JPH10124869A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置

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JPH10124869A
JPH10124869A JP27065096A JP27065096A JPH10124869A JP H10124869 A JPH10124869 A JP H10124869A JP 27065096 A JP27065096 A JP 27065096A JP 27065096 A JP27065096 A JP 27065096A JP H10124869 A JPH10124869 A JP H10124869A
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lid
magnetic material
base film
magnetic
vapor
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JP27065096A
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Junji Nakada
純司 中田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着により磁気記録媒体を製造する、蒸気拡
散制御手段を備えた真空蒸着装置において、磁性材料の
蒸着率を向上させる。 【解決手段】 蒸気拡散制御手段15の上端部に蓋体30を
設ける。蒸発源11の始動時において、磁性材料10の温度
が所定の温度となるまでは蓋体30を閉じ、磁性材料10の
温度が所定の温度に達した後に蓋体30を開けて磁性材料
10のベースフイルム3への蒸着を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
装置に関し、とくに詳細には、金属材料を加熱溶融せし
めてこれを蒸発させ、その蒸気流をベースフイルム等の
可撓性基板上に蒸着せしめることにより磁気記録層を形
成するようにした磁気記録媒体の製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、γ−Fe
2 3 、CoをドープしたFe3 4、γ−Fe2 3
とFe3 4 のベルトライド化合物、Coをドープした
ベルトライド化合物、CrO3 、Baフェライト等の酸
化物磁性体、あるいはFe、Co、Ni等を主成分とす
る合金磁性体等からなる磁性材料の粒子を、添加物とと
もに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散混合せしめ、この分散混合物を
ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステ
ルやポリプロピレン等のポリオレフィンからなるベース
フイルム(基板)上に塗布し、その後これを乾燥せしめ
て製造される、いわゆる塗布型の磁気テープが広く知ら
れている。
【0003】一方、近年、記録密度の高密度化の要求が
強くなり、磁気記録媒体の磁性層における磁性材料の高
密度化、保磁力の向上、磁性層の薄層化、あるいは周波
数特性の短波長側へのシフト、といった改良が行われて
いる。しかし、塗布型のテープでは、磁性層中にバイン
ダーが残存するため、高密度記録に要求される上述の諸
条件を満たすことが困難となっている。
【0004】そこで、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等の蒸着法、あるいは電気メッキ、無
電解メッキ等のメッキ法による磁気記録媒体の製造方法
が注目され、種々の提案もなされている。これらの方法
によれば、バインダーを介すことなく磁性材料を直接に
基板上に堆積・成長させて磁性層を形成することができ
るため、磁性層における磁性材料の充填密度を高め、さ
らに磁性層の膜厚も薄くすることができる。
【0005】さらに、これらの蒸着法等は、ベースフイ
ルム上に形成される膜厚の調整制御が容易であるととも
に、塗布型のテープの製造工程における磁性層塗布液の
調整作業や塗布後の乾燥等の磁性層形成に伴う処理工程
も不要となるなど実用上有用な利点を有する。
【0006】特に、蒸着による方法では、メッキによる
方法において必要とされる廃液処理も不要であり、また
堆積した磁性膜の成長速度も早いという利点を有する。
このような蒸着法によってベースフイルム上に形成され
た磁性層を記録層とする磁気テープは、従来の塗布型の
磁気テープに比べて再生出力が格段に大きく、また記録
信号の周波数特性もより短波長側で向上する等、高密度
磁気記録媒体として有用なものとなっている。
【0007】蒸着法による磁気記録媒体の製造は、詳細
には、例えば図10に示す真空蒸着装置1により行うこと
ができる。図10に示すように、真空蒸着装置1は、減圧
状態とされた真空槽2の内部に、外形が円筒状で、かつ
その円筒外周面上にポリエステルフイルム、ポリアミド
フイルム、ポリイミドフイルム等の非磁性材料からなる
長尺のベースフイルム3を長手方向に巻装する冷却キャ
ン4を備え、この冷却キャン4は、矢印Y方向に回転し
