JPH1163052A - ウェアインジケータ付ブレーキ素子 - Google Patents

ウェアインジケータ付ブレーキ素子

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JPH1163052A
JPH1163052A JP9218637A JP21863797A JPH1163052A JP H1163052 A JPH1163052 A JP H1163052A JP 9218637 A JP9218637 A JP 9218637A JP 21863797 A JP21863797 A JP 21863797A JP H1163052 A JPH1163052 A JP H1163052A
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brake lining
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Yoshiaki Hayakawa
嘉朗 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品の共用化を図りつつ、摩耗許容限度面X
の位置調節を、面倒な部品加工を要する事なく可能にす
る。 【解決手段】 ウェアインジケータ12bを構成するホ
ルダ13aの挿入部25の中間に段部26を設ける。摩
耗許容限度面Xの位置を裏金5に近く設定する場合に
は、ブレーキライニング3に形成する挿入孔23の内径
を小さくする。そして、上記段部26を上記ブレーキラ
イニング3の内周面に突き当てる。これに対して、上記
摩耗許容限度面Xの位置を上記裏金5から遠くに設定す
る場合には、ブレーキライニング3に形成する挿入孔2
3の内径を大きくする。そして、上記ホルダ13aの主
部24の端縁を上記ブレーキライニング3の内周面に突
き当てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るウェアインジ
ケータ付ブレーキ素子は、ドラムブレーキ用のブレーキ
シューアッセンブリ、或はディスクブレーキ用のパッド
として、自動車の制動に使用するドラムブレーキ、或は
ディスクブレーキに組み込んだ状態で使用する。そし
て、使用に伴なってブレーキライニングが摩耗した場合
に、ブレーキ素子の交換を促す為の警報器に信号を出
す。尚、本明細書でブレーキ素子とは、ブレーキシュー
アッセンブリとパッドとを総称したものを表す。逆に言
えば、本明細書でブレーキシューアッセンブリとは、ド
ラムブレーキ用のブレーキ素子を指し、パッドとは、デ
ィスクブレーキ用のブレーキ素子を指す。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の制動を行なうドラムブレ
ーキには、図15に示す様なブレーキシューアッセンブ
リ1を組み込んでいる。このブレーキシューアッセンブ
リ1は、ブレーキシュー2の外周面にブレーキライニン
グ3を添着固定して成る。このうちのブレーキシュー2
は、鋼板等、十分な剛性を有する金属板により大略三日
月状に形成したウェブ4の外周縁に、やはり必要とする
剛性を有する金属板を円弧状に曲げ形成した裏金5の幅
方向中間部を連結固定して成る。ドラムブレーキは、上
述の様なブレーキシューアッセンブリ1を1対、車輪と
共に回転する有底円筒状のドラム6(後述する図18参
照)の直径方向内側に配置する事により構成する。制動
時には上記1対のブレーキシューアッセンブリ1を、図
示しないホイルシリンダへの圧油の送り込みにより、上
記ドラム6の直径方向外方に変位させて、上記ブレーキ
ライニング3の外周面を上記ドラム6の内周面に押圧
し、これら両周面同士の間に作用する摩擦力に基づき、
制動力を発揮させる。
【0003】上述の様なブレーキシューアッセンブリ1
を構成するブレーキライニング3は、制動の繰り返しに
より次第に摩耗する。従って、或る程度摩耗が進んだ場
合に、新しいブレーキシューアッセンブリ1と交換しな
ければならない。ところが、上記ブレーキライニング3
の厚さを外部から目視して判定する事は不可能である
為、ウェアインジケータと呼ばれるセンサをブレーキシ
ューアッセンブリ1に装着し、上記ブレーキライニング
3が許容限度にまで摩耗した場合に、上記ウェアインジ
ケータからの信号に基づいて運転席に設けた警報器か
