JPS6161103B2 - - Google Patents

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JPS6161103B2
JPS6161103B2 JP53051851A JP5185178A JPS6161103B2 JP S6161103 B2 JPS6161103 B2 JP S6161103B2 JP 53051851 A JP53051851 A JP 53051851A JP 5185178 A JP5185178 A JP 5185178A JP S6161103 B2 JPS6161103 B2 JP S6161103B2
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Toshuki Komatsu
Katsumi Nakagawa
Yutaka Hirai
Teruo Misumi
Tadaharu Fukuda
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Priority to US06/269,846 priority patent/US4461819A/en
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Priority to US06/763,214 priority patent/US4613558A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光(ここでは広義の光で、紫外線、
可視光線、赤外光線、X線、γ線等を示す)の様
な電磁波を利用して像形成するのに使用される電
子写真用像形成部材に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真用像形成部材の光導電層を構成
する光導電材料としては、Se、CdS、ZnO等の無
機光導電材料やポリ−Nビニルカルバゾール
(PVK)、トリニトロフルオレノン(TNF)等の
有機光導電材料(OPC)が一般的に使用されて
いる。
而乍ら、これ等の光導電材料を使用する電子写
真用像形成部材に於いては、未だ諸々の解決され
得る可き点があつて、ある程度の条件緩和をし
て、個々の状況に応じて各々適当な電子写真用像
形成部材が使用されているのが実情である。
例えば、Seを光導電層形成材料とする電子写
真用像形成部材は、Se単独では、例えば可視光
領域の光を利用する場合その分光度感度領域が狭
いのでTeやAsを添加して分光感度領域を拡げる
ことが計られている。
而乍ら、この様な、TeやAsを含むSe系光導電
層を有する電子写真用像形成部材は、確かに分光
感度領域は改良されるが、光疲労が大きくなる為
に、同一原稿を連続的に繰返しコピーすると複写
画像の画線濃度の低下やバツクグランドの汚れ
(白地部分の汚れで所謂カブリ)を生じたり、
又、引続き他の原稿をコピーすると前の原稿の画
像が残像として複写される(ゴースト現像)等の
欠点を有している。
而も、Se、殊にAs、Teは人体に対して極めて
有害な物質であるので、製造時に於いて、人体へ
の接触がない様な製造装置を使用する工夫が必要
であつて、装置への資本投下が著しく大きい。更
には、製造後に於いても、光導電層が露呈してい
ると、クリーニング等の処理を受ける際、光導電
層表面は直接摺擦される為に、その一部が削り取
られて、現像剤中に混入したり複写機内に飛散し
たり、複写画像中に混入したりして、人体に接触
する原因を与える。
又、Se系光導電層は、その表面がコロナ放電
に、連続的に多数回繰返し晒されると、層の表面
付近が結晶化又は酸化を起して光導電層の電気的
特性の劣化を招く場合が少なくない。或いは又、
光導電層表面が露呈していると、静電潜像の可視
化(現像)に際し、液体現像液を使用する場合、
その溶剤と接触する為に耐溶剤性(耐液現性)に
優れていることが要求されるが、この点に於い
て、Se系光導電層は必ずしも条件を満足してい
るとは断言し難い。
又、別には、Se系光導電層は、通常の場合真
空蒸着によつて形成されるので、その為の装置へ
の著しい資本投下を必要とし且つ所望の光導電特
性を有する光導電層を再現性良く得る為には、蒸
着温度、蒸着基板温度、真空度、蒸着速度、冷却
速度等の各種の製造パラメーターを厳密に調整す
る必要がある。
又、Se系光導電層は、電子写真用像形成部材
の光導電層としての高暗抵抗を保有させるため
に、アモルフアス状態に形成されるが、Seの結
晶化が約65℃と極めて低い温度で起る為に、製造
後の取扱い中に又は使用中に於ける周囲温度や画
像形成プロセス中の他の部材との摺擦による摩擦
熱の影響を多分に受けて結晶化現像を起し、暗抵
抗の低下を招き易いという耐熱性上にも欠点があ
る。
一方、ZnO、CdS等を光導電層構成材料として
使用する電子写真用像形成部材は、その光導電層
が、ZnOやCdS等の光導電材料粒子を適当な樹脂
結合剤中に均一に分散して形成されている。こ
の、所謂バインダー系光導電層を有する電子写真
用像形成部材は、Se系光導電層を有する電子写
真用像形成部材に較べて製造上に於いて有利であ
つて、比較的製造コストの低下を計ることが出来
る。即ち、バインダー系光導電層は、ZnOやCdS
の粒子と適当な樹脂結着剤とを適当な溶剤を用い
て混練として調合した塗布液を適当な基体上に、
ドクターブレード法、デイツピング法等の塗布方
法で塗布した後固化させるだけで形成することが
出来るので、Se系光導電層を有する電子写真用
像形成部材に較べ製造装置にそれ程の資本投下を
する必要がないばかりか、製造法自体も簡便且つ
容易である。
而乍ら、バインダー系光導電層は、基本的に構
成材料が光導電材料と樹脂結着剤の二成分系であ
るし、且つ光導電材料粒子が樹脂結着剤中に均一
に分散されて形成されている特殊性の為に、光導
電層の電気的及び光導電的特性や物理的化学的特
性を決定するパラメーターが多く、斯かるパラメ
ーターを厳密に調整しなければ所望の特性を有す
る光導電層を再現性良く形成することが出来ず、
歩留りの低下を招き量産性に欠けるという欠点が
ある。
又、バインダー系光導電層は分散系という特殊
性故に、層全体がポーラスになつており、その為
に湿度依存性が著しく、多湿雰囲気中で使用する
と電気的特性の劣化を来たし、高品質の複写画像
が得られなくなる場合が少なくない。
更には、光導電層のポーラス性は、現像の際の
現像剤の層中への侵入を招来し、離型性、クリー
ニング性が低下するばかりか使用不能を招く原因
ともなり、殊に、液体現像剤を使用すると毛管現
象による促進をうけてそのキヤリアー溶剤と共に
現像剤が層中に浸透するので上記の点は著しいも
のとなるので、光導電層表面を表面被覆層で覆う
ことが必要となる。
而乍ら、この表面被覆層を設ける改良も、光導
電層のポーラス性に起因する光導電層表面の凹凸
性故に、その界面が均一にならず、光導電層と表
面被覆層との接着性及び電気的接触性の良好な状
態を得る事が仲々困難であるという欠点が存す
る。
又、CdSを使用する場合には、CdS自体の人体
への影響がある為に、製造時及び使用時に於い
て、人体に接触したり、或いは周囲環境下に飛散
したりすることのない様にする必要がある。
ZnOを使用する場合には、人体に対する影響は
殆どないが、ZnOのバインダー系光導電層は光感
度が低い、分光度領域が狭い、光疲労が著しい、
光応答性が遅い等の欠点を有している。
又、最近注目されているPVKやTNF等の有機
光導電材料を使用する電子写真用像形成部材に於
いては、表面が導電処理されたポリエチレンテレ
フタレート等の適当な支持体上にPVKやTNF等
の有機光導電材料の塗膜を形成するだけで光導電
層を形成出来るという製造上に於ける利点及び可
撓性に長けた電子写真用像形成部材が製造出来る
という利点を有するものであるが、他方に於い
て、光感度が低い、例えば像形成に使用する光が
可視光領域とした場合分光感度領域が狭く且つ短
波長側に片寄つている等の欠点を有し、極限定さ
れた範囲でしか使途に供されていない。
この様に、電子写真用像形成部材の光導電層形
成材料として従来から指摘されている光導電材料
を使用した電子写真用像形成部材は、利点と欠点
を併せ持つ為に、ある程度、製造条件及び使用条
件を持つ為に、ある程度、製造条件及び使用条件
を緩和して、各々の使途に合う適当な電子写真用
像形成部材を各々に選択して実用に供しているの
が現状である。
従つて、上述の諸問題点の解決された優れた電
子写真用像形成部材が得られる様な電子写真用像
形成部材の光導電層形成材料としての第3の材料
が所望されている。
その様な材料として最近有望視されているもの
の中にアモルフアスシリコン(以後A−Siと略記
する)がある。
A−Si膜は、開発初期のころは、その製造法や
製造条件によつて、その構造が左右される為に
種々の電気的特性・光学的特性を示し、再現性の
点に大きな問題を抱えていた。例えば、初期に於
いて、真空蒸着法やスパツターリング法で形成さ
れたA−Si膜は、ボイド等の欠陥を多量に含んで
