JPS6354830B2 - - Google Patents
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- JPS6354830B2 JPS6354830B2 JP59013081A JP1308184A JPS6354830B2 JP S6354830 B2 JPS6354830 B2 JP S6354830B2 JP 59013081 A JP59013081 A JP 59013081A JP 1308184 A JP1308184 A JP 1308184A JP S6354830 B2 JPS6354830 B2 JP S6354830B2
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Description
本発明は、防水性と透湿性の二機能を同時に有
する布帛構造体の製造方法に関するものである。
一般に透湿性と防水性は互いに相反する機能であ
るが、透湿性の優れた防水加工布帛は乾式あるい
は湿式コーテイング加工の際にコーテイング樹脂
皮膜に水蒸気の発散が可能な程度の連続した微細
孔を形成させることにより得られている。これら
乾式あるいは湿式コーテイング加工の際にコーテ
イング樹脂として一般にポリウレタンエラストマ
ーが皮膜強度、ゴム弾性及び柔軟性の点で好まし
く用いられていた。ところがポリウレタンエラス
トマーによる透湿性防水布帛の場合防水性能と透
湿性能の両者のバランスをもとにして作られてい
るため、防水性能がJIS L―1096の耐水圧測定で
1500mm(水柱下)以上の布帛については、透湿度
が4000〜5000g/m2.24hrs(JIS Z―0208測定)
程度のものしか得られていないのが現状である。
この透湿度のレベルを7000g/m2.24hrs以上に
まで向上することができれば、ただ単に経緯糸に
極細フイラメントを使用した高密度織物に撥水、
カレンダー加工を施しただけのノンコーテイング
布帛とほぼ同程度の透湿性能のものとなるので、
雨中での作業時や運動時の発汗による衣服内気候
の湿度コントロールがスムーズになり、このため
より一層激しい運動や作業を快適に行うことがで
きるようになるが耐水圧が1500mm以上のもので
7000g/m2.24hrs以上の透湿性能を有する布帛
は、今日に至つても未だ得られていないのが実状
である。本発明はこのような現状に鑑みて行われ
たもので、耐水圧が1500mm以上ありながらしかも
透湿度が7000g/m2.24hrs以上の高透湿性の防
水布帛を得ることを目的とするものである。かか
る目的を達成するために本発明は次の構成を有す
るものである。 すなわち本発明は、「ポリアミノ酸ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂及び極性有機溶剤よりなる
樹脂溶液を繊維基材の片面又は両面に塗布した
後、該繊維基材を0℃〜30℃の水中に浸漬し、次
いで湯洗し、乾燥後、撥水剤を付与することを特
徴とする透湿性防水布帛の製造方法」を要旨とす
るものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用される繊維基材としては、ナイロ
ン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維、ポリエチレンテレフタレートで代表される
ポリエステル系合成繊維、ポリアクリロニトリル
系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維さ
らにはトリアセテート等の半合成繊維及びナイロ
ン6/木綿、ポリエチレンテレフタレート/木綿
等の混紡繊維から構成された織物、編物等をあげ
ることができる。 本発明方法ではまず始めにこのような織編物等
の繊維基材にその片面又は両面に、ポリアミノ酸
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、極性有機溶剤
よりなる樹脂溶液を塗布する。 ここで用いるポリアミノ酸ウレタン樹脂は、光
学活性γ―アルキル―グルタメート―N―カルボ
ン酸無水物(以下、N―カルボン酸無水物を
NCAと略称する。)と末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーとを混合した後、ア
