JPH1198971A - 抗う蝕性剤及びそれを含有する飲食物 - Google Patents

抗う蝕性剤及びそれを含有する飲食物

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JPH1198971A
JPH1198971A JP9279567A JP27956797A JPH1198971A JP H1198971 A JPH1198971 A JP H1198971A JP 9279567 A JP9279567 A JP 9279567A JP 27956797 A JP27956797 A JP 27956797A JP H1198971 A JPH1198971 A JP H1198971A
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caries
bagasse
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Osamu Ozawa
修 小澤
Yoshihiro Kojima
芳弘 小島
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NISSHIN SUGAR Manufacturing CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農産廃棄物であるバガスを利用して得られる
抗う蝕性剤及びそれを含有する飲食物を提供する。 【解決手段】 バガスから弱アルカリ性下(0.05〜2.0N
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム溶液)で抽出され
る画分で、口腔内連鎖球菌によるシュークロースからの
グルカン生成を抑制する抗う蝕性剤及びそれを含有する
飲食物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗う蝕性剤、特に
食品分野に応用でき、バガスからアルカリ抽出によって
得られる抗う蝕性剤及びそれを含有する飲食物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】う蝕は、口腔内連鎖球菌であるストレプ
トコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)の不
溶性グルカン生成酵素であるグルコシルトランスフェラ
ーゼの作用により、シュークロースから付着性不溶性グ
ルカンが生じ、それが歯面に付着してプラークを形成す
ることによって発生する。プラーク内では、ストレプト
コッカス・ミュータンスや種々の乳酸菌が増殖し、シュ
ークロースのみならず、種々の炭素源から乳酸を生成す
る。プラークにより唾液中への拡散を抑えられた乳酸
は、局部的に濃縮されエナメル質を脱灰してう蝕を引き
起こす。このように、う蝕の発生には、口腔内連鎖球菌
であるストレプトコッカス・ミュータンス、シュークロ
ースのようなプラーク生成の原料となる成分である、い
わゆるう蝕原性成分、さらに活動の場である歯の三要素
が関与する。従って、これらの要素の一つでも取り除け
ばう蝕を予防でき、従来から種々の手段が講じられてい
る。例えば、歯磨きをはじめ、抗生物質の使用によるス
トレプトコッカス・ミュータンスの排除や歯質(エナメ
ル質)の強化など歯科領域の手段で行われている。しか
し、日常の食生活で直接、う蝕の予防を行うことはなか
なか困難であり、又、今日の食生活でシュークロースの
摂取をなくすことは不可能である。
【0003】そこで、プラーク形成の原因となるシュー
クロースに代わり、ストレプトコッカス・ミュータンス
に資化されず、酵素作用の基質とならない、つまり付着
性不溶性グルカンを生成しない代用糖、すなわち、低う
蝕性甘味料が開発され、その使用が試みられているが、
その甘味、味質はシュークロースに及ばず、更にコスト
が高くつく等の欠点がある。
【0004】又、低う蝕性甘味料とは異なり、シューク
ロースに配合することにより、シュークロースからのプ
ラーク形成を阻止する抗う蝕性剤も開発されている。例
えば、主成分をポリフェノールとする緑茶抽出物(特開
平3-77817号公報)、烏龍茶抽出物(特開平4-178320号公
報)が、それぞれ不溶性グルカンの生成を抑制すること
が開示されている。しかし、これらお茶抽出物には色、
味質、コストの面で問題があり、その使用に制限があ
る。
【0005】又、天然素材からアルカリ抽出される抗う
蝕性剤としては、例えば、特開平6-279250号に穀物由来
のヘミセルロースB画分を有効成分とする抗う蝕性剤が
開示されている。そして、ヘミセルロースB画分の製造
方法は1975年に、サウスゲート・ディ・エィ・ティによ
って報告されている("The Chemistry of Dietary Fibe
r" in "Fiber in Human Nutrition", Spiller, G. A.
