JPS6154105B2 - - Google Patents
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- JPS6154105B2 JPS6154105B2 JP56114170A JP11417081A JPS6154105B2 JP S6154105 B2 JPS6154105 B2 JP S6154105B2 JP 56114170 A JP56114170 A JP 56114170A JP 11417081 A JP11417081 A JP 11417081A JP S6154105 B2 JPS6154105 B2 JP S6154105B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明は、表面精度の高い磁気デイスク用基盤
用の素材となるAl基合金板の製造法に関するも
のである。 従来から電子計算機の記憶媒体として利用され
ている磁気デイスクは、Al基合金板の表面を切
削加工して所定の厚さにし、更に精密切削若しく
は精密研磨して得られる基盤の表面に磁性体薄膜
を塗布したものであり、磁気デイスク用基盤には
一般に次の様な特性が要求される。 (1) 精密研磨若しくは精密切削後の表面精度が良
好であること、即ち基盤全体のひずみや微小ウ
ネリがないこと。 (2) 一定厚の磁性体薄膜を形成するうえで悪影響
を及ぼす突起や穴等の表面欠陥がなく且つ小さ
いこと。またたとえ微細な欠陥であつてもそれ
らが局部的に集中していないこと。 (3) 使用時の高速回転に充分耐え得る機械的強度
を有していること。 (4) 必磁性、軽量であること。 (5) ある程度の耐食性及び耐熱性を有しているこ
と。 一方磁気デイスク基盤用として現在最も多用さ
れているのは5086合金であるが、近年磁気デイス
クに対する大容量化及び高記録密度化の要請は
益々強くなつて1ビツト当りの磁化領域は微小化
されており、且つ磁性体膜の薄肉化及び磁気ヘツ
ドの浮上高さの減少化も進んでいる。しかし5086
合金では、前記諸特性のうち表面精度及び表面欠
陥の点で高密度化に適合し得る様な基盤は得られ
ない。 本発明者等は上記の様な状況のもとで、かねて
より磁気デイスク基盤用Al基合金の表面精度を
高めるべく研究を進めており、前述の如き塗布タ
イプの磁気デイスク基盤用Al基合金板としては
一応目的を満足する製造法を確立し、先に特許出
願を行なつた(特願昭55−9107及び特願昭56−
71195)。しかしながら近年の磁気デイスク高密度
化に対する要求は一段と厳しさを増しており、か
かる要求に対処する為、前述の如く精密切削又は
精密研磨を行なつた後5μm程度の厚さで陽極酸
化し、更に仕上げ研磨して陽極酸化層を3μm程
度とした後、その上に磁性体薄膜をスパツタする
処理法へ移行しつつある。しかして陽極酸化を行
なうと、デイスク基盤の表面硬化をAl基合金だ
けの場合よりも著しく高めることができ、研磨に
よつて表面精度を大幅に高め得るからである。 即ち、Al基合金を精密切削又は精密研磨した
後Al基合金上に磁性体薄膜を塗布する方式で
は、Al基合金板の表面硬度は如何にしてもHv=
50〜70程度(軟質材)にしかならず、表面精度を
高めるにしても自ずと限界がある。これに対し
Al基合金板を精密切削又は精密研磨した後陽極
酸化を行ない、再び仕上げ精密研磨を行なうと、
表面硬度がHv=100以上となる為、Al基合金だけ
の場合に比べて表面硬度を著しく高めることがで
きる。この様にAl基合金板に対して陽極酸化を
施す方式は、磁気デイスクの高記録密度化の要請
に答えるうえで極めて有効な方式と言える。 本発明者等は上記の様な知見を基に、陽極酸化
方式の採用によつて卓越した表面精度を得ること
ができるAl基合金板の開発を期して研究を進め
た。その結果、陽極酸化方式を適用する為には、
以上に列挙する様な新たな問題を解決する必要が
あるという結論に達した。 (1) 強度向上の為にはMgを添加する必要がある
が、Al−高Mg合金を急速凝固させると粒界に
β相(Al2Mg3)の偏析をみることがある。鋳造
時に形成されるこのβ相は、単に精密切削又は
精密研磨した後磁性体膜を塗布するときには全
く問題にならない。しかし陽極酸化を行なう
と、β相が溶出して穴欠陥となる為、その様な
陽極酸化皮膜を仕上げ精密研磨しても良好な表
