JPS626739B2 - - Google Patents
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- JPS626739B2 JPS626739B2 JP58016665A JP1666583A JPS626739B2 JP S626739 B2 JPS626739 B2 JP S626739B2 JP 58016665 A JP58016665 A JP 58016665A JP 1666583 A JP1666583 A JP 1666583A JP S626739 B2 JPS626739 B2 JP S626739B2
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Description
本発明は希土類金属を含む三元系水素吸蔵用合
金に関し、より詳細には、金属水素化物の形態で
多量の水素を吸蔵でき、しかもわずかの加熱で容
易に、かつ速やかに水素を放出でき、その水素の
吸蔵圧と放出圧の差、即ちステリシスの極めて小
さい新規にして実用上極めて有用なる希土類金属
三元系水素吸蔵用合金に関するものである。 水素は資源的な制限がなくクリーンであるこ
と、輸送、貯蔵が容易なこと等から化石燃料に代
る新しいエネルギー源として注目されている。 しかし、水素は常温で気体であり、しかも液化
温度が極めて低温であるために、その貯蔵技術の
開発が重要となる。この貯蔵方法として近年注目
されているのが、金属に水素を吸蔵させ金属水素
化物として貯蔵する方法である。 又、金属と水素の吸蔵放出反応は可逆的であ
り、反応に伴つて相当量の反応熱が発生吸収さ
れ、水素の吸蔵放出圧力は温度に依存することを
利用して冷暖房装置あるいは熱エネルギー←→圧力
(機械)エネルギー変換装置などに応用する研究
が行なわれている。 かかる水素吸蔵材料として要求される性質とし
ては、安価かつ資源的に豊富であること、活性化
が容易で水素吸蔵量が大きいこと、室温付近で適
当な水素吸蔵放出平衡圧を有し、吸蔵放出のヒス
テリシスが小さいこと、水素吸蔵放出反応が可逆
的であり、その速度が大きいことなどがあげられ
る。 ところで代表的な公知の水素吸蔵材料として
は、例えばLaNi5、FeTiが知られている。 しかしながらこれらの合金は、水素の吸蔵放出
反応が可逆的であり、水素吸蔵量も大きいもの
の、水素吸蔵、放出反応の速度が遅く、活性化が
容易とは云えず、しかもヒステリシスが大きい等
の欠点があり、実用上大きな問題があつた。 本発明者らは上記の様な状況に鑑み、前記のよ
うな諸特性を備えた水素吸蔵用合金を開発すべく
種々研究を進めてきた。その結果、希土類金属、
ニツケル及び後述の諸金属Mtより構成される特
定の三元系合金は上記諸性質をすべて具備してお
り、水素吸蔵用合金として新規にして極めて有用
なものであることを見出し、ここに本発明を完成
するに至つた。 即ち本発明は、一般式RxNiyMtzで表わされる
希土類金属三元系の水素吸蔵量合金に関するもの
である。ここで、式中Rは希土類金属原子を表わ
し、Mtはニオブ、スズおよびモリブデンからな
る群から選ばれた金属原子であり、xは1.0〜2.0
の正数、yは3.0〜9.0の正数、zは0.01〜1.0の正
数であり、y+z/x>5またはy+z/x<5である
。 ここで希土類金属原子Rは単一金属の場合のみ
ならず、混合金属ミツシユメタル(Mm)をも含
む。 ところで、LaNi5やMmNi5等を代表とする希土
類金属系合金は水素貯蔵・輸送用、排熱回収用ヒ
ートポンプとしても利用されているが、この種の
用途においては多岐に亘る温度に応じて水素化物
の解離圧を調製する必要があつた。その為LaNi5
やMmNi5系合金におけるNi又はLaあるいはMmの
一部をAl、Mn、Cr、Si、Co等の第3元素で置換
することによつて解離圧を調製する技術が開発さ
れている。 例えば、Alは、置換量をわずかに変化させる
だけでも解離圧を大きく変えることができる。し
かし、第3元素としてAlを含む合金(LaNi5−
