JP2000311338A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置

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JP2000311338A
JP2000311338A JP11119288A JP11928899A JP2000311338A JP 2000311338 A JP2000311338 A JP 2000311338A JP 11119288 A JP11119288 A JP 11119288A JP 11928899 A JP11928899 A JP 11928899A JP 2000311338 A JP2000311338 A JP 2000311338A
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recording medium
induction heating
magnetic recording
frequency induction
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JP11119288A
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Junji Nakada
純司 中田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の製造装置において、磁性材料
の加熱初期の段階であっても坩堝等の蒸発源にクラック
や割れが生じることをなくす。 【解決手段】 蒸発源組体11を構成する耐火物ルツボ11
aと高周波誘導加熱コイル12との間に被誘導加熱材料11
bを設ける。高周波誘導加熱コイル12による加熱の際、
ルツボ11a内の磁性材料10とともに被誘導加熱材料11b
も加熱され、これによりルツボ11aは内側外側の双方か
ら加熱され、熱膨張の差異によるクラック、割れの発生
を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
装置に関し、とくに詳細には、金属材料を加熱溶融せし
めてこれを蒸発させ、その蒸気流をベースフイルム等の
基板上に蒸着せしめることにより磁気記録層を形成する
ようにした磁気記録媒体の製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、γ−Fe
2 3 、CoをドープしたFe3 4、γ−Fe2 3
とFe3 4 のベルトライド化合物、Coをドープした
ベルトライド化合物、CrO3 、Baフェライト等の酸
化物磁性体、あるいはFe、Co、Ni等を主成分とす
る合金磁性体等からなる磁性材料の粒子を、添加物とと
もに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散混合せしめ、この分散混合物を
ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステ
ルやポリプロピレン等のポリオレフィンからなるベース
フイルム(基板)上に塗布し、その後これを乾燥せしめ
て製造される、いわゆる塗布型の磁気テープが広く知ら
れている。
【0003】一方、近年、記録密度の高密度化の要求が
強くなり、磁気記録媒体の磁性層における磁性材料の高
密度化、保磁力の増大、周波数特性の短波長側へのシフ
ト、あるいは磁性層の薄層化、といった改良が行われて
いる。しかし、塗布型のテープでは、磁性層中にバイン
ダーが残存するため、高密度記録に要求される上述の諸
条件を満たすことが困難となっている。
【0004】そこで、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等の蒸着法、あるいは電気メッキ、無
電解メッキ等のメッキ法による磁気記録媒体の製造方法
が注目され、種々の提案もなされている。これらの方法
によれば、バインダーを介すことなく磁性材料を直接に
基板上に堆積・成長させて磁性層を形成することができ
るため、磁性層における磁性材料の充填密度を高め、さ
らに磁性層の膜厚も薄くすることができる。
【0005】さらに、これらの蒸着法等は、ベースフイ
ルム上に形成される膜厚の調整制御が容易であるととも