いて、その為に電気的性質も光学的性質も大きく
影響を受け、基礎物性の研究材料としてもそれ程
注目されてはおらず、応用の為の研究開発もなさ
れなかつた。而乍ら、アモルフアスではp、n制
御が不可能とされていたのが、A−Siに於いて、
1976年初頭にアモルフアスとしては初めてp−n
接合が実現し得るという報告(Applid Physics
Letter;Vol 28、No.2、15January1976)が成さ
れて以来、大きな関心が集められ、以後上記の不
純物のドーピングによつてp−n接合が得られる
ことに加えて結晶性シリコン(「C−Si」と略記
する)では非常に弱いルミネセンスがA−Siでは
高効率で観測されるという点から、主として太陽
電池への応用に研究開発力が注がれて来ている。
この様に、これ迄に報告されているA−Si膜
は、太陽電地用として開発されたものであるの
で、その電気的特性・光学的特性の点に於いて、
電子写真用像形成部材の光導電層としては使用い
得ないのが実情である。即ち、太陽電池は、太陽
エネルギーを電流の形に変換して取り出すので、
SN比が良いだけでなく、効率良く大きな電流を
取り出すには、A−Si膜の抵抗はある程度小さく
なければならないが、余り抵抗が小さ過ぎると光
感度が低下し、SN比が悪くなるので、その特性
の一つとしての抵抗は105〜108Ω・cm程度が要求
される。而乍らこの程度の抵抗(暗抵抗:暗所で
の抵抗)を有するA−Si膜は、電子写真用像形成
部材の光導電層としては、余りにも抵抗(暗抵
抗)が低過ぎて、そのままでは現在、知られてい
る電子写真法を適用するのでは全く使用し得な
い。
又、電子写真用像形成部材の光導電層形成材料
としては、明抵抗(光照射時の抵抗)が暗抵抗に
較べて2〜4桁程度小さいことが要求されるが、
従来、報告されているA−Si膜では精々2桁程度
で、この点に於いても従来のA−Si膜では、その
特性を充分満足し得る光導電層とは成り得なかつ
た。
又、別には、A−Si膜に関するある報告によれ
ば、例えば暗抵抗が1010Ω・cmであるA−Si膜
は光電利得(入射photon当りの光電流)が低下
しており、この点に於いても、従来のA−Si膜は
そのままでは完全な電子写真用像形成部材の光導
電層とは成り得なかつた。
〔目的及び構成〕
本発明は上記の諸点に鑑み成されたもので、A
−Siに就いて電子写真用像形成部材への応用とい
う観点から総括的に鋭意研究検討を続けた結果あ
る特性を有する特性の層構造のA−Si層と以下に
詳述する有機化合物の層とを積層すれば、得られ
る電子写真用像形成部材は実用的に充分使用し得
るばかりでなく、従来の電子写真用像形成部材と
較べてみても殆どの点に於いて凌駕していること
を見出した点に基づいている。
本発明は、製造時に於いては、製造設備のクロ
ーズドシステム化が容易に出来るので、人体に対
する悪影響を避けることが出来、又、一旦製造さ
れたものは使用上に際し、人体ばかりかその他の
生物、更には自然環境に対して影響がなく無公害
であつて、殊に耐湿性に優れ、電子写真特性が常
時安定していて、殆ど使用環境に限定を受けない
全環境型であり、耐光疲労に著しく長く、繰返し
使用に際しても劣化現象を起さない電子写真用像
形成部材を提供することを主たる目的とする。
本発明の他の目的は、濃度が高く、ハーフトー
ンが鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画像を
得る事が容易に出来る電子写真用像形成部材を提
供することである。
本発明のもう一つの目的は、光感度が高く、分
光感度領域も略々全可視光域を覆つていて、且つ
暗減衰速度が小さくて光応答性も速い電子写真用
像形成部材を提供することである。
本発明の更に他の目的は静電像形成後現像を行
なうまでの時間及び現像に要する時間に対する制
約の小ない電子写真用像形成部材を提供すること
である。
本発明の所期の目的は、空乏層を有し、電磁波
励起によつて、移動可能なキヤリアーを発生し、
水素を1〜40原子%含有するアモルフアスシリコ
ン層と、該層中で発生したキヤリアーが注入さ
れ、該注入されたキヤリアーを輸送するための、
有機化合物から成る層、とが積層されていること
を特徴とする電子写真用像形成部材によつて達成
される。
本発明の電子写真用像形成部材の最も代表的な
構成例が第1図及び第2図に示される。
第1図に示される電子写真用像形成部材1は、
電子写真法の実施に適用される像形成部材用の支
持体2、水素を1〜40原子%含有するA−Si系層
3、有機化合物から成る層4から構成されてお
り、A−Si系層3中には空乏層6が形成され、層
4は、自由表面5を有している。
本発明に於けるA−Si系層中に形成される空乏
層6は、像形成部材1に静電像を形成するプロセ
ス中の一工程である電磁波照射工程の際に、照射
される電磁波の作用を受けて、移動可能なキヤリ
アーを生成する層としての機能を有する。
本発明に於いては、A−Si系層3が上記の様な
機能を有する空乏層6を有するものとされる為
に、像形成部材1に電磁波を照射する方向に応じ
て、実質的にコントラストの充分とれた静電像が
形成されるのに充分なキヤリアーが空乏層6中に
於いて発生され得る様に、即ち、前記電磁波が空
乏層6に充分到達し得る様に、支持体2と層4の
何れか一方を形成する必要がある。
即ち、例えば、第1図に於いて、層4側より電
磁波を照射する場合には、層4は、空乏層6に於
いて充分なるキヤリアーが発生される様な量の電
磁波が透過し、空乏層6に到達し得る様に、材料
の選択及び層厚を決定して設けられる必要があ
り、逆に、支持体2側より電磁波を照射する場合
には、支持体2が前記の条件の場合の層4の様に
材料の選択及び層厚を決定して設けられる必要が
ある。
又、第1図に示される像形成部材1に於いて
は、支持体2上にA−Si系層3が形成され、該A
−Si系層3上に層4が形成されているが、斯かる
層構成順は、必ずしも本発明を限定するものでは
なく、支持体2を層4側に設け、A−Si系層3が
自由表面を有する層構成順としても良い。この層
構成で、A−Si系層3側より電磁波を照射する場
合には、有機化合物の層4及び支持体2は、先述
した様な、空乏層6に於いて充分なるキヤリアー
が発生される様な量の電磁波が空乏層6に到達し
得る様にはする必要がない。而乍ら、逆に支持体
2側より電磁波を照射する場合には、支持体2及
び層4は、先述した様に、空乏層6に於いて充分
なるキヤリアーが発生される様な量の電磁波が空
乏層6に到達し得る様に材料の選択及び層厚を決
定して設ける必要がある。
本発明に於いて、A−Si系層3中に空乏層6を
設けるには、層3を、下記のタイプのA−Siの中
の少なくとも二種類を選択し、異なるタイプのも
のが接合される状態として層形成することによつ
て成される。
n型A−Si……ドナー(donor)のみを含む
もの、或いは、ドナーとアクセプター
(acceptor)との両方を含み、ドナーの濃度
(Nd)が高いもの。
n+型A−Si……のタイプの中で殊にn型特
性の強い(Ndがより高い)もの。
p型A−Si……アクセプターのみを含むも
の。或いは、ドナーとアクセプターとの両方を
含み、アクセプターの濃度(Na)が高いも
の。
p+型A−Si……のタイプの中で殊にp型
特性の強い(Naがより高い)もの。
i型A−Si……NaNdOのもの又はNa
Ndのもの。
即ち、空乏層6は、例えば、所望に従つた表面
特性を有する支持体2上に、先ず、i型のA−Si
層を所定の層厚で形成し、次いで該i型A−Si層
上にp型のA−Si層を形成することによつてi型
A−Si層とp型A−Si層との接合部として形成さ
れる(以後、空乏層6に関して支持体2側のA−
Si層を内部層、自由表面5側のA−Si層を外部層
と称する)。詰り、空乏層6は、異なるタイプの
A−Si層が接合される様に、層3を形成した場合
に、内部A−Si層と外部A−Si層との境界遷移領
域に形成される。
本発明に於ける空乏層6は定常状態では、フリ
ーキヤリアーの枯渇した状態となつているので所
謂真性半導体としての挙動を示す。
本発明に於いては、A−Si系層3を構成する層
である内部層7と外部層8とが同種の材料である
A−Siで構成され、その接合部(空乏層6)はホ
モ(homo)接合となつているので、内部層7と
外部層8とは電気的・光学的に良好な接合が成さ
れており、又、内部層、外部層のエネルギーバン
ドは滑らかに接合されている。更に空乏層6に
は、該層6の形成の際に、形成された固有の電界
(拡散電位)(エネルギーバンドの傾き)が存在し
ている。この為に、キヤリアー生成効率が良くな
るばかりか、又、生成したキヤリアーの再結合確
率が減少し、即ち、量子確率が増大し、光応答性
が速くなり、残留電荷の発生を防ぐという効果が
生ずる。
従つて、本発明に於いては空乏層6内に於い
て、光の様な電磁波の照射によつて生成されたキ
ヤリアーは静電像の形成によつて有効に働くとい
う利点が存する。
又、本発明の像形成部材は、その特長をより効
果的に利用する為に、静電像を形成する降、A−
Si系層3中に形成されている空乏層6に、逆バイ
アス(逆方向バイアス)となる様な電圧が印加さ