ら、ブレーキシューアッセンブリ1の交換を促す旨の指
令を出す様にしている。
【0004】図16は、この様な目的を達する為に考え
られた、実開平5−47562号公報に記載されたウェ
アインジケータ付パッドの1例を示している。パッド7
を構成する裏金5aの端部で、ブレーキライニング3a
の周縁から突出した部分には、上記裏金5aの表裏面を
貫通する状態で取付孔8を形成し、この取付孔8の内側
に金属製の保持筒9を装着している。この保持筒9の中
間部内周面には段部10を、端縁部には略J字形の係止
切り欠き11を、それぞれ形成している。ウェアインジ
ケータ12は、熱溶融性樹脂であるフェノール樹脂等、
上記ブレーキライニング3aよりも摩耗し易い材料製の
ホルダ13中に、検出部である導線14を埋設する事に
より構成している。又、このウェアインジケータ12の
基端部側面には、上記係止切り欠き11内に進入自在
な、係止ピン15を突設している。
【0005】上述の様なウェアインジケータ12を裏金
5aに装着する場合には、先ず、上記取付孔8に装着し
た保持筒9の内側に圧縮ばね16を挿入した後、この保
持筒9内に上記ウェアインジケータ12を、裏金5aの
裏面側から挿入する。そして、このウェアインジケータ
12の外周面に形成された段部17と上記保持筒9の段
部10との間で、上記圧縮ばね16を圧縮しつつ、上記
係止ピン15を係止切り欠き11の奥にまで進入させ
る。図16に示す様に、係止ピン15を係止切り欠き1
1の奥にまで進入させた状態では、上記圧縮ばね16の
弾力により、この係止ピン15が係止切り欠き11から
抜け出る事がなくなって、上記ウェアインジケータ12
が裏金5aに、しっかりと支持される。この様にウェア
インジケータ12を裏金5aに支持した状態で上記導線
14の先端部は、上記ブレーキライニング3aの摩耗許
容限度面Xに位置する。
【0006】制動の繰り返しに伴なって上記ブレーキラ
イニング3aが摩耗し、その厚さ寸法が小さくなると、
先ずホルダ13の先端部がディスク18との摩擦によっ
て摩耗する。そして、更に摩耗が進むと、このホルダ1
3中に埋設された導線14の先端部とディスク18の側
面とが擦れ合って、この導線14が、その先端部で破断
する。導線14が破断した事は、図示しない検出回路に
より検出し、この検出回路が運転席に設けた警報器に信
号を送って、この警報器により前記パッド7の交換を促
す旨の指令を出す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の図16に示した
様な構造も含め、従来から知られているウェアインジケ
ータ付ブレーキ素子は、次の様な点を改良する事が望ま
れている。先ず第一に、摩耗許容限度面の位置、言い換
えれば、ブレーキ素子の交換を促す為の警報を発する状
態でのブレーキライニングの残量を変える場合にも、特
に面倒な加工を施す事なく、部品の共用化を図れる事が
望まれている。これに対して、図16に示した構造で、
部品の共用化を図りつつ上記摩耗許容限度面の位置を変
える為には、裏金5aの片面で保持筒9を装着すべき取
付孔8の周囲部分に凹部を形成したり、或は図17に示
す様にスペーサ41を重ね合わせる事が考えられる。こ
の様な方法により、凹部の深さ分、或はスペーサ41の
厚さ分だけ、上記摩耗許容限度面の位置を変える事がで
きる。但し、この様な方法で上記摩耗許容限度面の位置
を変えても、凹部の形成作業が面倒であったり、或は余
分なスペーサ41を追加する事でコストが嵩む為、部品
共用化によるメリットが相当に失われてしまう。
【0008】又、図16に示した様なウェアインジケー
タ付パッドは、元々ディスクブレーキ用に開発されたも
のである為、ドラムブレーキ用のブレーキシューアッセ
ンブリのブレーキライニングの摩耗検知には不適な構造
である。この理由に就いて、図18により説明する。ブ
レーキシューアッセンブリ1にウェアインジケータ12
aを装着するには、裏金5の一部でウェブ4から外れた
部分に装着する必要がある。一方、ドラムブレーキを組
み立てた状態でブレーキシューアッセンブリ1は、ドラ
ム6とバックプレート19との間に設置される。このう
ちのバックプレート19の一部で裏金5よりも内径側
(図18の左側)に存在し、ウェブ4に対向する部分
は、このウェブ4に向け突出している為、このウェブ4
と上記バックプレート19との間の空間は狭く、上記ウ
