JPS622853B2 - - Google Patents
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- JPS622853B2 JPS622853B2 JP54038137A JP3813779A JPS622853B2 JP S622853 B2 JPS622853 B2 JP S622853B2 JP 54038137 A JP54038137 A JP 54038137A JP 3813779 A JP3813779 A JP 3813779A JP S622853 B2 JPS622853 B2 JP S622853B2
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
本発明はセルロース質イオン交換体固体球状粒
子の製造方法に関するものである。さらにくわし
くはアニオン性又はカチオン性のイオン交換基を
有し、架橋により物理的、化学的に安定化され、
しかも排除限界分子量が種々異なるセルロース質
イオン交換体固体球状粒子を製造することができ
る方法に関するものである。 セルロースイオン交換体はその特異な性質によ
り、すでに生化学分野において蛋白質、酵素等の
分離に応用されている。その製造方法については
いくつかの方法が提示されている。 例えば、特公昭43−22320号は一般式A
(OH)mで表わされる共重合体からアルカリ性
反応化合物の存在下カチオン交換体あるいはアニ
オン交換体の製造法を述べている。ここに、A
(OH)mはデキストラン、シヨ糖、デン粉、セ
ルロース等をエピクロルヒドリン、グリセリン−
1・3−ジクロルヒドリン、エチレングリコール
ビス−エポキシプロピルエーテル等で架橋させた
共重合体である。この特公昭43−22320号の方法
はデキストラン、シヨ糖、デン粉、セルロース等
の多糖類を架橋させた後、イオン交換基を導入さ
せるものである。導入するイオン交換基としては
(−OR1Z)n(ここにR1はメチレンあるいはエチ
レン、ZはCOOH、−SO3Hあるいはそれらの塩
を表わす)または式
子の製造方法に関するものである。さらにくわし
くはアニオン性又はカチオン性のイオン交換基を
有し、架橋により物理的、化学的に安定化され、
しかも排除限界分子量が種々異なるセルロース質
イオン交換体固体球状粒子を製造することができ
る方法に関するものである。 セルロースイオン交換体はその特異な性質によ
り、すでに生化学分野において蛋白質、酵素等の
分離に応用されている。その製造方法については
いくつかの方法が提示されている。 例えば、特公昭43−22320号は一般式A
(OH)mで表わされる共重合体からアルカリ性
反応化合物の存在下カチオン交換体あるいはアニ
オン交換体の製造法を述べている。ここに、A
(OH)mはデキストラン、シヨ糖、デン粉、セ
ルロース等をエピクロルヒドリン、グリセリン−
1・3−ジクロルヒドリン、エチレングリコール
ビス−エポキシプロピルエーテル等で架橋させた
共重合体である。この特公昭43−22320号の方法
はデキストラン、シヨ糖、デン粉、セルロース等
の多糖類を架橋させた後、イオン交換基を導入さ
せるものである。導入するイオン交換基としては
(−OR1Z)n(ここにR1はメチレンあるいはエチ
レン、ZはCOOH、−SO3Hあるいはそれらの塩
を表わす)または式
【式】(ここにR2およ
びR3のおのおのはメチル、エチルあるいはヒド
ロキシエチルを表わす)が挙げられている。得ら
れているイオン交換体の性質は1g当り水リゲイ
ンが1〜50gr、イオン交換容量が1〜6ミリ当量
である。この製造方法ではイオン交換基付与試薬
との反応の時点においてセルロース分子の反応部
位である水酸基がすでに架橋剤との反応により一
部消失していること、又架橋によつてセルロース
の構造が固定されたためにイオン交換基付与試薬
との反応に先立つ膨潤が充分に行なわれないこと
により、イオン交換基付与試薬の効率が低下し、
必要なイオン交換容量を得るためには高価なイオ
ン交換基付与試薬を多量使用しなければならない
欠点がある。 更に本特公昭43−22320号には、出発原料とし
てセルロースを使用した場合の実施例が述べられ
ていないが、セルロース固体粒子をアルカリの存
在下架橋し次いでイオン交換基を導入する方法で
は、後述の本発明による方法即ち、セルロース固
体粒子に予めイオン交換体を導入し十分に膨潤さ
せておいてから架橋する方法に比べて膨潤度がひ
くく従つて最終的に得た架橋されたセルロース質
イオン交換体の排除限界分子量は小さい。排除限
界分子量が小さいことは、それだけ分子量の高い
物質の分離が不充分となることを意味する。 これに対して特公昭48−9712号には未架橋セル
ロース粒子に先ずイオン交換基を付与し次いで架
橋する方法が開示されている。開示された方法に
よれば乾燥重量1g当たり0.2〜1.8ミリ当量のイ
オン交換容量に相当するイオン交換基置換セルロ
ースをアルカリ性溶媒中に溶解させ、水と混らな
い溶媒中で小滴状に乳化し、酸性反応物質と接触
させ、置換セルローズを球形の多孔性粒子の形で
沈澱させこの沈澱する前又は後で架橋をおこなつ
ている。ここに得られたイオン交換体セルロース
粒子は、1dl当り無置換セルロース基準で2〜25
gの密度を有している。ここでいう密度とは重量
(g)/(Vt−Vo)(dl)である。ここにVtはイ
オン交換体セルロース粒子を分離用カラムに充填
した場合の全容積であり、Voは高分子デキスト
ランで粒子の孔を浸透し得ないものの溶液を床上
を走らせデキストランが床の底部に到達するよう
にして溶離された容積を言う。 一般にこの密度が小さくなる程カラムに充填し