れる様に帯電極性を選択して、自由表面に帯電処
理が施される。この逆バイアスが空乏層6に印加
されると、空乏層6の層厚は、該層6に印加され
る電圧の略1/2乗の大きさで増加する。例えば、
高電圧(104V/cm以上)下では、空乏層6の厚
さは帯電処理を施さない時の厚さに較べて、数倍
から数十倍にもなる。又、空乏層6への逆バイア
ス印加は接合によつて形成された固有の電界(拡
散電位)を更に急峻なものとする。
この事は、先に述べた効果を一層顕著なものと
する。
本発明に於いては、前述した如く、内部層7と
外部層8とが同種の材料で形成され、空乏層6
は、内部層7と外部層8の接合によつて形成され
るので、A−Si系層3全体が連続した製造工程の
下に形成することが出来るという利点も存する。
空乏層6の層厚としては、接合させる内部層7
と外部層8の誘電率や両層の接合前のフエルミレ
ベルの差、即ち、接合されるA−Si層を前記の
〜のタイプに制御する為に層中にドーピングさ
れる不純物の密度によつて決定され、殊に不純物
のドーピング量を調整することで数+Å〜数μ迄
変化させる事が出来る。
そして、前述した如く、逆バイアスによる空乏
層6の層厚の拡がりのため逆バイアスをして使用
する場合には、数百Å〜数十μまでにもひろげて
用いることができる。従つて、逆バイアスの程度
によつて空乏層6の層厚は、適宜変化させられ
る。
但し、高電界の逆バイアスを空乏層6上に印加
させる場合、トンネリングやなだれ破壊をおこさ
ない程度に、後述する不純物の濃度と印加電圧を
決定する必要がある。つまり、不純物濃度があま
りに高濃度の場合、比較的低い逆バイアスでトン
ネリングやなだれ破壊を生じて、空乏層5の充分
な拡がり(電気容量の減少)と空乏層6への充分
な電界を得ることが出来なくなる。
本発明に於いては、空乏層6は、電磁波を吸収
してキヤリアーを生成する役目を荷うことからす
れば、空乏層6に入射して来る電磁波を可能な限
り吸収する様にする為に層を厚くするのが良い。
而乍ら、他方に於いて、空乏層6に於いて生成さ
れたキヤリアーの再結合率を低下させる重要因子
である、空乏層6に形成される固有の電界の単位
厚さ当りの強さは、層の厚さに逆比例するので、
この点に限れば、空乏層6の厚さは薄い方が良い
ものとされる。
従つて本発明に於いては、その目的が充分達成
される様にする為に上記2点が考慮される必要が
ある。即ち本発明に於いては電磁波照射によるキ
ヤリアーの生成を大部分空乏層6中で行うので、
像形成部材1に電磁波照射する際の照射方向に従
つて、内部層7と外部層8の何れか一方を、コン
トラストの充分とれた静電像が形成されるのに充
分なキヤリアーが空乏層6中に於いて発生され得
る様に、即ち、照射される電磁波が空乏層6に充
分到達し得る様に形成される必要がある。ところ
で、通常の使用に供される電子写真用像形成部材
に於いては照射される電磁波として可視光が採用
されている。従つてA−Siの光吸収係数が波長領
域400〜700mmの範囲で5×105〜104cm-1であるか
ら、先の目的を達成する為には、少なくとも帯電
処理が成された際、A−Si系層に就いて光照射側
の層表面から5000Å以内に空乏層6の少なくとも
一部が存在する様に、光照射側の層として内部層
7又は外部層8の何れか一方を形成する必要があ
る。又、該層厚の下限としては、基本的には、内
部層7と外部層8の接合によつて空乏層6が形成
されさえすれば良いとする点から、薄い方が電磁
波の照射量に対する空乏層6中でのキヤリアー発
生効率を増大させる事が出来るので、製造技術的
に可能な限り厚さは薄くされる。
ところでp型(p+型も含む)n型(n+型も含
む)とされたA−Si層は、不純物濃度によつてそ
の暗抵抗が大きく変化し、そのほとんどが従来の
電子写真的観点からすれば、暗抵抗が低くすぎて
全く使用できないものである。
その理由は、余り抵抗の小さいものでは静電像
が形成される際に横方向への電荷の逃げを防ぐだ
けの表面抵抗がないため、高感度な潜像がつくれ
ないことと、熱励起フリーキヤリアと光励起フリ
ーキヤリアとの差がなくなつてしまうために静電
潜像が形成されないからである。
而乍ら、本発明に於いては、A−Si系層が自由
表面を有する層として形成された電子写真用像形
成部材であつても前述した空乏層6への逆バイア
スによる空乏層6の層厚の拡がりがあり、この事
実はフリーキヤリアの掃き出しを意味しており、
このことは外部層が比較的低抵抗であつても見掛
け上高抵抗の舞いをすることになり、又逆バイア
ス方向の帯電は、外部層のフリーキヤリアを表面
方向へ掃き出させる効果を有するために外部層に
同様の変化に誘起することになつて、従つて外部
層を構成するものとして、上記に説明した空乏層
の拡がり効果とフリーキヤリアの掃き出し効果
が、本発明の目的に達成させる程に期待され得る
のであれば従来の電子写真的観点からすれば、使
用出来ないとされていた比較的低抵抗値を有する
ものでも使用され得ることを可能としている。
内部層7と外部層8の中の何れか一方である、
電磁波照射側の層でない層、換言すれば、空乏層
6に関して電磁波照射側との反対にある層は、空
乏層6で発生した電荷を効果的に輸送する機能を
荷うと共に、A−Si層の電気容量の大きさに大い
に寄与する様に形成することも出来る。
この理由から、斯かる層は、製造される像形成
部材の製造コストや製造時間等も含めた経済性も
加味して通常の場合、0.1〜10μm、好適には0.1
〜7μmの層厚の範囲で形成されることが望まれ
る。
第1図に於いては、本発明の像形成部材の好適
な実施態様について、内部層7と外部層8として
〜のタイプの中の異なる二種類のタイプのA
−Si層を選択、例えば、p型とi型、p+型とi
型、n+型とi型、p型とn型等の組合せとして
選択し、これらを接合させて、A−Si系層3を形
成した例を挙げて、従来のに対するその優位性に
就いて説明したが、更に、支持体2側から、p・
i・n、n・i・pという様に〜の中の三種
類の異なるタイプのA−Si層を接合してA−Si層
を構成した場合も本発明の良好な実施態様となり
得る。この場合には、光導電層中に空乏層が二つ
存在することになる。
この場合、二つの空乏堪に分割して高電界を印
加できるため大きな電界の印加が可能となり、高
い表面電位を得ることがより容易となる。
A−Si系層を支持体側からn・i・p、又は
p・i・nの層構成とした場合には、以下に示す
如きの特徴を有する様になると共に種々の電子写
真プロセスが適用され得る様になる。
即ち、支持体側からのA−Si系層中への電荷の
注入を防ぐ効果がある、更には、表面側と支持体
側の両方からの電磁波照射が可能である為、両面
同一画像照射や異なる画像照射による同時add
on方式の画像照射をも可能にする。そして更に
は、静電像消去の為の裏面照射(支持体側からの
照射)や後述するNP方式による裏面照射(支持
体側からの電荷注入を促進する)として耐久性向
上のための裏面照射も可能となる。
本発明の電子写真用像形成部材のA−Si系層を
構成する層として〜のタイプのA−Si層は、
後に詳述する様にグロー放電法や反応スパツタリ
ング方等による層形成の際に、n型不純物(形成
されるA−Si層を又はのタイプにする)又
は、p型不純物(形成されるA−Si層を又は
のタイプにする)、或いは、両不純物を形成され
るA−Si層中にその量を制御してドーピングして
やることによつて形成される。
この場合、本発明者等の実験結果からの知見に
よれば、層中の不純物の濃度を1015〜1019cm-3の
範囲内に調整することによつて、より強いn型
(又はより強いp型)のA−Si層からより弱いn
型(又はより弱いp型)のA−Si層を形成する事
が出来る。
〜のタイプのA−Si層は、グロー放電法、
スパッタリング法、イオンインプランテーシヨン
法、イオンプレーテイング法等によつて形成され
る。これ等の製造法は、製造条件、設備資本投下
の負荷程度、製造規模、製造される像形成部分に
所望される電子写真特性等の要因によつて適宜選
択されて採用されるが、所望する電子写真特性を
有する像形成部材を製造する為の制御が比較的容
易である、〜のタイプに制御する為にA−Si
層中に不純物を導入するのに族又は族の不純
物を置換型で導入することが出来る等の利点から
グロー放電法が好適に採用される。
更に、本発明に於いては、グロー放電法とスパ
ツタリング法とを同一装置系内で併用してA−Si
層を形成しても良い。A−Si層は、本発明の目的
とする電子写真用像形成部材が得られる可く、そ
の暗抵抗及び光電利得が、例えば、水素(H)を
含有させて制御される。ここに於いて、「A−Si
層中にHが含有されている」ということは、「H
が、Siと結合した状態」、「Hがイオン化して層中
に取り込まれている状態」又は「H2として層中
に取り込まれている状態」の何れかの又はこれ等
の複合されている状態を意味する。A−Si層への
Hの含有は、層を形成する際、製造装置系内に
SiH4、Si2H6等の化合物又はH2の形で導入した
後、熱分解、グロー放電分解等の方法によつて、
それ等の化合物又はH2を分解して、A−Si層中
