JP2000256475A - 難燃性繊維強化樹脂板 - Google Patents

難燃性繊維強化樹脂板

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JP2000256475A
JP2000256475A JP11064299A JP6429999A JP2000256475A JP 2000256475 A JP2000256475 A JP 2000256475A JP 11064299 A JP11064299 A JP 11064299A JP 6429999 A JP6429999 A JP 6429999A JP 2000256475 A JP2000256475 A JP 2000256475A
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pitches
acid catalyst
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JP11064299A
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Mitsunori Takeda
田 充 範 竹
Haruhiko Takeda
田 春 彦 武
Shin Hasegawa
慎 長谷川
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Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】繊維基材と、該繊維基材に含まれる繊維を
結合するマトリックスとを含み、前記マトリックスが、
(A)重質油類またはピッチ類およびホルムアルデヒド
化合物と、フェノール類とを酸触媒の存在下で重縮合し
て得られ、かつ水酸基当量が140以上の変性フェノー
ル樹脂または、(B)重質油類またはピッチ類およびホ
ルムアルデヒド化合物を酸触媒の存在下で重縮合して得
られた縮合多環芳香族樹脂と、(C)エポキシ樹脂とを
含むことを特徴とする難燃性繊維強化樹脂板。 【効果】 本発明によれば、マトリックス材料として水
酸基当量が140以上の変性フェノール樹脂(A)また
は縮合多環芳香族樹脂(B)を含んでいるため、耐熱性
および電気的特性に優れるだけでなく、引火し難く、か
つ燃焼する場合でもダイオキシン等に代表される有害な
ハロゲン化合物を発生することがない難燃性繊維強化樹
脂板を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐熱性および電気絶縁性
などに優れるだけでなく、高温に晒されても引火し難
く、かつ引火して燃焼する場合でもダイオキシン等に代
表される有害なハロゲン化合物を発生することがない難
燃性繊維強化樹脂板に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】フェノール樹脂を繊維基材に含浸
・硬化させてマトリックスとした繊維強化樹脂板、例え
ば繊維強化樹脂積層板は、従来より、電気絶縁材料等の
各種工業材料に用いられてきた。フェノール樹脂をマト
リックスとした繊維強化樹脂板は、フェノール樹脂を有
機溶媒に溶解してなるフェノール樹脂ワニスを、繊維基
材に含浸・乾燥させて、半硬化段階としてプリプレグを
調製し、このプリプレグを所定枚数積層した後、樹脂を
完全に硬化することで製造することができる。
【0003】従来、このような繊維強化樹脂板の製造に
用いられるフェノール樹脂は、例えば、フェノール、ア
ルキル置換フェノール等のフェノール類とホルムアルデ
ヒドとを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂
であった。しかし、このようなレゾール型フェノール樹
脂を用いた繊維強化樹脂板は、電気絶縁性が低く、かつ
耐熱性も不充分であるという欠点があった。
【0004】このような欠点を解決するために、各種の
変性フェノール樹脂をマトリックスとして用いた繊維強
化樹脂板が提案されている。このような変性フェノール
樹脂を含む繊維強化樹脂板としては、例えば、繊維強化
レゾール型油変性芳香族炭化水素−フェノール樹脂積層
板(特公昭51-16068号)、繊維強化油変性メシチレン−
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂積層板(特公昭53-
5707号)、および多量の水酸化マグネシウムを含み、か
つガラス繊維不織布を繊維基材としたガラス繊維強化フ
ェノール樹脂板(特開平2- 39928号)などを挙げること
ができる。
【0005】また、エポキシ樹脂は、成形収縮が小さ
く、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ
ており、繊維強化樹脂板のマトリックスとしての適用が
試みられている。しかしながら、エポキシ樹脂を単独に
使用した繊維強化樹脂積層板は、耐熱性、耐湿性、難燃
性および加熱時の強度を保持することが困難であり、実
用上様々な問題があった。
【0006】そこで、このような問題を解決するため
に、ノボラック型フェノール樹脂を含有する繊維強化エ
ポキシ樹脂積層板(特開平2- 73824号)、イミダゾール
を含有するガラス繊維強化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂積層板(特開昭64- 1755号)、ノボラック樹脂を含
むエポキシ樹脂およびビスフェノールスルホンを混合主
剤としたマトリックスを含む繊維強化樹脂積層板(特開
平63- 234014号)、およびノボラック樹脂を含むエピビ
ス型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂およびビスフェノールAを混合主剤としたマトリック
スを含む繊維強化樹脂積層板(特開昭63-37138号)など
が開発されている。
【0007】しかしながら、以上説明した変性フェノー
ル樹脂およびエポキシ樹脂をマトリックスとして用いた
従来の繊維強化樹脂板あるいは繊維強化樹脂積層板にお
いては、難燃性が不十分であり、樹脂組成物に難燃性を
付与するために難燃剤を添加するか、ハロゲン化エポキ
シ樹脂を用いる必要があった。従来、このような難燃剤
として、塩素化パラフィン、テトラブロモビスフェノー
ルAおよび2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニ
ル)プロパンなどのハロゲン系難燃剤、またはハロゲン
含有リン酸エステルなどのハロゲン含有リン系難燃剤を
単独で添加したり、あるいはハロゲン系難燃剤と三酸化
アンチモンなどの無機系難燃剤とを組み合わせて添加す
るか、または、ブロム化エポキシ樹脂を用いるのが一般
的であった。
【0008】しかしながら、これら従来の難燃剤を添加
した樹脂組成物から得た積層板は、難燃性は向上するも
のの、燃焼の際にダイオキシン等に代表される有害なハ
ロゲン化合物を発生するという問題がある他、物性的に
も耐熱性や、電気特性などの低下等様々な問題があっ
た。本発明者等は、このような従来技術の問題点を種々
検討した結果、繊維強化樹脂板のマトリックスとなる樹
脂組成物をエポキシ樹脂と特定値以上の水酸基当量を有
する変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹
脂(B)とで構成することにより、優れた耐熱性、電気
的特性などを維持したままで、この繊維強化樹脂板の難
燃性を著しく向上させることができ、したがって燃焼時
にハロゲン化合物を発生させるハロゲン系難燃剤を使用
する必要がなくなることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上述したような従来技術の問
題点を解決するために成されたものであり、耐熱性およ
び電気的特性などに優れるだけでなく、難燃性が高く、
かつ引火して燃焼する場合でもダイオキシン等に代表さ
れる有害なハロゲン化合物を発生することがない難燃性
繊維強化樹脂板を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る難燃性繊維強化樹脂板は、
繊維基材と、該繊維基材に含まれる繊維を結合するマト
リックスとを含み、前記マトリックスが、(A)重質油
