JPS6261317B2 - - Google Patents
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- JPS6261317B2 JPS6261317B2 JP55041401A JP4140180A JPS6261317B2 JP S6261317 B2 JPS6261317 B2 JP S6261317B2 JP 55041401 A JP55041401 A JP 55041401A JP 4140180 A JP4140180 A JP 4140180A JP S6261317 B2 JPS6261317 B2 JP S6261317B2
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- JP
- Japan
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- dj7164b
- substance
- streptomyces
- dj7164a
- culture
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、新種であるストレプトミセス・ミヌ
テイスピラリスによる抗生物質DJ7164A,B1お
よびB2ならびにそれらの混合物の製造法に関す
る。 本発明者らは、有用な抗生物質を生産する新規
な微生物を見出すことを目的として、自然界より
数多くの微生物を入手し検討を重ねた結果、広島
市で採取した土壌から分離した一放線菌ストレプ
トミセス・sp.RHS5−4と付番した菌株がその
目的にかなうものであることを知見し本発明を完
成した。 本発明の方法で使用される抗生物質生産菌スト
レプトミセス・sp.RHS5−4は、分類学的研究
の結果放線菌の新種であることが判明しストレプ
トミセス・ミヌテイスピラリスsp.nov.
(Streptomyces minutispiralis sp・nov)と命名
した。 本発明者らは、この菌株が培養液中にβ−ラク
タマーゼ阻害活性を有する抗生物質DJ7164A,
B1およびB2を生産していることを見出し、これ
らの物質を単離同定した結果DJ7164B1は、公知
物質であるエピチエナマイシンB〔第17回インタ
ーサイエンス・コンフエレンス・オン・アンチミ
クロビアル・エージエンツ・アンド・ケモテラピ
ー(17th Interscience Conference on
Antimicrobial Agents and Chemotherapy)
1977年10月12〜14日ニユーヨーク講演要旨No.80,
No.81(以下ICAAC講演要旨と略)参照〕に一致
することを確認した。 また、DJ7164AおよびB2は、その理化学的性
状からエピチエナマイシン類に類似する物質と推
定された。 本発明においてDJ7164物質という用語は、
DJ7164A,DJ7164B1およびDJ7164B2の混合物を
総称し、またDJ7164B物質という用語は、
DJ7164B1およびDJ7164B2の混合物の総称であ
る。 本発明の方法で使用するストレプトミセス・
sp.RHS5−4は、以下に示す様な菌学的特徴を
有する。 形態的特徴 本生産菌の空中菌糸は基生菌糸より直状乃至曲
状に伸長し、それより単純分枝として形成された
分生胞子柄の先端に主にコンパクト及びクローズ
ドタイプの螺旋を形成する。分生胞子は10個〜30
個連鎖し、電子顕微鏡による観察ではその形は卵
形乃至短円筒形で大きさは0.5〜0.8μ×1.0〜1.4
μでありその表面は平滑である。 また、基生菌糸は曲状乃至波状に伸長し、断裂
は見られない。 車軸分枝、鞭毛胞子、胞子嚢および菌核は認め
られない。 各種培地における生育状態 各種培地上で28℃、21日間培養したものについ
ての生育状態は第1表の如くである。 【表】 生理的性質 常法に従い試験した結果を第2表に示した。 【表】 【表】 【表】 炭素源の利用性 プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上で、L−ア
ラビノース、D−キシロース、D−グルコース、
D−フラクトース、シユクロース、イノシトー
ル、L−ラムノース、ラフイノース、D−マンニ
ツト及びグリセリンをよく利用する。 以上の結果を要約すると 1 ストレプトミセス属に属する。 2 空中菌糸がコンパクト及びクローズドタイプ
の螺旋を形成する。 3 分生胞子の表面構造は平滑である。 4 空中菌糸の色は明るい褐灰色乃至明るい灰色
を呈し、グレーカラーシリーズに属する。 5 裏面の色は黄褐色を基調としている。 6 合成及び有機の各種培地で可溶性色素をほと
んど産生しない。 7 メラニン様色素形成培地上で黒褐色色素を産
生しない。 8 ゼラチンを液化せず、ミルクの凝固及びペプ
トン化はともに陰性である。 が挙げられる。 以上の諸性質をもとにBergey′s Manual of
Determinative Bacteriology,8th Ed.(The
Williams and Wilkins Company,1974),The
Actionmycetes Vol.(S.A.Waksman,The
William and Wilkins Company,1962),E.B.
Shirling and D.GOttliebのISP報告
(International Journal of Systematic
Bacteriology,18,69,1968;18,279,1968;
19,391,1969;22,265,1972)及びその他の国
内外の文献に照合して検索すると比較的類似する
菌種として、ストレプトミセス・リバニ(Str.
libani)、ストレプトミセス・プルチヤー(Str.
pulcher)、ストレプトミセス・ニゲルス(Str・
nigellus)、ストレプトミセス・アンチミコチク
ス(Str.antimycoticus)が挙げられる。 そこで本発明にかかわるストレプトミセス・
sp.RHS5−4とこれら類似菌種のISP菌株との同
時比較を行なつた結果、これら類似菌種は次のよ
うな点で相違が認められた。 1 ストレプトミセス・リバニISP5555 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で黄褐色の色
素を少し産生する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生し、裏面は淡い
黄色味を帯びた橙色を呈する。 スターチ寒天培地で裏面が淡黄褐色乃至淡
黄色を呈する。 栄養寒天培地で白色の空中菌糸を良好乃至
中程度に着生する。 ペプトン・イースト鉄寒天培地に生育しな
い。 脱脂牛乳を凝固するとともに強くペプトン
化する。 L−アラビノースを利用しない。 2 ストレプトミセス・プルチヤーISP5566 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する グリセリン・硝酸塩寒天培地で明るい灰色
の空中菌糸を貧弱に着生し、裏面が淡い橙色
乃至淡い黄橙色を呈する。 アンモニウム.ツアペツクス培地で明るい
褐灰色の空中菌糸を中程度乃至貧弱に着生す
る。 グリセリン・アスパラギン寒天培地で裏面
が淡い橙色を呈する。 チロシン寒天培地で裏面が淡い橙色乃至淡
い黄色味を帯びた橙色を呈し、可溶性色素を
産生しない。 栄養寒天培地で白色の空中菌糸を中程度乃
至貧弱に着生する。 脱脂牛乳を強くペプトン化する。 ゼラチンを強く液化する。 シユクロース及びラフイノースを利用しな
い。 3 ストレプトミセス・ニゲルスISP5490 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で明るい灰色
の空中菌糸を良好に着生し、裏面が部分的に
橙色の色調を帯びた淡い黄褐色を呈する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生する。 イースト・麦芽寒天培地で裏面が鈍い黄色
を呈する。 ペプトン・イースト鉄寒天培地に生育しな
