JP2000287681A - α−L−ラムノシダーゼおよびその製造方法 - Google Patents
α−L−ラムノシダーゼおよびその製造方法Info
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- JP2000287681A JP2000287681A JP9958699A JP9958699A JP2000287681A JP 2000287681 A JP2000287681 A JP 2000287681A JP 9958699 A JP9958699 A JP 9958699A JP 9958699 A JP9958699 A JP 9958699A JP 2000287681 A JP2000287681 A JP 2000287681A
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- rhamnosidase
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- enzyme
- nitrophenyl
- rhamnopyranoside
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 高濃度のグルコースおよびエタノール存在下
においても活性低下の少ない、グルコース耐性およびエ
タノール耐性を備えたα−L−ラムノシダーゼおよびそ
の製造方法の提供。 【解決手段】 ピシア属に属する微生物が生産する、以
下の理化学的性質を有するα−L−ラムノシダーゼ:
(1)作用:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノピラ
ノシドを基質として作用させた場合、p−ニトロフェノ
ールを遊離する。(2)pH安定性:30℃にて30分
間保持した場合、pH5.0〜7.0で安定した酵素活
性を示す。(3)至適温度:p−ニトロフェニル−α−
L−ラムノピラノシドを基質としてpH6.5で30℃
で10分間反応させたときの至適温度は約40℃であ
る。(4)エタノール耐性:20容量%エタノール中に
おいて67%の相対活性を示す。
においても活性低下の少ない、グルコース耐性およびエ
タノール耐性を備えたα−L−ラムノシダーゼおよびそ
の製造方法の提供。 【解決手段】 ピシア属に属する微生物が生産する、以
下の理化学的性質を有するα−L−ラムノシダーゼ:
(1)作用:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノピラ
ノシドを基質として作用させた場合、p−ニトロフェノ
ールを遊離する。(2)pH安定性:30℃にて30分
間保持した場合、pH5.0〜7.0で安定した酵素活
性を示す。(3)至適温度:p−ニトロフェニル−α−
L−ラムノピラノシドを基質としてpH6.5で30℃
で10分間反応させたときの至適温度は約40℃であ
る。(4)エタノール耐性:20容量%エタノール中に
おいて67%の相対活性を示す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なα−L−ラム
ノシダーゼ、その製造方法およびその酵素を生産する微
生物に関する。
ノシダーゼ、その製造方法およびその酵素を生産する微
生物に関する。
【0002】
【従来の技術】ブドウに含まれる、リナロール(lin
alool)、ゲラニオール(geraniol)、ネ
ロール(nerol)、シトロネロール(citron
elol)、α−テルピネオール(terpineo
l)等のモノテルペン類は、ブドウやワインの香りに大
きく寄与している。これらのモノテルペン類は、芳香性
の遊離体としても含まれているが、その多くは、芳香性
を有しない配糖体として存在している。
alool)、ゲラニオール(geraniol)、ネ
ロール(nerol)、シトロネロール(citron
elol)、α−テルピネオール(terpineo
l)等のモノテルペン類は、ブドウやワインの香りに大
きく寄与している。これらのモノテルペン類は、芳香性
の遊離体としても含まれているが、その多くは、芳香性
を有しない配糖体として存在している。
【0003】これらの配糖体の多くは、6−O−α−L
−アラビノフラノシル−β−D−グルコピラノシド(6
−O−α−L−arabinofuranosyl−β
−D−glucopyranosides)、6−O−
α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシド
(6−O−α−L−rhamnopyranosyl−
β−D−glucopyranosides)、6−O
−β−D−アピオフラノシル−β−D−グルコピラノシ
ド(6−O−β−D−apiofuranosyl−β
−D−glucopyranosides)といったジ
グリコシド類であることが知られている。
−アラビノフラノシル−β−D−グルコピラノシド(6
−O−α−L−arabinofuranosyl−β
−D−glucopyranosides)、6−O−
α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシド
(6−O−α−L−rhamnopyranosyl−
β−D−glucopyranosides)、6−O
−β−D−アピオフラノシル−β−D−グルコピラノシ
ド(6−O−β−D−apiofuranosyl−β
−D−glucopyranosides)といったジ
グリコシド類であることが知られている。
【0004】これらのジグリコシド類を酵素的に加水分
解反応すると、芳香性のモノテルペン類が遊離してく
る。この加水分解反応は二段階で行われる。すなわち、
まず、L−ラムノシダーゼ(α−L−rhamnosi
dase)、α−L−アラビノフラノシダーゼ(α−L
−arabinofuranosidase)、β−ア
ピオシダーゼ(β−apiosidase)などにより
グリコシド結合が切断され、それぞれ対応するモノテル
ペニル−β−D−グルコシド(monoterpeny
l−β−D−glucosides)を生じる。次い
で、このモノテルペニル−β−D−グルコシドにβ−D
−グルコシダーゼ(β−D−glucosidase)
が作用する。第一段階の反応を触媒する加水分解酵素の
うち、α−L−ラムノシダーゼは、α−L−ラムノース
(L−rhamnose)を含むポリサッカライドの非
還元末端のα−L−ラムノピラノシド残基を加水分解す
る酵素である。従って、α−L−ラムノシダーゼを、β
−D−グルコシダーゼなどと共に使用することにより、