に、塗布型のテープの製造工程における磁性層塗布液の
調整作業や塗布後の乾燥等の磁性層形成に伴う処理工程
も不要となるなど実用上有用な利点を有する。
【0006】特に、蒸着による方法では、メッキによる
方法において必要とされる廃液処理も不要であり、また
磁性膜の成長速度も早いという利点を有する。このよう
な蒸着法によってベースフイルム上に形成された磁性層
を記録層とする磁気テープは、従来の塗布型の磁気テー
プに比べて再生出力が格段に大きく、また記録信号の周
波数特性もより短波長側で向上する等、高密度磁気記録
媒体として有用なものとなっている。
【0007】蒸着法による磁気記録媒体の製造は、詳細
には、例えば図7に示す真空蒸着装置1により行うこと
ができる。図7に示すように、真空蒸着装置1は、略真
空状態とされた真空槽2の内部に、外形が円筒状で、か
つその円筒外周面上にポリエステルフイルム、ポリアミ
ドフイルム、ポリイミドフイルム等の非磁性材料からな
る長尺のベースフイルム3を長手方向に巻装する冷却キ
ャン4を備え、この冷却キャン4は、矢印Y方向に回転
してベースフイルム3を送出し軸5側から巻取り軸6側
へと搬送する。
【0008】真空槽2の内部は、仕切り板7により、ベ
ースフイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8
と、ベースフイルム3に磁性材料を蒸着せしめる蒸着室
9とに分割されている。蒸着室9には、冷却キャン4の
図中下方にCoやCoNi合金、CoCr合金、CoC
rNi合金等の磁性材料10を備えた蒸発源11が配設さ
れ、電子銃加熱、抵抗加熱、高周波誘導加熱等の加熱手
段12により磁性材料10を加熱、蒸発させる。蒸発して上
昇する蒸気流たる磁性材料10の粒子は、冷却キャン4の
回転に伴なって矢印Y方向に搬送されるベースフイルム
3の表面に磁性層として連続的に蒸着する。
【0009】ここで、蒸発した磁性材料の粒子を効率良
く基板上に付着させて蒸着効率を高めるためには、この
蒸発した粒子が広く拡散しないようにすればよく、例え
ば特開昭63- 204513号、特開平2-56730号により開示さ
れた技術によれば、蒸発源と冷却キャンとの間であっ
て、この蒸発した粒子が通過する部分の回りをその周壁
が囲うように、円筒状の蒸気拡散防止手段15を設ければ
よい。
【0010】また、このような円筒状の蒸気拡散防止手
段15を設けた場合、加熱手段として一般に利用される電
子銃加熱手段を用いるのは困難である。すなわち、この
場合はその電子銃から蒸発源11にある磁性材料10までの
電子ビームの通過軌道を確保する必要があるが、蒸発源
11の上方に蒸気拡散防止手段15を設けた場合、この電子
ビームの通過軌道を確保するのが困難だからである。し
たがって通常は加熱手段としては高周波誘導加熱手段を
用いるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したような磁気記
録媒体の製造装置においては、耐火物坩堝に磁性材料を
収容し、高周波誘導加熱手段の電源を入れて坩堝内の磁
性材料を加熱するものである。この加熱の際、高周波誘
導電流は坩堝内の磁性材料の外周部に集中して流れるた
め、加熱初期の段階では磁性材料の外周部のみが加熱さ
れることとなる。この際、磁性材料を収容する耐火物坩
堝も加熱されるが、加熱されるのは坩堝の内壁のみであ
り、加熱初期の段階では坩堝の外周部には十分に熱が伝
導されていないため、坩堝の内壁部と外周部とに温度差
が生じる。この内壁部と外周部との温度差により坩堝の
内壁部と外周部とに熱膨張の差が生じ、これにより坩堝
の機械的歪みを有する部分あるいは素材が不均一な部分
を核としてクラックが生じ、最悪の場合坩堝が割れてし
まうこともある。
【0012】本発明は上記事情に鑑み、磁性材料の加熱
初期の段階であっても坩堝等の蒸発源にクラックや割れ
が生じることがない磁気記録媒体の製造装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録媒
体の製造装置は、上述したような磁性材料を収容する蒸
発源を高周波誘導加熱により加熱する磁気記録媒体の製
造装置において、蒸発源と高周波誘導加熱手段との間に
所定間隔の間隙を設け、該間隙に前記蒸発源を取り囲む