い。 ゼラチンを液化する。 スターチの加水分解が陰性である。 4 ストレプトミセス・アンチミコチクス
ISP5284 分生胞子表面がとげ状である。 シユクロース・硝酸塩寒天培地で灰白色の
空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で灰白色の空
中菌糸を良好に着生し、裏面は明るい赤味を
帯びた黄色乃至淡黄色を呈する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生する。 スターチ寒天培地で裏面が淡い黄褐色乃至
淡い黄色を呈する。 イースト・麦芽寒天培地で裏面が鈍い黄色
を呈する。 オートミール寒天培地で裏面が淡い黄色を
呈する。 ゼラチンを液化する。 脱脂牛乳を凝固するとともに強くペプトン
化する。 なお、現在までにエピチエナマイシン生産菌と
して、例えばストレプトミセス・フラボグリゼウ
ス(特開昭52−65298及び特開昭52−131596)、ス
トレプトミセス・フルボビリデイス(特開昭53−
103401及び特開昭53−109997)、ストレプトミセ
ス・オリバセウス(特開昭53−109997)、ストレ
プトミセス・アルゲンテオルス(特開昭53−
109997)及びストレプトミセス・sp.A271(特開
昭54−92983)などの菌種が知られているが、何
れも分生胞子鎖の形態が螺旋を形成しない点にお
いて明らかにストレプトミセス・sp.RHS5−4
と菌学的性状を異にする。 以上の諸知見より既知菌種中に一致するものは
なく、ストレプトミセス・sp.RHS5−4は新菌
種と認めるのが妥当であり、ストレプトミセス・
ミヌテイスピラリスsp.nov.と命名した。本菌種
は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄
第5079号(FERM−PNo.5079)として寄託され
ている。 本発明の方法に於て使用するDJ7164物質生産
菌は、上記新種ストレプトミセス・ミヌテイスピ
ラリス及びその天然あるいは人工の変異株のすべ
てを包含する。すなわち、DJ7164物質を生産
し、新種ストレプトミセス・ミヌテイスピラリス
sp.nov.と明確に区別しえない菌株すべてを包括
する。次に本発明にかかわるDJ7164物質の製造
方法を示す。 DJ7164物質の生産菌であるストレプトミセ
ス・ミヌテイスピラリスsp.nov.は、各種の栄養
源を含む培地で好気的条件下に培養される。培地
組成および培養条件は、抗生物質の生産に一般に
用いられるものと同様でよい。すなわち、培地は
原則として炭素源、窒素源、無機塩類などを含
む。必要に応じてビタミン類、先駆物質等を加え
てもよい。炭素源としては、例えばグリセリン、
グルコース、シユクロース、澱粉、水あめ、糖
蜜、大豆油などが単独または混合物として用いら
れる。また、窒素源としては、例えば大豆粉、脱
脂大豆粉、綿実粉、小麦胚芽、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、乾燥酵母、コーンステイープリ
カー、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムなどの
天然物や無機物が単独または混合物として用いら
れる。無機塩としては、例えば炭酸カルシウム、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コバルト、
硫酸マグネシウム、各種リン酸塩などがあげら
れ、必要に応じて培地に添加する。特にコバルト
イオンの添加は生産性向上に有効である。 培養方法としては、一般の抗生物質生産の培養
に用いられている液体培養法、特に深部通気培養
法が最も適している。培地のPHは約6.0〜8.0が好
ましく、培養温度は約20〜40℃、好ましくは30℃
付近に調節するのがよい。また、必要に応じて培
養液中に適宜天然または合成の消泡剤を添加して
もよい。 DJ7164物質の蓄積の確認は、被検菌としてバ
チルス・ズブチリスATCC6633(Bacillus
subtilis ATCC6633)あるいはエシエリチア・コ
リK−12(Escherichia coli K−12)を用いてデ
イスク平板法で行ない、30℃、18〜20時間培養後
の阻止円を測定して行なつた。通常、50〜120時
間の培養でDJ7164物質の蓄積量は最高に達す
る。培養終了液からDJ7164物質を採取するに
は、その性質を利用して一般の抗生物質の採取の
方法に準じて行なえばよい。 DJ7164物質は、水に溶け、主として培養液中
の液体部分に存在する。培養終了後、菌体その他
の固形物をけいそう土等を濾過助剤とする濾過操
作あるいは遠心分離によつて除去しその濾液ある
いは上清中に存在するDJ7164物質は、後記する
理化学的性状を利用することにより抽出、精製す
ることができる。例えばDJ7164物質が安定であ
る中性付近のPHで酸性物質として挙動することを
利用して陰イオン交換体に吸脱着させて精製する
ことができる。 陰イオン交換体としては、DEAE−セフアデツ
クス、QAE−セフアデツクス(フアルマシア社
製)、DEAE−セルロース(ブラウン社製)、ダイ
ヤイオンPA−306(三菱化成社製)、アンバーラ
イトIRA−68(ローム・アンド・ハース社製)、
ダウエツクス1×4、ダウエツクス21K(ダウ・
ケミカル社製)、デユオライトA−2,A−4
(ダイヤモンド・シヤムロツク・ケミカル社製)
等が利用できる。 また、酸性物質の性質を利用して、ジメチル・
ベンジル・セチルアンモニウム・クロライドの様
な4級アンモニウム塩を水と混和しない溶媒、例
えばジクロルメタン等に溶解し、DJ7164物質を
水溶液から4級アンモニウム塩として抽出する方
法も用いられる。 また、吸着剤を用いて精製することもできる。
吸着剤としては、例えば合成吸着剤ダイヤイオン
HP−20AG,HP−20,HP−30(三菱化成社
製)、アンバーライトXAD−2,XAD−4(ロー
ム・アンド・ハース社製)あるいは活性炭末など
を使用してDJ7164物質を吸着させ、アセトン
水、メタノール水などで溶出する方法が利用でき
る。 さらに、DJ7164物質を精製するためには、ア
ビセル(旭化成社製)などのセレロースあるいは
シリカゲルの様な担体を用いた分配クロマトグラ
フイーや分子量、分子の形状等の差を利用して精
製する分子ふるいクロマトグラフイーが効果的で
ある。分子ふるいクロマトグラフイーを行なう担
体としてはセフアデツクスG−10,G−15(フア
ルマシア社製)、バイオゲルP−2(バイオ・ラ
ツド・ラボラトリー社製)が適している。 DJ7164物質は、性質が類似している
DJ7164A,B1およびB2の混合物であるが、
DJ7164AおよびDJ7164B物質(DJ7164B1と
DJ7164B2の混合物)との分離は、前述の陰イオ
ン交換体、例えばDEAE−セフアデツクスあるい
はQAE−セフアデツクスを用いてカラムクロマ
トグラフイーを行なうのが効果的である。また、
DJ7164B1とDJ7164B2の分離には、合成吸着剤で
あるダイヤイオンHP−20AGを用いてカラムクロ
マトグラフイーを行なうのが最適である。
DJ7164物質は、粉末状態では乾燥剤存在下で低
温保存すれば比較的安定であるが、水溶液中では
酸性で極めて不安定、アルカリ性で不安定であ
る。PH6.5〜8.0の間が最も安定であるが、中性溶
液中でも高温では速やかに分解する。したがつて
培養液からDJ7164物質を単離するにあたつて
は、溶液のPHが6.5〜8.0の間を維持する様に細心
の注意を払い、溶液での取扱いは、低温(10℃以
下)でかつ迅速に行なうことが肝要である。 抽出、精製過程におけるDJ7164物質の確認
は、培養液中の蓄積確認と同じくバチルス・ズブ
チリスATCC6633あるいはエシエリチア・コリK
−12を用いるデイスク平板法で行なう。また、必
要に応じてβ−ラクタマーゼが阻害活性を測定す
る。β−ラクタマーゼ阻害活性はエンテロバクタ
ー・クロアケNo.19(Enterobacter cloacae No.
