JP2000228955A - アンモニア除去による蛋白加水分解物の褐変性低減法 - Google Patents

アンモニア除去による蛋白加水分解物の褐変性低減法

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JP2000228955A
JP2000228955A JP3383299A JP3383299A JP2000228955A JP 2000228955 A JP2000228955 A JP 2000228955A JP 3383299 A JP3383299 A JP 3383299A JP 3383299 A JP3383299 A JP 3383299A JP 2000228955 A JP2000228955 A JP 2000228955A
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Hiroaki Nagasaki
浩明 長崎
Shigeyoshi Kamata
茂芳 鎌田
Hideki Okamura
英喜 岡村
Jiro Kataoka
二郎 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小麦グルテン原料を酵素加水分解して得られ
る分解物の褐変性を低減できる方法を提供する。 【解決手段】 小麦グルテン酵素加水分解物のpHを
7.5〜13に調整後、減圧下で濃縮を行い、分解物中
に含まれるアンモニアを除去することにより褐変性の低
減及び風味改善を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品素材として有
用である小麦グルテン酵素加水分解物の褐変性を低減
し、風味を改善する方法に関するものである。すなわ
ち、本発明は、褐変性が低減され、保存安定性が改良さ
れた小麦グルテン酵素加水分解物の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】これまでアミノ酸系調味料では、動物蛋
白質や植物蛋白質を酸を用いて加水分解したものが一般
的であったが、近年、酵素技術の向上等により酵素加水
分解型の調味料も品質の高いものが得られるようになっ
た。植物蛋白質を酵素により加水分解する技術について
は多数の報告がなされている。
【0003】特開昭51−35461号公報において
は、可溶性窒素指数が50以下の変性脱脂大豆にpH9
〜12の範囲でアルカリプロテアーゼを2時間作用さ
せ、蛋白質由来の窒素成分の70%以上を可溶化抽出し
て固液分離を行う第1工程と、抽出された溶液にペプチ
ダーゼを密閉容器内で40〜60℃にて作用させ加水分
解する第2工程との結合を特徴とする調味液の製造法が
記載されている。
【0004】特開平6−125734号公報には、固体
麹の有機溶媒浸漬物から得られ、上記麹の自己消化によ
るエキソ型ペプチダーゼを含有する酵素剤、及び動植物
性蛋白質原料に蛋白可溶化酵素を作用させ、次いで上記
エキソ型ペプチダーゼ含有酵素剤を作用させる蛋白調味
液の製法が記載されている。
【0005】特開平9−121807号公報には、食塩
非存在下又は低食塩存在下において、麹菌の培養と、麹
菌培養物に含まれる酵素による培地中の蛋白質の分解
を、同時に一段階にて実施後、必要により固液分離する
ことにより、醤油香、醸造香が無く酸分解型調味料特有
の香気を有する高グルタミン酸含有汎用調味料が記載さ
れている。しかし、これら従来の技術により製造された
酵素加水分解物は、比較的短期間の内に褐変化が進み、
風味劣化が激しく、保存性が悪いという問題点を持って
いた。
【0006】褐変には酵素作用によるものと、非酵素作
用による化学反応によるものがあり、後者の非酵素的反
応はメイラード反応と呼ばれるアミノ基とカルボニル基
との間に起こる反応である。アミノ基としては、アミノ
酸・ペプチド・蛋白質・アミン類等、カルボニル基の供
給源としてはアルデヒド・ケトン・糖類などが知られて
おり、食品中の褐変化現象に大きく関与している。
【0007】食品のメイラード反応による褐変化防止法
に関しては、すでに多数の報告がなされている。例え
ば、メイラード反応に関与する糖類を、微生物による発
酵資化、オキシダーゼによる接触酸化により除去するこ
とにより褐変性を低減することが試みられている。ま
た、ペントース等の褐変能の高い糖類が分解生成しない
ようにする研究も行われている。
【0008】チオール化合物を添加し、メイラード反応
中のアマドリ化合物の褐変分解を防止する方法、亜硫酸
を添加し、メイラード反応中の褐変中間体と反応させる
ことによりスルホン酸を形成し褐変を防止する方法等、