ように被誘導加熱部材を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0014】また、上述した装置においては、前記蒸発
源と前記被誘導加熱部材との間に間隙を設け、該間隙内
に充填材を充填することが好ましい。
【0015】さらに、前記被誘導加熱部材と前記高周波
誘導加熱手段との間に間隙を設け、該間隙内に充填材を
充填してもよい。
【0016】また、この充填材は、溶融点1800°K以上
かつ最大粒径3.0 mm以下の粒状の酸化物、炭化物、窒
化物およびホウ化物の少なくとも一つからなることが好
ましい。
【0017】さらに、前記被誘導加熱部材が、溶融点21
00°K以上、固有抵抗1.0×102Ωcm以下の部材からなる
ことが好ましく、さらには炭素質カーボン、非晶質カー
ボンおよびCdの少なくとも一つからなることが好まし
い。
【0018】
【発明の効果】本発明による磁気記録媒体の製造装置
は、蒸発源と高周波誘導加熱手段との間に所定間隔の間
隙を設け、該間隙に前記蒸発源を取り囲むように被誘導
加熱部材を設けるようにしたため、高周波誘導加熱を行
う際に、蒸発源内の磁性材料とともに被誘導加熱部材も
加熱されることとなる。このため蒸発源はその内壁とと
もに外周部も同時に加熱され、これにより加熱初期の段
階においても蒸発源の内壁部と外周部との温度差がなく
なって内壁部と外周部と熱膨張の差がなくなる。したが
って、蒸発源の内壁部と外周部との熱膨張の差による蒸
発源のクラックの発生および割れを防止することができ
る。
【0019】また、蒸発源と被誘導加熱部材との間に間
隙を設けてこの間隙内に充填材を充填することにより、
仮に蒸発源に割れが生じたとしても、溶融した磁性材料
が充填材に吸収されるため、磁性材料の漏れを防止する
ことができる。
【0020】さらに、被誘導加熱部材と高周波誘導加熱
手段との間に間隙を設けてこの間隙内に充填材を充填す
ることにより、高周波誘導加熱手段の近傍において磁性
材料および蒸発源の加熱により発生する磁性材料からの
放出ガスを原因とする部分的な圧力の上昇を防止し、高
周波誘導加熱手段において異常放電が発生することを防
止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体製造
装置の実施形態について、図面を参照して説明する。図
1は本発明の磁気記録媒体製造装置である真空蒸着装置
1の概略構成を示すものである。
【0022】図示の真空蒸着装置1は真空槽2の内部
に、円筒状の冷却キャン4を備え、この冷却キャン4の
円筒面(外周面)には、磁気記録媒体の基板としてのベ
ースフイルム3が巻装される。ベースフイルム3は、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナ
フタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、三酢酸セルロースや二酢酸セルロース等の
セルロース誘電体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルフ
ァイド等のプラスチックを長尺フイルム状に加工したも
のであり、その厚さは例えば3〜100 μmのものが使用
される。
【0023】また、このベースフイルム3の表面には必
要に応じてアンダーコートが施される。アンダーコート
はバインダー(メチルセルロース等のセルロース類、P
ET等の飽和ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリアミ
ド、ポリアクリレート等)とフィラー(シリカ、チタニ
ア、アルミナ、炭酸カルシウム等)を溶解して塗布した
ものであり、その厚さは5〜30nmで、密度500 万〜10
000 万個/mm2 の突起を有するものである。
【0024】さらにこのベースフイルム3には、グロー
放電処理や電子線照射処理、イオン照射処理、熱処理、
薬品処理の前処理を施してもよい。
【0025】ベースフイルム3は送出し軸5から冷却キ
ャン4の円筒面を介して巻取り軸6に掛け渡され、冷却
キャン4が矢印Y方向に回転することにより冷却キャン
4の円筒面上を例えば10〜100 m/分の速度で搬送さ
れ、巻取り軸6に巻き取られる。冷却キャン4は、直径
800 mm、幅400 mmの円筒状ドラムであり、表面はハ
ードクロムメッキを施し0.2 S以下に鏡面研磨され、内