19)の産生するβ−ラクタマーゼに対する阻害作
用により測定されるが、検定すべき試料はPH7.0
の0.01Mリン酸緩衝液で適当な濃度まで希釈して
用いる。以上の精製手段を適宜組合せ、必要に応
じて反復して用いることによつてDJ7164A,B1
およびB2を精製単離することが出来る。 この様にして得られたDJ7164B1(ナトリウム
塩)は、以下の理化学的および生物学的性状を有
する。 1 物質の色と形状:凍結乾燥により得られる
DJ7164B1のナトリウム塩は、微黄色粉末であ
る。 2 比旋光度:〔α〕22 D+1.9゜(C=0.16、水) 3 元素分析(測定値):C 44.79%、H
4.61%、N 6.62%硫黄の存在は、ヨード塩化
白金酸塩の呈色反応から予想される。 4 分子量(質量分析):DJ7164B1のメチルエ
ステル体の分子量は326である。 5 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中(12.5μg/ml濃度での紫外線吸収
スペクトルを第1図に示す。極大吸収は308nm
(E1%1cm340)および226nm(E1%1cm360)に存
在
する。 本物質を0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で調
製した50μg/mlの溶液に0.02Mヒドロキシア
ミン中性水溶液を等量加え、室温に30分以上放
置すると抗菌活性は完全に失活し、308nmの極
大吸収も消失する。 6 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルを第2図に示す。その特徴的
特性吸収波数は次の通りである。 1750cm-1(β−ラクタム環−CO−) 1660cm-1(アミド−CO−) 1600cm−(−COO-) 7 プロトン核磁気共鳴スペクトル:2,2−ジ
メチル−2−シラペンタン−5−スルホン酸ナ
トリウム(DSS)を内部標準物質として重水中
のDJ7164B1(ナトリウム塩)について200MHz
プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したもの
を第3図に示す。特性シグナルを以下に示す。 約1.33ppmに中心を有する二重線(J=
6.0Hz)(CH3 CH) 約2.05ppmに鋭い一重線(CH3 CO) 約3.13ppmに中心を有する多重線(−CH2
−) 約3.63ppmに中心を有するダブル二重線
(J=6.0Hz,9.0Hz)(CO−CH) 約4.10〜4.30ppmに多重線(CH−N,CH
−OH) 約6.06ppmおよび約7.14ppmに中心を有す
る一対の二重線(J=14.0Hz)(−CH=CH
−) 8 溶解性:水に易溶、メタノールに若干可溶、
アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼ
ン、石油エーテル等の有機溶媒には不溶であ
る。 9 呈色反応:エールリツヒ試薬反応、ヨード塩
化白金酸塩反応陽性、ニンヒドリン反応陰性で
ある。 10 ペーパークロマトグラフイー:DJ7164B1
(ナトリウム塩)は、東洋濾紙No.50(東洋濾紙
社製)を用い、上昇法により12時間下記の溶媒
で展開し、ビオオートグラフイーで検出すると
次のRf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール/水 (7:7:6) 0.52 イソプロパノール/水(7:3) 0.53 11 薄層クロマトグラフイー:DJ7164B1(ナト
リウム塩)は、イーストマンクロマグラムシー
ト6065(螢光剤含有セルロースシート、イース
トマン、コダツク社製)を用いて下記溶媒で展
開し、ビオオートグラフイーで検出すると次の
Rf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール/ 水(7:7:6) 0.61 イソプロパノール/水(7:3) 0.60 n−プロパノール/水(4:1) 0.56 アセトニトリル/水(9:1) 0.25 12 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75Volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は、陽極側に移動し、
標準物質として用いたブロム・フエノール・ブ
ルーの移動度を1.0とするとDJ7164B1の相対移
動度は0.75を示す。 13 安定性:凍結乾燥粉末は、乾燥剤存在下、−
10℃以下で低温保存すれば比較的安定である
が、その水溶液は酸性で極めて不安定、アルカ
リ性で不安定であり、PH6.5〜8.0付近が最も安
定であるが、中性溶液でも高温では速やかに分
解する。 14 抗菌スペクトル:普通寒天培地“栄研”(栄
研化学社製)を用いてDJ7164B1(ナトリウム
塩)の抗菌スペクトルをペーパーデイスク法で
測定した結果を第3表に示す。 【表】 15 β−ラクタマーゼ阻害活性 〔測定法〕 β−ラクタマーゼ阻害値ICEZ 50は、
β
−ラクタマーゼによるセフアゾリンの加水分
解を10分間に50%阻止するに必要な物質の量
を表わす。セフアゾリンが加水分解される割
合は、270nmにおける吸光度の減少を測定す
ることによつて知ることができる。β−ラク
タマーゼとしては、エンテロバクター・クロ
アケNo.19の産生するβ−ラクタマーゼを部分
的に精製したものを使用する。この粗酵素の
セフアロリジンに対する力価はヨードメトリ
ーで測定して酵素蛋白1mgあたり33単位であ
る。この場合の1単位とは、30℃、PH7.0で
1分間に1μモルのセフアロリジンを分解す
る酵素力価をいう。用いた試薬は、次の通り
である。 〔試薬〕 基質溶液:50μg/mlのセフアゾリン
を含有するPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液。 酵素液:阻害剤なしの状態で10分間に
270nmにおける吸光度をおよそ0.15減少させ
る酵素を含むPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液
(約1.4単位のβ−ラクタマーゼを含む)。 阻害剤希釈液:阻害剤試料をPH7.0,
0.01Mリン酸緩衝液で適宜希釈する。 トリクロル酢酸溶液:50%(w/v)トリ
クロル酢酸溶液9.0ml、1.0M酢酸ソーダ溶液
55.0mlおよび1.0M酢酸溶液82.5mlを混ぜ全体
量を1000mlとした溶液。 〔反応〕 酵素液0.2mlおよび阻害剤希釈液0.2ml
を試験管に入れ、30℃の恒温槽中で5分間緩
やかに振盪した後基質溶液3.0mlを加え、さ
らに30℃で10分間振盪を続ける。正確に10分
経過した後直ちにトリクロル酢酸溶液2.0ml
を加え反応を止める。同時に阻害剤を入れな
い対照検体、酵素液を入れない盲検体および
阻害剤と酵素液を入れない盲検体を同じ方法
で調製する(対照および盲検体はすべて5.4
mlとなる様にPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液で
調整する。)。反応停止後270nmにおける吸光
度の変化を測定し試料液および対照の吸光度
を夫々の盲検体の吸光度で補正して10分間に
セフアゾリンの加水分解を50%阻止するに必
要な阻害剤の量(ICEZ 50μg/ml)を測定す
る。 〔結果〕 上記測定法によりDJ7164B1はエンテロ
バクター・クロアケNo.19の産生するβ−ラク
タマーゼに対し0.004μg/mlのICEZ 50を示し
た。 上記のDJ7164B1の理化学的および生物学的性
状は、ICAAC講演要旨に報告されたエピチエナ
マイシンBとよく一致することから本発明で得ら
れるDJ7164B1はエピチエナマイシンBと同定し
た。 次に本発明の目的化合物DJ7164A,B1および
B2の製造例を示すが、この実施例はなんら本発
明を限定するものではない。 実施例 (1) 新放線菌ストレプトミセス・ミヌテイスピラ
リスの培養 ストレプトミセス・ミヌテイスピラリスsp.
nov.(微工研菌寄第5079号)を100mlの下記A培
地を含む500ml容三角フラスコにスラントより1
白金鈎接種し、30℃で約72時間回転振盪培養機
(160rpm)で種培養を行なつた。 A 培地 グリセリン 2.0%(w/v) グルコース 0.1 〃 大豆粉 0.5 〃 乾燥酵母 0.5 〃 炭酸カルシウム 0.3 〃 塩化ナトリウム 0.3 〃 塩化コバルト・6水和物 0.0002 〃 消泡剤(アデカノールEX885,旭電化社製)
0.04(v/v) (殺菌前PH7.0) B 培地 A培地の大豆粉の代りにコーン・ステイープリ
カー0.5%(w/v)を用いたもの。 この種培養液を上記A培地100mlを含む500ml容
三角フラスコ2個に各2mlずつ接種し、30℃で72
時間回転振盪培養(160rpm)を行なつた。この
2次種培養液200mlを20のA培地を含む30容
ジアーフアーメンターに接種し、通気量10/
min、撹拌数250rpmで30℃にて72時間通気撹拌
培養を行なつた。 この種培養液20を上記B培地1000を含む
1500容醗酵タンクに接種し、通気量500/
min、撹拌数160rpmで30℃にて90時間通気撹拌
方式で本培養を行なつた。その結果、DJ7164物
質を含む培養液950を得た。つづいてこの培養
液に濾過助剤ラジオライト900(昭和化学工業社
製)を20Kg加え、フイルタープレスにて濾過し培
養濾液850を得た。 (2) DJ7164物質の分離精製 上記培養濾液を直ちに10℃に冷却し、ダイヤイ
オンPA−306(Cl型)50のカラム(30cm×75
cm)2本にSV=5の流速で流し、DJ7164物質を
吸着させる5%(w/v)食塩含有50%(v/
v)メタノール水溶液100ずつで活性成分を溶
出した。活性分画を集め、内温30℃以下で濃縮し
てメタノールを留去し濃縮液120を得た。この
濃縮液120をダイヤイオンHP−20のカラム(40
cm×70cm)にかけ有効成分を吸着させた。つづい
て脱イオン水30で洗浄後20%アセトンを含有す
る0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)80で溶出し
た。溶出液は20ずつ分画した。活性成分は、分
画4,5および6に溶出され、これらを合併した
後内温34℃で減圧下濃縮し、アセトンを留去して
濃縮液50を得た。次いで4℃にてこの濃縮液50
を予め0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で充分に
平衡化したDEAE−セフアデツクスA−25のカラ
ム(40cm×20cm)に通し有効成分を吸着させた。
カラムを0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)20で洗
