JP2000339679A - 磁気記録媒体の製造装置および方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置および方法

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JP2000339679A
JP2000339679A JP11143544A JP14354499A JP2000339679A JP 2000339679 A JP2000339679 A JP 2000339679A JP 11143544 A JP11143544 A JP 11143544A JP 14354499 A JP14354499 A JP 14354499A JP 2000339679 A JP2000339679 A JP 2000339679A
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crucible
magnetic material
magnetic
frequency induction
recording medium
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JP11143544A
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English (en)
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Junji Nakada
純司 中田
Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波誘導加熱法を利用した真空蒸着によっ
て磁気記録媒体を製造する方法および装置であって、融
解した磁性材料の漏出しに起因する問題を抑制できる磁
気記録媒体の製造方法および装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】上方に向かって開口する磁性材料収容部を
備えた第1のルツボ(12)と、該第1のルツボの外側
に配置され前記磁性材料収容部(12a)内の磁性材料
(10)を加熱して蒸発させる高周波誘導加熱手段(1
3)と、摂氏1800度以上の融点を有する耐火物セラ
ミックスからなり前記第1のルツボと前記高周波誘導加
熱手段との間に配置された充填材(14)とを有する蒸
発源(11)を備えている磁気記録媒体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、磁気記録媒体の
製造方法および装置に関するものであり、さらに詳細に
は、金属材料を融解、蒸発し、支持体に付着させて、薄
膜を形成し、磁気記録媒体を製造する方法および装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体は、γ−Fe2O3、Co
をドープした Fe3O4、γ−Fe2O3 とFe3O4のベルトライ
ド化合物、Coをドープしたベルトライド化合物、CrO3
Baフエライトなどの酸化物磁性体、あるいは、Fe、Co、
Niなどを主成分とする合金磁性体からなる粉末磁性材料
を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂など
の有機パインダー中に分散させ、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステルやポリプロビレンなどのポリ
オレフィンからなる支持体上に塗布して、乾燥するとい
う塗布方法によって、製造されるのが一般であった。
【0003】一方、磁気記録媒体による高密度記録への
要求が高まっており、これにともなって、磁気記録媒体
の磁性層中の磁性材料の高密度化、抗磁力の増大、周波
数特性の短波長側へのシフトあるいは磁性層の薄層化な
ど、磁性層の特性を改善することが求められている。
【0004】しかしながら、塗布によって磁性層が形成
された磁気記録媒体では、磁性層中にバインダーが残存
するため、磁性層の特性改善に限界があり、したがっ
て、磁気記録媒体における高密度記録への要求に応える
ことが困難であった。
【0005】そこで、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティングなどの蒸着法あるいは電気メッキや無
電解メッキなどのメッキ法によって、磁性層を形成する
ことにより、磁性層の特性を改善し、高密度記録が可能