化合物を加え化学的方法によって褐変を防止する方法
も、現在利用されている。
【0009】糸状菌培養物を用いて製造された小麦グル
テン酵素加水分解物の褐変防止方法としては、特願平1
0−121030号に記載されているように、小麦グル
テン原料と糸状菌培養物を混合後、当初通気・攪拌を行
いながら25℃以上39℃未満の温度範囲内で反応を行
い、次いで通気を停止して39℃以上50℃未満の温度
範囲内で反応を終了することによる褐変化防止法が行わ
れている。これらの方法も効果的であるが、特に小麦グ
ルテン酵素加水分解物は他の酵素加水分解物部に比べて
褐変性が強くさらに褐変性を低減する方法が望まれてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記にも示したよう
に、本願発明の課題は、小麦グルテン酵素加水分解物の
褐変性を低減する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは小麦グル
テン酵素加水分解物について種々の検討を行った。その
結果、たんぱく質を酵素加水分解した際には、アミノ酸
等の分解、アスパラギン・グルタミンの脱アミドにより
アンモニアを産生するが、中でもグルタミン含量の高い
小麦グルテンを原料として使用した場合に、酵素加水分
解物中のアンモニアが他原料の酵素加水分解物に比べ
て、多くなっていることを初めて見出した。
【0012】しかも、このアンモニアが特に小麦グルテ
ン酵素加水分解物の褐変性に悪影響を及ぼしていること
を本願発明者らは見出し、さらに、このアンモニアを除
去することにより、小麦グルテン加水分解物の褐変性を
より低減できるこを見出した。先に示したように、褐変
を促進する作用のある因子は数多くあるが、アンモニア
が褐変の原因となっており、アンモニアを小麦グルテン
酵素分解物中より除去するという報告はされていない。
【0013】すなわち、本願発明は、小麦グルテン酵素
加水分解物中に含まれるアンモニアを除去することによ
る、褐変性の低減及び風味改善法および小麦グルテン酵
素加水分解物中のアンモニア含量が小麦グルテン酵素加
水分解物の窒素当たり0.003mol/g以下である
小麦グルテン酵素加水分解物に関するものである。さら
に、本願発明のアンモニアを除去する方法としては、小
麦グルテン酵素加水分解物のpHを7.5〜13に調整
後、減圧下で濃縮する方法を用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の小麦グルテン酵素加水
分解物は、特に言及しない限り液状物を意味する。本願
発明において使用される小麦グルテン酵素加水分解物と
しては、殺菌処理もしくは静菌状態に保持した小麦グル
テン原料を水性溶媒中に分散し、該溶液に蛋白加水分解
活性の高い、糸状菌の培養物もしくは加水分解に必要な
活性を持つ酵素製剤を加え、小麦グルテン原料を加水分
解して得られたもの等をあげることができるが、小麦グ
ルテンの酵素加水分解物であれば適用可能である。糸状
菌としては麹菌例えばアスペルギルス・オリーゼ、アス
ペルギルス・ソーヤ等を用いることができる。またこの
時、グルタミナーゼ活性の高い条件で加水分解を行った
場合、小麦グルテン酵素加水分解物中のアンモニア含量
の増加が見られる。
【0015】次に、小麦グルテン酵素加水分解物に含ま
れているアンモニアを除去することにより、小麦グルテ
ン酵素加水分解物の褐変性の低減および風味改善が可能
である。アンモニアを除去する方法としては、常法とし
て用いられるアンモニア除去方法を用いることができ
る。たとえば、pHをアルカリ性に調整後、減圧下で濃
縮する方法、イオン交換樹脂を用いアンモニア含有画分
を除去する方法等が挙げられる。これらの方法を用いて
小麦グルテン酵素加水分解物中のアンモニア含量が小麦
グルテン酵素加水分解物の窒素当たり0.003mol
/g以下、好ましくは0.002mol/g以下になる
ようにアンモニアを除去すれば良い。
【0016】これらの方法のうち、特にpHをアルカリ
に調整後、減圧下で濃縮・除去する方法が好ましい。p
Hに関しては7.5〜13が好ましく、8〜12がより
好ましく、特に9〜11が好ましい。濃縮温度は25〜
90℃、特に40〜80℃が好ましい。
【0017】pH調整剤としては、NaOH、Na2
3、Ca(OH)2等のアルカリ剤が使用可能である
が、特に食品添加剤と使用可能であるNaOH、KO
H、Ca(OH)2等が好ましい。
【0018】なお、上記にて得られたアンモニア含量が
低減された小麦グルテン酵素加水分解物は、そのまま、
食品素材として用いることも可能であるが、乾燥粉末化
して使用してもよく、また、pHを中性に調整後、その