浄後1%食塩含有0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)
で溶出し、溶出液は9ずつ分画した。活性成分
は分画3から11の間に溶出した。分画4から1
0を合併し、ダイヤイオンHP−20のカラム(40
cm×70cm)にかけ、活性成分を吸着させた後脱イ
オン水30で洗浄後10%アセトン水で溶出した。
溶出液は10ずつ分画し、活性成分を分画7およ
び8に得た。活性分画を集め、外温30℃で減圧下
濃縮してアセトンを留去し、濃縮液17を得た。
次いで4℃にてこの濃縮液17を予め0.01Mリン
酸緩衝液(PH7.0)で充分に平衡化したDEAE−
セフアデツクスA−25のカラム(10cm×55cm)に
かけ活性成分を吸着させた。カラムを0.01Mリン
酸緩衝液(PH7.0)1で洗浄後0.5%食塩を含む
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で溶出し、溶出液
は400mlずつ分画した。 この段階のDEAE−セフアデツクスA−25のカ
ラムクロマトグラフイーでDJ7164B物質とその類
似物質であるDJ7164Aとは完全に分離される。す
なわちDJ7164Aは、分画2から8に溶出し、
DJ7164B物質は分画11から29の間に溶出し
た。DJ7164AとDJ7164B物質は、ペーパークロマ
トグラフイー(東洋濾紙No.50)により展開溶媒n
−ブタノール/イソプロパノール/水(7:7:
6)で12時間上昇法で展開するとそれぞれRf=
0.40,Rf=0.52に活性のあるスポツトがビオオー
トグラフイーで観察され区別される。 DJ7164B物質を含む分画11から29を集め、
4℃にてダイヤイオンHP−20のカラム(15cm×
48cm)にかけ活性成分を吸着させ、脱イオン水2
で洗浄後10%アセトン水で溶出した。溶出液
は、400mlずつ分画し、活性成分を分画8から1
3の間に得た。分画8から13を集め、外温30℃
以下で減圧下濃縮してアセトンを留去し濃縮液2
を得た。次いで濃縮液を凍結乾燥することによ
りDJ7164B物質を褐色の粗粉末として約43g得
た。 DJ7164Aを含む上述の分画2から8について
は、DJ7164B物質と同様に脱塩操作を行ない、
DJ7164Aを褐色の凍結乾燥粗粉末として約27g得
た。 3 DJ7164B1およびDJ7164B2の単離 DJ7164B物質をさらに精製するため以下の操作
を行なつた。実施例(2)で得たDJ7164B物質の粗粉
末22.5gを4℃にて0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)
100mlに溶解し、予め0.01Mリン酸緩衝液(PH
7.0)で平衡化したDEAE−セフアデツクスA−
25のカラム(6cm×38cm)にかけ活性成分を吸着
させた。次いで0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)500
mlで洗浄後0.5%食塩含有リン酸緩衝液(PH7.0)
で溶出した。溶出液は15mlずつ分画し、活性分画
を分画275から420の間に得た。活性分画を
集め、4℃にてダイヤイオンHP−20AGのカラム
(4.5cm×60cm)にかけ、活性成分を吸着させ、脱
イオン水300mlで洗浄後10%アセトン水で溶出し
た。溶出液は12mlずつ分画し、活性成分を分画5
2から90の間に得た。活性分画52から90ま
でを集め、外温30℃以下で減圧下50mlまで濃縮
し、凍結乾燥することにより淡褐色の粉末3.46g
を得た。次いで4℃にてこの3.46gの淡褐色の粉
末を脱イオン水10mlに溶解し、アビセル10gと混
合し、凍結乾燥したものを予め90%アセトニトリ
ルで調製したアビセルカラム(2.5cm×35cm)に
重層し、少量のアセトニトリルで洗浄後90%アセ
トニトリルで展開した。溶出液は20mlずつ分画し
紫外線吸収およびビオアツセイで検出して分画6
1から66までを集めた。このものを外温30℃以
下で減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより48mg
の淡褐色の粉末を得た。 更にこの粉末48mgを精製するため4℃にて少量
の0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)に溶解し、予め
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で調製したバイオ
ゲルP−2のカラム(25cm×38cm)に吸着させ、
同一溶媒で展開した。溶出液は6mlずつ分画し、
紫外線吸収とビオアツセイで検出することにより
活性分画18,19および20を得た。活性分画
18から20までを集め、脱塩操作を行なわずに
そのまま凍結乾燥することによりリン酸塩を含む
凍結乾燥粉末66mgを得た。 次いで4℃にてこの凍結乾燥粉末66mgを少量の
脱イオン水に溶解し、ダイヤイオンHP−20AGの
カラム(1.5cm×52cm)にかけ、活性成分を吸着
させ、脱イオン水で展開した。溶出液は6mlずつ
分画し、紫外線吸収とビオアツセイで検出した。
その結果、活性分画は2つの山を形成し、主活性
区分は分画18から28に分画25をピークとす
る山を形成し、他方は分画35をピークとする山
を分画30から45に示した。分画18から28
までを集め、外温30℃以下で減圧下濃縮し、凍結
乾燥することによりDJ7164B1のナトリウム塩を
微黄色粉末として10mg得た。この精製標品の
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)中での紫外線吸収
スペクトルは308nm(E1%1cm340)および226nm
(E1%1cm360)に極大吸収を示した。 DJ7164B1の理化学的および生物学的性状は前
記した通りである。 一方、HP−20AGのカラムでDJ7164B1と区別
される活性区分については、分画30から40ま
でを集め、外温30℃以下で濃縮後凍結乾燥を行な
い、DJ7164B2のナトリウム塩を微黄色粉末とし
て2mg得た。 このようにして得られた精製標品DJ7164B2
(ナトリウム塩)の理化学的および生物学的性状
は以下の通りである。 1 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中での極大吸収は306nm(E1%1cm300)
および226nm(E1%1cm330)に存在する。 2 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は陽極側に移動し、標
準物質として用いたブロム・フエノール・ブル
ーの移動度を1.0とするとDJ7164B2の相対移動
度は0.75を示す。 3 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルは1750cm-1にβ−ラクタム環
のカルボニルに基づく吸収を示す。 4 プロトン核磁気共鳴スペクトル:テトラメチ
ルシラン(TMS)を外部標準物質として重水
中のDJ7164B2(ナトリウム塩)について90M
Hzプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果、主な特性シグナルとして、約1.53ppmに
中心を有する二重線(J=6.0Hz)、約
2.25ppmに鋭い一重線、 約6.25ppmおよび
約7.34ppmに中心を有する一対の二重線(J−
14Hz)が見られた。 5 β−ラクタマーゼ阻害活性:DJ7164B2はエ
ンテロバクター・クロアケNo.19の産生するβ−
ラクタマーゼに対し0.008μg/mlのICEZ 50を示
した。 以上の理化学的および生物学的性状から
DJ7164B2は、エピチエナマイシンD〔ICAAC講
演要旨参照〕に類似する物質と推定される。 4 DJ7164Aの単離 実施例(2)で得たDJ7164Aの粗粉末約27gの精製
は、実施例(3)と同様な操作で行ない、DJ7164Aの
ナトリウム塩として微黄色粉末4mgを得た。この
精製標品DJ7164A(ナトリウム塩)の理化学的お
よび生物学的性状は以下の通りである。 1 ペーパークロマトグラフイー:DJ7164A(ナ
トリウム塩)は東洋濾紙No.50を用い、上昇法に
より12時間下記の溶媒で展開し、ビオオートグ
ラフイーで検出すると次のRf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール /水(7:7:6) 0.40 イソプロパノール/水(7:3) 0.50 2 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中での極大吸収は298nm(E1%1cm240)
に存在する。 3 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は陽極側に移動し、標
準物質として用いたブロム・フエノール・ブル
ーの移動度を1.0とするとDJ7164Aの相対移動
度は0.75を示す。 4 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルは1750cm-1にβ−ラクタム環
のカルボニルに期づく吸収を示す。 5 プロトン核磁気共鳴スペクトル:テトラメチ
ルシラン(TMS)を外部標準物質として重水
中のDJ7164A(ナトリウム塩)について90MHz
プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果、主な特性シグナルとして、約1.60ppmに
中心を有する二重線(J=6.0Hz)、約
2.20ppmに鋭い一重線が見られた。 6 β−ラクタマーゼ阻害活性:DJ7164Aはエン
テロバクター・クロアケNo.19の産生するβ−ラ
クタマーゼに対し0.063μg/mlのICEZ 50を示し
た。 以上の理化学的および生物学的性状から
DJ7164AはエピチエナマイシンAあるいはC、あ
るいはそれらの混合物〔ICAAC講演要旨参照〕
に類似する物質と推定される。
テイスピラリスによる抗生物質DJ7164A,B1お
よびB2ならびにそれらの混合物の製造法に関す
る。 本発明者らは、有用な抗生物質を生産する新規
な微生物を見出すことを目的として、自然界より
数多くの微生物を入手し検討を重ねた結果、広島
市で採取した土壌から分離した一放線菌ストレプ
トミセス・sp.RHS5−4と付番した菌株がその
目的にかなうものであることを知見し本発明を完
成した。 本発明の方法で使用される抗生物質生産菌スト
レプトミセス・sp.RHS5−4は、分類学的研究
の結果放線菌の新種であることが判明しストレプ
トミセス・ミヌテイスピラリスsp.nov.
