JP2000225280A - 送り歯高さ調整機構 - Google Patents

送り歯高さ調整機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に送り歯の高さを調整でき、しかも微調
整可能な機構を提供する。 【解決手段】 ミシンの主軸に連動する水平送り軸
(2)および上下送り軸(4)により四送り運動が付与
される送り歯(8)と、水平部(6a)を有しその水平
部に送り歯を支持する送り台(6)と、上下送り軸に連
結された第1連結部材(54)と、一端が偏心部材(5
8)を介して第1連結部材に連結され、他端が送り台の
水平部へ連結される第2連結部材(56b)と、を備
え、偏心部材を回動することにより送り歯の高さを調整
可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミシンの送り歯高さ
調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来例によるミシンの送り歯機構
を示す。この送り歯機構1は2本針水平釜のミシン用の
ものである。図において送り歯機構1は水平送り軸2、
上下送り軸4および送り台6を有する。水平送り軸2と
上下送り軸4は共にミシンの主軸(図示せず)と連動し
て回動可能である。送り台6は水平方向に伸びる水平部
6aと鉛直方向に伸びる鉛直部6bとを有し、水平部6
aに送り歯8を支持している。
【0003】送り台6の水平部6aは水平送り台軸10
および水平送り腕12を介して水平送り軸2へ連結され
ることにより、送り台6は水平送り軸2の回動に伴って
水平方向に運動する。一方、送り台6の鉛直部6bは上
下送り腕14および上下送りカム16を介して上下送り
軸4へ連結されることにより、送り台6は上下送り軸4
の回動に伴って上下方向に運動する。これにより、送り
歯8は楕円軌跡を描きながら上下および水平方向に運動
する。
【0004】上下送り腕14は送り台6の鉛直部6bと
の連結部に溝部14aを形成されており、この溝部14
a内に送り台6の鉛直部6bが嵌合し、ねじ18によっ
て送り台6と上下送り腕14とが連結固定される。
【0005】図8および図9は図6の送り歯機構1を2
本針水平釜のミシンに組み込んだ際にその組み込まれる
位置を概略的に示すための図である。図8は正面図であ
りこの場合の送り歯機構1は図6の矢印A方向から見た
図となり、図9は下面図であり、この場合の送り歯機構
1は図6の矢印B方向から見た図となる。2つの釜軸台
20がミシンに固定されて図示のように併置されてい
る。各釜軸台20には釜軸22が回転可能に取付けら
れ、各釜軸22の上端に水平釜24が装着されている。
各釜軸22には釜軸歯車26が固定されている。また、
釜軸台20には釜軸22内の図示しない潤滑油経路を介
して水平釜24へ潤滑油を供給するための潤滑油チュー
ブ27が連結されている。この釜軸台20、釜軸22、
水平釜24、釜軸歯車26、潤滑油チューブ27その他
図示しない部品等によって釜軸台ユニット28が構成さ
れる。
【0006】図10は本縫いミシンの送り歯機構31の
一例を示す図である。水平送り軸32と上下送り軸34
は共に図示しないミシンの主軸に連動して回動する。中
央部に送り歯38を支持する送り台36はその一端を水
平送り台軸10および水平送り腕40を介して水平送り
軸32へ連結され、他端を上下送り台軸11および上下
送り腕42を介して上下送り軸34へ連結されている。
このように上下送り軸34と送り台36とを連結する上
下送り腕42、あるいは水平送り軸32と送り台36と
を連結する水平送り腕40はいずれも送り台36の長さ
に対して非常に短いのが通例である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】被縫製物の種類等に応
じて送り歯8の高さを調整する必要が生じることがあ
る。特に、下着等のような薄くて柔らかい被縫製物では
送り歯8による布送りの際に滑りが生じ易いため、送り
歯8高さを微調整する必要があることが多い。
【0008】図6の送り歯機構1はその構成上、送り歯
8の高さを調整可能とされている。すなわち、送り台6
と上下送り腕14とを連結しているねじ18をゆるめて
上下送り腕14の溝部14a内の鉛直部6bを上下にス
ライドさせて送り歯8の高さを決め、再びねじ18を締
めることにより送り歯8の高さを調整可能である。しか
しながら、図8および図9に示すように、スライドさせ
る必要のある鉛直部6bと締めたり緩めたりする必要の
あるねじ18がいずれも2つの釜軸台ユニット28の間
にあり、且つ2つの釜軸台ユニット28の各部品が入り