ままもしくは粉末乾燥して用いても良い。
【0019】また、小麦グルテン酵素加水分解物中のア
ンモニア含量が小麦グルテン酵素加水分解物の窒素当た
り0.003mol/g以下である小麦グルテン酵素加
水分解物は、新規物質であり、褐変性が低減され、保存
安定性に優れた食品素材である。そのアンモニア含量
は、窒素当たりであり、好ましくは0.002mol/
g以下である。以下、実施例により、本願発明を詳細に
説明する。
【0020】
【実施例】小麦グルテン(アジプロンG2:味の素
(株)製)100gを市水2Lに加え、十分に分散後、120℃・
20分加熱殺菌し、これを小麦グルテン分散液とした。未
変性脱脂大豆(東洋製油(株)製)を微粉砕した脱脂大
豆粉末30gを、市水2Lに加え分散後、120℃・20分加熱殺
菌した。この脱脂大豆分散液に、予めアスペルギルス・
オリーゼを1.5%脱脂大豆を含む培地で前培養したもの
を1%(V/V)添加し、ファーメンタージャーにて30℃で24
時間培養を行った。小麦グルテン分散液 2Lに、上記ア
スペルギルス・オリーゼ培養物 1Lを加え、ファーメン
タージャーにて通気攪拌を行いながら35℃で8時間反応
後、次いで45℃で攪拌のみ行いながら加水分解反応を行
った。この分解液をヌッチェを用いて固液分離し、その
濾液を小麦ク゛ルテン酵素分解液とした。小麦グルテン酵素
分解液(Brix=5、窒素当りNH3:0.026 mol/g)に対し
て、NaOH水溶液を用いて、pHが6.8、9.3、10.0である
3種のサンプルを調製した。次に、ロータリーエバポレ
ーターを用いて、60℃で3時間加熱しBrix20となるまで
濃縮を行い、アンモニア量の低減を行った。得られた小
麦グルテン酵素加水分解物をそれぞれNo.1、No.
2、No.3とし、アンモニアの低減結果を表1に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】このようにして得られたNo.1〜No.
3の濃縮後サンプルを塩酸でpH6.0に調整し、105
℃における色度の経時変化を指標に褐変性を調べた。色
度については分光光度計を使用し、キュベット:1cm、
波長:550nmの吸光係数を測定した。結果を表2に示
す。
【0023】
【表2】
【0024】次いで、上記No.1〜No.3の3サン
プルについてスプレードライヤーを用い粉末化を行い、
得られた粉末を貯蔵し、褐変性を調べた。結果を表3に
示す。 以上の結果から明らかなように、アンモニア含
量を0.003mol/g以下に減らしたサンプルN
o.2とNo.3は、液体状態、粉末状態のいずれにお
いても褐変性が低くなっており、保存安定性もすぐれて
いる。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明の方法に従い、植物蛋白酵素分解
物中よりアンモニアを除去することにより、褐変性を著
しく低減することが出来る。このことにより、食品の変
色を抑え、保存中の風味劣化も抑えられ、より高品質な
製品を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 二郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦グルテン酵素加水分解物中に含まれる
    アンモニアを除去することによる、褐変性の低減及び風
    味改善法。
  2. 【請求項2】小麦グルテン酵素加水分解物中のアンモニ
    ア含有量が窒素当たり0.003mol/g以下となる
    ようにアンモニアを除去することを特徴とする請求項1
    に記載の褐変性の低減及び風味改善法。
  3. 【請求項3】アンモニアを除去する方法が、小麦グルテ
    ン酵素加水分解物のpHを7.5〜13に調整後、減圧
    下で濃縮することを特徴とする請求項1に記載の褐変性
    低減及び風味改善法。
  4. 【請求項4】アンモニア含有量が小麦グルテン酵素加水
    分解物中の窒素当たり0.003mol/g以下である
    小麦グルテン酵素加水分解物。
JP3383299A 1999-02-12 1999-02-12 アンモニア除去による蛋白加水分解物の褐変性低減法 Pending JP2000228955A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013192530A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Kikkoman Corp 小麦グルテン酵素分解液

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