な磁気記録媒体を得ることができる磁気記録媒体の製造
方法が提案されている。
【0006】これらの方法によれば、磁性材料を、直
接、支持体上に、堆積させることにより、磁性層を形成
することができるため、磁性層中の磁性材料の充填密度
を高めることにより高密度記録が可能な磁気記録媒体を
得ることが可能になる。また、磁性層の膜厚を薄くする
こともでき、磁性層の膜厚の制御も容易である。さら
に、塗布によって磁気記録媒体を製造する場合とは異な
って、磁性塗布液の調製や乾燥などという工程が不要に
なり、製造工程が簡素化するという利点もある。
【0007】蒸着により磁性層を形成する方法は、メッ
キによる場合のように、廃液処理の必要がなく、また、
膜の成長速度が高いという利点がある。また、蒸着によ
って磁性層が形成された磁気記録媒体は、塗布により磁
性層が形成された磁気記録媒体に比して、再生出力が大
幅に向上し、磁気記録の周波数特性も短波長側にシフト
されており、高密度磁気記録媒体として、優れている。
【0008】一般に、真空蒸着による従来の磁気記録媒
体の製造装置は、真空槽の内部に、ポリエステルフイル
ム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルムなどの長
尺状フイルムである非磁性支持体が周囲に巻回された冷
却ドラムと、耐火物からなりCo、CoNi合金、CoCr合金、
CoCrNi合金などの磁性材料を収容するルツボを有する蒸
発源とを備えており、電子銃加熱、抵抗加熱、高周波誘
導加熱などにより、ルツボ内の磁性材料を加熱して蒸発
させ、冷却ドラムの回転とともに移動される非磁性支持
体の表面に、磁性材料を蒸着するように構成されてい
る。
【0009】電子銃加熱により、磁性材料を加熱して、
蒸発させる場合には、電子ビームが通過する軌道を形成
するための空間を、蒸発源と非磁性支持体との間に確保
する必要がある。これに対し、高周波誘導加熱を用いる
場合には、このような空間的制約がなく、蒸発源を、非
磁性支持体にきわめて近接して設けることができるた
め、蒸発した磁性材料の粒子を、効率良く、非磁性支持
体に付着させることができるという利点がある。
【0010】しかしながら、高周波誘導加熱を用いた場
合には、磁性材料を収容したルツボにクラックが生じ易
いという欠点があることが知られている。すなわち、高
周波誘導加熱では、発生した誘導電流が、磁性材料の表
面近傍に集中的に流れるため、磁性材料の表面近傍の温
度が局部的に上昇し、この部分に隣接したルツボの内壁
の温度が非常に高温になる。この結果、サーマルショッ
クや機械的なねじれが発生してルツボにクラックが生
じ、融解した磁性材料が漏れ出すという問題が、しばし
ば、生じていた。
【0011】このような問題を解決するため、従来は、
蒸発源の耐火物からなるルツボを、磁性材料を収容する
内側ルツボと、その外側に配置された外側ルツボとから
形成し、高周波誘導加熱コイルを、外側ルツボの外周に
沿って配置したり、あるいは、さらに、内側ルツボと外
側ルツボの間に、セラミックウール、セラミックボード
などからなる断熱材を配置して、内側ルツボが破損した
ときに、融解した磁性材料が外部に漏れることを防止し
ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内側ル
ツボと外側ルツボを備えた従来型の蒸発源においても、
内側ルツボが破損して、融解した磁性材料が漏れた場合
には、外側ルツボにもクラックが生じ、融解した磁性材
料が、蒸発源の外部に漏れ出てしまうという問題があっ
た。内側ルツボと外側ルツボの間に、セラミックウー
ル、セラミックボードなどからなる断熱材が配置された
ルツボを備えた蒸発源においても、これらの断熱材で
は、融解した磁性材料が、蒸発源の外部に漏れ出ること
を防止することができなかった。また、外部に漏れ出し
た磁性材料が高周波誘導加熱コイルに接触して、これを
短絡あるいは地絡させてしまい、磁性材料の融解、蒸発
を安定して続けることができなくなることもあった。さ
らには、外部に漏れ出た融解磁性材料が、高周波誘導加
熱コイルを融解させたり、あるいは、他の真空機器や冷
却機構を物理的に破損させることもあった。
【0013】更に、従来、耐火物製ルツボと高周波誘導
加熱手段を用いた蒸着は、比較的、融点が低い、Al(融
点933K)、Pb(融点600K)、Sn(融点505
K)、Zn(融点692K)等の材料を用いて行われてい
た。しかしながら、高密度記録を可能とするため、Co
(融点1767K)、Fe(融点1810K)、Ni(融点1