たときの膨潤度が大きくなる。前述の2〜25g/
dlの密度のイオン交換体は膨潤度がかなり高く、
やわらかくなり、流速が遅くなり、非常にとりあ
つかいにくくなる。又、この特公昭48−9712号の
例ではいくらまでの分子量のデキストランが細孔
に浸透出来るかを示す、いわゆる排除限界分子量
は4万から1000万であり、非常に大きい。セルロ
ース密度と排除限界分子量はほぼ相関関係があ
り、セルロース密度が大になると排除限界分子量
が小になる。蛋白質、酵素等の分離においては対
象物質が高分子量を有するので、使用するイオン
交換体の排除限界分子量はある程度大きい必要が
あるが、この例の様にあまりにも大きい場合は膨
潤度が大きくなり、流速が落ちる等の欠点を有す
る。密度が小さいことはこの特公昭48−9712号の
ようにイオン交換体セルロース粒子をアルカリ溶
液に溶解させ又再沈澱させる方法では避けられな
いことである。 従つて特公昭48−9712号の方法では得られるセ
ルロースイオン交換体はその物理的、化学的性質
はおのずから限度があり、その使用方法が限られ
てくる。 本発明の目的は前記2つの特公昭の製法とは異
なる方法であつて、前記特公昭43−22320号の方
法のように多量のイオン交換基付与試薬を使用す
る必要がなく、この方法によつて得られるセルロ
ース質イオン交換体の排除限界分子量よりも大き
な排除限界分子量を持ち、前記特公昭48−9712号
の方法によつて得られるセルロース質イオン交換
体のようにカラムに充填して液体を通過させたと
きの流速の遅いことのないセルロース質イオン交
換体球状粒子を製造する方法を提供することであ
る。 本発明はセルロース固体球状粒子を原料として
固体球状を保ちつつイオン交換基を導入し次いで
架橋することである。 セルロース質イオン交換体は従来のものはフア
イバー状や顆粒状のものが多いが、これらは均一
性に欠け分離能が非常に悪く、又流速がおちる等
の欠点があり、球状粒子がすぐれている。本発明
においては、先ずセルロース固体球状粒子を製造
する。その方法としてはすでに公知の種々の方法
が採用されうるが、次の方法が好ましい。先ず液
中乾燥法(界面沈澱法または界面蒸発法ともい
う)により、セルローストリアセテート、セルロ
ースジアセテート等のセルロース有機酸エステル
誘導体を塩化メチレン、塩化メチレンとアセト
ン、メタノール等の混合溶媒に溶解した溶液をゼ
ラチン、ポバール、CMC等の分散剤を含む水溶
液中に滴下し、分散させ、前記溶液中の有機溶媒
を蒸発させることによつてセルロース有機酸エス
テルの固体球状粒子を形成する。この方法によれ
ば真球状粒子を得ることができる。この場合、セ
ルロース有機酸エステル誘導体の濃度は有機溶媒
溶液において2〜15%、望ましくは6〜12%、ゼ
ラチン等の分散剤の濃度は水溶液において2〜10
%が適当である。このような条件で得られた球状
粒子をアルカリ溶液中でけん化することによつて
球状、特に真球状の固体セルロース粒子を得るこ
とができる。 本発明におけるイオン交換基の種類および導入
の方法は特に限定されるものではないが、例えば
アニオン交換基としてはジエチルアミノエチル
基、ジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)アミ
ノエチル基が、カチオン交換基としてはカルボキ
シメチル基、スルフオプロピル基がある。導入の
方法としてはアルカリ性物質たとえば、水酸化ナ
トリウム水溶液で膨潤させたセルロース粒子を2
−クロルトリエチルアミン、モノクロル酢酸等と
反応する方法がある。交換容量は乾燥粒子1gあ
たり0.1〜3meq、好ましくは0.5〜2meqである。 次にイオン交換基の導入された未架橋セルロー
ス粒子を溶解変形又は相互に固着させることなく
アルカリ性物質で膨潤させて架橋剤で処理する。
イオン交換基を有する未架橋セルロース粒子は交
換基の種類や交換容量によつて差があるが、水に
対する膨潤性が交換基を有しない未架橋セルロー
ス粒子にくらべて大きい。特にアルカリ水溶液中
では膨潤性は著しく交換容量とアルカリ濃度によ
つては溶解する場合もある。溶解すると特公昭48
−9712号のように密度が小さく、膨潤性が大き
く、やわらかいセルロース粒子しか得られなくな
る。本発明者らはセルロース質イオン交換体固体
球状粒子にアルカリ溶液を添加するときに該溶液
中に塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリ
ウム等の中性塩を添加すればイオン交換体セルロ
ース粒子は溶解せず、膨潤状態を保つことを見い
だした。しかもこのときアルカリ濃度を変えれば
膨潤度が変わり、異なつた膨潤度において架橋す
ることにより密度及び排除限界分子量の異なつた
セルロース質イオン交換体粒子を得ることができ
ることも見出した。 前記アルカリ溶液における中性塩の濃度は大で
あるほどよいが、各アルカリ溶液に対して飽和濃
度の50%から100%までの濃度が良い。添加する
中性塩の添加量が少ない場合はイオン交換基の導
入されたセルロース固体球状粒子は、破壊するこ
とがあるから、しばしば中性塩の添加量はある程
度以上必要である。 アルカリ溶液はカセイソーダ水溶液が一般的で
あり、その濃度は1%〜40%、好ましくは3%〜
20%の範囲であれば濃度に応じてセルロース密度
の異なるイオン交換体セルロース粒子を製造でき
る。 架橋剤は通常よく使用されるエピクロロヒドリ
ン、ジクロロヒドリン、エチレングリコール−ビ
スエポキシ・プロピルエーテル、1・4−ブタン
ジオール−ビス−エポキシプロピルエーテル、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジイソシ
アネート類などが適当である。 膨潤工程及び架橋剤との反応において反応系内
に高分子化合物や界面活性剤を添加することは粒
子の分散性、反応性の向上に有効である。 本発明によれば球状固体のままでイオン交換基
を導入したセルロースを溶解させることなく、架
橋しているので、密度が大きくそのためにかたく
て流速を大きくとれるイオン交換体セルロース粒
子を製造することができる。かたくて流速が大で
あることは工業的に利用する場合、大なる利点で
ある。 また本発明によればイオン交換体セルロース粒
子の多孔度を示すセルロース密度は、特公昭48−
9712号に示されたイオン交換体セルロース粒子の
持つ2〜25g/dl以上の27〜80g/dlのものを製
造することができる。これらの結果は実施例2に
示す。25g/dl以下になるとやわらかくなり流速
が遅くなり使用しにくいものであるが、27〜80
g/dlであればこれらの欠点はなくなる。 更にセルロース密度27〜80g/dlの範囲のもの
を自由に製造できることは画期的なことである。
これはセルロース粒子にイオン交換基を導入した
後に中性塩を加えてアルカリ溶液中にけんだくさ
せて架橋させることによつてはじめてなしとげら
れたものである。架橋後セルロース粒子にそのま
まイオン交換基を導入する方法では用いるセルロ
ース粒子そのものによつてセルロース密度は限定
されてくるのである。たとえば先に紹介した製造
法による真球状のセルロース粒子からのイオン交
換セルロースでは一般に排除限界分子量が1500〜
3000位の低いものしか得られない。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれによつて限定されるもの
ではない。以下の例において特にことわらない限
り「部」とあるのは重量部を表わす。 実施例 1 セルローストリアセテート(酢化度60.8%)
320部を塩化メチレン4000部に溶解し、20℃で4
%のゼラチン水溶液6840部に滴下する。滴下終了
後しばらく撹拌を続けたのち35℃に温度をあげ、
200rpmの回転数で撹拌機で撹拌をつづけながら
塩化メチレンを蒸発させてとばすとセルロースト
リアセテートの真球状の粒子が得られる。濾過し
て、水で洗滌後乾燥すると次の粒度分布を持つ粒
子が次の量得られた。 300〜500μ 2.0部 150〜300μ 95.2部 45〜150μ 175.4部 <45μ 32.2部 このようにして得られた真球状セルローストリ
アセテート粒子の45〜150μのものを以下の実験
に供した。セルローストリアセテート粒子175.4
部を500部の75%エタノール溶液に浸漬し、50℃
温浴にて30分間膨潤させた後、1N−カセイソー
ダ溶液80部を加え、室温で一昼夜放置してけん化
させる。この様にして得た真球状セルロース粒子
50部、リグロイン350部(容量;1重量部:1容
量部=1g:1mlを表わす。以下同じ。)、ノニオ
ン界面活性剤0.5部を撹拌機付の容器中に入れ、
撹拌分散させる。ついで20重量%のカセイソーダ
水溶液57部を添加し、室温で2時間撹拌する。つ
いで2−クロル−トリエチルアミン塩酸塩29部を
添加し、70℃で4時間反応させる。室温まで冷却
後デカンテーシヨンによりグロインを除去する。
粒子を水中に懸濁して水洗、デカンテーシヨンを
くりかえし、水層が中性となつたら濾過する。さ
らにエタノールで洗滌後乾燥した。このようにし
て得られた乾燥粒子1gのイオン交換容量は
1.5meq/gであつた。この未架橋のジエチルア
ミノエチル基の導入されたセルロース粒子50部、
ノニオン界面活性剤0.1部及びリグロイン400部
(容量)を撹拌機付容器に入れ、撹拌分散させ
る。ついで5重量%のカセイソーダ溶液150部に
塩化ナトリウムを飽和する迄溶解させたものを加
え、室温で2時間撹拌する。エピクロルヒドリン
10部(容量)を加えて50℃で2時間反応後室温ま
で冷却する。水1000部と酢酸50部を加えて、デカ
ンテーシヨンでリグロインを除去し、充分に水洗
する。最後にエタノールで洗滌した後乾燥する。
この真球状イオン交換体セルロース粒子36gを直
径2.2cmのカラムにつめたところベツド容積は220
mlであつた。ついで分子量200万の青色デキスト
ランを溶出させたところ溶出量は133mlであつ
た。これらのデータよりこのイオン交換体のセル
ロース密度は次の様に計算される。{イオン交換
体重量(g)/(Vt−Vo)ml}×100%(w/
v)={30.6/(220−133)}×100=35 ここでイ
オン交換体重量は無置換体セルロース重量を基準
とする。このイオン交換体セルロース粒子を直径
1cm、高さ30cmまでにカラムに充填し、水柱30cm
の圧力損失の条件でPH7.0、0.1Mトリス−塩酸バ
ツフアー溶液を流したところ60ml/cm2hrの流速で
あつた。前記特公昭48−9712号の方法により製造
されたと推定されるセルロース質イオン交換体球
状粒子であるフアルマシア社製DEAE−セフアセ
ル(登録商標)は同じ条件で20ml/cm2hrであつた
から、本発明によるイオン交換体球状粒子の方が
はるかに大きな流速を実現できることが明らかで
ある。なお参考迄に生化学の分野において使用さ
れるイオン交換体球状粒子としては最も代表的な
同社製DEAE−セフアデツクスA−50(架橋デキ
ストランにイオン交換基を導入した球状イオン交
換体である)は10ml/cm2hrであつた。これと比較
しても本発明によるものの方が大きな流速を実現
できることが明らかである。 実施例 2 実施例1と同様な方法でセルロース粒子を製造