てベースフイルム3を送出し軸5側から巻取り軸6側へ
と搬送する。
【0008】真空槽2の内部は、仕切り板7により、ベ
ースフイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8
と、ベースフイルム3に磁性材料を蒸着せしめる蒸着室
9とに分割されている。蒸着室9には、冷却キャン4の
図中下方にCoやCoNi合金、CoCr合金、CoC
rNi合金等の磁性材料10を備えた蒸発源11が配設さ
れ、電子銃加熱、抵抗加熱、高周波誘導加熱等の加熱手
段12により磁性材料10を加熱、蒸発させる。蒸発して上
昇する蒸気流たる磁性材料10の粒子(磁性粒子、または
蒸発粒子と称する)は、冷却キャン4の回転に伴なって
矢印Y方向に搬送されるベースフイルム3の表面に磁性
層として連続的に蒸着する。
【0009】ここで、蒸発した磁性材料の粒子を効率良
く基板上に付着させて蒸着効率を高めるためには、この
蒸発した粒子が広く拡散しないようにすればよく、例え
ば特開昭63- 204513号、特開平2-56730号により開示さ
れた技術によれば、蒸発源と冷却キャンとの間であっ
て、この蒸発した粒子が通過する部分の回りをその周壁
が囲うように、円筒状の蒸気流拡散制御手段(単に蒸気
拡散制御手段ということもある)15を設ければよい。な
お、このような蒸気拡散制御手段15には、その内壁面に
付着した磁性材料10の蒸発粒子を再蒸発若しくは擬集回
収させるため、または再蒸発と擬集回収とを組み合わせ
るために、内壁面の温度を加熱あるいは冷却する手段を
具備する。
【0010】また、このような円筒状の蒸気拡散制御手
段15を設けた場合、加熱手段として一般に利用される電
子銃加熱手段を用いるのは困難である。すなわち、この
場合はその電子銃から蒸発源11にある磁性材料10までの
電子ビームの通過軌道を確保する必要があるが、蒸発源
11の上方に蒸気拡散制御手段15を設けた場合、この電子
ビームの通過軌道を確保するのが困難だからである。従
って通常は加熱手段としては高周波誘導加熱手段を用い
るようにしている。
【0011】一方、上述した蒸気拡散制御手段はその内
壁面によって蒸気流の拡散を防止するものであるが、反
面蒸気流がこの内壁面に接触し、蒸発した磁性材料がこ
の内壁面に付着、固化するおそれがある。磁性材料が内
壁面に付着、固化すると、意図していた蒸気流分布とは
異なった蒸気流分布となってしまい、また堆積した磁性
材料の回収作業等のメンテナンスも必要となる。そこで
上記方法においては蒸気拡散制御手段に加熱源を付加
し、この手段の内壁面を磁性材料の沸点以上の温度と
し、この蒸気拡散制御手段内壁面に衝突してこの内壁面
に付着した磁性材料の粒子を再蒸発せしめて他の蒸気流
と合流し得るようにしている。
【0012】しかしながら、蒸気拡散制御手段内壁面か
ら再蒸発した磁性材料粒子の飛散方向はその他の磁性材
料の粒子の飛散方向と異なるため当初意図していた蒸気
流分布が得られず蒸着効率の低下を招くおそれがあっ
た。一方、本願発明に用いられるような、可撓性基板上
に磁性薄膜を形成せしめる磁気記録媒体の製造プロセス
は、一般に斜め蒸着と呼ばれている。
【0013】斜め蒸着のねらいは、可撓性基板上に蒸着
された磁性体結晶を、前記可撓性基板の垂直方向に対し
て、斜めの角度にして成長させ、保持力などの磁気特性
を向上させる点にある。従って、上記の再蒸発した磁性
材料粒子が、任意の角度で前記可撓性基板に付着するこ
とは、斜め蒸着における安定な結晶成長を阻害し、磁気
特性の不安定要因となるおそれもあった。
【0014】このため、蒸気拡散制御手段内壁面の温度
を蒸気流を構成する磁性材料の融点以上であって沸点よ
りも低い温度に調節することにより、蒸気拡散制御手段
内壁面に付着した磁性材料の粒子を再蒸発させることな
く液状化せしめ、この内壁面を伝わって下降させ、これ
により、蒸気拡散制御手段上部開口からの蒸気流には蒸
気拡散制御手段内壁面から再蒸発した磁性材料の粒子が
含まれないようにし、これにより蒸気流分布が再蒸発し
た磁性材料の蒸気流により乱されることなく高い蒸着効
率を維持するようにした磁気記録媒体の製造方法が提案
されている(特開平2-56730 号)。
【0015】一方、このような磁気記録媒体の製造装置
においては、装置の始動時に蒸発源の磁性材料が溶融し
て十分な蒸発レートが得られるまでベースフイルムに磁
性材料が蒸着しないように、図11の破線に示すようにシ
ャッター手段25が設けられることがある。このシャッタ
ー手段25は冷却キャン4の前面に設けられたマスク13,
14の形状に合わせて湾曲しており、さらにマスク13,14
により定められる開口を開閉可能なように設けられてい
る。その後、蒸発源の磁性材料が溶融して十分な蒸発レ
ートが得られる温度に昇温するまでシャッター手段25は
図11に示すように閉位置にセットされ、十分な蒸発レー
トが得られた後、矢印A方向に移動する。その結果マス
ク13,14により定められる開口が露出され、ベースフイ
ルム3に磁性材料の蒸着を行うようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たシャッター手段を設けた磁気記録媒体の製造装置にお