728K)等の融点の高い強磁性材料を使用する場合に
は、耐火物ルツボの内壁の温度が2200K以上に達す
ることがあり、ルツボにクラックが発生しやすくなり、
上記問題が従来より大きくなっている。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、高周波誘導加熱法を利用した真空蒸着によって
磁気記録媒体を製造する方法および装置であって、融解
した磁性材料の漏出しに起因する問題を抑制できる磁気
記録媒体の製造方法および装置を提供することを目的と
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、上
方に向かって開口する磁性材料収容部を備えた第1のル
ツボと、該第1のルツボの外側に配置され前記磁性材料
収容部内の磁性材料を加熱して蒸発させる高周波誘導加
熱手段と、摂氏1800度以上の融点を有する耐火物セ
ラミックスからなり前記第1のルツボと前記高周波誘導
加熱手段との間に配置された充填材とを有する蒸発源を
備えている磁気記録媒体の製造装置によって達成され
る。
【0016】このような構成を有する本発明によれば、
第1のルツボと高周波誘導加熱手段との間に耐火物セラ
ミックスからなる充填材が配置されているので、第1の
ルツボにクラックが発生して、融解した磁性材料がこの
クラックから漏れ出しても、この充填材により、溶融し
た磁性材料が高周波誘導加熱手段に向かって流れてこれ
に接触することが阻止される。この結果、高周波誘導加
熱手段が漏れ出した溶融磁性材料により短絡したり地絡
したりすることを確実に防止できる。
【0017】本発明の好ましい態様では、前記第1のル
ツボが有底筒体であり、前記充填材が前記磁性材料収容
部を構成する前記第1のルツボの側壁の外側を覆って配
置されている。このような構成によれば、融解した磁性
材料が第1のルツボに生じたクラックから漏れ出して
も、充填材により、それ以上外側に流れることが阻止さ
れる。
【0018】本発明の他の好ましい態様では、前記高周
波誘導加熱手段の外側に配置された第2のルツボを更に
備え、該第2のルツボと前記高周波誘導加熱手段との間
に断熱材が配置されている。
【0019】本発明の他の好ましい態様では、前記第1
のルツボの側壁上部の肉厚が、側壁下部の肉厚以下であ
るように形成されている。本発明の他の好ましい態様に
よれば、前記第1のルツボの底部と側壁との接合部にす
み肉部が形成され、前記接合部の最大肉厚が、前記底部
の肉厚以上に形成されている。このような構成によれ
ば、第1のルツボに収容された磁性材料を加熱して融解
するとき、第1のルツボの各部分の熱膨張率の相違によ
って生じる内部応力が最大となるルツボの底部と側壁と
の接合部が破損することが防止される。
【0020】本発明の他の好ましい態様では、前記充填
材の主成分が、前記第1のルツボの主成分と同一である
こと。
【0021】本発明の上記目的は、上方に向かって開口
する収容部を有する第1のルツボに、磁性材料を収容
し、摂氏1800度以上の融点を有する耐火物セラミッ
クスからなる充填材を介して前記第1のルツボに対して
配置された高周波加熱手段によって前記磁性材料を高周
波誘導加熱して蒸発させ、蒸発した磁性材料を非磁性支
持体の表面に付着させて磁性層を形成する磁気記録媒体
の製造方法によっても達成される。
【0022】本発明の好ましい態様では、前記充填材の
主成分が、前記第1のルツボの主成分と同一である。ま
た、本発明の他の好ましい態様では、前記充填材が、粒
径の均一なパウダー状材料によって形成されている。更
に、本発明の他の好ましい態様では、前記第1のルツボ
が、圧縮強度が600ないし1000kg/cm2、見掛け気孔率が
15ないし25%である材料によって形成されている。
【0023】本発明において、使用される磁性材料はと
くに限定されるものではない。例えば、Fe、Co、Ni、Co
Ni、FeCo、FeCu、FeCr、CoCr、CoAu、CoPt、CoW、NiC
r、CoV、MnBi、MnBi、MnAl、CoFeCr、CoNiCr、CoRh、Co
NiPt、CoNiFe、CoNiFeB 、FeCoNiCr、CiNiZnなどの強磁
性金属や強磁性合金が使用される。
【0024】本発明において、非磁性支持体上に形成さ
れる磁性層は、単層膜であっても、多層膜であってもよ
い。また、非磁性支持体と磁性層の間、あるいは、多層
膜の場合には、各膜の間に、付着力向上、保磁力の制御
などのために、下地層あるいは中間層を設けてもよい。
さらに、磁性層の表面に保護層を形成してもよい。保護