ワイン醸造において芳香成分を増加させて、ワインの品
質を向上させることができる。
解反応すると、芳香性のモノテルペン類が遊離してく
る。この加水分解反応は二段階で行われる。すなわち、
まず、L−ラムノシダーゼ(α−L−rhamnosi
dase)、α−L−アラビノフラノシダーゼ(α−L
−arabinofuranosidase)、β−ア
ピオシダーゼ(β−apiosidase)などにより
グリコシド結合が切断され、それぞれ対応するモノテル
ペニル−β−D−グルコシド(monoterpeny
l−β−D−glucosides)を生じる。次い
で、このモノテルペニル−β−D−グルコシドにβ−D
−グルコシダーゼ(β−D−glucosidase)
が作用する。第一段階の反応を触媒する加水分解酵素の
うち、α−L−ラムノシダーゼは、α−L−ラムノース
(L−rhamnose)を含むポリサッカライドの非
還元末端のα−L−ラムノピラノシド残基を加水分解す
る酵素である。従って、α−L−ラムノシダーゼを、β
−D−グルコシダーゼなどと共に使用することにより、
ワイン醸造において芳香成分を増加させて、ワインの品
質を向上させることができる。
【0005】しかしながら、ワイン醸造にこれらの酵素
を利用するにあたっては、多くの克服すべき問題があ
る。一つには、グルコースあるいはエタノールの存在下
でも酵素活性を有することが必要であることである。ま
た、一つには、バクテリア由来の酵素の場合、好まれざ
るバクテリア臭があること、カビ由来の菌体外分泌型の
粗酵素では、他の触媒活性のために、好まれざる副反応
が起こるという問題がある。これらバクテリアやカビ由
来のα−L−ラムノシダーゼについては報告があるが、
一方、酵母由来のものについての報告はない。厳密に言
えば、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharo
myces cerevisiae)由来のものが報告
されているが、その主たる触媒活性はβ−D−グルコシ
ダーゼであって、わずかにα−L−ラムノシダーゼ活性
も有するというものにすぎない。
を利用するにあたっては、多くの克服すべき問題があ
る。一つには、グルコースあるいはエタノールの存在下
でも酵素活性を有することが必要であることである。ま
た、一つには、バクテリア由来の酵素の場合、好まれざ
るバクテリア臭があること、カビ由来の菌体外分泌型の
粗酵素では、他の触媒活性のために、好まれざる副反応
が起こるという問題がある。これらバクテリアやカビ由
来のα−L−ラムノシダーゼについては報告があるが、
一方、酵母由来のものについての報告はない。厳密に言
えば、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharo
myces cerevisiae)由来のものが報告
されているが、その主たる触媒活性はβ−D−グルコシ
ダーゼであって、わずかにα−L−ラムノシダーゼ活性
も有するというものにすぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ワイン醸造に利用できる特性を備えた新規なα−L
−ラムノシダーゼ、その製造方法およびその酵素を生産
する微生物を提供することにある。
は、ワイン醸造に利用できる特性を備えた新規なα−L
−ラムノシダーゼ、その製造方法およびその酵素を生産
する微生物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ワイン醸
造に利用できる特性を備えたα−L−ラムノシダーゼを
産生し得る微生物を求め、特に今まで報告例の少ない酵
母を中心に探索を行なった結果、ピシア(Pichi
a)属に属する一菌株が新規なα−L−ラムノシダーゼ
を生産することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、各種の分離源から単離した多くの微生物を
L−ラムノースを唯一の炭素源とする培地で培養後、菌
体を破砕し遠心上清画分について、後述する測定法でα
−L−ラムノシダーゼ活性を測定し、目的とする微生物
を選択したものである。
造に利用できる特性を備えたα−L−ラムノシダーゼを
産生し得る微生物を求め、特に今まで報告例の少ない酵
母を中心に探索を行なった結果、ピシア(Pichi
a)属に属する一菌株が新規なα−L−ラムノシダーゼ
を生産することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、各種の分離源から単離した多くの微生物を
L−ラムノースを唯一の炭素源とする培地で培養後、菌
体を破砕し遠心上清画分について、後述する測定法でα
−L−ラムノシダーゼ活性を測定し、目的とする微生物
を選択したものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、下記の性質を
有することを特徴とするα−L−ラムノシダーゼが提供
される。 (1)作用:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノピラ
ノシドを基質として作用させた場合、p−ニトロフェノ
ールを遊離する。 (2)至適pH:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質として30℃で10分間反応させたと
きの至適pHは5.0〜7.0付近にある。 (3)pH安定性:30℃にて30分間保持した場合、
pH5.0〜7.0で安定した酵素活性を示す。 (4)至適温度:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質としてpH6.5で30℃で10分間
反応させたときの至適温度は約40℃である。 (5)熱安定性:pH6.5にて30分間保持したと
き、20℃まで安定した酵素活性を示し、それを超える
と次第に失活する。
有することを特徴とするα−L−ラムノシダーゼが提供
される。 (1)作用:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノピラ
ノシドを基質として作用させた場合、p−ニトロフェノ
ールを遊離する。 (2)至適pH:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質として30℃で10分間反応させたと
きの至適pHは5.0〜7.0付近にある。 (3)pH安定性:30℃にて30分間保持した場合、
