JPH0722B2 - シュクロース含有飲食物中のシュクロースに起因する水不溶性グルカンの生成を抑制する方法 - Google Patents

シュクロース含有飲食物中のシュクロースに起因する水不溶性グルカンの生成を抑制する方法

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JPH0722B2
JPH0722B2 JP62135352A JP13535287A JPH0722B2 JP H0722 B2 JPH0722 B2 JP H0722B2 JP 62135352 A JP62135352 A JP 62135352A JP 13535287 A JP13535287 A JP 13535287A JP H0722 B2 JPH0722 B2 JP H0722B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、イソマルトシル ジ−および/またはトリ−
グルコースの還元物を有効成分とするう蝕抑制用添加剤
をシュクロース含有飲食物に添加することにより、シュ
クロース含有飲食物中のシュクロースに起因する水不溶
性グルカンの生成を抑制する方法に関する。
シュクロースは、甘味とボディーとを有する代表的甘味
料として飲食物に多量に使用されている。近年、甘味付
けされた飲食物、特にシュクロースを含有する飲食物に
よって虫歯(う歯とも言う。)が多発増大していること
が明らかになってきた。
すなわち、虫歯は、口腔内でシュクロースが微生物によ
りデキストランなどの水不溶性グルカンに変換され、こ
のグルカンが歯の表面を薄層状に覆い、そしてこの薄層
を通過して歯の表面に達した糖が嫌気発酵を受けて有機
酸を生成し、歯のエナメル質を侵すことによって起るこ
とが明らかにされたのである。
このため、シュクロースに代る虫歯を起しにくい糖質を
使用した飲食物の虫歯誘発性抑制方法の確立が望まれて
いる。
本発明者等は、新規な虫歯誘発性抑制方法の確立を目的
に、糖アルコールに着目して鋭意研究した。
その結果、多糖類のうち、イソマルトシル モノ−、ジ
−および/またはトリ−グルコースの還元物が、他の多
くの糖アルコール類とは違って、低う蝕性または抗う蝕
性の作用が極めて大きく、その上、上品な甘味を有して
いることを見いだし、本イソマルトシル モノ−、ジ−
および/またはトリ−グルコースの還元物の有効成分と
するう蝕抑制用添加剤を確立し、更に、該添加剤をシュ
クロース含有飲食物に添加することにより、シュクロー
ス含有飲食物中のシュクロースに起因する水不溶性グル
カンの生成を抑制する方法を確立して本発明を完成し
た。
本発明でいうイソマルトシル モノ−、ジ−およびトリ
−グルコースの還元物とは、グルコース残基とグルチト
ール残基とからなる三糖類糖アルコール、四糖類糖アル
コールおよび五糖類糖アルコールであって、その未端に
イソマルトシル残基を有する、例えば、パニトール(4
−O−α−イソマルトシル グルチトール)、イソマル
トトリイトール(6−O−α−イソマルトシル グルチ
トール)、イソマルトシル マルチトール(42−O−α
−イソマルトシル マルチトール)、イソマルトテトラ
イトール(62−O−α−イソマルトシル イソマルチト
ール)、イソマルトペンタイトール(63−O−α−イソ
マルトシル イソマルトトリイトール)などが適してお
り、また、これら末端にイソマルトース残基を有する三
糖類糖アルコール、四糖類糖アルコールおよび五糖類糖
アルコールは、う蝕抑制作用を損わない限り、最高純度
のものに限定する必要はなく、例えば、それら二種以上
の糖アルコール混合物であってもよい。
本発明に使用するイソマルトシル モノ−、ジ−および
/またはトリ−グルコースの還元物の製法は問わない。
原料のイソマルトシル モノ−、ジ−およびトリ−グル
コースについては、例えば、パノース、イソマルトシル
マルトースは、プルランの酸または酵素による部分加
水分解物に多量含有され、イソマルトトリオース、イソ
マルトテトラオース、イソマルトペンタオースは、デキ
ストランの酸または酵素による部分加水分解物に、また
グルコースのグルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3)または酸
触媒による逆合成生成物に、更には、マルトオリゴ糖の