層としては、例えば、アモルファス状カーボン層、SiO2
層、Si3N4層、SiNX層、SiNX−SiO2層、SiC層、TiO2
層、TiC層、TiN層などが使用される。保護層は、単層
膜であっても、多層膜であってもよい。
【0025】また、磁性層や保護層を形成した後、必要
に応じて、バックコート層を形成してもよい。バックコ
ート層は、カーボンブラックを主成分とし、炭酸カルシ
ウム、酸化鉄、アルミナ、チタニアなどの含む非磁性粉
末と、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ
エステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビ
ニルやこれらの共重合体またはこれらを混合したものに
イソシアネート系硬化剤を加えた樹脂とを溶解、分散し
たものを、磁性層の表面に、たとえば、0.4ないし
0.8μmの厚みに塗布することにより、形成すること
ができる。
【0026】本発明において、磁性層の表面に、さら
に、潤滑剤層や防錆剤層などを形成してもよい。潤滑剤
としては、たとえば、モンテフルオス株式会社製のFOMB
LIN Z-DOL、AM2001、デュポン株式会社製のKRYTOX143A
Z、157FSL、ダイキン工業株式会社製のデムナムSYなど
のパーフルオロポリエーテル系潤滑剤、ステアリン酸な
どの脂肪酸、ステアリルアルコールなどのアルコール、
脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどのアルキル系潤滑
剤、これらアルキル系潤滑剤の一部または全部の水素原
子をフッ素原子で置換したフッ素化アルキル系潤滑剤、
リン酸アルキルエステル、チオ亜リン酸、フォスフィン
などのリン酸系潤滑剤またはこれらの混合物が好ましく
使用し得る。リン酸系潤滑剤と、パーフルオロポリエー
テル系潤滑剤やフッ素化アルキル系潤滑剤などを混合し
て使用すると、より好ましい。防錆剤としては、ベンゾ
トリアゾール、ベンズチアゾール、テトラザイデン環誘
導体、チオウラシル環誘導体などが好ましい。
【0027】本発明において、第1のルツボの材質は、
耐熱性、溶融される磁性材料との反応安定性、機械的強
度、耐熱衝撃性が高いものでなくてはならず、圧縮強度
が600ないし1000kg/cm2の材料によって、第1
のルツボを形成することが、好ましい。具体的には、た
とえば、MgO、ZrO2、Al2O3、CaO、Y2O3、ThO2、BN、Be
O、CaO安定化ZrO2、Y2O3安定化ZrO2、B4C、SiC、SiO2
ZrB2、TiB2、TaB2、TiN、ZrN、TaN、TiC、ZrC、HfC、Nb
C、VC、WC、TaC、MoSiO2、LaCrO3、UO2などのセラミッ
クスや炭素もしくは炭素化合物またはこれらの混合材料
などを使用するのが好ましい。
【0028】本発明において、磁性材料として、Coおよ
びCoを主成分とする合金を用いた場合には、第1のルツ
ボは、MgO(化学成分:MgO;93.0ないし99.9%、CaO、Al
2O3、SiO2、Fe2O3およびTiO2の各成分;0.0%ないし2.0
%、嵩比重:3.0ないし5.5、圧縮強度:500kg/cm2ない
し800kg/cm2、熱伝導率(350℃):0.7ないし1.3kcal
/mh℃、焼成温度:1400℃ないし2200℃)、Y2O3、CaO
安定化ZrO2(化学成分:CaO3.0%ないし7.0%、ZrO2;90.
0%ないし98.0%、MgO、Al2O3、SiO2、Fe2O3 および TiO2
の各成分が0.0%ないし2.0%、嵩比重:3.0ないし5.5、圧
縮強度:500kg/cm2ないし800kg/cm2、熱伝導率(350
℃):0.7ないし1.3kcal /mh℃、焼成温度:1400℃な
いし2200℃)またはY2O3安定化ZrO2によって形成するこ
とが好ましく、さらに好ましくは、Y2O3安定化ZrO2(化
学成分: Y2O3;5.0%ないし12.0%、ZrO2;88.0%ないし9
5.0%、CaO、Al2O3、SiO2、Fe2O3および TiO2の各成分;
0.0%ないし2.0%、見掛け比重:5.2ないし6.5、嵩比重:
4.0ないし5.8、圧縮強度:500kg/cm2ないし800kg/c
m2、熱伝導率(350 ℃):0.7ないし1.2kcal/mh℃、焼
成温度:1400℃ないし2300℃)により形成するとよい。
【0029】第1のルツボは、底部と側壁部とを備え上
方に向かって開口する有底筒体であればよく、その形状
