JPS6236065B2 - - Google Patents
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- JPS6236065B2 JPS6236065B2 JP60214089A JP21408985A JPS6236065B2 JP S6236065 B2 JPS6236065 B2 JP S6236065B2 JP 60214089 A JP60214089 A JP 60214089A JP 21408985 A JP21408985 A JP 21408985A JP S6236065 B2 JPS6236065 B2 JP S6236065B2
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- polyvinyl alcohol
- acid
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- polymer
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Description
本発明はポリビニルアルコール系ポリマーに対
して、酢酸と酢酸ナトリウム及び限定されたpka
を有する有機多塩基酸の部分アルカリ金属を含有
させることによつて、熱安定性良好なポリビニル
アルコール系ポリマーを製造する方法に関するも
のである。 但し、本発明でいうpkaとは、酸の解離定数を
kaとする時、pka=−logkaで定義される値であ
る。 本発明でいうポリビニルアルコール系ポリマー
とは、ポリ酢酸ビニルケン化物(ポリビニルアル
コール)または、オレフインの1種または2種以
上と酢酸ビニルとの二元あるいは多元共重合体ケ
ン化物、あるいはこれらのポリマーから誘導され
る誘導体を言う。この場合、共重合に使用される
オレフインの例としては、エチレン、プロピレン
をいう。また誘導体の例としては、各種のエステ
ル化物、エーテル化物、アセタール化物、グラフ
ト化物、分子化合物、錯化合物あるいはキレート
化合物等が挙げられる。 尚、本発明で言うケン化物とは、部分ケン化物
及び完全ケン化物の両者を含むものとする。 該ポリビニルアルコール系ポリマーは熱安定性
に乏しく、溶融成形不能であるか、あるいは可能
であつても、溶融成形時極めて着色、熱劣化しや
すい特性がある。また溶融成形時のみならず熱処
理、熱延伸、熱接着、乾操等、要するに加熱時、
容易に着色し、また分解したり、あるいは逆に架
橋現象を呈しやすく、溶融粘度が変化したり、溶
剤に対して不溶化するなど、いわゆる熱安定性に
劣る欠点があり、工業上重大な問題点となつてい
る。 本発明者等は、ポリビニルアルコール系ポリマ
ーのかかる欠点を克服し、フイシユ・アイが少な
く、着色し難く、分解や架橋を起こし難い、熱安
定性良好なポリビニルアルコール系ポリマーを製
造する方法について、鋭意検討した結果、本発明
に到達した。 すなわち、ポリビニルアルコール系ポリマーに
対して 酢酸ナトリウムを0.005〜0.1重量%と 酢酸を、次式を満足するように含有させ、 α=ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸の含有率(重量%)/ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸ナ
トリウムの含有率(重量%)、1<α<10… 更に 25℃におけるpkaが式 X=1/2(pk1+pk2)、3.5<X<6.0 … (但し、pk1<pk2) を満足する有基多塩基酸であつて、該有機多塩基
酸のpk1に相当する酸基がアルカリ金属塩を形成
し、pk2に相当する酸基が遊離状態にある様な有
機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の1種または2
種以上を0.001〜0.5重量%加えることによつて、
フイシユ・アイが少なく、着色し難く、分解や架
橋を起こし難い、熱安定性良好なポリビニルアル
コール系ポリマーを得ることができることを認め
本発明を完成した。 本発明で言うpk1、pk2とは有機多塩基酸の大
きい酸解離定数から順にk1、k2、k3………knと
する時、pk1=−logk1、pk2=−logk2で定義され
る値である。 式を満足する有機多塩基酸の例としては、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、クエン酸、グルタコン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、
フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リン
ゴ酸等の有機酸を挙げることができるが必ずしも
これらに限定されるものではない。 本発明では、これらの有機多塩基酸のpk1に相
当する酸基がアルカリ金属塩を形成しており、
pk2に相当する酸基が遊離状態にあるものが使用
される。 但し、三塩基酸以上の有機多塩基酸の場合、該
有機多塩基酸の大きい方の酸解離定数から順に
k1、k2、k3、………kn-1、kn、kn+1………とす
る時、kn-1以下の酸基がすでに他の置換基で置
き換えられている場合、例えば塩を形成していた
り、あるいはエステルを形成している様な場合に
は、kn及びkn+1について、式X=1/2(pkn+ pkn+1)が式を満足し、しかもpknに相当する酸
基がアルカリ金属塩を形成し、pkn+1に相当する
酸塩が遊離状態にある様な有機多塩基酸の部分ア
ルカリ金属塩は本発明に含まれる。このような有
機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の例としては、
エチレンジアミン四酢酸(pk1=2.0、pk2=2.7、
pk3=6.2、pk4=10.3(25℃))やクエン酸(pk1