(Streptomyces minutispiralis sp・nov)と命名
した。 本発明者らは、この菌株が培養液中にβ−ラク
タマーゼ阻害活性を有する抗生物質DJ7164A,
B1およびB2を生産していることを見出し、これ
らの物質を単離同定した結果DJ7164B1は、公知
物質であるエピチエナマイシンB〔第17回インタ
ーサイエンス・コンフエレンス・オン・アンチミ
クロビアル・エージエンツ・アンド・ケモテラピ
ー(17th Interscience Conference on
Antimicrobial Agents and Chemotherapy)
1977年10月12〜14日ニユーヨーク講演要旨No.80,
No.81(以下ICAAC講演要旨と略)参照〕に一致
することを確認した。 また、DJ7164AおよびB2は、その理化学的性
状からエピチエナマイシン類に類似する物質と推
定された。 本発明においてDJ7164物質という用語は、
DJ7164A,DJ7164B1およびDJ7164B2の混合物を
総称し、またDJ7164B物質という用語は、
DJ7164B1およびDJ7164B2の混合物の総称であ
る。 本発明の方法で使用するストレプトミセス・
sp.RHS5−4は、以下に示す様な菌学的特徴を
有する。 形態的特徴 本生産菌の空中菌糸は基生菌糸より直状乃至曲
状に伸長し、それより単純分枝として形成された
分生胞子柄の先端に主にコンパクト及びクローズ
ドタイプの螺旋を形成する。分生胞子は10個〜30
個連鎖し、電子顕微鏡による観察ではその形は卵
形乃至短円筒形で大きさは0.5〜0.8μ×1.0〜1.4
μでありその表面は平滑である。 また、基生菌糸は曲状乃至波状に伸長し、断裂
は見られない。 車軸分枝、鞭毛胞子、胞子嚢および菌核は認め
られない。 各種培地における生育状態 各種培地上で28℃、21日間培養したものについ
ての生育状態は第1表の如くである。 【表】 生理的性質 常法に従い試験した結果を第2表に示した。 【表】 【表】 【表】 炭素源の利用性 プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上で、L−ア
ラビノース、D−キシロース、D−グルコース、
D−フラクトース、シユクロース、イノシトー
ル、L−ラムノース、ラフイノース、D−マンニ
ツト及びグリセリンをよく利用する。 以上の結果を要約すると 1 ストレプトミセス属に属する。 2 空中菌糸がコンパクト及びクローズドタイプ
の螺旋を形成する。 3 分生胞子の表面構造は平滑である。 4 空中菌糸の色は明るい褐灰色乃至明るい灰色
を呈し、グレーカラーシリーズに属する。 5 裏面の色は黄褐色を基調としている。 6 合成及び有機の各種培地で可溶性色素をほと
んど産生しない。 7 メラニン様色素形成培地上で黒褐色色素を産
生しない。 8 ゼラチンを液化せず、ミルクの凝固及びペプ
トン化はともに陰性である。 が挙げられる。 以上の諸性質をもとにBergey′s Manual of
Determinative Bacteriology,8th Ed.(The
Williams and Wilkins Company,1974),The
Actionmycetes Vol.(S.A.Waksman,The
William and Wilkins Company,1962),E.B.
Shirling and D.GOttliebのISP報告
(International Journal of Systematic
Bacteriology,18,69,1968;18,279,1968;
19,391,1969;22,265,1972)及びその他の国
内外の文献に照合して検索すると比較的類似する
菌種として、ストレプトミセス・リバニ(Str.
libani)、ストレプトミセス・プルチヤー(Str.
pulcher)、ストレプトミセス・ニゲルス(Str・
nigellus)、ストレプトミセス・アンチミコチク
ス(Str.antimycoticus)が挙げられる。 そこで本発明にかかわるストレプトミセス・
sp.RHS5−4とこれら類似菌種のISP菌株との同
時比較を行なつた結果、これら類似菌種は次のよ
うな点で相違が認められた。 1 ストレプトミセス・リバニISP5555 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で黄褐色の色
素を少し産生する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生し、裏面は淡い
黄色味を帯びた橙色を呈する。 スターチ寒天培地で裏面が淡黄褐色乃至淡
黄色を呈する。 栄養寒天培地で白色の空中菌糸を良好乃至
中程度に着生する。 ペプトン・イースト鉄寒天培地に生育しな
い。 脱脂牛乳を凝固するとともに強くペプトン
化する。 L−アラビノースを利用しない。 2 ストレプトミセス・プルチヤーISP5566 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する グリセリン・硝酸塩寒天培地で明るい灰色
の空中菌糸を貧弱に着生し、裏面が淡い橙色
乃至淡い黄橙色を呈する。 アンモニウム.ツアペツクス培地で明るい
褐灰色の空中菌糸を中程度乃至貧弱に着生す
る。 グリセリン・アスパラギン寒天培地で裏面
が淡い橙色を呈する。 チロシン寒天培地で裏面が淡い橙色乃至淡
い黄色味を帯びた橙色を呈し、可溶性色素を
産生しない。 栄養寒天培地で白色の空中菌糸を中程度乃
至貧弱に着生する。 脱脂牛乳を強くペプトン化する。 ゼラチンを強く液化する。 シユクロース及びラフイノースを利用しな
い。 3 ストレプトミセス・ニゲルスISP5490 シユクロース・硝酸塩寒天培地で明るい灰
色の空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で明るい灰色
の空中菌糸を良好に着生し、裏面が部分的に
橙色の色調を帯びた淡い黄褐色を呈する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生する。 イースト・麦芽寒天培地で裏面が鈍い黄色
を呈する。 ペプトン・イースト鉄寒天培地に生育しな
い。 ゼラチンを液化する。 スターチの加水分解が陰性である。 4 ストレプトミセス・アンチミコチクス
ISP5284 分生胞子表面がとげ状である。 シユクロース・硝酸塩寒天培地で灰白色の
空中菌糸を良好に着生する。 グリセリン・硝酸塩寒天培地で灰白色の空
中菌糸を良好に着生し、裏面は明るい赤味を
帯びた黄色乃至淡黄色を呈する。 アンモニウム・ツアペツクス寒天培地で白
色の空中菌糸を中程度に着生する。 スターチ寒天培地で裏面が淡い黄褐色乃至
淡い黄色を呈する。 イースト・麦芽寒天培地で裏面が鈍い黄色
を呈する。 オートミール寒天培地で裏面が淡い黄色を
呈する。 ゼラチンを液化する。 脱脂牛乳を凝固するとともに強くペプトン
化する。 なお、現在までにエピチエナマイシン生産菌と
して、例えばストレプトミセス・フラボグリゼウ
ス(特開昭52−65298及び特開昭52−131596)、ス
トレプトミセス・フルボビリデイス(特開昭53−
103401及び特開昭53−109997)、ストレプトミセ
ス・オリバセウス(特開昭53−109997)、ストレ
プトミセス・アルゲンテオルス(特開昭53−
109997)及びストレプトミセス・sp.A271(特開
昭54−92983)などの菌種が知られているが、何
れも分生胞子鎖の形態が螺旋を形成しない点にお
いて明らかにストレプトミセス・sp.RHS5−4
と菌学的性状を異にする。 以上の諸知見より既知菌種中に一致するものは
なく、ストレプトミセス・sp.RHS5−4は新菌
種と認めるのが妥当であり、ストレプトミセス・
ミヌテイスピラリスsp.nov.と命名した。本菌種
は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄
第5079号(FERM−PNo.5079)として寄託され
ている。 本発明の方法に於て使用するDJ7164物質生産
菌は、上記新種ストレプトミセス・ミヌテイスピ
ラリス及びその天然あるいは人工の変異株のすべ
てを包含する。すなわち、DJ7164物質を生産
し、新種ストレプトミセス・ミヌテイスピラリス
sp.nov.と明確に区別しえない菌株すべてを包括
する。次に本発明にかかわるDJ7164物質の製造
方法を示す。 DJ7164物質の生産菌であるストレプトミセ
ス・ミヌテイスピラリスsp.nov.は、各種の栄養
源を含む培地で好気的条件下に培養される。培地
組成および培養条件は、抗生物質の生産に一般に
用いられるものと同様でよい。すなわち、培地は
原則として炭素源、窒素源、無機塩類などを含
む。必要に応じてビタミン類、先駆物質等を加え
てもよい。炭素源としては、例えばグリセリン、
グルコース、シユクロース、澱粉、水あめ、糖
蜜、大豆油などが単独または混合物として用いら
れる。また、窒素源としては、例えば大豆粉、脱
脂大豆粉、綿実粉、小麦胚芽、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、乾燥酵母、コーンステイープリ
カー、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムなどの
天然物や無機物が単独または混合物として用いら
