JPS6113463B2 - - Google Patents
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- JPS6113463B2 JPS6113463B2 JP10401577A JP10401577A JPS6113463B2 JP S6113463 B2 JPS6113463 B2 JP S6113463B2 JP 10401577 A JP10401577 A JP 10401577A JP 10401577 A JP10401577 A JP 10401577A JP S6113463 B2 JPS6113463 B2 JP S6113463B2
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Description
本発明はカルバミン酸エステルの熱分解による
イソシアナートの製造法に関するものである。 イソシアナートは工業的には第一級アミンとホ
スゲンとの反応により製造されているが、ホスゲ
ンの毒性と反応中に生成する塩化水素の処理の問
題およびその腐蝕性の故に、ホスゲンを使用しな
いイソシアナートの製造技術の確立が望まれてお
り、すでにいくつかの方法が提案されている。 例えば、白金族金属触媒あるいはこれに助触媒
としてルイス酸、アミンなどを組み合わせた触媒
の存在下にニトロ化合物をカルボニル化すること
により対応するイソシアナートを製造する方法が
知られている。しかしながら、この方法は収率が
充分でないこと、高温・高圧の反応条件が必要で
あることなどの欠点があるため、現在まで工業化
されるに至つていない。 これに対して、白金族金属触媒またはセレン触
媒、あるいはこれらにアミン、ルイス酸などの助
触媒を組み合わせた触媒の存在下にニトロ化合物
をアルコールまたはフエノール中でカルボニル化
して得られるカルバミン酸エステルを熱分解する
ことによりイソシアナートを製造する方法が提案
されている。この方法は、比較的温和な条件でイ
ソシアナートが収率よく得られるという利点を有
しており、近年活発に研究が行なわれているが、
カルバミン酸エステルの熱分解反応に関しては今
なお充分に満足し得る成果が得られていない。 カルバミン酸エステルを熱分解するに際しての
最大の問題点は、生成するイソシアナートの反応
性が高く通常の熱分解反応の温度条件下でオリゴ
マー化したり、カルバミン酸エステルあるいは反
応中間体との反応により複雑な副生物が生成する
ことであり、このような副反応を抑制するため
に、減圧下、350〜550℃の温度条件で滞留時間を
15秒以内に抑えてカルバミン酸エステルを熱分解
する方法(特開昭50−117745)、あるいはカルバ
ミン酸エステルを不活性溶媒で稀釈して175〜350
℃程度の比較的低温度の条件で熱分解する方法
(特開昭50−30832)などが提案されている。これ
らの方法を採用することによりたしかにイソシア
ナートの収率は改善されるが、それでもなお充分
であるとは言えず、また特にジカルバミン酸エス
テルの熱分解によりジイソシアナートを得る場合
などの多価のイソシアナートを製造する場合には
高沸点物質の副生が多いという問題が依然として
残されている。 本発明者らは、カルバミン酸エステルを熱分解
してイソシアナートを製造する方法において、生
成するイソシアナートの副反応による高沸点物質
の生成を抑制し、収率よくイソシアナートを得る
方法について種々検討した結果、カルバミン酸エ
ステルを不活性溶媒中で、反応条件下で液体であ
り、かつ活性水素を有する化合物の存在下に熱分
解すれば高沸点物質の副生が激減することおよび
特定の活性水素を有する化合物を使用すればイソ
シアナートの収率も大幅に向上することを見い出
し、本発明を完成したものである。 本発明の目的は工業的有利にイソシアナートを
製造する方法を提供することにあり、この目的は
カルバミン酸エステルを不活性溶媒中で、反応条
件下で液体であり、かつ活性水素を有する化合物
の存在下に熱分解して対応するイソシアナートお
よびアルコールまたはフエノールを含有する混合
蒸気を発生させ、該混合蒸気よりイソシアナート
を凝縮分離することにより容易に達成し得る。 以下に本発明を詳細に説明する。 カルバミン酸エステルはイソシアナートとアル
コールまたはフエノールとの付加物のかたちで表
わされるが、本発明方法において使用されるカル
バミン酸エステルは一価、二価または三価の脂肪
族、芳香族、脂環族または脂肪芳香族のイソシア
ナートと一価乃至四価の脂肪族、芳香族または脂
環族のアルコールあるいはフエノールとの付加物
として表わされるものであり、これらはさらにハ
ロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、
アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、エーテ
ル基、チオエーテル基、カルボニル基などのイソ
シアナート基と反応しない置換基あるいはイソシ
アナート基を有していてもよい。 具体的には、メチルカルバニレート、エチルカ
ルバニレート、プロピルカルバニレート、ブチル
カルバニレート、ペンチルカルバニレート、ヘキ
シルカルバニレート、オクチルカルバニレート、
エチレンジカルバニレート、プロピレンジカルバ
ニレート、トリメチレンジカルバニレート、ヘキ
サメチレンジカルバニレート、グリセリルトリカ
ルバニレート、ペンタエリスリルテトラカルバニ
レート、エチルナフチル−1−カルバメート、エ
チルアントリル−1−カルバメート、エチルアン
トリル−9−カルバメート、ジエチルアントリレ
ン−9・10−ジカルバメート、ジエチルアントリ
レン−1・5−ジカルバメート、ジエチルナフタ
セニレン−5・6−ジカルバメート、ジエチルペ
ンタセニレン−6・13−ジカルバメート、エチル
−p−フエニルカルバニレート、エチレンビス−
(p−フエニルカルバニレート)、ジエチルフエニ
レン−1・3−ジカルバメート、ジエチルナフチ
レン−1・5−ジカルバメート、メチルイソプロ
ピルカルバメート、エチルメトキシメチルカルバ
メート、メチル−sec−ブチルカルバメート、エ
チル−3−クロルプロピルカルバメート、メチル
−t−ブチルカルバメート、エチル−t−オクチ
ルカルバメート、ジエチルテトラメチレンカルバ
メート、エチル−1−エチルシクロヘキシルカル
バメート、メチル−p−メチルカルバニレート、
エチル−p−トリフルオルメチルカルバニレー
ト、イソプロピル−m−クロルカルバニレート、
エチル−2−メチル−5−ニトロカルバニレー
ト、エチル−4−メチル−3−ニトロカルバニレ
ート、エチル−4−メチル−3−イソシアナトカ
ルバニレート、メチレンビス−(4−エチルカル