pH5.0〜7.0で安定した酵素活性を示す。 (4)至適温度:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質としてpH6.5で30℃で10分間
反応させたときの至適温度は約40℃である。 (5)熱安定性:pH6.5にて30分間保持したと
き、20℃まで安定した酵素活性を示し、それを超える
と次第に失活する。
【0009】(6)阻害剤:p−クロロ安息香酸水銀、
塩化第二水銀、塩化第二銅により阻害を受け、エチレン
ジアミン四酢酸、メルカプトエタノールでは殆ど阻害さ
れない。 (7)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法により測定した分子量は約88,000ダルトンで
ある。 (8)等電点:等電点電気泳動法による等電点はpI
4.9である。 (9)グルコース耐性:500mMグルコース中におい
て76%の相対活性を示す。 (10)エタノール耐性:20容量%エタノール中にお
いて67%の相対活性を示す。
塩化第二水銀、塩化第二銅により阻害を受け、エチレン
ジアミン四酢酸、メルカプトエタノールでは殆ど阻害さ
れない。 (7)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法により測定した分子量は約88,000ダルトンで
ある。 (8)等電点:等電点電気泳動法による等電点はpI
4.9である。 (9)グルコース耐性:500mMグルコース中におい
て76%の相対活性を示す。 (10)エタノール耐性:20容量%エタノール中にお
いて67%の相対活性を示す。
【0010】また本発明のα−L−ラムノシダーゼの製
造方法は、ピシア(Phicia)属に属し、α−L−
ラムノシダーゼを生産する微生物を培養し、得られた培
養液からα−L−ラムノシダーゼを取得する方法であ
る。
造方法は、ピシア(Phicia)属に属し、α−L−
ラムノシダーゼを生産する微生物を培養し、得られた培
養液からα−L−ラムノシダーゼを取得する方法であ
る。
【0011】本発明のα−L−ラムノシダーゼを生産す
る分離菌株の性質について以下に示す。 A.形態的性質 1)乳白色のコロニーを形成する。 2)出芽により無性増殖を行う。 3)グルコース麦芽培地で1ないし4個の山高帽形の子
嚢胞子を形成する。
る分離菌株の性質について以下に示す。 A.形態的性質 1)乳白色のコロニーを形成する。 2)出芽により無性増殖を行う。 3)グルコース麦芽培地で1ないし4個の山高帽形の子
嚢胞子を形成する。
【0012】 B.生理的性質 1)発酵性 グルコース + ガラクトース − マルトース − スクロース − トレハロース + メリビオース − ラクトース − 2)資化性 グルコース + ラクトース − ガラクトース − ラフィノース − ソルボース − リビトール + リボース + マンニトール + キシロース + イノシトール − ラムノース + メタノール + スクロース + エタノール + マルトース + 硝酸塩 + メリビオース − (+:資化する, −:資化しない)
【0013】以上の菌学的性質をもとに BARNETT & PAY
NE YARROW YEASTS:Characteristicsand identification
(Second edition)で検索し、この菌株をピシア・アン
グスタ(Pichia angusta)に同定した。
また、上述の新規なα−L−ラムノシダーゼを生産する
点から、新規菌株であると判断した。従って本菌株をピ
シア・アングスタ(Pichia angusta)X
349と命名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に
寄託した。寄託番号はFERM P−17211であ
る。なお、本発明に用いる微生物は、前記ピシア・アン
グスタ(Pichia angusta)X349の
他、Pichia属に属する微生物で本発明のα−L−
ラムノシダーゼを生産する菌株であれば差し支えない。
NE YARROW YEASTS:Characteristicsand identification
(Second edition)で検索し、この菌株をピシア・アン
グスタ(Pichia angusta)に同定した。
また、上述の新規なα−L−ラムノシダーゼを生産する
点から、新規菌株であると判断した。従って本菌株をピ
シア・アングスタ(Pichia angusta)X
349と命名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に
寄託した。寄託番号はFERM P−17211であ
る。なお、本発明に用いる微生物は、前記ピシア・アン
グスタ(Pichia angusta)X349の
他、Pichia属に属する微生物で本発明のα−L−
ラムノシダーゼを生産する菌株であれば差し支えない。
【0014】本発明において、α−L−ラムノシダーゼ
を生産する培地としては通常の微生物の培養に用いられ
るものでよく、使用される微生物が生育するものであれ
ば特に制限されない。炭素源としては、例えばスクロー
スなどを用いることができるが、多量のα−L−ラムノ
シダーゼを生産する点からL−ラムノースが特に望まし
い。窒素源としては、例えば、ペプトンがあげられる。
培地には炭素源、窒素源の他、無機塩例えば塩化ナトリ
ウムを添加することができる。培養温度は使用する微生
物が生育する温度であればよいが、生育の良好な28℃
付近が好ましい。また使用する培地の初発pHは4.0
付近が好ましい。培養時間は当該菌の生育とα−L−ラ
ムノシダーゼ生産に十分な時間続行されるが、通常48
時間培養することによって培養液中にα−L−ラムノシ
ダーゼが蓄積される。
を生産する培地としては通常の微生物の培養に用いられ
るものでよく、使用される微生物が生育するものであれ
ば特に制限されない。炭素源としては、例えばスクロー
スなどを用いることができるが、多量のα−L−ラムノ
シダーゼを生産する点からL−ラムノースが特に望まし
い。窒素源としては、例えば、ペプトンがあげられる。
培地には炭素源、窒素源の他、無機塩例えば塩化ナトリ
ウムを添加することができる。培養温度は使用する微生
物が生育する温度であればよいが、生育の良好な28℃
付近が好ましい。また使用する培地の初発pHは4.0
付近が好ましい。培養時間は当該菌の生育とα−L−ラ
ムノシダーゼ生産に十分な時間続行されるが、通常48
時間培養することによって培養液中にα−L−ラムノシ
ダーゼが蓄積される。
【0015】培養後、ろ過または遠心分離またはろ過法
によって菌体を集め、溶菌酵素処理あるいは超音波処
理、フレンチプレス、ホモジナイザーなどの機械的破砕
