JP2000225447A - 鋼ストリップ連続鋳造方法 - Google Patents

鋼ストリップ連続鋳造方法

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JP2000225447A JP2000027835A JP2000027835A JP2000225447A JP 2000225447 A JP2000225447 A JP 2000225447A JP 2000027835 A JP2000027835 A JP 2000027835A JP 2000027835 A JP2000027835 A JP 2000027835A JP 2000225447 A JP2000225447 A JP 2000225447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融鋼の化学的性質を注意深く選択し、ラン
ダム肌理付けした鋳造表面と組合わせることにより、チ
ャター欠陥の生じる傾向を著しく抑制することを可能に
し、又、可鋳速度範囲を大きく広げることを可能にして
おり、特に、著しい高鋳造速度での鋳造を可能にする。 【解決手段】 1つ又は複数の冷却された鋳造表面(ロ
ール表面16A)上で溶鋼溜め(溶融金属溜め30)を
支持し、冷却された鋳造表面(ロール表面16A)を移
動させることにより凝固ストリップ品20を生み出して
溶鋼溜め(溶融金属溜め30)から送り出す、鋼ストリ
ップ連続鋳造方法に関し、先鋭な頂点を有するランダム
パターンの個別の突起により鋳造表面(ロール表面16
A)を肌理付けし、溶鋼溜め(溶融金属溜め30)から
のストリップ送り出し速度を60m/分以上の速度と
し、溶鋼のマンガン含量を0.6重量%以上、珪素含量
を0.1〜0.35重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼ストリップ連続
鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造装置で連続鋳造することに
より鋼ストリップを鋳造することが公知である。この技
術では、冷却されて相互方向に回転する一対の水平鋳造
ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上
で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合
体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下
方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語
はロール同士が最接近する領域全般を指すものとする。
溶融金属は取鍋から1つ又は一連の小容器へと注がれ、
更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズ
ルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間
隙直上のロール鋳造表面に支持される溶融金属の鋳造溜
めを形成することができる。通常、この鋳造溜めの端を
構成するのは、鋳造溜め両端からの溢流をせき止めるよ
うロール端面に摺動係合して保持される側部堰である
が、電磁バリヤ等の代替手段も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】双ロール鋳造は、冷却
によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功
をおさめているが、鉄系金属の鋳造技術に適用するには
いろいろ問題がある。一つの大きな問題として、如何に
してロール表面上に金属を充分急速且つ均一に冷却させ
るかということがある。特に、滑らかな鋳造表面を持つ
鋳造ロール上では充分な高凝固速度を得ることが難しい
ことが判明しているので、規則的な突起と窪みのパター
ンで意図的に肌理(きめ)付けした(textured)鋳造表
面を持つロールを使うことにより、熱伝達を制御し、凝
固時に鋳造表面で得られる熱流束を制御することが提案
されている。
【0004】本出願人のアメリカ特許第5,701,9
48号では、一連の平行な溝・尾根形成部により形成さ
れる鋳造ロール肌理が開示されている。即ち、双ロール
鋳造装置において、略一定の深さ及びピッチを持つ周方
向に延びる溝・尾根形成部を設けることによって鋳造ロ