バニレート)、ジメチルトリレン−2・4−ジカ
ルバメート、ジメチルトリレン−2・6−ジカル
バメート、ジエチルトリレン−2・4−ジカルバ
メート、ジエチルトリレン−2・6−ジカルバメ
ート、ジイソプロピルトリレン−2・4−ジカル
バメート、ジイソプロピルトリレン−2・6−ジ
カルバメート、ジ−n−プロピルトリレン−2・
4−ジカルバメート、ジブチルトリレン−2・4
−ジカルバメート、ジアミルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジヘキシルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジフエニルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジナフチルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジ(エトキシエチル)トリレン
−2・4−ジカルバメート、ジエチル−4−クロ
ルフエニレン−1・3−ジカルバメート、メチル
−p−ブトキシカルバニレート、エチル−p−ア
セチルカルバニレート、トリエチルベンゼントリ
イル−1・3・5−トリカルバメートなどが挙げ
られる。 本発明方法において使用される不活性溶媒は、
少くとも原料であるカルバミン酸エステルおよび
生成するイソシアナートと反応しないこと、後述
する活性水素を有する化合物を溶解することなら
びに反応条件下で液体であることの各条件を満足
する溶媒より選択される。特に、常圧における沸
点が200℃以上であり、好ましくは沸点が生成す
るイソシアナートよりも40℃以上高い溶媒が好適
であり、できれば反応系を均一な液相とし得る溶
媒が望ましい。具体的には、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカン、流動パラフイン、パラフイ
ンワツクス等の高級アルカン、これらに対応する
アルケンおよび潤滑油、研削油等に常用されるパ
ラフイン系石油溜分などの脂肪族炭化水素、ナフ
テン系石油溜分などの脂環族炭化水素、ドデシル
ベンゼン、ジブチルベンゼン、メチルナフタレ
ン、フエニルナフタレン、ビフエニル、ジフエニ
ルメタン、テルフエニルおよび熱媒体として常用
される芳香族石油溜分などの芳香族炭化水素、さ
らには軽油などの上述の炭化水素の混合物あるい
はクロルナフタレン、ニトロビフエニルなどのイ
ソシアナートと反応しない置換基を有する炭化水
素、ジフエニルエーテル、ジベンジルエーテル、
メチルナフチルエーテルなどのエーテル、ジフエ
ニルチオエーテルなどのチオエーテル、ベンゾフ
エノン、フエニルトリルケトン、ジベンジルケト
ンなどのケトン、ジフエニルスルホキシなどのス
ルホキシド、動・植物油、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、ベンジルベンゾエートな
どのエステル、ジフエニルスルホンなどのスルホ
ン、シリコン油などのシラン類が挙げられる。こ
れらの不活性溶媒の使用量については特に制限は
ないが、通常、原料であるカルバミン酸エステル
に対して0.1〜100重量倍の範囲内で選択される。
また、連続的に熱分解反応を行なう場合には、不
活性溶媒の一部が溜出することがあるので、その
際は原料とともに不活性溶媒を補給することが好
ましい。 本発明方法において活性水素を有する化合物と
して使用し得るのは、活性メチレン化合物あるい
は活性メチン化合物と称されるような炭素原子に
結合した活性水素を有する化合物、酸素原子、窒
素原子、珪素原子または硫黄原子に結合した活性
水素を有する化合物である。 活性メチレン化合物または活性メチン化合物と
しては、下記一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカル
ボニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、または
少くとも1個の電子吸引性基により置換されたフ
エニル基を表わし、R2およびR3はアシル基、ア
ルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボ
ニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコキ
シカルボニル基、シアノ基、ニトロ基または少く
とも1個の電子吸引性基により置換されたフエニ
ル基を表わす。〕 で示される化合物が用いられる。具体的には、ア
セチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセト酢
酸エチル等のアセト酢酸エステル、マロン酸ジエ
チル等のマロン酸ジエステル、ベンゾイルマロン
酸ジエチル等のベンゾイルマロン酸ジエステル、
フエニルマロン酸ジエチル等のフエニルマロン酸
ジエステル、シアノ酢酸エチル等のシアノ酢酸エ
ステル、トリス(2・4−ジクロルフエニル)メ
タン、ジベンゾイルメタンなどが挙げられる。 酸素原子に結合した活性水素を有する化合物と
しては、ラウリルアルコール、ステアリルアルコ
ール、クエン酸トリ−n−プチル、ベンゾイン等
のアルコール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、o−フエニルフエノール、4・4′−ジヒドロ
キシジフエニル、β−ナフトール等のフエノー
ル、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノ
ンオキシム等のオキシム、N−ベンゾイル−N−
フエニルヒドロキシルアミン等のN−置換ヒドロ
キシルアミンが挙げられる。 これらの活性水素を有する化合物は、その沸点
がカルバミン酸エステルの熱分解により生成する
イソシアナートの沸点よりも高いことが好まし
く、特に40℃以上高いものが好適である。なかで
も、アルコールまたはフエノールを使用する場合
は、常圧における沸点が200〜400℃のものを使用
することが望ましい。 活性水素を有する化合物の使用量は不活性溶媒
の使用量に対し0.001〜100重量%、好ましくは
0.01〜10重量%である。本発明方法を連続的に実
施する場合には、カルバミン酸エステルの反応系
への導入速度1mol/hrに対して0.001〜10molの
活性水素を有する化合物が反応系に存在している
ことが好ましく、活性水素を有する化合物がイソ
シアナートとともに留出する場合には、留出量に
みあう量を反応系に補給して反応系中の活性水素
を有する化合物の量を一定に保つことが望まし
い。 本発明方法においては、原料であるカルバミン
酸エステルを十分に溶解し、生成するイソシアナ