に、層の成長に併せて含有させても良いし、又、
イオンインプランテーシヨン法で含有させても良
い。
本発明の知見によれば、A−Si層中へのHの含
有量は、形成される像形成部材が実際面に於いて
適用され得るか否かを左右する大きな要因に一つ
であつて、殊に形成されるA−Si層をp型又はn
型に制御する際の一つの要素として、極めて重要
であることが判明している。
本発明に於いて、形成される像形成部材を実際
面に充分適用させ得る為には、A−Si層中に含有
されるHの量は通常の場合1〜40atomic(原
子)%、好適には5〜30atomic%とされるのが
望ましい。A−Si層中へのH含有量が上記の数値
範囲に限定される理由の理論的裏付は今の処、明
確にされておらず推論の域を出ない。而乍ら、数
多くの実験結果から、上記数値範囲外のHの含有
量では、例えば本発明の像形成部材のA−Si系層
を構成する内部層又は外部層としての要求に応じ
た特性に制御するのが極めて困難である、製造さ
れた電子写真用像形成部材は照射される電磁波に
対する感度が極めて低い、又は場合によつては、
該感度が殆ど認められない、電磁波照射によるキ
ヤリアの増加が小さい、等々が認められ、Hの含
有量が上記の数値範囲内にあるのが必要条件であ
ることが裏付けられている。A−Si層中へのHの
含有は、例えば、グロー放電法では、A−Siを形
成する出発物質がSiH4、Si2H6等の水素化物を使
用するので、後述の製造条件に於いてSiH4、
Si2H6等の水素化物が分解してA−Si層が形成さ
れる際、Hは自動的に層中に含有されるが、更に
Hの層中への含有を一層効率良く行なうには、A
−Si層を形成する際に、グロー放電を行なう装置
系内にH2ガスを導入してやれば良い。
スパツタリング法による場合にはAr等の不活
性ガス又はこれらのガスをベースとした混合ガス
雰囲気中でSiをターゲツトとしてスパツタリング
を行なう際にH2ガスを導入してやるか又は
SiH4、Si2H6等の水素化硅素ガス、或いは、不純
物のドーピングも兼ねてB2H6、PH3等のガスを導
入してやれば良い。
本発明の目的を達成する為にA−Si層中に含有
されるHの量を制御するには、基板温度又は/及
びHを含有させる為に使用される出発物質の製造
装置系内で導入する量等々を制御してやれば良
い。更には、A−Si層を形成した後に、結晶温度
以下で加熱するものも一つの方法である。殊にA
−Si層の暗抵抗を向上させるためには、該加熱処
理法は有効な手段である。又、高強度の光の様な
電磁波を照射して、A−Si層の暗抵抗を向上させ
る方法も有効な方法である。
A−Si層中にドーピングされる不純物として
は、A−Si層をp型にするには、周期律表第族
Aの元素、例えばB、Al、Ga、In、Tl等が好適
なものとして挙げられ、n型にする場合には、周
期律表第族Aの元素、例えばN、P、As、
Sb、Bi等が好適なものとして挙げられる。これ
らの不純物は、A−Si層中に含有される量がppm
オーダーであるので、光導電層を構成する主物質
程その公害性に注意を払う必要はないが出来る限
り公害性のないものを使用するのが好ましい。こ
の様な観点からすれば、形成されるA−Si層の電
気的・光学的特性を加味して、例えば、B、
As、P、Sb等が最適である。この他に、例え
ば、熱拡散やインプラテーシヨンによつてLi等が
インターステイシアルにドーピングされることで
n型に制御することも可能である。
A−Si層中にドーピングされる不純物の量は、
所望される電気的・光学的特性に応じて適宜決定
されるが、周期律表第族Aの不純物の場合に
は、通常10-6〜10-3atomic%、好適には10-5〜
10-4atomic%、周期律表第族Aの不純物の場合
には、通常10-8〜10-3atomic%、好適には10-8〜
10-4atomic%とされるのが望ましい。
これ等不純物のA−Si層中へのドーピング方法
は、A−Si層を形成する際に採用される製造法に
よつて各々異なるものであつて、具体的には、以
降の説明又は実施例において詳述される。有機化
合物から成る層か又はA−Si層が自由表面を有
し、該自由表面に、静電像形成の為の帯電処理が
施される像形成部材に於いては、支持体と該支持
体上に設けられる層との間に、静電像形成の際の
帯電処理時に支持体側からのキヤリアの注入を阻
止する働きのある障壁層を設けるのが一層好まし
いものである。この様な支持体側からのキヤリア
の注入を阻止する働きのある障壁層を形成する材
料としては、選択される支持体の種類及びA−Si
層又は有機化合物から成る層の中の支持体上に形
成される層の電気的特性に応じて適宜選択されて
適当なものが使用される。その様な障壁層形成材
料としては、例えば、Al2O3、SiO、SiO2等の無
機絶縁性化合物、ポリエチレン、ポリカーボネイ
ト、ポリウレタン、パリレン等の有機絶縁性化合
物、Au、Ir、Pt、Rh、Pd、Mo等の金属である。
本発明に於ける、有機化合物から成る層は、A
−Si系層中で発生したキヤリアが、効率良く注入
され、該注入されたキヤリアを効果的に輸送する
為の層であるから、該層は、注入されたキヤリア
を効果的に輸送する様な材料を選択し、A−Si系
層からのキヤリアの注入がスムーズに行なわれ得
る様な良好な接触状態が形成される様にA−Si系
層に接合した状態で設けられる。
この様な条件を満足す可く、有機化合物から成
る層を形成するには、その形成材料としてはA−
Si系層を構成する内部層又は外部層の中の、有機
化合物から成る層と接合されている層が、n+
型、n型、又はi型の場合には電子の易動度に対
して正孔易動度の比較的大きいものが又、有機化
合物から成る層と接合する前記層が、p+型、p
型、又はi型の場合には正孔の易動度に対して電
子易動度の比較的大きいものが選択して使用され
る。その様な材料としては、成膜性、接着性及び
要求される抵抗を有するものが多い等の点から、
有機化合物の多くのものが好適なものとして挙げ
られる。
但し、既に形成された有機化合物の層上に、A
−Si系層を形成する様な場合には、以後の説明で
も明白な様に、前記有機化合物としては、耐熱性
のものを選択しなければならない。
これらの有機化合物の多くは適当な溶剤に溶解
され、ドクターブレード法、デイツピング法等の
通常の塗布方法で、層形成する事が出来る。
本発明に於いて有効に使用される正孔易動度の
比較的大きい有機化合物として具体的に例えば
PVK、カルバゾール、N−エチルカルバゾー
ル、N−イソプロピルカルバゾール、N−フエニ
ルカルバゾール、テトラフエニルピレン、1−メ
チルピレン、ペリレン、クリセン、アトラセン、
テトラセン、テトラフエン、2−フエニルナフタ
リン、アザピレン、フルオレン、フルオレノン、
1−エチルピレン、アセチルピレン、2・3−ベ
ンゾグリセリン、3・4−ベンゾピレン、1・4
−プロモピレン、フエニルインドール、ポリビニ
ルピレン、ポリビニルテトラセン、ポリビニルペ
リレン、ポリビニルテトラフエン、ポリアクリロ
ニトリル等の有機光導電材料を挙げる事ができ
る。電子の易動度の比較的大きな有機化合物とし
ては、PVK:TNF、(単量体でのモル比1:1)
に、テトラニトロフルオレノン、ジニトロアント
ラセン、ジニトロアクリデン、テトラシアノフイ
レン、ジニトロアントラキノン等の有機光導電材
料が挙げられる。
第1図に示される像形成部材1に於いては、支
持体2上にA−Si系層3、該層3上に有機化合物
から成る層4が積層された層構成とされている
が、更に、支持体2とA−Si系層3との間に層4
とは別の有機化合物から成る層Aを設けても良
い。即ち支持体2とA−Si系層3との間に設けら
れる上記層Aとしては、層4が電子易動度の比較
的大きな場合には、正孔易動度の比較的大きな層
とし、層4が正孔易動度の比較的大きな場合に
は、電子易動度の比較的大きな層とされる。この
様な層を形成する材料としては、層4形成材料と
して前記した材料の中から選択される。
有機化合物から成る層の層厚は、本発明の目的
を達成する為に該層に要求される特性及びA−Si
系層との関係に於いて適宜決定されるものである
が、通常は5〜80μm、好適には10〜50μmとさ
れるのが望ましいものである。
第2図に示される電子写真用像形成部材9は、
自由表面14を有する表面被覆層13を有する以
外、支持体10、有機化合物から成る層11、内
部層16と外部層17とを接合して形成された空
乏層15を層中に有するA−Si系層12に就いて
は第1図に示される像形成部材1と本質的に異な
るものではない。而乍ら、表面被覆層13に要求
される特性は、適用する電子写真プロセスによつ
て各々異なる。即ち、例えば、特公昭42−23910
号公報、同43−24748号公報に記載されている如
きNP方式の様な電子写真プロセスを適用するの
であれば、表面被覆層13は、電気的絶縁性であ
つて、帯電処理を受けた際の静電荷保持能が充分
であつて、ある程度以上の厚みがあることが要求
されるが、例えば、カールソンプロセスの如き電
子写真プロセスを適用するのであれば、静電像形
成後の明部の電位は非常に小さいことが望ましい