し、ついでジエチルアミノ基を導入して得たイオ
ン交換容量1.5meq/gの粒子に対しカセイソー
ダ濃度と塩化ナトリウムの量を変えて実施例1と
同様にして架橋させた。この場合得られたイオン
交換体セルロース粒子のセルロース密度、ポリエ
チレングリコール又はデキストランを用いて測定
した排除限界分子量は次のとおりであつた。
ロキシエチルを表わす)が挙げられている。得ら
れているイオン交換体の性質は1g当り水リゲイ
ンが1〜50gr、イオン交換容量が1〜6ミリ当量
である。この製造方法ではイオン交換基付与試薬
との反応の時点においてセルロース分子の反応部
位である水酸基がすでに架橋剤との反応により一
部消失していること、又架橋によつてセルロース
の構造が固定されたためにイオン交換基付与試薬
との反応に先立つ膨潤が充分に行なわれないこと
により、イオン交換基付与試薬の効率が低下し、
必要なイオン交換容量を得るためには高価なイオ
ン交換基付与試薬を多量使用しなければならない
欠点がある。 更に本特公昭43−22320号には、出発原料とし
てセルロースを使用した場合の実施例が述べられ
ていないが、セルロース固体粒子をアルカリの存
在下架橋し次いでイオン交換基を導入する方法で
は、後述の本発明による方法即ち、セルロース固
体粒子に予めイオン交換体を導入し十分に膨潤さ
せておいてから架橋する方法に比べて膨潤度がひ
くく従つて最終的に得た架橋されたセルロース質
イオン交換体の排除限界分子量は小さい。排除限
界分子量が小さいことは、それだけ分子量の高い
物質の分離が不充分となることを意味する。 これに対して特公昭48−9712号には未架橋セル
ロース粒子に先ずイオン交換基を付与し次いで架
橋する方法が開示されている。開示された方法に
よれば乾燥重量1g当たり0.2〜1.8ミリ当量のイ
オン交換容量に相当するイオン交換基置換セルロ
ースをアルカリ性溶媒中に溶解させ、水と混らな
い溶媒中で小滴状に乳化し、酸性反応物質と接触
させ、置換セルローズを球形の多孔性粒子の形で
沈澱させこの沈澱する前又は後で架橋をおこなつ
ている。ここに得られたイオン交換体セルロース
粒子は、1dl当り無置換セルロース基準で2〜25
gの密度を有している。ここでいう密度とは重量
(g)/(Vt−Vo)(dl)である。ここにVtはイ
オン交換体セルロース粒子を分離用カラムに充填
した場合の全容積であり、Voは高分子デキスト
ランで粒子の孔を浸透し得ないものの溶液を床上
を走らせデキストランが床の底部に到達するよう
にして溶離された容積を言う。 一般にこの密度が小さくなる程カラムに充填し
たときの膨潤度が大きくなる。前述の2〜25g/
dlの密度のイオン交換体は膨潤度がかなり高く、
やわらかくなり、流速が遅くなり、非常にとりあ
つかいにくくなる。又、この特公昭48−9712号の
例ではいくらまでの分子量のデキストランが細孔
に浸透出来るかを示す、いわゆる排除限界分子量
は4万から1000万であり、非常に大きい。セルロ
ース密度と排除限界分子量はほぼ相関関係があ
り、セルロース密度が大になると排除限界分子量
が小になる。蛋白質、酵素等の分離においては対
象物質が高分子量を有するので、使用するイオン
交換体の排除限界分子量はある程度大きい必要が
あるが、この例の様にあまりにも大きい場合は膨
潤度が大きくなり、流速が落ちる等の欠点を有す
る。密度が小さいことはこの特公昭48−9712号の
ようにイオン交換体セルロース粒子をアルカリ溶
液に溶解させ又再沈澱させる方法では避けられな
いことである。 従つて特公昭48−9712号の方法では得られるセ
ルロースイオン交換体はその物理的、化学的性質
はおのずから限度があり、その使用方法が限られ
てくる。 本発明の目的は前記2つの特公昭の製法とは異
なる方法であつて、前記特公昭43−22320号の方
法のように多量のイオン交換基付与試薬を使用す
る必要がなく、この方法によつて得られるセルロ
ース質イオン交換体の排除限界分子量よりも大き
な排除限界分子量を持ち、前記特公昭48−9712号
の方法によつて得られるセルロース質イオン交換
体のようにカラムに充填して液体を通過させたと
きの流速の遅いことのないセルロース質イオン交
換体球状粒子を製造する方法を提供することであ
る。 本発明はセルロース固体球状粒子を原料として
固体球状を保ちつつイオン交換基を導入し次いで
架橋することである。 セルロース質イオン交換体は従来のものはフア
イバー状や顆粒状のものが多いが、これらは均一
性に欠け分離能が非常に悪く、又流速がおちる等
の欠点があり、球状粒子がすぐれている。本発明
においては、先ずセルロース固体球状粒子を製造
する。その方法としてはすでに公知の種々の方法
が採用されうるが、次の方法が好ましい。先ず液
中乾燥法(界面沈澱法または界面蒸発法ともい
う)により、セルローストリアセテート、セルロ
ースジアセテート等のセルロース有機酸エステル
誘導体を塩化メチレン、塩化メチレンとアセト
ン、メタノール等の混合溶媒に溶解した溶液をゼ
ラチン、ポバール、CMC等の分散剤を含む水溶
液中に滴下し、分散させ、前記溶液中の有機溶媒
を蒸発させることによつてセルロース有機酸エス
テルの固体球状粒子を形成する。この方法によれ
ば真球状粒子を得ることができる。この場合、セ
ルロース有機酸エステル誘導体の濃度は有機溶媒
溶液において2〜15%、望ましくは6〜12%、ゼ
ラチン等の分散剤の濃度は水溶液において2〜10
%が適当である。このような条件で得られた球状
粒子をアルカリ溶液中でけん化することによつて
球状、特に真球状の固体セルロース粒子を得るこ
とができる。 本発明におけるイオン交換基の種類および導入
の方法は特に限定されるものではないが、例えば