α−グルコシターゼ(EC 3.2.1.20、トランスグルコシ
ターゼともいう。)によるグルコース転移生成物などに
含有され、本発明に有利に利用される。必要ならば、こ
れら加水分解物、逆合成生成物、転移生成物などを、例
えば、活性炭カラム、イオン交換樹脂カラム、ゲル濾過
などを用いる分画法、グルコースを除去する膜分離法な
どによって、より高純度のイソマルトシル モノ−、ジ
−および/またはトリ−グルコースにして利用すること
も随意である。
このようにして得られたイソマルトシル モノ−、ジ−
および/またはトリ−グルコースから、これら糖の還元
物を調製する方法は、常法に従って行なえばよく、例え
ば、これらの糖を濃度40〜60%水溶液にし、オートクレ
ーブに入れ、触媒としてラネーニッケル8〜10%を添加
し、攪拌しながら温度を90〜140℃に上げ、水素圧を20
〜150kg/cm2に上げて水素添加を完了させた後、ラネー
ニッケルを除去し、次いで活性炭による脱色、イオン交
換樹脂による脱塩などの精製工程を経た後、濃縮し、シ
ラップ状製品にする。必要ならば、更に乾燥、粉末状製
品にする。
このようにして製造されるイソマルトシル モノ−、ジ
−および/またはトリ−グルコースの還元物は、上品な
甘味を有する糖質で、かつ虫歯原因菌によって不溶性グ
ルカンの生成、酸の生成が見られないだけでなく、シュ
クロースからの不溶性グルカンの生成をも積極的に抑制
しうることが見いだされ、飲食物のためのう蝕抑制用添
加剤として好適であることが判明した。また、本う蝕抑
制用添加剤は、飲食物の虫歯誘発性抑制のための添加剤
に使用されるのみならず、ビヒダス菌増殖促進剤、適度
の粘度付与剤、保湿剤、結晶防止剤、照り、ボディーな
どの付与剤などとしても有利に利用できる。
イソマルトシル モノ−、ジ−および/またはトリ−グ
ルコースの還元物を有効成分とするう蝕抑制用添加剤
は、そのままで甘味付のための調味料としても使用する
ことができるが、その甘味度が比較的低いので、他の甘
味料、例えば、シュクロース、水飴、砂糖結合水飴、ブ
ドウ糖、マルトース、異性化糖、蜂蜜、メープルシュガ
ー、ソルビット、マルチトール、ラクチトール、ジヒド
ロカルコン、L−アスパラチルフェニルアラニンメチル
エステル、サッカリン、グリシン、アラニン、グリチル
リチン、ステビオシド、α−グルコシル ステビオシド
などの一種または二種以上と併用することも好都合であ
る。また、必要ならば、デキストリン、澱粉、乳糖など
のような増量剤、ペクチン、グアーガム、プルランなど
の食物繊維のような整腸剤、更には着香料、着色料など
と混合して使用することもできる。
特に、イソマルトシル モノ−、ジ−および/またはト
リ−グルコースの還元物を有効成分とするう蝕抑制用添
加剤は、シュクロースとは違って、低う蝕性、抗う蝕性
甘味料として好適であることにより、虫歯誘発性を抑制
した飲食物を製造するための主原料、副原料などとして
有利に使用できる。また、イソマルトシル モノ−、ジ
−および/またはトリ−グルコースの還元物を有効成分
とするう蝕抑制用添加剤は、酸味、塩から味、渋味、旨
味、苦味などの他の呈味を有する各種の物質とよく調和
するので、通常の各種飲食物への甘味付けに、呈味改良
などに有利に利用できる。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひ
しお、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末
すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャッ
プ、焼肉のタレ、カレールウー、シチューの素、スープ
の素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テー
ブルシラップなどの各種の調味料に使用できる。また、
せんべい、あられ、おこし、餅類、まんじゅう、ういろ
う、あん類、羊羹、水羊羹、綿玉、ゼリー、カステラ、
飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカ
ー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタ
ードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケ
ーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャ
ラメル、キャンデーなどの各種洋菓子、アイスクリー
ム、シャーベットなどの氷菓、果実のシロップ漬、氷蜜
などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペー
スト、フルーツペーストなどのペースト類、ジャム、マ
マレード、シロップ漬、糖果などの果実、野菜の加工食
品類、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬など
の漬物類、ハム、ソーセージなどの蓄肉製品類、魚肉ハ
ム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷらなどの
魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、さきするめ、ふぐのみり
ん干しなどの各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、
貝などで製造されるつくだ煮類、煮豆、ポテトサラダ、
コンブ巻などのそう菜食品、魚肉、蓄肉、果実、野菜の
ビン詰め、缶詰類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸
飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリン
ミックス、ホットケーキミックス、即席ジュース、即席
コーヒー、即席しるこなど即席飲食品などの各種飲食物
の甘味付けに有利に使用できる。
また、家蓄、家禽、その他蜂蜜、蚕、魚などの飼育動物
のために、餌料、飼料、ペットフードなどの嗜好性を向
上させる目的で使用することもできる。
その他、タバコ、練歯みがき、口紅、リップクリーム、
内服薬、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香
錠、うがい薬など各種固型状、ペースト状、液状嗜好
物、化粧品、医薬品などへの甘味剤として、または呈味
改良剤、矯味剤などとして有利り利用できる。
以上述べたように、本発明でいう飲食物とは、甘味料の
みならず、飲食物、嗜好物、飼料、餌料、化粧品、医薬
品など経口使用するもの全般を意味する。
本発明のイソマルトシル モノ−、ジ−および/または
トリ−グルコースの還元物を有効成分とするう蝕抑制用
添加剤を含有せしめるには、飲食物の製造が完了するま
での工程で、本有効成分を飲食物に含有せしめて、虫歯
誘発生を抑制しうる飲食物が製造できればよく、その方
法としては、例えば、混和、混捏、溶解、浸漬、散布、
塗布、噴霧、注入などの公知の方法が適宜選ばれる。
有効成分のイソマルトシル モノ−、ジ−および/また
はトリ−グルコースの還元物の含有量は、虫歯誘発生を
抑制するために、飲食物に自由に用いられるが、シュク
ロースと併用する場合には、イソマルトシル モノ−、
ジ−および/またはトリ−グルコースの還元物の量をシ
ュクロースに対して5W/W%以上、望ましくは10W/W%以
上になるよう含有せしめるのが好適である。
以下、本発明を実験で詳細に説明する。
1.不溶性グルカン生成酵素液の調製 ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mu
tans)6715株の種菌をブレイン・ハート・インフェージ
ョン・ブロス(Brain Heart Infusion Broth,日水製薬
株式会社製造)の3.5%水溶液からなる培地に植菌し、3
7℃で18時間静置培養し、培養終了後に遠心分離して、
菌体と上清とに分離した。この上清を硫安60%飽和で塩
析し、この塩析物を0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.0)にて
透析したものを不溶性グルカン生成酵素液とした。
[不溶性グルカン生成酵素活性の測定] 0.2Mシュクロース水溶液1ml、水1ml、0.05W/V%、NaN3
を含有する0.1Mリン酸塩緩衝液1.5ml及び酵素液0.5ml
(但し、0.05単位以下とする。)からなる反応液を、37
℃で9時間保ち、次いで遠心分離し、生じる沈澱に0.5N
−NaOH4mlを加え、37℃で1時間保って水不溶性グルカ