及びAmen, R.J. 編、31ページ、Plenum Press, New York
(1996))。ヘミセルロースB画分は、米糠や、穀類の糠、
ふすま、外皮等から、脂質、でんぷん質、蛋白質、無機
質等を除去した残渣より、アルカリ側で抽出されるアラ
ビノキシランを主体とした水溶性画分である。よって、
このヘミセルロースB画分は、本発明のようにバガスに
直接アルカリ処理することにより抽出される成分とは明
らかに異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、本
来、利用価値の少ない農産廃棄物であるバガスから安価
で容易に有効な抗う蝕性剤を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、農産廃棄
物であるバガスに抗う蝕作用が有るか否かについて、種
々の抽出溶剤を用い、抽出物について検討した。その結
果、バガスからアルカリ剤を使って抽出することによ
り、その抽出成分に有効な抗う蝕作用が得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】本発明で用いるバガスは、甘蔗からの原料
糖生産時に副生される甘蔗バガスを用いることができ
る。
【0010】バガスからの抗う蝕性成分のアルカリ抽出
において用いるアルカリ剤は、アルカリ溶液を用いるこ
とができ、例えば、水酸化ナトリウムと水酸化カリウム
水溶液を用いることができる。そのアルカリ溶液の濃度
は0.05〜2.0Nが好ましい。アルカリ溶液の量は、バガス
固形分1重量部に対して1〜50重量部を用いることができ
る。
【0011】抽出時の温度条件は室温から100℃を用い
ることができるが、30〜70℃が好ましい。抽出時間は1
〜48時間の範囲が好ましい。この時適宜撹拌することも
有効である。抽出終了後は遠心分離や濾過の操作により
有効成分を含む抽出液と、残渣に分離することができ
る。抽出液は、中和、脱塩操作を経た後、濃縮を行い、
又、公知の賦形剤を添加することにより液状、ペースト
状、粉状又は粒状の抗う蝕性剤にすることができる。
【0012】以下の比較例1に示すように、バガスから
のヘミセルロースB画分には抗う蝕効果は見られない。
従って、本発明のバガスからアルカリ抽出によって得ら
れる抗う蝕性剤は、ヘミセルロースB画分とは異なる物
質である。
【0013】本発明で得られる抗う蝕性剤は、う蝕原性
成分であるシュークロースを原料の一部とする食品、例
えば各種飲料、菓子類等に使用し、飲食物とすることが
できる。本発明の抗う蝕性剤のう蝕防止効果を発揮する
添加量は、う蝕原性成分(例えばシュークロース)100重
量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜10重量部
である。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。実施例1 抗う蝕性成分の抽出、酵素の調製、抗う蝕作
用の測定 (1) バガスからの抗う蝕性成分の抽出 沖縄産乾燥バガス10gを三角フラスコに取り、0〜1.0N水
酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液200mlを加
え、30〜70℃で200rpmで回転振とうして6〜24時間抽出
した。吸引濾過して残渣を除き、濾液を塩酸で中和し
た。遠心分離して不溶物を除き、抽出液を得た。
【0015】(2) 不溶性グルカン生成酵素の調製Streptococcus sobrinus 6715株(血清型g)をブレイン・
ハート・インフュージョン(BHI)培地10mlで培養した
後、同培地1リットルに接種し、37℃で18時間窒素ガス
置換培養した。得られた培養液を遠心分離(7,500rpm、2
0分)し、培養上清を得た。この上清に50%飽和硫酸アン
モニウムを添加し沈降させた。これを遠心分離して回収
し、25mlの50mMリン酸緩衝液(pH 6.8)に溶解しセルロー
ス透析膜(分画分子量10,000)に入れ、2リットルの同緩
衝液(数回交換)に対して24時間透析した。これを遠心分
離して不溶物を除いたものを不溶性グルカン生成酵素と
した。
【0016】(3) 抗う蝕作用の測定 抗う蝕作用の測定方法として、不溶性グルカンの生成阻
害効果を測定した。即ち、1%(w/v)シュークロース、0.0
5%(w/v)アジ化ナトリウム、0.1%(w/v)デキストランT-10
(ファルマシア)、各バガス抽出物及び不溶性グルカン生
成酵素を含有した2.0mlの50mMリン酸緩衝液(pH 6.8)