類またはピッチ類およびホルムアルデヒド化合物と、フ
ェノール類とを酸触媒の存在下で重縮合して得られ、か
つ水酸基当量が140以上、好ましくは160以上、更
に好ましくは180以上、特に200以上の変性フェノ
ール樹脂と、(C)エポキシ樹脂とを含むことを特徴と
している。
【0011】また、本発明に係る難燃性繊維強化樹脂板
では、前記マトリックスが、(B)重質油類またはピッ
チ類およびホルムアルデヒド化合物を酸触媒の存在下で
重縮合して得られた縮合多環芳香族樹脂と、(C)エポ
キシ樹脂とを含んでいてもよい。
【0012】本発明では、前記難燃性繊維強化樹脂板
は、単層の繊維基材層を有する単板であってもよく、ま
た複数の繊維基材層を有する積層板であってもよい。ま
た、マトリックスを構成する樹脂組成物は、前記変性フ
ェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)
と、エポキシ樹脂(C)とを、10/90〜90/10
(重量部)の配合割合で含有することが好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明を更に具体的に説明
する。本発明に係る難燃性繊維強化樹脂板は、繊維基材
と、該繊維基材に含まれる繊維を結合するマトリックス
とを含み、前記マトリックスは、特定の水酸基当量値を
有する変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族
樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含む樹脂組成物
を硬化させて形成されている。
【0014】この変性フェノール樹脂(A)は、重質油
類またはピッチ類、ホルムアルデヒド化合物およびフェ
ノール類を酸触媒の存在下に重縮合することにより製造
される。なお、後述するように、本発明で用いられる変
性フェノール樹脂(A)は、種々の方法で製造すること
が可能である。また、縮合多環芳香族樹脂(B)は、重
質油類またはピッチ類と、ホルムアルデヒド化合物と
を、酸触媒の存在下に重縮合することにより製造され
る。
【0015】本発明における、変性フェノール樹脂
(A)は、140以上、好ましくは160以上、更に好
ましくは180以上、特に200以上の水酸基当量を有
している。変性フェノール樹脂(A)の水酸基当量が1
40未満であると、後述するようなこの樹脂の持つ優れ
た難燃性付与効果が十分に発揮されなくなる。
【0016】このような変性フェノール樹脂(A)また
は縮合多環芳香族樹脂(B)の製造において原料として
用いられる重質油類またはピッチ類としては、石油系お
よび石炭系の何れの原料油を用いてもよい。石油系重質
油類またはピッチ類としては、原油の蒸留残油、水添分
解残油、接触分解残油、接触改質残油、ナフサまたはL
PGの熱分解残油およびこれら残油の減圧蒸留物、溶剤
抽出によるエキストラクト或いは熱処理物、石油精製過
程における熱分解及び接触分解などの分解工程で得られ
る特定の留出油または残渣油およびナフサ等の接触改質
における残渣油およびこれら残油の減圧蒸留物などを例
示できる。石炭系重質油類またはピッチ類としては、石
炭乾留におけるコールタールを蒸留して得られる特定の
分留成分および石炭液化における重質油等を例示でき
る。
【0017】石油系重質油類またはピッチ類では、芳香
族炭化水素分率fa値および芳香環水素量Ha値の適当
なものを選んで使用することが好ましい。例えば、石油
系重質油類またはピッチ類は、0.40〜0.95、好
ましくは0.5〜0.8、さらに好ましくは0.55〜
0.75のfa値と、20〜80%好ましくは20〜6
0%、さらに好ましくは20〜50%のHa値とを有す
ることが望ましい。
【0018】なお、fa値およびHa値は、各々石油系
重質油類またはピッチ類の13C−NMR測定によるデー
タ、および 1H−NMRによるデータから、下記式に基
づいて算出される。
【0019】
【数1】 原料の石油系重質油類またはピッチ類のfa値が0.4
より小さくなると、芳香族分が少なくなるため、得られ
る変性フェノール樹脂(A)の性能の改質効果、特に耐
熱性、耐酸化性の改質効果が小さくなる傾向がある。
【0020】また、fa値が0.95より大きい石油系
重質油類またはピッチ類の場合には、芳香族炭素とホル
ムアルデヒドとの反応性が低くなる傾向がある。原料の
石油系重質油類またはピッチ類のHa値が20%より小
さくなると、ホルムアルデヒドと反応する芳香環水素分
が少なくなり、反応性が低下するため、フェノール樹脂
の性能の改質効果が低下する傾向がある。
【0021】Ha値が80%より大きい石油系重質油類
またはピッチ類を原料とした場合には、変性フェノール
樹脂(A)の強度が低くなる傾向を示す。このような石
油系重質油類またはピッチ類としては、石油精製過程に
おける熱分解、接触分解および接触改質などの分解また
は改質工程で得られる留出油および残渣油を用いること
が、原料の安定供給等の観点から、特に好ましい。
【0022】石油精製過程において、このような分解ま
たは改質工程に用いられる原料としては、例えばタール
サンド、或いは蒸留工程で得られる直留重質軽油、常圧
蒸留残渣油及び減圧蒸留残油等、および脱硫工程で得ら
れる脱硫減圧重質軽油及び脱硫重油等の残渣油、精製油
または中間精製油などを例示することができる。このよ
うな残渣油、精製油および中間精製油の内、通常、熱分
解ではタールサンド、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残
油などが用いられており、接触分解では直留重質軽油、
常圧蒸留残渣油、脱硫減圧重質軽油および脱硫重油など
が用いられており、接触改質では直留ナフサなどが用い
られている。
【0023】このような留出油および残渣油の製造に適
用される接触分解法、熱分解法および接触改質法は、所
望の上記物性を有する留出油および残渣油を得られれば
特に限定されるものではなく、従来より石油精製の分野
で適用されている如何なる方法であってもよい。したが
って例えば、接触分解法としては、移動床式接触分解
法、エアリフト・サーモフォア接触分解法、フードリフ
ロー接触分解法、流動床式接触分解(FCC) 法、UOP 接触
分解法、シェル接触分解法、エッソIV型接触分解法、オ
ルソフロー接触分解法などを挙げることができる。ま
た、熱分解法としては、ディレードコーキング法、フル
ードコーキング法、フレキシコーキング法、ビスブレー
ク法、ユリカ法、CHERY-P 法、ACTIV 法、KKI 法、コー
ク流動床式コーキング法およびACR 法などを挙げること
ができる。さらに、接触改質法としては、プラットフォ
ーミング法、パワーフォーミング法、キャットフォーミ
ング法、フードリフォーミング法、レニフォーミング
法、ハイドロフォーミング法およびハイパーフォミング
法などを挙げることができる。
【0024】分解または改質工程において、このような
方法で得られた接触分解物、熱分解物および接触改質物
は、様々な沸点を有するとともに、種々の化合物組成を
有する留分に別れるが、この内本発明で好適に用いられ
る留出油および残渣油は、上述の芳香族炭化水素分率f
a値および芳香環水素量Ha値を有するとともに、沸点
の下限値(留出開始温度)が170℃以上、好ましくは
180℃以上、更に好ましくは190℃以上である。
【0025】沸点の下限値(留出開始温度)が、170
℃未満の留出油を用いた場合、原料油中に含まれる縮合
多環芳香族成分の量が少なく、反応性が低下する。石炭
系原料として上述したコールタールの蒸留による分留成
分は、200℃を越える沸点、好ましくは200〜36
0℃の沸点を有する分留成分である。石炭乾留は、石炭
化学工業において必須の工程であり、石炭からガス、コ
ールタールおよびコークスなどを生産するために行なわ
れる。
【0026】このような石炭乾留で生産されたコールタ
ールは、その乾留方式によって、コークス炉タール、水
平式レトルトタール、直立式レトルトタール、発生炉タ
ールおよび水性ガスタールなどに分類できる。また、コ
ールタールは、その乾留温度の高低によって、高温ター
ル(900〜1200℃)および低温タール(450〜
700℃)に区分され、各々その組成および性状を異に
する。
【0027】本発明において、石炭系重質油類またはピ
ッチ類として用いられる分留成分は、上記沸点を有する