ートよりも沸点の低い不活性な溶媒をさらに使用
するのが好ましい。前述した不活性溶媒が、高沸
点であつて反応系内に実質的に液体として存在し
ているのに対して、ここで述べる溶媒は最終的に
は気化して反応系外に取り出されるという挙動の
相違がある。本発明においてはここで述べる溶媒
を前述した不活性溶媒と区別するために搬送溶媒
と言う。搬送溶媒を使用するにあたつては、通
常、カルバミン酸エステルを搬送溶媒に溶解して
均一な溶液として反応系に供給するが、別個に供
給してもよい。また、適切な搬送溶媒を使用する
ことにより反応系において、特にカルバミン酸エ
ステルあるいは生成するイソシアナートの不活性
溶媒に対する溶解度が十分でない場合には、カル
バミン酸エステルあるいはイソシアナートの溶解
性を確保して反応液を均一に保つことができる。
搬送溶媒のもう一つの重要な役割は反応系におい
て気化し、反応により生成するイソシアナートあ
るいはアルコールまたはフエノールを反応系外に
搬送することであり、搬送溶媒の使用量の増減に
よりイソシアナートの反応系内における滞留時間
を調節することができる。 搬送溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、、デカンなどのアルカ
ンあるいはこれらに対応するアルケン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、
ナフタレン、ニトロベンゼン、クロルベンゼンな
どのイソシアナートに対して不活性な置換基によ
り置換されていてもよい芳香族炭化水素、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタ
ンなどの脂環族炭化水素、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど
のエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、ア
セトフエノンなどのケトンが用いられ、特に芳香
族化合物およびエーテルあるいはこれらの混合物
が好ましい。 また、イソシアナートの搬送剤として上記の溶
媒のほかに、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化
炭素、メタン、エタン、プロパンなどのイソシア
ナートに対して不活性なガスを使用することもで
きる。これらの搬送用ガスは反応液中に吹き込む
ことにより使用される。 本発明方法においては、特に触媒の存在を必ず
しも必要としないが、周期律表1B族、2B族、3B
族、4B族、5A族、5B族、6A族、6B族、7A族お
よび8族に属する元素の単体および化合物などの
通常のカルバミン酸エステル分解用触媒を使用す
ることもできる。 本発明方法によりカルバミン酸エステルを熱分
解するにあたり必要な温度は、通常175〜400℃、
好ましくは200〜300℃であり、圧力は上記反応温
度において、生成するイソシアナートが気化し得
る圧力が選択される。通常は常圧〜10mmHgの圧
力が行なわれるが、場合により加圧条件下で行な
うこともできる。 かくしてカルバミン酸エステルは熱分解されて
効率よく対応するイソシアナートとアルコールま
たはフエノールが生成し、生成したイソシアナー
トとアルコールまたはフエノールはまもなく蒸気
となり、場合により搬送溶媒の蒸気あるいはさら
に搬送用不活性ガスにより搬送されて反応系外に
取り出される。系外に取り出された混合蒸気はそ
れぞれの溜分の凝縮温度の差により、少くともイ
ソシアナートとアルコールまたはフエノールは凝
縮分離される。搬送溶媒を使用した場合には、搬
送溶媒はその種類によりイソシアナートあるいは
アルコールまたはフエノールとともに凝縮するこ
とがあるが、かかる場合は蒸溜により搬送溶媒を
分離することにより再使用することができる。 以上詳述したように本発明方法に従つてカルバ
ミン酸エステルの熱分解を行なえば、高い反応速
度で高沸点物質の副生を抑制して収率よくイソシ
アナートを得ることが可能であり、特に多価のイ
ソシアナートを製造する場合に有利である。 次に本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例 1 内容積100mlの四ツ口フラスコにトリアリール
ジメタン異性体混合物(ヒユールス社製、商標;
マロサームS)50mlおよびp−ヒドロキシ安息香
酸ベンジル1.5g(6.5mmol)を仕込み、温度コ
ントロール型オイルバス中に設置した。フラスコ
には原料装入管、窒素ガス導入管、K字管(長さ
20cm、内径2.5cmの蒸溜管)および温度計を装着
した。オイルバスを昇温し温度調節器によりフラ
スコ内の反応液の温度を250℃に保持し、原料装
入管からジエチルトリレン−2・4−ジカルバメ
ートの0.1g/mlジオキサン溶液を注射器型マイク
ロフイーダーを用いて6.0ml/hr(60g/hr)の割
合で装入した。これと同時に窒素ガスを20/hr
の割合で導入管から反応液中に吹き込んだ。K字
管に塔頂には温度計および水冷式コンデンサーを
装着し、溜出ガスの一部を液化させて目盛付フラ
スコに捕集した。エタノールはコンデンサーでは
液化されないので−78℃に冷却した蛇管型トラツ
プで液化捕集した。反応中のK字管の塔頂温度は
約120℃であつた。 反応開始後、一定時間ごとにサンプリングを行
ない、目盛付フラススコに得られた生成液を赤外
線吸収スペクトルおよび高速液体クロマトグラフ
イにより分析したところ、約2時間後に定常状態
となつた。 反応開始後150分における溜出収率は、トリレ
ン−2・4−ジイソシアナート(以下、TDIとい
う。)39モル%、エチル−4−メチル−3−イソ
シアナトカルバニレート(以下、TCIという。)
57モル%およびジエチルトリレン−2・4−ジカ
ルバメート(以下、DETCという。)4モル%で
あつた。 また、フラスコ内の反応液は反応中および反応
終了後において均一な黄褐色溶液であり、反応終
了後、該溶液を高速液体クロマトグラフイーで分
析したところ、不活性溶媒およびp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジルとTDIとの付加物に基くピーク
以外は溜出液のピークと一致し、高沸点副生物の
生成は認められなかつた。 比較例 1 p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルを使用しなか
つたこと以外は実施例1と同様に実験を行なつ
た。 反応開始後約1時間で黄褐色ないし赤褐色の沈
澱物がフラスコの内壁に付着し始め、反応の継続
に従い沈澱物の量は増加した。反応終了後の釜残