ミン類を添加して反応させたポリアミノ酸ウレタ
ン共重合樹脂(以下PAU樹脂と略称する。)から
なるもので、重合の際の溶媒としては、ジメチル
ホルムアミドとジオキサンの混合溶媒(重量比
95:5〜30:70)が用いられたものである。この
溶媒は水溶性であるため、PAU樹脂を繊維基材
に付与する際湿式加工を容易に行うことができ
る。光学活性γ―アルキル―グルタメート―
NCAとしては、L―グルタメートでもD―グル
タメートでもよく、具体的にはγ―メチル―L―
グルタメート―NCA、γ―エチル―L―グルタ
メート―NCA等のγ―アルキル―L―グルタメ
ートNCAや、γ―メチル―D―グルタメート―
NCA、γ―エチル―D―グルタメート―NCA等
のγ―アルキル―D―グルタメート―NCAを単
独で又はこれらの混合物として使用することがで
きる。また、γ―アルキル―グルタメート―
NCAを主体としたα―アミノ酸―NCAをPAU
樹脂のアミノ酸成分に使用することも可能であ
り、さらに光学活性γ―アルキル―グルタメート
―NCAと他のアミノ酸NCA、例えばグリシン
NCA、L―アスパラギン酸―β―メチルエステ
ルNCA、L―アラニンNCA、D―アラニン
NCA等との混合物も使用できる。しかしながら、
物性と価格を考慮すれば、γ―メチル―L―グル
タメート―NCA又はγ―メチル―D―グルタメ
ート―NCAを単独で用いる方が工業的には有利
な場合が多い。 末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーは、イソシアネートとポリオールを当量
比NCO/OH>1の条件で反応させて得られるも
のである。イソシアネート成分としては、芳香族
ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂
環式ジイソシアネート等の単独又はこれらの混合
物として用いられる。また、ポリオール成分とし
ては、通常のウレタン製品に使用されるポリエー
テルグリコールやポリエステルグリコール等が単
独で又は混合物のかたちで使用可能であり、これ
らのポリエーテルやポリエステルの平均分子量は
200〜300以上のものが好ましく用いられる。共重
合で使用されるアミン類としては、エチレンジア
ミン等の1級アルキルアミン、エタノールアミン
等のアルコールアミン、トリエチルアミン等の3
級アルキルアミン、ジエチルアミン等の2級アミ
ンが用いられる。 繊維基布に付着せしめるPAU樹脂の量は純分
で5g/m2以上あることが望ましく、付着量が5
g/m2未満では1500mm以上の耐水圧を得ることが
困難である。 本発明でPAU樹脂を使用する理由は以下のご
とくである。すなわちPAU樹脂は通常のポリウ
レタン樹脂と異なり、無孔性の皮膜であつても水
蒸気を通過せしめる能力を有している。従来の有
孔性ウレタン樹脂皮膜を有する透湿性防水布帛に
おいては、耐水圧が1500mm以上であると透湿度は
たかだか5000g/m2・24hrs程度のものしか得ら
れないのに対し、本発明においてはPAU樹脂を
使用することにより耐水圧が1500mm以上でかつ透
湿度7000g/m2.24hrs以上の透湿性防水布帛が
得られるのである。 次に本発明におけるポリウレタン樹脂とはポリ
イソシアネートとポリオールを反応せしめて得ら
れる重合物であり、ポリイソシアネートとしては
公知の脂肪族並びに芳香族ポリイソシアネートが
使用でき、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、及びこれらの過剰と多価アルコール
との反応生成物があげられる。ポリオールとして
は、ポリエーテルあるいはポリエステルなど通常
のポリウレタン樹脂製造に使用される公知のもの
が使用可能である。ポリエステルとしては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール又
は1,4―ブタンジオールなどの多価アルコール
とアジピン酸、シヨウ酸又はセバシン酸などの多
塩基性カルボン酸の反応物があげられる。ポリエ
ーテルとしては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどの多価アルコールにエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオ
キシドなどのアルキレンオキシドの1種又は2種
以上を付加させたものがあげられる。 ポリウレタン樹脂の使用量としては、PAU樹
脂に対し1%〜200%の割合で使用することが望
ましい。使用量が1%以下では透湿性が不良とな
り、200%以上では防水性が不良になる。 本発明方法は耐水圧と透湿性が優れた布帛を得
るものであるが、その原理は比較的透湿性が良好
なPAU樹脂皮膜中に水が通過できない大きさの
細孔を無数に存在せしめることによるものであ
る。ポリウレタン樹脂及びPAU樹脂を水中に同
時に浸漬するとPAU樹脂のほうがポリウレタン
樹脂より速く凝固するため、PAU樹脂とポリウ
レタン樹脂の境界に空間が発生し、この空間が樹
脂皮膜中の細孔の大きさを決定する。ポリウレタ
ン樹脂量が少ないと孔は小さくなり、透湿性が不
良となる。またポリウレタン樹脂量が多いと孔は
大きくなり耐水圧が不良となる。 本発明では上述のPAU樹脂及びポリウレタン
樹脂と極性有機剤とを混合して使用する。極性有
機溶剤にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N―メチルピロリドン、ヘキサメチレ
ンホスホンアミドなどがある。これらの物質は水
に非常に溶けやすいものであり、水不溶性の樹脂
の極性有機剤溶液を水中に浸漬すると極性有機溶
剤のみが水に溶解し、樹脂が水中に凝固してく
る。かかる方法による樹脂の凝固法は湿式凝固法
と一般によばれている。湿式凝固法で樹脂の凝固
を行うと樹脂中に存在する微量の極性有機溶剤も
水に溶出するため、無数の細孔を有する樹脂を得
ることができる。 PAU樹脂、ポリウレタン樹脂及び極性有機溶
剤よりなる樹脂溶液を繊維基布に塗布するには通
常のコーテイングなどにより行えばよい。一般的
に樹脂の塗布厚は機械の性能上10〜300μmであ
る。 樹脂溶液を繊維基材に付与した後、該布帛を水
中に浸漬する。前述したように、この工程により
細孔を無数に有するPAU樹脂皮膜を形成するこ
とができ、またポリウレタン樹脂の働きにより透
湿性及び耐水圧が良好になる適度な大きさの細孔
を得ることができる。 布帛を水中に浸漬する際、水温は0〜30℃の範
囲にあるべきで、水温が30℃以上になると樹脂皮
膜の孔が大きくなり耐水圧が不良となる。また浸
漬時間は30秒以上必要で30秒未満では樹脂の凝固
が不十分で満足なPAU樹脂皮膜が得られない。 水中でPAU樹脂を凝固せしめた後、布帛を湯
洗し、残留している溶剤を除去する。湯洗の条件
はPAU樹脂及びポリウレタン樹脂の使用量によ
り異なるが、30〜80℃の温度で3分間以上行えば
よい。 湯洗後、乾燥し、さらに撥水剤を布帛に付与す
る。撥水剤を付与することにより、布帛表面に撥
水性を持たせ、耐水圧1500mm以上の透湿性防水布
帛を得ることができる。撥水性にはパラフイン
系、シリコン系及びフツ素系など各種あるが、本
発明においては用途に応じ適宜選択すればよい。
特に良好な撥水性が必要な場合にはフツ素系撥水
剤を使用し、撥水剤を付与・乾燥後熱処理を行
う。 また撥水性の耐久性を高めるため、メラミン樹
脂等の樹脂を併用してもよい。撥水剤の付与方法
は通常行われているパツデイング法、コーテイン
グ法又はスプレー法などで行えばよい。 撥水性をより良好にするため、PAU樹脂、ポ
リウレタン樹脂及び極性有機溶剤よりなる樹脂溶
液を繊維基材に塗布する前に、撥水剤を繊維基材
に塗布してもよい。 本発明は以上の構成よりなるものであり本発明
によれば耐水圧が1500mm以上ありながらしかも透
湿度が7000g/m2.24hrs以上の高透湿性の防水
布帛を得ることができる。本発明の透湿性防水布
帛はスポーツ用衣料等に適した素材である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 1 まず始めに、本実施例で用いるポリアミノ酸ウ
レタン樹脂の製造を次の方法で行つた。 ポリテトラメチレングリコール(OH価56.9)
1970gと1―6―ヘキサメチレンジイソシアネー
ト504gを90℃で5時間反応させ、末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマー
(NCO当量2340)を得た。このウレタンプレポリ