面精度は得られない。 (2) 陽極酸化時にAl−(Fe、Mn、Cr)x系晶出
物の周囲が溶解するので、これらの晶出物が大
きいと仕上げ精密研磨の表面精度が低下する。 (3) 陽極酸化等にMg2Si系の晶出物自体及びその
周囲が溶解し、仕上げ研磨後の表面精度を著し
く低下させる。 本発明は、陽極酸化方式の採用に伴なう上記の
様な問題を解消し、表面精度の優れた磁気デイス
ク基盤用Al基合金板の製造法を確立すべく鋭意
研究の結果完成されたものであつて、その構成
は、合金元素としてMg:2.0〜3.5%(重量%、
以下同じ)を必須的に含み、Ti:0.004〜0.08%
とB:0.0005〜0.01%を選択的に含有するほか、
Fe、Mn、Si及びCrを夫々0.1%以下に抑制した
Al基合金溶湯を用いて板厚が4〜10mmとなる様
に連続鋳造を行ない、該鋳造板を500〜550℃で1
〜48時間焼鈍した後、30%以上の加工率で冷間圧
延するか、或いは上記と同様にして得た鋳造板を
25%以上の加工率で冷間圧延した後400〜550%で
1〜48時間焼鈍し、更に30%以上の加工率で冷間
圧延するところに要旨が存在する。 まず本発明で規定する合金元素について説明す
る。 Mgはデイスク用基盤に所定の機械的強度を与
えるのに不可欠の成分であり、少なくとも2.0%
以上含有させなければならない。しかし多すぎる
と鋳造時にβ相が形成され易くなり、デイスク基
盤を切削して陽極酸化を行なつたときにβ相が過
度に溶解してくぼみとなり、仕上げ研磨後の表面
精度が著しく低下する。Mgが3.5%以下であれば
鋳造時にβ相は殆んど形成されず、万一形成され
たとしても後述する焼鈍工程でMgが拡散しβ相
は消失する。即ちAl基合金中のMg量が3.5%以下
のものでは陽極酸化時にはβ相は存在せず、その
後の仕上げ研磨で良好な表面精度を得ることがで
きる。 Ti及びBは鋳造物の組織を微細化しミクロ偏
析を防止するのに有効な元素で、これらの効果を
有効に発揮させる為にはTi:0.004%以上及び
B:0.0005%以上を単独或いは併用して添加する
ことが望まれる。しかしTiが0.08%、Bが0.01%
を越えると、電気化学的吸着現象を応用したフイ
ルターによる溶湯通過処理段階で過剰分が殆んど
除去されてしまうから、これ以上の添加は無駄で
ある。 Fe、Mn、Crは何れも鋳造時にAl−(Fe、
Mn、Cr)x系晶出物を形成し、デイスク基盤切
削後の電解酸化を行なう際に、晶出物の周囲が溶
解し表面精度を低下させる。従つてAl−(Fe、
Mn、Cr)x系晶出物の数及び大きさは極力減ら
す必要があり、何れも0.1%以下としなければな
らない。 SiはMg2Siの晶出物を形成し易く、Mg2Siは陽
極酸化時にそれ自体が溶解すると同時に周囲も溶
解し、表面精度を低下させる。従つて0.1%以下
に抑える必要がある。 尚、本発明で使用されるAlは99.8%以上の純度
を有するものであり、Al中に不可避的に含まれ
るCu、Zn等は不純物量程度である限り、晶出物
の粗大化は認められず、また陽極酸化時の欠陥も
認められず、実害はない。 本発明では上記成分粗成のAl基合金を溶解し
た後、電気化学的吸着現象を応用したフイルター
を常法に従つて通過させて溶湯中の非金属介在物
を除去し、更に連続鋳造を行なうが、目的達成の
為には連続鋳造工程で板厚を4〜10mmにしなけれ
ばならない。従来の連続鋳造では厚さが300〜600
mm程度のスラブを得るのが通例である。ところが
本発明者等が実験により確認した結果では、スラ
ブが厚肉であると急冷が困難になり、徐冷凝固段
階で晶出物が成長するから、合金組成を如何に調
整してみても晶出物の大きさを2.5μm以下に微
細化することができない。ところが連続鋳造工程
で板厚を10mm以下に設定すると、鋳造板が極めて
急速に冷却される結果、晶出物を著しく微細化で
きると同時に微細化元素の添加効果とも相まつて
結晶粒を微細化することができる。ちなみに従来
の連続鋳造で得たスラブ厚さが300〜600mm程度の
ものの晶出物サイズは約12mm程度であるのに対
し、厚さを10mm以下に設定すると冷却速度を10倍
以上に高めることができ、それに伴なつて晶出物
サイズは2.5μm以下になる。しかも微細化元素
の添加効果と相まつて結晶粒が微細化する為、晶
出物のミクロ偏析も殆んど起らない。 従つてその後冷間圧延したAl基合金板は、極
めて微細な晶出物が均一に分散した状態で得るこ
とができ、これを機械加工及び研磨加工しても、