ールの鋳造表面を肌理付けすることができる。この肌理
により金属凝固時の熱流束が高められ、鋼鋳造を最適化
して鋳放し鋼ストリップに高流束値及び微細な微小構造
を達成することができる。特に、鋼ストリップ鋳造の場
合、尾根の頂部から溝の底部までの肌理深さが5〜60
ミクロン、肌理ピッチが100〜250ミクロンで最良
の結果が得られる。結果を最適にするには、肌理深さを
15〜25ミクロン、ピッチを150〜200ミクロン
にするのが好ましい。
【0005】アメリカ特許第5,701,948号に開
示した肌理を持つ鋳造ロールによれば鉄系金属ストリッ
プ鋳造で高凝固速度を達成できるが、それら鋳造ロール
が鋳造条件に著しく敏感であって、「鰐肌」(crocodil
e-skin)及び「チャター」(chatter)欠陥として知ら
れる2つの一般的種類のストリップ欠陥を避けるために
は密に制御しなければならないことが判明している。即
ち、鰐肌欠陥を制御するため硫黄を添加量を制御して加
えることが必要であり、チャター欠陥を避けるため鋳造
装置を狭い鋳造速度範囲で操業する必要があった。
【0006】鰐肌欠陥は、凝固する金属殻の熱流束に変
動がある環境下で、双ロール鋳造装置の鋳造ロールのロ
ール表面においてδ鉄相及びγ鉄相が同時に金属殻内で
凝固する場合に起きる。δ鉄相及びγ鉄相は高温強度特
性(hot strength characteristics)が異なるので、熱
流束変動により鋳造ロール間隙に集まる凝固殻に局部歪
みが生じて、製造したストリップの表面に鰐肌欠陥が生
じる。
【0007】鋳造中の金属よりも溶融温度の低い軽酸化
物堆積物(light oxide deposit)が鋳造ロール上にあ
れば、ロール表面での金属凝固時に均一熱流束制御が確
保できて有益である。ロール表面が溶融金属溜めに入る
時に酸化物堆積物は溶融し、鋳造表面と溶融金属溜めの
溶融金属との間に液境界薄層(thin liquid interface
layer)を確立する助けとなって良好な熱流束を促進す
る。しかしながら、酸化物蓄積(oxide build up)が多
過ぎると酸化物の溶融により初期熱流束が非常に高くな
るものの、酸化物が再凝固して熱流束が急速に減少す
る。この問題は、ロール清掃装置により鋳造ロール上の
酸化物蓄積を所定範囲内に厳格に保つことにより処理さ
れてきた。しかしながら、ロール清掃が不均一な場合、
酸化物蓄積量が変動し、その結果、凝固殻の熱流束が変
動し、局部歪みが生じて、鰐肌表面欠陥へと至る。
【0008】チャター欠陥は、初期金属凝固が生じる溶
融金属溜めのメニスカス面に始まる。チャター欠陥の一
つの形態である「低速チャター」(low speed chatte
r)は、鋳造ロール上で高温金属が過早冷却することに
より低鋳造速度で生じて脆弱殻を造り、脆弱殻は後に更
に溶融金属溜めに引き込まれる際に変形する。チャター
欠陥の別の形態である「高速チャター」は、殻が生成し
始めて更に鋳造ロールを下る際に生成殻上に液体が存在
することにより高鋳造速度で生じる。メニスカス域に注
ぐこの液体は移動するロール表面と接触を保ち続けるこ
とができず、その結果、溶融金属溜め上部で液体とロー
ルとの間に滑りが生じて、高速チャターがストリップに
横方向の変形帯として生じる。
【0009】又、低速チャターも高速チャターも避ける
ためには、非常に狭い範囲の鋳造速度域内で操業する必
要があった。典型的には、30〜36m/分という狭い
範囲内の鋳造速度で操業する必要があった。実際の速度
範囲はロールによって異なるが、高速チャターを避ける
ためには一般には40m/分より充分低い鋳造速度でな
ければならない。
【0010】本発明は、溶融鋼の化学的性質を注意深く
選択し、ランダム肌理付けした鋳造表面と組合わせるこ
とにより、チャター欠陥の生じる傾向を著しく抑制する
ことを可能にし、又、可鋳速度範囲を大きく広げること
を可能にしており、特に、著しい高鋳造速度での鋳造を
可能にしている。
【0011】本発明によれば、ランダム肌理付けした鋳
造表面により鋳造速度の著しい増加を達成できることが
判明した。60m/分以上の鋳造速度では、「高周波」
(high frequency)チャターという新しい型のチャター
欠陥が発生するが、これは本発明により金属の化学的性
質を選択することにより軽減できる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、1つ又
は複数の冷却された鋳造表面上で溶鋼溜めを支持し、冷