xALx、La1-xNi5Alx、MmNi5-xALx、
Mn1-xNi5Alx)では、Al量によつて解離圧、水素
吸蔵量とヒステリシスが一元的に決つてくる為、
実用化するときの自由度が小さい。殊にヒートポ
ンプ用として用いる場合、水素吸蔵、放出曲線に
おける圧力差、すなわちヒステリシスは極めて重
要であり、これが大きいと、水素の吸蔵又は放出
操作時に吸蔵用合金又は水素化物をより大きな温
度差で加熱又は冷却するか、あるいはより大きな
圧力差で水素の加圧又は減圧を行なわなければな
らず、装置の効率が悪化する。その為、水素吸蔵
能力及び水素化反応熱を実用規模で有効に活用す
る為には、ヒステリシスを小さくする必要があ
る。しかも、Alの置換量が比較的大きい組成の
合金の場合、水素吸蔵量は減少することが確認さ
れている。 本発明はこうした状況のもとで希土類金属−ニ
ツケル系合金、例えばRNi5(Rは希土類金属原
子を示す)系合金の有する水素吸蔵用として適し
た特性(特に解離圧が低いことと水素吸蔵量が大
きい特性)を保持しつつ、そのヒステリシスを小
さくして実用性を高めようとするものであつて、
基本的には上記の希土類金属とニツケルに第3元
素としてニオブ、スズおよびモリブデンからなる
群から選ばれた金属(Mt)を特定量配合し、前
記一般式RxNiyMtzの要件を満たすように合金成
分比率を調整することによつて目的を達成するこ
とができる。尚、本発明の水素吸蔵用合金の一般
式RxNiyMtzにおいてx、yおよびzをそれぞれ
前述の様に定めた理由は次の通りである。 x:1.0〜2.0 xが1.0未満では水素吸蔵量を低下させ、且つ
ヒステリシスを小さくするという効果が現われな
い。一方、xが2.0を越えると吸蔵水素の放出が
困難になり、高温又はこれに減圧を組合せなけれ
ば吸蔵水素を放出することができなくなる。 y:3.0〜9.0 yが3.0未満では解離圧および水素吸蔵量を極
端に低下させ、一方yが9.0を越えると解離圧が
増大する傾向を示し、水素吸蔵用ならびに排熱回
収用として適した特性を示さなくなる。 z:0.01〜1.0 zが0.01未満では添加金属Mtの絶対量が不足
する為解離圧を十分低下させることができず、し
かもヒステリシスを小さくするという効果が現わ
れない。一方、1.0を越えると吸蔵水素量が減少
したり、吸蔵水素の放出が困難になつたりあるい
は水素吸蔵・放出曲線のプラトー域が2段状にな
る傾向が現われ、しかもヒステリシスを小さくす
ることができない。Mtは水素吸蔵用として適し
た解離圧を維持しつつヒステリシスを小さくする
為に不可欠の成分である。 y+z/x>5またはy+z/x<5:y+z/x=
5では、水 素吸蔵量が減少し、かつヒステリシスが大きくな
る。また活性化もいくらか困難となる。 合金の組成が上述の範囲では、合金の水素吸蔵
圧、放出圧が水素吸蔵用として適した広い範囲に
わたつて変化させる利点があり、しかもヒステリ
シスも小さくなるというすぐれた特性を有してい
る。 本発明に係る希土類金属三元系水素吸蔵用合金
の基本的な構造は明確でないが、例えば、
RxNi5Mtz系合金ではLaNi5、MmNi5等と同様の
六方晶系の金属間化合物であると考えられるが、
何れにしてもLaNi5、MmNi5、LaNi5-xMtx系合金
に比べて、水素貯蔵用としての特性を保持し、水
素吸蔵、放出時のヒステリシスが小さいので、水
素吸蔵用合金としての水素吸蔵能力及び水素吸
蔵、放出に伴う発熱及び吸熱を有効に活用するこ
とができる。しかもこの合金は活性化が極めて容
易であり、大量の水素を高密度で吸蔵し得ると共
に水素の吸蔵、放出反応が完全に可逆的に行なわ
れ、且つ吸蔵、放出を何回くり返しても合金自体
の劣化は実質的に認められず、長期使用に耐え、
更には酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、一酸化
炭素等の吸蔵ガス中に含まれる不純物の影響を殆
んど受けない等、数多くの特長を有している。 ちなみに本発明合金の最大の特徴であるヒステ
リシスについて従来の三元系合金と比較すると、