を、37℃で18時間インキュベートした。反応後、よくミ
キサーで撹拌し波長550nmの濁度を測定した。使用する
酵素量は、抽出物無添加時の濁度が1.0に最も近い反応
系の酵素量とした。通常、5倍希釈した酵素液0.1mlを使
用した。使用したバガス抽出物には、各抽出液0.2ml(反
応液量の1/10量)を使用した。尚、阻害効果測定におい
て、抽出物中に含まれる塩の影響がないことをあらかじ
め確認しておいた。阻害効果は、無添加時の濁度をコン
トロールとし、バガス抽出物添加時の濁度の減少を%阻
害率で表した。
【0017】(4) 結果 アルカリ剤の種類と濃度の影響 結果を図1に示す。水酸化カリウム及び水酸化ナトリウ
ムで24時間抽出した両画分とも不溶性グルカンの生成阻
害効果が見られた。この内、水酸化ナトリウム0.1Nの濃
度の時、最も高い阻害効果を示した(阻害率51%)。
【0018】 抽出温度の影響 水酸化ナトリウムの場合の結果を図2に示す。30℃、50
℃及び70℃とも阻害効果が見られ、その内、30℃の時に
最も高い阻害効果を示した。
【0019】 抽出時間の影響 水酸化ナトリウムの場合の結果を図3に示す。6時間から
24時間の抽出で阻害効果が見られ、その内、水酸化ナト
リウム濃度0.2Nで6時間抽出の時、最も高い阻害効果を
示した(阻害率60%)。
【0020】実施例2 抽出物の濃度と阻害効果の関係 (1) バガスからの抗う蝕性成分の抽出 実験例1で使用したと同じバガス100gに0.1N水酸化ナト
リウム溶液2リットルを加え、30℃で24時間、撹拌して
抽出した。吸引濾過して残渣を除き、濾液を塩酸で中和
した。遠心分離して不溶物を除き、上清をセルロース透
析膜(分画分子量8,000)に入れ水道水20リットル(数回交
換)に対して一晩透析した後、脱塩水20リットルに対し
て透析することにより脱塩した。これを遠心分離後、メ
ンブレンフィルター(3.0μm)で濾過し、不溶物を除き、
濃縮乾固して抽出物5.3gを得た。
【0021】(2) 阻害効果の測定 抽出物0〜200μgを実施例1の(3)の反応系にバガス抽出
物として添加して、実施例1の(3)に記載した方法で測定
した。
【0022】(3) 抽出物の構成物質 (1)で得られた抽出物中の成分分析値を表1に示す。糖含
量はフェノール硫酸法により、構成糖は酸加水分解物を
HPLCにより分析して求めた。蛋白質含量はケルダール法
にて測定した。
【0023】 表1 乾燥重量% 全糖 83 (グルコース) (8) (アラビノース) (21) (キシロース) (54) タンパク質 11
【0024】(4)結果 抽出物の濃度と阻害効果の関係の結果を図4に示す。こ
の様に、抽出物の濃度を高くすると共に阻害効果は高く
なり、60μg/mlの濃度で添加した時、約50%の阻害率を
示した。
【0025】実施例3 ハードキャンディーへの応用例 60%(w/v)シュークロース溶液1リットルに、試験2の(1)
で得たバガス抽出物3.0g(対シュークロース0.5%)を溶解
させ、減圧下で水分が2%以下になるまで加熱濃縮し、こ
れにクエン酸10g及び少量のレモン香料と着色料を混合
し、常法に従って成形しハードキャンディーを得た。本
品は、バガス抽出物無添加のハードキャンディーと比較
して、テクスチャー、甘味ともに特に影響されず、良好
であった。
【0026】実施例4 チューインガムへの応用例 ガムベース200gを柔らかくなる程度に加熱し、これにシ
ュークロース粉末600g及び実施例2の(1)で得たバガス抽
出物3.0g(対シュークロース0.5%)を加え、さらに少量の
ハッカ香料と着色料を混合し、常法に従ってロールによ
り練り合わせ、成形することによってチューインガムを
得た。本品は、バガス抽出物無添加のチューインガムと
比較して、テクスチャー、甘味ともに特に影響されず、
良好であった。
【0027】比較例1 バガスからヘミセルロースB画
分の抗う蝕作用 (1) バガスからヘミセルロースB画分の抽出 "食物繊維" 日本栄養士会 編、第一出版(1982)の"食物
繊維の化学"、17〜21ページに記載の方法に従っ
て、以下のとおりバガスからヘミセルロースB画分を抽
出した。即ち、実験例1で使用したと同じバガス10gにベ
ンゼン-エタノール(2:1、v/v)300mlを添加し、室温で
一晩攪拌して脂質を抽出した。ブフナー漏斗で濾過し回
収した脱脂バガスを、もう一度同試薬で洗浄、濾過後、
80℃で4時間乾燥させた(乾燥重量9.0g)。乾燥脱脂バガ
スを350mlの脱塩水に懸濁し、75℃に保ちながら酢酸(0.