却された鋳造表面を移動させることにより凝固ストリッ
プを生み出して溶鋼溜めから送り出す、鋼ストリップ連
続鋳造方法において、先鋭な頂点を有するランダムパタ
ーンの個別の突起により鋳造表面を肌理付けし、溶鋼溜
めからのストリップ送り出し速度を60m/分以上の速
度とし、溶鋼のマンガン含量を0.6重量%以上、珪素
含量を0.1〜0.35重量%とすることを特徴とする
鋼ストリップ連続鋳造方法が提供される。
【0013】溶鋼の炭素含量を0.07重量%以下とす
ることができる。
【0014】好ましくは、前記先鋭な頂点の表面分布を
5〜100頂点/mm2、平均高さを少なくとも10ミ
クロンとする。
【0015】好ましくは、個別の突起の平均高さを少な
くとも20ミクロンとする。
【0016】溶鋼溜めからのストリップ送り出し速度
は、少なくとも75m/分とすることができる。より明
細には、75〜150m/分の速度とすることができ
る。
【0017】溶鋼のマンガン含量は0.6〜0.9重量
%とすることができる。
【0018】本発明の方法は双ロール鋳造装置で実施す
ることができる。
【0019】従って、本発明は更に、溶鋼を一対の平行
鋳造ロール間のロール間隙へと、ロール間隙上方に配し
た金属供給ノズルを介し導入してロール間隙直上のロー
ル鋳造表面で支持される溶鋼溜めを創り出し、鋳造ロー
ルを回転させてロール間隙から下方に凝固鋼ストリップ
を送り出す鋼ストリップ連続鋳造方法において、先鋭な
頂点を有するランダムパターンの個別の突起によりロー
ル鋳造表面各々を肌理付けし、溶鋼溜めからのストリッ
プ送り出し速度を60m/分以上とし、溶鋼のマンガン
含量を0.6重量%以上、珪素含量を0.1〜0.35
重量%とすることを特徴とする鋼ストリップ連続鋳造方
法を提供する。
【0020】鋳造表面の肌理は各鋳造表面を又は表面被
覆で保護されて鋳造表面を創り出す金属基質をグリット
ブラストする(grit blasging)ことにより得ることが
できる。例えば、各鋳造表面は銅基質をグリットブラス
トした後にクロムの保護薄層でメッキすることにより創
り出すことができる。又は、鋳造表面をニッケルで構成
してもよいが、その場合、ニッケル表面はグリットブラ
ストして、保護被覆なしとすることができる。
【0021】又、基質へと被覆を堆積させて各鋳造表面
の所要の肌理を得ることもできる。この場合、被覆の材
料を選択して金属凝固時の熱流束を制御することができ
る。斯かる材料は鋼酸化物に対する親和性が低い材料に
することにより、堆積物による鋳造表面の湿潤度を低く
することができる。より明細には、ニッケルクロムとモ
リブデンとの合金、又は、ニッケルモリブデンとコバル
トとの合金を堆積させて所要の肌理を有する鋳造表面を
形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明を更に充分に説明するた
め、添付図面を参照して今日までに行われた試行の結果
を説明する。
【0023】アメリカ特許第5,701,948号は、
鋳造ロールが平行な溝・尾根形成部という規則的な肌理
を持つ双ロール鋳造装置で鋼ストリップを鋳造できる仕
方を開示している。本発明では、そのアメリカ特許と同
じ種類の双ロール鋳造装置を用いるが、鋳造ロールには
グリットブラストで形成したランダム肌理付け表面を持
たせる。装置の好ましい形は添付図面の図1乃至図5に
示している。
【0024】図1乃至図5に示した鋳造装置は工場床1
2から立上がった主機械フレーム11を有する。主機械
フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブ
リステーション14と鋳造ステーション15との間を水
平に移動可能である。鋳造ロール台車13が担持する一
対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に取鍋17から
分配器18と金属供給ノズル19とを介して溶融金属が
供給されて溶融金属溜め30を創り出す。鋳造ロール1
6は水冷されているので、動いているロール表面16A
に金属殻が形成されロール間隙にて合わされて、ロール
出口で凝固ストリップ品20が造られる。この凝固スト
リップ品20を標準コイラ21に送って、次いで第2コ
イラ22に送給し得る。容器23が鋳造ステーション1
5に隣接して主機械フレーム11に取付けられているの
で、溶融金属をタンディッシュ上の溢れ口24を介し
て、又は凝固ストリップ品20の甚だしい変形等、鋳造
作業時に重大な不都合があった時には緊急プラグ25を