粗大晶出物に起因する凹凸やミクロ偏析に起因す
るさざ波現象を生じる恐れがない。 尚上記の様な急速凝固法を採用する場合には、
凝固組織中にβ相が形成され易いが、これについ
ては前述の如くMgの添加量を3.5%以下とするこ
とで解決可能であり、また万一若干形成されたと
しても3.5%以下であるならば、後述する焼純工
程で消失させることができる。また連続鋳造時に
起こりがちなサーフエス・ライン・パターン及び
鋳造物と潤滑むらに起因するマクロ組織の局部的
むらは、以下に述べる焼鈍条件及び冷間圧延条件
の組み合わせによつて解決することができる。尚
通常の300〜600mm厚の鋳塊では5〜80mm程度の面
削を行なう為、上記2点に起因する問題が生じて
も面削時に削り取られてしまうので、その後の圧
延工程ではもはや全く問題にならない。しかし本
発明の如く鋳造厚を4〜10mmにしたものでは、面
削によつて除去し得る表層厚さは極く僅かであ
り、面削による問題解決は期待することができ
ず、何らかの対策を講ずる必要がある。更にデイ
スク基盤としての加工々程中、軟質材とした後に
行なう仕上研磨或いは仕上切削時に、材料の結晶
粒が粗大であつたり不均一であると、仕上研磨或
いは仕上切削後の表面精度が低下する傾向がみら
れる。これらの問題を未然に防止する為には、軟
質材としたときの結晶粒径を0.045mm以下にする
必要がある。 これらの要請に対しては以下に示す2つの方法
によつて目的を達成することができる。 〔1〕 前記4〜10mm厚の鋳造板を500〜550℃で1
〜48時間焼鈍し、次いで30%以上の加工々程で
所定厚さまで冷間圧延する方法。 〔2〕 前記4〜10mm厚の鋳造板を25%以上の加工
率で冷間圧延した後、400〜550℃で1〜48時間
中間焼鈍し、更に30%以上の加工率で所定厚さ
まで冷間圧延する方法。 上記〔1〕の方法においては、焼鈍温度が500
℃未満では微細析出物が析出し、鋳造時のマクロ
組織の局部むらを、無害化することができず、一
方550℃を越えると局部溶融が生じる。焼鈍時間
は1〜48時間の範囲に設定しなければならない。
即ち1時間未満では上記局部むらを、無害化する
ことができず、一方48時間を越えてもそれぞれ以
上の効果は得られない。焼鈍後の加工率が高い程
再結晶粒は微細になり、目標程度の結晶粒径を確
保する為には加工率を30%以上にしなければなら
ない。 また上記〔2〕の方法によれば、焼鈍の前・後
で冷間圧延を行なうことにより焼鈍温度の低下が
可能になる。即ち中間焼鈍の前に冷間圧延を行な
うと中間焼鈍工程で結晶粒が微細化し、マクロ組
織の局部むらに起因する問題が抑制される。但し
この様な効果を確保する為には加工率を25%以上
にしなければならず、これ未満の加工率では目的
を達成できない。中間焼鈍は〔1〕の方法に比べ
て低温を採用することができるが、400℃未満で
は微細析出物が多量析出して中間焼鈍時の再結晶
粒が粗大且つ不均一になり、マクロ組織の局部む
らを無害化し得なくなるほか、「冷間圧延+軟質
化焼鈍」後の再結晶粒が著しく粗大になる。一方
中間焼鈍温度が550℃を越えると〔1〕の場合と
同様局部溶融が生じる。中間焼鈍時間は1時間以
上でなければ上記の効果が有効に発揮されず、一
方48時間を越えると再結晶粒が粗大化し目標を達
成できなくなる。また中間焼鈍後の冷間加工量も
大きいほど再結晶粒が微細になり、前記マクロ組
織の局部むらを解消するのに有効である。そして
デイスク基盤用として十分な表面精度を確保すべ
く結晶粒を0.045μm以下にする為には、このと
きの加工率を30%以上にしなければならない。従
つて〔2〕の方法を実施する場合は鋳造板の板厚
と最終製品の板厚を考慮し、中間焼鈍の前後にお
ける冷間加工率が夫々上記要件を満足する様にし
なければならない。 この様に鋳造後の焼鈍及び冷間圧延条件を適正
にコントロールすることにより、鋳造工程で生じ
たサーフエス・ライン・パターン及び潤滑むらに
起因するマクロ組織の局部むらを無害化し、更に
微量生成する可能性のあるβ相も完全に消失させ
ることができる。 本発明は概略以上の様に構成されており、添加
合金元素の種類及び添加量、連続鋳造による最終
板厚の薄肉化を行なうことによつて、マクロ組織
を微細化しミクロ偏析を激減すると共にβ相の形
成を防止し、且つ鋳造後の焼鈍及び冷間圧延条件
を設定することによつてマクロ組織の局所むらを