ェアインジケータ12aを装着するには不適である。一
方、上記ドラム6を構成する底板部20の一部で上記ウ
ェブ4と対向する部分には、このドラム6にホイールを
固定する為のボルトの頭部21が存在する。この為、上
記ウェアインジケータ12aの裏金5の内周面からの突
出量が大きくなると、このウェアインジケータ12aと
上記頭部21とが干渉して、ドラムブレーキとして成り
立たなくなる。図16に示した構造の場合には、上記突
出量を小さく抑える事ができず、従ってドラムブレーキ
用のブレーキシューアッセンブリのブレーキライニング
の摩耗検知には不適である。
【0009】ウェアインジケータ付ブレーキパッドとし
ては、図16に示した様な構造の他にも、実公昭58−
42665号公報、実公平8−1307号公報に記載さ
れたものが知られている。但し、これら各公報に記載さ
れたウェアインジケータ付ブレーキパッドも部品の共通
化を図りつつ前記摩耗許容限度面を変える事に就いての
考慮はなされていない。又、ブレーキパッドからウェア
インジケータを取り外す作業が困難で、点検・整備等の
為、ブレーキパッドとウェアインジケータとを分離する
必要が生じた場合にも、これに対応する事が困難であ
る。
【0010】本発明はこの様な事情に鑑みて、特に面倒
な加工を施す事なく、摩耗許容限度面の位置を変える場
合にも部品の共用化を図れる様にし、更に必要に応じ
て、裏金からの突出量を少なく抑える事ができ、しかも
ウェアインジケータの分離を容易に行なえるウェアイン
ジケータ付ブレーキ素子を提供すべく発明したものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のウェアインジケ
ータ付ブレーキ素子は、従来から知られているウェアイ
ンジケータ付ブレーキ素子と同様に、裏金と、この裏金
の表面に添着されたブレーキライニングと、上記裏金の
表裏面を貫通する状態で形成された取付孔と、上記ブレ
ーキライニングよりも摩耗し易い材料製のホルダ中に検
出部を埋設して成るウェアインジケータとを備える。そ
して、このウェアインジケータを、上記取付孔に挿通す
ると共に、上記検出部の先端部を上記ブレーキライニン
グの摩耗許容限度面に位置させた状態で上記裏金に支持
している。
【0012】特に、本発明のウェアインジケータ付ブレ
ーキ素子に於いては、上記ホルダの先半部の外径を、先
端寄り部分で細く基端寄り部分で太くすると共に、上記
ブレーキライニングの一部で上記取付孔に整合する部分
に、この取付孔と同心の挿入孔を形成している。そし
て、この挿入孔の内径を上記ホルダの先半部の外径との
関連で上記摩耗許容限度面の位置に合わせて調整する事
により、上記ホルダを上記裏金の裏面側から上記取付孔
及び挿入孔に挿入し、このホルダの先半部の一部を上記
挿入孔の開口周縁部に当接させた状態で、上記検出部の
先端部を、所望とする上記ブレーキライニングの摩耗許
容限度面に位置させる。
【0013】更に、必要に応じて、上記取付孔の内側に
円筒状の保持筒を固定する。そして、この保持筒の内周
面に、この内周面からの突出量を増大させる方向の弾力
を有し、自由状態でブレーキライニングの側に向かう程
上記突出量が大きくなる方向に傾斜した爪片を設ける。
又、上記ホルダの中間部に、直径方向外方に突出する突
き当て部を設け、上記ホルダの基端部に、インナースリ
ーブを外嵌する。このインナースリーブは、直径を弾性
的に拡縮自在な筒状で、基端部に直径方向外方に突出す
る係止部を有する。更に、上記インナースリーブに、直
径を弾性的に拡縮自在で外周面を上記爪片の先端部と係
合自在としたアウタースリーブを外嵌する。そして、上
記インナースリーブにより上記ホルダの基端部を抱持
し、上記アウタースリーブにより上記インナースリーブ
を抱持し、上記アウタースリーブを上記突き当て部と係
止部との間で軸方向両側から挟持し、上記アウタースリ
ーブの外周面と上記爪片との係合に基づいて上記アウタ
ースリーブが上記保持筒から抜け出るのを防止する事に
より、上記ホルダを裏金に対して支持固定する。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明のウェアインジケー
タ付ブレーキ素子により制動を行なう際の作用、並びに
ブレーキライニングが許容限度まで摩耗した場合に警報
を出す場合の作用は、前述した従来のウェアインジケー