部に冷却水、その他の冷媒(エチレングリコール)を循
環させた構造であり表面温度は例えば−35〜+25℃に維
持されている。
【0026】冷却キャン4の表面には冷却キャン4から
5mmの距離離間し、内部に20℃の冷却水を循環させ、
本体がSUS304 により形成されたマスク13および14が
配設されている。そして、ベースフイルム3の搬送方向
に関して上流側に位置するマスク13により最大入射角
(θmax )を下流側に位置するマスク14により最小入射
角(θmin )が規定されている。入射角は後述する耐火
物ルツボ11a内の溶融面の円中心を基準とし、この円中
心からマスク13およびマスク14のエッジに至る線分と冷
却キャン4上のそれぞれのマスクエッジ位置での法線と
のなす角度で定義され、マスク13により規制される最大
入射角(θmax )を90°、マスク14により規制される最
小入射角(θmin )を45°に設定した。マスク13および
14により形成されるマスク開口部18の幅方向(ベースフ
イルム3の移送方向に直角の方向)の開口幅は280 mm
に設定した。
【0027】またマスク13および14の前面には、各マス
ク13,14に沿って湾曲した形状であり、各マスク13,14
から10mmの距離離間し、磁性材料10の蒸発金属粒子が
前記基材3の表面に付着することを妨げる機能を有し、
内部に18℃の冷却水を循環させ、本体がSUS304 によ
り形成された可動式のシャッター装置が配設されている
(図示せず)。
【0028】真空槽2は、仕切り板7によって、ベース
フイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8と、
ベースフイルム3に磁性材料を蒸着する蒸着室9とに仕
切られている。巻取り室8と蒸着室9とは、各別に真空
排気するための排気系(図示せず)を備え、各室内の真
空度は各別に調整可能である。特に蒸着室9は、真空槽
2の外部から後述する酸化性ガスが導入されるため、室
内の真空度およびH2O,O2をはじめとする各種残留ガ
スの分圧が常時調整される。
【0029】また、巻取り室8には、ベースフイルム3
に対する既述の前・後処理のための装置、例えば、グロ
ー放電処理装置、電子線照射処理装置、イオン照射処理
装置、熱処理装置、CVD処理装置等を配設してもよ
い。また、冷却キャン4は円筒状に限るものではなく、
蒸発源組体11に対して所定の斜面を形成し得るエンドレ
スベルト状の金属板であってもよい。
【0030】蒸着室9には、冷却キャン4の下方に、磁
性材料10を備えた蒸発源組体11が配設されている。この
蒸発源組体11は、磁性材料10を収容するための耐火物ル
ツボ11aと、この耐火物ルツボ11aの外側にこの耐火物
ルツボ11aを取り囲むように配された被誘導加熱部材11
bと、この被誘導加熱部材11bの周囲に配された磁性材
料10を加熱するための高周波誘導加熱コイル12が配設さ
れている。さらに、高周波誘導加熱コイル12に高周波電
力を供給するための高周波電源20および高周波誘導加熱
コイル12に高周波電力を伝達するための高周波電力供給
用フィーダー21が配設されている。なお、高周波誘導加
熱コイル12および高周波電力供給用フィーダー21の内部
は冷却水が循環する構造となっている。
【0031】磁性材料10は、例えばFe、Co、Ni、
CoNi、FeCo、FeCu、FeCr、CoCr、
CoCu、CoAu、CoPt、CoW、NiCr、C
oV、MnBi、MnAl、CoFeCr、CoNiC
r、CoRh、CoNiPt、CoNiFe、CoNi
FeB、FeCoNiCr、CiNiZn等の強磁性金
属や強磁性合金から適宜選択される。
【0032】蒸発源組体11の構成要素である、磁性材料
10を収容する耐火物ルツボ11a は、例えばMgO、Zr
2 、Al2 3 、CaO、Y2 3 、ThO2 、B
N、BeOCaO安定化ZrO2 、Y2 3 安定化Zr
2 等のセラミックスや炭素または炭素化合物や他の耐
熱性のある材料から適宜選択する。またこの耐火物ルツ
ボ11a の形状は、底部を有する容器型であり、水平断面
形状は真円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、その
他のいかなる形状であってもよく、垂直断面形状も正方