ンを溶解し、このグルカン量をフェノール硫酸法で測定
した。
不溶性グルカン生成酵素の活性1単位は、1分間に1μ
moleのグルコースをシュクロースから不溶性グルカンに
転移させる量とする。
2.各種糖類の不溶性グルカンの生成 各種糖類の不溶性グルカンの生成を調べた。
すなわち、不溶性グルカン生成酵素活性の測定方法のう
ち、シュクロースを第1表にかかげる各種糖類に代え
て、同様に不溶性グルカンの生成を調べたところ、いず
れの糖も不溶性グルカンを生成しなかった。
3.シュクロースからの不溶性グルカン生成に及ぼす各種
糖類の影響 シュクロースからの不溶性グルカンの生成に及ぼす各種
糖類の影響を調べた。すなわち、実験1で調製した酵素
液を使用し、シュクロース単独の場合と比較して、シュ
クロースと第1表にかかげる各種糖類を併用した場合の
不溶性グルカンの生成量及び不溶性グルカンの生成の抑
制の程度を調べた。
実験方法は、4W/V%シュクロース水溶液1ml、4W/V%各
種糖類水溶液1ml、0.05W/V%NaN3を含有する0.1Mリン酸
塩緩衝液1.5ml、及び酵素液0.5ml(0.02単位)からなる
反応液を、37℃で16時間保った後、不溶性グルカン生成
酵素活性測定の場合と同様にグルカン量を測定した。
対照のシュクロースのみの場合には、各種糖類水溶液を
水に代えて実験した。結果は、第1表のAカラム、Bカ
ラムに示す。
Aカラムは、生成した不溶性グルカンの量(μg/ml)を
示す。
Bカラムは、不溶性グルカン生成の抑制率(%)を示
し、その計算方法は次に通りにした。
第1表におけるAカラム、Bカラムの結果から明らかな
ように、末端にイソマルトース残基を有するパニトー
ル、イソマルトトリイトールなどのイソマルトシル モ
ノ−グルコースの還元物、イソマルトシル マルチトー
ル、イソマルトルテトライトールなどのイソマルトシル
ジ−グルコースの還元物、および、イソマルトペンタ
イトールなどのイソマルトシル トリ−グルコースの還
元物では、いずれも、シュクロースからの不溶性グルカ
ンの生成を70%以上抑制し、とりわけ、イソマルトシル
ジ−グルコースの還元物の抑制率は高く、84%以上で
あった。
4.酸の生成 ストレプトコッカス・ミュータンスによる各種糖類の酸
の生成を調べた。
すなわち、ストレプトコッカス・ミュータンス6715株
を、実験1の方法に記載する方法で培養し、培養終了後
遠心分離して得た菌体を、更に0.9W/V%NaCl水溶液で洗
浄し、遠心分離して生菌体を採取した。
本菌体0.2ml(培養液約100mlに含まれる菌体量)に、後
に述べるStephan′s緩衝液1.5ml及び20mgの糖を含む水
溶液0.3mlからなる混合液2mlを37℃に30分間保った後の
pHを測定した。
Stephan′s緩衝液は、Stephan,R,M.et al.,Journal of
Detal Research,Vol.2.pp,pp.15−41,(1947)に記載
されている方法に準じて調製した。すなわち、 I液:Na2HPO4・12H2BO17.89g、KOH7.92g及びKH2PO46.81
gに水を加えて100mlにした。
II液:KH2PO44.54g、MgSO4・7H2O0.32g、CaSO4・2H2O0.5
7g、及び 3.5%HCl10mlに水を加えて100mlにした。
100mlメスフラスコに、I液1mlをとり、これに水約90ml
を加え、次いでII液1mlをとり、水を加えて100mlにして
Stephan′s緩衝液(pH7.0)とした。
結果は、第2表に示した。pHは各種糖液の酸生成の指標
とした。
第2表の結果から明らかなように、イソマルトシル モ
ノ−、ジ−およびトリ−グルコースの還元物であるパニ
トール、イソマルトトリイトール、イソマルトシルマル
チトール、イソマルトテトライトール、イソマルトペン
タイトールでは、いずれも酸の生成が見られない。
以上の実験結果から、本発明のイソマルトシル モノ
−、ジ−および/またはトリ−グルコースの還元物を有
効成分とするう蝕抑制用添加剤は、虫歯原因菌によって
不溶性グルカンの生成、酸生成が見られないだけでな
く、シュクロースからの不溶性グルカン生成をも強く抑
制しうることが判明した。
以下、本発明に用いるう蝕抑制用添加剤を参考例で、本
発明の飲食物の虫歯誘発性抑制方法を実施例で述べる。