アニオン交換基としてはジエチルアミノエチル
基、ジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)アミ
ノエチル基が、カチオン交換基としてはカルボキ
シメチル基、スルフオプロピル基がある。導入の
方法としてはアルカリ性物質たとえば、水酸化ナ
トリウム水溶液で膨潤させたセルロース粒子を2
−クロルトリエチルアミン、モノクロル酢酸等と
反応する方法がある。交換容量は乾燥粒子1gあ
たり0.1〜3meq、好ましくは0.5〜2meqである。 次にイオン交換基の導入された未架橋セルロー
ス粒子を溶解変形又は相互に固着させることなく
アルカリ性物質で膨潤させて架橋剤で処理する。
イオン交換基を有する未架橋セルロース粒子は交
換基の種類や交換容量によつて差があるが、水に
対する膨潤性が交換基を有しない未架橋セルロー
ス粒子にくらべて大きい。特にアルカリ水溶液中
では膨潤性は著しく交換容量とアルカリ濃度によ
つては溶解する場合もある。溶解すると特公昭48
−9712号のように密度が小さく、膨潤性が大き
く、やわらかいセルロース粒子しか得られなくな
る。本発明者らはセルロース質イオン交換体固体
球状粒子にアルカリ溶液を添加するときに該溶液
中に塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリ
ウム等の中性塩を添加すればイオン交換体セルロ
ース粒子は溶解せず、膨潤状態を保つことを見い
だした。しかもこのときアルカリ濃度を変えれば
膨潤度が変わり、異なつた膨潤度において架橋す
ることにより密度及び排除限界分子量の異なつた
セルロース質イオン交換体粒子を得ることができ
ることも見出した。 前記アルカリ溶液における中性塩の濃度は大で
あるほどよいが、各アルカリ溶液に対して飽和濃
度の50%から100%までの濃度が良い。添加する
中性塩の添加量が少ない場合はイオン交換基の導
入されたセルロース固体球状粒子は、破壊するこ
とがあるから、しばしば中性塩の添加量はある程
度以上必要である。 アルカリ溶液はカセイソーダ水溶液が一般的で
あり、その濃度は1%〜40%、好ましくは3%〜
20%の範囲であれば濃度に応じてセルロース密度
の異なるイオン交換体セルロース粒子を製造でき
る。 架橋剤は通常よく使用されるエピクロロヒドリ
ン、ジクロロヒドリン、エチレングリコール−ビ
スエポキシ・プロピルエーテル、1・4−ブタン
ジオール−ビス−エポキシプロピルエーテル、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジイソシ
アネート類などが適当である。 膨潤工程及び架橋剤との反応において反応系内
に高分子化合物や界面活性剤を添加することは粒
子の分散性、反応性の向上に有効である。 本発明によれば球状固体のままでイオン交換基
を導入したセルロースを溶解させることなく、架
橋しているので、密度が大きくそのためにかたく
て流速を大きくとれるイオン交換体セルロース粒
子を製造することができる。かたくて流速が大で
あることは工業的に利用する場合、大なる利点で
ある。 また本発明によればイオン交換体セルロース粒
子の多孔度を示すセルロース密度は、特公昭48−
9712号に示されたイオン交換体セルロース粒子の
持つ2〜25g/dl以上の27〜80g/dlのものを製
造することができる。これらの結果は実施例2に
示す。25g/dl以下になるとやわらかくなり流速
が遅くなり使用しにくいものであるが、27〜80
g/dlであればこれらの欠点はなくなる。 更にセルロース密度27〜80g/dlの範囲のもの
を自由に製造できることは画期的なことである。
これはセルロース粒子にイオン交換基を導入した
後に中性塩を加えてアルカリ溶液中にけんだくさ
せて架橋させることによつてはじめてなしとげら
れたものである。架橋後セルロース粒子にそのま
まイオン交換基を導入する方法では用いるセルロ
ース粒子そのものによつてセルロース密度は限定
されてくるのである。たとえば先に紹介した製造
法による真球状のセルロース粒子からのイオン交
換セルロースでは一般に排除限界分子量が1500〜
3000位の低いものしか得られない。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれによつて限定されるもの
ではない。以下の例において特にことわらない限
り「部」とあるのは重量部を表わす。 実施例 1 セルローストリアセテート(酢化度60.8%)
320部を塩化メチレン4000部に溶解し、20℃で4
%のゼラチン水溶液6840部に滴下する。滴下終了
後しばらく撹拌を続けたのち35℃に温度をあげ、
200rpmの回転数で撹拌機で撹拌をつづけながら
塩化メチレンを蒸発させてとばすとセルロースト
リアセテートの真球状の粒子が得られる。濾過し
て、水で洗滌後乾燥すると次の粒度分布を持つ粒
子が次の量得られた。 300〜500μ 2.0部 150〜300μ 95.2部 45〜150μ 175.4部 <45μ 32.2部 このようにして得られた真球状セルローストリ
アセテート粒子の45〜150μのものを以下の実験
に供した。セルローストリアセテート粒子175.4
部を500部の75%エタノール溶液に浸漬し、50℃
温浴にて30分間膨潤させた後、1N−カセイソー
ダ溶液80部を加え、室温で一昼夜放置してけん化
させる。この様にして得た真球状セルロース粒子
50部、リグロイン350部(容量;1重量部:1容
量部=1g:1mlを表わす。以下同じ。)、ノニオ
ン界面活性剤0.5部を撹拌機付の容器中に入れ、
撹拌分散させる。ついで20重量%のカセイソーダ