=3.13、pk2=4.76、pk3=6.40(25℃))のジナ
トリウム塩やジカリウム塩等が挙げられる。 但し、クエン酸についてはpk1、pk2に着目し
た場合でも前記したX値が式を満足するので、
クエン酸のモノアルカリ金属塩もまた本発明で使
用できるものの例である。 尚、本発明でいうアルカリ金属とは、周期律表
の第1族元素のうち、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、セシウム等を言う。さて、本発明の効果
を十分得るためには、前記した種々の本発明構成
条件をすべて満足する必要があり、これらの条件
のうち1つでも満足しない場合には、本発明の効
果を十分に得ることができない。 例えば、式を満足する有機多塩基酸を用いた
場合であつても、該有機多塩基酸の酸基がすべて
遊離状態であつたり、あるいは、酸基のすべてが
金属塩を形成しているような場合、または、式
を満足しない有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩
を用いた場合には、該ポリビニルアルコール系ポ
リマーに対する熱安定化作用は、ほとんど認めら
れず、むしろ加熱時、該ポリビニルアルコール系
ポリマーの着色や分解あるいは、不溶化を積極的
に促進する傾向さえ認められる。 また、本発明にかかる該有機多塩基酸の部分ア
ルカリ金属塩の含有率が0.5重量%を越える程度
に多い場合には該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーはむしろ着色、不溶化しやすくなるし、逆に、
該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の含有率が
0.001重量%を下まわる程度に少なくなると、該
有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の効果は、小
さくなるので、該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーの熱劣化を十分に防止することができない。 一方、該ポリビニルアルコール系ポリマー中の
酢酸ナトリウムの含有率が0.1重量%を越える程
度に多い場合には、該ポリビニルアルコール系ポ
リマーの着色、分解を促進する傾向があるし、ま
た酢酸ナトリウム含有率が0.005重量%を下まわ
る程度に少なくなると、本発明の効果は極めて小
さいものとなるものでこの場合もまた、該ポリビ
ニルアルコール系ポリマーの熱劣化を防止するこ
とができない。更にまた、酢酸ナトリウム含有率
が0.005重量%を下まわると、該ポリビニルアル
コール系ポリマー中の酢酸の含有率に著しい制約
を生じ、ポリビニルアルコール系ポリマーの熱劣
化防止に対する酢酸の含有率の有効範囲は式に
比較して極めて狭いものとなるので好ましくな
い。 また該ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢
酸含有率が式をはずれて多い場合には、該ポリ
ビニルアルコール系ポリマーは黄褐色を呈して、
不溶化しやすくなるし、酢酸含有率が式をはず
れて少ない場合には、該ポリビニルアルコール系
ポリマーは黄色に着色し、分解しやすい傾向を呈
する。 すなわち、ポリビニルアルコール系ポリマーに
対して、酢酸ナトリウムを0.005〜0.1重量%と酢
酸を、前記した式を満足するように含有させ、
更に、前記した式を満足する有機多塩基酸の部
分アルカリ金属塩を0.001〜0.5重量%加えること
によつて極めて良好な結果が得られるのである。 とくに特記すべき点は、酢酸及び酢酸ナトリウ
ムと該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩を併用
した時には、相乗効果が認められ、加熱時の黄色
度が極めて少なく、白土が一段と優れ、しかも厳
しい加熱条件下でも熱安定性を持続しうるポリビ
ニルアルコール系ポリマーを得ることができるこ
とである。 かかる相乗効果は、本発明者等の予期しないと
ころであつて、誠に意外な現象であつた。 すなわちポリビニルアルコール系ポリマーに対
して、酢酸のみを含有せしめた場合、あるいは酢
酸ナトリウムのみを含有せしめた場合には、該ポ
リビニルアルコール系ポリマーの熱安定性は劣悪
なものとなるし、また酢酸と酢酸ナトリウムを併
用した場合には弱い加熱条件下、例えば、比較的
低温での加熱あるいは比較的短時間での加熱の場
合、または1回のみの溶融成型の場合にはかなり
の熱安定化作用が認められるものの、厳しい加熱
条件下、例えば、比較的高温での加熱あるいは比
較的長時間での加熱の場合、または溶融成型を繰
り返した場合には、ほとんど効果が認められず、
むしろ該ポリビニルアルコール系ポリマーの熱劣
化を促進する傾向さえ認められる。 他方、ポリビニルアルコール系ポリマーに対し
て、本発明にかかる該有機多塩基酸の部分アルカ
リ金属塩のみを含有せしめた場合には厳しい加熱
条件下においてでさえ、該ポリビニルアルコール
系ポリマーの分解や不溶化を比較的良く防止しう
るが、加熱時の白度については、必ずしも十分で
はない。 すなわち、酢酸及び酢酸ナトリウムと該有機多
塩基酸の部分アルカリ金属塩を併用した時、相乗
効果が認められ、厳しい加熱条件下においても、
黄色度が極めて少なく、白度に優れ、フイシユ・
アイが少なく、熱劣化し難いポリビニルアルコー
ル系ポリマーを得ることができるのである。 該ポリビニルアルコール系ポリマー中に本発明
にかかる酢酸及び酢酸ナトリウムを含有させ、か
つ該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩を加える
方法としては、該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーの粉末やペレツトに直接付着させる方法、ある
いは酢酸及び酢酸ナトリウムと該有機多塩基酸の