タ付ブレーキ素子と同様である。
【0015】特に、本発明のウェアインジケータ付ブレ
ーキ素子の場合、ブレーキライニングに形成する挿入孔
の内径を変えるのみで、特に構成各部材に特別な加工を
施したり、別部材を付加する事なく、上記ブレーキライ
ニングの摩耗許容限度面の位置を調節できる。従って、
摩耗許容限度面の位置が異なる複数種類のウェアインジ
ケータ付ブレーキ素子の製造コストの低減を有効に図れ
る。
【0016】更に、好ましい構造を採用する事により、
ウェアインジケータの裏金からの突出量を小さく抑え、
しかもこのウェアインジケータを上記裏金から取り外す
作業を容易に行なえる様にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜13は、本発明の実施の形
態の第1例を示している。ブレーキシューアッセンブリ
1は、ウェブ4と共にブレーキシュー2を構成する裏金
5の外周面に、ブレーキライニング3をリベット22に
より添着固定して成る。上記裏金5の一部には取付孔8
aを、この裏金5の表裏面(内外両周面)を貫通する状
態で形成している。又、上記ブレーキライニング3の一
部で上記取付孔8aに整合する部分に、挿入孔23を形
成している。この挿入孔23は、上記取付孔8aと同心
で、この取付孔8aよりも小径である。そして、これら
取付孔8a及び挿入孔23の内側部分に、図1、2、
3、6、7に示す様なウェアインジケータ12bを装着
している。このウェアインジケータ12bの基本構造
は、前述の図16に示した従来構造に使用するウェアイ
ンジケータ12と同様である。即ち、このウェアインジ
ケータ12bは、上記ブレーキライニング3よりも摩耗
し易い材料、好ましくは合成樹脂により造ったホルダ1
3a中に、導線14(図16参照)等の検出部を埋設し
て成る。本例のウェアインジケータ付ブレーキ素子は、
上記ウェアインジケータ12bのホルダ13aを、上記
取付孔8aに挿通すると共に、このホルダ13aの先端
(図1〜3、6、11〜13の上端)寄り部分を上記挿
入孔23内に挿入し、上記検出部の先端部を上記ブレー
キライニング3の摩耗許容限度面Xに位置させた状態
で、上記裏金5に支持している。
【0018】上記ホルダ13aの先半部(図1〜3、
6、11〜13の上半部)の外径は、先端寄り部分で細
く、基端寄り部分で太くしている。即ち、上記ホルダ1
3aは、基半部(図1〜3、6、11〜13の下半部)
を構成する比較的大径の主部24と、先半部を構成する
比較的小径の挿入部25とを備える。上記検出部を構成
する導線14は、この挿入部25内に埋設している。本
例の場合には、この挿入部25の外径を、先端寄り部分
で細く、基端寄り部分で太くしている。この為に本例の
場合には、上記挿入部25の中間部に段部26を形成
し、この段部26よりも先端寄り部分の外径を細く、こ
の段部26よりも上記主部24寄り部分の外径を太くし
ている。
【0019】一方、上記ブレーキライニング3に形成し
た挿入孔23の内径は、所望とする上記摩耗許容限度面
Xの位置に応じて、上記ホルダ13aの挿入部25の外
径との関連で調整している。即ち、上記摩耗許容限度面
Xを裏金5の外周面に近い位置に設置する(ブレーキラ
イニング3の摩耗許容極限厚さを小さくする)場合に
は、図1、3に示す様に、上記挿入孔23を比較的小径
にする。より具体的にはこの挿入孔23の内径を、上記
挿入部25の先端寄り部分の外径よりも大きく、基端寄
り部分の外径よりも小さくする。この状態で上記ホルダ
13aを上記裏金5の内周面側から上記取付孔8a及び
挿入孔23に挿入すれば、上記ホルダ13aの先半部を
構成する挿入部25の中間部に形成した段部26が、上
記挿入孔23の開口周縁部に突き当たる。この状態で、
上記裏金5の外周面から上記摩耗許容限度面Xまでの距
離(ブレーキライニング3の摩耗許容極限厚さ)L1
は、前記主部24の端面から上記摩耗許容限度面Xまで
の距離L0 よりも、この端面から上記段部26までの距
離△L分だけ小さくなる(L1 =L0 −△L)。尚、こ
の様に上記裏金5の外周面から上記摩耗許容限度面Xま
での距離L1 を小さくした状態でも、この摩耗許容限度
面Xが前記リベット22の頭部よりも上記ブレーキライ
ニング3の外周面寄り(図1〜3、11〜13の上寄
り)に存在する事は勿論である。
【0020】これに対して、上記摩耗許容限度面Xを裏