くんでいる個所で調整作業を行う必要があるため調整作
業には非常な困難を伴う。このため実質的にはこのよう
な方法で調整することは不可能であった。また、この送
り歯機構1の鉛直部6bをスライドさせることによる方
法においては、送り歯8の高さの微調整をすることがで
きない。
【0009】このため、図7に示すように、送り歯8と
送り台6の間に適当な厚みのシート片30例えば紙を挟
んで送り歯8の高さを調整していた。
【0010】本発明の目的は、簡単に送り歯の高さを調
整可能な機構を提供することにある。本発明の更に他の
目的は、送り歯の高さの微調整が可能な機構を提供する
ことにある。本発明の更に他の目的は、以下の説明によ
り明らかとなる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、ミシンの主軸に連動する水平送り軸
および上下送り軸により四送り運動が付与される送り歯
と、水平部を有しその水平部に前記送り歯を支持する送
り台と、前記上下送り軸に連結された第1連結部材と、
一端が偏心部材を介して前記第1連結部材に連結され、
他端が前記送り台の水平部へ連結される第2連結部材
と、を備え、前記偏心部材を回動することにより送り歯
の高さを調整可能であることを特徴とする送り歯高さ調
整機構が提供される。
【0012】前記第2連結部材は例えば前記送り台に固
定された鉛直部である。好ましくは送り台の水平部は鉛
直部との接続部近傍へ前記送り歯を支持する。また、例
えば前記ミシンは2本針の水平釜ミシンであり、送り歯
高さ調整機構は2つの釜軸台ユニットの間に配置され
る。好ましくは偏心部材は前記2つの釜軸台ユニットの
下端部近くに配置されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0014】図1は本実施の形態によるミシンの送り歯
高さ調整機構を有する送り歯機構を示し、図2は図1の
機構において送り歯の高さを調整する原理を説明するた
めの簡略図、図3および図4は図1の送り歯機構が2本
針水平釜ミシンへ組み込まれる位置を概略的に示すため
の図であり、図3は正面図でありこの場合の送り歯機構
は図1の矢印A方向から見た図となり、図4は下面図で
あり、この場合の送り歯機構は図1の矢印B方向から見
た図となる。
【0015】これらの図において送り歯機構51は水平
送り軸2、上下送り軸4および送り台56を有する。水
平送り軸2と上下送り軸4は共にミシンの主軸(図示せ
ず)と連動して回動可能である。送り台56は水平方向
に伸びる水平部56aと鉛直方向に伸びる鉛直部56b
(第2連結部材)とから形成され、水平部56aは鉛直
部56bとの接続部近傍へ送り歯8を支持している。鉛
直部56bは少し湾曲しながら鉛直下方へ伸びている。
【0016】送り台56の水平部56aは水平送り台軸
10および水平送り腕12を介して水平送り軸2へ連結
され、これにより送り台56は水平送り軸2の回動に伴
って水平方向に運動する。送り台56の鉛直部56b
は,これを両端で支持する偏心軸58を介して上下送り
腕54(第1連結部材)へ連結され、上下送り腕54は
上下送りカム16を介して上下送り軸4へ連結され、こ
れにより送り台56は上下送り軸4の回動に伴って上下
方向に運動する。
【0017】このようにして送り歯の四送り運動が付与
される。送り歯の四送り運動とは送り歯8が楕円形の軌
跡を描きながら図示しない針板上面に出、針板上面で前
進し、針板下面に沈み、針板下面で後退する運動であ
る。
【0018】偏心軸58はねじ60によって上下送り腕
54へ締め付け固定されている。送り歯8の高さを調整
する際には、ねじ60をゆるめて偏心軸58の頭部に設
けた溝(図示省略)にドライバーを差し込み適当な角度
だけ回転させた後再びねじ60を締め付ける。図2
(A)に示すように偏心部が最下方に位置するように偏
心軸58を回転させた後ねじ60により偏心軸58を上
下送り腕54へ締め付け固定すると送り歯8の高さも最
下方に調整される。一方図2(B)に示すように偏心軸
58の偏心部が最上方に位置するように調整すると、送
り歯8の高さも最上方に調整される。
【0019】このように本実施の形態による送り歯高さ
の調整機構によれば、簡単な操作で送り歯高さの調整が
出来る。偏心量は偏心軸58を回転することにより調整
されるので従来のスライド方式に比べると微調整が可能
となった。
【0020】図3および図4の釜軸台20、釜軸22、
水平釜24、釜軸歯車26および潤滑油チューブ27を
有する釜軸台ユニット28の配置は図8および図9の場
合と同様であるが本実施の形態の送り歯機構のねじ60