部分アルカリ金属塩の混合水溶液あるいはアルコ
ール溶液または水−アルコール溶液等で該ポリビ
ニルアルコール系ポリマーを処理する方法、また
は該ポリビニルアルコール系ポリマーの溶液に、
酢酸と、酢酸ナトリウム及び該有機多塩基酸の部
分アルカリ金属塩を添加する方法、等いずれも使
用できるが、必ずしも、これらに限定されるもの
ではなく、種々の状況を勘案して、適当な方法を
選択すれば良い。 本発明は、該ポリビニルアルコール系ポリマー
を加熱成型する場合に、特に、顕著に、その効果
を発揮するが、その他、熱処理、熱延伸、熱接
着、乾燥等、要するに加熱時、その効果を発揮す
るものである。更に本発明は、該ポリビニルアル
コール系ポリマーが溶液状態で加熱される場合、
あるいはエマルジヨン状態で加熱される場合であ
つても、その効果を発揮するものである。 本発明によつて作成されたポリビニルアルコー
ル系ポリマーは溶融成型法、湿式成型法、乾式成
型法、等によつて成型物、フイルム、繊維、等に
成型されるほか、エマルジヨンや溶液にして、塗
料、接着剤、繊維加工剤あるいは紙加工剤などの
各種処理剤等に使用することができる。 また、本発明は、可塑剤や着色剤あるいは安定
剤や滑剤等、通常、プラスチツクス製品に添加さ
れる添加剤を加えた場合でも、十分、その効果を
発揮するものである。 次に実施例によつて本発明を詳細に説明する。 実施例 1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン成分
含有率33モル%、酢酸ビニル成分含有率67モル
%、重合度2150)40部(重量)をメタノール60部
に溶解し、これに苛性ソーダの10重量%メタノー
ル溶液20部を加え60℃で3時間ケン化した。 該ケン化原液を500部の水中に投入して、ポリ
マーを析出させ次いで、析出したポリマーを脱液
後、大型ソツクスレー式抽出機で50℃にて水で1
週間、連続抽出して洗浄した。 この抽出、洗浄したエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(ケン化度99.5モル%)100部をメ
タノール水混合物(メタノール70重量%+水30重
量%)400部に60℃で溶解させた。 該溶液に酢酸ナトリウム0.04部、酢酸0.15部及
び25℃におけるpkaが、前記した式を満足する
コハク酸(pk1=4.21、pk2=5.64、X値4.93)の
モノナトリウム塩(コハク酸水素ナトリウム)
0.05部を添加し60℃で十分撹拌して溶解した。 該組成物を室温まで冷却してゲル化させこれを
ミキサーで粉砕後、20時間風燥し、更に熱風循環
式乾燥器にて100℃、16時間加熱して乾燥させ
た。 かくして得られた該共重合体ケン化物中の酢酸
ナトリウム含有率は0.0364重量%、酢酸含有率は
0.1231重量%(α値3.38)、コハク酸水素ナトリ
ウム含有率は0.0486重量%であつた。 該共重合体ケン化物3gを230℃に加熱した熱
板(シンドー式卓上型テストプレスYS−5)の
間にはさみ、熱板間の間隙を5m/mに保つて、
10分間及び30分間加熱(加熱着色試験)し、この
加熱着色試験後の試料の黄色度(YI、日本電色
工業製ND−K5型)を測定した。 一方、溶融粘度の熱劣化特性を見るために、該
共重合体ケン化物の溶融指数(メルト・インデツ
クス)をASTM D1238(E)に準じて、190℃荷重
2160gにて測定(宝工業製メルト・インデクサー
MX−101−A型オリフイス外径9.5m/m、オリフ
イス内径2.095m/m、長さ8.0m/m)した。 但し、該共重合体ケン化物をメルト・インデク
サーに仕込み、荷重をかけないで30分間、190℃
で予熱した後、荷重をかけて測定した。 測定結果を表−1に示す。 一方、対照例として、該共重合体ケン化物に対
して酢酸と酢酸ナトリウムのみを添加した場合
(対照例1)、又コハク酸水素ナトリウムのみを添
加した場合(対照例2)、更に、酢酸、酢酸ナト
リウム及びコハク酸水素ナトリウムのいずれも添
加しない場合(対照例3)について実施例1の場
合と同様な方法で試料を作成し、同方法にて評価
した。評価結果を表−1に示す。
して、酢酸と酢酸ナトリウム及び限定されたpka
を有する有機多塩基酸の部分アルカリ金属を含有
させることによつて、熱安定性良好なポリビニル
アルコール系ポリマーを製造する方法に関するも
のである。 但し、本発明でいうpkaとは、酸の解離定数を
kaとする時、pka=−logkaで定義される値であ
る。 本発明でいうポリビニルアルコール系ポリマー
とは、ポリ酢酸ビニルケン化物(ポリビニルアル
コール)または、オレフインの1種または2種以
上と酢酸ビニルとの二元あるいは多元共重合体ケ
ン化物、あるいはこれらのポリマーから誘導され
る誘導体を言う。この場合、共重合に使用される
オレフインの例としては、エチレン、プロピレン
をいう。また誘導体の例としては、各種のエステ
ル化物、エーテル化物、アセタール化物、グラフ
ト化物、分子化合物、錯化合物あるいはキレート
化合物等が挙げられる。 尚、本発明で言うケン化物とは、部分ケン化物
及び完全ケン化物の両者を含むものとする。 該ポリビニルアルコール系ポリマーは熱安定性
に乏しく、溶融成形不能であるか、あるいは可能
であつても、溶融成形時極めて着色、熱劣化しや
すい特性がある。また溶融成形時のみならず熱処
理、熱延伸、熱接着、乾操等、要するに加熱時、
容易に着色し、また分解したり、あるいは逆に架
橋現象を呈しやすく、溶融粘度が変化したり、溶
剤に対して不溶化するなど、いわゆる熱安定性に
劣る欠点があり、工業上重大な問題点となつてい
る。 本発明者等は、ポリビニルアルコール系ポリマ
ーのかかる欠点を克服し、フイシユ・アイが少な
く、着色し難く、分解や架橋を起こし難い、熱安
定性良好なポリビニルアルコール系ポリマーを製
造する方法について、鋭意検討した結果、本発明
に到達した。 すなわち、ポリビニルアルコール系ポリマーに