42ml)と亜塩素酸ナトリウム(5.3g)を徐々に添加し脱リ
グニンした。1時間おきに同量の試薬を3回添加し脱リグ
ニンを完了させた後、懸濁液を室温まで冷却し、濾過し
て同量の脱塩水で3回洗浄し、同量エタノールで3回洗
浄、乾燥しホロセルロース7.5gを得た。
【0028】ホロセルロース7.5gを1.0N水酸化ナトリウ
ム溶液250mlに懸濁し、室温で6時間攪拌してヘミセルロ
ースを抽出した。濾過した残渣をさらに同様に抽出し、
残渣を同量の脱塩水で2回洗浄した。抽出液と洗液を合
わせ、酢酸で中和し、減圧下で1/10量まで濃縮した。遠
心分離して濃縮液の沈殿(ヘミセルロースA画分)を除去
し、残りの上清を水道水2リットル(数回交換)に対して
一晩透析した後、脱塩水2リットル(数回交換)に対して
一晩透析した。これに3倍量のエタノールを加え静置
し、生じた沈殿(ヘミセルロースB画分)を遠心分離して
回収した。これを75%(w/v)エタノール200ml、ついでエ
タノール200mlで洗浄乾燥し3.0gを得た。
【0029】(2) 不溶性グルカンの生成阻害効果の測
定 (1)で得たヘミセルロースB画分を最終濃度100μg/mlに
調整し、実施例1の(3)と同様に不溶性グルカン生成の阻
害効果を調べた。その結果、阻害率は、0%であり、阻
害効果は見られなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明により、本来、利用価値の少ない
農産廃棄物であるバガスからアルカリ剤を使って、安価
で容易に有効な抗う蝕性剤を提供できる。又該抗う蝕性
剤を含有させることによりう蝕原性を抑制する飲食物を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルカリ剤の種類と濃度の影響を示す図。
【図2】 抽出温度の影響を示す図。
【図3】 抽出時間の影響を示す図。
【図4】 抽出物の濃度と阻害効果の関係を示す図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バガスからアルカリ剤で抽出される画分
    を有効成分とする抗う蝕性剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ剤が、水酸化ナトリウム又は水
    酸化カリウム水溶液である請求項1記載の抗う蝕性剤。
  3. 【請求項3】 アルカリ剤が、0.05〜2.0N水酸化ナトリ
    ウム又は水酸化カリウム水溶液である請求項2記載の抗
    う蝕性剤。
  4. 【請求項4】 アルカリ剤が、0.05〜2.0N水酸化ナトリ
    ウム又は水酸化カリウム水溶液で、バガス固形分1重量
    部に対して1〜50重量部である請求項2記載の抗う蝕性
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の抗う
    蝕性剤を配合して成ることを特徴とするう蝕原性を抑制
    する飲食物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の抗う蝕性剤の添加量が、
    う蝕原性成分100重量部に対して0.1〜50重量部であるこ
    とを特徴とするう蝕原性を抑制する飲食物。
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