処理により菌体を破砕し、遠心分離して得られた上清を
粗酵素液として用いる。粗酵素液はそのまま使用するこ
ともできるが、硫安塩析や溶媒沈殿法などの一般の酵素
の分離精製法に準じて分離精製することができる。ま
た、さらにイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過ク
ロマトグラフィーなどの通常の酵素の精製手段を適宜組
み合わせて活性純度の高い酵素標品を調製することもで
きる。粗酵素液から各種クロマトグラフィー法を組み合
わせて精製することにより得られた本発明酵素の性質は
以下の通りである。なお、以下において、酵素活性の測
定は次の方法により行った。
によって菌体を集め、溶菌酵素処理あるいは超音波処
理、フレンチプレス、ホモジナイザーなどの機械的破砕
処理により菌体を破砕し、遠心分離して得られた上清を
粗酵素液として用いる。粗酵素液はそのまま使用するこ
ともできるが、硫安塩析や溶媒沈殿法などの一般の酵素
の分離精製法に準じて分離精製することができる。ま
た、さらにイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過ク
ロマトグラフィーなどの通常の酵素の精製手段を適宜組
み合わせて活性純度の高い酵素標品を調製することもで
きる。粗酵素液から各種クロマトグラフィー法を組み合
わせて精製することにより得られた本発明酵素の性質は
以下の通りである。なお、以下において、酵素活性の測
定は次の方法により行った。
【0016】[酵素活性測定法]50mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH6.5)で希釈した酵素サンプル溶液
0.2mlに、同緩衝液に溶解した2mM p−ニトロ
フェニル−α−L−ラムノピラノシド溶液0.2mlを
混合し、30℃で10分間反応させる。その後、1M炭
酸ナトリウム1.6mlを加えて反応を停止させ、40
5nmにおける吸光度を測定することにより遊離したp
−ニトロフェノールを定量する。また酵素活性を示す1
酵素単位(U)は、上記条件、すなわち30℃、pH
6.5において、p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドから1分間に1μmolのp−ニトロフェノ
ールを生成させる酵素量として定義した。
ウム緩衝液(pH6.5)で希釈した酵素サンプル溶液
0.2mlに、同緩衝液に溶解した2mM p−ニトロ
フェニル−α−L−ラムノピラノシド溶液0.2mlを
混合し、30℃で10分間反応させる。その後、1M炭
酸ナトリウム1.6mlを加えて反応を停止させ、40
5nmにおける吸光度を測定することにより遊離したp
−ニトロフェノールを定量する。また酵素活性を示す1
酵素単位(U)は、上記条件、すなわち30℃、pH
6.5において、p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドから1分間に1μmolのp−ニトロフェノ
ールを生成させる酵素量として定義した。
【0017】(1)作用:p−ニトロフェニル−α−L
−ラムノピラノシドを基質として作用させた場合、p−
ニトロフェノールを遊離する。 (2)至適pH:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質とし、緩衝液として50mMクエン酸
−リン酸緩衝液(pH3.0〜7.0)、50mMリン
酸緩衝液(pH8.0〜9.0)、50mMグリシン−
水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)を用いる以外
は前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定した。そ
の結果は図1に示すとおりであり、反応至適pHは6.
0〜7.0付近にある。 (3)pH安定性:50mMクエン酸−リン酸緩衝液
(pH3.0〜7.0)、50mMリン酸緩衝液(pH
8.0〜9.0)、50mMグリシン−水酸化ナトリウ
ム緩衝液(pH10.0)の各緩衝液中で30℃にて3
0分間保持した後、前記酵素活性測定法に従い、残存活
性を測定した。その結果は図1に示すとおりであり、安
定pH範囲は、pH5.0〜7.0である。 (4)至適温度:前記酵素活性測定法に従い、各種温度
において相対活性を測定した。その結果は図2に示すと
おりであり、至適温度は約40℃である。 (5)熱安定性:50mMリン酸緩衝液(pH6.5)
中で30分間保持した後、前記酵素活性測定法に従い、
残存活性を測定した。その結果、本酵素は図2に示すよ
うに、20℃まで安定した酵素活性を示し、それを超え
ると次第に失活する。
−ラムノピラノシドを基質として作用させた場合、p−
ニトロフェノールを遊離する。 (2)至適pH:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質とし、緩衝液として50mMクエン酸
−リン酸緩衝液(pH3.0〜7.0)、50mMリン
酸緩衝液(pH8.0〜9.0)、50mMグリシン−
水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)を用いる以外
は前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定した。そ
の結果は図1に示すとおりであり、反応至適pHは6.
0〜7.0付近にある。 (3)pH安定性:50mMクエン酸−リン酸緩衝液
(pH3.0〜7.0)、50mMリン酸緩衝液(pH
8.0〜9.0)、50mMグリシン−水酸化ナトリウ
ム緩衝液(pH10.0)の各緩衝液中で30℃にて3
0分間保持した後、前記酵素活性測定法に従い、残存活
性を測定した。その結果は図1に示すとおりであり、安
定pH範囲は、pH5.0〜7.0である。 (4)至適温度:前記酵素活性測定法に従い、各種温度
において相対活性を測定した。その結果は図2に示すと
おりであり、至適温度は約40℃である。 (5)熱安定性:50mMリン酸緩衝液(pH6.5)
中で30分間保持した後、前記酵素活性測定法に従い、
残存活性を測定した。その結果、本酵素は図2に示すよ
うに、20℃まで安定した酵素活性を示し、それを超え
ると次第に失活する。
【0018】(6)各種試薬の影響:各種試薬の本酵素
に対する影響を調べた。すなわち、表1に示す各種試薬
を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に1mMとなる
ように溶解し、これに酵素溶液を混合し、30℃におい