対して 酢酸ナトリウムを0.005〜0.1重量%と 酢酸を、次式を満足するように含有させ、 α=ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸の含有率(重量%)/ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸ナ
トリウムの含有率(重量%)、1<α<10… 更に 25℃におけるpkaが式 X=1/2(pk1+pk2)、3.5<X<6.0 … (但し、pk1<pk2) を満足する有基多塩基酸であつて、該有機多塩基
酸のpk1に相当する酸基がアルカリ金属塩を形成
し、pk2に相当する酸基が遊離状態にある様な有
機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の1種または2
種以上を0.001〜0.5重量%加えることによつて、
フイシユ・アイが少なく、着色し難く、分解や架
橋を起こし難い、熱安定性良好なポリビニルアル
コール系ポリマーを得ることができることを認め
本発明を完成した。 本発明で言うpk1、pk2とは有機多塩基酸の大
きい酸解離定数から順にk1、k2、k3………knと
する時、pk1=−logk1、pk2=−logk2で定義され
る値である。 式を満足する有機多塩基酸の例としては、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、クエン酸、グルタコン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、
フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リン
ゴ酸等の有機酸を挙げることができるが必ずしも
これらに限定されるものではない。 本発明では、これらの有機多塩基酸のpk1に相
当する酸基がアルカリ金属塩を形成しており、
pk2に相当する酸基が遊離状態にあるものが使用
される。 但し、三塩基酸以上の有機多塩基酸の場合、該
有機多塩基酸の大きい方の酸解離定数から順に
k1、k2、k3、………kn-1、kn、kn+1………とす
る時、kn-1以下の酸基がすでに他の置換基で置
き換えられている場合、例えば塩を形成していた
り、あるいはエステルを形成している様な場合に
は、kn及びkn+1について、式X=1/2(pkn+ pkn+1)が式を満足し、しかもpknに相当する酸
基がアルカリ金属塩を形成し、pkn+1に相当する
酸塩が遊離状態にある様な有機多塩基酸の部分ア
ルカリ金属塩は本発明に含まれる。このような有
機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の例としては、
エチレンジアミン四酢酸(pk1=2.0、pk2=2.7、
pk3=6.2、pk4=10.3(25℃))やクエン酸(pk1
=3.13、pk2=4.76、pk3=6.40(25℃))のジナ
トリウム塩やジカリウム塩等が挙げられる。 但し、クエン酸についてはpk1、pk2に着目し
た場合でも前記したX値が式を満足するので、
クエン酸のモノアルカリ金属塩もまた本発明で使
用できるものの例である。 尚、本発明でいうアルカリ金属とは、周期律表
の第1族元素のうち、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、セシウム等を言う。さて、本発明の効果
を十分得るためには、前記した種々の本発明構成
条件をすべて満足する必要があり、これらの条件
のうち1つでも満足しない場合には、本発明の効
果を十分に得ることができない。 例えば、式を満足する有機多塩基酸を用いた
場合であつても、該有機多塩基酸の酸基がすべて
遊離状態であつたり、あるいは、酸基のすべてが
金属塩を形成しているような場合、または、式
を満足しない有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩
を用いた場合には、該ポリビニルアルコール系ポ
リマーに対する熱安定化作用は、ほとんど認めら
れず、むしろ加熱時、該ポリビニルアルコール系
ポリマーの着色や分解あるいは、不溶化を積極的
に促進する傾向さえ認められる。 また、本発明にかかる該有機多塩基酸の部分ア
ルカリ金属塩の含有率が0.5重量%を越える程度
に多い場合には該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーはむしろ着色、不溶化しやすくなるし、逆に、
該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の含有率が
0.001重量%を下まわる程度に少なくなると、該
有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の効果は、小
さくなるので、該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーの熱劣化を十分に防止することができない。 一方、該ポリビニルアルコール系ポリマー中の
酢酸ナトリウムの含有率が0.1重量%を越える程
度に多い場合には、該ポリビニルアルコール系ポ
リマーの着色、分解を促進する傾向があるし、ま
た酢酸ナトリウム含有率が0.005重量%を下まわ
る程度に少なくなると、本発明の効果は極めて小
さいものとなるものでこの場合もまた、該ポリビ
ニルアルコール系ポリマーの熱劣化を防止するこ
とができない。更にまた、酢酸ナトリウム含有率
が0.005重量%を下まわると、該ポリビニルアル
コール系ポリマー中の酢酸の含有率に著しい制約
を生じ、ポリビニルアルコール系ポリマーの熱劣
化防止に対する酢酸の含有率の有効範囲は式に
比較して極めて狭いものとなるので好ましくな
い。 また該ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢
酸含有率が式をはずれて多い場合には、該ポリ