限り何れのコールタールを蒸留したものであってもよい
が、所望の蒸留成分の含有量が多いという観点から、特
にコークス炉タール等の高温タールが好適である。この
ようなコールタールを蒸留すると、様々な分留成分を得
ることができ、例えばコークス製造時に得られるコーク
ス炉タールを蒸留した場合、タール軽油(沸点約94〜
178℃)、カルボル軽油(石炭酸油:沸点約168〜
200℃)、ナフタリン油(中油)および吸収油(沸点
約202〜223℃)、重油(沸点約218〜314
℃)、アントラセン油(沸点約296〜360℃)およ
びピッチ(残渣:沸点約450℃以上)などが分留成分
として得られる。
【0028】この内、沸点が200℃を越える分留成分
は、ナフタリン油、吸収油、重油、アントラセン油およ
びピッチである。また、石炭系重質油類またはピッチ類
としては、上述の沸点を有するこのような分留成分を、
単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これら分留成分の混合物から特定成分を分離・回
収し、混合したものであってもよく、例えばナフタリン
油以上の沸点を有する留分の混合物で、ナフタリン、ア
ントラセン、タール酸類およびタール塩基などを分離・
回収して得られるクレオソート油を用いることもでき
る。
【0029】ただし、石炭系(コールタール系)の重質
油類またはピッチ類は、石油系のものと比較すると、一
般的にfaおよびHa値が大きいにもかかわらず、ホルムア
ルデヒド化合物との反応が進行することから、石炭系原
料油は、分子構造に基づくホルムアルデヒド化合物との
反応性に根本的違いがあると推測される。なお、沸点
が、200℃以下の分留成分を用いた場合、原料油中に
含まれる縮合多環芳香族成分の量が少なく、反応性が低
下する。
【0030】また、石炭液化は、石炭からガソリンなど
を製造するために行なわれ、石炭を500℃前後の高温
で高圧水素(200〜700気圧)と作用させ、石炭構
造開裂、脱酸素、脱イオウ、脱窒素および水素添加など
の諸反応によって低級炭化水素とする工程である。本発
明では、石炭系重質油類またはピッチ類として、このよ
うな石炭液化にともなって生産される重質油も用いるこ
とができ、この重質油は、単独で用いても、上述のコー
ルタール分留成分の一種以上と混合して用いてもよい。
【0031】石炭系重質油類またはピッチ類は、石炭化
学工業において一般的な工程で安定して生産される製品
であり、したがってこれを使用することで原料の安定な
低コストでの供給を図ることが可能となる。なお、石炭
系重質油類またはピッチ類は、これをそのまま用いても
よいが、フェノール類、カルボン酸類などの酸性化合
物、およびカルバゾール類、ピリジン類、アニリン類、
キノリン類などの塩基性化合物が含まれている可能性が
あり、これらを除去することが望ましい。
【0032】このような酸性化合物および塩基性化合物
の除去は、例えば硫酸、苛性ソーダによる抽出により行
なうことができる。以上説明した石油系および石炭系の
重質油類またはピッチ類は、これを構成する芳香族炭化
水素の縮合環数は特に限定されないが、2環以上の縮合
多環芳香族炭化水素で主に構成されることが好ましい。
重質油類またはピッチ類が、主に単環芳香族炭化水素で
ある場合には、ホルムアルデヒドとの反応性が低いた
め、得られたフェノール樹脂の改質効果が小さくなる傾
向がある。
【0033】また、これら重質油類またはピッチ類は、
これをそのまま重縮合反応に用いてもよいが、低反応性
のパラフィン留分、即ちノルマルパラフィン、イソパラ
フィンおよびシクロパラフィン等を含む炭素数15〜4
0の飽和炭化水素留分の除去処理を行なった後に使用し
てもよい。このようなパラフィン留分の除去処理は、例
えば、常法に従い、フルフラールを用い、80℃〜12
0℃で行うことができ、またカラムクロマトグラフィー
によっても行なうことができる。
【0034】このようなカラムクロマトグラフィーで用
いるカラムに充填する充填剤としては、例えば、活性ア
ルミナゲル、シリカゲルなどを挙げることができる。こ
れら充填剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、このようなクロマトグラフィーに
おいて使用される展開剤としては、n-ペンタン、n-ヘキ
サン、n-ヘプタン、n-オクタン等の炭素数5〜8の脂肪
族飽和炭化水素化合物、ジエチルエーテル等のエーテ
ル、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素、およびメチルアルコール、エチルアルコール等のア
ルコールなどを例示することができる。これら展開剤
は、適宜、2種以上を組み合わせて使用することが望ま
しい。
【0035】このようなパラフィン留分除去処理を行な
うことにより、変性フェノール樹脂(A)または縮合多
環芳香族樹脂(B)の性能の改質効果を向上させること
ができる他、重縮合反応後の反応混合物に含まれる未反
応成分の量を減少させ、精製処理を容易にすることが可
能である。なお、本発明では重質油類またはピッチ類に
加えて、芳香族炭化水素化合物を任意の重縮合成分原料
とすることができる。
【0036】本発明で重縮合反応に用いられる芳香族炭
化水素化合物とは、炭化水素基と芳香環のみからなる芳
香族炭化水素化合物であり、樹脂の耐吸湿性、接着性を
更に向上させる効果がある。このような芳香族炭化水素
化合物において、芳香環は、単環であっても縮合環であ
ってもよく、また同一または異なる2個以上の芳香環が
結合手または炭化水素結合基によって結合されていても
よい。
【0037】芳香環の置換基となる炭化水素基として
は、メチル基、エチル基などのアルキル基などを例示で
きる。このような芳香族炭化水素化合物としては、非縮
合芳香環を有する化合物、具体的には、トルエン、o-キ
シレン、m-キシレンおよびp-キシレンなどのアルキル基
置換ベンゼン化合物などを例示することができる。
【0038】本発明で用いられる変性フェノール樹脂
(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)の製造方法で
は、このような芳香族炭化水素化合物は、平均分子量か
ら算出した重質油類またはピッチ類1モルに対して、
0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モル、さらに好
ましくは0.5〜2モルとなる量で用いられることが望
ましい。
【0039】芳香族炭化水素化合物が、0.1モル未満
となる量で用いられた場合には、吸湿性および接着性に
おいて所望の改善効果が得られないことがある。一方、
芳香族炭化水素化合物の量が5モルを越える場合には、
耐熱性において所望の改善効果が得られない場合があ
る。本発明で用いられる変性フェノール樹脂(A)およ
び縮合多環芳香族樹脂(B)の製造に必須成分として用
いられるホルムアルデヒド化合物としては、ホルムアル
デヒドに加えて、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメ
チレン(特に、オリゴマー)などの線状重合物、トリオ
キサンなどの環状重合物を例示できる。
【0040】このようなホルムアルデヒド化合物は、架
橋剤として作用し、特にパラホルムアルデヒドおよびホ
ルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒド化合物
は、水等の適当な溶媒に溶解して用いてもよい。従っ
て、ホルムアルデヒドは、適当な濃度の水溶液として用
いてもよく、特にホルマリン(濃度35%以上)として
用いることが好ましい。
【0041】本発明で用いられる変性フェノール樹脂
(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)の製造方法で
は、このようなホルムアルデヒド化合物は、平均分子量
から算出した重質油類またはピッチ類1モルに対して、
ホルムアルデヒド換算値で、0.2モル以上、好ましく
は0.5モル以上であり、かつ9モル以下、好ましくは
7モル以下、さらに好ましくは6モル以下となる量で用
いられることが望ましい。
【0042】重質油類またはピッチ類1モルに対するホ
ルムアルデヒド化合物の量が0.2モル未満の場合に
は、樹脂の収率が低下し、得られる樹脂の性能が低下す