例えば従来のLaNi4.4Al0.6合金の120℃におけるヒ
ステリシスは約1.0気圧であるのに対して、同温
度における本発明合金のそれはLaNi5Sn0.6で約
0.3気圧を示し、従来合金に比べて約半分以下に
減少した。このような傾向は他の金属Mtである
Nb、SnおよびMoを用いた場合でも同様であつ
た。 本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用合金を製
造するに当つては、公知の各種方法を採用できる
が、弧光溶融法の採用が好ましい。即ち、希土類
金属、ニツケルおよび金属Mtの各成分を分取し
て混合した後、任意の形状にプレス成形し、次い
でこの成形物を弧光溶融炉に装入し、不活性雰囲
気下で加熱溶融し放冷することにより容易に製造
できる。得られた水素吸蔵用合金は、800〜1100
℃で8〜25時間焼なましを行ない、得られた合金
は、その表面積を増水するため通常通り粉末の形
態で使用する。 本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用合金は、
極めて容易に活性化でき、活性化後は大量の水素
を容易に、且つ急速に吸蔵及び放出できる。活性
化は合金をロータリーポンプで減圧下、たとえば
80℃に加熱して脱ガスを行ない、次いで水素を吸
蔵及び放出する操作を唯一回行なうことにより実
施される。 活性化後の水素の吸蔵放出操作、金属水素化物
の形成は、合金粉末を適当な容器に充填、脱ガス
操作のあと、室温で水素を封入し、20Kg/cm2以下
の水素圧を印加することにより行なわれる。 このように、本発明の希土類金属三元系水素吸
蔵用合金は水素印加が20Kg/cm2以下という低圧
で、しかも室温で数分以内の極めて短時間に行な
い得る。 これに対し汎用のTi−Fe系合金の場合、室温
下50Kg/cm2程度の水素圧の印加では水素の吸蔵は
殆んど起こらず、従つてこの程度の条件では活性
化も不可能である。その為吸蔵操作には約400〜
500℃程度の高温処理が必要になると共に、活性
化に当つてはこの様なきびしい吸蔵操作を数回く
り返す必要があり、この様な問題はTi−Ni系合
金やMg−Ni系合金の場合も実質的に同じであ
る。 この金属水素化物からの水素の放出は、室温で
上記容器を開放するだけで行ない得る。しかしな
がら、金属水素化物を室温以上に加熱するか、減
圧することにより、更に短時間に且つ効率よく水
素を放出することができる。 即ち、本発明の水素吸蔵用合金は従来の合金に
比べて極めて容易に活性化でき、活性化後水素吸
蔵放出は高速で行なえる。 このように本発明の希土類金属三元系水素吸蔵
用合金は、始めて開発された新規な合金にして、
水素吸蔵材料として要求される諸性質を全て具備
するものであり、特に水素吸蔵放出圧のヒステリ
シスは従来の水素吸蔵用合金に比べて大巾に改善
され、水素吸蔵用合金としての水素貯蔵能力、水
素吸蔵放出反応に伴う反応熱を有効に利用するこ
とができるのである。 しかも、本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用
合金は水素吸蔵放出反応の活性化が極めて容易で
あり、大量の水素を密度高く吸蔵し得ると共に、
室温付近の温度で水素の吸蔵放出を行なうことが
でき、水素吸蔵放出を何度繰返しても水素吸蔵用
合金の性能劣化は実質的に認められず、従つて長
期に亘る使用が可能であり、また酸素、窒素、ア
ルゴン、炭酸ガス等吸蔵ガス中の不純物による影
響は殆んど認められない、実用上極めて有用な水
素吸蔵材料と言うことができる。従つて、本来の
水素貯蔵材料としての用途はもとより、水素吸蔵
放出反応に伴う反応熱を利用する他の用途に対し
ても卓越した効果を発揮する。 以下、本発明を実施例にもとづき具体的に説明
する。 実施例 1 市販のランタン、ニツケル及びMt(Nb、Sn、
Mo、の一種)を、原子比がLa:Nh:Mt=1.0:
5.0:0.6、1:4:0.5、1:5.5:0.5、1:1.5:
0.5および1:8.5:0.5となる様に採取し、高真空