無害化することに成功した。従つてこのAl基合
金板を切削加工若しくは研磨加工した後陽極酸化
を行ない、次いで仕上げ研磨することにより表面
精度の極めて高い磁気デイスク基盤を得ることが
でき、磁気デイスクの高記録密度化の要請に応え
得ることになつた。 次に本発明の実施例を示す。 実施例 第1表に示す組成A(本発明材)及びB(比較
材)のAl基合金溶湯を、常法に従つて電気化学
的吸着現象を応用したフイルターで処理し、非金
属介在物を除去した後、6.6mmの板厚に連続鋳造
した。尚、鋳造板の表面結晶粒は、微細化剤の添
加によつて、0.055mmとなる様に調整した。これ
らの鋳造板を4.2mm厚まで冷間圧延し、450℃で4
時間焼鈍を行なつた後、更に2.2mmtまで冷間圧延
した。
用の素材となるAl基合金板の製造法に関するも
のである。 従来から電子計算機の記憶媒体として利用され
ている磁気デイスクは、Al基合金板の表面を切
削加工して所定の厚さにし、更に精密切削若しく
は精密研磨して得られる基盤の表面に磁性体薄膜
を塗布したものであり、磁気デイスク用基盤には
一般に次の様な特性が要求される。 (1) 精密研磨若しくは精密切削後の表面精度が良
好であること、即ち基盤全体のひずみや微小ウ
ネリがないこと。 (2) 一定厚の磁性体薄膜を形成するうえで悪影響
を及ぼす突起や穴等の表面欠陥がなく且つ小さ
いこと。またたとえ微細な欠陥であつてもそれ
らが局部的に集中していないこと。 (3) 使用時の高速回転に充分耐え得る機械的強度
を有していること。 (4) 必磁性、軽量であること。 (5) ある程度の耐食性及び耐熱性を有しているこ
と。 一方磁気デイスク基盤用として現在最も多用さ
れているのは5086合金であるが、近年磁気デイス
クに対する大容量化及び高記録密度化の要請は
益々強くなつて1ビツト当りの磁化領域は微小化
されており、且つ磁性体膜の薄肉化及び磁気ヘツ
ドの浮上高さの減少化も進んでいる。しかし5086
合金では、前記諸特性のうち表面精度及び表面欠
陥の点で高密度化に適合し得る様な基盤は得られ
ない。 本発明者等は上記の様な状況のもとで、かねて
より磁気デイスク基盤用Al基合金の表面精度を
高めるべく研究を進めており、前述の如き塗布タ
イプの磁気デイスク基盤用Al基合金板としては
一応目的を満足する製造法を確立し、先に特許出
願を行なつた(特願昭55−9107及び特願昭56−
71195)。しかしながら近年の磁気デイスク高密度
化に対する要求は一段と厳しさを増しており、か
かる要求に対処する為、前述の如く精密切削又は
精密研磨を行なつた後5μm程度の厚さで陽極酸
化し、更に仕上げ研磨して陽極酸化層を3μm程
度とした後、その上に磁性体薄膜をスパツタする
処理法へ移行しつつある。しかして陽極酸化を行
なうと、デイスク基盤の表面硬化をAl基合金だ
けの場合よりも著しく高めることができ、研磨に
よつて表面精度を大幅に高め得るからである。 即ち、Al基合金を精密切削又は精密研磨した
後Al基合金上に磁性体薄膜を塗布する方式で
は、Al基合金板の表面硬度は如何にしてもHv=
50〜70程度(軟質材)にしかならず、表面精度を
高めるにしても自ずと限界がある。これに対し
Al基合金板を精密切削又は精密研磨した後陽極
酸化を行ない、再び仕上げ精密研磨を行なうと、
表面硬度がHv=100以上となる為、Al基合金だけ
の場合に比べて表面硬度を著しく高めることがで
きる。この様にAl基合金板に対して陽極酸化を
施す方式は、磁気デイスクの高記録密度化の要請
に答えるうえで極めて有効な方式と言える。 本発明者等は上記の様な知見を基に、陽極酸化
方式の採用によつて卓越した表面精度を得ること
ができるAl基合金板の開発を期して研究を進め
た。その結果、陽極酸化方式を適用する為には、
以上に列挙する様な新たな問題を解決する必要が
あるという結論に達した。 (1) 強度向上の為にはMgを添加する必要がある
が、Al−高Mg合金を急速凝固させると粒界に
β相(Al2Mg3)の偏析をみることがある。鋳造
時に形成されるこのβ相は、単に精密切削又は
精密研磨した後磁性体膜を塗布するときには全
く問題にならない。しかし陽極酸化を行なう
と、β相が溶出して穴欠陥となる為、その様な
陽極酸化皮膜を仕上げ精密研磨しても良好な表
面精度は得られない。 (2) 陽極酸化時にAl−(Fe、Mn、Cr)x系晶出
物の周囲が溶解するので、これらの晶出物が大