参考例 1 う蝕抑制用添加剤 プルランを0.66N塩酸水溶液に10W/V%になるように溶解
し、95%に30分間保った後、40℃に冷却し、カセイソー
ダ水溶液でpH4.5にし、このpHと温度を保ちつつ、これ
に市販のグルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3)(生化学工業
株式会社製造)をプルラングラム当り29単位の割合で加
えて4時間作用させ、次いで95℃に15分間保って反応を
止めた。
得られた溶液を活性炭にて脱色し、H型及びOH型イオン
交換樹脂で脱塩精製し、減圧濃縮して濃度30W/W%にし
た。
分画用樹脂は、アルカリ土類金属型強酸性カチオン交換
樹脂(ダウケミカル社製造、商品名ダウエックス50W−
×4、Mg++型)を内径6.2cmのジャケット付ステンレス
製カラムに樹脂層長が10mになるように充填した。
カラム内温度を60℃に維持しつつ、先に得た濃縮液を樹
脂に対して3V/V%加え、これに60℃の温水をSV0.2の流
速で流して分画し、パノース含有量80%以上のパノース
高含有画分を採取した。本画分を、常法に従って脱色、
脱塩精製、濃縮した後、減圧乾燥、粉砕して水分3%以
下の粉末を原料プルランに対して約5%の収率で得た。
本品の糖組成は、マルトース0.6%、イソマルトース2.5
%、パノース85.5%、イソマルトシル マルトース9.7
%、五糖類以上1.7%であった。
このようにして得たパノースを主成分とする糖を濃度50
%水溶液とし、オートクレーブに入れ、ラネーニッケル
10%を添加し、攪拌しながら温度を90〜120℃に上げ、
水素圧20〜120kg/cm2に上げて水素添加を完了させた
後、ラネーニッケルを除去し、次いで活性炭にて脱色
し、H型及びOH型、イオン交換樹脂で脱塩精製、濃縮
し、減圧乾燥粉砕して水分3%以下の粉末を原料プルラ
ンに対して約4%の収率で得た。
本品の糖組成は、ソルビトール0.3%、マルチトール0.8
%、イソマルチトール2.8%、パニトール84.9%、イソ
マルトシル マルチトール9.6%、五糖類以上の還元物
1.6%であった。
本品は、上品で適度の甘味を有するう蝕抑制用添加剤で
あり、また、低う蝕性甘味料、ビヒダス菌増殖促進剤な
どとしても好適である。
参考例 2 う蝕抑制用添加剤 5%プルラン水溶液を45℃、pH6.0に維持しつつ、これ
に市販のβ−アミラーゼ(EC 3.2.1.2)(生化学工業株
式会社製造)及びプルラナーゼ(EC 3.2.1.41)(株式
会社林原生物化学研究所製造)をプルラングラム当りそ
れぞれ1,000単位、100単位の割合で加えて48時間作用さ
せ、次いで95℃に15分間保って反応を止めた。得られた
溶液を参考例1と同様に精製、濃縮した。
分画用樹脂は、アルカリ金属型強酸性カチオン交換樹脂
(東京有機化学工業株式会社製造、商品名XT−1022E、N
a+型)を使用し、内径5.4cmのジャケット付ステンレス
製カラムに水懸濁状で充填した。この際、樹脂層長5mの
カラム4本に充填し、その液が直列に流れるようにカラ
ム4本を連結して樹脂層全長を20mした。
カラム内温度を75℃に維持しつつ、先に得た濃縮液を樹
脂に対して10V/V%加え、これに75℃の温水をSV0.13の
流速で流して分画し、イソマルトシル マルトース含有
量70%以上のイソマルトシル マルトース高含有画分を
採取した。これを参考例1と同様に精製、濃縮した後、
減圧乾燥、粉砕して水分3%以下の粉末を原料プルラン
に対して約52%の収率で得た。本品の糖組成は、二糖類
8.2%、パノース11.8%、イソマルトシル マルトース7
5.6%、五糖類以上4.4%であった。
このようにして得たイソマルトシル マルトースを主成
分とする糖を参考例1と同様に水素添加し、精製濃縮、
減圧乾燥、粉砕して水分3%以下の粉末を原料プルラン
に対して約46%の収率で得た。
本品の糖組成は、ソルビトール0.2%、二糖類還元物8.3
%、パニトール12.0%、イソマルトシル マルチトース
75.4%、五糖類以上の還元物4.1%であった。
本品は、上品で比較的弱い甘味を有するう蝕抑制用添加
剤であり、また、低う蝕性甘味料、ビヒダス菌増殖促進
剤などとしても好適である。
更に、飲食物などへの適度の粘度付与剤、保湿剤などと
しても利用できる。
参考例 3 う蝕抑制用添加剤 グルコースを濃度70W/W%水溶液とし、これに特開昭55