る傾向がある。一方、9モルより大きい場合には、得ら
れる縮合多環芳香族樹脂もしくは変性フェノール樹脂が
高分子化し、所望の粘度を得られないばかりでなく、甚
だしくは反応混合物が固化してしまうことがある。
【0043】本発明で用いられる変性フェノール樹脂
(A)の製造に必須の成分であるフェノール類として
は、ヒドロキシベンゼン化合物およびヒドロキシナフタ
レン化合物等を例示できる。ヒドロキシベンゼン化合物
としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、アリルフェノール,レゾルシン、ヒドロキノン、
カテコール、フェニルフェノール、ビニルフェノール、
ノニルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールFなどを挙げることができ
る。ヒドロキシナフタレン化合物としては、例えばα−
ナフトールおよびβ−ナフトール等のモノヒドロキシナ
フタレン化合物、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジ
ヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレンお
よび2,3-ジヒドロキシナフタレン、3,6-ジヒドロキシナ
フタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロ
キシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等
のジヒドロキシナフタレン化合物、及びアルキル基、芳
香族基等の置換基を有する上記モノ又はジヒドロキシナ
フタレン化合物、例えば2-メチル-1-ナフトール、4-フ
ェニル-1-ナフトール等を例示することができる。これ
らフェノール類は、単独で用いても、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0044】本発明で用いられる変性フェノール樹脂
(A)を製造する場合、このようなフェノール類は、平
均分子量から算出した重質油類またはピッチ類1モルに
対して下限は特に限定しないが、10モル以下、好まし
くは9モル以下、さらに好ましくは8モル以下となる量
で用いられることが望ましい。フェノール類の量が10
モルを越える場合には、フェノール樹脂の変性による改
質効果が小さくなる傾向がある。
【0045】本発明における重縮合反応では、反応触媒
として酸触媒が用いられている。このような酸触媒とし
ては、ブレンステッド酸もしくはルイス酸が使用できる
が、好ましくはブレンステッド酸が用いられる。ブレン
ステッド酸としては、シュウ酸、トルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸およびギ酸等の有機酸、塩酸および
硫酸等の無機酸、および酸性陽イオン交換樹脂等の固体
酸を挙げることができる。
【0046】このようなブレンステッド酸の内、有機酸
および無機酸としては、シュウ酸および硫酸が好まし
い。また、固体酸として使用される酸性陽イオン交換樹
脂は、三次元網目構造を有する基体樹脂に、陽イオン交
換基を共有結合させた樹脂である。基体樹脂としては、
ポリスチレン、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、
ポリ(メタ)アクリル酸およびポリアクリロニトリル等
を例示することができる。陽イオン交換基としては、ス
ルホン酸基などの強酸性基およびカルボキシル基などの
弱酸性基を挙げることができる。
【0047】酸触媒としての酸性陽イオン交換樹脂は、
通常粒度15〜50メッシュの球状体として用いること
が望ましい。このような酸性陽イオン交換樹脂として
は、具体的には、ダイヤイオン SKIB、PK21
6、SK104およびPK208(三菱化学社製:商品
名)、アンバーライト IR−120BおよびIR−1
12(オルガノ社製:商品名)、ダウエックス 50w
x 8、HCRおよびHGR(ダウケミカル社製:商品
名)、デュオライト C−20およびC−25(住友化
学社製:商品名)などの強酸性陽イオン交換樹脂、およ
びダイヤイオン WK10(三菱化学社製:商品名)、ア
ンバーライト IRc−50(オルガノ社製:商品
名)、デュオライト CS−101(住友化学社製:商
品名)などの弱酸性陽イオン交換樹脂を例示することが
できる。
【0048】このような固体酸を酸触媒として用いる
と、酸が反応混合物中に遊離状態で含有されることがな
いため、ろ過等の簡便な方法で重縮合反応生成物から固
体酸を除去することで、実質的に酸を含まない変性フェ
ノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)を得
られるという利点がある。また、酸触媒は、平均分子量
から算出した重質油類またはピッチ類1モルに対して、
0.01モル以上、好ましくは0.05モル以上、かつ
3モル以下、好ましくは2.5モル以下、更に好ましく
は2モル以下となる量で用いられる。なお、酸触媒とし
て酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合には、上記酸触媒
の量は、陽イオン交換基換算の量である。
【0049】本発明で用いられる縮合多環芳香族樹脂
(B)は、以上説明した重質油類またはピッチ類、ホル
ムアルデヒド化合物および酸触媒を加熱攪拌して重縮合
反応を行なうことで製造することができる。このような
重縮合反応は、より具体的には、以下の方法で行なうこ
とが可能である。
【0050】即ち、重質油類またはピッチ類(および任
意の芳香族炭化水素化合物)、ホルムアルデヒド化合物
および酸触媒とを、攪拌しながら特定の温度、例えば5
0〜140℃、好ましくは60〜120℃、更に好まし
くは80〜100℃の温度まで徐々に昇温し、30分間
〜8時間、好ましくは30分間〜6時間重縮合反応を行
なう。
【0051】縮合多環芳香族樹脂(B)の製造における
これら重縮合原料の反応は、溶媒を用いなくても行なう
ことができるが、適当な溶媒を用いて反応混合物(反応
系)の粘度を低下させ、均一な反応が起こるようにして
もよい。このような溶媒としては、例えば、ニトロベン
ゼンのようなニトロ化芳香族炭化水素;ニトロエタン、
ニトロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素;パー
クレン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン化脂
肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、パラキシレンのよ
うな芳香族炭化水素を挙げることができる。
【0052】本発明では、このような縮合多環芳香族樹
脂(B)に代えて、重質油類またはピッチ類およびホル
ムアルデヒド化合物と、上記フェノール類を重縮合原料
として用いた変性フェノール樹脂(A)を用いることが
できる。
【0053】本発明で用い得る変性フェノール樹脂
(A)は、特定量の重質油類またはピッチ類、ホルムア
ルデヒド化合物、フェノール類および酸触媒を予め混合
し、次いで得られた混合物を加熱撹拌して重縮合反応を
行なう(以下第一の製造方法と記す)か、或いは上記原
料および酸触媒を加熱撹拌する重縮合反応において、重
質油類またはピッチ類、酸触媒およびホルムアルデヒド
化合物の少なくとも何れかを逐次添加して重縮合反応を
行なう(以下第二〜六の製造方法と記す)方法で製造し
てもよい。
【0054】このような方法による第一の製造方法で
は、酸触媒は、平均分子量から算出した重質油類または
ピッチ類1モルに対して、0.01モル以上、好ましく
は0.05モル以上、かつ3モル以下、好ましくは2モ
ル以下となる量で用いられる。第二〜第六の製造方法で
は、酸触媒は、平均分子量から算出した重質油類または
ピッチ類1モルに対して、0.01モル以上、かつ3モ
ル以下、好ましくは2.5モル以下、更に好ましくは2
モル以下となる量で用いられることが望ましい。なお、
酸触媒として酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合には、
上記酸触媒の量は、陽イオン交換基換算の量である。
【0055】酸触媒の使用量が少ない場合には反応時間
が長くなる傾向があり、また、反応温度を高くしないと