ビニルアルコール系ポリマーは黄褐色を呈して、
不溶化しやすくなるし、酢酸含有率が式をはず
れて少ない場合には、該ポリビニルアルコール系
ポリマーは黄色に着色し、分解しやすい傾向を呈
する。 すなわち、ポリビニルアルコール系ポリマーに
対して、酢酸ナトリウムを0.005〜0.1重量%と酢
酸を、前記した式を満足するように含有させ、
更に、前記した式を満足する有機多塩基酸の部
分アルカリ金属塩を0.001〜0.5重量%加えること
によつて極めて良好な結果が得られるのである。 とくに特記すべき点は、酢酸及び酢酸ナトリウ
ムと該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩を併用
した時には、相乗効果が認められ、加熱時の黄色
度が極めて少なく、白土が一段と優れ、しかも厳
しい加熱条件下でも熱安定性を持続しうるポリビ
ニルアルコール系ポリマーを得ることができるこ
とである。 かかる相乗効果は、本発明者等の予期しないと
ころであつて、誠に意外な現象であつた。 すなわちポリビニルアルコール系ポリマーに対
して、酢酸のみを含有せしめた場合、あるいは酢
酸ナトリウムのみを含有せしめた場合には、該ポ
リビニルアルコール系ポリマーの熱安定性は劣悪
なものとなるし、また酢酸と酢酸ナトリウムを併
用した場合には弱い加熱条件下、例えば、比較的
低温での加熱あるいは比較的短時間での加熱の場
合、または1回のみの溶融成型の場合にはかなり
の熱安定化作用が認められるものの、厳しい加熱
条件下、例えば、比較的高温での加熱あるいは比
較的長時間での加熱の場合、または溶融成型を繰
り返した場合には、ほとんど効果が認められず、
むしろ該ポリビニルアルコール系ポリマーの熱劣
化を促進する傾向さえ認められる。 他方、ポリビニルアルコール系ポリマーに対し
て、本発明にかかる該有機多塩基酸の部分アルカ
リ金属塩のみを含有せしめた場合には厳しい加熱
条件下においてでさえ、該ポリビニルアルコール
系ポリマーの分解や不溶化を比較的良く防止しう
るが、加熱時の白度については、必ずしも十分で
はない。 すなわち、酢酸及び酢酸ナトリウムと該有機多
塩基酸の部分アルカリ金属塩を併用した時、相乗
効果が認められ、厳しい加熱条件下においても、
黄色度が極めて少なく、白度に優れ、フイシユ・
アイが少なく、熱劣化し難いポリビニルアルコー
ル系ポリマーを得ることができるのである。 該ポリビニルアルコール系ポリマー中に本発明
にかかる酢酸及び酢酸ナトリウムを含有させ、か
つ該有機多塩基酸の部分アルカリ金属塩を加える
方法としては、該ポリビニルアルコール系ポリマ
ーの粉末やペレツトに直接付着させる方法、ある
いは酢酸及び酢酸ナトリウムと該有機多塩基酸の
部分アルカリ金属塩の混合水溶液あるいはアルコ
ール溶液または水−アルコール溶液等で該ポリビ
ニルアルコール系ポリマーを処理する方法、また
は該ポリビニルアルコール系ポリマーの溶液に、
酢酸と、酢酸ナトリウム及び該有機多塩基酸の部
分アルカリ金属塩を添加する方法、等いずれも使
用できるが、必ずしも、これらに限定されるもの
ではなく、種々の状況を勘案して、適当な方法を
選択すれば良い。 本発明は、該ポリビニルアルコール系ポリマー
を加熱成型する場合に、特に、顕著に、その効果
を発揮するが、その他、熱処理、熱延伸、熱接
着、乾燥等、要するに加熱時、その効果を発揮す
るものである。更に本発明は、該ポリビニルアル
コール系ポリマーが溶液状態で加熱される場合、
あるいはエマルジヨン状態で加熱される場合であ
つても、その効果を発揮するものである。 本発明によつて作成されたポリビニルアルコー
ル系ポリマーは溶融成型法、湿式成型法、乾式成
型法、等によつて成型物、フイルム、繊維、等に
成型されるほか、エマルジヨンや溶液にして、塗
料、接着剤、繊維加工剤あるいは紙加工剤などの
各種処理剤等に使用することができる。 また、本発明は、可塑剤や着色剤あるいは安定
剤や滑剤等、通常、プラスチツクス製品に添加さ
れる添加剤を加えた場合でも、十分、その効果を
発揮するものである。 次に実施例によつて本発明を詳細に説明する。 実施例 1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン成分
含有率33モル%、酢酸ビニル成分含有率67モル
%、重合度2150)40部(重量)をメタノール60部
に溶解し、これに苛性ソーダの10重量%メタノー
ル溶液20部を加え60℃で3時間ケン化した。 該ケン化原液を500部の水中に投入して、ポリ
マーを析出させ次いで、析出したポリマーを脱液
後、大型ソツクスレー式抽出機で50℃にて水で1
週間、連続抽出して洗浄した。 この抽出、洗浄したエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(ケン化度99.5モル%)100部をメ
タノール水混合物(メタノール70重量%+水30重
量%)400部に60℃で溶解させた。 該溶液に酢酸ナトリウム0.04部、酢酸0.15部及
び25℃におけるpkaが、前記した式を満足する
コハク酸(pk1=4.21、pk2=5.64、X値4.93)の
モノナトリウム塩(コハク酸水素ナトリウム)
0.05部を添加し60℃で十分撹拌して溶解した。 該組成物を室温まで冷却してゲル化させこれを
ミキサーで粉砕後、20時間風燥し、更に熱風循環
式乾燥器にて100℃、16時間加熱して乾燥させ
た。 かくして得られた該共重合体ケン化物中の酢酸
ナトリウム含有率は0.0364重量%、酢酸含有率は
0.1231重量%(α値3.38)、コハク酸水素ナトリ
ウム含有率は0.0486重量%であつた。 該共重合体ケン化物3gを230℃に加熱した熱
板(シンドー式卓上型テストプレスYS−5)の
間にはさみ、熱板間の間隙を5m/mに保つて、
10分間及び30分間加熱(加熱着色試験)し、この
加熱着色試験後の試料の黄色度(YI、日本電色
工業製ND−K5型)を測定した。 一方、溶融粘度の熱劣化特性を見るために、該