ので表面被覆層13の厚さとしては非常に薄いこ
とが要求される。表面被覆層13は、その所望さ
れる電気的特性を満足するのに加えて、A−Si系
層12に化学的・物理的に悪影響を与えないこ
と、A−Si系層12との電気的接触性及び接着
性、更には耐湿性、耐摩耗性、クリーニング性等
を考慮して形成される。
表面被覆層13の形成材料として有効に使用さ
れるものとして、その代表的なのは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリ四弗化エチレン、ポリ三弗化塩化エチレ
ン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、六弗
化プロピレン−四弗化エチレンコポリマー、三弗
化エチレン−弗化ビニリデンコポリマー、ポリブ
デン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン等の
合成樹脂、ジアセテート、トリアセテート等のセ
ルロース誘導体等が挙げられる。これ等の合成樹
脂又はセルロース誘導体は、フイルム状とされて
A−Si系層12上に貼合されても良く、又、それ
等の塗布液を形成して、A−Si系層12上に塗布
し、層形成しても良い。
表面被覆層13の層厚は、所望される特性に応
じて、又、使用される材質によつて適宜決定され
るが、通常の場合、0.5〜70μ程度とされる。殊
に表面被覆層13が先述した保護層としての機能
が要求される場合には、通常の場合、10μ以下と
され、逆に電気的絶縁層としての機能が要求され
る場合には、通常の場合10μ以上とされる。而乍
ら、この保護層と電気絶縁層とを差別する層厚値
は、使用材料及び適用される電子写真プロセス、
設計される電子写真用像形成部材の構造によつ
て、変動するもので、先に10μという値は絶対的
なものではない。
支持体2としては、導電性でも電気絶縁性であ
つても良い。導電性支持体としては、例えばステ
ンレス、Al、Cr、Mo、Au、Ir、Nd、Te、V、
Ti、Pt、Pb等の金属又はこれ等の合金が挙げら
れる。電気絶縁性支持体としてはポリエステル、
ポリエチレン、ポリカーボネート、セルローズト
リアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリア
ミド等の合成樹脂のフイルム又はシート、ガラ
ス、セラミツク、紙等が通常使用される。これ等
の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその
一方の表面を導電処理されるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、In2O3、SnO2等でそ
の表面が導電処理され、或いはポリエステルフイ
ルム等の合成樹脂フイルムであれば、Al、Ag、
Pb、Zn、Ni、Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、
Ti、Pt等の金属で真空蒸着、電子ビーム蒸着、
スパツタリング等で処理し、又は前記金属でラミ
ネート処理して、その表面が導電処理される。支
持体の形状としては、円筒状、ベルト状、板状
等、任意の形状とし得、所望によつて、その形状
は決定されるが、連続高速複写の場合には、無端
ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持体
の厚さは、所望通りの像形成部材が形成される様
に適宜決定されるが、像形成部材として可撓性が
要求される場合には、支持体としての機能が充分
発揮される範囲内であれば、可能な限り薄くされ
る。而乍ら、この様な場合、支持体の製造上及び
取扱い上、機械的強度等の点から、通常は、10μ
以上とされる。
本発明の目的を達成する為の必要条件の一つで
あるA−Si系層を構成する内部層及び外部層中に
含有されるHの量は前記した数値範囲であつて、
その含有量は、該範囲内において、その層に要求
される特性が満足した状態で得られる可く適宜決
定されるが、重要なことは含有されたHは要求さ
れる特性が付与されるのに有効に寄与する状態で
含有されている必要があることである。
又、本発明の目的を達成する為の必要条件の別
の一つである、内部層或いは外部層となるA−Si
層中にドーピングされる不純物の濃度は、前記し
た数値範囲であつて、そのドーピング量は、該範
囲内において、その量に要求される特性が満足さ
れる状態で得られる可く適宜決定されるが、特に
有効に作用する空乏層が形成されるには、 なる値が次の範囲にある様にa、Ndの値を求め
ると一層好ましいものである。
即ち、所定の逆バイアス電圧が空乏層に印加さ
れた時、なだれ破壊やトンネリング現象が起らな
い様に なる値の上限は決められ、通常は10-18cm-3とさ
れる。下限としては、形成されるA−Si層中の、
単位体積当りのSiの自由ダングリングボンドの数
Nよりも大きな値とされ、好適にはNよりも1/2
桁以上、最適には1桁以上大きな値とされるのが
望ましいものである。
次に本発明の電子写真用像形成部材を製造する
に際し、A−Si系層をグロー放電法及びスパツタ
リング法によつて製造する場合に就いて説明す
る。
第3図は、インダクタンスタイプ(誘導結合
型)ログロー放電法によつて、A−Si系層を製造
する為のグロー放電堆積装置の模式的説明図であ
る。
18はグロー放電堆積槽であつて、内部にはA
−Si系層を形成する為の基板19が固定部材20
に固定されており、基板19の下部側には、基板
19を加熱する為のヒーター21が設置されてい
る。堆積槽18の上部には、高周波電源22と接
続されている誘導コイル23が巻かれており、前
記高周波電源22がONされると誘導コイル23
に高周波電力が投入されて、堆積槽18内にグロ
ー放電が生起される様になつている。堆積槽18
の上端部には、ガラス導入管が接続されており、
ガスボンベ24,25,26より各々のボンベ内
のガスが必要時に堆積槽18内に導入される様に
なつている。27,28,29は各々のフロメー
ターであつてガスの流量を検知する為のメーター
であり、又、30,31,32は流入バルブ、3
3,34,35は流出バルブ、36は補助バルブ
である。
又、堆積槽18の下端部はメインバルブ37を
介して排気装置(図示されていない)に接続され
ている。45は堆積槽18内の真空を破る為のリ
ークバルブである。
第3図のグロー放電装置を使用して、基板19
上に所望特性のA−Si系層を形成するには、先
ず、所定の清浄化処理を施した基板19を清浄化
面を上面にして固定部材20に固定する。
基板19の表面を清浄化するには、通常、実施
されている方法、例えば、アルカリ又は酸等によ
る化学的処理法が採用される。又、ある程度清浄
化した堆積槽18内の所定位置に設置し、その上
にA−Si系層を形成する前にグロー放電処理を行
つても良い。この場合、基板19の積浄化処理か
らA−Si系層形成迄同一系内で真空を破ることな
く行うことが出来るので、清浄化した基板面に汚
物や不純物が付着するのを避けることが出来る。
基板19を固定部材20に固定したら、メインバ
ルブ37を全開して堆積槽18内の空気を矢印A
で示す様に排気して、真空度10-5torr程度にす
る。
次に補助バルブ36を全開し、続いて流出バル
ブ33,34,35、流入バルブ30,31,3
2を全開し、フローメーター27,28,29内
も脱気する。その後堆積槽18内が所定の真空度
に達したら補助バルブ36、流入バルブ30,3
1,32、流出バルブ33,34,35を閉じ
る。続いて、ヒーター21を点火して基板19を
加熱し所定温度に達したら、その温度に保つ。ガ
スボンベ24はA−Siを形成する為の原料ガス用
であつて、例えば、SiH4、Si2H6、Si4H10又は、
それ等の混合物等が貯蔵されている。又、ボンベ
25及びボンベ26は形成するA−Si層を〜
のタイプに制御するのに該層中に不純物を導入す
る為の原料ガス用であつて、PH3、P2H4、
B2H6、AsH3等が貯蔵されている。
基板19が所定の温度に達したのを確認した
後、ボンベ22のバルブ38を開け、出口圧ゲー
ジ41の圧を所定圧に調整し、次いで流入バルブ
30を徐々に開けて、フローメーター27内へ例
えばSiH4等のa−Si形成用の原料ガスを流入させ
る。引き続いて、補助バルブ36を所定位置まで
開け、次いでビラニーゲージ44の示す値を注視
し乍ら、流出バルブ33を徐々に開けて、ボンベ
24から堆積槽18内に供給されるガスの流量を
調整する。形成されるA−Si層中に強いて前記し
た不純物をドーピングしない場合には、堆積槽1
8内にボンベ24よりA−Si形成用の原料ガスが
導入された時点に於いて、ビラニーゲージ44を
注視し乍らメインバルブ37を調節して、所定の
真空度、通常の場合は、A−Si層を形成する際の
ガス圧で10-2〜3torrに保つ。次いで、堆積槽1
8外に巻かれた誘導コイル23に高周波電源22
により所定周波数、通常の場合は0.2〜30MHzの
高周波電力を供給してグロー放電を堆積槽18内
に起すと、A−Si形成用の原料ガス、例えば、
SiH4ガスが分解して、基板19上にSiが堆積され