水溶液57部を添加し、室温で2時間撹拌する。つ
いで2−クロル−トリエチルアミン塩酸塩29部を
添加し、70℃で4時間反応させる。室温まで冷却
後デカンテーシヨンによりグロインを除去する。
粒子を水中に懸濁して水洗、デカンテーシヨンを
くりかえし、水層が中性となつたら濾過する。さ
らにエタノールで洗滌後乾燥した。このようにし
て得られた乾燥粒子1gのイオン交換容量は
1.5meq/gであつた。この未架橋のジエチルア
ミノエチル基の導入されたセルロース粒子50部、
ノニオン界面活性剤0.1部及びリグロイン400部
(容量)を撹拌機付容器に入れ、撹拌分散させ
る。ついで5重量%のカセイソーダ溶液150部に
塩化ナトリウムを飽和する迄溶解させたものを加
え、室温で2時間撹拌する。エピクロルヒドリン
10部(容量)を加えて50℃で2時間反応後室温ま
で冷却する。水1000部と酢酸50部を加えて、デカ
ンテーシヨンでリグロインを除去し、充分に水洗
する。最後にエタノールで洗滌した後乾燥する。
この真球状イオン交換体セルロース粒子36gを直
径2.2cmのカラムにつめたところベツド容積は220
mlであつた。ついで分子量200万の青色デキスト
ランを溶出させたところ溶出量は133mlであつ
た。これらのデータよりこのイオン交換体のセル
ロース密度は次の様に計算される。{イオン交換
体重量(g)/(Vt−Vo)ml}×100%(w/
v)={30.6/(220−133)}×100=35 ここでイ
オン交換体重量は無置換体セルロース重量を基準
とする。このイオン交換体セルロース粒子を直径
1cm、高さ30cmまでにカラムに充填し、水柱30cm
の圧力損失の条件でPH7.0、0.1Mトリス−塩酸バ
ツフアー溶液を流したところ60ml/cm2hrの流速で
あつた。前記特公昭48−9712号の方法により製造
されたと推定されるセルロース質イオン交換体球
状粒子であるフアルマシア社製DEAE−セフアセ
ル(登録商標)は同じ条件で20ml/cm2hrであつた
から、本発明によるイオン交換体球状粒子の方が
はるかに大きな流速を実現できることが明らかで
ある。なお参考迄に生化学の分野において使用さ
れるイオン交換体球状粒子としては最も代表的な
同社製DEAE−セフアデツクスA−50(架橋デキ
ストランにイオン交換基を導入した球状イオン交
換体である)は10ml/cm2hrであつた。これと比較
しても本発明によるものの方が大きな流速を実現
できることが明らかである。 実施例 2 実施例1と同様な方法でセルロース粒子を製造
し、ついでジエチルアミノ基を導入して得たイオ
ン交換容量1.5meq/gの粒子に対しカセイソー
ダ濃度と塩化ナトリウムの量を変えて実施例1と
同様にして架橋させた。この場合得られたイオン
交換体セルロース粒子のセルロース密度、ポリエ
チレングリコール又はデキストランを用いて測定
した排除限界分子量は次のとおりであつた。
【表】
実施例 3
セルロースジアセテート(酢化度55.0%)300
部を塩化メチレン3500部、アセトン1500部の混合
溶媒に溶解し、6%のゼラチン水溶液5600部に
200rpmの定速回転下、滴下ロートにて、滴下し
た。液温を28〜30℃に10時間保持し、しかる後温
度を徐々に55℃まで昇温し、2時間かくはんしな
がら前記溶媒を蒸発させた。濾過、洗滌し乾燥し
た。次のような粒度分布のセルロースジアセテー
トの真球状粒子290部が得られた。 300〜500μ 1.0部 150〜300μ 58.0部 45〜150μ 188.5部 <45μ 42.5部 このようにして得られたもののうち150〜300μ
の真球状セルロースジアセテート粒子をけん化、
イオン交換基導入及び架橋をおこなつた。けん
化、イオン交換基導入は実施例1と同じ条件でお
こない、架橋は次のようにして行なつた。イオン
交換基の導入された真球状セルロース粒子50部に
トルエン300部(容量)を加え、かくはんしなが
ら分散させる。ついで6重量%のカセイソーダ溶
液200部、塩化カリウムを飽和まで加え、室温で
2時間撹拌する。エピクロルヒドリン11部(容
量)を加えて55℃で3時間反応させた後室温まで
冷却する。水1000部と酢酸50部を加えてデカンテ
ーシヨンでトルエンを除去し、充分に水洗する。
最後にエタノールで洗滌した後乾燥する。このイ
オン交換体セルロース粒子のイオン交換容量は
1.57meq/g、セルロース密度38%であつた。 実施例 4 実施例1と同じ方法で製造した真球状セルロー
ス粒子(45〜150μ)を用い、カルボキシメチル
基を次のようにして導入した。真球状セルロース
粒子100部をn−ヘプタン500部(容量)に分散さ
せ、20%カセイソーダ溶液150部とモノクロール
酢酸32部を加え、75℃で3時間かくはんしながら
反応をおこない、反応後、氷冷し、デカンテーシ
ヨンでn−ヘプタンを除去し、濾過水洗して、乾
燥する。このものを実施例1と同様に10%カセイ
ソーダに塩化ナトリウムを飽和する迄加えたもの
で膨潤させながら架橋をおこなつた。その結果、
イオン交換容量が1.51meq/g、セルロース密度
が47%のイオン交換体セルロース粒子が得られ
た。 実施例 5 実施例2で製造したDEAEタイプのイオン交換
体セルロース粒子1と4を用いて血しようたんぱ
く質の分離を次のようにしておこなつた。 保存血液を遠心分離により血球部分と血しよう
部分とに分離した。血しよう部分をとり、分子量
4000のポリエチレングリコール(以後、PEGと
略記する。)を加え、PEG濃度を11%として、カ
セイソーダ溶液でPH8.0に調整後、2000rpmで遠
心分離を行ない、沈澱部と上澄み部に分離した。