て10分間保持した後の残存酵素活性を前記酵素活性測
定法に従って測定し表1の結果を得た。
に対する影響を調べた。すなわち、表1に示す各種試薬
を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に1mMとなる
ように溶解し、これに酵素溶液を混合し、30℃におい
て10分間保持した後の残存酵素活性を前記酵素活性測
定法に従って測定し表1の結果を得た。
【表1】
【0019】(7)分子量:精製した本酵素についてS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PhastS
ystem、PhastGel homogeneou
s12.5、PhastGel SDS buffer
strips(ファルマシア社製))を行い、測定し
た分子量は約88,000ダルトンである。分子量の標
準には、b型ホスホリラーゼ(分子量94,000ダル
トン)、ウシ血清アルブミン(分子量67,000ダル
トン)、卵白アルブミン(分子量43,000ダルト
ン)、カルボニックアンヒドロラーゼ(分子量30,0
00ダルトン)、ダイズトリプシンインヒビター(分子
量20,100ダルトン)およびラクトアルブミン(分
子量14,400ダルトン)を用いた。 (8)等電点:精製した本酵素について等電点電気泳動
(PhastSystem、PhastGel IEF
3−9(ファルマシア社製))を行い、測定した等電
点は、pI4.9である。等電点の標準には、馬ミオグ
ロビン(acidic:pI6.85)、ヒトカルボニ
ックアンヒドロラーゼB(pI6.55)、牛カルボニ
ックアンヒドロラーゼB(pI5.85)、β−ラクト
グロブリンA(pI5.20)、大豆トリプシンインヒ
ビター(pI4.55)、アミログルコシダーゼ(pI
3.50)を用いた。
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PhastS
ystem、PhastGel homogeneou
s12.5、PhastGel SDS buffer
strips(ファルマシア社製))を行い、測定し
た分子量は約88,000ダルトンである。分子量の標
準には、b型ホスホリラーゼ(分子量94,000ダル
トン)、ウシ血清アルブミン(分子量67,000ダル
トン)、卵白アルブミン(分子量43,000ダルト
ン)、カルボニックアンヒドロラーゼ(分子量30,0
00ダルトン)、ダイズトリプシンインヒビター(分子
量20,100ダルトン)およびラクトアルブミン(分
子量14,400ダルトン)を用いた。 (8)等電点:精製した本酵素について等電点電気泳動
(PhastSystem、PhastGel IEF
3−9(ファルマシア社製))を行い、測定した等電
点は、pI4.9である。等電点の標準には、馬ミオグ
ロビン(acidic:pI6.85)、ヒトカルボニ
ックアンヒドロラーゼB(pI6.55)、牛カルボニ
ックアンヒドロラーゼB(pI5.85)、β−ラクト
グロブリンA(pI5.20)、大豆トリプシンインヒ
ビター(pI4.55)、アミログルコシダーゼ(pI
3.50)を用いた。
【0020】(9)グルコース耐性:0〜500mM濃
度のグルコースを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.
5)中で、前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定
した。その結果は図3に示すとおりであり、500mM
グルコースにおいても76%の相対活性を示す。 (10)エタノール耐性:0〜20容量%濃度のエタノ
ールを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.5)中で、
前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定した。その
結果は図4に示すとおりであり、10容量%エタノール
中において85%の相対活性を示し、20容量%エタノ
ール中においても67%の相対活性を示す。
度のグルコースを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.
5)中で、前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定
した。その結果は図3に示すとおりであり、500mM
グルコースにおいても76%の相対活性を示す。 (10)エタノール耐性:0〜20容量%濃度のエタノ
ールを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.5)中で、
前記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定した。その
結果は図4に示すとおりであり、10容量%エタノール
中において85%の相対活性を示し、20容量%エタノ
ール中においても67%の相対活性を示す。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げて本発明を詳しく
説明するが、以下に示す実施例は一例であって本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 実施例1:菌株の培養およびα−L−ラムノシダーゼの
生産 L−ラムノース1.0%、ペプトン0.5%、酵母エキ
ス0.3%、麦芽エキス0.3%からなる培地を塩酸で
pH4.0に調整し、これを500ml容の三角フラス
コ40本に100mlずつ仕込み、120℃、15分間
加圧滅菌した。これにピシア・アングスタ(Pichi
a angusta)X349株を接種し、28℃、2
20rpmにて2日間回転攪拌機上で培養した。得られ
た培養液4Lを遠心分離(1000×g、10分間)し
て菌体を集め、20mM ビス/トリス緩衝液(pH
6.5)で2回洗浄した。これを同緩衝液に懸濁し、菌
体重量の2.5倍量のガラスビーズ(直径0.45〜
0.55mm)を加え、菌体を破砕した。遠心分離(1
000×g、10分間)により菌体破砕物を除き、細胞
抽出液を得た。これを超遠心処理(100,000×
g、90分間)してミクロゾーム画分と上清画分に分離
した。これらの画分α−L−ラムノシダーゼ活性を測定
すると、すべての活性が上清画分に存在していたので上
清画分を以下に述べる精製操作に供した。
説明するが、以下に示す実施例は一例であって本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 実施例1:菌株の培養およびα−L−ラムノシダーゼの