て内部層が形成される。
形成されるA−Si層中に不純物を導入する場合
には、ボンベ25又は26より不純物生成用のガ
スを、A−Si層形成時に堆積槽18内に導入して
やれば良い。この場合、例えば流出バルブ34を
適当に調節することにより、ボンベ25よりの堆
積槽18へのガスの導入量を適切に制御すること
が出来る。従つて、形成されるA−Si層中に導入
される不純物の量を任意に制御することが出来る
他、更に、A−Si層の厚み方向に不純物の量を変
化させることも容易に成し得る。
上記の様にして、基板19上に先ず内部層を所
定厚で形成した後、次の様にして外部層を形成し
てA−Si系層全体を形成する。
先ず第1の例としては内部層をボンベ24から
供給されるA−Si形成用の原料ガスのみを堆積槽
18内に導入して形成した場合には、外部層を形
成する際、ボンベ24からのA−Si形成用の原料
ガスにボンベ25又はボンベ26からの不純物用
の原料ガスを混合して堆積槽18に導入して、既
に形成されている内部層とはタイプの異なる外部
層を形成する。
第2の例としては、内部層を、例えば、ボンベ
24からのA−Si形成用の原料ガスにボンベ25
からの不純物用の原料ガスを混合して堆積槽18
内に導入して形成した場合には、外部層として
は、ボンベ24からのA−Si形成用の原料ガスの
みか又はボンベ24からのA−Si形成用の原料ガ
スにボンベ26からの不純物用の原料ガスを混合
して堆積槽18に導入して、既に形成されている
内部層とはタイプの異なる外部層を形成する。
第3の例としては、内部層をボンベ24からの
A−Si形成用の原料ガスと、例えばボンベ25か
らの不純物用の原料ガスとの混合ガスを堆積槽1
8内に導入して形成した後、内部層を形成した時
とは、A−Si形成用の原料ガスと不純物用の原料
ガスとの混合比を変えた混合ガスを堆積槽18内
に導入して外部層を形成する。
以上の様な方法によつて、内部層と外部層を形
成することによつて、内部層と外部層との接合部
に空乏層が形成され、本発明の目的とする電子写
真用像形成部材のA−Si系層が形成されたことに
なる。
光導電層をp・i・n、n・i・p等の層構成
の様に空乏層を2つ有する様に形成するには上記
3つの方法を所望に従つて適宜選択して層形成す
れば良いものである。
第3図に示されるグロー放電真空堆積装置に於
いては、RF(radio frequency)イングクタンス
タイプグロー放電法が採用されているが、この
他、RFキヤパシタンスタイプ、DC二極タイプ等
のグロー放電法も採用される。
形成されるA−Si系層の特性は成長時の基板温
度に大きく依存するのでその制御は厳密に行うの
が好ましい。本発明に於いては基板温度を通常は
50〜350℃、好適には100〜200℃の範囲とするこ
とによつて、電子写真用として有効な特性を有す
るA−Si系層が形成される。更に基板温度はA−
Si層形成時に連続的又は断続的に変化させて所望
の特性を得る様にすることも出来る。
又、A−Si層の成長速度もA−Si層の物性を大
きく左右する要因であつて、本発明の目的を達成
するには通常の場合0.5〜100Å/sec好適には1
〜50Å/secとされるのが好ましい。
第4図は、スパツタリング法によつて、本発明
の像形成部材を製造する為の装置の一つを示す模
式的説明図である。
46は真空堆積槽であつて、内部には、A−Si
系層を形成する為の基板47が堆積槽46とは電
気的に絶縁されている導電性の固定部材48に固
定されて所定位置に設置されている。基板47の
下方には、基板47を加熱する為のヒータ49が
配置され、上方には、所定間隔を設けて基板47
と対向する位置には多結晶又は単結晶シリコンタ
ーゲツト50がスパツター用電極51に取り付け
られて配置されている。
基板47が設置されている固定部材48とシリ
コンターゲツト50間には、高周波電源79によ
つて、高周波電圧が印加される様になつている。
又、堆積槽46には、ボンベ52,53,54,
55が各々、流入バルブ56,57,58,5
9、フローメータ60,61,62,63、流出
バルブ64,65,66,67、補助バルブ68
を介して接続されており、ボンベ52,53,5
4,55より各々必要時に堆積槽46内に所望の
ガスが導入される様になつている。
今、第4図の装置を用いて、基板47上に空乏
層を有するA−Si系層を形成するには先ず、メイ
ンバルブ69を全開して堆積槽46内の空気を矢
印Bで示す様に、適当な排気装置を使用して排気
し、次いで補助バルブ68、流入バルブ56〜5
9、流出バルブ64〜67を全開して堆積槽46
内を所定の真空度にする。
次に、ヒータ49を点火して基板47を所定の
温度まで加熱する。スパツタリング法によつてA
−Si層を形成する場合、この基板47の加熱温度
は、通常50〜350℃、好適には100〜200℃とされ
る。この基板温度はA−Si層の成形速度、層の構
造、ボイドの存否等を左右し、形成されたA−Si
層の物性を決定する一要素であるので充分なる制
御が必要である。又、基板温度はA−Si層の形成
時に、一定に保持しても良いし、又A−Si層の成
長と共に上昇又は下降又は上下させても良い。例
えば、A−Si層の形成初期に於いては、比較的低
い温度T1に基板温度を保ち、A−Si層がある程
度成長したらT1よりも高い温度T2まで基板温度
を上昇させながらA−Si層を形成し、A−Si層形
成終期には再びT2より低い温度T3に基板温度を
下げる等して、A−Si層を形成することが出来
る。この様にすることによつて、A−Si層の電気
的・光学的性質を層厚方向に一定若しくは連続的
に変化させることが出来る。
又、A−Siは、その層成長速度が他の、例え
ば、Se等に較べて遅いので、形成する層厚が厚
くなると層形成初期に形成されたA−Si(基板側
に近いA−Si)は、層形成終了迄の間に、層形成
初期の特性を変移させる恐れが充分考えられるの
で、層の厚み方向に一様な特性を有するA−Si層
を形成する為には層形成開始から層形成終了時に
亘つて基板温度を上昇させ乍ら層形成するのが望
ましい。この基板温度制御操作はグロー放電法を
採用する場合にも適用される。
基板47が所定の温度に加熱されたことを検知
した後、流入バルブ56〜59、流出バルブ64
〜67、補助バルブ68を閉じる。
次に、出口圧ゲージ76を注視し乍ら、バルブ
71を徐々に開けて、ボンベ53の出口圧を所定
圧に調整する。続いて、流入バルブ57を全開し
てフローメーター61内に、例えばArガス等の
雰囲気ガスを流入させる。その後、補助バルブ6
8を全開し、次いでメインバルブ69及び流出バ
ルブ65を調整し乍ら雰囲気ガスを堆積槽47内
に導入し、所定の真空度に堆積槽47内を保つ。
次に、出口圧ゲージ75を注視し乍らバルブ7
1を徐々に開けて、ボンベ52の出口圧を調整す
る。続いて、流入バルブ56を全開してフローメ
ーター60内にH2ガスを流入させる。次いでメ
インバルブ69及び流出バルブ64を調節しなが
らH2ガスを堆積槽47内に導入し所定の真空度
に保つ。このH2ガスの堆積槽47への導入は、
基板47上に内部層として形成されるA−Si層中
にHを含有させる必要がない場合には省略され
る。H2ガス及びArガス等の雰囲気ガスの堆積槽
47内への流量は所望する物性のA−Si層が形成
される様に適宜決定される。例えば、雰囲気ガス
とH2ガスとを混合する場合には堆積槽47内の
混合ガスの圧力としては真空度で、通常は10-3〜
10-1torr、好適には5×10-3〜3×10-2torrとさ
れる。ArガスはHeガス等の稀ガスに代えること
も出来る。
形成されるA−Si層中に強いて前記した不純物
をドーピングしない場合には、堆積槽47内に所
定の真空度になるまで、雰囲気ガス及びH2ガス
又は雰囲気ガスが導入された後、高周波電源79
により、所定の周波数及び電圧で、基板47が設
置されている固定部材48とスパツター用電極5
1間に高周波電圧を印加して放電させ、生じた、
例えばArイオン等の雰囲気ガスのイオンでシリ
コンターゲツトをスパツタリングし、基板47上
に内部層としてのA−Si層を形成する。
形成されるA−Si層中に不純物を導入する場合
には、ボンベ53又は54より不純物形成用の原
料ガスを、A−Si層形成時に堆積槽49内に導入
してやれば良い。この場合の導入法は、第3図に
於いて説明したのと同様である。
上記の様にして基板47上に先ず内部層を所定
厚で形成した後、第3図に於いて説明したのと同
様に内部層上に外部層を形成する。
第4図の説明に於いては、高周波電界放電によ
るスパツタリング法であるが、別に直流電界放電
によるスパツタリング法を採用しても良い。高周
波電圧印加によるスパツタリング法に於いては、
その周波数は通常0.2〜30MHz、好適には5〜
20MHzとされ、又、放電電流密度は通常0.1〜10
mA/cm2、好適には1〜5mA/cm2とされるのが
望ましい。又、充分なパワーを得る為には、通常
100〜5000V、好適には300〜5000Vの電圧に調節
されるのが良い。
スパツタリング法によつて、製造する際のA−
Si層の成長速度は、主に基板温度及び放電条件に