は多量の副生物のために固化し、高速液体クロマ
トグラフイーのデータも極めて複雑な吸収ピーク
を示し、多種類の副生物の存在が認められた。 一方、溜出収率は初期は20〜30モル%であつた
が、反応を継続するにつれて徐々に低下し、約3
時間経過後には10モル%程度となつた。なお、反
応開始150分後のTDI、TCIおよびDETCの溜出
収率はそれぞれ8モル%、10モル%および1モル
%であつた。 実施例 2 原料装入管、窒素ガス導入管、カラム充填型蒸
留管(長さ30cm)、温度計および撹拌棒を備えた
内容積300mlの耐熱ガラス(パイレツクス、商
標)製円筒型五ツ口反応器に実施例1で使用した
ものと同じ不活性溶媒100mlおよびベンゾイルマ
ロン酸ジエチル15g(6.6mmol)を仕込み、電熱
ヒータ中に設置した。 反応温度を250℃に設定し、DETC10重量%の
ジオキサン溶液を60ml/hr(60g/hr)の割合で導
入し、同時に窒素ガスを20/hrの割合で反応液
中に導入して反応を開始した。なお、蒸留管の塔
頂は保温することにより180℃に一定に保持し
た。 反応開始後約3時間で単位時間当りの溜出液中
の各生成物量は一定となり、熱分解反応が定常状
態に達した。反応開始後4時間経過時のTDI、
TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞれ69モル
%、23モル%および1モル%であつた。 反応開始後10時間を経過しても溜出収率は低下
せず、また反応液は黄褐色の均一な溶液であり、
高沸点物質の副生も認められなかつた。 比較例 2 ベンゾイルマロン酸ジエチルを使用しなかつた
こと以外は実施例2と同様に実験を行なつたとこ
ろ、反応開始後4時間で反応器内に4.7gのハル
ツが蓄積した。また、反応開始後4時間の時点に
おけるTDIおよびTCIの溜出収率はそれぞれ35モ
ル%および15モル%であつた。 実施例 3〜14 活性水素を有する化合物の種類および使用量を
表−1に記載したように変更したこと以外は実施
例2と同様の実験を繰り返した。反応開始後4時
間経過時のTDI、TCIおよびDETCの溜出収率を
表−1に示す。
イソシアナートの製造法に関するものである。 イソシアナートは工業的には第一級アミンとホ
スゲンとの反応により製造されているが、ホスゲ
ンの毒性と反応中に生成する塩化水素の処理の問
題およびその腐蝕性の故に、ホスゲンを使用しな
いイソシアナートの製造技術の確立が望まれてお
り、すでにいくつかの方法が提案されている。 例えば、白金族金属触媒あるいはこれに助触媒
としてルイス酸、アミンなどを組み合わせた触媒
の存在下にニトロ化合物をカルボニル化すること
により対応するイソシアナートを製造する方法が
知られている。しかしながら、この方法は収率が
充分でないこと、高温・高圧の反応条件が必要で
あることなどの欠点があるため、現在まで工業化
されるに至つていない。 これに対して、白金族金属触媒またはセレン触
媒、あるいはこれらにアミン、ルイス酸などの助
触媒を組み合わせた触媒の存在下にニトロ化合物
をアルコールまたはフエノール中でカルボニル化
して得られるカルバミン酸エステルを熱分解する
ことによりイソシアナートを製造する方法が提案
されている。この方法は、比較的温和な条件でイ
ソシアナートが収率よく得られるという利点を有
しており、近年活発に研究が行なわれているが、
カルバミン酸エステルの熱分解反応に関しては今
なお充分に満足し得る成果が得られていない。 カルバミン酸エステルを熱分解するに際しての
最大の問題点は、生成するイソシアナートの反応
性が高く通常の熱分解反応の温度条件下でオリゴ
マー化したり、カルバミン酸エステルあるいは反
応中間体との反応により複雑な副生物が生成する
ことであり、このような副反応を抑制するため
に、減圧下、350〜550℃の温度条件で滞留時間を
15秒以内に抑えてカルバミン酸エステルを熱分解
する方法(特開昭50−117745)、あるいはカルバ
ミン酸エステルを不活性溶媒で稀釈して175〜350
℃程度の比較的低温度の条件で熱分解する方法
(特開昭50−30832)などが提案されている。これ
らの方法を採用することによりたしかにイソシア
ナートの収率は改善されるが、それでもなお充分
であるとは言えず、また特にジカルバミン酸エス
テルの熱分解によりジイソシアナートを得る場合
などの多価のイソシアナートを製造する場合には
高沸点物質の副生が多いという問題が依然として
残されている。 本発明者らは、カルバミン酸エステルを熱分解
してイソシアナートを製造する方法において、生
成するイソシアナートの副反応による高沸点物質
の生成を抑制し、収率よくイソシアナートを得る
方法について種々検討した結果、カルバミン酸エ
ステルを不活性溶媒中で、反応条件下で液体であ
り、かつ活性水素を有する化合物の存在下に熱分
解すれば高沸点物質の副生が激減することおよび
特定の活性水素を有する化合物を使用すればイソ
シアナートの収率も大幅に向上することを見い出
し、本発明を完成したものである。 本発明の目的は工業的有利にイソシアナートを
製造する方法を提供することにあり、この目的は
カルバミン酸エステルを不活性溶媒中で、反応条
件下で液体であり、かつ活性水素を有する化合物
の存在下に熱分解して対応するイソシアナートお
よびアルコールまたはフエノールを含有する混合
蒸気を発生させ、該混合蒸気よりイソシアナート
を凝縮分離することにより容易に達成し得る。 以下に本発明を詳細に説明する。 カルバミン酸エステルはイソシアナートとアル
コールまたはフエノールとの付加物のかたちで表
わされるが、本発明方法において使用されるカル
バミン酸エステルは一価、二価または三価の脂肪
族、芳香族、脂環族または脂肪芳香族のイソシア
ナートと一価乃至四価の脂肪族、芳香族または脂
環族のアルコールあるいはフエノールとの付加物
として表わされるものであり、これらはさらにハ
ロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、
アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、エーテ
ル基、チオエーテル基、カルボニル基などのイソ
シアナート基と反応しない置換基あるいはイソシ
アナート基を有していてもよい。 具体的には、メチルカルバニレート、エチルカ
ルバニレート、プロピルカルバニレート、ブチル
カルバニレート、ペンチルカルバニレート、ヘキ
シルカルバニレート、オクチルカルバニレート、
エチレンジカルバニレート、プロピレンジカルバ
ニレート、トリメチレンジカルバニレート、ヘキ
サメチレンジカルバニレート、グリセリルトリカ
ルバニレート、ペンタエリスリルテトラカルバニ