金5の外周面から比較的離れた位置に設置する(ブレー
キライニング3の摩耗許容極限厚さを大きくする)場合
には、図2に示す様に、上記挿入孔23を比較的大径に
する。より具体的にはこの挿入孔23の内径を、上記挿
入部25の基端寄り部分の外径よりも大きく、上記主部
24の外径よりも小さくする。この状態で上記ホルダ1
3aを上記裏金5の内周面側から上記取付孔8a及び挿
入孔23に挿入すれば、上記主部24の端面が、上記挿
入孔23の開口周縁部に突き当たる。この状態で、上記
裏金5の外周面から上記摩耗許容限度面Xまでの距離L
2 は、上記主部24の端面から上記摩耗許容限度面Xま
での距離L0 と等しくなる(L2 =L0 )。
【0021】上述の様にしてウェアインジケータ12b
を装着したブレーキシューアッセンブリ1を組み込んだ
ドラムブレーキにより繰り返し制動を行なった結果、上
記ブレーキライニング3が許容限度まで摩耗すると、前
記検出部を構成する導線14が破断し、警報を発する。
この様にして警報を出す際の作用は、前述した従来のウ
ェアインジケータ付ブレーキ素子と同様である。特に、
本例の場合には、上記ブレーキライニング3の摩耗許容
限度面Xの位置を調節する作業を、このブレーキライニ
ング3に形成する挿入孔23の内径を変えるのみで、特
に構成各部材に特別な加工を施す事なく行なえる。従っ
て、上記摩耗許容限度面Xの位置が異なる複数種類のウ
ェアインジケータ付ブレーキシューアッセンブリの製造
コストの低減を有効に図れる。
【0022】これに対して、前述の図16に示した従来
構造により、上記ブレーキライニング3の摩耗許容限度
面Xの位置を調節する為には、図17に示す様に、裏金
5の裏面の一部で取付孔8bの開口周囲部分に形成する
環状凹部27の深さを変える必要がある。この様な環状
凹部27を形成する作業は面倒であり、上記摩耗許容限
度面Xの位置を適正にする為、上記環状凹部27の深さ
を規制する事は、ウェアインジケータ付ブレーキシュー
アッセンブリの製造コストを増大させる原因となる。従
って、図17に示した様な構造では、部品の共用化に基
づくコスト削減効果が半減する。
【0023】次に、上述の様にして摩耗許容限度面Xの
位置を容易に調整できる構造に適用して、裏金5の内周
面からの突出量を小さく抑えつつ、この裏金5に対する
前記ウェアインジケータ12bの着脱作業を容易に行な
える構造に就いて説明する。上記裏金5にウェアインジ
ケータ12bを取り付けるべく、前記取付孔8aの内側
に、ステンレス鋼板等、弾性及び耐食性を有する金属板
により円筒状に形成した、保持筒28を固定している。
図示の例では、この保持筒28を上記取付孔8aにがた
つきなく内嵌自在とすると共に、この保持筒28の先端
部(図1〜3、5、11〜13の上端部)から直径方向
外方に折れ曲がった複数(図示の例では4個)の鍔部2
9、29を形成している。そして、これら各鍔部29、
29を、上記裏金5の外周面と前記ブレーキライニング
3の内周面との間で挟持している。尚、図示の例では、
これら両周面同士を密接させるべく、これら両周面と上
記各鍔部29、29との干渉を防止する為の凹部30
を、上記裏金5の外周面側に設けている。但し、この様
な凹部30は、上記ブレーキライニング3の内周面側に
設けても良い。上記凹部30をブレーキライニング3側
に設ければ、このブレーキライニング3の形成時に上記
凹部30を同時に形成できて、コスト低減を図れる。
又、上記保持筒28の外周面複数個所に形成した弾性片
40の先端を、上記取付孔8aの内周面に弾性的に突き
当てている。
【0024】又、上記保持筒28の内周面には、複数個
(例えば2〜4個)の爪片31、31を、円周方向等間
隔に突出形成している。これら各爪片31、31は、上
記保持筒28を構成する弾性金属板の一部に形成した、
この保持筒28の先端側(図1〜3、5、11〜13の
上端側)が開口した長コ字形の切れ目の内側を、上記保
持筒28の内周面側に少し折り曲げる事により形成して
いる。この様に構成する上記各爪片31、31は、上記
保持筒28の内周面からの突出量を増大させる方向(上
記保持筒28の直径方向内方に向かう方向)の弾力を有
し、自由状態でブレーキライニング3の側に向かう程
(図1〜3、5、11〜13の上方に向かう程)上記突
出量が大きくなる方向に傾斜している。
【0025】一方、前記ホルダ13aの軸方向(図1〜