この上澄み部に主にアルブミンが含まれているの
で、分子量4000のPEGを添加してPEGを25%と
して、PHを硫酸で4.6に調整した後、6000rpmで
遠心分離をした。この沈澱部は主としてアルブミ
ンであるので7%の濃度になるように水に溶解し
(PH6.5に調整)その10mlを分離実験に用いた。 イオン交換体を直径0.8cmのカラムに全容積10
cmになるようにつめ、酢酸バツフアーで12ml/時
間の流速で分離をおこなつた。分光光度計で280
mμでの吸光度(O、D、)を測定した。溶出分
離パターンを第1図及び第2図に示す。第1,2
図は、それぞれセルロースイオン交換体4,1を
用いたものである。酢酸バツフアーのPH及びイオ
ン強度uを第1図及び第2図に示す。 第1図の4のイオン交換体セルロースではピー
ク1にほとんどたんぱく質がでてきて、吸着が少
なく素通りしたたんぱく質が多いことを示す。こ
のピーク1は電気泳動での分析結果アルブミンや
他の蛋白質を含む混合物であり、分離精製はおこ
なわれていなかつたことが明らかである。ピーク
2がアルブミンの成分であつた。 第2図の1のイオン交換体セルロースを用いた
結果では素通りする成分は少なく、ピーク3に大
部分がでており、この成分はほとんどアルブミン
であり、分離精製がうまくいつていることを示
す。 このように実際に血液分画に用いる場合に添加
する位の蛋白質の負荷量であれば、セルロース密
度が大であるイオン交換体では分離が不十分な場
合があり、セルロース密度が比較的小さいイオン
交換体では分離がうまくいく。イオン交換体でも
セルロース密度が分離能に影響を及ぼすことがわ
かる。もちろん4のイオン交換体でも蛋白質の負
荷量が小さい場合は分離精製は可能である。
部を塩化メチレン3500部、アセトン1500部の混合
溶媒に溶解し、6%のゼラチン水溶液5600部に
200rpmの定速回転下、滴下ロートにて、滴下し
た。液温を28〜30℃に10時間保持し、しかる後温
度を徐々に55℃まで昇温し、2時間かくはんしな
がら前記溶媒を蒸発させた。濾過、洗滌し乾燥し
た。次のような粒度分布のセルロースジアセテー
トの真球状粒子290部が得られた。 300〜500μ 1.0部 150〜300μ 58.0部 45〜150μ 188.5部 <45μ 42.5部 このようにして得られたもののうち150〜300μ
の真球状セルロースジアセテート粒子をけん化、
イオン交換基導入及び架橋をおこなつた。けん
化、イオン交換基導入は実施例1と同じ条件でお
こない、架橋は次のようにして行なつた。イオン
交換基の導入された真球状セルロース粒子50部に
トルエン300部(容量)を加え、かくはんしなが
ら分散させる。ついで6重量%のカセイソーダ溶
液200部、塩化カリウムを飽和まで加え、室温で
2時間撹拌する。エピクロルヒドリン11部(容
量)を加えて55℃で3時間反応させた後室温まで
冷却する。水1000部と酢酸50部を加えてデカンテ
ーシヨンでトルエンを除去し、充分に水洗する。
最後にエタノールで洗滌した後乾燥する。このイ
オン交換体セルロース粒子のイオン交換容量は
1.57meq/g、セルロース密度38%であつた。 実施例 4 実施例1と同じ方法で製造した真球状セルロー
ス粒子(45〜150μ)を用い、カルボキシメチル
基を次のようにして導入した。真球状セルロース
粒子100部をn−ヘプタン500部(容量)に分散さ
せ、20%カセイソーダ溶液150部とモノクロール
酢酸32部を加え、75℃で3時間かくはんしながら
反応をおこない、反応後、氷冷し、デカンテーシ
ヨンでn−ヘプタンを除去し、濾過水洗して、乾
燥する。このものを実施例1と同様に10%カセイ
ソーダに塩化ナトリウムを飽和する迄加えたもの
で膨潤させながら架橋をおこなつた。その結果、
イオン交換容量が1.51meq/g、セルロース密度
が47%のイオン交換体セルロース粒子が得られ
た。 実施例 5 実施例2で製造したDEAEタイプのイオン交換
体セルロース粒子1と4を用いて血しようたんぱ
く質の分離を次のようにしておこなつた。 保存血液を遠心分離により血球部分と血しよう
部分とに分離した。血しよう部分をとり、分子量
4000のポリエチレングリコール(以後、PEGと
略記する。)を加え、PEG濃度を11%として、カ
セイソーダ溶液でPH8.0に調整後、2000rpmで遠
心分離を行ない、沈澱部と上澄み部に分離した。
この上澄み部に主にアルブミンが含まれているの
で、分子量4000のPEGを添加してPEGを25%と
して、PHを硫酸で4.6に調整した後、6000rpmで
遠心分離をした。この沈澱部は主としてアルブミ
ンであるので7%の濃度になるように水に溶解し
(PH6.5に調整)その10mlを分離実験に用いた。 イオン交換体を直径0.8cmのカラムに全容積10
cmになるようにつめ、酢酸バツフアーで12ml/時
間の流速で分離をおこなつた。分光光度計で280
mμでの吸光度(O、D、)を測定した。溶出分
離パターンを第1図及び第2図に示す。第1,2
図は、それぞれセルロースイオン交換体4,1を
用いたものである。酢酸バツフアーのPH及びイオ
ン強度uを第1図及び第2図に示す。 第1図の4のイオン交換体セルロースではピー
ク1にほとんどたんぱく質がでてきて、吸着が少
なく素通りしたたんぱく質が多いことを示す。こ
のピーク1は電気泳動での分析結果アルブミンや
他の蛋白質を含む混合物であり、分離精製はおこ
なわれていなかつたことが明らかである。ピーク
2がアルブミンの成分であつた。 第2図の1のイオン交換体セルロースを用いた
結果では素通りする成分は少なく、ピーク3に大
部分がでており、この成分はほとんどアルブミン