生産 L−ラムノース1.0%、ペプトン0.5%、酵母エキ
ス0.3%、麦芽エキス0.3%からなる培地を塩酸で
pH4.0に調整し、これを500ml容の三角フラス
コ40本に100mlずつ仕込み、120℃、15分間
加圧滅菌した。これにピシア・アングスタ(Pichi
a angusta)X349株を接種し、28℃、2
20rpmにて2日間回転攪拌機上で培養した。得られ
た培養液4Lを遠心分離(1000×g、10分間)し
て菌体を集め、20mM ビス/トリス緩衝液(pH
6.5)で2回洗浄した。これを同緩衝液に懸濁し、菌
体重量の2.5倍量のガラスビーズ(直径0.45〜
0.55mm)を加え、菌体を破砕した。遠心分離(1
000×g、10分間)により菌体破砕物を除き、細胞
抽出液を得た。これを超遠心処理(100,000×
g、90分間)してミクロゾーム画分と上清画分に分離
した。これらの画分α−L−ラムノシダーゼ活性を測定
すると、すべての活性が上清画分に存在していたので上
清画分を以下に述べる精製操作に供した。
【0022】実施例2:酵素の精製 以下に示す精製操作は、特に断らない限り、全て4℃に
て行った。 (1)硫酸アンモニウム沈殿 実施例1で得た上清画分600mlを硫酸アンモニウム
沈殿により精製した。30%飽和から80%飽和の画分
にて生じた沈殿を遠心分離(1,000×g、30分
間)して集め、1M NaCl、1mM MnCl2、1
mM CaCl2および0.003mM NaN3を含む1
00mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶解
し、同緩衝液に対して透析した。 (2)コンカナバリンA−セファロースカラムクロマト
グラフィー 透析した酵素溶液を予め同緩衝液で平衡化したコンカナ
バリンA−セファロースカラム(φ2.6×6.5c
m)に付した。目的の酵素は、本カラムに吸着しないの
で、同緩衝液で溶出した。活性画分を集め、限外ろ過装
置(PM−10:Amicon社製)にて濃縮し、20
mM ビス/トリス緩衝液(pH6.5)に対して透析
した。 (3)DEAE Bio−Gel A アガロースカラム
クロマトグラフィー 透析した酵素溶液を予め20mM ビス/トリス緩衝液
(pH6.5)で平衡化したDEAE Bio−Gel
A アガロースカラム(φ2.6×6.0cm)に付し
た。同緩衝液で洗浄した後、同緩衝液を用いた塩化ナト
リウムリニアグラジエント(0〜0.3M)で溶出し
た。活性画分を集め、50mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH5.0)に対して透析した。
て行った。 (1)硫酸アンモニウム沈殿 実施例1で得た上清画分600mlを硫酸アンモニウム
沈殿により精製した。30%飽和から80%飽和の画分
にて生じた沈殿を遠心分離(1,000×g、30分
間)して集め、1M NaCl、1mM MnCl2、1
mM CaCl2および0.003mM NaN3を含む1
00mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶解
し、同緩衝液に対して透析した。 (2)コンカナバリンA−セファロースカラムクロマト
グラフィー 透析した酵素溶液を予め同緩衝液で平衡化したコンカナ
バリンA−セファロースカラム(φ2.6×6.5c
m)に付した。目的の酵素は、本カラムに吸着しないの
で、同緩衝液で溶出した。活性画分を集め、限外ろ過装
置(PM−10:Amicon社製)にて濃縮し、20
mM ビス/トリス緩衝液(pH6.5)に対して透析
した。 (3)DEAE Bio−Gel A アガロースカラム
クロマトグラフィー 透析した酵素溶液を予め20mM ビス/トリス緩衝液
(pH6.5)で平衡化したDEAE Bio−Gel
A アガロースカラム(φ2.6×6.0cm)に付し
た。同緩衝液で洗浄した後、同緩衝液を用いた塩化ナト
リウムリニアグラジエント(0〜0.3M)で溶出し
た。活性画分を集め、50mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH5.0)に対して透析した。
【0023】(4)アラビノース−セファロース6Bア
フィニティーカラムクロマトグラフィー ラムノース−セファロース6Bアフィニティー担体は、
エポキシ活性化セファロース6B(ファルマシア・バイ
オテックAB社製)を製造会社の推奨する方法に従い、
ラムノースを結合させ、調製した。前述したDEAE
Bio−GelA アガロースカラムクロマトグラフィ
ーにより得られた酵素液を、予め50mM酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH5.0)で平衡化したラムノース−セフ
ァロース6Bアフィニティーカラム(φ1.5×7.2
cm)に付し、同緩衝液で洗浄した。次に1M NaC
lを含む同緩衝液で溶出し、活性画分を集め、蒸留水に
対して透析した。 (5)ヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー 透析した酵素溶液を、予め10mMリン酸ナトリウム緩
衝液で平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(φ1.
5×2.8cm)に付し、同緩衝液で十分洗浄し後、リ
ン酸ナトリウムリニアグラジエント(10〜200m
M)で溶出し、活性画分を集めた。
フィニティーカラムクロマトグラフィー ラムノース−セファロース6Bアフィニティー担体は、
エポキシ活性化セファロース6B(ファルマシア・バイ
オテックAB社製)を製造会社の推奨する方法に従い、
ラムノースを結合させ、調製した。前述したDEAE
Bio−GelA アガロースカラムクロマトグラフィ
ーにより得られた酵素液を、予め50mM酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH5.0)で平衡化したラムノース−セフ
ァロース6Bアフィニティーカラム(φ1.5×7.2
cm)に付し、同緩衝液で洗浄した。次に1M NaC
lを含む同緩衝液で溶出し、活性画分を集め、蒸留水に
対して透析した。 (5)ヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー 透析した酵素溶液を、予め10mMリン酸ナトリウム緩
衝液で平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(φ1.