れる。無機塩としては、例えば炭酸カルシウム、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コバルト、
硫酸マグネシウム、各種リン酸塩などがあげら
れ、必要に応じて培地に添加する。特にコバルト
イオンの添加は生産性向上に有効である。 培養方法としては、一般の抗生物質生産の培養
に用いられている液体培養法、特に深部通気培養
法が最も適している。培地のPHは約6.0〜8.0が好
ましく、培養温度は約20〜40℃、好ましくは30℃
付近に調節するのがよい。また、必要に応じて培
養液中に適宜天然または合成の消泡剤を添加して
もよい。 DJ7164物質の蓄積の確認は、被検菌としてバ
チルス・ズブチリスATCC6633(Bacillus
subtilis ATCC6633)あるいはエシエリチア・コ
リK−12(Escherichia coli K−12)を用いてデ
イスク平板法で行ない、30℃、18〜20時間培養後
の阻止円を測定して行なつた。通常、50〜120時
間の培養でDJ7164物質の蓄積量は最高に達す
る。培養終了液からDJ7164物質を採取するに
は、その性質を利用して一般の抗生物質の採取の
方法に準じて行なえばよい。 DJ7164物質は、水に溶け、主として培養液中
の液体部分に存在する。培養終了後、菌体その他
の固形物をけいそう土等を濾過助剤とする濾過操
作あるいは遠心分離によつて除去しその濾液ある
いは上清中に存在するDJ7164物質は、後記する
理化学的性状を利用することにより抽出、精製す
ることができる。例えばDJ7164物質が安定であ
る中性付近のPHで酸性物質として挙動することを
利用して陰イオン交換体に吸脱着させて精製する
ことができる。 陰イオン交換体としては、DEAE−セフアデツ
クス、QAE−セフアデツクス(フアルマシア社
製)、DEAE−セルロース(ブラウン社製)、ダイ
ヤイオンPA−306(三菱化成社製)、アンバーラ
イトIRA−68(ローム・アンド・ハース社製)、
ダウエツクス1×4、ダウエツクス21K(ダウ・
ケミカル社製)、デユオライトA−2,A−4
(ダイヤモンド・シヤムロツク・ケミカル社製)
等が利用できる。 また、酸性物質の性質を利用して、ジメチル・
ベンジル・セチルアンモニウム・クロライドの様
な4級アンモニウム塩を水と混和しない溶媒、例
えばジクロルメタン等に溶解し、DJ7164物質を
水溶液から4級アンモニウム塩として抽出する方
法も用いられる。 また、吸着剤を用いて精製することもできる。
吸着剤としては、例えば合成吸着剤ダイヤイオン
HP−20AG,HP−20,HP−30(三菱化成社
製)、アンバーライトXAD−2,XAD−4(ロー
ム・アンド・ハース社製)あるいは活性炭末など
を使用してDJ7164物質を吸着させ、アセトン
水、メタノール水などで溶出する方法が利用でき
る。 さらに、DJ7164物質を精製するためには、ア
ビセル(旭化成社製)などのセレロースあるいは
シリカゲルの様な担体を用いた分配クロマトグラ
フイーや分子量、分子の形状等の差を利用して精
製する分子ふるいクロマトグラフイーが効果的で
ある。分子ふるいクロマトグラフイーを行なう担
体としてはセフアデツクスG−10,G−15(フア
ルマシア社製)、バイオゲルP−2(バイオ・ラ
ツド・ラボラトリー社製)が適している。 DJ7164物質は、性質が類似している
DJ7164A,B1およびB2の混合物であるが、
DJ7164AおよびDJ7164B物質(DJ7164B1と
DJ7164B2の混合物)との分離は、前述の陰イオ
ン交換体、例えばDEAE−セフアデツクスあるい
はQAE−セフアデツクスを用いてカラムクロマ
トグラフイーを行なうのが効果的である。また、
DJ7164B1とDJ7164B2の分離には、合成吸着剤で
あるダイヤイオンHP−20AGを用いてカラムクロ
マトグラフイーを行なうのが最適である。
DJ7164物質は、粉末状態では乾燥剤存在下で低
温保存すれば比較的安定であるが、水溶液中では
酸性で極めて不安定、アルカリ性で不安定であ
る。PH6.5〜8.0の間が最も安定であるが、中性溶
液中でも高温では速やかに分解する。したがつて
培養液からDJ7164物質を単離するにあたつて
は、溶液のPHが6.5〜8.0の間を維持する様に細心
の注意を払い、溶液での取扱いは、低温(10℃以
下)でかつ迅速に行なうことが肝要である。 抽出、精製過程におけるDJ7164物質の確認
は、培養液中の蓄積確認と同じくバチルス・ズブ
チリスATCC6633あるいはエシエリチア・コリK
−12を用いるデイスク平板法で行なう。また、必
要に応じてβ−ラクタマーゼが阻害活性を測定す
る。β−ラクタマーゼ阻害活性はエンテロバクタ
ー・クロアケNo.19(Enterobacter cloacae No.
19)の産生するβ−ラクタマーゼに対する阻害作
用により測定されるが、検定すべき試料はPH7.0
の0.01Mリン酸緩衝液で適当な濃度まで希釈して
用いる。以上の精製手段を適宜組合せ、必要に応
じて反復して用いることによつてDJ7164A,B1
およびB2を精製単離することが出来る。 この様にして得られたDJ7164B1(ナトリウム
塩)は、以下の理化学的および生物学的性状を有
する。 1 物質の色と形状:凍結乾燥により得られる
DJ7164B1のナトリウム塩は、微黄色粉末であ
る。 2 比旋光度:〔α〕22 D+1.9゜(C=0.16、水) 3 元素分析(測定値):C 44.79%、H
4.61%、N 6.62%硫黄の存在は、ヨード塩化
白金酸塩の呈色反応から予想される。 4 分子量(質量分析):DJ7164B1のメチルエ
ステル体の分子量は326である。 5 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中(12.5μg/ml濃度での紫外線吸収
スペクトルを第1図に示す。極大吸収は308nm
(E1%1cm340)および226nm(E1%1cm360)に存
在
する。 本物質を0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で調
製した50μg/mlの溶液に0.02Mヒドロキシア
ミン中性水溶液を等量加え、室温に30分以上放
置すると抗菌活性は完全に失活し、308nmの極
大吸収も消失する。 6 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルを第2図に示す。その特徴的
特性吸収波数は次の通りである。 1750cm-1(β−ラクタム環−CO−) 1660cm-1(アミド−CO−) 1600cm−(−COO-) 7 プロトン核磁気共鳴スペクトル:2,2−ジ
メチル−2−シラペンタン−5−スルホン酸ナ
トリウム(DSS)を内部標準物質として重水中
のDJ7164B1(ナトリウム塩)について200MHz
プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したもの
を第3図に示す。特性シグナルを以下に示す。 約1.33ppmに中心を有する二重線(J=
6.0Hz)(CH3 CH) 約2.05ppmに鋭い一重線(CH3 CO) 約3.13ppmに中心を有する多重線(−CH2
−) 約3.63ppmに中心を有するダブル二重線
(J=6.0Hz,9.0Hz)(CO−CH) 約4.10〜4.30ppmに多重線(CH−N,CH
−OH) 約6.06ppmおよび約7.14ppmに中心を有す
る一対の二重線(J=14.0Hz)(−CH=CH
−) 8 溶解性:水に易溶、メタノールに若干可溶、
アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼ
ン、石油エーテル等の有機溶媒には不溶であ
る。 9 呈色反応:エールリツヒ試薬反応、ヨード塩
化白金酸塩反応陽性、ニンヒドリン反応陰性で
ある。 10 ペーパークロマトグラフイー:DJ7164B1
(ナトリウム塩)は、東洋濾紙No.50(東洋濾紙
社製)を用い、上昇法により12時間下記の溶媒
で展開し、ビオオートグラフイーで検出すると
次のRf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール/水 (7:7:6) 0.52 イソプロパノール/水(7:3) 0.53 11 薄層クロマトグラフイー:DJ7164B1(ナト
リウム塩)は、イーストマンクロマグラムシー
ト6065(螢光剤含有セルロースシート、イース
トマン、コダツク社製)を用いて下記溶媒で展
開し、ビオオートグラフイーで検出すると次の
Rf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール/ 水(7:7:6) 0.61 イソプロパノール/水(7:3) 0.60 n−プロパノール/水(4:1) 0.56 アセトニトリル/水(9:1) 0.25 12 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75Volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は、陽極側に移動し、
標準物質として用いたブロム・フエノール・ブ
ルーの移動度を1.0とするとDJ7164B1の相対移
動度は0.75を示す。 13 安定性:凍結乾燥粉末は、乾燥剤存在下、−
