JP2000303336A - 複合弾性シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
伸縮性を有し、かつ、毛羽や繊維の脱落のない実用性の
高い複合弾性シートを提供する。 【解決手段】 弾性ネットの少なくとも片面に、立体捲
縮を有する短繊維からなる不織ウエブが積層された複合
弾性シートであり、弾性ネットに短繊維が交絡している
とともに、不織ウエブを構成する短繊維相互が交絡して
なり、かつ弾性ネットを構成する線状体の交点部におい
ては不織ウエブが低密度化し、非交点部においては不織
ウエブが高密度化していることを特徴とする複合弾性シ
ート。
Description
維不織ウエブとからなり、少なくとも一方向において高
い伸縮性を有する複合弾性シート及びその製造方法に関
するものである。
性ネットと不織布とを一体化させた複合弾性シートが、
例えば、特開平10−195746号公報に提案されて
いる。特開平10−195746号公報では、弾性ネッ
トと繊維ウエブとが結合する結合部が、弾性ネットが伸
縮性を有する方向に対して直行する方向に互いに平行な
筋状に設けられ、一方行に高い伸縮性のある複合弾性シ
ートを得ることが提案されている。しかし、弾性ネット
と繊維ウエブとが、互いに平行な筋状の結合部によって
一体化されているため、一方向においてのみ高い伸縮性
が得られるものの、対して直行する方向や斜め方向には
伸縮性が低く、また、得られた複合弾性シートに筋状の
結合部による筋模様が存在するため見栄えにおいて問題
がある。また、筋状の結合部以外の部分においては不織
繊維ウエブと弾性ネットとの交絡度合が弱いために、耐
摩耗性に劣り毛羽や繊維の脱落が発生しやすい。
問題を解決するものであって、弾性ネットと繊維ウエブ
からなる弾性シートを得るにあたり、一方向のみでな
く、その斜め方向にも優れた伸縮性を有し、かつ、毛羽
や繊維の脱落のない実用性の高い複合弾性シートを提供
することにある。
成するもので、以下の構成を要旨とするものである。す
なわち、本発明は、少なくとも一方向に伸縮性を有する
弾性ネットの少なくとも片面に、潜在捲縮能を有しその
潜在捲縮が顕在化した立体捲縮を有してなる短繊維から
なる不織ウエブが積層された複合弾性シートであり、弾
性ネットに短繊維が交絡しているとともに、不織ウエブ
を構成する短繊維相互が交絡してなり、かつ弾性ネット
を構成する線状体の交点部においては不織ウエブが低密
度化し、非交点部においては不織ウエブが高密度化して
いることを特徴とする複合弾性シートを要旨とするもの
である。
性を有する弾性ネットの少なくとも片面に潜在捲縮能を
有する短繊維からなる不織ウエブを積層して積層体を
得、得られた積層体に高圧液体流を施して、弾性ネット
に短繊維を交絡させるとともに、短繊維不織ウエブを構
成する短繊維相互を交絡させることによって、弾性ネッ
トと短繊維不織ウエブとを交絡一体化させ、かつ弾性ネ
ットを構成する線状体の交点部においては短繊維不織ウ
エブを低密度化させるとともに、非交点部においては短
繊維不織ウエブを高密度化させた後に、短繊維を構成す
る低融点重合体成分の融点よりも低い温度で熱処理して
短繊維の潜在捲縮能を顕在化させることを特徴とする複
合弾性シートの製造方法を要旨とするものである。
た特願平11−112128号を利用するものであり、
複合弾性シートの伸縮特性をより向上させたものであ
る。
なくとも一方向に伸縮性を有すものである。弾性ネット
が伸縮性を有する方向に伸長させた時の応力は小さいこ
とが好ましく、具体的には、100%伸長時の応力が5
00g以下であることが好ましく、さらに好ましくは3
00g以下である。応力が大きい程、弾性ネットを伸長
させるため大きな力が必要であることを意味している。
100%伸長時の応力が500gを超える弾性ネット
は、伸長させるために大きな力を要するため、本発明の
複合弾性シートの材料としては適していない。
ネットの構成素材としては、エラストマー材料が挙げら
れる。エラストマー材料としては、SEBS(ポリスチ
レン/ポリエチレンブチレン/ポリスチレン)共重合