よつて決定されるものであつて、形成された層の
物性を左右する大きな要因の一つである。本発明
の目的を達成する為のA−Si層の成形速度は、通
常の場合0.5〜100Å/sec、好適には1〜50Åsec
とされるのが望ましい。スパツタリング法におい
てもグロー放電法と同様に不純物のドーピングに
よつて形成されるA−Si層をn型或いはp型に調
整することが出来る。不純物の導入法は、スパツ
タリング法に於いてもグロー放電法と同様であつ
て、例えば、PH3、P2H4、B2H6等の如き物質を
ガス状態でA−Si層形成時に堆積槽43内に導入
して、A−Si層中にP又はBを不純物としてドー
ピングする。この他の、又、形成されたA−Si層
に不純物をイオンインプランテーシヨン法によつ
て導入してもよい。
実施例 1 完全にシールドされたクリーンルーム中に設置
された第3図に示す装置を用い、以下の如き操作
によつて電子写真用像形成部材を作製した。
表面が清浄にされた0.2mm厚5cmのφのモルブ
デン板(基板)19を、グロー放電真空堆積槽1
8内の所定位置にある固定部材20に堅固に固定
した。基板19は、固定部材20内の加熱ヒータ
ー21によつて±0.5℃の精度で加温された。温
度は、熱電対(アルメル−クロメル)によつて基
板裏面を直接測定されるようになされた。次いで
系内の全バルブが閉じられていることを確認して
からメインバルブ37を全開して、槽18内が排
気され、約5×10-6torrの真空度にした。その後
ヒーター21の入力電圧を上昇させ、モリブデン
基板温度を検知しながら入力電圧を変化させ、
150℃の一定値になるまで安定させた。
その後、補助バルブ36、ついで流出バルブ3
3,34,35を閉じた後、シランガス(純度
99.999%)ボンベ24のバルブ38を開け、出口
圧ゲージ41の圧を1Kg/cm2に調整し、流入バル
ブ30を徐々に開けてフローメータ27内へシラ
ンガスを流入させた。引きつづいて、流出バルブ
33を徐々に開け、ついで補助バルブ36を徐々
に開け、ビラニーゲージ44の読みを注視しなが
ら補助バルブ36の開口を調整し、槽18内が1
×10−2torrになるまで補助バルブ36を開け
た。槽18内圧が安定してから、メインバルブ3
7を徐々に閉じビラニーゲージ44の指示が
0.5torrになるまで開口を絞つた。内圧が安定す
るのを確認してから、高周波電源22のスイツチ
をon状態にして、誘導コイル23に、5MHzの高
周波電力を投入し、槽内18のコイル内部(槽上
部)にグロー放電を発生させ、30Wの入力電力と
した。上条件で基板上にA−Si層を生長させるた
めに、1時間同条件を保つた(内部層の形成)。
その後、高周波電源20をoff状態とし、グロー
放電を中止させた状態で、ジボランガス(純度
99.999%)ボンベ25のバルブ39を開き、出口
圧ゲージ42の圧を1Kg/cm2に調整し、流入バル
ブ31を徐々に開けフローメータ28にジボラン
ガスを流入させた後、流出バルブ34を徐々に開
け、フローメータ28の読みが、シランガスの流
量の0.08vol%になる様に流出バルブ34の開口
を定め、安定化させた。
引き続き、再び高周波電源22をon状態にし
て、グロー放電を再開させた。こうしてグロー放
電を更に1時間持続させた(外部層の形成)後、
加熱ヒーター21をoff状態にし、高周波電源2
2もoff状態とし、基板温度が100℃になるのを待
つてから流出バルブ33,34及び補助バルブ3
6を閉じ、次いでメインバルブ37を全開にし
て、槽18内を10-5torr以下にした後、メインバ
ルブ37を閉じ槽18内をリークバルブ45によ
つて大気圧として基板を取り出した。この場合、
基板上に形成されたA−Si系層の全厚は約3μで
あつた。
次いで、上記A−Si系層上にPVKをトルエン
に溶解して作つた塗布液をドクターブレード法に
よつて塗布した。次にこれをトルエンを蒸発させ
るため80℃の雰囲気中に約2時間放置した。乾燥
後のPVK膜の厚さは約15μであつた。こうして
得られた像形成部材Aに次に示す様な方法の画像
形成処理を施した。
先ず、暗中に於いて、電源電圧5500Vで負コロ
ナ放電をその像形成表面に行い、次いで、15
lux.secの露出光で像形成表面より画像露光を行
つて静電像を形成し、該静電像をカスケード法に
より正荷電されたトナーで現像して転写紙上に転
写・定着を行つた。この時、帯電後、現像終了ま
での処理時間は数秒程度であつたが解像度が高く
極めて鮮明な転写画像が得られた。又、更に、上
記処理時間が10秒を越えても、ほとんど転写画像
のコントラストの低下は見られなかつた。
実施例 2 SiH4ガスに対し、0.01vol%の割合でB2H6ガス
を混合した状態でグロー放電を行なわせて、外部
層を形成した以外は実施例1と同様の方法でアル
ミニウム基板上に層中に空乏層を形成した厚み3
μのA−Si系層を得た。このA−Si系層上に、
PVKをトルエンに溶解して得た塗布液を、ドク
ターブレード法にて塗布し、次にこれを溶媒を蒸
発させるため、80℃の雰囲気中に約2時間放置し
た。乾燥後のPVKの層厚は約20μであつた。こ
の様にして形成した像形成部材Bを暗中に於いて
電源電圧6000Vで負コロナ帯電を行い、次いで15
lux.secの露光量で、像形成表面より画像露光を
行つて、静電像を形成し、該静電像をカスケード
法により、正荷電されたトナーで現像して転写紙
上に転写・定着を行つた所、解像度が高くて極め
て鮮明な画像が得られた。
実施例 3 1%のNaOH溶液を用いて表面処理を行い、充
分水洗し乾燥させて表面を清浄化した厚さ1mm、
大きさ10cm×5cmのアルミニウム基板を用意し
て、これに、ポリアクリロニトリルをジメチルホ
ルムアミドに溶解して得た塗布液をドクターブレ
ード法にて塗布した。次にこれをジメチルホルム
アミドを蒸発させるために約80℃の雰囲気中に約
1時間、次に熱処理の目的で約250℃の雰囲気中
に約2時間放置した。ポリアクリロニトリル層の
乾燥後の厚さは20μであつた。こうして得たポリ
アクリロニトリル層上に第4図に示す装置を用
い、以下の様にスパツタリング法にてA−Si系層
を形成した。
まずポリアクリロニトリル層を有する基板47
を真空堆積槽47内の所定位置にある固定部材4
8の所定位置に、ポリアクリロニトリル層を上面
にしてヒーター49とは約10cm離して堅固に固定
した。基板47と対向した電極上には、多結晶シ
リコン板(純度99.999%)ターゲツト50が基板
47と平行に約4.5cm離されて対向するように固
定された。
槽46内は、メインバルブ69を全開して一旦
5×10−7torr程度まで真空にされ(このとき、
系の全バルブは閉じられている)、補助バルブ6
8および流出バルブ64,65,66,67が開
かれ十分に脱気された後、流出バルブ64,6
5,66,67と補助バルブ68が閉じられた。
基板47は、加熱ヒーター電源を入力して加熱
され、200℃に保たれた。そして水素(純度
99.99995%)ボンベ52のバルブ71を開け、出
口圧力計75によつて1Kg/cm2に出口圧を調整し
た。続いて、流入バルブ56を徐々に開いて、フ
ローメータ60内に水素ガスを流入させ、続い
て、流出バルブ64を徐々に開き、更に補助バル
ブ68を開いた。
槽46の内圧を、圧力計70で検知しながら流
出バルブ64を調整して5×10-5torrの真空度に
した。引き続きアルゴン(純度99.9999%)ガス
ボンベ53のバルブ72を開け、出口圧力計76
の読みが1Kg/cm2になる様に調整された後、流入
バルブ57が開けられ、続いて流出バルブ65が
徐々に開けられ、アルゴンガスを槽46内に流入
させた。圧力計70の指示が5×10-4torrになる
まで、流出バルブ65が徐々に開けられ、この状
態で流量が安定してから、メインバルブ69が
徐々に閉じられ、槽46内圧が1×10-2torrにな
るまで開口が絞られた。続いて、ジボランガス
(純度99.9995%)ボンベ54のバルブ73を開
き、出口圧ゲージ77を1Kg/cm2に調整し流入バ
ルブ58を開き、次いで徐々に流出バルブ66を
開けフローメータ62の読みが、水素ガスのフロ
ーメータ60の示す流量の約1.0vol%の流量で流
入されるように流出バルブ66を調整した。フロ
ーメータ60,61,62が安定するのを確認し
てから、高周波電源79をon状態にし、ターゲ
ツト56および固定部材48間に13.56MHz、
500V、1.6KVの交流電力が入力された。この条
件で安定した放電を続ける様にマツチングを取り
ながら層を形成した。この様にして40分放電を続
け内部層を形成した。その後高周波電源79を
off状態にし、放電を一旦中止させた。引き続い
て流出バルブ64,65,66を閉じメインバル
ブ69を全開して槽46内のガスを抜き、5×
10-7torrまで真空にした。その後内部層形成の場
合と同様に、水素ガス、Arガスを導入してメイ
ンバルブ69の開口を調節して槽46内圧を2×
10-2torrとした。続いて、ホスフインガス(純度
99.9995%)ボンベ55のバルブ74を開け出口
