JPH10124868A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置

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JPH10124868A
JPH10124868A JP27064996A JP27064996A JPH10124868A JP H10124868 A JPH10124868 A JP H10124868A JP 27064996 A JP27064996 A JP 27064996A JP 27064996 A JP27064996 A JP 27064996A JP H10124868 A JPH10124868 A JP H10124868A
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JP
Japan
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control means
diffusion control
magnetic material
vapor
magnetic
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JP27064996A
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English (en)
Inventor
Junji Nakada
純司 中田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着により磁気記録媒体を製造する、蒸気拡
散制御手段を備えた真空蒸着装置において、蒸気拡散制
御手段に割れや磁性材料の漏れが生じることがないよう
にする。 【解決手段】 蒸気拡散制御手段15を内側から外側に向
けて積層された内壁部15a 、中間部15b および外周部15
c からなるものとし、内壁部15a を気孔率10%〜25%の
ZrO2 により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
装置に関し、とくに詳細には、金属材料を加熱溶融せし
めてこれを蒸発させ、その蒸気流をベースフイルム等の
可撓性基板上に蒸着せしめることにより磁気記録層を形
成するようにした磁気記録媒体の製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、γ−Fe
2 3 、CoをドープしたFe3 4、γ−Fe2 3
とFe3 4 のベルトライド化合物、Coをドープした
ベルトライド化合物、CrO3 、Baフェライト等の酸
化物磁性体、あるいはFe、Co、Ni等を主成分とす
る合金磁性体等からなる磁性材料の粒子を、添加物とと
もに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散混合せしめ、この分散混合物を
ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステ
ルやポリプロピレン等のポリオレフィンからなるベース
フイルム(基板)上に塗布し、その後これを乾燥せしめ
て製造される、いわゆる塗布型の磁気テープが広く知ら
れている。
【0003】一方、近年、記録密度の高密度化の要求が
強くなり、磁気記録媒体の磁性層における磁性材料の高
密度化、保磁力の向上、磁性層の薄層化、あるいは周波
数特性の短波長側へのシフト、といった改良が行われて
いる。しかし、塗布型のテープでは、磁性層中にバイン
ダーが残存するため、高密度記録に要求される上述の諸
条件を満たすことが困難となっている。
【0004】そこで、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等の蒸着法、あるいは電気メッキ、無
電解メッキ等のメッキ法による磁気記録媒体の製造方法
が注目され、種々の提案もなされている。これらの方法
によれば、バインダーを介すことなく磁性材料を直接に
基板上に堆積・成長させて磁性層を形成することができ
るため、磁性層における磁性材料の充填密度を高め、さ
らに磁性層の膜厚も薄くすることができる。
【0005】さらに、これらの蒸着法等は、ベースフイ
ルム上に形成される膜厚の調整制御が容易であるととも
に、塗布型のテープの製造工程における磁性層塗布液の
調整作業や塗布後の乾燥等の磁性層形成に伴う処理工程
も不要となるなど実用上有用な利点を有する。