抜くことにより、容器23へと逃すことができる
【0025】鋳造ロール台車13を構成する台車フレー
ム31がホイール32を介してレール33に載り、レー
ル33は主機械フレーム11の一部に沿って延設されて
いるので、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動
可能に載っていることになる。台車フレーム31が担持
する対のロールクレードル34に鋳造ロール16が回転
可能に取付けられる。ロールクレードル34は、相互に
係合した相補的な摺動部材35,36を介して台車フレ
ーム31に取付けられ、油圧シリンダ装置37,38に
よって鋳造ロール台車13上を動いて鋳造ロール16間
隔を調節し、以下で詳細に説明する様にストリップに弱
化横線を形成する必要が生じた場合に急速に短時間ロー
ルを相互離間させることを可能にする。鋳造ロール台車
13全体をレール33に沿って移動させることができる
複動油圧ピストンシリンダ装置39は鋳造ロール台車1
3の駆動ブラケット40と主機械フレーム11との間に
接続されて、鋳造ロール台車13をアセンブリステーシ
ョン14から鋳造ステーション15へ、又その逆へ移動
させることができるようになっている。
【0026】鋳造ロール16は、図示しない電動モータ
のロール駆動軸41と台車フレーム31上のトランスミ
ッションとを介して相互方向に回転される。鋳造ロール
16の銅製周壁に形成され縦方向に延び周方向に離間し
た一連の水冷通路には、回転グランド43を介して水冷
ホース42に接続されたロール駆動軸41内の水冷導管
からロール端を介し冷却水が供給される。鋳造ロール1
6の典型的な大きさは径が約500mmで、幅が200
0mmの凝固ストリップ品20を造るために、長さを2
000mmまでとすることができる。
【0027】取鍋17はまったく在来の構成であって、
天井クレーンからヨーク45を介して支持されており、
高温金属受けステーションから定位置へと移すことがで
きる。取鍋17に取付けられたストッパロッド46をサ
ーボシリンダで動かすことによって、溶融金属を取鍋1
7から出口ノズル47と耐火シュラウド48とを介して
分配器18へと流すことができる。
【0028】分配器18は酸化マグネシウム(MgO)
等の耐火材で造られた広皿状のものである。分配器18
の一側は取鍋17からの溶融金属を受けられるようにな
っており、又、前記した溢れ口24と緊急プラグ25と
を備えている。分配器18の他側には縦方向に離間した
一連の出口開口52が備えられている。分配器18下部
を担持する取付ブラケット53は分配器18を台車フレ
ーム31に取付けるためのものであって、取付ブラケッ
ト53に備えた開口で台車フレーム31の位置合わせペ
グ54を受けて分配器18を正確に位置決めするように
なっている。
【0029】金属供給ノズル19はアルミナグラファイ
ト等の耐火材料で造られた細長体として形成され、下部
がテーパ状になっていて下方へ行くに従い内方へすぼま
っているので、鋳造ロール16間隙に挿入できる。取付
ブラケット又は取付プレート60が、金属供給ノズル1
9を台車フレーム31で支持するために備えられ、金属
供給ノズル19上部には外方に突出する側部フランジ5
5が形成されて取付ブラケット又は取付プレート60上
に位置する。
【0030】金属供給ノズル19は一連の、水平に離間
し略上下に延びる流路を有し、鋳造ロール16幅方向に
金属の適宜の低速放出流を生み出し、初期凝固の起きる
鋳造ロール16表面に直接当てることなく溶融金属を鋳
造ロール16のロール間隙に送ることができる。若しく
は、金属供給ノズル19を単一の長孔の形にして鋳造ロ
ール16間隙に低速のカーテン状の溶融金属を直接送る
ようにしてもよく、及び/或いは、金属供給ノズル19
が溶融金属溜め30に浸ってもよい。
【0031】溶融金属溜め30は、鋳造ロール16の端
部に設けられた一対の側部閉止板56によって画成され
る。側部閉止板56は、鋳造ロール台車13が鋳造ステ
ーション15にある時には、鋳造ロール16の段付端5
7へ保持される。側部閉止板56は窒化ホウ素等の強い
耐火材で造られ、鋳造ロール16の段付端57の曲面に
合ったスカロップ形状部81を有する。側部閉止板56
が取付けられる板ホルダ82は、一対の油圧シリンダ装
置83の作動により、鋳造ステーション15において可
動となっており、側部閉止板56が鋳造ロール16の段
付端57に係合されることにより、鋳造作業中に鋳造ロ
ール16間に形成される溶融金属溜め30の端部を閉止
