JP2000263572A - 熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JP2000263572A
JP2000263572A JP2000000340A JP2000000340A JP2000263572A JP 2000263572 A JP2000263572 A JP 2000263572A JP 2000000340 A JP2000000340 A JP 2000000340A JP 2000000340 A JP2000000340 A JP 2000000340A JP 2000263572 A JP2000263572 A JP 2000263572A
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sheet
thermoplastic resin
roll
resin sheet
cooling medium
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JP2000000340A
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English (en)
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Jun Sakamoto
純 坂本
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高品質な熱可塑性樹脂シートを生産性良く製造
すること。 【解決手段】溶融した熱可塑性樹脂シートを帯電したロ
ールと冷却媒体で挟み込みながらキャスティングし、製
膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性、特に高速
キャスト性に優れ、かつ品質にも優れた熱可塑性樹脂か
らなるシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱可塑性樹脂シートの製造方法
は、例えば特公昭37−6142号公報に示されるよう
に、口金から溶融押し出ししたシートを該樹脂のガラス
転移温度未満に保たれた冷却媒体上に静電気を印加しな
がら密着させて急冷し、表面が平滑であり、非晶質のキ
ャストシートを得、さらに必要に応じて引き続き一軸延
伸または二軸延伸する方法が取られている。
【0003】一方、カレンダー成形方法と呼ばれるシー
ト製造方法では、溶融した樹脂をロール間で挟み込みな
がらバンクと呼ばれる樹脂溜まりを形成させ、ロール間
隙間からシートを成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法では、次のような欠点が存在した。すなわち、
溶融した熱可塑性樹脂シートを冷却ドラムに密着急冷し
て、結晶性の低い、透明で表面平滑なシートを得る最高
速度は、静電印加法、真空吸引法、プレス法などの高速
キャストに有効なあらゆる手段を用いても、空気の噛み
込みを防止出来ないために、40〜60m/分程度より
速くすることが出来ず、生産性の悪いものとならざるを
得なかった。また、カレンダー成形方法もバンクが安定
して形成できないポリエチレンテレフタレート樹脂など
の場合、キャスティング速度が30m/分以上とするこ
とが難しく、生産性が不良であった。
【0005】すなわち、本発明の目的は、上記従来技術
の欠点を解消し、生産性・品質ともに優れた熱可塑性樹
脂シートを得ることのできる製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題に鑑み、鋭意検討した結果、口金から押し出された
熱可塑性樹脂シートを直流電位差の存在するロールおよ
び冷却媒体間で挟み込みながらキャスティングすること
で前記問題が解決できることを見出し本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂シートの
製造方法は、熱可塑性樹脂を溶融後、口金から溶融シー
トを吐出させ、該シートを冷却媒体上に密着冷却固化さ
せてキャストシートを製造するに際し、該溶融シートを
帯電ロールと冷却媒体で挟み込みながら冷却させること
を特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法である。
【0008】さらに、かかる本発明方法において、特に
好ましくは、溶融熱可塑性樹脂シートが接地する直前の
冷却媒体上の表面温度が該熱可塑性樹脂のガラス転移点
Tg以上かつ融点Tm以下である熱可塑性樹脂シートの
製造方法である。
【0009】また、さらに好ましくは、これらの本発明
方法において、キャストシートを延伸および/または熱
処理することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方