【0006】特に、蒸着による方法では、メッキによる
方法において必要とされる廃液処理も不要であり、また
堆積した磁性膜の成長速度も早いという利点を有する。
このような蒸着法によってベースフイルム上に形成され
た磁性層を記録層とする磁気テープは、従来の塗布型の
磁気テープに比べて再生出力が格段に大きく、また記録
信号の周波数特性もより短波長側で向上する等、高密度
磁気記録媒体として有用なものとなっている。
【0007】蒸着法による磁気記録媒体の製造は、詳細
には、例えば図3に示す真空蒸着装置1により行うこと
ができる。図3に示すように、真空蒸着装置1は、減圧
状態とされた真空槽2の内部に、外形が円筒状で、かつ
その円筒外周面上にポリエステルフイルム、ポリアミド
フイルム、ポリイミドフイルム等の非磁性材料からなる
長尺のベースフイルム3を長手方向に巻装する冷却キャ
ン4を備え、この冷却キャン4は、矢印Y方向に回転し
てベースフイルム3を送出し軸5側から巻取り軸6側へ
と搬送する。
【0008】真空槽2の内部は、仕切り板7により、ベ
ースフイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8
と、ベースフイルム3に磁性材料を蒸着せしめる蒸着室
9とに分割されている。蒸着室9には、冷却キャン4の
図中下方にCoやCoNi合金、CoCr合金、CoC
rNi合金等の磁性材料10を備えた蒸発源11が配設さ
れ、電子銃加熱、抵抗加熱、高周波誘導加熱等の加熱手
段12により磁性材料10を加熱、蒸発させる。蒸発して上
昇する蒸気流たる磁性材料10の粒子(磁性粒子、または
蒸発粒子と称する)は、冷却キャン4の回転に伴なって
矢印Y方向に搬送されるベースフイルム3の表面に磁性
層として連続的に蒸着する。
【0009】ここで、蒸発した磁性材料の粒子を効率良
く基板上に付着させて蒸着効率を高めるためには、この
蒸発した粒子が広く拡散しないようにすればよく、例え
ば特開昭63- 204513号、特開平2-56730号により開示さ
れた技術によれば、蒸発源と冷却キャンとの間であっ
て、この蒸発した粒子が通過する部分の回りをその周壁
が囲うように、円筒状の蒸気流拡散制御手段(単に蒸気
拡散制御手段ということもある)15を設ければよい。な
お、このような蒸気拡散制御手段15には、その内壁面に
付着した磁性材料10の蒸発粒子を再蒸発若しくは擬集回
収させるため、または再蒸発と擬集回収とを組み合わせ
るために、内壁面の温度を加熱あるいは冷却する手段を
具備する。
【0010】また、このような円筒状の蒸気拡散制御手
段15を設けた場合、加熱手段として一般に利用される電
子銃加熱手段を用いるのは困難である。すなわち、この
場合はその電子銃から蒸発源11にある磁性材料10までの
電子ビームの通過軌道を確保する必要があるが、蒸発源
11の上方に蒸気拡散制御手段15を設けた場合、この電子
ビームの通過軌道を確保するのが困難だからである。従
って通常は加熱手段としては高周波誘導加熱手段を用い
るようにしている。
【0011】一方、上述した蒸気拡散制御手段はその内
壁面によって蒸気流の拡散を防止するものであるが、反
面蒸気流がこの内壁面に接触し、蒸発した磁性材料がこ
の内壁面に付着、固化するおそれがある。磁性材料が内
壁面に付着、固化すると、意図していた蒸気流分布とは
異なった蒸気流分布となってしまい、また堆積した磁性
材料の回収作業等のメンテナンスも必要となる。そこで
上記方法においては蒸気拡散制御手段に加熱源を付加
し、この手段の内壁面を磁性材料の沸点以上の温度と
し、この蒸気拡散制御手段内壁面に衝突してこの内壁面
に付着した磁性材料の粒子を再蒸発せしめて他の蒸気流
と合流し得るようにしている。
【0012】しかしながら、蒸気拡散制御手段内壁面か
ら再蒸発した磁性材料粒子の飛散方向はその他の磁性材
料の粒子の飛散方向と異なるため当初意図していた蒸気
流分布が得られず蒸着効率の低下を招くおそれがあっ
た。一方、本願発明に用いられるような、可撓性基板上
に磁性薄膜を形成せしめる磁気記録媒体の製造プロセス
は、一般に斜め蒸着と呼ばれている。
【0013】斜め蒸着のねらいは、可撓性基板上に蒸着
された磁性体結晶を、前記可撓性基板の垂直方向に対し
て、斜めの角度にして成長させ、保持力などの磁気特性
を向上させる点にある。従って、上記の再蒸発した磁性
材料粒子が、任意の角度で前記可撓性基板に付着するこ
とは、斜め蒸着における安定な結晶成長を阻害し、磁気
特性の不安定要因となるおそれもあった。
【0014】このため、蒸気拡散制御手段内壁面の温度