形、長方形、台形、その他のいかなる形状であってもよ
い。
【0033】高周波誘導加熱コイル12は、内部に冷却水
が循環する直径φ12mmのCuパイプからなり、高周波
誘導加熱コイル12は5ターンで、内径φ120 mm、高さ
h110 mmである。発振周波数100 kHz、出力60kW
の高周波電源20は真空槽2の外部に2台設置し、高周波
フィーダー21と真空用フィードスルー(図示せず)を通
じて真空槽2の内部に配設された2つの高周波誘導加熱
コイル12に接続した。高周波フィーダー21はCu板製で
あり、また高周波誘導加熱コイル12の延長Cuパイプ部
は、それぞれAl2 3 製の絶縁管で囲い、互いに電気
的に絶縁されている。なお、高周波誘導加熱コイル12
は、耐火物ルツボ11a の側面に対応する形状とするのが
好ましい。
【0034】さらに、蒸着室9には冷却キャン4と磁性
材料10を備えた蒸発源組体11との間であって、磁性材料
10が蒸発して生じる蒸気流が通過する経路を、その周壁
が囲うように蒸気の拡散を防止する手段としての円筒状
の壁(以下蒸気拡散防止壁とする)15が設けられ、また
冷却キャン4の近傍であってマスク13,14の近傍には酸
性化ガスまたは酸化性ガスと不活性ガスとの混合ガスを
ベースフイルム3に向けて噴射するための第1のガス導
入部17が設けられている。
【0035】ガス導入部17は、ベースフイルム3の搬送
方向に関して下流側に位置し、最小入射角(θmin )を
規制するマスク14の近傍で、マスク14の冷却キャン4側
の面内に内蔵されている。なお、噴射ガスとしてはO2
ガスを用いた。ガス噴射スリット17aの噴射方向は最小
入射角(θmin )を定めている冷却キャン4上の基準点
における冷却キャン4上の接線にほぼ平行な向きであ
る。ガス導入部17からのO2 ガス導入により後述の蒸気
拡散防止壁15の開口部を通過してきた蒸発粒子の飛散方
向に対して、略斜め方向にO2 ガスが噴射され蒸発金属
粒子の一部を酸化する。
【0036】蒸気拡散防止壁15の内周壁面は、高融点金
属やセラミックス等により形成され、耐火物ルツボ11a
と略連続した状態で略垂直方向に延びる規制面で囲まれ
る蒸発蒸気流路を構成するように配置されており、下面
および上面は磁性材料10の蒸発粒子の通過を許容すると
ともにその指向性を向上させるように開口し、周壁のみ
を有する筒型形状であり、水平断面形状は円形、楕円
形、長円形、正方形、長方形、その他のいかなる形状で
あってもよい。垂直断面形状も正方形、長方形、台形、
その他のいかなる形状であってもよい。
【0037】さらに、蒸気拡散防止壁15は、開口部中心
から外側へ向かって同心円状に内壁部15aおよび外周部
15cの2層から構成されている。
【0038】また、蒸気拡散防止壁15の外周面側には例
えば抵抗加熱ヒーター、高周波誘導加熱用コイル等の加
熱源を含む加熱構造体、あるいは内部に冷却水や液体窒
素、液体ヘリウム、エチレングリコール等の冷媒を循環
させ、本体はFe、Cu、Al、Ni、Ti、Mg、Z
nおよびこれらの合金、ステンレス鋼等で形成された冷
却構造体等を備えた構成を採ることができる。
【0039】蒸気拡散防止壁15は、耐火物ルツボ11a の
溶湯面内の中心を基準とし、この基準とされた点から蒸
発して上方に飛び出した磁性材料10の蒸発粒子が、後述
の最大入射角規制用のマスク13および最小入射角規制用
のマスク14によって規定される最大入射角θmax から最
小入射角θmin に亘る連続した範囲に付着するのを妨げ
ないように構成されているものとする。
【0040】なお、耐火物ルツボ11a 、高周波誘導加熱
コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21等は蒸発
源組体11の一例にすぎず、ベースフイルム3が幅方向
(ベースフイルム3面内の搬送方向に直交する方向)に
広い場合は、ベースフイルム3の幅に応じて蒸発源組体
11の形状を変えるようにし(例えば蒸発源組体11の水平
断面形状が楕円形状であり、ベースフイルム3の幅が広
い場合には、蒸発源組体11の楕円形状の長軸方向をベー
スフイルム3の幅方向に合わせる)、蒸発源組体11をベ
ースフイルム3の幅方向に対応させて複数組配列した構
成を採ることもできる。この場合、蒸発源組体11(耐火
物ルツボ11a を含む)、高周波誘導加熱コイル12、高周