レート、エチルナフチル−1−カルバメート、エ
チルアントリル−1−カルバメート、エチルアン
トリル−9−カルバメート、ジエチルアントリレ
ン−9・10−ジカルバメート、ジエチルアントリ
レン−1・5−ジカルバメート、ジエチルナフタ
セニレン−5・6−ジカルバメート、ジエチルペ
ンタセニレン−6・13−ジカルバメート、エチル
−p−フエニルカルバニレート、エチレンビス−
(p−フエニルカルバニレート)、ジエチルフエニ
レン−1・3−ジカルバメート、ジエチルナフチ
レン−1・5−ジカルバメート、メチルイソプロ
ピルカルバメート、エチルメトキシメチルカルバ
メート、メチル−sec−ブチルカルバメート、エ
チル−3−クロルプロピルカルバメート、メチル
−t−ブチルカルバメート、エチル−t−オクチ
ルカルバメート、ジエチルテトラメチレンカルバ
メート、エチル−1−エチルシクロヘキシルカル
バメート、メチル−p−メチルカルバニレート、
エチル−p−トリフルオルメチルカルバニレー
ト、イソプロピル−m−クロルカルバニレート、
エチル−2−メチル−5−ニトロカルバニレー
ト、エチル−4−メチル−3−ニトロカルバニレ
ート、エチル−4−メチル−3−イソシアナトカ
ルバニレート、メチレンビス−(4−エチルカル
バニレート)、ジメチルトリレン−2・4−ジカ
ルバメート、ジメチルトリレン−2・6−ジカル
バメート、ジエチルトリレン−2・4−ジカルバ
メート、ジエチルトリレン−2・6−ジカルバメ
ート、ジイソプロピルトリレン−2・4−ジカル
バメート、ジイソプロピルトリレン−2・6−ジ
カルバメート、ジ−n−プロピルトリレン−2・
4−ジカルバメート、ジブチルトリレン−2・4
−ジカルバメート、ジアミルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジヘキシルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジフエニルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジナフチルトリレン−2・4−
ジカルバメート、ジ(エトキシエチル)トリレン
−2・4−ジカルバメート、ジエチル−4−クロ
ルフエニレン−1・3−ジカルバメート、メチル
−p−ブトキシカルバニレート、エチル−p−ア
セチルカルバニレート、トリエチルベンゼントリ
イル−1・3・5−トリカルバメートなどが挙げ
られる。 本発明方法において使用される不活性溶媒は、
少くとも原料であるカルバミン酸エステルおよび
生成するイソシアナートと反応しないこと、後述
する活性水素を有する化合物を溶解することなら
びに反応条件下で液体であることの各条件を満足
する溶媒より選択される。特に、常圧における沸
点が200℃以上であり、好ましくは沸点が生成す
るイソシアナートよりも40℃以上高い溶媒が好適
であり、できれば反応系を均一な液相とし得る溶
媒が望ましい。具体的には、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカン、流動パラフイン、パラフイ
ンワツクス等の高級アルカン、これらに対応する
アルケンおよび潤滑油、研削油等に常用されるパ
ラフイン系石油溜分などの脂肪族炭化水素、ナフ
テン系石油溜分などの脂環族炭化水素、ドデシル
ベンゼン、ジブチルベンゼン、メチルナフタレ
ン、フエニルナフタレン、ビフエニル、ジフエニ
ルメタン、テルフエニルおよび熱媒体として常用
される芳香族石油溜分などの芳香族炭化水素、さ
らには軽油などの上述の炭化水素の混合物あるい
はクロルナフタレン、ニトロビフエニルなどのイ
ソシアナートと反応しない置換基を有する炭化水
素、ジフエニルエーテル、ジベンジルエーテル、
メチルナフチルエーテルなどのエーテル、ジフエ
ニルチオエーテルなどのチオエーテル、ベンゾフ
エノン、フエニルトリルケトン、ジベンジルケト
ンなどのケトン、ジフエニルスルホキシなどのス
ルホキシド、動・植物油、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、ベンジルベンゾエートな
どのエステル、ジフエニルスルホンなどのスルホ
ン、シリコン油などのシラン類が挙げられる。こ
れらの不活性溶媒の使用量については特に制限は
ないが、通常、原料であるカルバミン酸エステル
に対して0.1〜100重量倍の範囲内で選択される。
また、連続的に熱分解反応を行なう場合には、不
活性溶媒の一部が溜出することがあるので、その
際は原料とともに不活性溶媒を補給することが好
ましい。 本発明方法において活性水素を有する化合物と
して使用し得るのは、活性メチレン化合物あるい
は活性メチン化合物と称されるような炭素原子に
結合した活性水素を有する化合物、酸素原子、窒
素原子、珪素原子または硫黄原子に結合した活性
水素を有する化合物である。 活性メチレン化合物または活性メチン化合物と
しては、下記一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカル
ボニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、または
少くとも1個の電子吸引性基により置換されたフ
エニル基を表わし、R2およびR3はアシル基、ア
ルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボ
ニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコキ
シカルボニル基、シアノ基、ニトロ基または少く
とも1個の電子吸引性基により置換されたフエニ
ル基を表わす。〕 で示される化合物が用いられる。具体的には、ア
セチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセト酢
酸エチル等のアセト酢酸エステル、マロン酸ジエ
チル等のマロン酸ジエステル、ベンゾイルマロン
酸ジエチル等のベンゾイルマロン酸ジエステル、
フエニルマロン酸ジエチル等のフエニルマロン酸
ジエステル、シアノ酢酸エチル等のシアノ酢酸エ
ステル、トリス(2・4−ジクロルフエニル)メ
タン、ジベンゾイルメタンなどが挙げられる。 酸素原子に結合した活性水素を有する化合物と
しては、ラウリルアルコール、ステアリルアルコ
ール、クエン酸トリ−n−プチル、ベンゾイン等
のアルコール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、o−フエニルフエノール、4・4′−ジヒドロ
キシジフエニル、β−ナフトール等のフエノー
ル、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノ
ンオキシム等のオキシム、N−ベンゾイル−N−
フエニルヒドロキシルアミン等のN−置換ヒドロ
キシルアミンが挙げられる。 これらの活性水素を有する化合物は、その沸点
がカルバミン酸エステルの熱分解により生成する
イソシアナートの沸点よりも高いことが好まし
く、特に40℃以上高いものが好適である。なかで
も、アルコールまたはフエノールを使用する場合
は、常圧における沸点が200〜400℃のものを使用
することが望ましい。 活性水素を有する化合物の使用量は不活性溶媒
の使用量に対し0.001〜100重量%、好ましくは
0.01〜10重量%である。本発明方法を連続的に実
施する場合には、カルバミン酸エステルの反応系
への導入速度1mol/hrに対して0.001〜10molの
活性水素を有する化合物が反応系に存在している
ことが好ましく、活性水素を有する化合物がイソ
シアナートとともに留出する場合には、留出量に
みあう量を反応系に補給して反応系中の活性水素
を有する化合物の量を一定に保つことが望まし
い。 本発明方法においては、原料であるカルバミン
酸エステルを十分に溶解し、生成するイソシアナ
ートよりも沸点の低い不活性な溶媒をさらに使用
するのが好ましい。前述した不活性溶媒が、高沸
点であつて反応系内に実質的に液体として存在し
ているのに対して、ここで述べる溶媒は最終的に
は気化して反応系外に取り出されるという挙動の
相違がある。本発明においてはここで述べる溶媒
を前述した不活性溶媒と区別するために搬送溶媒
と言う。搬送溶媒を使用するにあたつては、通
常、カルバミン酸エステルを搬送溶媒に溶解して
均一な溶液として反応系に供給するが、別個に供
給してもよい。また、適切な搬送溶媒を使用する
ことにより反応系において、特にカルバミン酸エ
ステルあるいは生成するイソシアナートの不活性
溶媒に対する溶解度が十分でない場合には、カル
バミン酸エステルあるいはイソシアナートの溶解
性を確保して反応液を均一に保つことができる。
搬送溶媒のもう一つの重要な役割は反応系におい
て気化し、反応により生成するイソシアナートあ
るいはアルコールまたはフエノールを反応系外に
搬送することであり、搬送溶媒の使用量の増減に
よりイソシアナートの反応系内における滞留時間
を調節することができる。 搬送溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、、デカンなどのアルカ
ンあるいはこれらに対応するアルケン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、
ナフタレン、ニトロベンゼン、クロルベンゼンな
どのイソシアナートに対して不活性な置換基によ
り置換されていてもよい芳香族炭化水素、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタ
ンなどの脂環族炭化水素、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど
のエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、ア
セトフエノンなどのケトンが用いられ、特に芳香
族化合物およびエーテルあるいはこれらの混合物
が好ましい。 また、イソシアナートの搬送剤として上記の溶
媒のほかに、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化
炭素、メタン、エタン、プロパンなどのイソシア
ナートに対して不活性なガスを使用することもで
きる。これらの搬送用ガスは反応液中に吹き込む
ことにより使用される。 本発明方法においては、特に触媒の存在を必ず
しも必要としないが、周期律表1B族、2B族、3B
族、4B族、5A族、5B族、6A族、6B族、7A族お
よび8族に属する元素の単体および化合物などの
通常のカルバミン酸エステル分解用触媒を使用す
ることもできる。 本発明方法によりカルバミン酸エステルを熱分
解するにあたり必要な温度は、通常175〜400℃、
好ましくは200〜300℃であり、圧力は上記反応温
度において、生成するイソシアナートが気化し得
る圧力が選択される。通常は常圧〜10mmHgの圧
力が行なわれるが、場合により加圧条件下で行な
うこともできる。 かくしてカルバミン酸エステルは熱分解されて
効率よく対応するイソシアナートとアルコールま
たはフエノールが生成し、生成したイソシアナー
トとアルコールまたはフエノールはまもなく蒸気
となり、場合により搬送溶媒の蒸気あるいはさら
に搬送用不活性ガスにより搬送されて反応系外に
取り出される。系外に取り出された混合蒸気はそ
れぞれの溜分の凝縮温度の差により、少くともイ
ソシアナートとアルコールまたはフエノールは凝
縮分離される。搬送溶媒を使用した場合には、搬
送溶媒はその種類によりイソシアナートあるいは
アルコールまたはフエノールとともに凝縮するこ
とがあるが、かかる場合は蒸溜により搬送溶媒を
分離することにより再使用することができる。 以上詳述したように本発明方法に従つてカルバ
ミン酸エステルの熱分解を行なえば、高い反応速
度で高沸点物質の副生を抑制して収率よくイソシ
アナートを得ることが可能であり、特に多価のイ
ソシアナートを製造する場合に有利である。 次に本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例 1 内容積100mlの四ツ口フラスコにトリアリール
ジメタン異性体混合物(ヒユールス社製、商標;
マロサームS)50mlおよびp−ヒドロキシ安息香
酸ベンジル1.5g(6.5mmol)を仕込み、温度コ
ントロール型オイルバス中に設置した。フラスコ
には原料装入管、窒素ガス導入管、K字管(長さ
20cm、内径2.5cmの蒸溜管)および温度計を装着
した。オイルバスを昇温し温度調節器によりフラ
スコ内の反応液の温度を250℃に保持し、原料装
入管からジエチルトリレン−2・4−ジカルバメ
ートの0.1g/mlジオキサン溶液を注射器型マイク
ロフイーダーを用いて6.0ml/hr(60g/hr)の割
合で装入した。これと同時に窒素ガスを20/hr
の割合で導入管から反応液中に吹き込んだ。K字
管に塔頂には温度計および水冷式コンデンサーを
装着し、溜出ガスの一部を液化させて目盛付フラ
スコに捕集した。エタノールはコンデンサーでは
液化されないので−78℃に冷却した蛇管型トラツ
プで液化捕集した。反応中のK字管の塔頂温度は
約120℃であつた。 反応開始後、一定時間ごとにサンプリングを行
ない、目盛付フラススコに得られた生成液を赤外
線吸収スペクトルおよび高速液体クロマトグラフ
イにより分析したところ、約2時間後に定常状態