アーク熔融炉内の銅製るつぼに装入する。炉内を
高純度アルゴン雰囲気とした後、約2000℃に加熱
して熔解し、次いで放冷してLaNi5Nb0.6、
LaNi5Sn0.6、LaNi5Mo0.6、LaNi4Nb0.5、
LaNi4Sn0.5、LaNi4Mo0.5、LaNi5.5Nb0.5、
LaNi5.5Sn0.5、LaNi5.5Mo0.5、LaNi1.5Nb0.5、
LaNi1.5Sn0.5、LaNi1.5Mo0.5、LaNi8.5Nb0.5、
LaNi8.5Sn0.5およびLaNi8.5Mo0.5なる組成の3元
系合金を得た。 これら合金を夫々1100℃で8時間焼なましを行
なつた。 得られた合金を120メツシユに粉砕し、その5.0
gをステンレス製水素吸蔵、放出反応器に採取
し、反応器を排気装置に接続して、減圧下80℃の
温度に加熱して脱ガスを行つた。次いで純度
99.99%の水素を導入し、器内の水素圧を20Kg/
cm2以下に保持すると直ちに水素の吸蔵が認めら
れ、水素の吸蔵が完了した後、再び排気を行つて
水素の放出を完了させた。これらの合金はこの操
作で活性化が完了した。 活性化された合金に反応器中で20Kg/cm2以下の
水素圧、室温以上で純度99.99%の水遷を導入
し、水素を吸蔵させた。 一方、水素の放出は室温でも行なうことができ
るが、反応器の加熱、または減圧下、あるいはこ
れらの両方を行なうことによつてより効率的に行
なわれる。 上記の方法で夫々の希土類金属三元系水素吸蔵
用合金の水素吸蔵、放出における圧力−組成等温
線の関係を求めた。その1例としてLaNi5Sn0.6−
H系について120℃での圧力−組成等温線を表わ
したのが図(実線)である。 図において曲線Aは水素吸蔵線、曲線Bは水素
放出線である。また、図の鎖線は比較合金
LaNi4.4Al0.6の120℃での水素吸蔵・解離圧−組成
等温線図で、曲線Cは水素吸蔵線、曲線Dは水素
放出線である。この図からも明らかなように、本
発明の合金は、比較例に示した従来の水素吸蔵用
合金に比べてヒステリシスが改善されている。 また下記表は、上記各合金の水素吸蔵量、25
℃、40℃および120℃における水素化物の吸蔵圧
と解離圧及び25℃、40℃および120℃における水
素吸蔵圧力(Pa)と水素放出圧力(Pd)の比、
すなわちヒステリシス指数(Pa/Pd)を一括し
て示したものであり、本発明の合金(No.1〜9お
よびNo.15〜20)は比較合金(No.10〜14)に比較し
てヒステリシスが小さく、水素吸蔵量も大きい。
金に関し、より詳細には、金属水素化物の形態で
多量の水素を吸蔵でき、しかもわずかの加熱で容
易に、かつ速やかに水素を放出でき、その水素の
吸蔵圧と放出圧の差、即ちステリシスの極めて小
さい新規にして実用上極めて有用なる希土類金属
三元系水素吸蔵用合金に関するものである。 水素は資源的な制限がなくクリーンであるこ
と、輸送、貯蔵が容易なこと等から化石燃料に代
る新しいエネルギー源として注目されている。 しかし、水素は常温で気体であり、しかも液化
温度が極めて低温であるために、その貯蔵技術の
開発が重要となる。この貯蔵方法として近年注目
されているのが、金属に水素を吸蔵させ金属水素
化物として貯蔵する方法である。 又、金属と水素の吸蔵放出反応は可逆的であ
り、反応に伴つて相当量の反応熱が発生吸収さ
れ、水素の吸蔵放出圧力は温度に依存することを
利用して冷暖房装置あるいは熱エネルギー←→圧力
(機械)エネルギー変換装置などに応用する研究
が行なわれている。 かかる水素吸蔵材料として要求される性質とし
ては、安価かつ資源的に豊富であること、活性化
が容易で水素吸蔵量が大きいこと、室温付近で適
当な水素吸蔵放出平衡圧を有し、吸蔵放出のヒス
テリシスが小さいこと、水素吸蔵放出反応が可逆
的であり、その速度が大きいことなどがあげられ
る。 ところで代表的な公知の水素吸蔵材料として
は、例えばLaNi5、FeTiが知られている。 しかしながらこれらの合金は、水素の吸蔵放出
反応が可逆的であり、水素吸蔵量も大きいもの
の、水素吸蔵、放出反応の速度が遅く、活性化が