はとくに限定されるものではない。たとえば、横断面形
状としては、円形、楕円形、長円形、正方形、長方形、
その他の形状のいずれも選択することができ、縦断面形
状としては、正方形、長方形、台形、その他の形状のい
ずれも選択することができる。
【0030】第1のルツボの側壁上端部分の肉厚および
側壁下端部分の肉厚は、通常、30mm以下であり、好ま
しくは、10mm以下である。なお、側壁の上端側部分の
厚さは、下端側部分の厚さ以下であるのが好ましい。
【0031】また、第1のルツボの底部と側部の間の部
分の曲率半径は、通常、50mm以下であり、好ましくは
20mm以下である。第1のルツボの底部と側部の接合部
の肉厚は、通常、50mm以下であり、好ましくは30mm
以下である。本発明において使用される充填材は、溶融
点1800℃以上の耐火物セラミックであり、たとえば、Mg
O、ZrO2、Al2O3、CaO、Y2O3、ThO2、BN、BeO、CaO安定
化ZrO 2、Y2O3安定化ZrO2、B4C、SiC、SiO2、ZrB2、Ti
B2、TaB2、TiN、ZrN、TaN、TiC、ZrC、HfC、NbC、VC、W
C、TaC、MoSiO2、LaCrO3、UO2などのセラミックスや炭
素もしくは炭素化合物またはこれらの混合材料などが挙
げられ、これらの中でも、MgO、ZrO2、Al2O3、CaO、Y2O
3を主成分として、90%以上含むセラミックスや、SiO
2とZrO2、SiO2とAl2O3、ZrO2とAl2O3の混合材料を使用
するのが好ましい。充填材の主成分が、第1のルツボの
材質と同一であると、さらに好ましい。
【0032】本発明において、充填材としては、好まし
くは最大粒径3.0mm以下で最小粒径0.3μm以上、
より好ましくは最大粒径1.0mm以下で最小粒径0.3
μm以上の均一な粒径のパウダー状のものが好ましい。
特に、最大粒径3.0mm以下のMgO、ZrO2、Al2O3が好ま
しい。磁性材料として、CoおよびCoを主成分とする合金
を用いる場合には、好ましくは最大粒径が2.0mm以下
で最小粒径が0.3μm以上、より好ましくは、最大粒
径が0.3mm以下で最小粒径が0.3μm以上のZrO2
ウダー(化学成分: ZrO2:;8.0%ないし99.9%、CaO;
0.0%ないし5.0%、Al2O3、SiO2、Fe2O3及び TiO2の各成
分;0.0%ないし2.0%)を充填材として用いるのがよい。
【0033】本発明において、充填材は、溶融した磁性
材料が、第1のルツボから漏れ出た場合に、漏れ出た磁
性材料が、高周波誘導加熱手段に向かって、流れること
を阻止して、高周波誘導加熱手段と接触することを防止
することができればよく、充填材からなる層の厚みはと
くに限定されないが、通常は、10mmないし20mmに設
定される。
【0034】本発明において、第2のルツボは、第1の
ルツボと同様の材料によって形成してもよいが、第1の
ルツボや充填材に比して、耐熱性が低くてもよい。
【0035】本発明において、断熱材は、耐火温度10
00℃以上、熱伝導率5.0kcal/mh℃以下の材料によ
り形成される。具体的には、例えば、MgO、ZrO2、Al2O
3、CaO、Y2O3、ThO2、BN、BeO、CaO安定化ZrO2、Y2O3
定化ZrO2、B4C、SiC、SiO2、ZrB2、TiB2、TaB2、TiN、Z
rN、TaN、TiC、ZrC、HfC、NbC、VC、WC、TaC、MoSiO2
LaCrO3、UO2などのセラミックスや炭素もしくは炭素化
合物またはこれらの混合材料、けい酸カルシウム、保温
材、ロックウール保温材、セラミックファイバー断熱
材、炭素繊維などが、本発明の断熱材に使用可能であ
り、その形状は、ファイバー状、ブランケット状、フェ
ルト状、ボード状、ブロック状、キャスト状、モールド
状などのいずれでもよいが、ボード状であることが好ま
しい。断熱材は、第1のルツボや充填材に比して、耐熱
性が低くてもよい。断熱材からなる層の厚みは、通常、
10mmないし20mmである。
【0036】断熱材および第2のルツボを設けることに
より、蒸発源全体を断熱構造とすることができ、第1の
ルツボの側面方向への伝熱や輻射によるエネルギー損失
を低減して、蒸発源のエネルギー効率を向上させること
が可能になる。
【0037】本発明において、高周波誘導加熱手段とし
て、好ましくは、高周波誘導加熱コイルが用いられ、高
周波誘導加熱コイルは、銅製のパイプによって形成され
ている。高周波誘導加熱コイルのサイズは、限定される
ものではないが、たとえば、内径6.0mmないし16.