する。
【0032】鋳造作業中、ストッパロッド46を作動さ
せて、溶融金属が取鍋17から分配器18へと、そして
金属供給ノズル19を介して鋳造ロール16へと注がれ
るようにする。凝固ストリップ品20のクリーンな頭端
がエプロンテーブル96の作動により標準コイラ21の
顎部へガイドされる。エプロンテーブル96は主機械フ
レーム11上のピボット取付部97から吊り下げられて
おり、油圧シリンダ装置98の作動により標準コイラ2
1へ向けて揺動されるようになっている。ピストンシリ
ンダ装置101によって作動される上ストリップガイド
フラップ99に対してエプロンテーブル96が作動さ
れ、凝固ストリップ品20は一対の縦サイドロール10
2間に制限される。凝固ストリップ品20の先端が標準
コイラ21の顎部にガイドされたら、標準コイラ21を
回転させて凝固ストリップ品20を巻付け、その後、エ
プロンテーブル96を逆方向へ旋回動させて非作動位置
へ戻して、標準コイラ21に直接巻取られている凝固ス
トリップ品20から離させ、単に主機械フレーム11か
ら吊り下げられている状態とする。凝固ストリップ品2
0は、後で第2コイラ22へ送られて、鋳造装置から運
び出される最終巻取品となる。
【0033】図1乃至図5に示した種類の双ロール連続
鋳造機の詳細は本出願人のアメリカ特許第5,184,6
68号及び第5,277,243号、並びに、国際特許出
願第PCT/AU93/00593号で一層完全に記述
されている。
【0034】グリットブラスト又はショットブラストで
造られる、先鋭な頂点を有するランダムパターンの個別
の突起を有するロール鋳造表面は、60m/分の高鋳造
速度でもチャター欠陥を生じにくいことが判明した(但
し、高鋳造速度では高周波チャターに遭遇するが)。肌
理がランダムであることが、均質で割れの伝播に対する
抵抗性を有する微細構造を得るのに非常に重要であるこ
とが判明した。
【0035】0.7〜1.4mm程度の粒径を有するア
ルミナ、珪素、又は炭化珪素等の硬質粒材でグリットブ
ラストすることにより適宜のランダムな肌理を金属基質
に付すことができる。例えば、銅製ロール表面をこのよ
うにしてグリットブラストすることにより適宜の肌理を
付して、肌理付けられた表面を50ミクロン厚程度の薄
いクロム被覆で保護する。図6はこのようにして造られ
た典型的な被覆表面を示す。又、ニッケル基質を用い、
直接肌理付けして、保護被覆を行わないようにすること
も可能である。
【0036】化学的堆積又は電着により適宜なランダム
の肌理を達成することも可能である。この場合、被覆材
料としては高伝熱性及び凝固時の熱流束増加に貢献する
ようなものを選ぶことができる。又、鋼中の酸化物が被
覆材料に対し低い湿潤性を呈するようにし、溶鋼自体が
被覆材料に対し大きな親和性を有して、その結果酸化物
よりも優先的に被覆を湿潤するように選択することもで
きる。斯かる材料として適当なものとして、「HAST
ALLOY C」という商品名で市販されているニッケ
ル、クロム及びモリブデンの合金と、「T800」の商
品名で市販されているニッケル、モリブデン及びコバル
トの合金を見出した。本出願人の国際特許出願第PCT
/AU99/00641号に開示されているように、H
ASTALLOY C及びT800の被覆により形成さ
れるランダム肌理付けされた鋳造表面を用いた試験結果
では斯かる表面に堆積した凝固殻が著しく均一な微細構
造のものであり、均一厚を有するものであることが示さ
れた。
【0037】鋳造速度が増加するにつれて生じる高周波
チャターの原因についての2つの仮説を試験するために
特定範囲のマンガン及び珪素含量の低炭素鋼を用い、グ
リットブラストして肌理付けしたロールを装着した双ロ
ール鋳造装置で鋳造試行を行った。
【0038】高周波チャターの原因についての仮説の一
つは、鋳造速度の増加につれて鋳造表面の湿潤性が欠け
るためである、ということである。この仮説に基づけ
ば、鋼の化学的性質を制御することにより酸化物の包含
液相線が低温になるようにして湿潤性を促進させれば軽
減されるはずである。これは鋼のマンガン含量及び珪素
含量を制御することにより達成できる。
【0039】高周波チャターの原因についての第2の仮
説は、凝固殻が合体してストリップを形成する粥状域が
クッション効果を欠くことにより生じる、というもので
ある。この仮説は、鋼中のマンガン含量を一定にして炭
素含量を変化させることによって幅厚の粥状域を造って
試験した。これらの試験の結果、両方の仮説の効果が相