容易とは云えず、しかもヒステリシスが大きい等
の欠点があり、実用上大きな問題があつた。 本発明者らは上記の様な状況に鑑み、前記のよ
うな諸特性を備えた水素吸蔵用合金を開発すべく
種々研究を進めてきた。その結果、希土類金属、
ニツケル及び後述の諸金属Mtより構成される特
定の三元系合金は上記諸性質をすべて具備してお
り、水素吸蔵用合金として新規にして極めて有用
なものであることを見出し、ここに本発明を完成
するに至つた。 即ち本発明は、一般式RxNiyMtzで表わされる
希土類金属三元系の水素吸蔵量合金に関するもの
である。ここで、式中Rは希土類金属原子を表わ
し、Mtはニオブ、スズおよびモリブデンからな
る群から選ばれた金属原子であり、xは1.0〜2.0
の正数、yは3.0〜9.0の正数、zは0.01〜1.0の正
数であり、y+z/x>5またはy+z/x<5である
。 ここで希土類金属原子Rは単一金属の場合のみ
ならず、混合金属ミツシユメタル(Mm)をも含
む。 ところで、LaNi5やMmNi5等を代表とする希土
類金属系合金は水素貯蔵・輸送用、排熱回収用ヒ
ートポンプとしても利用されているが、この種の
用途においては多岐に亘る温度に応じて水素化物
の解離圧を調製する必要があつた。その為LaNi5
やMmNi5系合金におけるNi又はLaあるいはMmの
一部をAl、Mn、Cr、Si、Co等の第3元素で置換
することによつて解離圧を調製する技術が開発さ
れている。 例えば、Alは、置換量をわずかに変化させる
だけでも解離圧を大きく変えることができる。し
かし、第3元素としてAlを含む合金(LaNi5−
xALx、La1-xNi5Alx、MmNi5-xALx、
Mn1-xNi5Alx)では、Al量によつて解離圧、水素
吸蔵量とヒステリシスが一元的に決つてくる為、
実用化するときの自由度が小さい。殊にヒートポ
ンプ用として用いる場合、水素吸蔵、放出曲線に
おける圧力差、すなわちヒステリシスは極めて重
要であり、これが大きいと、水素の吸蔵又は放出
操作時に吸蔵用合金又は水素化物をより大きな温
度差で加熱又は冷却するか、あるいはより大きな
圧力差で水素の加圧又は減圧を行なわなければな
らず、装置の効率が悪化する。その為、水素吸蔵
能力及び水素化反応熱を実用規模で有効に活用す
る為には、ヒステリシスを小さくする必要があ
る。しかも、Alの置換量が比較的大きい組成の
合金の場合、水素吸蔵量は減少することが確認さ
れている。 本発明はこうした状況のもとで希土類金属−ニ
ツケル系合金、例えばRNi5(Rは希土類金属原
子を示す)系合金の有する水素吸蔵用として適し
た特性(特に解離圧が低いことと水素吸蔵量が大
きい特性)を保持しつつ、そのヒステリシスを小
さくして実用性を高めようとするものであつて、
基本的には上記の希土類金属とニツケルに第3元
素としてニオブ、スズおよびモリブデンからなる
群から選ばれた金属(Mt)を特定量配合し、前
記一般式RxNiyMtzの要件を満たすように合金成
分比率を調整することによつて目的を達成するこ
とができる。尚、本発明の水素吸蔵用合金の一般
式RxNiyMtzにおいてx、yおよびzをそれぞれ
前述の様に定めた理由は次の通りである。 x:1.0〜2.0 xが1.0未満では水素吸蔵量を低下させ、且つ
ヒステリシスを小さくするという効果が現われな
い。一方、xが2.0を越えると吸蔵水素の放出が
困難になり、高温又はこれに減圧を組合せなけれ
ば吸蔵水素を放出することができなくなる。 y:3.0〜9.0 yが3.0未満では解離圧および水素吸蔵量を極
端に低下させ、一方yが9.0を越えると解離圧が
増大する傾向を示し、水素吸蔵用ならびに排熱回
収用として適した特性を示さなくなる。 z:0.01〜1.0 zが0.01未満では添加金属Mtの絶対量が不足
する為解離圧を十分低下させることができず、し
かもヒステリシスを小さくするという効果が現わ
れない。一方、1.0を越えると吸蔵水素量が減少
したり、吸蔵水素の放出が困難になつたりあるい
は水素吸蔵・放出曲線のプラトー域が2段状にな