マー85gとγ―メチル―L―グルタメート―
NCA85gをジメチルホルムアミド/ジオキサン
(重量比)=7/3の混合溶媒666gに溶媒し、か
きまぜながら2%トリエチルアミン溶液50gを添
加し、30℃で5時間反応を行うと粘度32000cps
(25℃)の黄褐色乳濁状の流動性の良好なポリア
ミノ酸ウレタン樹脂溶液を得た。このポリアミノ
酸ウレタン樹脂は後述の処方1にて用いるもので
ある。ここで経糸にナイロン70デニール/24フイ
ラメント、緯糸にナイロン70デニール/34フイラ
メントを用いた経糸密度120本/インチ、緯糸密
度90本/インチの平織物(タフタ)を用意し、こ
れに通常の方法で精練及び酸性染料による染色を
行つた後、フツ系撥水剤エマルジヨンのアサヒガ
ード730(旭硝子株式会社製品)1%水溶液でパツ
デイング(絞り率35%)を行い、160℃にて1分
間の熱処理を行つた。次に鏡面ロールを持つカレ
ンダー加工機を用いて温度170℃、圧力30Kg/cm、
速度20m/分の条件にてカレンダー加工を行い、
引き続き下記処方1に示す樹脂固形分濃度20%の
塗布液をナイフオーバーロールコーターを使用し
て塗布量90g/m2にて塗布した後20℃の水浴中に
1分間浸漬し、樹脂分を凝固させた。 処方 1 ポリアミノ酸ウレタン樹脂 100部 CRISVON AW―7H(ポリウレタン樹脂、大
日本インキ化学工業(株)製品) 10部 ジメチルホルムアミド 20部 ここで60℃の温水中で10分間洗浄し、続いて乾
燥を行つたあとフツソ系撥水剤エマルジヨンのア
サヒガード710(旭硝子株式会社製品)5%水溶液
でパツデイング(絞り率30%)を行い、160℃に
て1分間の熱処理を行つて本発明の透湿性防水布
帛を得た。 本発明方法との比較のため後述の比較例により
比較試料を作成し、本発明品との性能の比較を行
つた。その結果を本発明品の性能と合わせて第1
表に示した。 なお、性能の測定、評価は次の方法にて行つ
た。耐水圧はJIS―L―1041の低水圧法、透湿度
はJIS―Z―0208により求めた。 第1表から明らかなごとく、本発明による透湿
性防水布帛は、耐水圧が2000mm以上であるにもか
かわらずその透湿度は10500g/m2・hrsを記録
し、抜群の透湿性と防水性の双方の性能を兼ね備
えていることがわかる。
する布帛構造体の製造方法に関するものである。
一般に透湿性と防水性は互いに相反する機能であ
るが、透湿性の優れた防水加工布帛は乾式あるい
は湿式コーテイング加工の際にコーテイング樹脂
皮膜に水蒸気の発散が可能な程度の連続した微細
孔を形成させることにより得られている。これら
乾式あるいは湿式コーテイング加工の際にコーテ
イング樹脂として一般にポリウレタンエラストマ
ーが皮膜強度、ゴム弾性及び柔軟性の点で好まし
く用いられていた。ところがポリウレタンエラス
トマーによる透湿性防水布帛の場合防水性能と透
湿性能の両者のバランスをもとにして作られてい
るため、防水性能がJIS L―1096の耐水圧測定で
1500mm(水柱下)以上の布帛については、透湿度
が4000〜5000g/m2.24hrs(JIS Z―0208測定)
程度のものしか得られていないのが現状である。
この透湿度のレベルを7000g/m2.24hrs以上に
まで向上することができれば、ただ単に経緯糸に
極細フイラメントを使用した高密度織物に撥水、
カレンダー加工を施しただけのノンコーテイング
布帛とほぼ同程度の透湿性能のものとなるので、
雨中での作業時や運動時の発汗による衣服内気候
の湿度コントロールがスムーズになり、このため
より一層激しい運動や作業を快適に行うことがで
きるようになるが耐水圧が1500mm以上のもので
7000g/m2.24hrs以上の透湿性能を有する布帛
は、今日に至つても未だ得られていないのが実状
である。本発明はこのような現状に鑑みて行われ
たもので、耐水圧が1500mm以上ありながらしかも
透湿度が7000g/m2.24hrs以上の高透湿性の防
水布帛を得ることを目的とするものである。かか
る目的を達成するために本発明は次の構成を有す
るものである。 すなわち本発明は、「ポリアミノ酸ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂及び極性有機溶剤よりなる
樹脂溶液を繊維基材の片面又は両面に塗布した