法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
形態を説明する。
【0011】本発明は、溶融した熱可塑性樹脂シートを
帯電させたロールと冷却媒体で挟み込みながらキャステ
ィングするものであり、そのようなキャスティングによ
り、該シートを冷却させるという熱可塑性樹脂シートの
製造方法である。
【0012】かかる本発明の方法によれば、シートに電
荷を直接与えることで冷却媒体へ効率よく密着させるこ
とができ、従来の静電印加キャスト方法よりも密着性が
良く、さらに、ロールと冷却媒体で挟み込むことで従来
の高速キャスト方法で問題となっていたシートと冷却媒
体間の空気巻き込みを抑制することができ、具体的には
キャストスピードが80〜300m/分にも達する高速
キャストが実現できるものである。
【0013】さらに、本発明の方法によれば、ロール間
で成形するカレンダー成形法のように、バンク形成の問
題もない。
【0014】本発明は、熱可塑性樹脂シートの製造方法
であるが、本発明における熱可塑性樹脂とは、加熱によ
って流動性を示す樹脂であり、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ビニ
ルポリマー、およびそれらの混合体・変性体などから選
ばれた樹脂が代表的であり、本発明の場合、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂などが好ましく、特にポリエス
テル樹脂であることが好ましい。
【0015】ポリエステルとは、分子主鎖中にエステル
結合を有する高分子化合物であり、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレートおよびこれらの共重合体を挙げるこ
とができ、中でもポリエチレンテレフタレートとポリエ
チレンナフタレートおよびこれらの共重合体が好まし
く、特にポリエチレンテレフタレートおよびその共重合
体を好ましく用いることができる。これらの高分子化合
物の繰替し単位は80以上が好ましく、より好ましくは
120以上あるのがよい。固有粘度としては、オルトク
ロルフェノール(OCP)中での測定値として0.4
(dl/g)以上であることが好ましく、より好ましく
は0.55(dl/g)以上である。
【0016】これらの、ポリエステル樹脂には、各種の
添加剤、例えばすべり材、安定剤、酸化防止剤、粘度調
整剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、液晶ポリエステルな
どの樹脂を併用することができる。
【0017】また、ポリアミド樹脂とは、主鎖中にアミ
ド結合を有する高分子化合物であり、代表的なものとし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナ
イロン12、ナイロン11、ナイロン7、ポリメタ/パ
ラキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタ
ラミド/イソフタラミド、およびそれらの関連共重合
体、混合体などから選ばれたポリアミド化合物である。
さらにポリフェニレンスルフィド樹脂としては、分岐構
造を実質的に含まない直鎖状の化合物がよい。
【0018】本発明における熱可塑性樹脂シートの製造
方法は、先にも述べたが、溶融した熱可塑性樹脂を口金
から押し出した後、該溶融熱可塑性シートを帯電させた
ロールと冷却媒体で挟み込みながらキャスティングする
製造方法である。ロールを帯電させるにはロール自身に
直流電圧を印加すればよく、冷却媒体は、アース(接
地)させればよい。ロールに印加する電圧は100V〜
10KVが好ましく、直流正電圧または負電圧をロール
に印加する。また、溶融シートに流れる電流値を制限す
るために、アースと冷却媒体間に電気抵抗を挿入するこ
ともできる。
【0019】本発明では、帯電ロールと冷却媒体の間に
存在する電位差によってシートへ電荷を与え、冷却媒体
へ密着させているが、熱可塑性樹脂の溶融時の電気特性
によってはロールへ溶融シートが引き寄せられて表面が
あれることがある。これを防止するには、ロールへ溶融
シートが接する前にロールと同極の電荷をあらかじめシ
ートへ与えることが好ましい。電荷の与え方は、例えば
口金とロールの間にワイヤーをシート幅方向に張り、該
ワイヤーへロールと同極の電圧を印加すること等であ
る。このための電極は特に限定はされないが、ここで述
べたワイヤー状電極やテープ状電極を好ましく用いるこ
とができる。さらに、これらの電極は、溶融シートをは
さんでロールと反対面に設置することが好ましい。
【0020】本発明の製造方法では、シートへ電圧を直
接かけることに特徴があるが、これによれば樹脂溶融時
の電気抵抗が大きい場合に特に有効に働く。そのため、
例えば電気コンデンサー用ポリエステルシートの製造や
過冷却押出キャストに、特に有効である。電気コンデン