反応が不充分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量
が多くなってもその割には反応速度が速くならず、コス
ト的に不利になることがある。このような特定量の重縮
合原料および酸触媒を用いる第一の製造方法では、以上
説明した特定量の原料および酸触媒を予め混合し、次い
で得られた混合物を加熱撹拌して重縮合反応を行なって
いる。
【0056】第一の製造方法において、重質油類または
ピッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物
の酸触媒存在下での重縮合反応は、原料組成および得ら
れる樹脂の性状等に合わせてその原料混合温度および混
合時間や、重縮合反応温度および反応時間等を制御され
る。このような重縮合反応は、例えば、以下の方法で行
なうことが可能である。
【0057】即ち先ず、上記特定量の重質油類またはピ
ッチ類、フェノール類、ホルムアルデヒド化合物および
酸触媒を、重縮合反応が進行しない温度、例えば50℃
以下、好ましくは40〜50℃の温度で撹拌して均一に
混合する。次いで、得られた混合物を、50〜200
℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましくは80〜
180℃の温度まで徐々に昇温し、15分間〜8時間、
好ましくは30分間〜6時間重縮合反応を行なう。
【0058】なお、重合原料の混合は、重縮合反応が進
行しない内に均一な混合物を得られればよく、たとえば
重縮合反応温度まで徐々に昇温する間に行なってもよ
い。本発明で用いられる変性フェノール樹脂(A)の第
二〜第六の製造方法では、以上説明した原料および酸触
媒を用いた重縮合反応において、重質油類またはピッチ
類、酸触媒およびホルムアルデヒド化合物の少なくとも
何れかを逐次添加している。
【0059】即ち、変性フェノール樹脂(A)の第二の
製造方法では、先ず、重質油類またはピッチ類と、フェ
ノール類とを混合して加熱撹拌し、次いでこの加熱撹拌
中の混合物にホルムアルデヒド化合物と酸触媒とを逐次
添加している。なお、この製造方法では、酸触媒と、ホ
ルムアルデヒド化合物の全量とを逐次添加してもよい。
また、加熱撹拌中の混合物にホルムアルデヒド化合物の
一部を混合する場合には、酸触媒とともに残余のホルム
アルデヒド化合物が逐次添加される。
【0060】変性フェノール樹脂(A)の第三の製造方
法では、先ず、重質油類またはピッチ類と、フェノール
類と、ホルムアルデヒド化合物とを混合して加熱撹拌
し、次いでこの加熱撹拌中の混合物に酸触媒のみを逐次
添加している。変性フェノール樹脂(A)の第四の製造
方法では、先ず、石油系重質油類またはピッチ類と、フ
ェノール類と、酸触媒とを混合して加熱撹拌し、次いで
この加熱撹拌中の混合物にホルムアルデヒド化合物のみ
を逐次添加している。
【0061】変性フェノール樹脂(A)の第五の製造方
法は、先ず、重質油類またはピッチ類と、酸触媒とを混
合して加熱攪拌し、次いでこの加熱攪拌中の混合物に、
フェノール類とホルムアルデヒド化合物とを逐次添加し
ている。そして、変性フェノール樹脂(A)の第六の製
造方法は、先ず、ホルムアルデヒド化合物と酸触媒とを
混合して加熱攪拌し、次いでこの加熱攪拌中の混合物
に、重質油類またはピッチ類とフェノール類とを逐次添
加している。
【0062】変性フェノール樹脂(A)の第二〜第六の
製造方法において、重質油類またはピッチ類、酸触媒お
よび/またはホルムアルデヒド化合物の逐次添加は、滴
下等の方法によって、10〜120分間、好ましくは2
0〜80分間で行なうことが望ましい。添加時間が10
分間未満の場合には、反応が急激に進行して発熱が激し
くなり、温度制御が困難となるため好ましくない。一
方、添加する速度が120分間を越える場合には、添加
に長時間を要し、反応時間が長くなる傾向がある。
【0063】なお、これら重縮合反応では、加熱撹拌中
の混合物への各成分の逐次添加は、その開始時期を特に
限定されず、加熱撹拌中の混合物が均一に混合されかつ
温度が安定した状態で開始すればよい。また、変性フェ
ノール樹脂(A)の第二の製造方法では、ホルムアルデ
ヒド化合物を酸触媒とともに逐次添加しているが、この
ホルムアルデヒド化合物の逐次添加は、酸触媒の逐次添
加と同期して開始および終了してもよく、この際、両者
を混合することが望ましい。また、ホルムアルデヒド化
合物の逐次添加は、酸触媒と別途行なってもよく、この
場合には、酸触媒の逐次添加と同期させても、例えば酸
触媒より先にずらせて開始してもよい。
【0064】このような順序で原料および酸触媒を添加
して行なう重質油類またはピッチ類、フェノール類およ
びホルムアルデヒド化合物の酸触媒の存在下での重縮合
反応は、原料組成、酸触媒の添加速度、得られる樹脂の
性状等に合わせてその反応温度および反応時間を制御さ
れる。変性フェノール樹脂(A)の第二〜第四の製造方
法において、このような重縮合反応は、例えば、以下の
方法で行なうことが可能である。
【0065】即ち先ず、重質油類またはピッチ類および
フェノール類と、所望によりホルムアルデヒド化合物の
少なくとも一部または酸触媒とを含む原料を、ホルムア
ルデヒド化合物および/または酸触媒の添加前に30〜
120℃、好ましくは40〜80℃の温度で加熱撹拌し
て均一に混合する。次いで、ホルムアルデヒド化合物お
よび/または酸触媒を、反応混合物の急激な温度上昇に
注意しながら逐次添加する。
【0066】そして、ホルムアルデヒド化合物および/
または酸触媒の添加終了後、反応混合物を50〜200
℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましくは80〜
180℃の温度に昇温し、15分間〜8時間、好ましく
は30分間〜6時間反応を行なう。第五、第六の製造方
法も同様の条件で実施可能である。第一〜第六の製造方
法では、このような重質油類またはピッチ類、ホルムア
ルデヒド化合物、およびフェノール類の重縮合反応は、
溶媒を用いなくても行なうことができるが、適当な溶媒
を用いて反応混合物(反応系)の粘度を低下させ、均一
な反応が起こるようにしてもよい。
【0067】このような溶媒としては、例えば、ニトロ
ベンゼンのようなニトロ化芳香族炭化水素;ニトロエタ
ン、ニトロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素;
パークレン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン
化脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0068】なお、以上説明した変性フェノール樹脂
(A)および縮合多環芳香族樹脂(B)の製造におい
て、上述の具体的条件は好ましい例示であり、原料組成
および得られる樹脂の性状等に合わせてその原料混合温
度および混合時間や、重縮合反応温度および反応時間等
を制御できる。また、反応温度および反応時間も、互い
に影響しあう条件であることは言うまでもない。
【0069】このようにして製造された変性フェノール
樹脂(A)および縮合多環芳香族樹脂(B)は、該樹脂
中に未反応成分や酸触媒などが残存する可能性があるの
で、適宜精製処理して、未反応成分、低分子成分、酸触
媒および反応溶媒等を除去した後、マトリックス材料と
して使用することが望ましい。反応混合物、即ち酸触
媒、未反応物、低分子成分および反応溶媒を含む粗製の
変性フェノール樹脂(A)および縮合多環芳香族樹脂
(B)の精製方法としては、例えば、(i)反応混合物
から未反応成分を除去する精製処理および(ii)前記反
応混合物から触媒残渣を除去する精製処理を挙げること
ができる。また、所望によりフェノール類を用いた場合
には、(iii)水蒸気蒸留、窒素ガスの吹込みおよび減
圧蒸留のいずれかで残留するフェノール類を除去する精
製処理を行っても良い。
【0070】精製処理(i)では、原料として用いられ
る重質油類またはピッチ類に含まれる成分の内、反応性
が低く、反応生成物中に未反応の状態、あるいは反応が
不充分な状態で残存する成分および反応時に適宜用いら
れた反応溶媒とが除去される。前述の精製処理(ii)で
は、反応混合物中に残存する酸触媒が除去され、実質的
に酸を含まない変性フェノール樹脂(A)および縮合多