となつた。 反応開始後150分における溜出収率は、トリレ
ン−2・4−ジイソシアナート(以下、TDIとい
う。)39モル%、エチル−4−メチル−3−イソ
シアナトカルバニレート(以下、TCIという。)
57モル%およびジエチルトリレン−2・4−ジカ
ルバメート(以下、DETCという。)4モル%で
あつた。 また、フラスコ内の反応液は反応中および反応
終了後において均一な黄褐色溶液であり、反応終
了後、該溶液を高速液体クロマトグラフイーで分
析したところ、不活性溶媒およびp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジルとTDIとの付加物に基くピーク
以外は溜出液のピークと一致し、高沸点副生物の
生成は認められなかつた。 比較例 1 p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルを使用しなか
つたこと以外は実施例1と同様に実験を行なつ
た。 反応開始後約1時間で黄褐色ないし赤褐色の沈
澱物がフラスコの内壁に付着し始め、反応の継続
に従い沈澱物の量は増加した。反応終了後の釜残
は多量の副生物のために固化し、高速液体クロマ
トグラフイーのデータも極めて複雑な吸収ピーク
を示し、多種類の副生物の存在が認められた。 一方、溜出収率は初期は20〜30モル%であつた
が、反応を継続するにつれて徐々に低下し、約3
時間経過後には10モル%程度となつた。なお、反
応開始150分後のTDI、TCIおよびDETCの溜出
収率はそれぞれ8モル%、10モル%および1モル
%であつた。 実施例 2 原料装入管、窒素ガス導入管、カラム充填型蒸
留管(長さ30cm)、温度計および撹拌棒を備えた
内容積300mlの耐熱ガラス(パイレツクス、商
標)製円筒型五ツ口反応器に実施例1で使用した
ものと同じ不活性溶媒100mlおよびベンゾイルマ
ロン酸ジエチル15g(6.6mmol)を仕込み、電熱
ヒータ中に設置した。 反応温度を250℃に設定し、DETC10重量%の
ジオキサン溶液を60ml/hr(60g/hr)の割合で導
入し、同時に窒素ガスを20/hrの割合で反応液
中に導入して反応を開始した。なお、蒸留管の塔
頂は保温することにより180℃に一定に保持し
た。 反応開始後約3時間で単位時間当りの溜出液中
の各生成物量は一定となり、熱分解反応が定常状
態に達した。反応開始後4時間経過時のTDI、
TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞれ69モル
%、23モル%および1モル%であつた。 反応開始後10時間を経過しても溜出収率は低下
せず、また反応液は黄褐色の均一な溶液であり、
高沸点物質の副生も認められなかつた。 比較例 2 ベンゾイルマロン酸ジエチルを使用しなかつた
こと以外は実施例2と同様に実験を行なつたとこ
ろ、反応開始後4時間で反応器内に4.7gのハル
ツが蓄積した。また、反応開始後4時間の時点に
おけるTDIおよびTCIの溜出収率はそれぞれ35モ
ル%および15モル%であつた。 実施例 3〜14 活性水素を有する化合物の種類および使用量を
表−1に記載したように変更したこと以外は実施
例2と同様の実験を繰り返した。反応開始後4時
間経過時のTDI、TCIおよびDETCの溜出収率を
表−1に示す。
【表】
【表】
実施例 15
活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、窒素ガスの
導入量を40/hrに変更したこと以外は実施例2
と同様に実験を行なつた。その結果、反応開始後
4時間経過時の溜出収率はTDI55モル%、TCI29
モル%、DETC1モル%であつた。 実施例 16 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、DETC10重
量%のジオキサン溶液の装入量を120ml/hr(120
g/hr)に変更したこと以外は実施例2と同様に
実験を行なつた。その結果、TDI、TCIおよび
DETCの反応開始後4時間経過時の溜出収率はそ
れぞれ44モル%、33モル%および3モル%であつ
た。 実施例 17 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、DETCをテ
トラヒドロフランの10重量%溶液として60ml/hr
(52.5g/hr)で装入したこと以外は実施例2と同
様に実験を行なつた結果、反応開始後4時間経過
時のTDI、TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞ
れ32モル%、35モル%および1モル%であつた。 実施例 18 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、反応温度を
225℃に変更したこと以外は実施例2と同様に実
験を行なつた結果、反応開始後4時間経過時の
TDI、TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞれ13
モル%、17モル%および2モル%であつた。 実施例 19 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、反応液中に
アルミニウムトリエトキシド0.5mmolを添加した
こと以外は実施例2と同様に実験を行なつた結
果、反応開始後4時間経過時のTDI、TCIおよび
DETCの溜出収率はそれぞれ49モル%、36モル%
および2モル%であつた。
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、窒素ガスの
導入量を40/hrに変更したこと以外は実施例2
と同様に実験を行なつた。その結果、反応開始後
4時間経過時の溜出収率はTDI55モル%、TCI29
モル%、DETC1モル%であつた。 実施例 16 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、DETC10重
量%のジオキサン溶液の装入量を120ml/hr(120
g/hr)に変更したこと以外は実施例2と同様に
実験を行なつた。その結果、TDI、TCIおよび
DETCの反応開始後4時間経過時の溜出収率はそ
れぞれ44モル%、33モル%および3モル%であつ
た。 実施例 17 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、DETCをテ
トラヒドロフランの10重量%溶液として60ml/hr
(52.5g/hr)で装入したこと以外は実施例2と同
様に実験を行なつた結果、反応開始後4時間経過