サー用シートでは、絶縁性を向上させるためにシートの
体積固有抵抗値が大きく、従来の静電印加キャスト法で
は高速キャストが困難であった。一方、過冷却押出と
は、いったん、樹脂の融点Tm以上で溶融させた後に該
融点Tm以下、該溶融結晶化温度Tmc以上に冷却す
る、いわゆる過冷却状態で押出を行うことである。
【0021】このような過冷却状態での押出は、該樹脂
の熱分解・ゲル化を減少させる効果があるばかりか、低
分子量オリゴマーの生成も少なくなるために、ドラム汚
れも少なくなりキャストしやすくなるという効果もあ
る。その一方で、溶融樹脂の体積固有抵抗値は高くなる
ため通常の静電印加キャスト法では高速キャスト化が難
しいが、本発明の方法ではこれに対応することが可能で
ある。
【0022】本発明の製造方法で使用されるロールは、
少なくともその表面の一部が導電性であることが必要で
ある。ロールとしては金属ロールを用いることが一番簡
単であるが、ゴムロールやセラミックロール、テフロン
ロールなどの表面上に導電性加工を施したものであって
もかまわない。ロールはシートに直接触れるため、その
表面は平滑であることが好ましく、例えば、表面粗度と
して1S以下が好ましく、より好ましくは0.5S以下
である。また、ロールは溶融したシートに触れるため、
その表面温度が上昇する。このためロール内部やロール
表面を冷却し、シートとの粘着を防止することが好まし
い。ロールの冷却は絶縁性の冷媒を用いることが必要で
あり、シリコーンオイルなどの絶縁油や冷空気、代替フ
ロンなどから適宜選択できる。
【0023】このときのロール表面温度は、熱可塑性樹
脂のガラス転移点Tg未満であることが好ましい。さら
に、ロールには駆動装置を設置し、キャスティングドラ
ムの速度に追随させることが表面性の良好なシートを得
る上で好ましい。
【0024】一方、本発明の製造方法における冷却媒体
は、溶融したシートを冷却し、非結晶性シートを得るた
めに必要である。
【0025】その形態としてはドラム状が好ましく、そ
の内部には冷却水などを循環させ、ドラム表面温度を一
定に保つことが好ましい。ドラム表面は金属であること
が好ましく、例えばハードクロムメッキを施した、表面
粗度が0.5S以下の表面を有するものが好ましい。
【0026】本発明の製造方法によれば、ロールと冷却
媒体間に電位差が存在するので、放電などに注意を払う
必要があり、特に少なくともロール表面の導電性部分が
キャストシート幅よりも10ミリ以上狭い必要がある。
また、キャストシートの後処理(例えば延伸処理など)
によってはシートエッジ部分をシート中央部よりも厚く
成形する必要もあり、この場合にはロールの面長自体を
キャストシート幅よりも狭くすればよい。ただし、この
場合にはフィルムエッジがドラムなどの冷却媒体に密着
しにくいため、フィルムエッジ部分を別の方法で密着さ
せることが好ましい。例えば、エッジ部分にのみ選択的
に静電気を印加する方法やエッジ部分に圧空を吹き付け
て押さえつける方法、エッジ部分があたるドラム面にの
み水などを塗布する方法等を用いることができる。
【0027】本発明によれば、ロールへ直流電圧を印加
するが、これらの絶縁処理としては、回転軸にセラミッ
ク軸受けを用いたり、回転軸にセラミックスリーブを被
せたり、軸受け台座に絶縁材を挿入する方法があり、さ
らに冷媒を循環させる場合には、ナイロン樹脂などから
なる絶縁性配管による接続など、装置により適宜の絶縁
方法を取り入れることができる。
【0028】さて、本発明の方法によれば、溶融熱可塑
性樹脂シートを帯電したロールと冷却媒体間で挟み込み
ながらキャストすればよいが、溶融熱可塑性樹脂シート
を鉛直方向(重力方向)へ押し出せば溶融シートの膜振
動などが抑制され、安定したキャストを行うことができ
て好ましい。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法で
は、これまで述べてきた方法に加え、溶融熱可塑性樹脂
シートが接地する直前の冷却媒体の表面温度を該樹脂の
ガラス転移点Tg以上、融点Tm以下に保つことで、よ
りキャスティング速度を高めることができる。冷却媒体
の表面温度をガラス転移点Tg以上とすることによって
キャストシートと冷却媒体との間に強力な粘着力が発生
し、これらの密着力が向上するためである。さらに、溶
融熱可塑性樹脂シートが剥離する部分での冷却媒体表面
温度は、該樹脂のガラス転移点温度Tg未満であること
が好ましく、キャストシートの結晶化が抑制され、後に
続く延伸が良好に行える。さらに剥離点における粘着力
を低下させることができるため剥離が容易になり、シー
ト表面に剥離跡などが残らず表面が平滑になる。
【0030】このように、溶融熱可塑性樹脂シートが接
地するところの冷却媒体の表面温度をガラス転移点Tg
以上にし、剥離直前の冷却媒体の表面温度をガラス転移
点Tg未満にするには、固化したシートが冷却媒体から