10℃以下で低温保存すれば比較的安定である
が、その水溶液は酸性で極めて不安定、アルカ
リ性で不安定であり、PH6.5〜8.0付近が最も安
定であるが、中性溶液でも高温では速やかに分
解する。 14 抗菌スペクトル:普通寒天培地“栄研”(栄
研化学社製)を用いてDJ7164B1(ナトリウム
塩)の抗菌スペクトルをペーパーデイスク法で
測定した結果を第3表に示す。 【表】 15 β−ラクタマーゼ阻害活性 〔測定法〕 β−ラクタマーゼ阻害値ICEZ 50は、
β
−ラクタマーゼによるセフアゾリンの加水分
解を10分間に50%阻止するに必要な物質の量
を表わす。セフアゾリンが加水分解される割
合は、270nmにおける吸光度の減少を測定す
ることによつて知ることができる。β−ラク
タマーゼとしては、エンテロバクター・クロ
アケNo.19の産生するβ−ラクタマーゼを部分
的に精製したものを使用する。この粗酵素の
セフアロリジンに対する力価はヨードメトリ
ーで測定して酵素蛋白1mgあたり33単位であ
る。この場合の1単位とは、30℃、PH7.0で
1分間に1μモルのセフアロリジンを分解す
る酵素力価をいう。用いた試薬は、次の通り
である。 〔試薬〕 基質溶液:50μg/mlのセフアゾリン
を含有するPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液。 酵素液:阻害剤なしの状態で10分間に
270nmにおける吸光度をおよそ0.15減少させ
る酵素を含むPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液
(約1.4単位のβ−ラクタマーゼを含む)。 阻害剤希釈液:阻害剤試料をPH7.0,
0.01Mリン酸緩衝液で適宜希釈する。 トリクロル酢酸溶液:50%(w/v)トリ
クロル酢酸溶液9.0ml、1.0M酢酸ソーダ溶液
55.0mlおよび1.0M酢酸溶液82.5mlを混ぜ全体
量を1000mlとした溶液。 〔反応〕 酵素液0.2mlおよび阻害剤希釈液0.2ml
を試験管に入れ、30℃の恒温槽中で5分間緩
やかに振盪した後基質溶液3.0mlを加え、さ
らに30℃で10分間振盪を続ける。正確に10分
経過した後直ちにトリクロル酢酸溶液2.0ml
を加え反応を止める。同時に阻害剤を入れな
い対照検体、酵素液を入れない盲検体および
阻害剤と酵素液を入れない盲検体を同じ方法
で調製する(対照および盲検体はすべて5.4
mlとなる様にPH7.0,0.01Mリン酸緩衝液で
調整する。)。反応停止後270nmにおける吸光
度の変化を測定し試料液および対照の吸光度
を夫々の盲検体の吸光度で補正して10分間に
セフアゾリンの加水分解を50%阻止するに必
要な阻害剤の量(ICEZ 50μg/ml)を測定す
る。 〔結果〕 上記測定法によりDJ7164B1はエンテロ
バクター・クロアケNo.19の産生するβ−ラク
タマーゼに対し0.004μg/mlのICEZ 50を示し
た。 上記のDJ7164B1の理化学的および生物学的性
状は、ICAAC講演要旨に報告されたエピチエナ
マイシンBとよく一致することから本発明で得ら
れるDJ7164B1はエピチエナマイシンBと同定し
た。 次に本発明の目的化合物DJ7164A,B1および
B2の製造例を示すが、この実施例はなんら本発
明を限定するものではない。 実施例 (1) 新放線菌ストレプトミセス・ミヌテイスピラ
リスの培養 ストレプトミセス・ミヌテイスピラリスsp.
nov.(微工研菌寄第5079号)を100mlの下記A培
地を含む500ml容三角フラスコにスラントより1
白金鈎接種し、30℃で約72時間回転振盪培養機
(160rpm)で種培養を行なつた。 A 培地 グリセリン 2.0%(w/v) グルコース 0.1 〃 大豆粉 0.5 〃 乾燥酵母 0.5 〃 炭酸カルシウム 0.3 〃 塩化ナトリウム 0.3 〃 塩化コバルト・6水和物 0.0002 〃 消泡剤(アデカノールEX885,旭電化社製)
0.04(v/v) (殺菌前PH7.0) B 培地 A培地の大豆粉の代りにコーン・ステイープリ
カー0.5%(w/v)を用いたもの。 この種培養液を上記A培地100mlを含む500ml容
三角フラスコ2個に各2mlずつ接種し、30℃で72
時間回転振盪培養(160rpm)を行なつた。この
2次種培養液200mlを20のA培地を含む30容
ジアーフアーメンターに接種し、通気量10/
min、撹拌数250rpmで30℃にて72時間通気撹拌
培養を行なつた。 この種培養液20を上記B培地1000を含む
1500容醗酵タンクに接種し、通気量500/
min、撹拌数160rpmで30℃にて90時間通気撹拌
方式で本培養を行なつた。その結果、DJ7164物
質を含む培養液950を得た。つづいてこの培養
液に濾過助剤ラジオライト900(昭和化学工業社
製)を20Kg加え、フイルタープレスにて濾過し培
養濾液850を得た。 (2) DJ7164物質の分離精製 上記培養濾液を直ちに10℃に冷却し、ダイヤイ
オンPA−306(Cl型)50のカラム(30cm×75
cm)2本にSV=5の流速で流し、DJ7164物質を
吸着させる5%(w/v)食塩含有50%(v/
v)メタノール水溶液100ずつで活性成分を溶
出した。活性分画を集め、内温30℃以下で濃縮し
てメタノールを留去し濃縮液120を得た。この
濃縮液120をダイヤイオンHP−20のカラム(40
cm×70cm)にかけ有効成分を吸着させた。つづい
て脱イオン水30で洗浄後20%アセトンを含有す
る0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)80で溶出し
た。溶出液は20ずつ分画した。活性成分は、分
画4,5および6に溶出され、これらを合併した
後内温34℃で減圧下濃縮し、アセトンを留去して
濃縮液50を得た。次いで4℃にてこの濃縮液50
を予め0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で充分に
平衡化したDEAE−セフアデツクスA−25のカラ
ム(40cm×20cm)に通し有効成分を吸着させた。
カラムを0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)20で洗
浄後1%食塩含有0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)
で溶出し、溶出液は9ずつ分画した。活性成分
は分画3から11の間に溶出した。分画4から1
0を合併し、ダイヤイオンHP−20のカラム(40
cm×70cm)にかけ、活性成分を吸着させた後脱イ
オン水30で洗浄後10%アセトン水で溶出した。
溶出液は10ずつ分画し、活性成分を分画7およ
び8に得た。活性分画を集め、外温30℃で減圧下
濃縮してアセトンを留去し、濃縮液17を得た。
次いで4℃にてこの濃縮液17を予め0.01Mリン
酸緩衝液(PH7.0)で充分に平衡化したDEAE−
セフアデツクスA−25のカラム(10cm×55cm)に
かけ活性成分を吸着させた。カラムを0.01Mリン
酸緩衝液(PH7.0)1で洗浄後0.5%食塩を含む
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で溶出し、溶出液
は400mlずつ分画した。 この段階のDEAE−セフアデツクスA−25のカ
ラムクロマトグラフイーでDJ7164B物質とその類
似物質であるDJ7164Aとは完全に分離される。す
なわちDJ7164Aは、分画2から8に溶出し、
DJ7164B物質は分画11から29の間に溶出し
た。DJ7164AとDJ7164B物質は、ペーパークロマ
トグラフイー(東洋濾紙No.50)により展開溶媒n
−ブタノール/イソプロパノール/水(7:7:
6)で12時間上昇法で展開するとそれぞれRf=
0.40,Rf=0.52に活性のあるスポツトがビオオー
トグラフイーで観察され区別される。 DJ7164B物質を含む分画11から29を集め、
4℃にてダイヤイオンHP−20のカラム(15cm×
48cm)にかけ活性成分を吸着させ、脱イオン水2
で洗浄後10%アセトン水で溶出した。溶出液
は、400mlずつ分画し、活性成分を分画8から1
3の間に得た。分画8から13を集め、外温30℃
以下で減圧下濃縮してアセトンを留去し濃縮液2
を得た。次いで濃縮液を凍結乾燥することによ
りDJ7164B物質を褐色の粗粉末として約43g得
た。 DJ7164Aを含む上述の分画2から8について
は、DJ7164B物質と同様に脱塩操作を行ない、
DJ7164Aを褐色の凍結乾燥粗粉末として約27g得
た。 3 DJ7164B1およびDJ7164B2の単離 DJ7164B物質をさらに精製するため以下の操作
を行なつた。実施例(2)で得たDJ7164B物質の粗粉
末22.5gを4℃にて0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)
100mlに溶解し、予め0.01Mリン酸緩衝液(PH
7.0)で平衡化したDEAE−セフアデツクスA−
25のカラム(6cm×38cm)にかけ活性成分を吸着
させた。次いで0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)500
mlで洗浄後0.5%食塩含有リン酸緩衝液(PH7.0)