を蒸気流を構成する磁性材料の融点以上であって沸点よ
りも低い温度に調節することにより、蒸気拡散制御手段
内壁面に付着した磁性材料の粒子を再蒸発させることな
く液状化せしめ、この内壁面を伝わって下降させ、これ
により、蒸気拡散制御手段上部開口からの蒸気流には蒸
気拡散制御手段内壁面から再蒸発した磁性材料の粒子が
含まれないようにし、これにより蒸気流分布が再蒸発し
た磁性材料の蒸気流により乱されることなく高い蒸着効
率を維持するようにした磁気記録媒体の製造方法が提案
されている(特開平2-56730 号)。
【0015】一方、このような磁気記録媒体の製造装置
においては、蒸気拡散制御手段を内壁部とその外側に設
けられた外周部との2層構造にしたもの、あるいは内壁
部と中間部と外周部との3層構造にしたものが知られて
いる。例えば、上記特開平2-56730 号には、内壁部をセ
ラミック材料により構成し、その外側の中間部をカーボ
ン繊維などからなる熱伝導媒体により構成し、さらにそ
の外側の外周部を内壁部を冷却する冷却手段としての水
冷式シリンダにより構成した3層構造の蒸気拡散制御手
段が開示されている。また、冷却手段の代りに加熱手段
を設けて、内壁部を所望とする温度に加熱するようにし
た装置も知られている。このように蒸気拡散制御手段を
2層あるいは3層構造とすることにより、内壁部の熱が
良好に冷却手段に伝達される、あるいは内壁部を良好に
加熱することができるため、内壁部の温度の制御が容易
となり、これにより内壁部に付着した磁性材料の再蒸発
を防止して蒸着効率を向上させることが可能となるとさ
れていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た磁気記録媒体の製造装置においては、高周波誘導加熱
により磁性材料を2000度から2500度に加熱して蒸発させ
るものであるため、蒸気流拡散制御手段の内壁部の温度
の磁性材料の蒸発によりかなりの高温となるものであ
る。すなわち、磁性材料の蒸発粒子の潜熱および溶湯面
からの輻射熱により内壁面は熱衝撃を受けるとともに、
内壁面に付着した磁性材料が再溶解することにより、溶
融金属と内壁面とが高温で接触して界面反応が生じる。
この結果、内壁部が劣化して強度が弱くなり、割れが生
じたり溶解金属の差し込みが生じて蒸気拡散制御手段か
ら磁性材料が漏れてしまうことがある。
【0017】本発明は上記事情に鑑み、蒸気流拡散制御
手段に割れや磁性材料の漏れが生じることがない磁気記
録媒体の製造装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明になる磁気記録媒
体の製造装置は、真空雰囲気中で、長尺の可撓性基板を
搬送する搬送手段と、前記基板が搬送される下方に配設
された磁性材料からなる蒸発源と、該蒸発源を加熱蒸発
させる蒸発手段と、前記蒸発手段と前記可撓性基板との
間に配置され、前記蒸発手段により加熱蒸発した蒸気流
の拡散方向を規制制御する蒸気流拡散制御手段と、前記
蒸気流の、前記可撓性基板への入射角度を規制する入射
角規制手段とを有する、前記可撓性基板上に磁性薄膜を
形成せしめる磁気記録媒体の製造装置において、前記蒸
気流拡散制御手段が、該手段の内側から外側に向けて積
層された複数の筒状の層からなり、該各層のうち、最も
内側の層が10%〜25%の気孔率を有し、最も内側の層の
熱膨張係数を、0.8 ×10-5/°K〜1.4 ×10-5/°Kとす
ることにより達成される。
【0019】気孔率の下限は、望ましくは14%であるこ
とがよい。
【0020】気孔率が10%未満であると、層構造が密に
なりすぎて、熱変形を吸収できず、25%を超えると、構
造的に脆くなり、劣化も進みやすいからである。
【0021】また、最も内側の層の融点は、2100K以上
であることが望ましい。
【0022】これらの条件を満たすために、最も内側の
層は、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物お
よび炭素からなる粒子のうち、少なくとも1つから選択
して、これらの材料粒子を焼結させて供することが望ま
しく、その中でも酸化物を選択することがより望まし
い。
【0023】また、焼結工程においては、これらの材料
粒子を3000μmから0.5 μmの範囲で混在させることが
よく、より望ましくは、最も内側の層の重量の10%以上
を、3000μm〜300 μmとすることが望ましい。
【0024】ここで、蒸発源とは、磁性材料により形成
されたものを言うが、本発明においては説明の便宜上こ
の蒸発源である磁性材料を収容してなる蒸発容器を含め