0mmの銅製のパイプを使用できる。高周波誘導加熱コイ
ルの表面は、耐熱性、絶縁性セラミックスによって、コ
ーティングされているのが好ましい。コーティング材料
は、とくに限定されるものではないが、溶融点1600℃以
上、絶縁耐力 500(AC V/100μm)以上の溶射コーティン
グが形成されることが好ましく、たとえば、MgO、Zr
O2、Al2O3、CaO、SiO2、Cr2O3、Fe2O3などが好ましく使
用される。高周波誘導加熱コイルの表面が、充填材の主
成分と同一の材料により、コーティングされていると、
さらに好ましい。磁性材料として、CoまたはCoを主成分
とする合金を用い、充填材として、ZrO2のパウダーを用
いた場合には、ZrO2を主成分とする材料によって、高周
波誘導加熱コイルの表面を溶射コーティングすると好ま
しい。このように、高周波誘導加熱コイルの表面を、電
気的絶縁性を有する材料によって、溶射コーティングす
ることにより、第1のルツボに、サーマルショックある
いは機械的応力によって、クラックが生じ、溶融した磁
性材料が漏れ出て、充填材の層内に流れ込み、高周波誘
導加熱コイルの近傍に達した場合にも、高周波誘導加熱
コイルが短絡したり、地絡したりするのを防止すること
が可能になる。
【0038】本発明において、高周波誘導加熱コイルの
表面を、電気的絶縁性を有する材料によって、溶射コー
ティングする代わりに、たとえば、マイカやグラスウー
ルなどの耐熱性、絶縁性を有するテープを、高周波誘導
加熱コイルの表面に巻きつけまたは貼りつけ、あるい
は、高周波誘導加熱コイルの全体を、セラミックセメン
トなどによって固めることにより、高周波誘導加熱コイ
ルの短絡や地絡を防止することもできる。
【0039】本発明において使用し得る非磁性支持体と
しては、非磁性材料であれば、とくに限定されないが、
たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン、三酢酸セルロースや二酢酸セルロー
スなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニルなどのビニ
ル系樹脂、ポリアミド、、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリフェニレンサルファイドなどのプラスチックを
フイルム状に加工したものが、好ましく使用できる。非
磁性支持体の厚みは、好ましくは、3ないし100μm
である。
【0040】非磁性支持体の表面には、必要に応じて、
下塗層を設けることができる。下塗層を設ける場合に
は、バインダーにフィラーを溶解して、非磁性支持体に
塗布する。バインダーとしては、メチルセルロースなど
のセルロース類、ポリエチレンテレフタレートなどの飽
和ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリア
クリレートなどが好ましく使用できる。また、フィラー
としては、シリカ、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウ
ムなどが好ましく使用できる。下塗層は、高さ5ないし
30nm、密度500万ないし1億個/mm2の突起を有
していることが好ましい。
【0041】さらに、非磁性支持体の表面に、グロー放
電処理、電子線照射処理、イオン照射処理、熱処理、C
VD処理、薬品処理などの前処理を施してもよい。非磁
性支持体の搬送速度は、形成すべき磁性層の厚みなどに
より異なり、とくに限定されないが、通常は、10ない
し100m/分程度に設定される。
【0042】第1のルツボに収容する磁性材料の形状
は、第1のルツボに収容された際に、第1のルツボの底
面以外に接することがない形状であることが好ましい。
磁性材料が、第1のルツボの側面に接した状態で、加熱
され、溶融されると、磁性材料の熱膨張により、第1の
ルツボの壁面にクラックを生じさせるおそれがあり、好
ましくない。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施の形体について、詳細に説明する。
【0044】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る磁気記録媒体の製造装置の略正面図である。
【0045】図1に示されているように、磁気記録媒体
の製造装置1は、真空槽2内に配置された冷却ドラム3
を備えている。冷却ドラム3の周囲には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステルフイルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンフイルム、三酢酸セルロースや二酢酸セルロースなど
のセルロース誘導体フイルム、ポリ塩化ビニルなどのビ