いては、磁性材料の十分な蒸発レートが得られるまでの
間に蒸発した蒸発粒子がシャッター手段の表面において
凝固して付着してしまうため、この付着した材料が無駄
となり、磁性材料の利用効率を著しく低下させてしま
う。さらに、蒸発源の磁性材料が完全に溶解して一定の
蒸発レートが確保できる温度に昇温したときに、ベース
フイルムを搬送させると同時にシャッター手段を移動さ
せて開位置にセットするものであるが、その際シャッタ
ー手段表面に付着した磁性材料が移動の衝撃によりシャ
ッター手段から剥離して、蒸発源内に落下したり、蒸気
拡散防止手段の蒸発口を塞いだりしてしまい、蒸発レー
トあるいは蒸着される磁性材料の膜厚分布に大きな変化
をもたらし、効率の良い蒸着を行うことができなかった
り、あるいは均一な膜厚の磁気記録媒体を形成すること
ができなくなってしまう。
【0017】本発明は上記事情に鑑み、蒸着効率を向上
させて均一な膜厚の磁気記録媒体を製造することができ
る磁気記録媒体の製造装置を提供することを目的とする
ものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明になる磁気記録媒
体の製造装置は、真空雰囲気中で、長尺の可撓性基板を
搬送する搬送手段と、前記基板が搬送される下方に配設
された磁性材料からなる蒸発源と、該蒸発源を加熱蒸発
させる蒸発手段と、前記蒸発手段と前記可撓性基板との
間に配置され、前記蒸発手段により加熱蒸発した蒸気流
の拡散方向を規制制御する筒状の蒸気流拡散制御手段
と、前記蒸気流の、前記可撓性基板への入射角度を規制
する入射角規制手段とを有する、前記可撓性基板上に磁
性薄膜を形成せしめる磁気記録媒体の製造装置におい
て、前記筒状の蒸気流拡散制御手段の前記可撓性基板に
面した側の開口部に、開閉可能な蓋体を設けたことを特
徴とする磁気記録媒体の製造装置により構成される。
【0019】さらに、上記装置においては、前記蓋体の
内面が、溶融点1800K以上の金属、酸化物、炭化物、窒
化物、ホウ化物およびケイ化物、より望ましくは酸化物
から構成されることが望ましい。
【0020】さらに、上記装置においては、前記蓋体の
内面温度を制御する制御手段を備えることが望ましく、
この制御手段は、前記蓋体の内面の温度を前記磁性材料
の融点以上に制御できることが望ましい。
【0021】前記蓋体は、前記磁性材料の温度が、予め
規定した蒸着レートが得られる温度となるまでは前記蒸
気流拡散制御手段の前記可撓性支持体に面した開口を閉
じ、規定した蒸着レートが得られる温度に達した後に、
前記開口を開くようなタイミングで動作させることが望
ましい。
【0022】また、前記磁性材料の温度は、例えば放射
温度計や熱電対等の公知の手段を用いて計測すればよ
い。
【0023】なお、ここで蒸発源とは、磁性材料により
形成されたものをいうが、本明細書においては、説明の
便宜上、この蒸発源である磁性材料を収容してなる蒸発
容器を含めて蒸発源ということがあるものとする。
【0024】
【作用および発明の効果】本発明による磁気記録媒体の
製造装置は、蒸気拡散制御手段の上端部に開閉可能な蓋
体を設けたため、蒸発源の磁性材料が十分な蒸発レート
が得られるような温度になるまで蓋体を閉じておくこと
により、蓋体を閉じている間は蒸気拡散制御手段ととも
に蓋体も加熱され、磁性材料が蓋体上に凝固して付着す
ることがなくなる。これにより蓋体を開いて磁性材料の
蒸着を行う際に、凝固した磁性材料が蒸発源に落ちて蒸
発口を塞いだりして、製造される磁気記録媒体の膜厚分
布が変化したりすることがなくなる。また、蒸発した磁
性材料は凝固しないため、蓋体内面さらには蒸気拡散制
御手段内面を伝って再度蒸発源に戻ることとなるため、
磁性材料を無駄にすることがなくなる。そしてこれによ
り、磁性材料の利用効率および蒸発レートを良好なもの
とすることができる。
【0025】また、蓋体の内面温度を制御する制御手段
を設けることにより、磁性材料が凝固しない温度(例え
ば融点)に合わせて蓋体内面の温度を積極的に制御する
ことができ、さらに材料の無駄をなくすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体製造
装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の磁気記録媒体製造装置である真空蒸着装
置の一実施形態の概略構成を示すものである。
【0027】図示の真空蒸着装置1は真空槽2の内部
に、円筒状の冷却キャン4を備え、この冷却キャン4の
円筒面(外周面)には、磁気記録媒体の基板としてのベ
ースフイルム3が巻装される。ベースフイルム3は、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナ
フタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、三酢酸セルロースや二酢酸セルロース等の
セルロース誘電体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルフ
ァイド等のプラスチックを長尺フイルム状に加工したも
のであり、その厚さは例えば3〜100 μmのものが使用
される。
【0028】また、このベースフイルム3の表面には必