る傾向が現われ、しかもヒステリシスを小さくす
ることができない。Mtは水素吸蔵用として適し
た解離圧を維持しつつヒステリシスを小さくする
為に不可欠の成分である。 y+z/x>5またはy+z/x<5:y+z/x=
5では、水 素吸蔵量が減少し、かつヒステリシスが大きくな
る。また活性化もいくらか困難となる。 合金の組成が上述の範囲では、合金の水素吸蔵
圧、放出圧が水素吸蔵用として適した広い範囲に
わたつて変化させる利点があり、しかもヒステリ
シスも小さくなるというすぐれた特性を有してい
る。 本発明に係る希土類金属三元系水素吸蔵用合金
の基本的な構造は明確でないが、例えば、
RxNi5Mtz系合金ではLaNi5、MmNi5等と同様の
六方晶系の金属間化合物であると考えられるが、
何れにしてもLaNi5、MmNi5、LaNi5-xMtx系合金
に比べて、水素貯蔵用としての特性を保持し、水
素吸蔵、放出時のヒステリシスが小さいので、水
素吸蔵用合金としての水素吸蔵能力及び水素吸
蔵、放出に伴う発熱及び吸熱を有効に活用するこ
とができる。しかもこの合金は活性化が極めて容
易であり、大量の水素を高密度で吸蔵し得ると共
に水素の吸蔵、放出反応が完全に可逆的に行なわ
れ、且つ吸蔵、放出を何回くり返しても合金自体
の劣化は実質的に認められず、長期使用に耐え、
更には酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、一酸化
炭素等の吸蔵ガス中に含まれる不純物の影響を殆
んど受けない等、数多くの特長を有している。 ちなみに本発明合金の最大の特徴であるヒステ
リシスについて従来の三元系合金と比較すると、
例えば従来のLaNi4.4Al0.6合金の120℃におけるヒ
ステリシスは約1.0気圧であるのに対して、同温
度における本発明合金のそれはLaNi5Sn0.6で約
0.3気圧を示し、従来合金に比べて約半分以下に
減少した。このような傾向は他の金属Mtである
Nb、SnおよびMoを用いた場合でも同様であつ
た。 本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用合金を製
造するに当つては、公知の各種方法を採用できる
が、弧光溶融法の採用が好ましい。即ち、希土類
金属、ニツケルおよび金属Mtの各成分を分取し
て混合した後、任意の形状にプレス成形し、次い
でこの成形物を弧光溶融炉に装入し、不活性雰囲
気下で加熱溶融し放冷することにより容易に製造
できる。得られた水素吸蔵用合金は、800〜1100
℃で8〜25時間焼なましを行ない、得られた合金
は、その表面積を増水するため通常通り粉末の形
態で使用する。 本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用合金は、
極めて容易に活性化でき、活性化後は大量の水素
を容易に、且つ急速に吸蔵及び放出できる。活性
化は合金をロータリーポンプで減圧下、たとえば
80℃に加熱して脱ガスを行ない、次いで水素を吸
蔵及び放出する操作を唯一回行なうことにより実
施される。 活性化後の水素の吸蔵放出操作、金属水素化物
の形成は、合金粉末を適当な容器に充填、脱ガス
操作のあと、室温で水素を封入し、20Kg/cm2以下
の水素圧を印加することにより行なわれる。 このように、本発明の希土類金属三元系水素吸
蔵用合金は水素印加が20Kg/cm2以下という低圧
で、しかも室温で数分以内の極めて短時間に行な
い得る。 これに対し汎用のTi−Fe系合金の場合、室温
下50Kg/cm2程度の水素圧の印加では水素の吸蔵は
殆んど起こらず、従つてこの程度の条件では活性
化も不可能である。その為吸蔵操作には約400〜
500℃程度の高温処理が必要になると共に、活性
化に当つてはこの様なきびしい吸蔵操作を数回く
り返す必要があり、この様な問題はTi−Ni系合
金やMg−Ni系合金の場合も実質的に同じであ
る。 この金属水素化物からの水素の放出は、室温で
上記容器を開放するだけで行ない得る。しかしな
がら、金属水素化物を室温以上に加熱するか、減
圧することにより、更に短時間に且つ効率よく水