波電源20、高周波フィーダー21をそれぞれ独立に複数組
配設した構成や、蒸発源組体11を複数組配設し、高周波
誘導加熱コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21
を共通にした構成を採用することもできる。
【0041】次に本実施形態の磁気記録媒体の製造装置
の作用について説明する。
【0042】まず、蒸着室9および巻取り室8内部は図
示しない真空排気手段によりそれぞれ排気され、蒸着室
9および巻取り室8の内部の状態は、例えば5.0 ×10-5
〜4.0 ×10-4Torrの真空状態とされる。蒸着室9および
巻取り室8の内部をこのように略真空状態にした後、高
周波電源20を用いて高周波誘導加熱コイル12に電力を供
給し、これにより蒸発源組体11の磁性材料10を加熱、蒸
発させる。
【0043】磁性材料10の加熱方法については、ベース
フイルム3の搬送速度80m/分、酸素導入量1000cc/
分、の条件で膜厚800 オングストロームとなる蒸発レー
トを保持するに十分な定常状態での投入パワーと、その
蒸発レートが得られるまでの保持時間について予備テス
トを行った。保持時間とは、一定電力を供給し始めてか
ら、磁性材料10が昇温、溶解し、かつ、一定の蒸発レー
トが維持できるまで蒸発源組体11全体が十分に加熱され
て熱平衡状態に達するまでの時間をいう。
【0044】保持時間が経過した後、送り出し軸5より
ベースフイルム3を80m/分の搬送速度、張力8.0 kgf/
300 mmの条件で送り出し、前処理室(図示せず)にお
いて、ベースフイルム3の磁性薄膜を形成する側をO2
ガスを用いたグロー放電処理を施した後、冷却キャン4
上を搬送させる。そして、シャッター装置を駆動して
『開』の状態とし、同時にガス導入部17から噴射量1000
cc/分でO2 ガスを噴射させつつベースフイルム3上
にCo−O磁性薄膜を形成した後、巻き取り軸6に巻き
取られる。金属磁性薄膜を形成した後、シャッター装置
を『閉』の状態にし、同時にガス導入部17からのO2
スの噴射と高周波電源20からの電力供給を停止し成膜を
終了する。
【0045】ベースフイルム3上に磁性薄膜を蒸着した
後、磁性薄膜表面にはリン酸系潤滑剤+パーフルオロポ
リエーテル潤滑材と防錆剤(ベンゾトリアゾール)の混
合剤を溶解して塗布する。バック面にはカーボンブラッ
クを主成分とする非磁性粉末とニトロセルロース、ポリ
エステル、ポリウレタンの混合材料とイソシアネート硬
化剤を溶解、分散し、0.5 μmの厚みで塗布する。以上
のようにして磁性材料の薄膜がベースフイルム3に蒸着
される。
【0046】上述したような装置において蒸発源組体11
の態様を種々変更して耐火物ルツボ11aに対するクラッ
クおよび割れの発生についての評価を行った。
【0047】実施例1としては、図2に示す耐火物ルツ
ボ11a,被誘導加熱部材11bおよび高周波誘導加熱コイ
ル12からなる蒸発源組体11を用い、実施例2として図3
に示す耐火物ルツボ11a,被誘導加熱部材11bおよび高
周波誘導加熱コイル12からなるとともに、耐火物ルツボ
11aと被誘導加熱部材11bとの間の隙間に第1の充填材
11cを充填してなるものを用いた。そして実施例3とし
ては図4に示す耐火物ルツボ11a,被誘導加熱部材11b
および高周波誘導加熱コイル12からなるとともに、耐火
物ルツボ11aと被誘導加熱部材11bとの間の隙間に第1
の充填材11cを充填するとともに、被誘導加熱部材11b
と高周波誘導加熱コイル12との間に第2の充填材を充填
してなるものを用いた。
【0048】ここで、耐火物ルツボ11aの材質はCaO
安定化ZrO2 (化学成分(wt%)ZrO2 ;90.0%
〜98.0%、CaO;2.0 %〜7.0 %)である。形状はカ
ップ状(内径φ80mm、外径φ96mm、高さ100 mm、内部深
さ90mm)である。この耐火物ルツボ11aの内部には蒸発
用の強磁性材料10としてCo100 を用いた。
【0049】また、被誘導加熱部材11bはカーボン円筒
(内径φ104 mm、外径φ114 mm、高さ100 mm)が床部材
11eを固定台として配設される。床部材11e(外径φ11
5 mm、厚み6mm)は円板状であり、CaO安定化ZrO
2 (化学成分(wt%)ZrO2 ;90.0%〜98.0%、C