であり、分離精製がうまくいつていることを示
す。 このように実際に血液分画に用いる場合に添加
する位の蛋白質の負荷量であれば、セルロース密
度が大であるイオン交換体では分離が不十分な場
合があり、セルロース密度が比較的小さいイオン
交換体では分離がうまくいく。イオン交換体でも
セルロース密度が分離能に影響を及ぼすことがわ
かる。もちろん4のイオン交換体でも蛋白質の負
荷量が小さい場合は分離精製は可能である。
第1,2図は、それぞれ、実施例2で得られた
本発明のセルロースイオン交換体4及び1を用い
て、血しよう中の主としてアルブミンを含む成分
を溶出分離したときの分離パターンを示す図であ
る。
本発明のセルロースイオン交換体4及び1を用い
て、血しよう中の主としてアルブミンを含む成分
を溶出分離したときの分離パターンを示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 セルロースの固体球状粒子の固体球状を保ち
つつ、イオン交換基を導入し、次いで該イオン交
換基の導入された未架橋セルロース粒子を中性塩
を含むアルカリ水溶液で、その固体球状を保ちつ
つ、膨潤させて架橋剤で処理することを特徴とす
る固体球状セルロース質イオン交換体の製造方
法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
前記セルロースの固体球状粒子が、セルロース有
機酸エステル誘導体を溶媒に溶解した溶液を、分
散剤を含む水溶液中に分散させておいて前記溶媒
を蒸発させることによつて製造したセルロース有
機酸エステル誘導体粒子をけん化して得たもので
あることを特徴とする前記方法。 3 特許請求の範囲第1項又は第2項記載の方法
において、前記アルカリ水溶液におけるアルカリ
濃度が1〜40%であることを特徴とする前記方
法。 4 特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記
載の方法において、前記アルカリ水溶液における
中性塩の濃度が飽和濃度の50〜100%であること
を特徴とする前記方法。 5 特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
かに記載の方法において、得られる固体球状セル
ロース質イオン交換体のセルロース密度を無置換
セルロースに換算して27〜80%とすることを特徴
とする前記方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3813779A JPS55129156A (en) | 1979-03-30 | 1979-03-30 | Production of cross-linked cellulosic ion exchange body spherical particle |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3813779A JPS55129156A (en) | 1979-03-30 | 1979-03-30 | Production of cross-linked cellulosic ion exchange body spherical particle |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS55129156A JPS55129156A (en) | 1980-10-06 |
| JPS622853B2 true JPS622853B2 (ja) | 1987-01-22 |
Family
ID=12517032
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3813779A Granted JPS55129156A (en) | 1979-03-30 | 1979-03-30 | Production of cross-linked cellulosic ion exchange body spherical particle |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS55129156A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001104806A (ja) * | 1999-10-13 | 2001-04-17 | Rengo Co Ltd | 球状セルロースイオン交換体及びこれを用いた金属回収方法 |
| GB0702504D0 (en) * | 2007-02-09 | 2007-03-21 | Ge Healthcare Bio Sciences Ab | Cross-linked cellulose membranes |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE434848B (sv) * | 1976-04-22 | 1984-08-20 | Purdue Research Foundation | Forfaringssett for framstellning av porosa cellulosaperlor |
-
1979
- 1979-03-30 JP JP3813779A patent/JPS55129156A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS55129156A (en) | 1980-10-06 |
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