素を放出することができる。 即ち、本発明の水素吸蔵用合金は従来の合金に
比べて極めて容易に活性化でき、活性化後水素吸
蔵放出は高速で行なえる。 このように本発明の希土類金属三元系水素吸蔵
用合金は、始めて開発された新規な合金にして、
水素吸蔵材料として要求される諸性質を全て具備
するものであり、特に水素吸蔵放出圧のヒステリ
シスは従来の水素吸蔵用合金に比べて大巾に改善
され、水素吸蔵用合金としての水素貯蔵能力、水
素吸蔵放出反応に伴う反応熱を有効に利用するこ
とができるのである。 しかも、本発明の希土類金属三元系水素吸蔵用
合金は水素吸蔵放出反応の活性化が極めて容易で
あり、大量の水素を密度高く吸蔵し得ると共に、
室温付近の温度で水素の吸蔵放出を行なうことが
でき、水素吸蔵放出を何度繰返しても水素吸蔵用
合金の性能劣化は実質的に認められず、従つて長
期に亘る使用が可能であり、また酸素、窒素、ア
ルゴン、炭酸ガス等吸蔵ガス中の不純物による影
響は殆んど認められない、実用上極めて有用な水
素吸蔵材料と言うことができる。従つて、本来の
水素貯蔵材料としての用途はもとより、水素吸蔵
放出反応に伴う反応熱を利用する他の用途に対し
ても卓越した効果を発揮する。 以下、本発明を実施例にもとづき具体的に説明
する。 実施例 1 市販のランタン、ニツケル及びMt(Nb、Sn、
Mo、の一種)を、原子比がLa:Nh:Mt=1.0:
5.0:0.6、1:4:0.5、1:5.5:0.5、1:1.5:
0.5および1:8.5:0.5となる様に採取し、高真空
アーク熔融炉内の銅製るつぼに装入する。炉内を
高純度アルゴン雰囲気とした後、約2000℃に加熱
して熔解し、次いで放冷してLaNi5Nb0.6、
LaNi5Sn0.6、LaNi5Mo0.6、LaNi4Nb0.5、
LaNi4Sn0.5、LaNi4Mo0.5、LaNi5.5Nb0.5、
LaNi5.5Sn0.5、LaNi5.5Mo0.5、LaNi1.5Nb0.5、
LaNi1.5Sn0.5、LaNi1.5Mo0.5、LaNi8.5Nb0.5、
LaNi8.5Sn0.5およびLaNi8.5Mo0.5なる組成の3元
系合金を得た。 これら合金を夫々1100℃で8時間焼なましを行
なつた。 得られた合金を120メツシユに粉砕し、その5.0
gをステンレス製水素吸蔵、放出反応器に採取
し、反応器を排気装置に接続して、減圧下80℃の
温度に加熱して脱ガスを行つた。次いで純度
99.99%の水素を導入し、器内の水素圧を20Kg/
cm2以下に保持すると直ちに水素の吸蔵が認めら
れ、水素の吸蔵が完了した後、再び排気を行つて
水素の放出を完了させた。これらの合金はこの操
作で活性化が完了した。 活性化された合金に反応器中で20Kg/cm2以下の
水素圧、室温以上で純度99.99%の水遷を導入
し、水素を吸蔵させた。 一方、水素の放出は室温でも行なうことができ
るが、反応器の加熱、または減圧下、あるいはこ
れらの両方を行なうことによつてより効率的に行
なわれる。 上記の方法で夫々の希土類金属三元系水素吸蔵
用合金の水素吸蔵、放出における圧力−組成等温
線の関係を求めた。その1例としてLaNi5Sn0.6−
H系について120℃での圧力−組成等温線を表わ
したのが図(実線)である。 図において曲線Aは水素吸蔵線、曲線Bは水素
放出線である。また、図の鎖線は比較合金
LaNi4.4Al0.6の120℃での水素吸蔵・解離圧−組成
等温線図で、曲線Cは水素吸蔵線、曲線Dは水素
放出線である。この図からも明らかなように、本
発明の合金は、比較例に示した従来の水素吸蔵用
合金に比べてヒステリシスが改善されている。 また下記表は、上記各合金の水素吸蔵量、25
℃、40℃および120℃における水素化物の吸蔵圧
と解離圧及び25℃、40℃および120℃における水
素吸蔵圧力(Pa)と水素放出圧力(Pd)の比、
すなわちヒステリシス指数(Pa/Pd)を一括し
て示したものであり、本発明の合金(No.1〜9お
よびNo.15〜20)は比較合金(No.10〜14)に比較し
てヒステリシスが小さく、水素吸蔵量も大きい。