共重合体ケン化物の溶融指数(メルト・インデツ
クス)をASTM D1238(E)に準じて、190℃荷重
2160gにて測定(宝工業製メルト・インデクサー
MX−101−A型オリフイス外径9.5m/m、オリフ
イス内径2.095m/m、長さ8.0m/m)した。 但し、該共重合体ケン化物をメルト・インデク
サーに仕込み、荷重をかけないで30分間、190℃
で予熱した後、荷重をかけて測定した。 測定結果を表−1に示す。 一方、対照例として、該共重合体ケン化物に対
して酢酸と酢酸ナトリウムのみを添加した場合
(対照例1)、又コハク酸水素ナトリウムのみを添
加した場合(対照例2)、更に、酢酸、酢酸ナト
リウム及びコハク酸水素ナトリウムのいずれも添
加しない場合(対照例3)について実施例1の場
合と同様な方法で試料を作成し、同方法にて評価
した。評価結果を表−1に示す。
【表】
酢酸、酢酸ナトリウム及びコハク酸水素ナトリ
ウムを含有させた実施例1の場合には、加熱時の
着色が極めて小さく、また溶融特性の目安である
メルト・インデツクスも正常であつて、溶融成型
加工に施した値を示した。 一方、酢酸、酢酸ナトリウムのみを添加し、コ
ハク酸水素ナトリウムを添加しない対照例1の場
合は、厳しい加熱条件下(230℃、30分間加熱)
での着色が著しく、また、メルト・インデツクス
の値も大きく、やや分解傾向を示した。 また、酢酸、酢酸ナトリウムを添加せず、コハ
ク酸水素ナトリウムのみを添加した対照例2の場
合には、メルト・インデツクスの値は、ほぼ正常
であるが、加熱時の着色の点で不満足である。 更に、酢酸、酢酸ナトリウム及びコハク酸水素
ナトリウムのいずれも添加しない対照例3の場合
は、加熱時の着色、溶融特性共に劣悪であつた。 次に実施例1で作成した試料を溶融押出成膜
(日本製鋼所製P−115型押出機使用、シリンダー
温度230℃、ダイ温度210℃)して、17μフイルム
を作成したところ、フイシユ・アイの数は極めて
少なく、着色のない、美しいフイルムを得た。更
に該フイルムを圧縮切断してチツプ状に成型(三
菱重工製NCP−3型 クリンペルユニツト使
用)し、該チツプを再び同押出機にて、同条件で
17μフイルムを成膜し、繰り返し溶融押出成膜を
行なつた。かくして10回溶融押出成膜したとこ
ろ、フイシユ・アイの数は、ほとんど増加せず着
色のない美しいフイルムを得た。対照例1〜3で
作成した試料を同様な方法で溶融押出成膜した場
合の結果を併せて、表−2に示す。
ウムを含有させた実施例1の場合には、加熱時の
着色が極めて小さく、また溶融特性の目安である
メルト・インデツクスも正常であつて、溶融成型
加工に施した値を示した。 一方、酢酸、酢酸ナトリウムのみを添加し、コ
ハク酸水素ナトリウムを添加しない対照例1の場
合は、厳しい加熱条件下(230℃、30分間加熱)
での着色が著しく、また、メルト・インデツクス
の値も大きく、やや分解傾向を示した。 また、酢酸、酢酸ナトリウムを添加せず、コハ
ク酸水素ナトリウムのみを添加した対照例2の場
合には、メルト・インデツクスの値は、ほぼ正常
であるが、加熱時の着色の点で不満足である。 更に、酢酸、酢酸ナトリウム及びコハク酸水素
ナトリウムのいずれも添加しない対照例3の場合
は、加熱時の着色、溶融特性共に劣悪であつた。 次に実施例1で作成した試料を溶融押出成膜
(日本製鋼所製P−115型押出機使用、シリンダー
温度230℃、ダイ温度210℃)して、17μフイルム
を作成したところ、フイシユ・アイの数は極めて
少なく、着色のない、美しいフイルムを得た。更
に該フイルムを圧縮切断してチツプ状に成型(三
菱重工製NCP−3型 クリンペルユニツト使
用)し、該チツプを再び同押出機にて、同条件で
17μフイルムを成膜し、繰り返し溶融押出成膜を
行なつた。かくして10回溶融押出成膜したとこ
ろ、フイシユ・アイの数は、ほとんど増加せず着
色のない美しいフイルムを得た。対照例1〜3で
作成した試料を同様な方法で溶融押出成膜した場
合の結果を併せて、表−2に示す。
【表】
対照例1及び2の場合、1回のみの溶融押出成
膜では着色及び成膜性共に、大きな問題点は認め
られないが、溶融押出成膜を繰り返した場合に、
フイシユ・アイの増加、着色、溶融粘度の変化、
成膜性の不良等の現象が認められた。 また対照例3の場合は、1回目の溶融押出成膜
で著しく黄色に着色し、しかもフイルム全面にフ
イシユ・アイが多発し、また溶融粘度の低下のた
め押出機の背圧は低く、またフイルムに穴あきが
多く、しばしばダイリツプでフイルムが切断し、
捲き取りが困難であつた。 実施例2〜3及び対照例4 エチレン−プロピレン−酢酸ビニル共重合体
(エチレン成分含有率31モル%、プロピレン成分
含有率2モル%、酢酸ビニル成分含有率67モル
%、重合度1700)40部(重量)をメタノール60部
に溶解し、これに苛性ソーダの5重量%メタノー
ル溶液40部を加えて、60℃、3時間ケン化した。 ケン化原液を500部の水中に投入して該共重合
体ケン化物を析出させ、更に該共重合体ケン化物
を流水して5時間洗浄した。 洗浄した該エチレン−プロピレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(ケン化度98.5モル%)40部
を、酢酸、酢酸ナトリウム及び25℃におけるpka
が前記した式を満足するクエン酸(pk1=
3.13、pk2=4.76、pk3=6.40、X値3.95)のモノ
ナトリウム塩(クエン酸二水素ナトリウム)を溶
解した水溶液(溶液1l中に酢酸2.0g、酢酸ナト
リウム0.125g、クエン酸二水素ナトリウム1.5g
を溶解しているもの)300部中に2時間、浸漬し
て処理した。脱液後、熱風循環式乾燥器にて、80
℃、16時間、乾燥した。 かくして得られた該共重合体ケン化物中の酢酸
含有率は0.1257重量%、酢酸ナトリウム含有率
0.0298重量%(α値4.22)、クエン酸二水素ナト