体、S1S(ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチ
レン)ブロック共重合体、SEPS(スチレン/エチレ
ン/ポリプロピレン/スチレン)共重合体等のポリオレ
フィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
ポリウレタン等が挙げられる。
状体2,3が経、緯に格子状に配列され交点が融着また
は接着等により固定してなる格子状ネット、線状体を粗
く編んだ目の粗い編物、線状体を粗く織った目の粗い織
物、エラストマーからなるフィルムをフィブリル化させ
て拡開したネット等が挙げられる。弾性ネットにおい
て、線状体の交点部に節がなく全体が均一に平らである
ものより、線状体の交点部に節を有しているものが好ま
しい。節を有する弾性ネットは、高圧液体流による交絡
一体化処理の際に、交点部の不織ウエブを容易に低密度
化することができる。すなわち、節はある程度の高さを
有しているので、弾性ネットに積層した不織ウエブに高
圧液体流を作用させた際、液体流は節上に存在する短繊
維をずらし、交点部(節)に存在する不織ウエブの密度
を減少させる。また、不織ウエブの目付や節の高さによ
っては、交点部には短繊維がほぼ存在せず、開孔となる
こともあり、弾性ネットの伸縮にネットに絡んだ短繊維
が追随するには、開孔状態であることが好ましい。
縮性を有するものであればよく、上述の格子状ネットや
織物を用いるのであれば、経糸および/または緯糸にエ
ラストマー材料からなる線状体を配すればよい。また、
短繊維との交絡性、弾性ネットの形態保持性等を考慮し
て、弾性ネットを構成する線状体の繊度は5〜2500
デニールが好ましく、弾性ネットとして織物、格子状ネ
ットを用いる場合、線状体の配設密度は、経および緯方
向に1〜10本/cmが好ましい。
を有し、その潜在捲縮が顕在化した立体捲縮を有する短
繊維からなる。ここで立体捲縮とは、押し込みクリンパ
ー等により付与される機械捲縮のような二次元的な捲縮
ではなく、三次元的なスパイラルクリンプのことであ
る。潜在捲縮能を有する短繊維は、弛緩状態(張力がか
からない状態)で熱処理することにより、潜在捲縮能が
顕在化して立体捲縮を発現する。このような短繊維とし
ては、繊維の長さ方向に沿って熱収縮性の異なる2種の
重合体を偏心的に配した複合繊維が挙げられる。複合形
態としては、繊維の長さ方向に沿って熱収縮性の異なる
重合体成分が並列して配された並列型や、芯部が偏芯し
て配された偏心芯鞘型が挙げられる。
のものが好ましい。複合形態が並列型の場合には、熱収
縮性の異なる2種の重合体成分は互いに相溶性である必
要がある。2種の重合体成分が互いに非相溶性である
と、紡糸工程あるいは延伸工程において、該2成分間に
層間剥離が生じ、操業性を著しく損なうばかりか、本発
明が目的とする立体捲縮してなる短繊維が得られない。
2種の重合体成分の組み合わせとしては、同一重合体で
異粘度の組み合わせ、あるいはホモポリマーと共重合ポ
リマーの組み合わせが代表的に適用できる。同一重合体
で異粘度の組み合わせの例としては、ポリオレフィン系
であれば、(メルトフローレート10g/10分程度の
ポリプロピレン)/(メルフローレート30g/10分
程度のポリプロピレン)、ポリエステル系であれば、
(相対粘度1.5程度のポリエチレンテレフタレート)
/(相対粘度1.3程度のポリエチレンテレフタレー
ト)が代表的である。ホモポリマーと共重合ポリマーと
の組み合わせの例としては、ポリオレフィン系であれ
ば、ポリプロピレン/プロピレンとエチレンの共重合
物、ポリエステル系であれば、ポリエチレンテレフタレ
ート/エチレンテレフタレートとイソフタル酸との共重
合物が代表的である。また、上記のものは一例であっ
て、本発明の目的が達成しうる潜在捲縮機能を発現でき
るものであれば、いかなる組み合わせでもよい。
熱収縮性の異なる2種の重合体は互いに相溶性であって
も、非相溶性であってもよい。すなわち、該重合体同士
が非相溶性であっても、偏心はしているものの芯鞘形状
であるので、紡糸工程あるいは延伸工程において、層間