【表】
図は、本発明合金の水素吸蔵・解離圧−組成等
温曲線を従来の合金のそれと対比して示す図であ
る。
温曲線を従来の合金のそれと対比して示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記一般式()で示されることを特徴とす
る希土類金属三元系水素吸蔵用合金。 RxNiyMtz ……() 式中、Rは希土類金属原子を表わし、Mtはニ
オブ、スズおよびモリブデンからなる群から選ば
れた金属原子であり、xは1.0〜2.0の正数、yは
3.0〜9.0の正数、zは0.01〜1.0の正数であり、
y+z/x>5またはy+z/x<5である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1666583A JPS59143036A (ja) | 1983-02-02 | 1983-02-02 | 希土類金属三元系水素吸蔵用合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1666583A JPS59143036A (ja) | 1983-02-02 | 1983-02-02 | 希土類金属三元系水素吸蔵用合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59143036A JPS59143036A (ja) | 1984-08-16 |
| JPS626739B2 true JPS626739B2 (ja) | 1987-02-13 |
Family
ID=11922617
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1666583A Granted JPS59143036A (ja) | 1983-02-02 | 1983-02-02 | 希土類金属三元系水素吸蔵用合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59143036A (ja) |
Families Citing this family (8)
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| CN109659108B (zh) * | 2018-12-19 | 2020-05-29 | 北矿科技股份有限公司 | 一种hddr制备钕铁硼材料及其制备方法 |
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| JPS5286921A (en) * | 1976-01-14 | 1977-07-20 | Shin Etsu Chem Co Ltd | Alloy for adsorption of low temperature hydrogen gas and its activatio n |
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| JPS5837374B2 (ja) * | 1980-06-03 | 1983-08-16 | 工業技術院長 | 水素吸蔵用ミツシユメタル−カルシウム系合金 |
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| JPS5839218B2 (ja) * | 1981-06-23 | 1983-08-29 | 工業技術院長 | 希土類金属四元系水素吸蔵用合金 |
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-
1983
- 1983-02-02 JP JP1666583A patent/JPS59143036A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59143036A (ja) | 1984-08-16 |
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