まって高周波チャター欠陥につながることが示された。
試行の結果、高鋳造速度での高周波チャター欠陥を除去
するためには鋼のマンガン含量と珪素含量を制御する必
要があることが判明した。
【0040】図7は、マンガン含量と珪素含量を変える
ことによる包含液相線温度の変動効果を示す試行結果を
表示しており、図8はチャター発生度合に対するマンガ
ン含量変更の効果を示している。これらの試行におい
て、炭素含量は0.07重量%以下に維持された。試行
により、マンガン含量の変動が、高周波チャター欠陥の
制御において優勢な因子であることが示された。一方、
珪素含量を変動させることは同一の効果を持たないが、
珪素含量を0.1〜0.35重量%に維持することが必
要であることが試行により判明した。即ち、珪素含量が
多過ぎると、ストリップが脆弱になり固体含有があるた
め可鋳性に問題が生じ、珪素含量が少な過ぎると、酸化
物の量が増加するからである。
【0041】図8からわかるように、チャター欠陥の発
生を避けるためには、マンガン含量を少なくとも0.6
重量%とすべきである。高速チャターを避けるために
は、鋳造速度の増加につれて、鋼のマンガン含量も増加
させねばならない。一般に、75〜150m/分の鋳造
速度とするためには、マンガン含量は0.6〜0.9重
量%である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鋼ストリ
ップ連続鋳造方法によれば、チャター欠陥の生じる傾向
を著しく抑制することができると共に、可鋳速度範囲を
大きく広げることができ、特に、著しい高鋳造速度での
鋳造を実現することができる等種々の優れた効果を奏し
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示した双ロール連続ストリップ鋳造装置
の側面図である。
【図3】図1のIII−III方向の矢視図である。
【図4】図1のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】図1のV−V方向の矢視図である。
【図6】本発明の方法を用いた典型的な鋳造表面肌理を
示す図である。
【図7】組成を異ならせた鋼を用いた試行鋳造の結果を
示すグラフである。
【図8】高速チャター欠陥発生時のマンガン含量の効果
を示すグラフである。
【符号の説明】
16 鋳造ロール 16A ロール表面(鋳造表面) 20 凝固ストリップ品 30 溶融金属溜め(溶鋼溜め)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイザー ストレッチョフ オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ アダムスタウン ハイツ マーリン ストリート 7 (72)発明者 ラーマ バラフ マハパトラ オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ キーマー ジェイコブソン アヴェ ニュー 23 (72)発明者 ニコルコ エス. ニコラフスキー オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ フィグトリー エドマンド アヴェ ニュー 2

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ又は複数の冷却された鋳造表面上で
    溶鋼溜めを支持し、冷却された鋳造表面を移動させるこ
    とにより凝固ストリップを生み出して溶鋼溜めから送り
    出す、鋼ストリップ連続鋳造方法において、先鋭な頂点
    を有するランダムパターンの個別の突起により鋳造表面
    を肌理付けし、溶鋼溜めからのストリップ送り出し速度
    を60m/分以上の速度とし、溶鋼のマンガン含量を
    0.6重量%以上、珪素含量を0.1〜0.35重量%
    とすることを特徴とする鋼ストリップ連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 溶鋼の炭素含量が0.07重量%以下で
    ある、請求項1に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 先鋭な頂点の表面分布を5〜100頂点
    /mm2、平均高さを少なくとも10ミクロンとする、
    請求項1又は2に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 個別の突起の平均高さを少なくとも20