aO;2.0 %〜7.0 %)からなる。
【0050】第1の充填材11cの材質は、パウダー状で
あり、粒径が0.3 mm〜1.0 mmのCaO安定化ZrO
2 (化学成分(wt%)ZrO2 ;90.0%〜98.0%、C
aO;2.0 %〜7.0 %)である。これを底の部分から軽
く突き固めながら充填した。
【0051】第2の充填材11cの材質は、パウダー状で
あり、粒径が0.3 mm〜1.0 mmのCaO安定化ZrO
2 (化学成分(wt%)ZrO2 ;90.0%〜98.0%、C
aO;2.0 %〜7.0 %)である。これを底の部分から軽
く突き固めながら充填した。
【0052】さらに、比較例1として、図5に示すよう
に耐火物ルツボ11aと高周波誘導加熱コイル12とからな
る蒸発源組体11および比較例2として図6に示す耐火物
ルツボ11aと高周波誘導加熱コイル12と耐火物ルツボ11
aと高周波誘導加熱コイル12との間に充填された充填材
11fとからなる蒸発源組体11を用いた。
【0053】評価方法は、耐火物ルツボ11a内に、磁性
材料10としてCo100 を収容し、真空槽を排気して5.0
×10-5Torrに保持し、高周波電源20によって高周波誘導
加熱コイル12に22KWの一定電力を40分間にわたり供給し
て、磁性材料10を溶融、蒸発させた。その後供給電力を
0KWとして、20分間にわたり放置した。この加熱、放置
操作を1サイクルとして、連続して、加熱、放置を5回
繰り返した。その後、蒸発源を分解して、耐火物ルツボ
11aのクラック発生情況および磁性材料10の流出状況を
観察した。この評価結果を以下の表1に示す。
【0054】表 1 評 価 結 果 比較例−1 耐火物ルツボの縦方向に顕著な亀裂(0.5
mm以上)が4本入り、溶融金属の差し込みが厚み方向全
幅に亘っている。その部分からの溶湯が漏れ、固まった
形跡あり。
【0055】比較例−2 耐火物ルツボの縦方向に顕著
な亀裂(0.5 mm以上)が3本入り、溶融金属の差し込み
が厚み方向全幅に亘っている。その部分からの溶湯の漏
れがあり充填材の途中で止まっている。
【0056】実施例−1 耐火物ルツボの縦方向に細い
亀裂(0.5 mm以下)が2本入り、溶融金属の差し込みが
認められる。耐火部ルツボの亀裂の内1本は、厚み方向
の全幅に亘っており、その部分からの溶湯が漏れ、固ま
った形跡あり。溶湯の漏れ量は少ない。
【0057】テスト途中でコイル間の異常放電発生(3
回)。
【0058】実施例−2 耐火物ルツボの縦方向に細い
亀裂(0.5 mm以下)が1本入り、溶融金属の差し込みが
認められる。耐火部ルツボの亀裂は、厚み方向の全幅に
亘っており、その部分からの溶湯が漏れ充填材の途中で
止まっている。溶湯の漏れ量は少ない。
【0059】テスト途中でコイル間の異常放電発生(1
回)。
【0060】実施例−3 耐火物ルツボの縦方向に細い
亀裂(0.5 mm以下)が1本入り、溶融金属の差し込みが
認められる。耐火部ルツボの亀裂は、厚み方向の全幅に
わたっており、その部分からの溶湯が漏れ第1充填材の
途中で止まっている。溶湯の漏れ量は少ない。
【0061】テスト途中でコイル間の異常放電発生はな
い。
【0062】表1に示すように、耐火物ルツボ11aと高
周波誘導加熱コイル12との間に被誘導加熱部材11bを設
けたものにおいては、比較例1,2と比べてクラックの
発生状態およびこのクラックからの溶融磁性材料の漏れ
が減少している。これは以下の理由による。すなわち、
耐火物ルツボ11aと高周波誘導加熱コイル12との間に被
誘導加熱部材11bを設けるようにしたため、高周波誘導
加熱を行う際に、ルツボ11a内の磁性材料とともに被誘
導加熱部材11bも加熱されることとなる。このためルツ
ボ11aはその内壁とともに外周部も同時に加熱され、こ
れにより加熱初期の段階においてもルツボ11aの内壁部
と外周部との温度差がなくなって内壁部と外周部と熱膨
張の差がなくなる。したがって、ルツボ11aの内壁部と
外周部との熱膨張の差によるルツボ11aのクラックの発
生および割れを防止することができるものである。
【0063】また、表1において耐火物ルツボ11aと被
誘導加熱部材11bとの間に充填材11cを充填したものに
おいては、ルツボ11aにクラックが生じ、このクラック
から溶融磁性材料が漏れてもこの充填剤11cの存在によ