て蒸発源ということがあるものとする。
【0025】
【作用および発明の効果】蒸気流拡散制御手段の最も内
側にある層は、蒸着中常に熱に曝され、蒸発粒子の熱衝
撃を受けて非常に劣化しやすいものである。本出願人は
この最も内側にある層の劣化をできる限り少なくするた
めに種々の材料を用いてこの劣化の程度を調査した結
果、最も内側の層を構成する材料の気孔率により劣化の
程度が異なり、さらにその気孔率が10%〜25%であると
きに、材料の劣化が最も少ないということを見出して本
願発明に至ったものである。
【0026】すなわち、本発明による磁気記録媒体の製
造装置は、蒸気流拡散制御手段を複数の層からなる構成
とし、各層のうち最も内側の層が10%〜25%の気孔率を
有するものとしたため、熱衝撃による最も内側の層の劣
化が少なくなる。そしてこれにより、最も内側の層に割
れが生じたり溶解金属の差し込みが生じて蒸気流拡散制
御手段から磁性材料が漏れてしまうことを防止すること
ができる。
【0027】さらに、本出願人は、最も内側の層の材
料、層を構成する粒子の粒径、熱膨張係数、融点によっ
ても材料の劣化の程度が異なることを見出だした。すな
わち、材料を、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケ
イ化物および炭素のうち少なくとも1つとする、3000μ
mから0.5 μmの範囲で粒径の異なる粒子を焼結した酸
化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物および炭素
のうち少なくとも1つからなるものとする、全構成重量
の10%以上を粒径が3000μmから300 μmの範囲の粒子
を焼結した酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化
物および/または炭素からなるものとする、熱膨張係数
を0.8×10-5/°K 〜1.4×10-5/°K とする、あるいは融
点を2100°K以上のものとすることにより、熱衝撃によ
る最も内側の層の劣化が少なくなる。そしてこれによ
り、最も内側の層に割れが生じたり溶解金属の差し込み
が生じて蒸気流拡散制御手段から磁性材料が漏れてしま
うことを防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体製造
装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の磁気記録媒体製造装置である真空蒸着装
置の一実施形態の概略構成を示すものである。
【0029】図示の真空蒸着装置1は真空槽2の内部
に、円筒状の冷却キャン4を備え、この冷却キャン4の
円筒面(外周面)には、磁気記録媒体の基板としてのベ
ースフイルム3が巻装される。ベースフイルム3は、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナ
フタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、三酢酸セルロースや二酢酸セルロース等の
セルロース誘電体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルフ
ァイド等のプラスチックを長尺フイルム状に加工したも
のであり、その厚さは例えば3〜100 μmのものが使用
される。
【0030】また、このベースフイルム3の表面には必
要に応じてアンダーコートが施される。アンダーコート
はバインダー(メチルセルロース等のセルロース類、P
ET等の飽和ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリアミ
ド、ポリアクリレート等)とフィラー(シリカ、チタニ
ア、アルミナ、炭酸カルシウム等)を溶解して塗布した
表面空起を有するものであり、その高さは5〜30nmで、
密度500 万〜10000 万個/mm2 の突起を有するものであ
る。この高さ、密度は要求される密着性能等により適宜
選択される。
【0031】さらにこのベースフイルム3には、グロー
放電処理やイオン照射処理、熱処理、薬品処理の前処理
を施してもよい。
【0032】ベースフイルム3は送出し軸5から冷却キ
ャン4の円筒面を介して巻取り軸6に掛け渡され、冷却
キャン4が矢印Y方向に回転することにより冷却キャン
4の円筒面上を例えば10〜200 m/分の速度で搬送さ
れ、巻取り軸6に巻き取られる。冷却キャン4は、直径
800 mm、幅400 mmの円筒状ドラムであり、表面はハード