きいと仕上げ精密研磨の表面精度が低下する。 (3) 陽極酸化等にMg2Si系の晶出物自体及びその
周囲が溶解し、仕上げ研磨後の表面精度を著し
く低下させる。 本発明は、陽極酸化方式の採用に伴なう上記の
様な問題を解消し、表面精度の優れた磁気デイス
ク基盤用Al基合金板の製造法を確立すべく鋭意
研究の結果完成されたものであつて、その構成
は、合金元素としてMg:2.0〜3.5%(重量%、
以下同じ)を必須的に含み、Ti:0.004〜0.08%
とB:0.0005〜0.01%を選択的に含有するほか、
Fe、Mn、Si及びCrを夫々0.1%以下に抑制した
Al基合金溶湯を用いて板厚が4〜10mmとなる様
に連続鋳造を行ない、該鋳造板を500〜550℃で1
〜48時間焼鈍した後、30%以上の加工率で冷間圧
延するか、或いは上記と同様にして得た鋳造板を
25%以上の加工率で冷間圧延した後400〜550%で
1〜48時間焼鈍し、更に30%以上の加工率で冷間
圧延するところに要旨が存在する。 まず本発明で規定する合金元素について説明す
る。 Mgはデイスク用基盤に所定の機械的強度を与
えるのに不可欠の成分であり、少なくとも2.0%
以上含有させなければならない。しかし多すぎる
と鋳造時にβ相が形成され易くなり、デイスク基
盤を切削して陽極酸化を行なつたときにβ相が過
度に溶解してくぼみとなり、仕上げ研磨後の表面
精度が著しく低下する。Mgが3.5%以下であれば
鋳造時にβ相は殆んど形成されず、万一形成され
たとしても後述する焼鈍工程でMgが拡散しβ相
は消失する。即ちAl基合金中のMg量が3.5%以下
のものでは陽極酸化時にはβ相は存在せず、その
後の仕上げ研磨で良好な表面精度を得ることがで
きる。 Ti及びBは鋳造物の組織を微細化しミクロ偏
析を防止するのに有効な元素で、これらの効果を
有効に発揮させる為にはTi:0.004%以上及び
B:0.0005%以上を単独或いは併用して添加する
ことが望まれる。しかしTiが0.08%、Bが0.01%
を越えると、電気化学的吸着現象を応用したフイ
ルターによる溶湯通過処理段階で過剰分が殆んど
除去されてしまうから、これ以上の添加は無駄で
ある。 Fe、Mn、Crは何れも鋳造時にAl−(Fe、
Mn、Cr)x系晶出物を形成し、デイスク基盤切
削後の電解酸化を行なう際に、晶出物の周囲が溶
解し表面精度を低下させる。従つてAl−(Fe、
Mn、Cr)x系晶出物の数及び大きさは極力減ら
す必要があり、何れも0.1%以下としなければな
らない。 SiはMg2Siの晶出物を形成し易く、Mg2Siは陽
極酸化時にそれ自体が溶解すると同時に周囲も溶
解し、表面精度を低下させる。従つて0.1%以下
に抑える必要がある。 尚、本発明で使用されるAlは99.8%以上の純度
を有するものであり、Al中に不可避的に含まれ
るCu、Zn等は不純物量程度である限り、晶出物
の粗大化は認められず、また陽極酸化時の欠陥も
認められず、実害はない。 本発明では上記成分粗成のAl基合金を溶解し
た後、電気化学的吸着現象を応用したフイルター
を常法に従つて通過させて溶湯中の非金属介在物
を除去し、更に連続鋳造を行なうが、目的達成の
為には連続鋳造工程で板厚を4〜10mmにしなけれ
ばならない。従来の連続鋳造では厚さが300〜600
mm程度のスラブを得るのが通例である。ところが
本発明者等が実験により確認した結果では、スラ
ブが厚肉であると急冷が困難になり、徐冷凝固段
階で晶出物が成長するから、合金組成を如何に調
整してみても晶出物の大きさを2.5μm以下に微
細化することができない。ところが連続鋳造工程
で板厚を10mm以下に設定すると、鋳造板が極めて
急速に冷却される結果、晶出物を著しく微細化で
きると同時に微細化元素の添加効果とも相まつて
結晶粒を微細化することができる。ちなみに従来
の連続鋳造で得たスラブ厚さが300〜600mm程度の
ものの晶出物サイズは約12mm程度であるのに対
し、厚さを10mm以下に設定すると冷却速度を10倍
以上に高めることができ、それに伴なつて晶出物
サイズは2.5μm以下になる。しかも微細化元素
の添加効果と相まつて結晶粒が微細化する為、晶
出物のミクロ偏析も殆んど起らない。 従つてその後冷間圧延したAl基合金板は、極
めて微細な晶出物が均一に分散した状態で得るこ
とができ、これを機械加工及び研磨加工しても、
粗大晶出物に起因する凹凸やミクロ偏析に起因す
るさざ波現象を生じる恐れがない。 尚上記の様な急速凝固法を採用する場合には、