後、該繊維基材を0℃〜30℃の水中に浸漬し、次
いで湯洗し、乾燥後、撥水剤を付与することを特
徴とする透湿性防水布帛の製造方法」を要旨とす
るものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用される繊維基材としては、ナイロ
ン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維、ポリエチレンテレフタレートで代表される
ポリエステル系合成繊維、ポリアクリロニトリル
系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維さ
らにはトリアセテート等の半合成繊維及びナイロ
ン6/木綿、ポリエチレンテレフタレート/木綿
等の混紡繊維から構成された織物、編物等をあげ
ることができる。 本発明方法ではまず始めにこのような織編物等
の繊維基材にその片面又は両面に、ポリアミノ酸
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、極性有機溶剤
よりなる樹脂溶液を塗布する。 ここで用いるポリアミノ酸ウレタン樹脂は、光
学活性γ―アルキル―グルタメート―N―カルボ
ン酸無水物(以下、N―カルボン酸無水物を
NCAと略称する。)と末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーとを混合した後、ア
ミン類を添加して反応させたポリアミノ酸ウレタ
ン共重合樹脂(以下PAU樹脂と略称する。)から
なるもので、重合の際の溶媒としては、ジメチル
ホルムアミドとジオキサンの混合溶媒(重量比
95:5〜30:70)が用いられたものである。この
溶媒は水溶性であるため、PAU樹脂を繊維基材
に付与する際湿式加工を容易に行うことができ
る。光学活性γ―アルキル―グルタメート―
NCAとしては、L―グルタメートでもD―グル
タメートでもよく、具体的にはγ―メチル―L―
グルタメート―NCA、γ―エチル―L―グルタ
メート―NCA等のγ―アルキル―L―グルタメ
ートNCAや、γ―メチル―D―グルタメート―
NCA、γ―エチル―D―グルタメート―NCA等
のγ―アルキル―D―グルタメート―NCAを単
独で又はこれらの混合物として使用することがで
きる。また、γ―アルキル―グルタメート―
NCAを主体としたα―アミノ酸―NCAをPAU
樹脂のアミノ酸成分に使用することも可能であ
り、さらに光学活性γ―アルキル―グルタメート
―NCAと他のアミノ酸NCA、例えばグリシン
NCA、L―アスパラギン酸―β―メチルエステ
ルNCA、L―アラニンNCA、D―アラニン
NCA等との混合物も使用できる。しかしながら、
物性と価格を考慮すれば、γ―メチル―L―グル
タメート―NCA又はγ―メチル―D―グルタメ
ート―NCAを単独で用いる方が工業的には有利
な場合が多い。 末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーは、イソシアネートとポリオールを当量
比NCO/OH>1の条件で反応させて得られるも
のである。イソシアネート成分としては、芳香族
ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂
環式ジイソシアネート等の単独又はこれらの混合
物として用いられる。また、ポリオール成分とし
ては、通常のウレタン製品に使用されるポリエー
テルグリコールやポリエステルグリコール等が単
独で又は混合物のかたちで使用可能であり、これ
らのポリエーテルやポリエステルの平均分子量は
200〜300以上のものが好ましく用いられる。共重
合で使用されるアミン類としては、エチレンジア
ミン等の1級アルキルアミン、エタノールアミン
等のアルコールアミン、トリエチルアミン等の3
級アルキルアミン、ジエチルアミン等の2級アミ
ンが用いられる。 繊維基布に付着せしめるPAU樹脂の量は純分
で5g/m2以上あることが望ましく、付着量が5
g/m2未満では1500mm以上の耐水圧を得ることが
困難である。 本発明でPAU樹脂を使用する理由は以下のご
とくである。すなわちPAU樹脂は通常のポリウ
レタン樹脂と異なり、無孔性の皮膜であつても水
蒸気を通過せしめる能力を有している。従来の有
孔性ウレタン樹脂皮膜を有する透湿性防水布帛に