リウム含有率0.0721重量%であつた。 また実施例2におけるクエン酸二水素ナトリウ
ムをクエン酸水素二ナトリウム(X値5.58)に置
き換え、表−3(実施例3)に示す試料を作成し
た。 一方、対照例として、実施例2におけるクエン
酸二水素ナトリウムを25℃におけるpkaが前記し
た式を満足しないサルチル酸(pk1=2.8、pk2
=12.4、X値7.6)のモノナトリウム塩(サルチ
ル酸ナトリウム)に置き換えた場合について表−
3(対照例4)に示す試料を作成し、同様に評価
した。結果を併せて表−3に示す。 実施例2及び3の場合、加熱時の着色及びメル
ト・インデツクス共にほぼ良好であるが、対照例
4の場合には、加熱時の着色が著しく、しかもメ
ルト・インデツクスの値は大きく、やや分解傾向
を示した。
膜では着色及び成膜性共に、大きな問題点は認め
られないが、溶融押出成膜を繰り返した場合に、
フイシユ・アイの増加、着色、溶融粘度の変化、
成膜性の不良等の現象が認められた。 また対照例3の場合は、1回目の溶融押出成膜
で著しく黄色に着色し、しかもフイルム全面にフ
イシユ・アイが多発し、また溶融粘度の低下のた
め押出機の背圧は低く、またフイルムに穴あきが
多く、しばしばダイリツプでフイルムが切断し、
捲き取りが困難であつた。 実施例2〜3及び対照例4 エチレン−プロピレン−酢酸ビニル共重合体
(エチレン成分含有率31モル%、プロピレン成分
含有率2モル%、酢酸ビニル成分含有率67モル
%、重合度1700)40部(重量)をメタノール60部
に溶解し、これに苛性ソーダの5重量%メタノー
ル溶液40部を加えて、60℃、3時間ケン化した。 ケン化原液を500部の水中に投入して該共重合
体ケン化物を析出させ、更に該共重合体ケン化物
を流水して5時間洗浄した。 洗浄した該エチレン−プロピレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(ケン化度98.5モル%)40部
を、酢酸、酢酸ナトリウム及び25℃におけるpka
が前記した式を満足するクエン酸(pk1=
3.13、pk2=4.76、pk3=6.40、X値3.95)のモノ
ナトリウム塩(クエン酸二水素ナトリウム)を溶
解した水溶液(溶液1l中に酢酸2.0g、酢酸ナト
リウム0.125g、クエン酸二水素ナトリウム1.5g
を溶解しているもの)300部中に2時間、浸漬し
て処理した。脱液後、熱風循環式乾燥器にて、80
℃、16時間、乾燥した。 かくして得られた該共重合体ケン化物中の酢酸
含有率は0.1257重量%、酢酸ナトリウム含有率
0.0298重量%(α値4.22)、クエン酸二水素ナト
リウム含有率0.0721重量%であつた。 また実施例2におけるクエン酸二水素ナトリウ
ムをクエン酸水素二ナトリウム(X値5.58)に置
き換え、表−3(実施例3)に示す試料を作成し
た。 一方、対照例として、実施例2におけるクエン
酸二水素ナトリウムを25℃におけるpkaが前記し
た式を満足しないサルチル酸(pk1=2.8、pk2
=12.4、X値7.6)のモノナトリウム塩(サルチ
ル酸ナトリウム)に置き換えた場合について表−
3(対照例4)に示す試料を作成し、同様に評価
した。結果を併せて表−3に示す。 実施例2及び3の場合、加熱時の着色及びメル
ト・インデツクス共にほぼ良好であるが、対照例
4の場合には、加熱時の着色が著しく、しかもメ
ルト・インデツクスの値は大きく、やや分解傾向
を示した。
【表】
実施例4及び対照例5〜6
実施例1で用いたコハク酸水素ナトリウムの代
わりにコハク酸カリウムを用いて実施例1と同様
にして、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の組成物を作つた。 該共重合体ケン化物中の酢酸ナトリウム含有率
は0.0362重量%、酢酸含有率は、0.1227重量%
(α値3.39)、コハク酸水素カリウム含有率は、
0.0484重量%であつた。 実施例1と同様にして評価した結果を表−4に
示す。また、酢酸とコハク酸水素カリウムのみを
添加した場合(対照例5)、酢酸ナトリウムとコ
ハク酸水素カリウムのみを添加した場合(対照例
6)を同様に評価した結果を併せて、表−4に示
す。 本発明の構成条件をすべて満足する実施例4
は、実施例1の場合とほぼ同等の良好な結果を得
たが、本発明の構成条件を満足しない対照例5〜
6は、不満足な結果となつた。
わりにコハク酸カリウムを用いて実施例1と同様
にして、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の組成物を作つた。 該共重合体ケン化物中の酢酸ナトリウム含有率
は0.0362重量%、酢酸含有率は、0.1227重量%
(α値3.39)、コハク酸水素カリウム含有率は、
0.0484重量%であつた。 実施例1と同様にして評価した結果を表−4に
示す。また、酢酸とコハク酸水素カリウムのみを
添加した場合(対照例5)、酢酸ナトリウムとコ
ハク酸水素カリウムのみを添加した場合(対照例
6)を同様に評価した結果を併せて、表−4に示
す。 本発明の構成条件をすべて満足する実施例4
は、実施例1の場合とほぼ同等の良好な結果を得
たが、本発明の構成条件を満足しない対照例5〜
6は、不満足な結果となつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリビニルアルコール系ポリマーに対して、
酢酸ナトリウムを0.005〜0.1重量%と酢酸を式 α=ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸の含有率(重量%)/ポリビニルアルコール系ポリマー中の酢酸ナト
リウムの含有率(重量%)、1<α<10… を満足するように含有させ、更に25℃における
pkaが式 X=1/2(pk1+pk2)、3.5<X<6.0 … (但し、pk1<pk2) を満足する有機多塩基酸であつて、該有機多塩基
酸のpk1に相当する酸基がアルカリ金属塩を形成