ニル系樹脂フイルム、ポリアミドフイルム、、ポリカー
ボネートフイルム、ポリイミドフイルム、ポリフェニレ
ンサルファイドフイルムなどの長尺状のプラスチックフ
イルムからなる非磁性支持体4が巻回されている。冷却
ドラム3は、矢印Aの方向に回転され、非磁性支持体4
を、送り出し軸5から、巻き取り軸6へ矢印B方向に搬
送するように構成されている。
【0046】冷却ドラム3の内部には、冷却水その他の
冷媒が循環されており、その表面温度が、所定の温度、
たとえば、−35℃ないし+25℃になるように構成さ
れている。
【0047】真空槽2は、仕切り板7によって、送り出
し軸5および巻き取り軸6を備え非磁性支持体4の送り
出し及び巻き取りが行われる巻き取り室8と、非磁性支
持体4に磁性材料を蒸着する蒸着室9とに分割されてい
る。巻き取り室8および蒸着室9には、独立した排気系
(図示せず)を備えており、それぞれの圧力が独立して
調整可能に構成されている。
【0048】非磁性支持体4に、グロー放電処理、イオ
ン照射処理、熱処理、CVD処理、薬品処理などの表面
処理を施す場合には、巻き取り室8内の送り出し軸5の
近傍に、これらの表面処理を行う装置が配置される。
【0049】蒸着室9には、冷却ドラム3の下方には、
磁性材料10を収容した蒸発源11が設けられている。
蒸発源11は、磁性材料を収容する第1のルツボ12
と、この第1のルツボに収容された磁性材料を加熱する
高周波誘導加熱コイル12を備え、高周波誘導加熱コイ
ル13内部には、冷却水が循環されている。
【0050】図2は、蒸発源11の略縦断面図である。
【0051】図2に示されているように、蒸発源11
は、第1のルツボ12を備えている。第1のルツボ12
は、耐火物からなり磁性材料10を収容する上方に向か
って開口する略円柱状の磁性材料収容部12aを有する
有底筒体形状を有している。第1のルツボ12と高周波
誘導加熱コイル13の間の間隙には、充填材14が配置
されている。高周波誘導加熱コイル13の外側には、耐
火物からなる第2のルツボ15が配置され、高周波誘導
加熱コイル13と第2のルツボ15との間の間隙には、
断熱材16が充填されている。なお、図1では、充填材
14および断熱材16は省略されている。
【0052】高周波誘導加熱コイル13は、高周波電源
17から高周波電力を供給され、内部に冷却水を循環さ
れる高周波電力供給用フィーダーに接続されている。
【0053】図3は、融解前の磁性材料10が、第1の
ルツボ12内に収容された状態を示している。図3に示
されるように、本実施態様においては、磁性材料10
は、略円柱状をなし、第1のルツボ12の磁性材料収容
部12aの底面とのみ接触するように、収容されてい
る。磁性材料10の直径は、磁性材料収容部12aの底
面の最小直径の98%以下、好ましくは、80%以上且
つ94%以下に設定されている。
【0054】第1のルツボ12は、第1のルツボ12の
底部と側壁との接合部には、すみ肉部12bが形成され
て、断面形状が丸くなるように形成されている。これに
よって、略円柱状の磁性材料10を用いるとき、磁性材
料10が、第1のルツボ12の底面とのみ接触し、側面
と接触しないように、保証されている。また、第1のル
ツボ12の上端部の肉厚は、底部の肉厚より薄く、ま
た、底部と側部との接合部(すみ肉部12b)の最大肉
厚は、底部の肉厚より厚くなるように設定されており、
第1のルツボ12内の磁性材料10が加熱されて、融解
されるときに、各部分の熱膨張率の違いによって生ずる
内部応力が最大となる底部と側壁との接合部が破損する
ことの防止が図られている。
【0055】第1のルツボ12は、耐熱性、融解される
磁性材料との反応安定性、機械的強度、耐熱衝撃性が高
い材料によって形成されており、たとえば、MgO、Zr
O2、Al2O3、CaO、Y2O3、ThO2、BN、BeO、CaO安定化Zr
O2、Y2O3安定化ZrO2、B4C、SiC、SiO2、ZrB2、TiB2、Ta
B2、TiN、ZrN、TaN、TiC、ZrC、HfC、NbC、VC、WC、TaC
、MoSiO2、LaCrO3、UO2などのセラミックスや炭素もし
くは炭素化合物またはこれらの混合材料などにより形成
されている。
【0056】充填材14は、融解点1800℃以上の耐火物
セラミックからなり、たとえば、MgO、ZrO2、Al2O3、Ca
O、Y2O3、ThO2、BN、BeO、CaO安定化ZrO2、Y2O3安定化Z
rO2、B4C 、SiC 、SiO2、ZrB2、TiB2、TaB2、TiN、Zr
N、TaN、TiC、ZrC、HfC、NbC、VC、WC、TaC、MoSiO2、L
aCrO3、UO2などのセラミックスや炭素もしくは炭素化合
物またはこれらの混合材料からなっている。充填材14
の主成分が、第1のルツボ12の主成分と同一であると
好ましい。