時のTDI、TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞ
れ32モル%、35モル%および1モル%であつた。 実施例 18 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、反応温度を
225℃に変更したこと以外は実施例2と同様に実
験を行なつた結果、反応開始後4時間経過時の
TDI、TCIおよびDETCの溜出収率はそれぞれ13
モル%、17モル%および2モル%であつた。 実施例 19 活性水素を有する化合物としてp−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル6.6mmolを使用し、反応液中に
アルミニウムトリエトキシド0.5mmolを添加した
こと以外は実施例2と同様に実験を行なつた結
果、反応開始後4時間経過時のTDI、TCIおよび
DETCの溜出収率はそれぞれ49モル%、36モル%
および2モル%であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 カルバミン酸エステルを不活性溶媒中で、反
応条件下で液体であり、かつ活性水素を有する化
合物の存在下に熱分解して対応するイソシアナー
トおよびアルコールもしくはフエノールを含有す
る混合蒸気を発生させ、該混合蒸気よりイソシア
ナートを凝縮分離することを特徴とするイソシア
ナートの製造法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
活性水素を有する化合物が一般式〔〕 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカル
ボニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基または少
くとも1個の電子吸引性基により置換されたフエ
ニル基を表わし、R2およびR3はアシル基、アル
コキシカルボニル基、、シクロアルコキシカルボ
ニル基、アリーロキシカルボニル基、アラルコキ
シカルボニル基、シアノ基、ニトロ基または少く
とも1個の電子吸引性基により置換されたフエニ
ル基を表わす。〕 で示される化合物であるイソシアナートの製造
法。 3 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
活性水素を有する化合物がβ−ジカルボニル化合
物であるイソシアナートの製造法。 4 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
活性水素を有する化合物が酸素原子に結合した活
性水素を有する化合物であるイソシアナートの製
造法。 5 特許請求の範囲第4項記載の方法において、
酸素原子に結合した活性水素を有する化合物がア
ルコールであるイソシアナートの製造法。 6 特許請求の範囲第4項記載の方法において、
酸素原子に結合した活性水素を有する化合物がフ
エノール類であるイソシアナートの製造法。 7 特許請求の範囲第4項記載の方法において、
酸素原子に結合した活性水素を有する化合物がN
−置換ヒドロキシルアミンまたはオキシムである
イソシアナートの製造法。 8 特許請求の範囲第1項〜第7項記載の方法に
おいて、カルバミン酸エステルの熱分解を175〜
400℃の温度条件下で行なうイソシアナートの製
造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10401577A JPS5439002A (en) | 1977-08-30 | 1977-08-30 | Preparation of isocyanates |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10401577A JPS5439002A (en) | 1977-08-30 | 1977-08-30 | Preparation of isocyanates |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5439002A JPS5439002A (en) | 1979-03-24 |
| JPS6113463B2 true JPS6113463B2 (ja) | 1986-04-14 |
Family
ID=14369427
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10401577A Granted JPS5439002A (en) | 1977-08-30 | 1977-08-30 | Preparation of isocyanates |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5439002A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3215591A1 (de) * | 1982-04-27 | 1983-10-27 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zur kontinuierlichen thermischen spaltung von carbamidsaeureestern |
| JP3083039B2 (ja) * | 1994-03-18 | 2000-09-04 | 三菱瓦斯化学株式会社 | イソシアネート類の製造方法 |
| US8895774B2 (en) | 2008-05-15 | 2014-11-25 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Process for producing isocyanates using diaryl carbonate |
| KR20130127550A (ko) | 2008-05-15 | 2013-11-22 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 이소시아네이트의 제조 방법 |
| JP7165509B2 (ja) * | 2018-05-15 | 2022-11-04 | 旭化成株式会社 | イソシアネートの製造方法 |
-
1977
- 1977-08-30 JP JP10401577A patent/JPS5439002A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5439002A (en) | 1979-03-24 |
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