5×2.8cm)に付し、同緩衝液で十分洗浄し後、リ
ン酸ナトリウムリニアグラジエント(10〜200m
M)で溶出し、活性画分を集めた。
【0024】以上の精製工程毎における酵素の活性を表
2に示す。なお、タンパク質は、牛血清アルブミンを標
準物質として用い、ブラドフォード法(Bradfor
dmethod)により定量した。
2に示す。なお、タンパク質は、牛血清アルブミンを標
準物質として用い、ブラドフォード法(Bradfor
dmethod)により定量した。
【表2】 rha-セファロース6B:ラムノース−セファロース6B
【0025】実施例3:基質特異性 実施例2で得られた精製酵素を用い、表3に示す各種発
色基質の分解試験を行なった。なお、分解試験は前記酵
素活性測定の方法に準じて行ない、p−ニトロフェノー
ルの生成により活性の有無を調べた。結果を表3に示
す。
色基質の分解試験を行なった。なお、分解試験は前記酵
素活性測定の方法に準じて行ない、p−ニトロフェノー
ルの生成により活性の有無を調べた。結果を表3に示
す。
【表3】
【0026】本酵素はp−ニトロフェニル−α−L−ラ
ムノピラノシドに作用し、p−ニトロフェノールを遊離
するが、p−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノ
シド、p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシ
ド、p−ニトロフェニル−β−D−キシロピラノシドお
よびp−ニトロフェニル−β−D−セロビオシドにはほ
とんど作用せず、基質特異性の高い酵素であることがわ
かる。
ムノピラノシドに作用し、p−ニトロフェノールを遊離
するが、p−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノ
シド、p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシ
ド、p−ニトロフェニル−β−D−キシロピラノシドお
よびp−ニトロフェニル−β−D−セロビオシドにはほ
とんど作用せず、基質特異性の高い酵素であることがわ
かる。
【0027】実施例4:ブドウ果汁由来のグリコシド類
に対する作用 水酸化ナトリウムでpH7.0に調整したブドウ果汁
(マスカット オブ アレキサンドリア種)1000m
lを合成吸着樹脂カラム(φ22mm×350mm、A
mberlite XAD−2:ローム・アンド・ハー
ス社製)に通した。これを蒸留水500mlで洗浄し、
水溶性化合物を除去した。さらにペンタン−エーテル
(1:1)1000mlを通し、フリーのテルペン類を
除去した後、メタノール1000mlにてグリコシド類
を溶出させた。この画分を30℃、減圧下にて濃縮乾固
し、グリコシド類100mgを得た。実施例2で得られ
た精製酵素溶液2ml(0.5U、50mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH6.5))に上記グリコシド類10
mgを溶解し、30℃にて2日間反応させた。遊離した
テルペン類を5mlのペンタン−エーテル(1:1)で
2回抽出し、それを濃縮した後、キャピラリーガスクロ
マトグラフィーを用い下記の条件にて分析した。結果を
表4に示す。このように本発明の酵素は、ブドウ果汁の
グリコシド類を分解し、芳香成分を顕著に増加させる優
れた性質を有する。
に対する作用 水酸化ナトリウムでpH7.0に調整したブドウ果汁
(マスカット オブ アレキサンドリア種)1000m
lを合成吸着樹脂カラム(φ22mm×350mm、A
mberlite XAD−2:ローム・アンド・ハー
ス社製)に通した。これを蒸留水500mlで洗浄し、
水溶性化合物を除去した。さらにペンタン−エーテル
(1:1)1000mlを通し、フリーのテルペン類を
除去した後、メタノール1000mlにてグリコシド類
を溶出させた。この画分を30℃、減圧下にて濃縮乾固
し、グリコシド類100mgを得た。実施例2で得られ
た精製酵素溶液2ml(0.5U、50mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH6.5))に上記グリコシド類10
mgを溶解し、30℃にて2日間反応させた。遊離した
テルペン類を5mlのペンタン−エーテル(1:1)で
2回抽出し、それを濃縮した後、キャピラリーガスクロ
マトグラフィーを用い下記の条件にて分析した。結果を
表4に示す。このように本発明の酵素は、ブドウ果汁の
グリコシド類を分解し、芳香成分を顕著に増加させる優
れた性質を有する。
【表4】
【0028】(分析条件) 装置:Hewlett Packard 5980 カラム:DB−WAXキャピラリーカラム(φ0.25
mm×30m:J&WScientific社製) 検出器:FID ヘリウム流速:2.0ml/分 温度プログラム:昇温75℃→220℃(4℃/分)、
保持220℃(15分) 試料注入部温度:230℃ 検出部温度:220℃ 内部標準:2−エチル−1−ヘキサノール サンプル量:2μL
mm×30m:J&WScientific社製) 検出器:FID ヘリウム流速:2.0ml/分 温度プログラム:昇温75℃→220℃(4℃/分)、
保持220℃(15分) 試料注入部温度:230℃ 検出部温度:220℃ 内部標準:2−エチル−1−ヘキサノール サンプル量:2μL
【0029】実施例5:天然のフラボノイドのラムノシ
ルグリコシドに対する作用 非還元末端にラムノシル基を有する、ナリンジン(na
rigin)、ルチン(rutin)、ヘスペリジン
(hesperidin)およびクエルシトリン(qu
ercitrin)のラムノシルグリコシドの分解生成
物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを用いて分析し
た。すなわち、実施例2で得られた精製酵素の溶液
(0.5U、50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.
5)0.5mlに基質を5mg溶解させた反応溶液を3
0℃で一晩保持した。この試料を4.0μl、シリカゲ
ル薄層(DC−Alufolien Kieselge
l 60:メルク社製)に付した。ラムノースおよびグ
ルコースを標準物質として用い、アセトニトリル−蒸留
水(5:1,V/V)混液を用いて展開した後、10%
硫酸のエタノール溶液を噴霧し、105℃で5分間加熱
して糖類を検出した。
ルグリコシドに対する作用 非還元末端にラムノシル基を有する、ナリンジン(na
rigin)、ルチン(rutin)、ヘスペリジン
(hesperidin)およびクエルシトリン(qu
ercitrin)のラムノシルグリコシドの分解生成
物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを用いて分析し
た。すなわち、実施例2で得られた精製酵素の溶液
(0.5U、50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.