凝固組織中にβ相が形成され易いが、これについ
ては前述の如くMgの添加量を3.5%以下とするこ
とで解決可能であり、また万一若干形成されたと
しても3.5%以下であるならば、後述する焼純工
程で消失させることができる。また連続鋳造時に
起こりがちなサーフエス・ライン・パターン及び
鋳造物と潤滑むらに起因するマクロ組織の局部的
むらは、以下に述べる焼鈍条件及び冷間圧延条件
の組み合わせによつて解決することができる。尚
通常の300〜600mm厚の鋳塊では5〜80mm程度の面
削を行なう為、上記2点に起因する問題が生じて
も面削時に削り取られてしまうので、その後の圧
延工程ではもはや全く問題にならない。しかし本
発明の如く鋳造厚を4〜10mmにしたものでは、面
削によつて除去し得る表層厚さは極く僅かであ
り、面削による問題解決は期待することができ
ず、何らかの対策を講ずる必要がある。更にデイ
スク基盤としての加工々程中、軟質材とした後に
行なう仕上研磨或いは仕上切削時に、材料の結晶
粒が粗大であつたり不均一であると、仕上研磨或
いは仕上切削後の表面精度が低下する傾向がみら
れる。これらの問題を未然に防止する為には、軟
質材としたときの結晶粒径を0.045mm以下にする
必要がある。 これらの要請に対しては以下に示す2つの方法
によつて目的を達成することができる。 〔1〕 前記4〜10mm厚の鋳造板を500〜550℃で1
〜48時間焼鈍し、次いで30%以上の加工々程で
所定厚さまで冷間圧延する方法。 〔2〕 前記4〜10mm厚の鋳造板を25%以上の加工
率で冷間圧延した後、400〜550℃で1〜48時間
中間焼鈍し、更に30%以上の加工率で所定厚さ
まで冷間圧延する方法。 上記〔1〕の方法においては、焼鈍温度が500
℃未満では微細析出物が析出し、鋳造時のマクロ
組織の局部むらを、無害化することができず、一
方550℃を越えると局部溶融が生じる。焼鈍時間
は1〜48時間の範囲に設定しなければならない。
即ち1時間未満では上記局部むらを、無害化する
ことができず、一方48時間を越えてもそれぞれ以
上の効果は得られない。焼鈍後の加工率が高い程
再結晶粒は微細になり、目標程度の結晶粒径を確
保する為には加工率を30%以上にしなければなら
ない。 また上記〔2〕の方法によれば、焼鈍の前・後
で冷間圧延を行なうことにより焼鈍温度の低下が
可能になる。即ち中間焼鈍の前に冷間圧延を行な
うと中間焼鈍工程で結晶粒が微細化し、マクロ組
織の局部むらに起因する問題が抑制される。但し
この様な効果を確保する為には加工率を25%以上
にしなければならず、これ未満の加工率では目的
を達成できない。中間焼鈍は〔1〕の方法に比べ
て低温を採用することができるが、400℃未満で
は微細析出物が多量析出して中間焼鈍時の再結晶
粒が粗大且つ不均一になり、マクロ組織の局部む
らを無害化し得なくなるほか、「冷間圧延+軟質
化焼鈍」後の再結晶粒が著しく粗大になる。一方
中間焼鈍温度が550℃を越えると〔1〕の場合と
同様局部溶融が生じる。中間焼鈍時間は1時間以
上でなければ上記の効果が有効に発揮されず、一
方48時間を越えると再結晶粒が粗大化し目標を達
成できなくなる。また中間焼鈍後の冷間加工量も
大きいほど再結晶粒が微細になり、前記マクロ組
織の局部むらを解消するのに有効である。そして
デイスク基盤用として十分な表面精度を確保すべ
く結晶粒を0.045μm以下にする為には、このと
きの加工率を30%以上にしなければならない。従
つて〔2〕の方法を実施する場合は鋳造板の板厚
と最終製品の板厚を考慮し、中間焼鈍の前後にお
ける冷間加工率が夫々上記要件を満足する様にし
なければならない。 この様に鋳造後の焼鈍及び冷間圧延条件を適正
にコントロールすることにより、鋳造工程で生じ
たサーフエス・ライン・パターン及び潤滑むらに
起因するマクロ組織の局部むらを無害化し、更に
微量生成する可能性のあるβ相も完全に消失させ
ることができる。 本発明は概略以上の様に構成されており、添加
合金元素の種類及び添加量、連続鋳造による最終
板厚の薄肉化を行なうことによつて、マクロ組織
を微細化しミクロ偏析を激減すると共にβ相の形
成を防止し、且つ鋳造後の焼鈍及び冷間圧延条件
を設定することによつてマクロ組織の局所むらを
無害化することに成功した。従つてこのAl基合
金板を切削加工若しくは研磨加工した後陽極酸化
を行ない、次いで仕上げ研磨することにより表面