クロムメッキを施し0.2 S以下に鏡面研磨され、内部に
冷却水、その他の冷媒(例えばエチレングリコール)を
循環させた構造であり表面温度は例えば−35〜+25℃に
維持されている。
【0033】冷却キャン4の表面には冷却キャン4から
一定の距離離間し、内部に冷却水あるいは冷媒を循環さ
せ、本体がSUS304 等により形成されたマスク13およ
び14が配設されている。この距離は2〜15mm、より好ま
しくは2〜10mm、最も好ましくは3〜5mmである。2mm
より狭いと後述する第1のガス吹付部を設置するスペー
スが確保できず、15mmを超えると、蒸気流がマスクとベ
ースフィルムの間に回り込んで冷却キャン4に付着して
汚れの原因となるからである。汚れが生じた部分ではキ
ャンとベースフィルム間の熱伝達率が変化したり、キャ
ンへのベースフィルムの密着が不十分となり熱ダメージ
を受け易くなるからである。そして、ベースフイルム3
の搬送方向に関して上流側に位置するマスク13により最
大入射角(θmax )を下流側に位置するマスク14により
最小入射角(θmin )が規定されている。入射角は後述
する耐火物ルツボ11a内の溶融面の円中心を基準とし、
この円中心からマスク13およびマスク14のエッジに至る
線分と冷却キャン4上のそれぞれのマスクエッジ位置で
の法線とのなす角度で定義され、マスク13により規制さ
れる最大入射角(θmax )は90°を上限とし、より好ま
しくは87°、最も好ましくは85°を上限とし、マスク14
により規制される最小入射角(θmin )は20°、より好
ましくは25°、最も好ましくは30°を下限とするように
設定されることが望ましい。何故ならば上記範囲をはず
れると望ましい保持力が得られないからである。マスク
13および14により形成されるマスク開口部18の幅方向
(ベースフイルム3の移送方向に直角の方向)の開口幅
は任意に設定できる。
【0034】またマスク13および14の前面には、各マス
ク13,14に沿って湾曲した形状であり、各マスク13,14
から一定の距離離間し、磁性材料10の蒸発金属粒子が前
記基材3の表面に付着することを妨げる機能を有し、内
部に冷却水を循環させ、本体がSUS304 等により形成
された可動式のシャッター装置が配設されている(図示
せず)。
【0035】真空槽2は、仕切り板7によって、ベース
フイルム3の送出しおよび巻取りを行う巻取り室8と、
ベースフイルム3に磁性材料を蒸着する蒸着室9とに仕
切られている。巻取り室8と蒸着室9とは、各別に真空
化のための排気系(図示せず)を備え、各室内の真空度
は各別に調整可能である。特に蒸着室9は、真空槽2の
外部から後述する酸化性ガスが導入されるため、室内の
真空度および各種残留ガスの分圧が常時調整される。
【0036】また、巻取り室8には、ベースフイルム3
に対する既述の前・後処理のための装置、例えば、グロ
ー放電処理装置、イオン照射処理装置、熱処理装置、C
VD処理装置等を配設してもよい。また、冷却キャン4
は円筒状に限るものではなく、蒸発源11に対して所定の
斜面を形成し得るエンドレスベルト状の金属板であって
もよい。
【0037】蒸着室9には、冷却キャン4の下方に、磁
性材料10を備えた蒸発源11が配設され、この蒸発源11の
周囲には、磁性材料10を加熱するための、内部を冷却水
が循環する構造の高周波誘導加熱コイル12が配設されて
いる。さらに、高周波誘導加熱コイル12に高周波電力を
供給するための高周波電源13および高周波電力を伝達さ
せる高周波電力供給用フィーダー21が配設されている。
【0038】磁性材料10は、例えばFe、Co、Ni、
CoNi、FeCo、FeCu、FeCr、CoCr、
CoCu、CoAu、CoPt、CoW、NiCr、C
oV、MnBi、MnAl、CoFeCr、CoNiC
r、CoRh、CoNiPt、CoNiFe、CoNi
FeB、FeCoNiCr、CiNiZn等の強磁性金
属や強磁性合金から適宜選択される。
【0039】蒸発源11の構成要素である、磁性材料10を
収容する耐火物ルツボ11a は、例えばMgO、Zr
2 、Al2 3 、CaO、Y2 3 、ThO2 、B
N、BeOCaO安定化ZrO2 、Y2 3 安定化Zr
2 等のセラミックスや炭素または炭素化合物や他の耐
熱性のある材料から適宜選択する。またこの耐火物ルツ
ボ11a の形状は、底部を有する容器型であり、水平断面
形状は真円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、その