要に応じてアンダーコートが施される。アンダーコート
はバインダー(メチルセルロース等のセルロース類、P
ET等の飽和ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリアミ
ド、ポリアクリレート等)とフィラー(シリカ、チタニ
ア、アルミナ、炭酸カルシウム等)を溶解して塗布した
表面空起を有するものであり、その高さは5〜30nmで、
密度500 万〜10000 万個/mm2 の突起を有するものであ
る。この高さ、密度は要求される密着性能等により適宜
選択される。
【0029】さらにこのベースフイルム3には、グロー
放電処理やイオン照射処理、熱処理、薬品処理の前処理
を施してもよい。
【0030】ベースフイルム3は送出し軸5から冷却キ
ャン4の円筒面を介して巻取り軸6に掛け渡され、冷却
キャン4が矢印Y方向に回転することにより冷却キャン
4の円筒面上を例えば10〜200 m/分の速度で搬送さ
れ、巻取り軸6に巻き取られる。冷却キャン4は、直径
800 mm、幅400 mmの円筒状ドラムであり、表面はハード
クロムメッキを施し0.2 S以下に鏡面研磨され、内部に
冷却水、その他の冷媒(例えばエチレングリコール)を
循環させた構造であり表面温度は例えば−35〜+25℃に
維持されている。
【0031】冷却キャン4の表面には冷却キャン4から
一定の距離離間し、内部に冷却水あるいは冷媒を循環さ
せ、本体がSUS304 等により形成されたマスク13およ
び14が配設されている。この距離は2〜15mm、より好ま
しくは2〜10mm、最も好ましくは3〜5mmである。2mm
より狭いと後述する第1のガス吹付部を設置するスペー
スが確保できず、15mmを超えると、蒸気流がマスクとベ
ースフィルムの間に回り込んで冷却キャン4に付着して
汚れの原因となるからである。汚れが生じた部分ではキ
ャンとベースフィルム間の熱伝達率が変化したり、キャ
ンへのベースフイルムの密着が不十分となり熱ダメージ
を受け易くなるからである。そして、ベースフイルム3
の搬送方向に関して上流側に位置するマスク13により最
大入射角(θmax )を下流側に位置するマスク14により
最小入射角(θmin )が規定されている。入射角は後述
する耐火物ルツボ11a内の溶融面の円中心を基準とし、
この円中心からマスク13およびマスク14のエッジに至る
線分と冷却キャン4上のそれぞれのマスクエッジ位置で
の法線とのなす角度で定義され、マスク13により規制さ
れる最大入射角(θmax )は90°を上限とし、より好ま
しくは87°、最も好ましくは85°を上限とし、マスク14
により規制される最小入射角(θmin )は20°、より好
ましくは25°、最も好ましくは30°を下限とするように
設定されることが望ましい。何故ならば上記範囲をはず
れると望ましい保持力が得られないからである。マスク
13および14により形成されるマスク開口部18の幅方向
(ベースフイルム3の移送方向に直角の方向)の開口幅
は任意に設定できる。
【0032】真空槽2は、仕切り板7によって、ベース
フイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8と、
ベースフイルム3に磁性材料を蒸着する蒸着室9とに仕
切られている。巻取り室8と蒸着室9とは、各別に真空
化のための排気系(図示せず)を備え、各室内の真空度
は各別に調整可能である。特に蒸着室9は、真空槽2の
外部から後述する酸化性ガスが導入されるため、室内の
真空度および各種残留ガスの分圧が常時調整される。
【0033】また、巻取り室8には、ベースフイルム3
に対する既述の前・後処理のための装置、例えば、グロ
ー放電処理装置、イオン照射処理装置、熱処理装置、C
VD処理装置等を配設してもよい。また、冷却キャン4
は円筒状に限るものではなく、蒸発源11に対して所定の
斜面を形成し得るエンドレスベルト状の金属板であって
もよい。
【0034】蒸着室9には、冷却キャン4の下方に、磁
性材料10を備えた蒸発源11が配設され、この蒸発源11の
周囲には、磁性材料10を加熱するための、内部を冷却水
が循環する構造の高周波誘導加熱コイル12が配設されて
いる。さらに、高周波誘導加熱コイル12に高周波電力を
供給するための高周波電源13および高周波電力を伝達さ
せる高周波電力供給用フィーダー21が配設されている。
【0035】磁性材料10は、例えばFe、Co、Ni、
CoNi、FeCo、FeCu、FeCr、CoCr、
CoCu、CoAu、CoPt、CoW、NiCr、C
oV、MnBi、MnAl、CoFeCr、CoNiC
r、CoRh、CoNiPt、CoNiFe、CoNi
FeB、FeCoNiCr、CiNiZn等の強磁性金
属や強磁性合金から適宜選択される。
【0036】蒸発源11の構成要素である、磁性材料10を
収容する耐火物ルツボ11a は、例えばMgO、Zr
2 、Al2 3 、CaO、Y2 3 、ThO2 、B
N、BeOCaO安定化ZrO2 、Y2 3 安定化Zr
2 等のセラミックスや炭素または炭素化合物や他の耐
熱性のある材料から適宜選択する。またこの耐火物ルツ
ボ11a の形状は、底部を有する容器型であり、水平断面