5)0.5mlに基質を5mg溶解させた反応溶液を3
0℃で一晩保持した。この試料を4.0μl、シリカゲ
ル薄層(DC−Alufolien Kieselge
l 60:メルク社製)に付した。ラムノースおよびグ
ルコースを標準物質として用い、アセトニトリル−蒸留
水(5:1,V/V)混液を用いて展開した後、10%
硫酸のエタノール溶液を噴霧し、105℃で5分間加熱
して糖類を検出した。
【0030】その結果、ナリンジン(narigi
n)、ルチン(rutin)およびヘスペリジン(he
speridin)のラムノシルグリコシドはα−L−
ラムノシダーゼによって分解をうけ、ラムノースが検出
された。一方、クエルシトリン(quercitri
n)のラムノシルグリコシドについてはラムノースは検
出されなかった。
n)、ルチン(rutin)およびヘスペリジン(he
speridin)のラムノシルグリコシドはα−L−
ラムノシダーゼによって分解をうけ、ラムノースが検出
された。一方、クエルシトリン(quercitri
n)のラムノシルグリコシドについてはラムノースは検
出されなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明酵素は、高濃度のグルコースおよ
び高濃度のエタノール存在下においても非常に優れた活
性を有しており、ワインの醸造に利用できる。すなわ
ち、本発明酵素をβ−D−グルコシダーゼなどと共に使
用することにより、ワイン醸造において芳香成分を増加
させて、ワインの品質を向上させることができる。一
方、バクテリア臭や夾雑酵素の働きによりワインの風味
に悪影響を与えることもない。また、本酵素の、天然の
フラボノイドのラムノシルグリコシドに対する基質特異
性の広さから、ブドウ果汁のみならず柑橘類の果汁にも
利用することができる。
び高濃度のエタノール存在下においても非常に優れた活
性を有しており、ワインの醸造に利用できる。すなわ
ち、本発明酵素をβ−D−グルコシダーゼなどと共に使
用することにより、ワイン醸造において芳香成分を増加
させて、ワインの品質を向上させることができる。一
方、バクテリア臭や夾雑酵素の働きによりワインの風味
に悪影響を与えることもない。また、本酵素の、天然の
フラボノイドのラムノシルグリコシドに対する基質特異
性の広さから、ブドウ果汁のみならず柑橘類の果汁にも
利用することができる。
【図1】 ピシア・アングスタ(Pichia ang
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの安定pH域および作用pH域を示すグラフである。
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの安定pH域および作用pH域を示すグラフである。
【図2】 ピシア・アングスタ(Pichia ang
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの安定温度域および作用温度域を示すグラフである。
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの安定温度域および作用温度域を示すグラフである。
【図3】 ピシア・アングスタ(Pichia ang
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの活性とグルコース濃度の関係を示すグラフである。
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの活性とグルコース濃度の関係を示すグラフである。
【図4】 ピシア・アングスタ(Pichia ang
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの活性とエタノール濃度の関係を示すグラフである。
usta)X349株の生産するα−L−ラムノシダー
ゼの活性とエタノール濃度の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:84)
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の性質を有するα−L−ラムノシダ
ーゼ。 (1)作用:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノピラ
ノシドを基質として作用させた場合、p−ニトロフェノ
ールを遊離する。 (2)至適pH:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質として30℃で10分間反応させたと
きの至適pHは6.0〜7.0付近にある。 (3)pH安定性:30℃にて30分間保持した場合、
pH5.0〜7.0で安定した酵素活性を示す。 (4)至適温度:p−ニトロフェニル−α−L−ラムノ
ピラノシドを基質としてpH6.5で30℃で10分間
反応させたときの至適温度は約40℃である。 (5)熱安定性:pH6.5にて30分間保持したと
き、20℃まで安定した酵素活性を示し、それを超える
と次第に失活する。 (6)阻害剤:p−クロロ安息香酸水銀、塩化第二水
銀、塩化第二銅により阻害を受け、エチレンジアミン四
酢酸、メルカプトエタノールでは殆ど阻害されない。 (7)分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法により測定した分子量は約88,000ダルトンで
ある。 (8)等電点:等電点電気泳動法による等電点はpI
4.9である。 (9)グルコース耐性:500mMグルコース中におい
て76%の相対活性を示す。 (10)エタノール耐性:20容量%エタノール中にお
いて67%の相対活性を示す。 - 【請求項2】 ピシア(Pichia)属に属する微生
物を培養して得られる培養物から請求項1に記載のα−
L−ラムノシダーゼを採取することを特徴とするα−L
−ラムノシダーゼの製造方法。 - 【請求項3】 ピシア(Pichia)属に属する微生
物をラムノース(rhamnose)を含む培地で培養
して得られる培養物から請求項1に記載のα−L−ラム
ノシダーゼを採取することを特徴とするα−L−ラムノ
シダーゼの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載のα−L−ラムノシダー
ゼ産生能を有するピシア・アングスタ(Pichia
angusta)X349株(FERM P−1721
1)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9958699A JP2000287681A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | α−L−ラムノシダーゼおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9958699A JP2000287681A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | α−L−ラムノシダーゼおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000287681A true JP2000287681A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14251210
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9958699A Pending JP2000287681A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | α−L−ラムノシダーゼおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000287681A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2003087290A1 (ja) * | 2002-04-16 | 2005-08-18 | 天野エンザイム株式会社 | 葡萄を原料とする酒の風味改善用組成物 |
| CN107383259A (zh) * | 2017-08-21 | 2017-11-24 | 扬州工业职业技术学院 | 一种新型纳米苯丙乳液及其在制备聚合物防水砂浆中的应用 |
| CN107383258A (zh) * | 2017-08-21 | 2017-11-24 | 扬州工业职业技术学院 | 一种鼠李双糖酯改性的乳化剂及其在制备纳米苯丙乳液中的应用 |
| CN112210548A (zh) * | 2020-09-07 | 2021-01-12 | 佛山市汇腾生物技术有限公司 | 一种表达α-L-鼠李糖苷酶的毕赤酵母及其制备方法和应用 |
| CN117187216A (zh) * | 2023-09-27 | 2023-12-08 | 南京林业大学 | 一种耐热α-L-鼠李糖苷酶及其耐糖突变体和应用 |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP9958699A patent/JP2000287681A/ja active Pending
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