し、pk2に相当する酸基が遊離状態にある様な有
機多塩基酸の部分アルカリ金属塩の1種または2
種以上を0.001〜0.5重量%加えることを特徴とす
る熱安定性に優れたポリビニルアルコール系ポリ
マーの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21408985A JPS6195053A (ja) | 1985-09-26 | 1985-09-26 | 熱安定性に優れたポリビニルアルコール系ポリマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21408985A JPS6195053A (ja) | 1985-09-26 | 1985-09-26 | 熱安定性に優れたポリビニルアルコール系ポリマーの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7811575A Division JPS52955A (en) | 1975-06-24 | 1975-06-24 | Process for preparing a polyvinyl alcohol polymer having excellent hea t stability |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6195053A JPS6195053A (ja) | 1986-05-13 |
| JPS6236065B2 true JPS6236065B2 (ja) | 1987-08-05 |
Family
ID=16650043
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21408985A Granted JPS6195053A (ja) | 1985-09-26 | 1985-09-26 | 熱安定性に優れたポリビニルアルコール系ポリマーの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6195053A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2674757B2 (ja) * | 1987-09-09 | 1997-11-12 | 株式会社クラレ | エチレン−ビニルアルコール系共重合体組成物 |
| US5051222A (en) * | 1989-09-01 | 1991-09-24 | Air Products And Chemicals, Inc. | Method for making extrudable polyvinyl alcohol compositions |
| EP0488886A1 (en) * | 1990-11-30 | 1992-06-03 | Taoka Chemical Co., Ltd | Composition of ethylene-vinyl acetate copolymers |
| JP3884527B2 (ja) * | 1997-05-23 | 2007-02-21 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系位相差フィルム |
| JP2000026690A (ja) * | 1998-07-07 | 2000-01-25 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物及びその製造方法、その用途 |
| JP4754112B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-08-24 | 株式会社クラレ | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
| JP4615152B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-01-19 | 株式会社クラレ | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
| JP4615153B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-01-19 | 株式会社クラレ | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
| JP2006265369A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Ako Kasei Co Ltd | ポリビニールアルコール組成物 |
| JP5638533B2 (ja) * | 2010-04-20 | 2014-12-10 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系重合体フィルム |
| US10414973B2 (en) * | 2013-09-12 | 2019-09-17 | Solutia Inc. | Polymer interlayers comprising stabilized fluorescent particles |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5325345B2 (ja) * | 1973-10-08 | 1978-07-26 |
-
1985
- 1985-09-26 JP JP21408985A patent/JPS6195053A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6195053A (ja) | 1986-05-13 |
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