形状は真円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、その
他のいかなる形状であってもよく、垂直断面形状も正方
形、長方形、台形、その他のいかなる形状であってもよ
い。なお、高周波誘導加熱コイル12は、耐火物ルツボ11
a の側面に対応する形状とするのが好ましい。
【0037】さらに、蒸着室9には冷却キャン4と磁性
材料10を備えた蒸発源11との間であって、磁性材料10が
蒸発して生じる蒸気流が通過する経路を、その周壁が囲
うように蒸気拡散制御手段15が設けられ、また冷却キャ
ン4の近傍であってマスク13,14の近傍には酸性化ガス
または酸化性ガスと不活性ガス(例えばN2 Arガス)
との混合ガスをベースフイルム3に向けて吹き付けるた
めの第1のガス吹付部17が設けられ、さらにまた蒸気拡
散制御手段15と冷却キャン4との間には、酸化性ガス、
または酸化性ガスと不活性ガスとの混合ガスを蒸発粒子
に向けて吹き付ける第2のガス吹付部16が設けられてい
る。
【0038】ガス吹付部17は、ベースフイルム3の搬送
方向に関して下流側に位置し、最小入射角(θmin )を
規制するマスク14の近傍で、マスク14の冷却キャン4側
の面内に内蔵されている。ガス吹付スリット17aの吹付
方向は最小入射角(θmin )を定めている冷却キャン4
上の基準点における冷却キャン4上の接線にほぼ平行な
向きである。ガス吹付部17からの酸化性ガス吹き付けに
より後述の蒸気拡散制御手段15の開口部を通過してきた
蒸発粒子の飛散方向に対して、略斜め方向に酸化性ガス
が吹き付けられ蒸発金属粒子の一部を酸化する。
【0039】蒸気拡散制御手段15の内周壁面は、例えば
MgO、ZrO2 、Al2 3 、CaO、Y2 3 、T
hO2 、BN、BeOCaO安定化ZrO2 、Y2 3
安定化ZrO2 等のセラミックスや炭素または炭素化合
物や他の耐熱性のある材料により形成され、耐火物ルツ
ボ11a と略連続した状態で略垂直方向に延びる規制面で
囲まれる蒸発蒸気流路を構成するように配置されてお
り、下面および上面は磁性材料10の蒸発粒子の通過を許
容するとともにその指向性を向上させるように開口し、
周壁のみを有する筒型形状であり、水平断面形状は円
形、楕円形、長円形、正方形、長方形、その他のいかな
る形状であってもよい。垂直断面形状も正方形、長方
形、台形、その他のいかなる形状であってもよい。
【0040】さらに、蒸気拡散制御手段15は、例えば開
口部中心から外側へ向かって同心円上に内壁部15a,中
間部15b,外周部15cの3層というように複数の部材か
らなる積層構造となっている。
【0041】蒸気拡散制御手段15は、耐火物ルツボ11a
の溶湯面内の中心を基準とし、この基準とされた点から
蒸発して上方に飛び出した磁性材料10の蒸発粒子が、後
述の最大入射角規制用のマスク13および最小入射角規制
用のマスク14によって規定される最大入射角θmax から
最小入射角θmin に亘る連続した範囲に付着するのを妨
げないように構成される。
【0042】なお、耐火物ルツボ11a 、高周波誘導加熱
コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21等は蒸発
源の一例にすぎず、ベースフイルム3が幅方向(ベース
フイルム3面内の搬送方向に直交する方向)に広い場合
は、ベースフイルム3の幅に応じて蒸発源11の形状を変
えるようにし(例えば蒸発源11の水平断面形状が楕円形
状であり、ベースフイルム3の幅が広い場合には、蒸発
源11の楕円形状の長軸方向をベースフイルム3の幅方向
に合わせる)、蒸発源11をベースフイルム3の幅方向に
対応させて複数組配列した構成を採ることもできる。こ
の場合、蒸発源11(耐火物ルツボ11a を含む)、高周波
誘導加熱コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21
をそれぞれ独立に複数組配設した構成や、蒸発源11を複
数組配設し、高周波誘導加熱コイル12、高周波電源20、
高周波フィーダー21を共通にした構成を採用することも
できる。
【0043】さらに本発明による磁気記録媒体の製造装
置においては蒸気拡散制御手段15の上流部に、この上端
部を開閉可能な蓋体30が設けられている。この蓋体30は
図3に示すようにシングルオープンタイプの蓋体であ
る。そして、開閉手段31に枢着されたアーム32の先端に
蓋体31が設けられており、アーム32が矢印A方向に枢動
することにより蒸気拡散制御手段15の上端部を開閉する
ものである。また、蓋体30と蒸気拡散制御手段15とが当
接する部分において、間隙ができないように蒸気拡散制
御手段15の上部をカギ型として、ここに蓋体30が入り込
むようになっている。
【0044】この蓋体30は図3に示すようにセラミック
等からなる蓋本体30cに中間体30bおよび内壁板30aを
張り合わせてなるものである。また、内壁板30aは高温
に曝されるため、溶融点が1800°K以上の金属、酸化
物,炭化物,窒化物,ホウ化物および/またはケイ化物
からなることが好ましい。内壁部30aを構成する材料の
具体例を以下の表1に示す。