で溶出した。溶出液は15mlずつ分画し、活性分画
を分画275から420の間に得た。活性分画を
集め、4℃にてダイヤイオンHP−20AGのカラム
(4.5cm×60cm)にかけ、活性成分を吸着させ、脱
イオン水300mlで洗浄後10%アセトン水で溶出し
た。溶出液は12mlずつ分画し、活性成分を分画5
2から90の間に得た。活性分画52から90ま
でを集め、外温30℃以下で減圧下50mlまで濃縮
し、凍結乾燥することにより淡褐色の粉末3.46g
を得た。次いで4℃にてこの3.46gの淡褐色の粉
末を脱イオン水10mlに溶解し、アビセル10gと混
合し、凍結乾燥したものを予め90%アセトニトリ
ルで調製したアビセルカラム(2.5cm×35cm)に
重層し、少量のアセトニトリルで洗浄後90%アセ
トニトリルで展開した。溶出液は20mlずつ分画し
紫外線吸収およびビオアツセイで検出して分画6
1から66までを集めた。このものを外温30℃以
下で減圧下濃縮し、凍結乾燥することにより48mg
の淡褐色の粉末を得た。 更にこの粉末48mgを精製するため4℃にて少量
の0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)に溶解し、予め
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で調製したバイオ
ゲルP−2のカラム(25cm×38cm)に吸着させ、
同一溶媒で展開した。溶出液は6mlずつ分画し、
紫外線吸収とビオアツセイで検出することにより
活性分画18,19および20を得た。活性分画
18から20までを集め、脱塩操作を行なわずに
そのまま凍結乾燥することによりリン酸塩を含む
凍結乾燥粉末66mgを得た。 次いで4℃にてこの凍結乾燥粉末66mgを少量の
脱イオン水に溶解し、ダイヤイオンHP−20AGの
カラム(1.5cm×52cm)にかけ、活性成分を吸着
させ、脱イオン水で展開した。溶出液は6mlずつ
分画し、紫外線吸収とビオアツセイで検出した。
その結果、活性分画は2つの山を形成し、主活性
区分は分画18から28に分画25をピークとす
る山を形成し、他方は分画35をピークとする山
を分画30から45に示した。分画18から28
までを集め、外温30℃以下で減圧下濃縮し、凍結
乾燥することによりDJ7164B1のナトリウム塩を
微黄色粉末として10mg得た。この精製標品の
0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)中での紫外線吸収
スペクトルは308nm(E1%1cm340)および226nm
(E1%1cm360)に極大吸収を示した。 DJ7164B1の理化学的および生物学的性状は前
記した通りである。 一方、HP−20AGのカラムでDJ7164B1と区別
される活性区分については、分画30から40ま
でを集め、外温30℃以下で濃縮後凍結乾燥を行な
い、DJ7164B2のナトリウム塩を微黄色粉末とし
て2mg得た。 このようにして得られた精製標品DJ7164B2
(ナトリウム塩)の理化学的および生物学的性状
は以下の通りである。 1 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中での極大吸収は306nm(E1%1cm300)
および226nm(E1%1cm330)に存在する。 2 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は陽極側に移動し、標
準物質として用いたブロム・フエノール・ブル
ーの移動度を1.0とするとDJ7164B2の相対移動
度は0.75を示す。 3 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルは1750cm-1にβ−ラクタム環
のカルボニルに基づく吸収を示す。 4 プロトン核磁気共鳴スペクトル:テトラメチ
ルシラン(TMS)を外部標準物質として重水
中のDJ7164B2(ナトリウム塩)について90M
Hzプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果、主な特性シグナルとして、約1.53ppmに
中心を有する二重線(J=6.0Hz)、約
2.25ppmに鋭い一重線、 約6.25ppmおよび
約7.34ppmに中心を有する一対の二重線(J−
14Hz)が見られた。 5 β−ラクタマーゼ阻害活性:DJ7164B2はエ
ンテロバクター・クロアケNo.19の産生するβ−
ラクタマーゼに対し0.008μg/mlのICEZ 50を示
した。 以上の理化学的および生物学的性状から
DJ7164B2は、エピチエナマイシンD〔ICAAC講
演要旨参照〕に類似する物質と推定される。 4 DJ7164Aの単離 実施例(2)で得たDJ7164Aの粗粉末約27gの精製
は、実施例(3)と同様な操作で行ない、DJ7164Aの
ナトリウム塩として微黄色粉末4mgを得た。この
精製標品DJ7164A(ナトリウム塩)の理化学的お
よび生物学的性状は以下の通りである。 1 ペーパークロマトグラフイー:DJ7164A(ナ
トリウム塩)は東洋濾紙No.50を用い、上昇法に
より12時間下記の溶媒で展開し、ビオオートグ
ラフイーで検出すると次のRf値を示す。 展開溶媒 Rf値 n−ブタノール/イソプロパノール /水(7:7:6) 0.40 イソプロパノール/水(7:3) 0.50 2 紫外線吸収スペクトル:0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.0)中での極大吸収は298nm(E1%1cm240)
に存在する。 3 高圧濾紙電気泳動:0.1Mトリス塩酸緩衝液
(PH7.5)中75volt/cmで30分間通電した場合の
東洋濾紙No.51上での挙動は陽極側に移動し、標
準物質として用いたブロム・フエノール・ブル
ーの移動度を1.0とするとDJ7164Aの相対移動
度は0.75を示す。 4 赤外吸収スペクトル:臭化カリウム錠での赤
外吸収スペクトルは1750cm-1にβ−ラクタム環
のカルボニルに期づく吸収を示す。 5 プロトン核磁気共鳴スペクトル:テトラメチ
ルシラン(TMS)を外部標準物質として重水
中のDJ7164A(ナトリウム塩)について90MHz
プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果、主な特性シグナルとして、約1.60ppmに
中心を有する二重線(J=6.0Hz)、約
2.20ppmに鋭い一重線が見られた。 6 β−ラクタマーゼ阻害活性:DJ7164Aはエン
テロバクター・クロアケNo.19の産生するβ−ラ
クタマーゼに対し0.063μg/mlのICEZ 50を示し
た。 以上の理化学的および生物学的性状から
DJ7164AはエピチエナマイシンAあるいはC、あ
るいはそれらの混合物〔ICAAC講演要旨参照〕
に類似する物質と推定される。
第1図は紫外線吸収スペクトルであり、第2図
は赤外吸収スペクトルであり、第3図は核磁気共
鳴スペクトルである。
は赤外吸収スペクトルであり、第3図は核磁気共
鳴スペクトルである。
Claims (1)
- 1 ストレプトミセス・ミヌテイスピラリスを培
養し、培養物から抗生物質DJ7164A,
DJ7164B1,DJ7164B2またはこれらの混合物を採
取することを特徴とする抗生物質の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4140180A JPS56137890A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Production of antibiotic |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4140180A JPS56137890A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Production of antibiotic |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56137890A JPS56137890A (en) | 1981-10-28 |
| JPS6261317B2 true JPS6261317B2 (ja) | 1987-12-21 |
Family
ID=12607343
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4140180A Granted JPS56137890A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Production of antibiotic |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56137890A (ja) |
-
1980
- 1980-03-31 JP JP4140180A patent/JPS56137890A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56137890A (en) | 1981-10-28 |
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