剥離が生じる等のトラブルを生じることはない。例え
ば、熱収縮性の異なる2種の重合体が相溶性である場合
は、前述の並列型の場合と同じ組み合わせのものを用い
るとよい。2種の重合体が非相溶性である組み合わせと
しては、ポリエステル系重合体/ポリアミド系重合体、
ポリエステル系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリ
アミド系重合体/ポリオレフィン系重合体等が挙げられ
る。
菱形、三角形、T形、井形等の任意の形状を適宜選択す
ればよい。
あることが好ましい。単糸繊度が1デニール未満である
と、紡糸工程において製糸性の低下を招きやすい。逆
に、単糸繊度が15デニール以上であると、短繊維同士
の交絡性および短繊維とネットとの交絡性に劣る傾向と
なり、使用の際に交絡が解除され毛羽立つものとなるた
め好ましくない。
れるものではなく、使用する弾性ネットの種類や複合弾
性シートの使用用途等によって適宜決定すればよいが、
10〜150g/m2の範囲であることが好ましい。目
付が10g/m2以下であると、不織ウエブの量が少な
いために、複合弾性シートの風合いが劣り、例えば、人
体に触れる用途に複合弾性シートを用いる場合には不向
きとなる。一方、目付が150g/m2を超えると、短
繊維同士を交絡させるための高圧液体流処理を施す際の
加工のエネルギーが大きくなるためコスト高となり、ま
た、内層部に存在する短繊維相互間の交絡および短繊維
と弾性ネットとの交絡が十分になされないばかりか、得
られる複合弾性シートの伸縮性が乏しくなるため好まし
くない。また、不織ウエブを弾性ネットの両面に積層す
る場合は、両面に積層する短繊維不織ウエブの合計目付
が上記範囲内とすることが好ましい。
は、一般に以下のごとき方法で製造される。すなわち、
熱収縮性の異なる2種の重合体成分を従来公知の溶融複
合紡糸法で紡糸し、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷
却装置を用いて吹付風により冷却した後、油剤を付与
し、引取ローラーを介して未延伸糸として巻取機に巻き
取る。引取ローラー速度は、500m/分〜2000m
/分である。巻き取った未延伸糸を複数本引き揃え、公
知の延伸機にて周速の異なるローラー群間で延伸する。
次いで、前記延伸トウを押込式捲縮付与装置にて捲縮を
付与した後、所定の繊維長に切断して短繊維を得ること
ができる。なお、要求される用途により、延伸トウに用
いる重合体成分の融点以下の温度で熱セットを行っても
よい。
理することにより、その繊維が有する潜在捲縮機能を顕
在化し、スパイラルクリンプを発現する。スパイラルク
リンプを有する短繊維は、それ自身もまた優れた伸縮性
を有していることから、弾性ネットの伸縮を阻害するこ
となく、より弾性ネットの伸縮に追随でき、優れた伸縮
性能を有する複合弾性シートとなる。
ための熱処理は、弾性ネットと交絡一体化する前の不織
ウエブの段階であっても、弾性ネットと交絡一体化した
後でもどちらでもよいが、短繊維の交絡性および優れた
伸縮性を有する複合弾性シートを得るために、弾性ネッ
トと交絡一体化した後に熱処理することが好ましい。た
だし、本発明における複合弾性シートは、潜在捲縮機能
を有するものであって、未だ十分な捲縮の顕在化が行わ
れていない短繊維を構成繊維とする複合弾性シートも包
含することはいうまでもない。
トの少なくとも片面に前記不織ウエブが積層された状態
で、短繊維が弾性ネットに交絡することにより弾性ネッ
トと不織ウエブが一体化し、また、短繊維相互が交絡す
ることにより不織ウエブが形態保持している。また、弾
性ネットを構成する線状体の交点部においては不織ウエ
ブが低密度化しており、非交点部においては不織ウエブ
が高密度化している。不織ウエブが低密度化している状
態は、短繊維がほぼ存在せず、孔が開いた状態であるこ
とが好ましい。
性ネットと不織ウエブとが一体化しているが、弾性ネッ
ト全面に短繊維が均一に絡み付いたものでは、複合弾性
シートを伸長させた時に、弾性ネットに絡み付いている