    ミクロンとする、請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼
    ストリップ連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 溶鋼溜めからのストリップ送り出し速度
    を少なくとも75m/分とする、請求項1乃至4のいず
    れかに記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】 溶鋼溜めからのストリップ送り出し速度
    を75〜150m/分とする、請求項5に記載の鋼スト
    リップ連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】 溶鋼のマンガン含量を0.6〜0.9重
    量%とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の鋼スト
    リップ連続鋳造方法。
  8. 【請求項8】 ロール間隙を間に形成する一対の平行鋳
    造ロールの周面により構成される一対の鋳造表面があ
    り、溶鋼を鋳造ロール間隙に導入してロール間隙直上の
    鋳造表面で支持される溶鋼溜めを創り出し、鋳造ロール
    を回転させてロール間隙から下方に凝固鋼ストリップを
    送り出す、請求項1乃至7のいずれかに記載の鋼ストリ
    ップ連続鋳造方法。
  9. 【請求項9】 溶鋼をロール間隙上方に配した金属供給
    ノズルを介しロール間隙に導く、請求項8に記載の鋼ス
    トリップ連続鋳造方法。
  10. 【請求項10】 鋳造表面をグリットブラストし保護被
    覆で覆った基質で構成する、請求項1乃至9のいずれか
    に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  11. 【請求項11】 保護被覆が電気メッキした金属被覆で
    ある、請求項10に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  12. 【請求項12】 基質が銅であり、メッキ被覆がクロム
    である、請求項11に記載の鋼ストリップ連続鋳造方
    法。
  13. 【請求項13】 鋳造表面がグリットブラストした表面
    である、請求項1乃至9のいずれかに記載の鋼ストリッ
    プ連続鋳造方法。
  14. 【請求項14】 グリットブラストする表面をニッケル
    で形成する、請求項13に記載の鋼ストリップ連続鋳造
    方法。
  15. 【請求項15】 基質に堆積してランダムな肌理を創り
    出す被覆により鋳造表面を構成した、請求項1乃至9の
    いずれかに記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  16. 【請求項16】 被覆を化学的堆積により形成する、請
    求項15に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  17. 【請求項17】 被覆を電着により形成する、請求項1
    6に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  18. 【請求項18】 溶鋼中の酸化物に対し親和性の低い材
    料で被覆を形成することにより、溶鋼自身が、被覆材料
    に対して大きな親和性を有するために前記酸化物よりも
    むしろ被覆を湿潤するようにした、請求項15乃至17
    のいずれかに記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  19. 【請求項19】 被覆をニッケル、クロム及びモリブデ
    ンの合金で形成する、請求項15乃至18のいずれかに
    記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  20. 【請求項20】 被覆をニッケル、モリブデン及びコバ
    ルトの合金で形成する、請求項15乃至18のいずれか
    に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
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