剥離してから次の溶融体が接するまでの時間帯に、外部
から強力な近赤外、赤外、遠赤外などの輻射熱源にて冷
却媒体表面を加熱し、しかも冷却媒体内部には該樹脂の
ガラス転移点Tg未満の冷却媒体、例えば水を循環させ
ておくことにより達成できる。
【0031】冷却媒体としては、通常はドラムを用いる
ことが多いが、ベルトなどの他の形態でもよい。
【0032】また、冷却媒体内を通水する熱媒温度は、
熱可塑性樹脂のガラス転移点Tgより少し低温ではある
が、従来から使用されてきた温度よりも少し高温にして
おくことにより溶融シートが接するときの表面温度がガ
ラス転移点Tg以上に設定できるので好ましい。シート
端部はシート中央部に比較してシート厚みが厚いが、本
発明の方法のように密着力が強くなるキャスト方法で
は、シート端部が冷却不足で結晶化するようなことはな
いのである。特に、結晶化速度の遅いPETやPENの
様な樹脂では、該樹脂溶融体の接地直前の媒体の表面温
度が熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上にするとと
ともに、かつ剥離直前の媒体の表面温度をガラス転移温
度Tg未満にすることにより、幅方向全面に均一なキャ
ストが可能になるのである。
【0033】本発明の方法によってキャストされたシー
トは、必要に応じて、さらに延伸および/または熱処理
を施すことができる。延伸は縦一軸延伸、横一軸延伸、
逐次二軸延伸、同時二軸延伸など、各種方法によって行
うことができ、通常は、二軸延伸することによって機械
的バランスのとれたシートを得ることができる。延伸
は、周速度の異なるロール間で行う方法やクリップによ
ってシートを把持し、該クリップ間隔を変更するテンタ
ー方式で行うことができる。延伸倍率は、特に限定され
ないが、一方向へ2〜8倍延伸することが好ましく、さ
らには3〜6倍程度が好ましい。なお、延伸はTg以上
の温度で行えばよい。熱処理は延伸後、必要に応じて所
定の温度で行えばよく、必要なシート特性によって適宜
条件を設定すればよい。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法に
よれば、品質の高いシートを高速キャストによって生産
性良く製造することができるのである。
【0035】次に、本発明における熱可塑性樹脂シート
の製造方法を、ポリエチレンテレフタレートシートの製
造の場合を例として、より具体的に示す。
【0036】原料としてポリエチレンテレフタレート樹
脂または必要に応じて他の化合物を添加ブレンドした原
料、例えば、液晶ポリマーや他のポリエステル樹脂、さ
らに酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸
化チタン、酸化アルミニウム、架橋ポリエステル、架橋
ポリスチレン、マイカ、タルク、カオリンなどの無機化
合物、エチレンビスステアリルアミド、イオン性高分子
化合物アイオノマー等の有機化合物等を添加した原料、
いったん溶融させた原料、さらには、本発明のシートの
回収原料などを混合した原料などを準備し、これを乾燥
・脱水した後、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出
機、タンデム押出機などの溶融押出機に供給し、分子
量、例えば、固有粘度[η]を極力低下させないように
窒素気流下、あるいは真空下で溶融押出する。
【0037】溶融温度は、該ポリエステル樹脂の融点T
m以上であることが普通であるが、いったん、該樹脂の
融点Tm以上で溶融させた後に該融点Tm以下、該溶融
結晶化温度Tmc以上に冷却する、いわゆる過冷却状態
で押出を行うこともできる。このような過冷却状態での
押出は、該樹脂の熱分解・ゲル化を減少させる効果があ
るばかりか、低分子量オリゴマーの生成も少なくなるた
めに、ドラム汚れも少なくなりキャストしやすくなると
いう効果もある。なお、原料中の異物を除去するため
に、溶融樹脂を適宜のフィルター、例えば、焼結金属、
多孔性セラミック、サンド、金網等で濾過しながら押出
ことが好ましい。
【0038】口金とキャストドラムの位置関係は、特に
限定はされないが、溶融樹脂シートが鉛直方向へ押し出
されるように調整することが安定したキャスティングに
は好ましい。さらに、該口金から溶融シートを押出すと
きのドラフト比(=口金リップ間隔/押出されたシート
厚み)は、好ましくは3以上、より好ましくは7〜20
範囲とすることにより、厚みむらの小さい、平面性の良
いシートが得られやすい。
【0039】かくして溶融されたポリエステル樹脂を口
金から押し出すのであるが、溶融シートを100V〜1
0KVの電圧をかけたロールとキャスティングドラムで
挟み込むようにキャスティングし、冷却媒体のドラムに
密着させて急冷してキャストする。さらに好ましくは、
このとき、該溶融体の接地直前のドラムの表面温度を、
ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg以上、融点Tm以
下にするととともに、剥離直前のドラムの表面温度をポ
リエステル樹脂のガラス転移点Tg未満にすることによ
り、安定した、強力な密着力を有したキャストを、高速
下で行うことができる。
【0040】かくして得られたキャストシートは、必要
に応じて延伸処理を行うが、例えば、逐次二軸延伸法で
あれば、キャストシートをまず予熱ロールによってTg
以上に加熱し、周速度の異なるロールによって長手方向
へ2〜8倍延伸し、冷却ロールによってシートを冷却す
るのがよい。次いで、長手方向へ延伸されたシートはテ
ンター式横延伸機に導かれ、シート両端をクリップによ
って把持し熱風によってシートをTg以上に加熱する。
両端クリップの幅を広げることでシートを横方向へ2〜
8倍延伸し、さらに必要に応じて熱風によってシートを
熱処理する。
【0041】図1は、本発明の熱可塑性樹脂シートの製
造方法を実施するに好適な装置の一例を示した側面概略
図であり、図2は、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造
方法を実施するに好適な装置の一例を示した平面概略図
である。
【0042】これら図において、1は口金、2は帯電ロ
ール、3はエアシリンダー、4は高圧電源、5は帯電ロ
ール用高圧電源、6はキャスティングドラム、7はキャ
ストシート、8はワイヤ電極、9は絶縁性プーリー、1
0は帯電ロール駆動用モータ、11は絶縁性ゴムベルト
である。
【0043】例えば、これら図に示された装置により本
発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法を好適に実施する
ことができる。
【0044】
【物性の測定法】次に、本発明で使用した測定法につい
て以下に述べる。 1.ポリエステル樹脂の固有粘度[η] 25゜Cで、o−クロルフェノールを溶媒として次式よ
り求めた。
【0045】[η]=lm[ηsp/c] 比粘度ηspは、相対粘度ηr から1を引いたものであ
る。cは、濃度である。単位はdl/gで表わす。 2.キャスト密着性 キャストドラム上で空気などを噛み込んだり垂れ下がっ
たり、その他何らかのキャスト欠点の見えない場合を
○、何らかの欠点が肉眼で見える場合を×とした。 3.キャスト表面性 キャストされたシート表面10m2 以上に光を当て、そ
の反射光を肉眼で見てクレーターなどの表面凹凸の有無
で判定する。判定基準は次のとおり。
【0046】 全く表面に凹凸が見あたらない・・・○ 表面に凹凸があるが、深さが0.1μm未満と浅く、延
伸によって消失する・・・△ 全面に凹凸が見られる・・・× 4.キャスト剥離性 キャストドラムからの剥離のしやすさであり、判定基準
は次のとおりである。
【0047】 キャストから自然に剥離するもの・・・○ 剥離できるが、剥離力が100g/cm以上のもの・・
・△ 剥離が困難な場合・・・× 5.ポリエステルの熱特性 セイコー電子工業製DSC RDC220型を用い、ポ
リエステルを20mg秤量し、窒素ガス雰囲気下20℃
/分の速度で昇温して300℃になった時点でクエンチ
し、再度20℃/分の速度で300℃まで昇温しながら
ガラス転移点Tg、結晶化発熱ピーク温度Tcc、融点
Tmを測定した。300℃に到達したのちさらに20℃
/分の速度で降温させ、結晶化発熱ピーク温度Tmcを
測定した。
【0048】
【実施例】実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。
【0049】実施例1 熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)(固有粘度[η]=0.62、Tgは70℃、冷結
晶化温度Tccは120℃、融点Tmは265℃、Tm
cは215℃)を用い、これに添加剤として平均粒径
0.5μmの合成炭酸カルシウム粒子を0.1wt添加
した。PET樹脂の含水率が20ppm以下になるよう
に乾燥した後、シリンダー径が250mmの溶融押出機
に供給して285℃で溶融した後に10μmカットの繊
維燒結金属フィルターを通過させて濾過した後、Tダイ
口金に導入し、溶融体をシート状に押出した。鉛直方向
(重力の方向)に押し出した溶融シートは、直径200
ミリ、面長800ミリ、表面がハードクロムメッキされ
た表面粗度0.1Sのロールと直径1.5mの表面がハ
ードクロムメッキされた表面粗度0.1Sのキャスティ
ングドラムで挟み込みながら、該ドラムおよびロール表
面速度を120m/分としてキャスティングした。この
とき、ロールには電圧3KVの直流正電圧を印加し、さ
らに、ドラムはアースに接地した。なお、ドラムには冷
却水を通水し、ドラム表面温度を25℃とし、絶縁処理
されたロールには、温度コントロールされたシリコーン
オイルを循環し、その表面温度を25℃にコントロール