短繊維は弾性ネットの伸びに追随することができず、短
繊維の絡合が解けて毛羽となり、ひどいときは短繊維が
脱落する。もしくは、短繊維の絡合度合が高い場合は、
弾性ネットが本来有する伸びが、絡み付いた短繊維に阻
害されて失われることになる。
維を絡み付けるのではなく、短繊維が僅かにしか絡まな
い部分(不織ウエブの低密度化部分)、好ましくは絡み
付かない部分(開孔部分)を意図的に設けることによ
り、弾性ネットの伸長性を阻害することなく、絡み付い
ている短繊維が弾性ネットの伸縮に際して同調追従する
ことができる。また、本発明の複合弾性シートは、弾性
ネットの伸縮方向のみでなく、その斜め方向においても
優れた伸縮性を有する。
トを具体的に説明する。図1は、本発明で用いる弾性ネ
ットの一例である格子状のネットの平面図である。弾性
ネット1は、線状体2,3が経、緯に格子状に配列して
いる。経糸および緯糸のいずれか一方、もしくは両方が
高い伸縮性を有するエラストマーからなり、経糸と緯糸
との交点部は融着または接着によって固定されている。
示す概略平面図である。弾性ネット1の片面もしくは両
面に不織ウエブ4が積層されており、弾性ネットと不織
ウエブは交絡一体化し、弾性ネットの交点部5において
不織ウエブ4が低密度化している。図3は、本発明の複
合弾性シートの一例を示す概略断面図である。弾性ネッ
トの交点部5において不織ウエブが低密度化し、短繊維
ウエブが弾性ネットの伸長時の動きに同調追従し易い構
造となっており、非交点部6において不織ウエブは高密
度化している。
製造方法を説明する。まず、前述した潜在捲縮能を有す
る短繊維を用い、カード機によるカーディング法等によ
って不織ウエブを作成する。カーディング法では、不織
ウエブの繊維並列を制御でき、例えば、カード機の進行
方向に繊維の並びを配列したパラレルウエブ、パラレル
ウエブがクロスレイドされたウエブ、繊維がランダムに
配列してなるランダムウエブ、あるいは両者の中間程度
に繊維の並びを配列させたセミランダムウエブ等が挙げ
られ使用用途によって適宜選択すれば良い。
片面もしくは両面に積層して積層体を得る。弾性ネット
は、上述した理由により節を有するものを用いて、高圧
液体流処理により弾性ネットを構成する線状体の交点部
の不織ウエブを低密度化することが好ましい。得られた
積層体に高圧液体流処理を施し弾性ネットと短繊維ウエ
ブとを交絡一体化させるとともに、短繊維ウエブの構成
繊維同士を交絡させ、弾性ネットを構成する線状体の交
点部における不織ウエブを低密度化し、非交点部におけ
る不織ウエブを高密度化する。
径が0.05〜1.5mm、特に0.1〜4mmの噴射
孔を噴射間隔0.05〜1.5mmで一列ないし複数列
に複数個配設された装置を用いる。噴射孔から高圧力で
噴射させて得られる水流すなわち高圧液体流を噴射し、
多孔性支持部材上に載せた積層体に衝突させる。
する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、常温
あるいは温水を用いることができる。噴射孔と前記積層
体との距離は、10〜150mmとするのが良い。この
距離が10mm未満であると、この処理によって得られ
る複合弾性シートの地合が乱れ好ましくない。またこの
距離が150mmを超えると高圧液体流が前記積層体に
衝突した際の衝撃力が低下し短繊維相互間の交絡や短繊
維と弾性ネットとの絡合が不十分となる傾向があり好ま
しくない。
性ネットの要求性能によって適宜選択されるが、一般的
には20〜200kg/cm2の範囲とする。なお、処
理する短繊維ウエブと弾性ネットよりなる積層体の目付
等にも左右されるが、前記処理範囲内において、処理圧
力が低いと嵩高で柔軟性に優れた複合弾性シートを得る
ことができる。逆に前記処理範囲内において、処理圧力
が高いと短繊維相互間の交絡および、短繊維ウエブと弾
性ネットとの絡合が強固なものとなり、目のつまった緻
密な複合弾性シートが得られる。
未満であると、短繊維相互間の交絡および、短繊維ウエ
ブと弾性ネットとの絡合が十分に施されず、また、弾性
ネットを構成する線状体の交点部の短繊維を移動させ十