精度の極めて高い磁気デイスク基盤を得ることが
でき、磁気デイスクの高記録密度化の要請に応え
得ることになつた。 次に本発明の実施例を示す。 実施例 第1表に示す組成A(本発明材)及びB(比較
材)のAl基合金溶湯を、常法に従つて電気化学
的吸着現象を応用したフイルターで処理し、非金
属介在物を除去した後、6.6mmの板厚に連続鋳造
した。尚、鋳造板の表面結晶粒は、微細化剤の添
加によつて、0.055mmとなる様に調整した。これ
らの鋳造板を4.2mm厚まで冷間圧延し、450℃で4
時間焼鈍を行なつた後、更に2.2mmtまで冷間圧延
した。
【表】
この冷延材をデイスク形状に打抜き、250℃で
2時間歪取り焼鈍を行なつた後片面を0.1mmずつ
粗切削し、更に350℃で2時間歪取り焼鈍をした
後精密切削加工を行なつそ。この精密切削加工面
に対し第2表に示す条件で5μm厚になるまで陽
極酸化を行なつた。このときの表面硬度を第3表
に示す。第3表からも明らかな様に陽極酸化の表
面硬度は、Al基合金のままの場合の2倍程度と
なることが分かる。この結果、陽極酸化皮膜の仕
上研磨後の表面精度は、Al基合金の精密切削若
しくは精密研磨の場合より著しく高めることがで
きる。
2時間歪取り焼鈍を行なつた後片面を0.1mmずつ
粗切削し、更に350℃で2時間歪取り焼鈍をした
後精密切削加工を行なつそ。この精密切削加工面
に対し第2表に示す条件で5μm厚になるまで陽
極酸化を行なつた。このときの表面硬度を第3表
に示す。第3表からも明らかな様に陽極酸化の表
面硬度は、Al基合金のままの場合の2倍程度と
なることが分かる。この結果、陽極酸化皮膜の仕
上研磨後の表面精度は、Al基合金の精密切削若
しくは精密研磨の場合より著しく高めることがで
きる。
【表】
【表】
上記で得た各陽極酸化膜を3μm厚まで仕上研
磨して得たデイスクの磁気ヘツド浮上特性を第4
表に示す。但し試験条件は回転数3600rpm、磁気
ヘツド浮上高さ0.2μmとした。 尚、この試験は、デイスク基盤全体のうねり、
真直度、基盤の微少うねり及び表面精度の全ての
因子を含めた特性試験である。また参考までに従
来の5086合金から得たデイスク基盤の特性試験結
果も併記した。
磨して得たデイスクの磁気ヘツド浮上特性を第4
表に示す。但し試験条件は回転数3600rpm、磁気
ヘツド浮上高さ0.2μmとした。 尚、この試験は、デイスク基盤全体のうねり、
真直度、基盤の微少うねり及び表面精度の全ての
因子を含めた特性試験である。また参考までに従
来の5086合金から得たデイスク基盤の特性試験結
果も併記した。
【表】
第4表からも明らかな如く、従来の5086合金で
は粗大(10μm以上)な晶出物があり、この晶出
物が0.2μm程度以上の突起となつているため、
磁気ヘツドは0.2μmの高さでは安定浮上し得な
い。これに対しB組成(比較例)及びA組成(本
発明品)のものでは、晶出物が2.5μm以下とな
つているためこれに起因する突起が小さくヘツド
の安定浮上が可能である。但し第5表に示す如
く、B組成(比較例)では、β相の溶出による穴
欠陥に起因して記録のエラーが多く、磁気デイス
クとしての信頼性に欠ける。即ち、陽極酸化を施
す工程を含む磁気デイスク基盤用の素材として
は、優れた性能を確保する為には本発明に規定す
る要件を満たすことが不可欠である。
は粗大(10μm以上)な晶出物があり、この晶出
物が0.2μm程度以上の突起となつているため、
磁気ヘツドは0.2μmの高さでは安定浮上し得な
い。これに対しB組成(比較例)及びA組成(本
発明品)のものでは、晶出物が2.5μm以下とな
つているためこれに起因する突起が小さくヘツド
の安定浮上が可能である。但し第5表に示す如
く、B組成(比較例)では、β相の溶出による穴
欠陥に起因して記録のエラーが多く、磁気デイス
クとしての信頼性に欠ける。即ち、陽極酸化を施
す工程を含む磁気デイスク基盤用の素材として
は、優れた性能を確保する為には本発明に規定す
る要件を満たすことが不可欠である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合金元素としてMg:2.0〜3.5%(重量%、
以下同じ)を必須的に含み、Ti:0.004〜0.08%
とB:0.0005〜0.01%を選択的に含有するほか、
Fe、Mn、Si及びCrを夫々0.1%以下に抑制した