おいては、耐水圧が1500mm以上であると透湿度は
たかだか5000g/m2・24hrs程度のものしか得ら
れないのに対し、本発明においてはPAU樹脂を
使用することにより耐水圧が1500mm以上でかつ透
湿度7000g/m2.24hrs以上の透湿性防水布帛が
得られるのである。 次に本発明におけるポリウレタン樹脂とはポリ
イソシアネートとポリオールを反応せしめて得ら
れる重合物であり、ポリイソシアネートとしては
公知の脂肪族並びに芳香族ポリイソシアネートが
使用でき、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、及びこれらの過剰と多価アルコール
との反応生成物があげられる。ポリオールとして
は、ポリエーテルあるいはポリエステルなど通常
のポリウレタン樹脂製造に使用される公知のもの
が使用可能である。ポリエステルとしては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール又
は1,4―ブタンジオールなどの多価アルコール
とアジピン酸、シヨウ酸又はセバシン酸などの多
塩基性カルボン酸の反応物があげられる。ポリエ
ーテルとしては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどの多価アルコールにエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオ
キシドなどのアルキレンオキシドの1種又は2種
以上を付加させたものがあげられる。 ポリウレタン樹脂の使用量としては、PAU樹
脂に対し1%〜200%の割合で使用することが望
ましい。使用量が1%以下では透湿性が不良とな
り、200%以上では防水性が不良になる。 本発明方法は耐水圧と透湿性が優れた布帛を得
るものであるが、その原理は比較的透湿性が良好
なPAU樹脂皮膜中に水が通過できない大きさの
細孔を無数に存在せしめることによるものであ
る。ポリウレタン樹脂及びPAU樹脂を水中に同
時に浸漬するとPAU樹脂のほうがポリウレタン
樹脂より速く凝固するため、PAU樹脂とポリウ
レタン樹脂の境界に空間が発生し、この空間が樹
脂皮膜中の細孔の大きさを決定する。ポリウレタ
ン樹脂量が少ないと孔は小さくなり、透湿性が不
良となる。またポリウレタン樹脂量が多いと孔は
大きくなり耐水圧が不良となる。 本発明では上述のPAU樹脂及びポリウレタン
樹脂と極性有機剤とを混合して使用する。極性有
機溶剤にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N―メチルピロリドン、ヘキサメチレ
ンホスホンアミドなどがある。これらの物質は水
に非常に溶けやすいものであり、水不溶性の樹脂
の極性有機剤溶液を水中に浸漬すると極性有機溶
剤のみが水に溶解し、樹脂が水中に凝固してく
る。かかる方法による樹脂の凝固法は湿式凝固法
と一般によばれている。湿式凝固法で樹脂の凝固
を行うと樹脂中に存在する微量の極性有機溶剤も
水に溶出するため、無数の細孔を有する樹脂を得
ることができる。 PAU樹脂、ポリウレタン樹脂及び極性有機溶
剤よりなる樹脂溶液を繊維基布に塗布するには通
常のコーテイングなどにより行えばよい。一般的
に樹脂の塗布厚は機械の性能上10〜300μmであ
る。 樹脂溶液を繊維基材に付与した後、該布帛を水
中に浸漬する。前述したように、この工程により
細孔を無数に有するPAU樹脂皮膜を形成するこ
とができ、またポリウレタン樹脂の働きにより透
湿性及び耐水圧が良好になる適度な大きさの細孔
を得ることができる。 布帛を水中に浸漬する際、水温は0〜30℃の範
囲にあるべきで、水温が30℃以上になると樹脂皮
膜の孔が大きくなり耐水圧が不良となる。また浸
漬時間は30秒以上必要で30秒未満では樹脂の凝固
が不十分で満足なPAU樹脂皮膜が得られない。 水中でPAU樹脂を凝固せしめた後、布帛を湯
洗し、残留している溶剤を除去する。湯洗の条件
はPAU樹脂及びポリウレタン樹脂の使用量によ
り異なるが、30〜80℃の温度で3分間以上行えば
よい。 湯洗後、乾燥し、さらに撥水剤を布帛に付与す
る。撥水剤を付与することにより、布帛表面に撥
水性を持たせ、耐水圧1500mm以上の透湿性防水布
帛を得ることができる。撥水性にはパラフイン
系、シリコン系及びフツ素系など各種あるが、本