した。さらにフィルムエッジ部分には、針状電極から直
流正電圧を8KV印加してエッジ部分を密着させた。こ
のようにしてキャスティングした結果、キャスト密着
性、キャスト剥離性が良好であり、さらに得られたシー
トの表面性も良好であった。
【0050】かくして得られたキャストシートは250
μm、幅850ミリであり、厚みむらの小さい、平面性
の優れた、表面欠点のない、非晶性のシートであった。
続いて、該押出シートをロール式長手方向多段延伸機で
延伸温度98℃で5倍延伸し、Tg以下に冷却し、続い
て該長手方向延伸シートの両端をクリップで把持しなが
らテンタに導き、延伸温度100℃に加熱された熱風雰
囲気中で幅方向に4.3倍延伸後、220℃で定長熱固
定、および150℃で幅方向に3%のリラックス熱固定
し、厚さ12μmの二軸配向ポリエステルシートを、破
れることなく安定な状態で約600m/分という高速で
巻取り製膜した。
【0051】かくして得られたシートは表面欠点が全く
ない平面性の優れたシートであった。結果を表1に示
す。 比較例1 ロールに印加する電圧を0とする以外は実施例1と全く
同様にしてシートを製膜した。キャスト密着性および表
面性は不良であり、シート幅も変動が大きく、横延伸工
程でクリップはずれが頻発した。さらに延伸されたシー
ト表面には凹凸が存在し、品質・生産性ともに劣ってい
た。結果を表1に示す。実施例2、3ロールに印加する
電圧を変化させる以外は実施例1と全く同様にしてシー
トを製膜した。いずれの場合にも品質・生産性ともに優
れていた。結果を表1に示す。 実施例4 実施例1の製膜装置に加え、アースされたキャスティン
グドラムを加熱できる出力60KWの近赤外線ヒーター
をキャスティングドラムのシート剥離部分から接地部分
の間に設置した。キャスティングドラムには50℃に保
たれた温水を循環し、さらに近赤外線ヒーターによって
ドラム表面を加熱した。このようにして25℃に保たれ
たロールには0.1KVの正電圧を印加し、実施例1と
同様にキャスティングした。このとき、シートが接地す
る直前のドラム表面温度は90℃であり、シートが剥離
する部分でのドラム表面温度は50℃であった。このよ
うにしてキャスティングした結果、品質・生産性ともに
優れたシート製膜を行うことができた。結果を表1に示
す。 比較例2 実施例4におけるキャスティングドラム通水温度を90
℃とし、さらに近赤外線ヒーターの出力をあげ、シート
が接地する直前のドラム表面温度を120℃、シートが
剥離する部分でのドラム表面温度を90℃とした。この
ようにしてキャスティングした結果、キャスティングド
ラムからシートを剥離することが困難となり、品質・生
産性ともに劣ったシート製膜となった。結果を表1に示
す。 実施例5 実施例1におけるロールに3KVの負電圧を印加した。
このようにして実施例1と同様にキャスティングを行
い、シートを製膜した。その結果、品質・生産性共に優
れたシート製膜であった。結果を表1に示す。 実施例6、7 実施例2、3において、溶融熱可塑性樹脂シートをはさ
んでロールと反対側に直径0.2ミリのタングステン線
をシート幅方向に張り(ロールが溶融シートに触れるよ
りも口金側)、該ワイヤーへ2KVの正電圧を印加し
た。結果を表1に示す。 実施例8 実施例7と同様の条件でキャスティングを行い、パンタ
グラフ式同時二軸延伸装置により、延伸温度95℃で縦
方向に4.5倍、横方向に4倍同時二軸延伸を行った。
延伸後、220℃で定長熱固定を行い、厚さ14μmの
二軸延伸ポリエステルシートを得た。結果を表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】溶融した熱可塑性樹脂シートを帯電した
ロールと冷却媒体で挟み込みながらキャスティングする
ことでキャスティング速度が高速化でき、高品質なシー
トを生産性良く製造することができる。このようにして
製造されたシートは、工業材料、磁気材料、包装材料と
して好ましく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方
法を実施するに好適な装置の一例を示した側面概略図で
ある。
【図2】図2は、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方
法を実施するに好適な装置の一例を示した平面概略図で
ある。
【符号の説明】