環芳香族樹脂(B)が得られる。
【0071】さらに精製処理(iii)では、反応混合物
をそのまま、または精製処理(i)および/または精製
処理(ii)で未反応成分や酸触媒等を除去した後、水蒸
気蒸留、窒素の吹き込み、または減圧蒸留等を行なうこ
とによって、変性フェノール樹脂(A)中に残留する未
反応のフェノール類を除去する。なお精製処理(i)、
(ii)および(iii)としては、変性フェノール樹脂
(A)の精製方法として従来公知のいずれの方法を用い
てもよく、例えば特開平2−229823号公報、特公
平6−89092号公報、特開平7−2966号公報、
特開平8−247616号公報、特開平9−95597
号公報等に開示される変性フェノール樹脂(A)の精製
方法をそのまま、または必要に応じて適宜変更して適用
することが可能である。
【0072】このようにして得られた変性フェノール樹
脂(A)および縮合多環芳香族樹脂(B)は優れた難燃
性付与効果を示し、さらに変性フェノール樹脂(A)
は、繊維強化樹脂板の成形性の向上も期待できる。
【0073】上述した変性フェノール樹脂(A)および
縮合多環芳香族樹脂(B)の具体的な製造方法について
は、特願平10−35032、特願平10−22572
4、特開平4−145116、特開平7−252339
および特開平9−216927などにより詳細に記載さ
れている。
【0074】以上説明した本発明記載の水酸基当量を有
している変性フェノール樹脂(A)および縮合多環芳香
族樹脂(B)は、縮合多環芳香族の含有量が多く、燃焼
時に容易に炭化するようになる。したがって、これらの
樹脂を含むマトリックスでは、炎に晒されると、豊富な
炭素源により厚肉かつ安定した炭化被膜が形成され、こ
れによって外部熱からの熱伝導を有効に防止し、優れた
難燃性が付与されることとなる。
【0075】本発明で、変性フェノール樹脂(A)また
は縮合多環芳香族樹脂(B)とともにマトリックス材料
に用いられるエポキシ樹脂(C)は、成形収縮が小さ
く、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性、電気絶縁性に優れて
おり、必要に応じて硬化剤および/または硬化促進剤
(D)と組み合わせて用いられる。このようなエポキシ
樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型、グリシ
ジルエステル型、グリシジルアミン型、混合型および脂
環式型等のエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0076】さらに具体的には、グリシジルエーテル型
(フェノール系)としては、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂などが;グリシジルエー
テル型(アルコール系)としては、ポリプロピレングリ
コール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂などが;グリシジルエステル型としては、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポ
キシ樹脂などが;グリシジルアミン型としては、ジアミ
ノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型
エポキシ樹脂、ヒダントイン酸型エポキシ樹脂などが;
混合型としては、p-アミノフェノール型エポキシ樹脂、
p-オキシ安息香酸型エポキシ樹脂などが、また、ビフェ
ニル型エポキシ樹脂が挙げられる。上記エポキシ樹脂の
うち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂を2種以上組み合わ
せたものも用いることができる。
【0077】本発明でマトリックス材料として用いられ
る樹脂組成物において、変性フェノール樹脂(A)また
は縮合多環芳香族樹脂(B)とエポキシ樹脂(C)との
混合割合は特に制限されないが、縮合多環芳香族樹脂と
エポキシ樹脂の合計を100重量部として、10/90
〜90/10(重量部)であることが好ましく、より好
ましくは20/80〜80/20(重量部)である。
【0078】変性フェノール樹脂(A)または縮合多環
芳香族樹脂(B)の重量割合が10重量部未満では、得
られる繊維強化樹脂板の難燃性,耐熱性、耐湿性の向上
効果が十分でなく、90重量部を超えると、硬化が不十
分になり、積層板を成形することができない。また、マ
トリックス材料として用いられる樹脂組成物に含まれて
もよい硬化剤および/または硬化促進剤(D)として
は、エポキシ樹脂の硬化に用いられる種々の硬化剤およ
び硬化促進剤を用いることができる。この硬化剤として
は、例えば、環状アミン類、脂肪族アミン類、ポリアミ
ド類、芳香族ポリアミン類および酸無水物などを挙げる
ことができる。
【0079】具体的には、例えば、環状アミン類として
は、ヘキサメチレンテトラミンなど;脂肪族アミン類と
しては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジア
ミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタ
ン、メンタンジアミン等を挙げることができる。
【0080】ポリアミド類としては、植物油脂肪酸(ダ
イマー又はトリマー酸)、脂肪族ポリアミン縮合物等;
芳香族ポリアミン類としては、m-フェニレンジアミン、
4,4'- ジアミノジフェニルメタン、4,4'- ジアミノジフ
ェニルスルホン、m-キシリレンジアミン等を挙げること
ができる。
【0081】また、酸無水物類としては、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、
ドデシニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸
等を挙げることができる。
【0082】硬化促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン-7などのジアザビシクロアルケンお
よびその誘導体、トリエチレンジアミン、ベンジルジメ
チルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエ
タノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
等の三級アミン類、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4
-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フ
ェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダ
ゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、
メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
などの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニウ
ム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾ
ール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・
テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン
塩、三フッ化ホウ素−アミン錯体等のルイス酸、ジシア
ンジアミド、アジピン酸ジヒドラジドなどのルイス塩
基、その他ポリメルカプタン、ポリサルファイドなどを
挙げることができる。これら硬化剤および硬化促進剤
は、単独で用いても、2種以上を組合せて用いてもよ
い。
【0083】本発明で用いられる樹脂組成物は、上記変
性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂
(B)、エポキシ樹脂(C)、および必要に応じて用い
る硬化剤および/または硬化促進剤(D)に加えて、さ
らに添加剤を含んでいてもよく、このような添加剤とし