および偏心軸58は釜軸台ユニット28の下端部の近く
に位置し、しかもねじ60の操作部(頭部)側が2つの
釜軸台ユニット28の間から少し突出する側へ向いてい
るので緩めたり締めたりすることが容易である。更に、
偏心軸58もねじ60と同様に操作し易い位置にあるこ
とに加え、図6〜図9の従来例のスライド方式と異な
り、単に偏心軸58を回転させるだけでよいことから狭
い場所でも容易に調整作業を行うことができる。
【0021】なお、送り歯8の高さを調整するため、鉛
直部56bと上下送り腕54の連結部(偏心軸58)と
上下送り軸4との相対的位置関係を変化させると送り歯
8の送り軌跡も変化する。例えば、ミシンの静止状態に
おいて、偏心軸58の向きや偏心量を変化させた結果、
上下送り腕54が上下送り軸4の回りにθ度回動したと
すると、この回動の結果、ミシンの運転操作時、送り歯
8の送り軌跡も変化する。当然であるがその変化の度合
は上記の角度θが大きくなるに従って大きくなる。
【0022】例えば図10に示すような送り歯機構31
において上下送り台軸11の位置を上下に変化させて上
下送り軸34と上下送り台軸11との相対的位置関係を
変化させるとその結果、上下送り腕42が上下送り軸3
4の回りにα度回転する。この場合、上下送り腕42の
長さが短いため、上記の角度αが大きくなり、送り歯3
8の送り軌跡が大きく変化しやすい。
【0023】しかしながら本実施の形態による送り歯機
構51の送り歯高さ調整機構においては上下送り軸4と
偏心軸58の軸心間の距離が比較的長く従って上下送り
腕54の長さが長いいため、偏心軸58の向きや偏心量
の大きさに対する上下送り腕54の回動角θの変化が小
さくなる。その結果、送り歯8の送り軌跡の変化が小さ
くなる。
【0024】図5は本実施の形態の送り歯高さ調整機構
によって偏心軸58による偏心量を変化させたときの送
り歯8の高さの変化の大きさを説明するための図であ
る。図において、偏心軸58の回動による上下送り腕5
4と鉛直部56bの連結部の鉛直方向変位量をx、送り
歯8の鉛直方向変位量をy、偏心軸58と水平送り台軸
10の中心との間の水平距離をL1、送り歯8と水平送
り台軸10の中心との間の水平距離をL2とすると、y
=xL2/L1となる。従って、L1をL2に近付ける
ことによって一定のxに対してのyの値を大きくするこ
とができる。
【0025】本実施の形態による送り歯高さ調整機構は
送り台56が水平部56aと、この水平部56aに一体
的に固定された鉛直部56bとから形成されていて、水
平部56aは鉛直部56bとの接続部近傍に送り歯8を
支持しているので、L1をL2に近付けることが可能で
ある。なお、鉛直部56bの弯曲を小さくしてより直線
形状に近くすることにより更にL1をL2に近付けるこ
とが可能である。
【0026】図10の本縫いミシンの送り歯機構31の
場合に、上下送り台軸11の高さを何等かの方法によっ
てxだけ変化させた時の送り歯38の高さの変化をyと
し、水平送り台軸10と上下送り台軸11の軸間距離を
L1、送り歯38と水平送り台軸10の間の距離をL2
とすると前記と同様にy=xL2/L1となる。図示の
送り歯機構31の場合、L2がL1の約1/2であるの
でyもxの約1/2となってしまう。
【0027】さらに図10の機構ではその構成上、上下
送り台軸11の高さを変化させると送り歯8の運動は上
下方向のみならず水平方向も変化してしまう。本実施の
形態による送り歯高さ調整機構の場合は、上下送り腕5
4の上下動は鉛直部56bを介して送り台56へ伝達さ
れるので、偏心軸58の高さを調整しても送り歯8の運
動に水平方向の変化は殆どない。
【0028】
【発明の効果】本発明の送り歯高さ調整機構によれば、
水平部を有しその水平部に前記送り歯を支持する送り台
と、前記上下送り軸に連結された第1連結部材と、一端
が偏心部材を介して前記第1連結部材に連結され、他端
が前記送り台の水平部へ連結される第2連結部材と、を
備え、前記偏心部材を回動することにより送り歯の高さ
を調整可能としたので、簡単な操作で送り歯高さの調整
が出来、且つ微調整が可能となった。
【0029】また、本発明による送り歯高さ調整機構は
送り台が水平部と、この水平部に固定された鉛直部とか
ら形成されているので、水平送り腕と送り台との連結点
から偏心軸までの水平距離を、送り歯と水平送り台軸と
の間の水平距離に近付けることが可能となり、従って偏
心部材による偏心量に対する送り歯の高さ調整量の比を
大きくすることができる。
【0030】さらに、送り台の水平部は鉛直部との接続
部近傍へ前記送り歯を支持することによって水平送り腕