3、6、11〜13の上下方向)中間部には、直径方向
外方に突出する突き当て部として機能する、第二の段部
32を形成している。即ち、前記主部24のうち、前記
挿入部25寄り部分の外径をこの挿入部25から離れた
部分の外径よりも大きくして、これら両部分同士の連結
部に、上記第二の段部32を形成している。
【0026】そして、上述の様なホルダ13aの一部
で、上記第二の段部32よりも基端側(図1〜3、6、
11〜13の下端側)部分には、インナースリーブ33
を外嵌している。このインナースリーブ33は、ステン
レス鋼板等、弾性及び耐食性を有する金属板により欠円
筒状に形成して、直径を弾性的に拡縮自在である。又、
このインナースリーブ33の基端縁部の直径方向反対側
2個所位置には、それぞれ直径方向外方に突出する係止
部34、34を設けている。
【0027】更に、上記インナースリーブ33には、や
はりステンレス鋼板等、弾性及び耐食性を有する金属板
により欠円筒状に形成して、直径を弾性的に拡縮自在と
した、アウタースリーブ35を外嵌している。このアウ
タースリーブ35の軸方向寸法は、上記インナースリー
ブ33の軸方向寸法よりも大きい。又、上記アウタース
リーブ35の内外両周面には、それぞれローレット加工
等により、軸方向に亙る凹凸を形成している。従って、
上記アウタースリーブ35の内外両周面のうち、内周面
は上記インナースリーブ33の外周面と摩擦係合し、外
周面は前記各爪片31、31の先端縁と係合する。又、
上記アウタースリーブ35は、自由状態で直径を縮める
方向の弾力を有する。
【0028】上述の様な構成各部材を使用して、前記ウ
ェアインジケータ12bを前記裏金5に取り付け固定す
る作業は、次の様にして行なう。前記保持筒28は、ブ
レーキシューアッセンブリ1の製造時に、上記裏金5に
固定しておく。取り付け固定作業の第一行程では、先
ず、上記ウェアインジケータ12bを構成するホルダ1
3aを上記保持筒28内に、前記挿入部25を先にして
挿入する。尚、この挿入作業を行なえる様にすべく、前
記主部24の一部で前記爪片31、31に整合する部分
には、これら各爪片31、31を通過自在な切り欠き3
6、36を、上記ホルダ13aの軸方向に亙って形成し
ている。
【0029】上述の様にして上記保持筒28内に上記ホ
ルダ13aを挿入したならば、これら保持筒28の内周
面とホルダ13aの外周面との間の円筒状空間37内
に、前記インナースリーブ33と上記アウタースリーブ
35とを押し込む。この押し込み作業に先立って、上記
インナースリーブ33に上記アウタースリーブ35を外
嵌しておき、これら両スリーブ33、35を上記円筒状
空間37内に、同時に押し込む。尚、上記インナースリ
ーブ33に上記アウタースリーブ35を外嵌する際に
は、このアウタースリーブ35の直径を弾性的に広げ
る。又、上記押し込み作業は、上記アウタースリーブ3
5の先端縁が前記第二の段部32に突き当たり、前記各
係止部34、34が上記アウタースリーブ35の基端縁
に突き当たるまで行なう。この状態にまで上記押し込み
作業を行なうと、上記インナースリーブ33が上記ホル
ダ13aの基端部を抱持し、上記アウタースリーブ35
が上記インナースリーブ33を抱持する。そして、上記
アウタースリーブ35を上記第二の段部32と上記各係
止部34、34との間で軸方向両側から挟持して、上記
アウタースリーブ35が上記ホルダ13aに対して軸方
向にずれ動く事を防止する。更に、上記アウタースリー
ブ35の外周面と上記各爪片31、31との係合に基づ
いて、上記アウタースリーブ35が上記保持筒28から
抜け出るのを防止する。又、上記インナースリーブ33
は、内外両周面と上記ホルダ13aの外周面及びアウタ
ースリーブ35の内周面との間に作用する摩擦力によ
り、しっかりと支持される。この結果、上記ホルダ13
aを上記裏金5に対してしっかりと支持固定できる。
尚、上記各周面同士の間に作用する摩擦力に基づく静止
力は、ブレーキライニング3が摩耗した状態での制動時
に、ブレーキドラムの内周面から上記ホルダ13aに加
わるスラスト荷重よりも、十分に大きい。
【0030】上述の様にして裏金5に対してホルダ13
aを支持固定する構造によれば、この裏金5の内周面か
らウェアインジケータ12bの基端部(図1〜3、6、
11〜13の下端部)並びにこのウェアインジケータ1
2bを支持固定する部材が突出する量を小さく抑える事