ては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調製
剤、難燃剤、充填剤および顔料などを挙げることができ
る。また、この樹脂組成物は、本発明の本質を損なわな
い範囲で、他の熱硬化性樹脂および難燃剤を含んでいて
もよい。
【0084】本発明に係る繊維強化樹脂板は、以上説明
した樹脂組成物からなるマトリックスと、これによって
結合される繊維基材とを有している。本発明で用いられ
る繊維基材としては、シート状あるいはテープ状等の繊
維質構造体であれば特に限定されず、繊維強化樹脂板に
要求される特性に応じて適宜選択される。このような繊
維基材は、無機あるいは有機繊維からなる布、不織布あ
るいは紙などであってよく、具体的には、炭素繊維クロ
ス、ガラスクロス、等の無機繊維布;炭素繊維不織布、
ガラス繊維不織布等の無機繊維不織布;あるいはクラフ
ト紙、リンター紙等の紙などを例示することができる。
【0085】また、繊維強化樹脂板に厳しい電気絶縁性
が要求される場合には、ガラスクロスまたはガラス繊維
不織布が好ましく、特にガラスクロスが好ましい。本発
明に係る繊維強化樹脂板は、これら繊維基材が単層であ
る単板であってもよく、2層以上、通常は5層〜30層
程度である積層板であってもよい。また、本発明に係る
繊維強化樹脂板は、片面または両面に銅、ニッケル、ア
ルミニウムおよびクロムなどの金属箔層が形成されてい
てもよい。このような構成とすることにより、電気・電
子材料に好適な繊維強化樹脂板を得ることができる。
【0086】以上説明した本発明に係る繊維強化樹脂板
は、基本的に先の特願平5-217900号記載の方法によって
も製造することができる。また、本発明に係る繊維強化
樹脂板は、上述した繊維基材と、該繊維基材に含浸され
かつ半硬化状態となった上記樹脂組成物とからなるプリ
プレグを用いて製造することができる。
【0087】以下、このような繊維強化樹脂板の製造方
法を説明する。本発明に係る繊維強化樹脂板の製造方法
では、変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族
樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)と、任意成分である
硬化剤および/または硬化促進剤(D)等の添加剤とを
含む上記樹脂組成物を有機溶媒に溶解したワニスを調製
し、このワニスと上記繊維基材とからプリプレグを調製
し、次いで所望により複数積層したプリプレグから前記
繊維強化樹脂板を製造している。
【0088】ワニスの調製において、樹脂組成物を溶解
する有機溶媒は、使用する樹脂成分、変性フェノール樹
脂(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)と、エポキシ
樹脂(C)との両方を所望の濃度および濃度比で溶解可
能であれば特に限定されず、単一溶媒であっても、混合
溶媒であってもよい。例えば、有機溶媒は、変性フェノ
ール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)と、エ
ポキシ樹脂(C)の両方に対して良溶媒である有機溶媒
から構成されていてもよく、変性フェノール樹脂(A)
または縮合多環芳香族樹脂(B)の良溶媒と、エポキシ
樹脂(C)の良溶媒との混合溶媒で構成されていてもよ
い。
【0089】変性フェノール樹脂(A)または縮合多環
芳香族樹脂(B)の良有機溶媒としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジ
メチルホルムアミドなどのアミド類、クロルベンゼンな
どのハロゲン化芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノー
ルなどのアルコール類、エチルセロソルブなどのグリコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル
類、クロロホルム、塩化メチレンおよびパークレン、あ
るいはこれらの混合物等を挙げることができる。これら
変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂
(B)用溶媒の内、芳香族炭化水素類、アミド類、ケト
ン類およびハロゲン化芳香族炭化水素類およびアルコー
ル類が好ましく、これらは単独で用いても一種以上を混
合して用いてもよい。
【0090】一方、エポキシ樹脂(C)の良有機溶媒と
しては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタ
ノールなどのアルコール類およびトルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、あるいはこれらの混合物を挙げ
ることができる。これらの有機溶媒を用い、変性フェノ
ール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)、エポ
キシ樹脂(C)、および任意成分である硬化剤および/
または硬化促進剤(D)を溶解してワニスを調製する場
合、そのワニス濃度、溶解順序および溶解条件等は、有
機溶媒の種類、樹脂の種類、要求されるワニスの粘度等
に応じて適宜選択される。
【0091】例えば、ワニスは、変性フェノール樹脂
(A)または縮合多環芳香族樹脂(B)を有機溶媒に溶
解した変性フェノール樹脂(A)ワニスまたは縮合多環
芳香族樹脂(B)ワニスと、エポキシ樹脂を有機溶媒に
溶解したエポキシ樹脂(C)ワニスとを調製し、これら
ワニスを適当な割合で混合することにより調製すること
ができる。
【0092】変性フェノール樹脂(A)ワニスまたは縮
合多環芳香族樹脂(B)ワニスは、さらに具体的には、
変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香族樹脂
(B)を、常温または加温下、10〜70%溶液となる
ような割合で有機溶媒に加え、10分〜1時間程度攪拌
した後、必要に応じて濾過等で不溶成分を除去し、さら
に必要に応じて適宜濃縮して調製される。また、エポキ
シ樹脂ワニスも同様の方法で製造することができる。
【0093】ワニスは、変性フェノール樹脂(A)ワニ
スまたは縮合多環芳香族樹脂(B)ワニスにエポキシ樹
脂(C)を直接加えても製造することができ、また逆に
エポキシ樹脂(C)ワニスに変性フェノール樹脂(A)
または縮合多環芳香族樹脂(B)を直接加えてもよい。
また、ワニスは、変性フェノール樹脂(A)または縮合
多環芳香族樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)を別々
に、あるいは混合して一緒に有機溶媒に投入して製造す
ることも可能である。
【0094】硬化剤および/または硬化促進剤は、エポ
キシ樹脂(C)ワニスの製造時、あるいは変性フェノー
ル樹脂(A)ワニスまたは縮合多環芳香族樹脂(C)ワ
ニスとエポキシ樹脂ワニスの混合時等いずれの段階で添
加してもよい。このようなワニスを、上述した繊維基材
に含浸させた後に乾燥させ、有機溶媒を蒸発させて樹脂
組成物を半硬化状態にしてプリプレグを調製している。
【0095】ワニスの繊維基材への含浸量は、特に制限
されないが、通常乾燥後のプリプレグの全重量に対し
て、乾燥後の含浸樹脂量が1〜60重量%、好ましくは
20〜55重量%となる範囲であることが望ましい。ま
た、プリプレグの乾燥方法は、特に制限されず、従来公
知の方法から適宜選択すればよい。
【0096】このようにして得られたプリプレグを、所
望により複数枚、例えば5〜30枚程度積層して成形
し、樹脂組成物を完全に硬化させて繊維強化樹脂(積
層)板を製造する。また、片面または両面に金属箔を有
する繊維強化樹脂板を製造する場合には、所望により複
数重ねられたプリプレグ積層体の片面または両面に銅、
ニッケル、アルミニウム、クロム等の金属箔を重ねて成
形すればよい。
【0097】この工程で適用される成形方法は、プリプ
レグに含まれる半硬化状態の樹脂組成物が均一に硬化さ
れ、複数枚積層された場合にはこれらが均一に接着・一
体化させることができれば特に制限されず、例えば、加
圧成形法を適用することができる。加圧成形法では、繊
維強化樹脂板は、例えば、所望により複数重ねられたプ
リプレグを、温度150〜300℃、好ましくは150
〜250℃、圧力10〜200kgf/cm2 、好まし