と送り台との連結点から偏心軸までの水平距離を、送り
歯と水平送り台軸との間の水平距離へ更に近付けること
が可能となり、従って偏心部材による偏心量に対する送
り歯の高さ調整量の比を更に大きくすることができる。
【0031】本発明の送り歯高さ調整機構が2本針の水
平釜ミシンに組み込まれ、送り歯高さ調整機構は2つの
釜軸台ユニットの間に配置される場合、偏心部材を第1
連結部材へ固定する固定手段とを2つの釜軸台ユニット
の下端部近くに配置することができるので固定手段およ
び偏心部材が操作し易い位置にあることに加え、従来例
のスライド方式と異なり、単に偏心部材を回転させるだ
けよいことから狭い場所でも容易に調整作業を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発実施の形態による送り歯高さ調整機構を
有する送り歯機構を示す図である。
【図2】 図1の機構において送り歯の高さを調整する
原理を説明するための簡略図である。
【図3】 図1の送り歯機構が2本針水平釜ミシンへ組
み込まれる位置を概略的に示すための正面図である。
【図4】 図1の送り歯機構が2本針水平釜ミシンへ組
み込まれる位置を概略的に示すための側面図である。
【図5】 図1の送り歯高さ調整機構によって偏心軸に
よる偏心量を変化させたときの送り歯の高さの変化の大
きさを説明するための図である。
【図6】 従来例による送り歯機構を示す図である。
【図7】 図6の機構において送り歯の高さを調整する
方法を示す図である。
【図8】 図6の送り歯機構を2本針水平釜のミシンに
組み込んだ際にその組み込まれる位置を概略的に示すた
めの正面図である。
【図9】 図6の送り歯機構を2本針水平釜のミシンに
組み込んだ際にその組み込まれる位置を概略的に示すた
めの下面図である。
【図10】 本縫いミシンの送り歯機構の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1 送り歯機構 2 水平送り軸 4
上下送り軸 6 送り台 6a 水平部 6
b 鉛直部 8 送り歯 10 水平送り台軸 1
1 上下送り台軸 12 水平送り腕 14 上下送り腕 1
4a 溝部 16 上下送りカム 18 ねじ 2
0 釜軸台 22 釜軸 24 水平釜 2
6 釜軸歯車 27 潤滑油チューブ 28 釜軸台ユニット 3
0 シート片 31 送り歯機構 32 水平送り軸 3
4 上下送り軸 36 送り台 38 送り歯 4
0 水平送り腕 42 上下送り腕 51 送り歯機構 54 上下送り腕(第1連結部材) 5
6 送り台 56a 水平部 56b 鉛直部(第2連結部
材) 58 偏心軸 60 ねじ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンの主軸に連動する水平送り軸および
    上下送り軸により四送り運動が付与される送り歯と、 水平部を有しその水平部に前記送り歯を支持する送り台
    と、 前記上下送り軸に連結された第1連結部材と、 一端が偏心部材を介して前記第1連結部材に連結され、
    他端が前記送り台の水平部へ連結される第2連結部材
    と、を備え、 前記偏心部材を回動することにより送り歯の高さを調整
    可能であることを特徴とする送り歯高さ調整機構。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の送り歯高さ調整機構にお
    いて、前記第2連結部材は前記送り台に固定された鉛直
    部であることを特徴とする送り歯高さ調整機構。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の送り歯高さ調整
    機構において、前記送り台の水平部は鉛直部との接続部
    近傍へ前記送り歯を支持することを特徴とする送り歯高
    さ調整機構。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の
    送り歯高さ調整機構において、前記ミシンは2本針の水
    平釜ミシンであり、送り歯高さ調整機構は2つの釜軸台
    ユニットの間に配置されることを特徴とする送り歯高さ
    調整機構。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の送り歯高さ調整機構にお
    いて、前記偏心部材は前記2つの釜軸台ユニットの下端
    部近くに配置されていることを特徴とする送り歯高さ調
    整機構。
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