【0045】 表 1 酸化物 MgO,ZrO2 ,Al2 3 ,CaO,Y2 3 ,ThO2 , TiO2 ,BeO,SiO2 ,CaO安定化ZrO2 , Y2 3 安定化ZrO2 ,LaCrO3 ,UO2 ,Cr2 3 炭化物 B4 C,SiC,TiC,HfC,NbC,VC,WC,TaC, ZrC 窒化物 BN,TiN,ZrN,TaN ホイ化物 ZrB2 ,TiB2 ,TaB2 ケイ化物 MoSi2 なお、望ましくは、MgO,Y2 3 ,CaO安定化Z
rO2 、Y2 3 安定化ZrO2 であり、最も望ましく
は、Y2 3 安定化ZrO2 (Y2 3 :5.0%〜12.0
%、ZrO2 :88.0%〜95.0%、重量比)である。
【0046】また、蓋体30には図4に示すように内部に
冷却水、液体窒素、液体ヘリウム、冷媒(フロン,ブラ
イン,エチレングリコール等)33aを循環させたSUS
304等からなる冷却機構33を設けてもよく、この場合、
蓋体本体30cを設けることなく、中間体30bとして熱伝
導体としての黒鉛品カーボンボードを用いることが好ま
しい。さらに、蓋体30の温度を測定して冷却の程度を変
化させるためにWa5Re5 等からなる熱電対35を設け
ておくことが好ましい。
【0047】さらに、蓋体30には内壁板30aに付着する
磁性材料10が蒸発し易いように、図5に示すように加熱
手段34を設けてもよい。この場合、加熱方法としては、
ヒータ加熱、高周波誘導加熱等の既知の方法を用いれば
よいが、ヒータ加熱を行う場合は、加熱手段34としては
固有抵抗700 〜1500μΩ−cmの黒鉛品カーボンを用い
ることが好ましい。また、図4に示す冷却機構を備えた
蓋対30と同様に蓋体30の温度を測定して加熱の程度を変
化させるためにWa5 Re5 等からなる熱電対35を設け
ておくことが好ましい。
【0048】さらに、冷却機構33と加熱手段34とをとも
に備えるようにしてもよいものである。
【0049】また、蓋体30は、蒸発源11から蒸発した磁
性材料10をできる限り多く蒸発源11に戻す方が良いた
め、蓋体30に付着した磁性材料10が完全に蒸発する程度
に加熱することが好ましい。そして、この加熱の程度
は、磁性材料10の融点が以下の表2に示すものであるこ
とから、蓋体30の内面温度を1800°K以上、望ましくは
2000°K以上、さらに望ましくは2200°K以上とするこ
とが好ましい。
【0050】表 2 材料 融点(°K) Fe 1810 Co 1767 Ni 1728 なお、合金中に含まれる材料の融点は、 Cu 1357.6 Cr 2118 Au 1337.6 Pt 2045 W 3660 Mn 1517 Al 933.5
【0051】
【実施例】本実施例の耐火物ルツボ11aはカップ状(内
径φ80mm、外径φ95mm、高さ100 mm、内部深さ92
mm)とし、材質はY2 3 安定化ZrO2 (Y
2 3 ;5.0 %〜12.0%、ZrO2 ;88.0%〜95.0%)
を用いた。耐火物ルツボ11aの内部には蒸発用の強磁性
材料10としてCo100 を用いた。
【0052】高周波誘導加熱コイル12は、内部に冷却水
が循環する直径φ12mmのCuパイプからなり、高周波
誘導加熱コイル12は8ターンで、内径φ120 mm、高さ
h105 mmである。発振周波数25kHz、出力30kWの
高周波電源20は真空槽2の外部に2台設置し、高周波フ
ィーダー21と真空用フィードスルー(図示せず)を通じ
て真空槽2の内部に配設された2つの高周波誘導加熱コ
イル12に接続した。高周波フィーダー21はCu板製であ
り、また高周波誘導加熱コイル12の延長Cuパイプ部
は、それぞれAl2 3 製の絶縁管で囲い、互いに電気
的に絶縁されている。
【0053】蒸気拡散制御手段15の内壁部15aは、円筒
状(内径φ80mm、外径φ95mm、高さh75mm)と
し、その材質はZrO2 とした。中間部15bは円筒状
(内径φ95mm、外径φ114 mm、高さh75mm)と
し、その材質は、黒鉛質カーボン、BNとした。
【0054】外周部15cは、円筒状(内径φ114 mm、
外径φ200 mm、高さh75mm)であり、内部には18℃
の冷却水を循環させ、本体がCuで形成された冷却構造
体を用いた。
【0055】次に本発明の磁気記録媒体の製造装置と従
来の磁気記録媒体の製造装置との比較結果について説明
する。
【0056】まず、従来例としては、図11に示すよう
に、マスク13および14の前面に、各マスク13,14に沿っ
て湾曲した形状であり、各マスク13,14から8mmの距
離離間し、磁性材料10の蒸発金属粒子が前記基材3の表
面に付着することを妨げる機能を有し、内部に18℃の冷
却水を循環させ、本体がSUS304 により形成された可
動式のシャッター手段25を配設した。
【0057】強磁性金属薄膜の形成手順は、蒸着室9お
よび巻取室8をクライオポンプ(図示せず)を用いて排
気して、5.0 ×10-5Torrに保持した後、蒸発源11の磁性
材料10を2組の高周波電源13を用いて高周波コイル12に
電力を供給することで磁性材料10を加熱、溶解させた。
溶解開始から昇温、溶解中は前記シャッター手段25を
「閉」の位置に設定し、ベースフイルム3に金属蒸気が
付着しない状態に保持した。
【0058】磁性材料10の加熱方法については、ベース
フイルム3の搬送速度80m/分、酸素導入量1800cc/