分に低密度化することができず、本発明の目的とする複
合弾性シートを得ることができない。一方、高圧液体流
の処理圧力が200kg/cm2を超えると水圧による
衝撃によって、極端な例としては短繊維もしくは弾性ネ
ットを構成する線状体を切断することとなるので好まし
くない。
持部材としては、例えば15〜150メッシュの金網製
あるいは合成樹脂製のメッシュスクリーンや有孔板な
ど、高圧液体流が複合弾性シートと支持部材を貫通する
ものであるなら特に限定されない。
積層体の片面より高圧液体流を施した後、引き続き交絡
の施された前記積層体を反転して高圧液体流を施すこと
によって、表裏共に緻密に交絡した複合弾性シートを得
ることができるので、得られた複合弾性シートの用途等
に応じて適宜この方法を適用すると良い。
弾性シートから過剰な水分を除去する。この過剰水分の
除去には、公知の方法を採用することができ、例えば、
マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程
度機械的に除去する。その後、引き続きサクションバン
ド方式の熱風循環乾燥機等の装置を用いて残余水分の除
去を行う。
化するための弛緩熱処理、すなわち処理する複合シート
に張力を掛けない状態で熱処理を行う。弛緩熱処理の方
法としては、乾熱による熱風循環方式、加熱スチームを
用いた湿熱方式等を効果的に用いることができる。熱風
循環方式としては、処理する複合シートに対し両面より
熱風が吹き出すシュリンク・ドライヤーが一般的に用い
ることができる。また、サクションバンド方式の熱処理
機を用いてもよい。サクションバンド方式では、吹き出
す風量および吸引される風量を規制し、処理する複合シ
ートに余分な風量を付与しないで熱を付加することがで
きる。すなわち、潜在捲縮能を有する短繊維に十分な熱
量を付与し、しかも温度低下や上昇等が生じない範囲の
吹き付け風量とし、かつこの吹き付け風量に対し僅かに
低めの吸引量とすればいい。弛緩熱処理の際に重要な点
は、短繊維の潜在捲縮能を十分に顕在化させ、スパイラ
ルクリンプを発現させることにある。
を構成する低融点重合体の融点よりも5〜30℃の低い
温度を適用する。処理温度と低融点重合体の融点との差
が5℃未満であると、低融点重合体が溶融して繊維同士
が融着してしまい、本発明が目的とする優れた伸縮性を
有する複合シートが得られない。一方、低融点重合体の
融点よりも30℃を超える低い温度で弛緩熱処理を行う
と、スパイラルクリンプが十分に発現されない。
去するための乾燥処理と潜在捲縮能を顕在化するための
弛緩熱処理とを同時に行い、工程を簡略にしてもよい。
するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもの
ではない。なお実施例における各種特性値の測定は以下
の方法によって実施した。
ーキンエルマ社製;DSC−2型)を用い、昇温速度2
0℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線におい
て極値を与える温度を融点(℃)とした。
ルと四塩化エタンの等重量混合溶液を溶媒とし、この溶
媒100ミリリットルに試料0.5gを溶解し、温度2
0℃の条件で常法により測定した。
ト(g/10分):ASTM−D−1238(L)に記
載の方法に準じて測定した。以下、メルトフローレート
をMFRと記す。
から試料長15cm、試料幅5cmの試料片を10点を
作成し、平衡水分にした後、各試料片の重量(g)を秤
量し、得られた値を単位面積あたりに換算し、目付(g
/m2)とした。
m、試料幅5cmの試料片を5個作成し、各試料片毎に
複合弾性シート横方向およびその方向から45度傾いた
方向について、定速伸長型引張試験機(オリエンテック
社製 テンシロンUTM−4−1−100)を用い、引
張速度10cm/分、つかみ間隔10cmで伸長し、つ
かみ間隔の30%、すなわち6cmまで引き延ばし、1
分間放置後同じ速度で除重し、3分間放置後再び同じ速
度で一定伸びまで引き延ばす。記録した荷重―伸長曲線
(図4)から残留伸びをはかり、次の式によって伸長弾