−124494号公報に開示される方法で固定化したグルコア
ミラーゼを加えて50℃、pH4.8で逆合成反応を起させ、
イソマルトトリオース含有量10.2%のグルコース逆合成
生成物を得た。
参考例2の分画樹脂を用いて、カラム内温度を75℃に維
持しつつ、先に得た逆合成生成物を45W/W%にしたもの
を5V/V%加え、これに75℃の温水をSV0.2の流速で流し
て分画し、イソマルトトリオース含有量30%以上のイソ
マルトリオース含有量高含有画分を採取した。
これを参考例1と同様に精製、濃縮した後、減圧乾燥、
粉砕して水分3%以下の粉末を原料グルコースに対して
約40%の収率で得た。本品の糖組成は、グルコース4.2
%、イソマルトース32.6%、イソマルトトリオース34.5
%、イソマルトテトラオース19.6%、イソマルトペンタ
オースを含む五糖類以上9.1%であった。
このようにして得たイソマルトース、イソマルトトリオ
ースを主成分とする糖を参考例1と同様に水素添加し、
精製濃縮、減圧乾燥、粉砕して水分3%以下の粉末を原
料グルコースに対して約35%の収率で得た。本品の糖組
成は、ソルビトール4.6%、イソマルチトール32.5%、
イソマルトトリイトール34.6%、イソマルトテトライト
ール19.4%、イソマルトペンタイトールを含む五糖類以
上の還元物8.9%であった。
本品は、上品で適度の甘味を有するう蝕抑制用添加剤で
あり、また、低う蝕性甘味料、ビヒダス菌増殖促進剤な
どとしても好適である。
参考例 4 う蝕抑制用添加剤 デキストランを1N硫酸に20W/V%になるように溶解し、1
00℃で60分間保った後、6Nカセイソーダ液で中和し、次
いでメタノールを75V/V%になるように加え、この上清
を採取してメタノールを除去した後、H型及びOH型イオ
ン交換樹脂で脱塩精製し、減圧濃縮して濃度60W/W%に
した。分画用樹脂は、参考例2に用いたものをK+型に変
えた後使用し、内径6.2cmのジャケット付ステンレス製
カラム1本に樹脂層長が10mになるように充填した。
カラム内温度を60℃に維持しつつ、先に得た濃縮液を樹
脂に対して3V/V%加え、これに60℃の温水をSV0.3の流
速で流して分画し、イソマルトテトラース含有量30%以
上のイソマルトテトラオース高含有画分を採取した。こ
れを、参考例1と同様に精製、濃縮した後、減圧乾燥、
粉砕して水分3%以下の粉末を原料デキストランに対し
て約60%の収率で得た。本品の糖組成は、イソマルトー
ス9.2%、イソマルトトリオース25.3%、イソマルトテ
トラオース37.3%、イソマルトペンタオース21.6%、六
糖類以上6.6%であった。
このようにして得たイソマルトトリオース、イソマルト
テトラオース、イソマルトペンタオースを主成分とする
糖を参考例1と同様に水素添加し、精製濃縮、減圧乾
燥、粉砕して水分3%以下の粉末を原料デキストランに
対して約55%の収率で得た。
本品の糖組成は、ソルビトール0.3%、イソマルチトー
ル9.4%、イソマルトトリイトール25.3%、イソマルト
テトライトール37.4%、イソマルトペンタイトール21.3
%、六糖以上の還元物6.3%であった。
本品は適度の甘味を有するう蝕抑制用添加剤であり、ま
た、低う蝕性甘味料、ビヒダス菌増殖促進剤などとして
も好適である。
実施例 1 甘味料 還元麦芽糖水飴(水分25%)1kgに参考例1の方法で得
たう蝕抑制用添加剤250gを溶解して調製したシラップ状
甘味料は、シュクロースと同程度の甘味を有し、低う蝕
性甘味料、ビヒダス菌増殖促進剤などとして好適である
ばかりでなく、糖尿病患者、肥満者用ダイエット甘味料
としても好適である。
また本品は、加熱に対して着色しにくく煮物、焼物など
を褐変させることなく調味できる長所をしており、また
保湿付与剤、照り付与剤などとしても好適である。
実施例 2 甘味料 シュクロース900gに、結晶性マルチトール粉末600g、参
考例3の方法で得たう蝕抑制用添加剤100g及びα−グリ
コシル ステビオシド(商品名α−G−Sweet,東洋精糖
株式会社製造)5gを均一に混合して粉末化したものに、
少量の水をスプレーしてかるく圧縮して成形し、角砂糖
様形状の甘味料を得た。本甘味料は、シュクロースと同
程度の甘味度を有するとともに、きわめてすぐれた甘味
質を有する低う蝕性甘味料である。