分・幅、の条件で膜厚1600オングストロームとなる蒸発
レートを保持するために十分な定常状態での投入パワー
と、その蒸発レートが得られるまでの保持時間について
予備テストを行った。保持時間とは、一定電力を供給し
始めてから、磁性材料10が昇温、溶解し、かつ、一定の
蒸発レートが維持できるまで蒸発源全体が十分に加熱さ
れて熱平衡状態に達するまでの時間をいう。予備テスト
の結果、最初に投入する電力値と保持時間を、それぞれ
15KW、30分間と定めた。
【0059】保持時間の間に蒸発する蒸発粒子は、シャ
ッター手段25の前面に付着することとなる。その後、送
り出し軸5よりベースフイルム3を80m/分の搬送速
度、張力10.0kgf/300 mmの条件で送り出し、前処理
室(図示せず)において、ベースフイルム3の磁性薄膜
を形成する側をO2 ガスを用いたグロー放電処理を施し
た後、冷却キャン4上を搬送させた。そして、シャッタ
ー手段25を駆動して「開」の状態とし、同時にガス吹付
部17から噴射料1800cc/分・幅でO2 ガスを噴射させ
つつベースフイルム3上に1600オングストロームのCo
−O磁性薄膜を形成した後、ベースフイルム3は巻き取
り軸6に巻き取られる。連続して長さ3000mの金属性薄
膜を形成した後、シャッター手段を「閉」の状態にし、
同時にガス吹付部17からのO2 ガスの噴射と高周波電源
20からの電力供給を停止し成膜を終了した。
【0060】ベースフイルム3上に磁性薄膜を−蒸着し
た後、磁性薄膜表面にはリン酸系潤滑剤+パーフルオロ
ポリエーテル潤滑剤と防錆剤(ベンゾトリアゾール)の
混合剤を溶解して塗布する。バック面にはカーボンブラ
ックを主成分とする非磁性粉末とニトロセルロース、ポ
リエステル、ポリウレタンの混合材料とイソシアネート
硬化剤を溶解、分散し、0.5 μmの厚みで塗布した。
【0061】一連の蒸着工程が終了した後、シャッター
手段25の前面に付着した蒸着物の固りを採取し、重量測
定を行った。また耐火物ルツボ11a内の残強磁性材料10
の重量測定を行い、蒸発した重量を算出した。その結
果、蒸発した全重量に対するシャッター手段25前面に付
着した蒸着物重量の割合(η%)は η=15.5% であった。
【0062】一方、本発明による磁気記録媒体の製造装
置においては、蒸気拡散制御手段15に蓋体30を設けた以
外は上述した従来の装置と同一のベースフイルム3、磁
性材料10、蒸発源11等を用いた。
【0063】そして、強磁性金属薄膜の形成手順は、蒸
着室9および巻取室8をクライオポンプ(図示せず)を
用いて排気して、5.0 ×10-5Torrに保持した後、蒸発源
11の磁性材料10を2組の高周波電源13を用いて高周波コ
イル12に電力を供給することで磁性材料10を加熱、溶解
させた。溶解開始から昇温、溶解中は蓋体30を「閉」の
位置に設定し、ベースフイルム3に金属蒸気が付着しな
い状態に保持した。
【0064】磁性材料10の昇温、溶解中は、蓋体30の内
壁温度(Tcup°K)および蒸気拡散制御手段15の内壁温
度(Twall °K)の設定値を表3のように設定した。内
壁面温度の計測はφ1.0 mmの熱電対(W95Re5 )を
用いた。
【0065】内壁面温度の制御は、冷却が必要な時は20
℃の冷却水を用い、加熱が必要な時は内壁面の裏側の埋
め込み式カーボンヒーター(CIP成形品 固有抵抗15
00μΩ−cm)を通電することにより行った。
【0066】なお、最初に投入する電力値と保持時間
を、上述した従来例と同様にそれぞれ15KW、30分間と
定めた。
【0067】保持時間の間に蒸発する蒸発粒子は、蓋体
30の内壁面に付着し、固着あるいは際溶解し耐火ルツボ
11a内へリサイクルされることとなる。
【0068】保持時間を経過し、必要な蒸発レートが得
られた後、送り出し軸5よりベースフイルム3を80m/
分の搬送速度、張力10.0kgf/300 mmの条件で送り出
し、前処理室(図示せず)において、ベースフイルム3
の磁性薄膜を形成する側をO2 ガスを用いたグロー放電
処理を施した後、冷却キャン4上を搬送させた。そし
て、開閉手段31を駆動して蓋体30を「開」の状態とし、
同時にガス吹付部17から噴射料1800cc/分・幅でO2
ガスを噴射させつつベースフイルム3上に800 オングス
トロームのCo−O磁性薄膜を形成した後、ベースフイ
ルム3は巻き取り軸6に巻き取られる。連続して長さ30
00mの金属磁性薄膜を形成した後、蓋体30を「閉」の状
態にし、同時にガス吹付部17からのO2 ガスの噴射と高
周波電源20からの電力供給を停止し成膜を終了した。
【0069】ベースフイルム3上に磁性薄膜を蒸着した
後、磁性薄膜表面にはリン酸系潤滑剤+パーフルオロポ
リエーテル潤滑剤と防錆剤(ベンゾトリアゾール)の混
合剤を溶解して塗布する。バック面にはカーボンブラッ
クを主成分とする非磁性粉末とニトロセルロース、ポリ
エステル、ポリウレタンの混合材料とイソシアネート硬
化材を溶解、分散し、0.5 μmの厚みで塗布した。
【0070】この一連の蒸着工程が終了した後、蓋体30
内壁の蒸着物を含めて重量測定を行い、その増加重量か
ら付着蒸着物重量を算出した。また、耐火物ルツボ11a
内の残強磁性材料10の重量測定を行い蒸発した重量を算