Al基合金溶湯を用いて板厚が4〜10mmとなる様
に連続鋳造を行ない、該鋳造板を500〜550℃で1
〜48時間焼純した後、30%以上の加工率で冷間圧
延することを特徴とする、陽極酸化して用いる磁
気デイスク基盤用Al基合金板の製造法。 2 合金元素としてMg:2.0〜3.5%(重量%、
以下同じ)を必須的に含み、Ti:0.004〜0.08%
とB:0.0005〜0.01%を選択的に含有するほか、
Fe、Mn、Si及びCrを夫々0.1%以下に抑制した
Al基合金溶湯を用いて板厚が4〜10mmとなる様
に連続鋳造を行ない、該鋳造板を25%以上の加工
率で冷間圧延した後、400〜550℃で1〜48時間焼
純し、更に30%以上の加工率で冷間圧延すること
を特徴とする、陽極酸化して用いる磁気デイスク
基盤用Al合金板の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56114170A JPS5816059A (ja) | 1981-07-20 | 1981-07-20 | 磁気デイスク基盤用Al基合金板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56114170A JPS5816059A (ja) | 1981-07-20 | 1981-07-20 | 磁気デイスク基盤用Al基合金板の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5816059A JPS5816059A (ja) | 1983-01-29 |
| JPS6154105B2 true JPS6154105B2 (ja) | 1986-11-20 |
Family
ID=14630919
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56114170A Granted JPS5816059A (ja) | 1981-07-20 | 1981-07-20 | 磁気デイスク基盤用Al基合金板の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5816059A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5989748A (ja) * | 1982-11-12 | 1984-05-24 | Sumitomo Alum Smelt Co Ltd | 磁気デイスク用アルミニウム基板 |
| JPS60110852A (ja) * | 1983-11-21 | 1985-06-17 | Mitsubishi Electric Corp | 磁気ディスク用円板の熱処理方法 |
| JPS6119754A (ja) * | 1984-07-05 | 1986-01-28 | Sukai Alum Kk | 磁気デイスク用a1基合金板 |
| JPH0663061B2 (ja) * | 1986-09-02 | 1994-08-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 磁気デイスクサブストレ−ト用素材の製造方法 |
| JPS6396254A (ja) * | 1986-10-14 | 1988-04-27 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | コ−テイング型磁気デイスク用a1合金基板の製造法 |
| JPS63216953A (ja) * | 1987-03-05 | 1988-09-09 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 磁気デイスク用a1合金基板の製造法 |
| JPH02170928A (ja) * | 1988-12-22 | 1990-07-02 | Furukawa Alum Co Ltd | 磁気ディスク基板用アルミニウム合金の製造方法 |
-
1981
- 1981-07-20 JP JP56114170A patent/JPS5816059A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5816059A (ja) | 1983-01-29 |
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