ができる。即ち、上述の説明から明らかな様に、上記裏
金5に固定した保持筒28の内側に上記ホルダ13aを
固定する為の部材は、この保持筒28内に押し込むの
で、支持固定作業の完了時点でこれら各部材は、上記保
持筒28から少ししか突出しない。従って、上述の様
に、裏金5の内周面からウェアインジケータ12b並び
にこのウェアインジケータ12bを支持固定する為の部
材が突出する量を小さく抑える事ができる。これに対し
て、前述の図16に示した従来構造により、上記裏金5
にウェアインジケータ12のホルダ13を装着すると、
図17に示す様に、裏金5の内周面からのウェアインジ
ケータ12の基端部の突出量が大きくなる。
【0031】更に、上述の様な、本発明に係る裏金5に
対してホルダ13aを支持固定する構造によれば、上記
ウェアインジケータ12bを上記裏金5から取り外す作
業を容易に行なえる。尚、この様にウェアインジケータ
12bを上記裏金5から取り外す作業は、図11〜13
に示す様にして行なう。先ず、図11〜12に示す様に
前記インナースリーブ33を、前記各係止部34、34
を手掛かりとして、前記円筒状空間37から図11の矢
印α方向に引き抜く。上記インナースリーブ33の内外
両周面には特に凹凸等の係止部は形成していない為、上
記各係止部34、34に引き抜き方向の強い力を加える
事により、比較的容易に引き抜ける。
【0032】上記インナースリーブ33を上記円筒状空
間37から引き抜くと、前記アウタースリーブ35の直
径が弾性的に縮まり、このアウタースリーブ35の外周
面に形成した凹凸と、前記各爪片31、31の先端縁と
の係合が外れる。そこで、前記ホルダ13aに形成した
切り欠き36、36と上記各爪片31、31とを整合さ
せた状態で上記ホルダ13aを前記保持筒28から引き
抜けば、上記ウェアインジケータ12bを上記裏金5か
ら分離できる。尚、上記各切り欠き36、36と上記各
爪片31、31とを整合させつつ上記ホルダ13aを上
記保持筒28から引き抜く作業は、上記ウェアインジケ
ータ12bから導出したハーネス38を操作する事によ
り、容易に行なえる。
【0033】次に、図14は、本発明の実施の形態の第
2例を示している。本例の場合には、ウェアインジケー
タ12cを構成するホルダ13bの先半部外周面を、円
すい凸面状で先端部に向かう程外径が細くなる傾斜面3
9としている。本例の場合には、ブレーキライニング3
に形成する挿入孔23の内径を変え、上記傾斜面39の
うちでこの挿入孔23の開口周縁部に当接する位置を変
える事により、摩耗許容限度面Xの位置を無段階に調整
できる。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場
合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略す
る。
【0034】尚、上述の実施の形態は何れも、本発明を
ドラムブレーキ用のブレーキシューアッセンブリに適用
した場合に就いて説明した。前述の説明の通り、本発明
は、ドラムブレーキ用のブレーキシューアッセンブリに
適用した場合に、限られた空間にウェアインジケータを
設置可能になると言った効果を十分に得られる。但し、
本発明は、上述の様なドラムブレーキ用のブレーキシュ
ーアッセンブリに限らず、ディスクブレーキ用のパッド
にも適用できる。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、ウェアインジケータ付ブレーキ素子のコスト
低減と、必要とすればウェアインジケータ装着部分の小
型化により、ウェアインジケータ付ブレーキ素子を組み
込んだブレーキの設計の自由度向上とを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例の実施状態の1例
を表した、図15の拡大A−A断面に相当する図。
【図2】本発明の実施の形態の第1例の実施状態の別例
を表した、図1と同様の図。
【図3】図1のB部拡大図。
【図4】保持筒を図1〜3の上方から見た図。
【図5】図3のC部拡大図。
【図6】ウェアインジケータのみを取り出して図1〜3
と同方向から見た図。
【図7】図6の上方から見た図。
【図8】インナースリーブを図1〜3の上方から見た
図。
【図9】アウタースリーブを図1〜3の上方から見た
図。
【図10】図9のD−D断面図。