くは10〜150kgf/cm2 の条件で、10分〜3
時間程度加圧加熱して製造される。
【0098】また、成形された繊維強化樹脂板は、15
0〜300℃の温度で、数時間〜数十時間加熱すること
により、ポストキュアを行なうことが望ましい。ポスト
キュアを施すことにより、繊維強化樹脂板の耐熱性、寸
法安定性等をさらに向上させることができる。
【0099】
【実施例】以下において、特に断らないかぎり、全て重
量基準であるものとする。なお、反応原料として使用す
る原料油の性状を表1に示す。この原料油は、減圧軽油
の流動接触分解(FCC)工程で得た塔底油である。
【0100】
【表1】 また、以下において、150℃粘度および水酸基当量の
測定、難燃性の評価は以下の方法で行った。 <150℃粘度>ICI社製、ICIコーンプレート粘度計を
用いて行った <水酸基当量>塩化アセチル化法により測定した。
【0101】<難燃性評価>UL94に準拠して行っ
た。
【0102】
【製造例1】原料油100gとフェノール101g、パ
ラホルムアルデヒド17.4g及びシュウ酸1.2gを
2リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜350
rpmの速度で攪拌させながら20分間かけて100℃ま
で昇温し、さらに同温度で100分間保持して反応を続
けて反応生成物を得た。
【0103】上記反応生成物を静置して95℃まで温度
を低下させ、上層に分離した未反応原料油をデカンテー
ションにより除去して粗変性フェノール樹脂を得た。次
に、この粗変性フェノール樹脂をフェノールの留出がな
くなるまで減圧蒸留した後、さらに温度を190℃に上
昇させてシュウ酸を熱分解除去すると共に、窒素を吹き
込むことにより完全に未反応フェノールを除去した。
【0104】得られた樹脂にヘビーナフサ100mlを
加え、100℃で30分間環流攪拌し、樹脂中に残存す
る未反応油を抽出した後、デカンテーションにより未反
応原料油を含むヘビーナフサを除去した。上記のヘビー
ナフサを用いた一連の未反応油除去操作を同条件でさら
に3回行った。その後、窒素雰囲気下で温度160℃ま
で昇温し、同温度で1時間保持して残存ヘビーナフサを
除去して81.7gの変性フェノール樹脂を得た。
【0105】得られた変性フェノール樹脂の水酸基当量
及び150℃粘度を測定し、その結果を反応条件ととも
に表2に示した。
【0106】
【製造例2】71gのフェノール、4.8gのパラホル
ムアルデヒド及び0.53gのシュウ酸を用いた以外は
実施例1と同様な操作を行い、18.6gの変性フェノ
ール樹脂を得た。得られた変性フェノール樹脂の水酸基
当量及び150℃粘度を測定し、その結果を反応条件と
ともに表2に示した。
【0107】
【表2】
【0108】
【実施例1】製造例1の変性フェノール樹脂粉末44g
にメチルエチルケトン29gを加えて溶解させ樹脂濃度
が60重量%の変性フェノール樹脂ワニスを作製した。
一方、メチルエチルケトン20gにビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ
(株)製)56g、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル0.6gを加えて溶解させた後、上記変性フェノール
樹脂ワニスと混合した。
【0109】次に、上記混合ワニスをガラスクロス(ユ
ニチカユーエムグラス(株)製、201クロスのアミノ
シラン処理品)に含浸させ、次いで乾燥し、さらに12
5℃で8分間加熱処理することより、含浸した樹脂分が
一部硬化したプリプレグを得た。得られたプリプレグ8
枚を交互に重ねて175℃、70kg/cm2で90分間加熱
成形し、樹脂分45重量%のエポキシ樹脂を含有する難
燃性繊維強化樹脂板を得た。
【0110】得られた樹脂板を切り出し、難燃性評価
(UL94準拠)を行った。その結果を以下表3に示
す。
【0111】
【実施例2】製造例2の変性フェノール樹脂粉末53g
にメチルエチルケトン35gを加えて溶解させて樹脂濃
度が60重量%の変性フェノール樹脂ワニスを作製し
た。一方、メチルエチルケトン20gにビスフェノール
A型エポキシ樹脂47g、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール0.6gを加えて溶解させた後、上記変性フェ
ノール樹脂ワニスを混合した。
【0112】次いで、上記混合ワニスを用い、実施例1
と同様にして樹脂分45重量%のエポキシ樹脂を含有す
る難燃性繊維強化樹脂板を得た。得られた樹脂板を切り
出し、難燃性評価(UL94準拠)を行った。その結果
を以下表3に示す。
【0113】
【比較例1】フェノールノボラック樹脂(バーカム T
D−2131 大日本インキ工業(株)製)36gにメ
チルエチルケトン24gを加え、フェノールノボラック
樹脂ワニス60gを作製した。一方、メチルエチルケト
ン20gにビスフェノールA型エポキシ樹脂64g、2
−エチル−4−メチルイミダゾール0.3gを加えて溶
解させた後、上記フェノールノボラック樹脂ワニスを混
合した。
【0114】次いで、上記混合ワニスを用い実施例1と
同様にして樹脂分45重量%のエポキシ樹脂を含有する
繊維強化樹脂板を得た。得られた樹脂板を切り出し、難
燃性評価(UL94準拠)を行った。その結果を以下表
3に示す。
【0115】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/42 101 B32B 27/42 101 C08G 65/40 C08G 65/40 C08K 5/01 C08K 5/01 C08L 61/10 C08L 61/10 (72)発明者 長谷川 慎 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA04 AA07 AB03 AB09 AB10 AD14 AD17 AD18 AD23 AD25 AD26 AD28 AD30 AE02 AG03 AH02 AH21 AJ04 AK05 AK14 4F100 AG00A AK33A AK33K AK53A AK80A AK80K AL06A BA01 DG11A DG12A DH01A DH02A GB41 JA20A JG04 JJ07 JL00 YY00A 4J002 CC03W CC12W CC27W CD01X CD02X CD03X CD05X CD06X CD10X CD13X CD14X CE00W DA016 DL006 FA046 FD016 FD150 GF00 GQ01 4J005 AA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維基材と、該繊維基材に含まれる繊維を
    結合するマトリックスとを含み、 前記マトリックスが、(A)重質油類またはピッチ類、
    ホルムアルデヒド化合物およびフェノール類を酸触媒の
    存在下で重縮合して得られ、かつ水酸基当量が140以
    上の変性フェノール樹脂と、(C)エポキシ樹脂とを含
    むことを特徴とする難燃性繊維強化樹脂板。
  2. 【請求項2】繊維基材と、該繊維基材に含まれる繊維を
    結合するマトリックスとを含み、 前記マトリックスが、(B)重質油類またはピッチ類お
    よびホルムアルデヒド化合物を酸触媒の存在下で重縮合
    して得られた縮合多環芳香族樹脂と、(C)エポキシ樹
    脂とを含むことを特徴とする難燃性繊維強化樹脂板。
  3. 【請求項3】前記繊維強化樹脂板が、複数の繊維基材層
    を有する積層板であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の難燃性繊維強化樹脂板。
  4. 【請求項4】前記マトリックスを構成する樹脂組成物
    が、前記変性フェノール樹脂(A)または縮合多環芳香
    族樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを、10/90
    〜90/10(重量部)の配合割合で含有することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の難燃性
    繊維強化樹脂板。
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