また、本品は冷水にもよく溶け、冷水に溶かしたもの
は、そのままでも清涼飲料水に好適である。
実施例 3 ハードキャンデー 55%シュクロース水溶液10Lに、参考例2の方法で得た
う蝕抑制用添加剤3kgを加熱溶解させ、次いで減圧下で
水分が2%以下になるまで加熱濃縮し、これにクエン酸
100gおよび少量のレモン香料と着色料とを混和し、常法
に従って成形しハードキャンデーを得た。
本品は、低う蝕性ハードキャンデーである。また、室内
に6ケ月間放置したがシュクロースの結晶析出は起こら
なかった。
実施例 4 チューインガム ガムベース2kgを柔らかくなる程度に加熱溶融し、これ
にマルトース粉末2kg、シュクロース粉末4kg及び参考例
4の方法で得たう蝕抑制用添加剤1kgを加え、更に少量
のハッカ香料と着色料とを混合した後、常法に従ってロ
ールにより練り合せ、成形することによってチューイン
ガムを得た。
本品は、テクチャー、甘味ともに良好な低う蝕性チュー
インガムである。
実施例 5 チョコレート カカオペースト40kg、カカオバター10kg、参考例1の方
法で得たう蝕抑制用添加剤2kg、シュクロース7kg、結晶
性マルチトール粉末6kg、全脂粉乳20kgを混合し、レフ
ァィナーを通して、粒度を下げた後、コンチェに入れて
レシチン500gを加え、50℃で二昼夜練り上げた。次い
で、常法に従い成型機に流し込み成型固化させて製品と
した。
本品は、ファットブルーム、シュガーブルームの恐れが
なく、舌にのせた時の融け具合、風味とも良好な低う蝕
性チョコレートである。
実施例 6 乳酸飲料 脱脂乳10kgを80℃で20分間加熱殺菌した後、40℃に冷却
し、これにスターター300gを加えて35〜37℃で10時間発
酵させた。次いで、これをホモゲナイズした後、参考例
3の方法で得たう蝕抑制用添加剤4kg、シュクロース1kg
及び異性化糖シラップ2kgを加えて70℃に保って殺菌し
た。
これを冷却した後後、少量の香料を加えてビン詰めして
製品とした。
本品は、風味、甘味が酸味とよく調和し、低う蝕性乳酸
飲料して好適である。
実施例 7 いちごジャム 生いちご15kg、シュクロース6kg、マルトース2kg、参考
例2方法で得たう蝕抑制用添加剤4kg、ペクチン50g、ク
エン酸10gをなべで煮つめてジャムを製造し、ビン詰し
て製品とした。
本品は、風味、色調とも良好で、低う蝕性ジャムとして
好適である。
実施例 8 佃煮 常法に従って、砂取り、酸処理して角切りした昆布250g
に醤油212ml、アミノ酸液318mlおよび参考例4の方法で
得たう蝕抑制用添加剤70gおよびシュクロース20gを加え
て煮込みつつ、更にグルタミン酸ソーダ2g、カラメル8g
を加えて炊き上げ、昆布の佃煮を得た。
本品は低う蝕性の佃煮である。また、味、香りだけでな
く、色、艶ともに食欲をそそる佃煮であった。
実施例 9 錠剤 アスピリン50gにコーンスターチ4g、シュクロース6g、
マルトース4gおよび参考例1の方法で得たう蝕抑制用添
加剤4gを均一に混合した後、直径12mm、20R杆を用いて
1錠680mg、錠剤の厚さ5.25mm、硬度8kg±1kgで打錠し
た。
本品は、長期間保存してもひび割れ、変形を起さず、適
度の甘味を有する飲み易い低う蝕性錠剤である。
実施例 10 練歯磨 配合 第2リン酸カルシウム 45.0% プルラン 2.95% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% グリセリン 20.0% ポリオキシエチレンソルビタンラウレート 0.5% 防腐剤 0.05% 参考例4の方法で得たう蝕抑制用添加剤 12.0 % シュクロース 5.0% 水 13.0% 上記の材料を常法に従って混合し、練歯磨を得た。
本品は適度の甘味を有しており、特に子供用練歯磨とし
て好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソマルトシル ジ−および/またはトリ
    −グルコースの還元物を有効成分とするう蝕抑制用添加
    剤をシュクロース含有飲食物に添加することにより、シ
    ュクロース含有飲食物中のシュクロースに起因する水不
    溶性グルカンの生成を抑制する方法。
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