一カリウム 0.1%(W/V)、
リン酸二カリウム 0.1%(W/V)、硫酸マグネシ
ウム・7水和物 0.01%(W/V)、硫酸第一鉄・
7水和物 0.005%(W/V)及び水道水からなる
培地(pH7.5)20lを30l容ジャーに入れて、
120℃で15分間殺菌した。この培地に、キサントモ
ナス・エスピーNo.81−13(Xanthomon
as.sp.No.81−13)の保存スラント(3
本)から、生理食塩水を用いて調製した菌体懸濁液を接
種し、これを30℃で約24時間、等量通気で撹拌培養
した。培養終了後、培養液20lを遠心分離によって菌
体を除去し、上清を限外ろ過膜を用いて濃縮して2mM
エチレンジアミン四酢酸を含有する10mMのリン酸緩
衝液(pH7.5)(以下緩衝Aという)に対して透析
した。本酵素の精製は、濃縮透析液(約4l)の半分量
の2lに対して、以下に示す操作により行なった。
【0034】ステップ1;(フェニル−セファロースC
L−4B・クロマトグラフィー) 透析液(2l)に5%飽和になるように硫安粉末を添
加、混合した後、フェニル−セファロースCL−4Bの
カラム(8×31cm)に本酵素を吸着させ、緩衝液A
にてカラムを洗浄した。次に、0M〜1.0M尿素と3
5mMコール酸ナトリウムを含有する緩衝液Aの直線濃
度勾配法により本酵素を溶出させ、活性画分を限外濃縮
し、緩衝液Aに対して透析した。 ステップ2;(DEAE−セファセル・クロマトグラフ
ィー) 前記透析液(240ml)を、DEAE−セファセルの
カラム(6×20cm)に吸着させた後、緩衝液Aにて
カラムを洗浄し、次ぎに0M〜2.0M尿素と70mM
コール酸ナトリウムを含有する緩衝液Aの直線濃度勾配
法により溶出させ、活性画分を限外濃縮し、緩衝液Aに
対して透析した。 ステップ3;(セファデックスG−200・クロマトグ
ラフィー) 濃縮液(12ml)の一部(2ml)をセファデックス
G−200のカラム(2.5×95cm)に添加した
後、0.1M塩化カリウムを含有する緩衝液Aを用いて
ゲルろ過を行い、溶出された活性画分80mlを採取し
た。以上のステップ3の精製操作を合計6回繰り返し行
い、全タンパク量9mg、全活性770Uの精製酵素標
品を得た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、熱安定性に優れたコレ
ステロール・エステラーゼを容易に製造することができ
る。そして本酵素は、熱安定性に優れているため実用性
に富み、本酵素を液状試薬としたときなどの保存性がよ
いことから、例えばエステル型コレステロールの定量な
どの際の試薬として有効に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本酵素の至適pHを示すグラフ。
【図2】 本酵素の安定pH範囲を示すグラフ。
【図3】 本酵素の作用適温の範囲を示すグラフ。
【図4】 本酵素の熱安定性を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:64)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キサントモナス属に属し、コレステロー
    ル・エステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養し、
    その培養物からコレステロール・エステラーゼを採取す
    ることを特徴とするコレステロール・エステラーゼの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 コレステロール・エステラーゼ生産能を
    有する菌株が、キサントモナス・エスピー No.81
    −13である請求項1記載のコレステロール・エステラ
    ーゼの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001044451A1 (en) * 1999-12-14 2001-06-21 Kikkoman Corporation Cholesterol esterase genes, recombinant dna and process for producing cholesterol esterase
CN100336478C (zh) * 2003-01-21 2007-09-12 日本烟草产业株式会社 香料涂布检查装置和具备它的香烟制造机

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