1:口金 2:帯電ロール 3:エアシリンダー 4:高圧電源 5:帯電ロール用高圧電源 6:キャスティングドラム 7:キャストシート 8:ワイヤ電極 9:絶縁性プーリー 10:帯電ロール駆動用モータ 11:絶縁性ゴムベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/00 301 C08J 7/00 301 // B29K 101:12 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA46 AA83 AA84 AA86 AA88 AB21 AE17 BB06 BB08 BC01 4F073 AA10 BA23 BA24 BB01 GA07 HA12 4F205 AA24 AG01 AM29 AR06 GA07 GB02 GC02 GF24 GN18 GN19 GN24 GN29 GW05 GW21 4F207 AA24 AG01 AM29 AR06 KA01 KF01 KK66 KM16 KW21 4F210 AA24 AG01 AM29 AR06 QA03 QC01 QG01 QG18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を溶融後、口金から溶融シー
    トを吐出させ、該シートを冷却媒体上に密着冷却固化さ
    せてキャストシートを製造するに際し、該溶融シートを
    帯電ロールと冷却媒体で挟み込みながら冷却させること
    を特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】溶融熱可塑性樹脂シートがロールへ接触す
    る前に、該溶融熱可塑性樹脂シート表面へ該ロールと同
    極の電荷を印加することを特徴とする、請求項1に記載
    の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】溶融熱可塑性樹脂シートがロールへ接触す
    る前に、ワイヤー状電極またはテープ状電極によって該
    溶融熱可塑性樹脂シートへロールと同極の電荷を印加す
    ることを特徴とする、請求項2に記載の熱可塑性樹脂シ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】溶融熱可塑性樹脂シートが接地する直前の
    冷却媒体上の表面温度が、該熱可塑性樹脂のガラス転移
    点Tg以上かつ融点Tm以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  5. 【請求項5】冷却媒体上で密着冷却固化された熱可塑性
    樹脂キャストシートが冷却媒体上から剥離される際、剥
    離点における冷却媒体の表面温度が熱可塑性樹脂のガラ
    ス転移点Tg以下であることを特徴とする請求項4に記
    載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  6. 【請求項6】溶融熱可塑性樹脂シートに接触する直前の
    ロール表面温度が、熱可塑性樹脂のガラス転移点Tg未
    満であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれ
    かに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  7. 【請求項7】口金から押し出された溶融熱可塑性樹脂シ
    ートの温度が、該熱可塑性樹脂の融点Tm以下かつ溶融
    結晶化温度Tmc以上であることを特徴とする、請求項
    1〜請求項6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの
    製造方法。
  8. 【請求項8】口金から溶融熱可塑性樹脂シートを鉛直方
    向へ押し出し、ロールと冷却媒体で挟み込みながらキャ
    ストシートを製造することを特徴とする、請求項1に記
    載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  9. 【請求項9】ロール表面の通電部分の幅がキャストシー
    ト幅よりも10ミリ以上短いことを特徴とする請求項1
    に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂がポリエステル組成物であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂シ
    ートの製造方法。
  11. 【請求項11】キャストシートを延伸および/または熱
    処理することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
    記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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KR101521650B1 (ko) * 2007-07-30 2015-05-19 후지필름 가부시키가이샤 투명 폴리머 필름의 제조 방법과 그 방법에 의해 제조되는투명 폴리머 필름, 위상차 필름, 편광판, 및 액정 표시장치

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