他のいかなる形状であってもよく、垂直断面形状も正方
形、長方形、台形、その他のいかなる形状であってもよ
い。なお、高周波誘導加熱コイル12は、耐火物ルツボ11
a の側面に対応する形状とするのが好ましい。
【0040】さらに、蒸着室9には冷却キャン4と磁性
材料10を備えた蒸発源11との間であって、磁性材料10が
蒸発して生じる蒸気流が通過する経路を、その周壁が囲
うように蒸気拡散制御手段15が設けられ、また冷却キャ
ン4の近傍であってマスク13,14の近傍には酸性化ガス
または酸化性ガスと不活性ガス(例えばN2 Arガス)
との混合ガスをベースフイルム3に向けて吹き付けるた
めの第1のガス吹付部17が設けられている。
【0041】ガス吹付部17は、ベースフイルム3の搬送
方向に関して下流側に位置し、最小入射角(θmin )を
規制するマスク14の近傍で、マスク14の冷却キャン4側
の面内に内蔵されている。ガス吹付スリット17aの吹付
方向は最小入射角(θmin )を定めている冷却キャン4
上の基準点における冷却キャン4上の接線にほぼ平行な
向きである。ガス吹付部17からの酸化性ガス吹き付けに
より後述の蒸気拡散制御手段15の開口部を通過してきた
蒸発粒子の飛散方向に対して、略斜め方向に酸化性ガス
が吹き付けられ蒸発金属粒子の一部を酸化する。
【0042】蒸気拡散制御手段15の内周壁面は、例えば
MgO、ZrO2 、Al2 3 、CaO、Y2 3 、T
hO2 、BN、BeOCaO安定化ZrO2 、Y2 3
安定化ZrO2 等のセラミックスや炭素または炭素化合
物や他の耐熱性のある材料により形成され、耐火物ルツ
ボ11a と略連続した状態で略垂直方向に延びる規制面で
囲まれる蒸発蒸気流路を構成するように配置されてお
り、下面および上面は磁性材料10の蒸発粒子の通過を許
容するとともにその指向性を向上させるように開口し、
周壁のみを有する筒型形状であり、水平断面形状は円
形、楕円形、長円形、正方形、長方形、その他のいかな
る形状であってもよい。垂直断面形状も正方形、長方
形、台形、その他のいかなる形状であってもよい。
【0043】さらに、蒸気拡散制御手段15は、例えば開
口部中心から外側へ向かって同心円上に内壁部15a,中
間部15b,外周部15cの3層というように複数の部材か
らなる積層構造となっている。
【0044】また、蒸気拡散制御手段15の外周面側には
例えば抵抗加熱ヒーター、高周波誘導加熱用コイル等の
加熱源を含む加熱構造体、あるいは内部に冷却水や液体
窒素、液体ヘリウム、エチレングリコール等の冷媒を循
環させ、本体はFe、Cu、Al、Ni、Ti、Mg、
Znおよびこれらの合金、ステンレス鋼等で形成された
冷却構造体等を備えた構成を採ることができる。
【0045】蒸気拡散制御手段15は、耐火物ルツボ11a
の溶湯面内の中心を基準とし、この基準とされた点から
蒸発して上方に飛び出した磁性材料10の蒸発粒子が、後
述の最大入射角規制用のマスク13および最小入射角規制
用のマスク14によって規定される最大入射角θmax から
最小入射角θmin に亘る連続した範囲に付着するのを妨
げないように構成される。
【0046】なお、耐火物ルツボ11a 、高周波誘導加熱
コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21等は蒸発
源の一例にすぎず、ベースフイルム3が幅方向(ベース
フイルム3面内の搬送方向に直交する方向)に広い場合
は、ベースフイルム3の幅に応じて蒸発源11の形状を変
えるようにし(例えば蒸発源11の水平断面形状が楕円形
状であり、ベースフイルム3の幅が広い場合には、蒸発
源11の楕円形状の長軸方向をベースフイルム3の幅方向
に合わせる)、蒸発源11をベースフイルム3の幅方向に
対応させて複数組配列した構成を採ることもできる。こ
の場合、蒸発源11(耐火物ルツボ11a を含む)、高周波
誘導加熱コイル12、高周波電源20、高周波フィーダー21
をそれぞれ独立に複数組配設した構成や、蒸発源11を複
数組配設し、高周波誘導加熱コイル12、高周波電源20、
高周波フィーダー21を共通にした構成を採用することも
できる。
【0047】
【実施例】本実施例の耐火物ルツボ11aはカップ状(内
径φ80mm、外径φ96mm、高さ100mm、内部深さ92mm)と
し、材質はMgO(化学成分:MgO;98.0%、Al2
3 ;0.5 %、SiO2 ;0.5 %、CaO;0.2 %、F
2 3 ;0.2 %)を用いた。耐火物ルツボ11aの内部
には蒸発用の強磁性材料10としてCo80Ni20を用い
た。