圧を出口圧力ゲージ78の読みが1Kg/cm2になる
よう調節し、流入バルブ59を開け、次いで流出
バルブ67を徐々に開けて、フローメータ63に
よつて水素ガス流量の1.0%の流量となるよう調
整された。水素、アルゴン、ホスフインのガス流
量が安定してから、再び高周波電源79をON状
態にして1.6KV印加し放電を再開した。この条件
で、40分間放電を続けたのち、高周波電源79を
off状態とし、加熱ヒーター49の電源もoff状態
とした。基板温度が100℃以下になるのを待つ
て、流出バルブ64,65,67、及び補助バル
ブ68を閉じた後、メインバルブ69を全開して
槽46内のガスを抜いた。その後メインバルブ6
9を閉じてリークバルブ80を開いて大気圧にリ
ークしてからA−Si系層の形成された基板を取り
出した。
この場合、形成されたA−Si系層の厚さは、2
μであつた。
このサンプルを像形成部材Cとした。この像形
成部材Cを暗中に於いて電源電圧6000Vで正コロ
ナ帯電を行い、次いで15 lux.secの露光量で、像
形成表面より画像露光を行つて、静電像を形成
し、該静電像をカスケード法により、負荷電され
たトナーで現像して転写紙上に転写・定着を行つ
た所、解像度が高くて極めて鮮明な画像が得られ
た。
実施例 4 実施例3と同様な方法で、Al基板上に、ポリ
アクリロニトリル層(層厚約15μ)、A−Si系層
(層厚1μ)を形成した後、更にその上から実施
例2と同様な方法でPVK;TNFを塗布した(層
厚約15μ)。
この様にして製造した像形成部材Dを使用して
実施例3と同様な方法で画像処理を行つた所、高
品質の転写画像が得られた。
実施例 5 ポリエチレンテレフタレートのシート(厚さ
100μ)にAlをうすく蒸着したものを基板とした
以外は実施例1と同様にして像形成部材Eを得
た。これを使用して画像露光を基板側から行つた
以外は実施例1と同様の方法で画像処理を行つ
た。得られた転写画像は高品質のものであつた。
実施例 6 実施例3と同様な方法で、Al基板上にポリア
クリロニトリル層(厚さ約15μ)、A−Si系層
(厚さ約1μ)を形成した後、A−Si系層上にポ
リカーボネート樹脂を乾燥後の厚さが15μとなる
様に塗布して、透明な絶縁層を形成し、像形成部
材Fを得た。この像形成部材の絶縁層表面に一次
帯電として、帯電電圧6000Vで負コロナ放電を行
うと同時に絶縁層表面側から全面に光照射を行い
その後5秒程度経過後二次帯電として帯電電圧
5500Vで正コロナ放電を行なうと同時に露光量20
lux.secで画像露光を行い、次いで像形成部材表
面を一様に全面照射して静電像を形成した。これ
をカスケード法により正荷電されたトナーで現像
して転写紙上に転写・定着した所、解像度が高く
鮮明な画像が得られた。
実施例 7 表面が清浄にされた、コーニング7059ガラス
(1mm厚、4×4cm、両面研磨したもの)表面の
一方に、電子ビーム蒸着法によつてITO
(In2O3;SnO220;I成型、600℃焼成)を1200Å
の層厚に蒸着した後、500℃酸素雰囲気中で加熱
処理されたものを、実施例1と同様の装置(第3
図)の固定部材20上にITO蒸着面を上面にして
設置した。続いて、実施例1と同様の操作によつ
てグロー放電槽18内を5×10-6torrの真空とな
し、基板温度は170℃に保たれた後、シランガス
が流され、槽18内は、0.8torrに調節された。
この時、更にホスフインガスが、シランガスの
0.1vol%となるように、ホスフインガスボンベ2
6からバルブ40を通して、1Kg/cm2のガス圧
(出口圧力ゲージ41の読み)で流入バルブ3
2、流出バルブ35の調節によつてフローメータ
29の読みから槽18内にシランガスと混合流入
された。ガス流入が安定し槽内圧が一定となり、
基板温度が190℃に安定してから、実施例1と同
様に高周波電源22をon状態として、グロー放
電を開始させた。この条件で、30分間グロー放電
を持続させた後、高周波電源22をoff状態とし
てグロー放電を中止させ内部層の形成を終つた。
その後、流出バルブ33,35を閉じ、補助バル
ブ36、メインバルブ37を全開にして、槽18
中を5×10-6torrまで真空にした。その後、補助
バルブ36、メインバルブ37は閉じられ、流出
バルブ33を徐々に開け、補助バルブ36、メイ
ンバルブ37を上記した内部層形成時と同じシラ
ンガスの流量状態になる様に復起された。続い
て、再び高周波電源22をon状態として、グロ
ー放電を再開させ、この状態を1時間持続させた
後、加熱ヒーター9及び高周波電源22をoff状
態として、基板温度が100℃になるのを待つて、
流出バルブ33を閉じ、メインバルブ37と補助
バルブ36を全開して、槽18内を一旦10-5torr
以下にしてから、メインバルブ37を閉じ、槽1
8内をリークバルブ45でリークし基板を取り出
した。形成されたA−Si系層の全厚は、約3.5μ
であつた。
この様にして形成したA−Si系層上に実施例1
と同様にして30μ厚のPVK層を形式し、像形成
部材Gとした。こうして得られた像形成部材Gに
就て、画像形成の試験をした。6KVのコロナ帯
電、露光荷電性現像剤の組み合せで画像形成処
理したところ実用に供しうる良質な画像を得るこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の電子写真用像形
成部材の構成の一例を示す模式的構成断面図、第
3図、第4図は本発明の電子写真用像形成部材を
製造する為の装置の一例を示す模式的説明図であ
る。 1,9……電子写真用像形成部材、2,10…
…支持体、3,12……A−Si系層、4,11…
…有機化合物層、5,14……自由表面、13…
…表面被覆層、18,46……真空堆積槽。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 空乏層を有し、電磁波励起によつて、移動可
    能なキヤリアーを発生し、水素を1〜40原子%含
    有するアモルフアスシリコン層と、該層中で発生
    したキヤリアーが注入され、該注入されたキヤリ
    アーを輸送するための、有機化合物から成る層、
    とが積層されていることを特徴とする電子写真用
    像形成部材。 2 前記有機化合物が、電子易動度の比較的大き
    いものである特許請求の範囲第1項に記載の電子
    写真用像形成部材。 3 前記有機化合物が、正孔易動度の比較的大き
    いものである特許請求の範囲第1項に記載の電子
    写真用像形成部材。 4 前記有機化合物から成る層は、アモルフアス
    シリコン層に於いて充分なるキヤリアーが発生さ
    れ得る様に照射される電磁波が透過し得る層とし
    て設けられている特許請求の範囲第2項乃至第3
    項のいずれかに記載の電子写真用像形成部材。 5 前記空乏層が、照射される電磁波の作用を受
    けて移動可能なキヤリアーを発生する層として設
    けられている特許請求の範囲第1項乃至第4項の
    いずれかに記載の電子写真用像形成部材。 6 前記空乏層は、p+型、p型、n型、n+型及
    びi型のアモルフアスシリコン層の中の異なる二
    種が積層されて形成された接合部に設けられてあ
    る特許請求の範囲第5項に記載の電子写真用像形
    成部材。 7 二つの異なるアモルフアスシリコン層の一方
    がp+型又はp型で、他方がn+型又はn型である
    特許請求の範囲第6項に記載の電子写真用像形成
    部材。 8 二つの異なるアモルフアスシリコン層の一方
    がi型で、他方がp+型、p型、n型及びn+型の
    中の1つである特許請求の範囲第6項に記載の電
    子写真用像形成部材。 9 前記空乏層に関して、電磁波の照射される側
    にある層は、前記空乏層に於いて充分なるキヤリ
    アーが発生され得る様に、照射される電磁波が透
    過し得る層として設けられている特許請求の範囲
    第6項乃至第8項のいずれかに記載の電子写真用
    像形成部材。 10 前記アモルフアスシリコン層の前記有機化
    合物から成る層とは反対側に障壁層が設けてある
    特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用像形成
    部材。 11 電気絶縁層が更に設けられている特許請求
    の範囲第1項に記載の電子写真用像形成部材。 12 前記アモルフアスシリコン層と前記有機化
    合物から成る層とがこの順で支持体上に設けられ
    ている特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用
    像形成部材。 13 前記有機化合物から成る層と前記アモルフ
    アスシリコン層とがこの順で支持体上に設けられ
    ている特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用
    像形成部材。
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