【図11】ブレーキシューアッセンブリからウェアイン
ジケータを取り外す作業の第一行程を示す断面図。
【図12】同第二行程を示す断面図。
【図13】同第三行程を示す断面図。
【図14】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面
図。
【図15】ブレーキシューアッセンブリの略側面図。
【図16】従来構造の1例を示す要部断面図。
【図17】図16に示した従来構造を、スペーサにより
摩耗許容限度面の位置を調整して取り付けた状態を示
す、図1〜2と同様の図。
【図18】ブレーキシューアッセンブリにウェアインジ
ケータを装着する状態を、図15のA−A線方向で切断
した状態で示す図。
【符号の説明】
1 ブレーキシューアッセンブリ 2 ブレーキシュー 3、3a ブレーキライニング 4 ウェブ 5、5a 裏金 6 ドラム 7 パッド 8、8a、8b 取付孔 9 保持筒 10 段部 11 係止切り欠き 12、12a、12b、12c ウェアインジケータ 13、13a、13b ホルダ 14 導線 15 係止ピン 16 圧縮ばね 17 段部 18 ディスク 19 バックプレート 20 底板部 21 頭部 22 リベット 23 挿入孔 24 主部 25 挿入部 26 段部 27 環状凹部 28 保持筒 29 鍔部 30 凹部 31 爪片 32 第二の段部 33 インナースリーブ 34 係止部 35 アウタースリーブ 36 切り欠き 37 円筒状空間 38 ハーネス 39 傾斜面 40 弾性片 41 スペーサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏金と、この裏金の表面に添着されたブ
    レーキライニングと、上記裏金の表裏面を貫通する状態
    で形成された取付孔と、上記ブレーキライニングよりも
    摩耗し易い材料製のホルダ中に検出部を埋設して成るウ
    ェアインジケータとを備え、このウェアインジケータ
    を、上記取付孔に挿通すると共に、上記検出部の先端部
    を上記ブレーキライニングの摩耗許容限度面に位置させ
    た状態で上記裏金に支持した、ウェアインジケータ付ブ
    レーキ素子に於いて、上記ホルダの先半部の外径を、先
    端寄り部分で細く基端寄り部分で太くすると共に、上記
    ブレーキライニングの一部で上記取付孔に整合する部分
    に、この取付孔と同心の挿入孔を形成し、この挿入孔の
    内径を上記ホルダの先半部の外径との関連で上記摩耗許
    容限度面の位置に合わせて調整する事により、上記ホル
    ダを上記裏金の裏面側から上記取付孔及び挿入孔に挿入
    し、このホルダの先半部の一部を上記挿入孔の開口周縁
    部に当接させた状態で、上記検出部の先端部を、所望と
    する上記ブレーキライニングの摩耗許容限度面に位置さ
    せる事を特徴とするウェアインジケータ付ブレーキ素
    子。
  2. 【請求項2】 取付孔の内側に筒状の保持筒が固定され
    ており、この保持筒の内周面に、この内周面からの突出
    量を増大させる方向の弾力を有し、自由状態でブレーキ
    ライニングの側に向かう程上記突出量が大きくなる方向
    に傾斜した爪片が設けられており、ホルダの中間部に直
    径方向外方に突出する突き当て部が設けられており、上
    記ホルダの基端部に、直径を弾性的に拡縮自在な筒状で
    基端部に直径方向外方に突出する係止部を有する、イン
    ナースリーブが外嵌されており、このインナースリーブ
    に、直径を弾性的に拡縮自在で外周面を上記爪片の先端
    部と係合自在としたアウタースリーブが外嵌されてお
    り、上記インナースリーブにより上記ホルダの基端部を
    抱持し、上記アウタースリーブにより上記インナースリ
    ーブを抱持し、上記アウタースリーブを上記突き当て部
    と係止部との間で軸方向両側から挟持し、上記アウター
    スリーブの外周面と上記爪片との係合に基づいて上記ア
    ウタースリーブが上記保持筒から抜け出るのを防止する
    事により、上記ホルダを裏金に対して支持固定した、請
    求項1に記載したウェアインジケータ付ブレーキ素子。
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