りその漏れが被誘導加熱部材まで到達することがなくな
り、漏れの広がりを抑制することができるものである。
【0064】さらに、被誘導加熱部材11bと高周波誘導
加熱コイル12との間に充填材11cを充填させたものにお
いては、高周波誘導加熱コイル12の近傍において磁性材
料10および耐火物ルツボ11aの加熱による磁性材料10か
らの放出ガスの発生を原因とする部分的な圧力の上昇を
防止し、異常放電が発生することを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による磁気記録媒体の製造装
置の構成を表す図
【図2】蒸発源組体の第1実施例を表す図
【図3】蒸発源組体の第2実施例を表す図
【図4】蒸発源組体の第3実施例を表す図
【図5】蒸発源組体の第1比較例を表す図
【図6】蒸発源組体の第2比較例を表す図
【図7】従来の磁気記録媒体の製造装置の構成を表す図
【符号の説明】
1 真空蒸着装置 2 真空槽 3 ベースフイルム 4 冷却キャン 5 送出し軸 6 巻取り軸 7 仕切り板 8 巻取り室 9 蒸着室 10 磁性材料 11 蒸発源組体 11a 耐火物ルツボ 11b 被誘導加熱部材 11c,11d,11f 充填材 11e 底板 12 高周波誘導加熱コイル 13,14 マスク 15 蒸気拡散防止壁 17 第1のガス導入部 18 マスク開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気中で所定の経路に沿って長尺
    の基板を搬送する搬送手段と、該所定の経路の下方に配
    設された磁性材料の蒸発源と、該蒸発源の外側にあって
    該蒸発源を取り囲む高周波誘導加熱により加熱して前記
    磁性材料を蒸発せしめる高周波誘導加熱手段とを備え、
    前記基板を搬送しつつ前記基板に前記蒸気流を蒸着せし
    めることにより該基板上に磁性薄膜を形成せしめる磁気
    記録媒体の製造装置において、 前記蒸発源と前記高周波誘導加熱手段との間に所定間隔
    の間隙を設け、該間隙に前記蒸発源を取り囲むように被
    誘導加熱部材を設けたことを特徴とする磁気記録媒体の
    製造装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発源と前記被誘導加熱部材との間
    に間隙を設け、該間隙内に充填材を充填することを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記被誘導加熱部材と前記高周波誘導加
    熱手段との間に間隙を設け、該間隙内に充填材を充填す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒
    体の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記充填材が、溶融点1800°K以上かつ
    最大粒径3.0 mm以下の粒状の酸化物、炭化物、窒化物
    およびホウ化物の少なくとも一つからなることを特徴と
    する請求項2または3記載の磁気記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記被誘導加熱部材が、溶融点2100°K
    以上、固有抵抗1.0×102 Ωcm以下の部材であることを
    特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の磁気記
    録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記被誘導加熱部材が、炭素質カーボ
    ン、非晶質カーボンおよびCdの少なくとも一つからな
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載
    の磁気記録媒体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110729A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Shimadzu Corp 高周波誘導加熱装置および高周波誘導加熱装置の製造方法

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