性率(%)を算出した。試験回数は5回としその平均値
で表す。 伸長弾性率(%)=100×(L−L1)/L 上式において、Lは30%伸長時の伸び(mm)、L1
は残留伸び(mm)とする。
定で得た荷重―伸長曲線(図4)からAおよびBの部分
の面積をそれぞれa、bとしたとき、次の式によって伸
長回復率(%)を算出した。試験回数は5回としその平
均値で表す。 伸長回復率(%);100×(b/a)
と、プロピレン重合体にエチレン重合体を4重量%共重
合したMFR11g/10分、融点138℃の共重合ポ
リプロピレンとを、両重合体成分の複合比率(重量比)
を1:1として、230℃の温度で溶融し、図5に示す
ごとき繊維横断面状を形成すべく複合紡糸口金を用い
て、単孔吐出量0.79g/分として紡糸した。紡糸口
金より紡出された重合体流を冷却し、1100m/分の
速度で引取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を複数本合
糸し、延伸機を用いて延伸倍率3.5倍として延伸処理
を施した。そして、延伸処理の施された糸条を押し込み
クリンパーへ導き機械捲縮を付与した後、紡績油剤を付
与し、乾燥処理を施し裁断した。ポリプロピレンと共重
合ポリプロピレンとがともに繊維の糸条方向に露出する
ように並列に貼り合わせた形態で、単糸繊度2デニー
ル、繊維長51mmの潜在捲縮能を有する短繊維を得
た。得られた潜在捲縮能を有する短繊維をパラレルカー
ド機にて目付50g/m2の不織ウエブを作成した。
糸2.3本/1cm、緯糸5本/1cmであり、線状体
のデニールが経糸30デニール、緯糸50デニール、緯
方向の30%伸長時の伸長回復率80%、30%伸長時
の伸長弾性率98%、経方向の30%伸長時の伸長回復
率58%、30%伸長時の伸長弾性率91%で緯方向の
伸縮性に優れた、目付50g/m2の弾性ネット(シェ
ル・ケミカル株式会社製 商品名 KratonG)を
用意した。
弾性ネットの片面に積層し、2層構造とし、100メッ
シュの金網上に積載し、高圧液体流処理を施した。高圧
液体流処理は、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6
mmで配置された高圧液体流処理機を用いて70kg/
cm2の条件下で前記積層体の両面に高圧液体流処理を
施した。得られた積層不織布より過剰な水分を既知の水
分除去装置であるマングルロールにより除去した。次い
で、弛緩熱処理加工機(京都機械株式会社製商品名 ル
シオール)を用いて115℃で熱処理を行い、乾燥処理
と潜在捲縮能を顕在化するための弛緩熱処理とを同時に
行った。得られた複合弾性シートの物性を表1に示す。
成し、該不織ウエブを弾性ネットの両面に積層し、3層
構造の積層体とした以外は、実施例1と同様にして本発
明の複合弾性シートを得た。
複合弾性シートの伸長弾性率、伸長回復率は共に高い値
を示しており、優れた伸縮性を有するものであった。
有する弾性ネットの少なくとも片面に立体捲縮を有する
短繊維からなる不織ウエブが積層され、弾性ネットに短
繊維が交絡しているとともに、不織ウエブを構成する短
繊維相互が交絡して一体化してなる複合弾性シートであ
り、弾性ネットを構成する線状体の交点部においては不
織ウエブが低密度化していることによって、伸縮性を有
する弾性ネットの伸縮性を十分に活かした伸縮性に優れ
た複合弾性シートを得ることができたものである。
全面に短繊維を絡み付けるのではなく、短繊維が僅かに
しか絡まない部分を意図的に設けることにより、弾性ネ
ットの伸長性を阻害することなく、絡み付いている短繊
維が弾性ネットの伸縮に際して同調追従することがで
き、また、弾性ネットの伸縮方向のみでなく、その斜め
方向においても優れた伸縮性を得ることができる。
交点部)は、高密度に存在する短繊維同士が高度に交絡
して形態保持してなる部分であるため、肌触りがよく柔
軟性に優れ、使用時の摩耗により毛羽や繊維脱落がなく
実用性が高い。
度な立体捲縮を有する繊維を用いている。したがって、
短繊維自身もまた、高い伸縮性を有しており、弾性ネッ
トの伸縮により追随することができるため、弾性ネット