発明においては用途に応じ適宜選択すればよい。
特に良好な撥水性が必要な場合にはフツ素系撥水
剤を使用し、撥水剤を付与・乾燥後熱処理を行
う。 また撥水性の耐久性を高めるため、メラミン樹
脂等の樹脂を併用してもよい。撥水剤の付与方法
は通常行われているパツデイング法、コーテイン
グ法又はスプレー法などで行えばよい。 撥水性をより良好にするため、PAU樹脂、ポ
リウレタン樹脂及び極性有機溶剤よりなる樹脂溶
液を繊維基材に塗布する前に、撥水剤を繊維基材
に塗布してもよい。 本発明は以上の構成よりなるものであり本発明
によれば耐水圧が1500mm以上ありながらしかも透
湿度が7000g/m2.24hrs以上の高透湿性の防水
布帛を得ることができる。本発明の透湿性防水布
帛はスポーツ用衣料等に適した素材である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 1 まず始めに、本実施例で用いるポリアミノ酸ウ
レタン樹脂の製造を次の方法で行つた。 ポリテトラメチレングリコール(OH価56.9)
1970gと1―6―ヘキサメチレンジイソシアネー
ト504gを90℃で5時間反応させ、末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマー
(NCO当量2340)を得た。このウレタンプレポリ
マー85gとγ―メチル―L―グルタメート―
NCA85gをジメチルホルムアミド/ジオキサン
(重量比)=7/3の混合溶媒666gに溶媒し、か
きまぜながら2%トリエチルアミン溶液50gを添
加し、30℃で5時間反応を行うと粘度32000cps
(25℃)の黄褐色乳濁状の流動性の良好なポリア
ミノ酸ウレタン樹脂溶液を得た。このポリアミノ
酸ウレタン樹脂は後述の処方1にて用いるもので
ある。ここで経糸にナイロン70デニール/24フイ
ラメント、緯糸にナイロン70デニール/34フイラ
メントを用いた経糸密度120本/インチ、緯糸密
度90本/インチの平織物(タフタ)を用意し、こ
れに通常の方法で精練及び酸性染料による染色を
行つた後、フツ系撥水剤エマルジヨンのアサヒガ
ード730(旭硝子株式会社製品)1%水溶液でパツ
デイング(絞り率35%)を行い、160℃にて1分
間の熱処理を行つた。次に鏡面ロールを持つカレ
ンダー加工機を用いて温度170℃、圧力30Kg/cm、
速度20m/分の条件にてカレンダー加工を行い、
引き続き下記処方1に示す樹脂固形分濃度20%の
塗布液をナイフオーバーロールコーターを使用し
て塗布量90g/m2にて塗布した後20℃の水浴中に
1分間浸漬し、樹脂分を凝固させた。 処方 1 ポリアミノ酸ウレタン樹脂 100部 CRISVON AW―7H(ポリウレタン樹脂、大
日本インキ化学工業(株)製品) 10部 ジメチルホルムアミド 20部 ここで60℃の温水中で10分間洗浄し、続いて乾
燥を行つたあとフツソ系撥水剤エマルジヨンのア
サヒガード710(旭硝子株式会社製品)5%水溶液
でパツデイング(絞り率30%)を行い、160℃に
て1分間の熱処理を行つて本発明の透湿性防水布
帛を得た。 本発明方法との比較のため後述の比較例により
比較試料を作成し、本発明品との性能の比較を行
つた。その結果を本発明品の性能と合わせて第1
表に示した。 なお、性能の測定、評価は次の方法にて行つ
た。耐水圧はJIS―L―1041の低水圧法、透湿度
はJIS―Z―0208により求めた。 第1表から明らかなごとく、本発明による透湿
性防水布帛は、耐水圧が2000mm以上であるにもか
かわらずその透湿度は10500g/m2・hrsを記録
し、抜群の透湿性と防水性の双方の性能を兼ね備
えていることがわかる。
【表】
比較例
実施例1と同一規格のナイロンタフタ織物を用
意し、これに実施例1と同一の方法で精練以降カ
レンダー加工までを行つた後、下記処方2に示す
塗布液をナイフオーバーロールコーターを使用し
て塗布量90g/m2にて塗布した。なお、処方2に
おけるポリアミノ酸ウレタン樹脂は実施例1で用
いたものと同一のものを用いた。 処方 2 ポリアミノ酸ウレタン樹脂 100部 ジメチルホルムアミド 20部 塗布後、実施例1の場合と同一の方法で凝固、
洗浄、乾燥及びフツ素撥水剤による撥水処理を行
つた。 得られた布帛構造体は、第1表に示したように