【0048】高周波誘導加熱コイル12は、内部に冷却水
が循環する直径φ12mmのCuパイプからなり、高周波誘
導加熱コイル12は4ターンで、内径φ120 mm、高さh12
0 mmである。発振周波数50kHz、出力30kWの高周波
電源20は真空槽2の外部に2台設置し、高周波フィーダ
ー21と真空用フィードスルー(図示せず)を通じて真空
槽2の内部に配設された2つの高周波誘導加熱コイル12
に接続した。高周波フィーダー21はCu板製であり、ま
た高周波誘導加熱コイル12の延長Cuパイプ部は、それ
ぞれAl2 3 製の絶縁管で囲い、互いに電気的に絶縁
されている。
【0049】蒸気拡散制御手段15の内壁部15aは、後述
するように気孔率が10%〜25%の材料からなり、円筒状
(内径φ80mm、外径φ102.0 mm、高さh75mm)とし、そ
の材質はAl2 3 とした。中間部15bは円筒状(内径
φ102.6 mm、外径φ114 mm、高さh75mm)とし、その材
質は、黒鉛質カーボン、BNとした。
【0050】外周部15cは、円筒状(内径φ114 mm、外
径φ150 mm、高さh75mm)であり、内部には18℃の冷却
水を循環させ、本体がSUS304 で形成された冷却構造
体を用いた。
【0051】また、本実施例における内壁部15aの気孔
率の変化による割れや溶解金属の差し込み等を調査する
ため、蒸気拡散制御手段15に、耐火物ルツボ11aと略連
続した状態で略垂直に延びる板状の内壁テストピース15
d(幅30mm、厚み5mm、高さh75mm)を用い、その裏面
にはテストピース15dに接触した冷却構造体外周部15e
を配設し、テストピース15dを保持した。テストピース
15dの材料組成は、ZrO2 、MgO、Al2 3 、Z
rB2 、BN、ZrN、TiC、ZrC、MoSi2
主成分とし、気孔率、粒度、粒度混合率を変化させたも
のを用いた。外周部15eは内部に20℃の冷却水を循環さ
せ、本体がSUS304 で形成された冷却構造体を用い
た。この冷却構造体の形状は幅40mm、厚み30mm、高さ10
0 mmのブロック状である。
【0052】蒸気拡散制御手段15の構成層の材質の評価
方法は、磁性材料10をセットした蒸発源11を真空槽2内
に設置し、真空槽2をクライオポンプ(図示せず)を用
いて排気して5.0 ×10-5Torrに保持する。そして高周波
電源20を用いて、高周波誘導加熱コイル12に15KWの一定
電力を180 分間供給し、磁性材料10を溶解、蒸発させ
た。蒸気拡散制御手段15のテストピース15dは蒸発粒子
の潜熱および溶湯面からの輻射熱による熱衝撃を受ける
とともに、内壁面に付着粒子が再溶解し溶融金属と高温
で接触することによる界面反応が生じる。昇温、溶解、
蒸発テストを終了した後、蒸気拡散制御手段15の内壁部
テストピース15dを分解し、割れの状況と界面反応層の
厚さ(還元作用による変色あるいは溶解金属の浸透)を
観察し評価した。その評価の結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】割れ状態のランク ランク S:目視において全く亀裂が認められない、溶解金属が
差し込んだ形跡なし。
【0055】A:細い亀裂が1〜2本あるが、溶解金属
が差し込んだ形跡なし。
【0056】(幅0.5 mm以下)B:細い亀裂が3本以下
であり、溶解金属の差し込みが認められるが、層の厚み
方向の途中で止っている。
【0057】C:顕著な亀裂が1〜2本ある。あるいは
溶解金属の差し込みが(幅0.5 mm以上)層の厚み方向の
全幅にわたっている。
【0058】D:顕著な亀裂が3本以上あり、溶解金属
の差し込みが層厚み方向の全幅にわたっており、漏れが
大きい。
【0059】E:昇温、溶解テストの途中で著しい亀裂
が入り、構造的破壊に至ったもの。
【0060】割れ状態のランクS,A,Bまでを使用可
能とした。
【0061】なお、材料の主成分とは全体の重量比率と
して80%を占めるものをいう。また気孔率は内壁部15
a、テストピース15dの成形時の圧力(成形圧;3.0 kg
f/cm2〜10kgf/cm2 、焼成温度;1450℃〜1600℃)で調
整するものである。
【0062】表1に示すように気孔率が10〜25%の範囲
にある場合の割れのランクは全てS,A,Bとなってお
り、気孔率がこの範囲にある場合にテストピース15d、
すなわち内壁部15aに割れ、溶解金属の差し込みが生じ
ない、あるいは生じてはいるものの使用には問題がない
ことが分かった。
【0063】次いで表1のサンプルNo. 8(ZrO2