の伸縮性を十分に活かすことができる。さらには、短繊
維が立体捲縮を有するため、柔軟で肌触りがよく、嵩高
性に優れた複合弾性シートとなる。
するものであるので、おむつ、生理用品、リストバン
ド、サポーター、パップ剤基布、その他の医療・衛生材
料や生活関連資材等の様々の分野において好適に利用で
きる。
のネットの平面図である。
図である。
図である。
略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも一方向に伸縮性を有する弾性
ネットの少なくとも片面に、潜在捲縮能を有しその潜在
捲縮が顕在化した立体捲縮を有する短繊維からなる不織
ウエブが積層された複合弾性シートであり、弾性ネット
に短繊維が交絡しているとともに、不織ウエブを構成す
る短繊維相互が交絡してなり、かつ弾性ネットを構成す
る線状体の交点部においては不織ウエブが低密度化し、
非交点部においては不織ウエブが高密度化していること
を特徴とする複合弾性シート。 - 【請求項2】 弾性ネットを構成する線状体の交点部に
おいては、短繊維がほぼ存在せず開孔状態となっている
ことを特徴とする請求項1記載の複合弾性シート。 - 【請求項3】 短繊維が、相互に熱収縮性の異なる2種
の重合体成分が繊維の長さ方向に沿って並設した繊維
と、相互に熱収縮性の異なる2種の重合体成分が偏心芯
鞘構造に配設された繊維のうちの一つであることを特徴
とする請求項1記載の複合弾性シート。 - 【請求項4】 少なくとも一方向に伸縮性を有する弾性
ネットの少なくとも片面に潜在捲縮能を有する短繊維か
らなる不織ウエブを積層して積層体を得、得られた積層
体に高圧液体流を施して、弾性ネットに短繊維を交絡さ
せるとともに、不織ウエブを構成する短繊維相互を交絡
させることによって、弾性ネットと不織ウエブとを交絡
一体化させ、かつ弾性ネットを構成する線状体の交点部
においては不織ウエブを低密度化させるとともに、非交
点部においては不織ウエブを高密度化させた後に、短繊
維を構成する低融点重合体成分の融点よりも低い温度で
熱処理して短繊維の潜在捲縮能を顕在化させることを特
徴とする複合弾性シートの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11354499A JP4149610B2 (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 複合弾性シートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11354499A JP4149610B2 (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 複合弾性シートおよびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000303336A true JP2000303336A (ja) | 2000-10-31 |
| JP4149610B2 JP4149610B2 (ja) | 2008-09-10 |
Family
ID=14615014
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11354499A Expired - Lifetime JP4149610B2 (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 複合弾性シートおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4149610B2 (ja) |
-
1999
- 1999-04-21 JP JP11354499A patent/JP4149610B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4149610B2 (ja) | 2008-09-10 |
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