防水性能は良好であつたが、透湿性能が劣つてい
た。
意し、これに実施例1と同一の方法で精練以降カ
レンダー加工までを行つた後、下記処方2に示す
塗布液をナイフオーバーロールコーターを使用し
て塗布量90g/m2にて塗布した。なお、処方2に
おけるポリアミノ酸ウレタン樹脂は実施例1で用
いたものと同一のものを用いた。 処方 2 ポリアミノ酸ウレタン樹脂 100部 ジメチルホルムアミド 20部 塗布後、実施例1の場合と同一の方法で凝固、
洗浄、乾燥及びフツ素撥水剤による撥水処理を行
つた。 得られた布帛構造体は、第1表に示したように
防水性能は良好であつたが、透湿性能が劣つてい
た。
Claims (1)
- 1 ポリアミノ酸ウレタン樹脂、ポリウレタン樹
脂、及び極性有機溶剤よりなる樹脂溶液を繊維基
剤の片面又は両面に塗布した後、該繊維基剤を0
℃〜30℃の水中に浸漬し、次いで湯洗し乾燥後撥
水剤を付与することを特徴とする透湿性防水布帛
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1308184A JPS60162872A (ja) | 1984-01-26 | 1984-01-26 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1308184A JPS60162872A (ja) | 1984-01-26 | 1984-01-26 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60162872A JPS60162872A (ja) | 1985-08-24 |
| JPS6354830B2 true JPS6354830B2 (ja) | 1988-10-31 |
Family
ID=11823217
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1308184A Granted JPS60162872A (ja) | 1984-01-26 | 1984-01-26 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60162872A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63165584A (ja) * | 1986-12-25 | 1988-07-08 | ユニチカ株式会社 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
| JPH03294581A (ja) * | 1990-04-12 | 1991-12-25 | Seikoh Chem Co Ltd | コーティング布帛の製造方法 |
| US5326632A (en) * | 1990-08-07 | 1994-07-05 | Komatsu Seiren Co., Ltd. | Moisture-permeable waterproof fabric and process for production thereof |
| EP0619182B1 (en) * | 1992-10-12 | 1999-03-31 | Toray Industries, Inc. | Water-proofing sheet having high hydraulic pressure resistance and high moisture permeability, and production thereof |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5493187A (en) * | 1977-12-29 | 1979-07-24 | Lonseal Kogyo Kk | Production of waterproof suck fabric |
-
1984
- 1984-01-26 JP JP1308184A patent/JPS60162872A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60162872A (ja) | 1985-08-24 |
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