出した。各条件における蒸発した全重量に対する前記開
閉蓋内壁内に付着した蒸着物重量の割合(η%)を算出
した結果を表3に示す。
【0071】 表 3 Tcup (°K) Twall(°K) η% 従来例−1 − 2000°K 15.5% 実施例−1 1700°K 2000°K 12.7% 実施例−2 1800°K 2000°K 10.0% 実施例−3 2000°K 2000°K 7.6% 実施例−4 2200°K 2000°K 6.3% 実施例−5 2400°K 2000°K 5.7% 実施例−6 2200°K 2200°K 5.5% 実施例−7 2400°K 2200°K 5.0% 実施例−8 2200°K 2400°K 4.8% 実施例−9 2400°K 2400°K 4.5% Tcup (°K);開閉蓋の内壁内温度 Twall(°K);蒸気拡散制御手段の内壁内温度 η ;蒸発量(g)/(シャッタ前面あるいは開閉蓋 内壁内に付着した量(g))×100 表3から分かるように、従来例と比較して、本実施例の
方がηの値が低く、磁性材料10の利用効率が良いことが
分かる。また、蓋体30の内面温度が高いほど磁性材料10
の利用効率が高いことも分かる。
【0072】なお、上述した実施例においては、蓋体30
としてシングルオープンタイプのものを用いているが、
例えば図6に示すように蓋体30を蒸気拡散制御手段15の
上端部において矢印B方向にスライドさせるようにして
蓋体30を開閉させるスライドタイプのものとしてもよ
く、さらに図7に示すように別の蓋体30′、開閉手段3
1′およびアーム32′を設けてダブルオープンタイプの
蓋体としてもよいものである。また、図8に示すように
蒸気拡散制御手段15が複数設けられる場合は、蒸気拡散
制御手段の数に合わせて複数の蓋体30を設けるマルチオ
ープンタイプとすることが好ましい。
【0073】また、蓋体30の形状は、蓋体30に付着した
磁性材料10の液滴が落下し易いように、図9(a)に示
すように半球状としたり、図9(b)に示すように円錐
状とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の製造装置の一実施
形態を表す図
【図2】蒸気拡散制御手段の詳細を表す図
【図3】蒸気拡散制御手段に設けられた蓋体の詳細を表
す図
【図4】蓋体に冷却機構を設けた実施例を表す図
【図5】蓋体に加熱手段を設けた実施例を表す図
【図6】蓋体の他の実施例を表す図
【図7】蓋体の他の実施例を表す図
【図8】蓋体の他の実施例を表す図
【図9】蓋体の他の実施例を表す図
【図10】従来の磁気記録媒体の製造装置を表す図
【図11】従来の磁気記録媒体の製造装置を表す図
【符号の説明】
1 真空蒸着装置 2 真空槽 3 ベースフイルム 4 冷却キャン 5 送出し軸 6 巻取り軸 7 仕切り板 8 巻取り室 9 蒸着室 10 磁性材料 11 蒸発源 11a 耐火物ルツボ 12 高周波誘導加熱コイル 13,14 マスク 15 蒸気拡散制御手段 16 第2のガス吹付部 17 第1のガス吹付部 18 マスク開口部 25 シャッター手段 30 蓋体 31 開閉手段 32 アーム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気中で、長尺の可撓性基板を搬
    送する搬送手段と、前記基板が搬送される下方に配設さ
    れた磁性材料からなる蒸発源と、該蒸発源を加熱蒸発さ
    せる蒸発手段と、前記蒸発手段と前記可撓性基板との間
    に配置され、前記蒸発手段により加熱蒸発した蒸気流の
    拡散方向を規制制御する筒状の蒸気流拡散制御手段と、
    前記蒸気流の、前記可撓性基板への入射角度を規制する
    入射角規制手段とを有する、前記可撓性基板上に磁性薄
    膜を形成せしめる磁気記録媒体の製造装置において、 前記筒状の蒸気流拡散制御手段の前記可撓性基板に面し
    た側の開口部に、開閉可能な蓋体を設けたことを特徴と
    する磁気記録媒体の製造装置。
JP27065096A 1996-10-14 1996-10-14 磁気記録媒体の製造装置 Withdrawn JPH10124869A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007123285A (ja) * 2002-07-19 2007-05-17 Lg Electron Inc 有機電界発光膜蒸着用蒸着源
US7820231B2 (en) 2002-08-01 2010-10-26 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing apparatus
CN112853307A (zh) * 2021-02-25 2021-05-28 厦门海辰新能源科技有限公司 镀膜装置、镀膜系统及其使用方法

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JP2007123285A (ja) * 2002-07-19 2007-05-17 Lg Electron Inc 有機電界発光膜蒸着用蒸着源
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