気孔率14.6%、粒径範囲3000μm〜0.5 μm)について
各粒径素材の混合比率を変えて上述した試験を行った。
その結果を以下の表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2から分かるように、粒径が0.5 μm〜
3000μmの範囲でなる粒子を混合することにより、割れ
のランクは全てS,Aとなり、テストピース15d、すな
わち内壁部15aに割れ、溶解金属の差し込みが生じな
い、あるいは生じてはいるものの使用には問題がないこ
とが分かった。
【0066】さらに、全構成重量の10%以上を粒径が30
0 〜3000μmの範囲で異なる粒子とすることにより、割
れのランクはS、すなわち、全く割れ、溶解金属の差し
込みが生じないことが分かった。
【0067】さらに、材料の熱膨張係数を変化させ、上
述した試験を行った。この結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】 可能な範囲 0.8 ×10-5〜1.4 ×10-5 望ましい範囲 0.9 ×10-5〜1.4 ×10-5 表3に示すように、熱膨張係数が0.8 ×10-5〜1.4 ×10
-5の範囲にあるときに、割れのランクはS,Aとなって
おり、テストピース15d、すなわち内壁部15aに割れ、
溶解金属の差し込みが生じない、あるいは生じてはいる
ものの使用には問題がないことが分かった。さらに、熱
膨張係数を0.9 ×10-5〜1.4 ×10-5の範囲のものとする
ことにより割れのランクはS、すなわち、割れ、溶解金
属の差し込みが全く生じないことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の製造装置の一実施
形態を表す図
【図2】蒸気拡散制御壁の詳細を表す図
【図3】従来の磁気記録媒体の製造装置を表す図
【符号の説明】
1 真空蒸着装置 2 真空槽 3 ベースフイルム 4 冷却キャン 5 送出し軸 6 巻取り軸 7 仕切り板 8 巻取り室 9 蒸着室 10 磁性材料 11 蒸発源 11a 耐火物ルツボ 12 高周波誘導加熱コイル 13,14 マスク 15 蒸気拡散制御手段 15d テストピース 17 第1のガス吹付部 18 マスク開口部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気中で、長尺の可撓性基板を搬
    送する搬送手段と、前記基板が搬送される下方に配設さ
    れた磁性材料からなる蒸発源と、該蒸発源を加熱蒸発さ
    せる蒸発手段と、前記蒸発手段と前記可撓性基板との間
    に配置され、前記蒸発手段により加熱蒸発した蒸気流の
    拡散方向を規制制御する蒸気流拡散制御手段と、前記蒸
    気流の、前記可撓性基板への入射角度を規制する入射角
    規制手段とを有する、前記可撓性基板上に磁性薄膜を形
    成せしめる磁気記録媒体の製造装置において、 前記蒸気流拡散制御手段が、該手段の内側から外側に向
    けて積層された複数の筒状の層からなり、該複数の層の
    うちの、最も内側の層が、10%〜25%の気孔率を有し、
    かつその熱膨張係数が、0.8 ×10-5/°K〜1.4 ×10-5
    /°Kであることを特徴とする磁気記録媒体の製造装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6477072B2 (en) 1998-10-06 2002-11-05 Fujitsu Limited Layout design method on semiconductor chip for avoiding detour wiring
WO2011140060A3 (en) * 2010-05-03 2012-03-01 University Of Delaware Thermal evaporation sources with separate crucible for holding the evaporant material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6477072B2 (en) 1998-10-06 2002-11-05 Fujitsu Limited Layout design method on semiconductor chip for avoiding detour wiring
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