【0057】充填材14としては、好ましくは最大粒径
3.0mm以下で最小粒径0.3μm以上、より好ましく
は最大粒径1.0mm以下で最小粒径0.3μm以上の均
一な粒径のパウダー状のセラミックが使用される。特
に、最大粒径3.0mm以下のMgO、ZrO2、Al2O3が好まし
い。磁性材料として、CoおよびCoを主成分とする合金を
用いる場合には、好ましくは最大粒径が2.0mm以下で
最小粒径が0.3μm以上、より好ましくは、最大粒径
が0.3mm以下で最小粒径が0.3μm以上のZrO2パウ
ダー(化学成分: ZrO2:;8.0%ないし99.9%、CaO;0.0
%ないし5.0%、Al2O3、SiO2、Fe2O3及び TiO2の各成分;
0.0%ないし2.0%)を充填材として用いるのがよい。
【0058】第2のルツボ15は、耐熱性、融解される
磁性材料との反応安定性、機械的強度、耐熱衝撃性が高
い材料によって形成されて。第2のルツボ15は、第1
のルツボ12と同一の材料によって形成されているのが
好ましい。
【0059】断熱材16は、耐火温度1000℃以上、
熱伝導率5.0kcal/mh℃以下の材料により形成されて
おり、たとえば、MgO、ZrO2、Al2O3、CaO、Y2O3、Th
O2、BN、BeO、CaO安定化ZrO2、Y2O3安定化ZrO2、B4C、S
iC、SiO2、ZrB2、TiB2、TaB2、TiN、ZrN、TaN、TiC、Zr
C、HfC、NbC、VC、WC、TaC、MoSiO2、LaCrO3、UO2など
のセラミックスや炭素もしくは炭素化合物またはこれら
の混合材料、けい酸カルシウム、保温材、ロックウール
保温材、セラミックファイバー断熱材、炭素繊維などに
よって形成されている。その形状は、ファイバー状、ブ
ランケット状、フェルト状、ボード状、ブロック状、キ
ャスト状、モールド状などのいずれでもよいが、ボード
状であることが好ましい。
【0060】高周波誘導加熱コイル13の外側には、耐
火物からなる第2のルツボ15が設けられている。高周
波誘導加熱コイル13と第2のルツボ15の間の間隙
に、断熱材16を充填することにより、蒸発源11全体
を断熱構造とすることができ、第1のルツボ12の側面
方向への伝熱や輻射によるエネルギー損失を低減して、
蒸発源11のエネルギー効率を向上させることが可能に
なる。
【0061】高周波誘導加熱コイル13は、たとえば、
内径6.0mmないし16.0mmの銅製のパイプによって
形成されている。高周波誘導加熱コイル13の表面は、
たとえば、MgO、ZrO2、Al2O3、CaO、SiO2、Cr2O3、Fe2O
3などの耐熱性、絶縁性セラミックスによって、コーテ
ィングされている。磁性材料10として、CoまたはCoを
主成分とする合金を用い、充填材14として、ZrO2のパ
ウダーを用いた場合には、ZrO2を主成分とする材料によ
って、高周波誘導加熱コイル13の表面を溶射コーティ
ングすることが好ましい。このように、高周波誘導加熱
コイル13の表面が、電気的絶縁性を有する材料によっ
て、溶射コーティングされると、第1のルツボ12に、
サーマルショックあるいは機械的応力によって、クラッ
クが生じ、融解した磁性材料10が漏れ出して充填材1
4の層内に流れ込み、高周波誘導加熱コイル13の近傍
に達した場合にも、高周波誘導加熱コイル13が短絡し
たり、地絡したりするのを防止することが可能になる。
図2に示されているように、高周波誘導加熱コイル13
は、第1のルツボ12の外周に沿って配置されている。
【0062】本実施態様においては、高周波電源17と
しては、周波数200kHz、出力20kWの電源が用
いられている。
【0063】蒸着室9内の蒸発源11の直上には、蒸発
源11から蒸発した磁性粒子の飛散方向を規制する蒸気
拡散防止手段18が設けられている。蒸気拡散防止手段
18は、筒形をなし、第1のルツボ12の磁性材料収容
部12aの内壁とほぼ連続して略鉛直に延びる壁面18
aと、上下端部に、開口部18bを有し、蒸発源11か
ら蒸発した磁性粒子の流路を形成している。流路の横断
面形状としては、円形、楕円形、長円形、正方形、長方
形、その他の形状のいずれをも選択することができ、ま
た、その縦断面形状としては、正方形、長方形、台形、
その他の形状のいずれをも選択することができる。
【0064】蒸気拡散防止手段18の外周部には、抵抗
加熱ヒーター、高周波誘導加熱コイルなどの加熱源を備
えた加熱手段(図示せず)、あるいは、その内部に、冷
却水や液体窒素、液体ヘリウム、エチレングリコールな
どの冷媒が循環され、Fe、Cu、Al、Ni、Ti、Mg、Znおよ
びこれらの合金やステンレス鋼などによって形成された
冷却手段(図示せず)が設けられており、その内壁面に
おいて、蒸発した磁性粒子を、再蒸発あるいは凝集可能
に構成されている。
【0065】蒸気拡散防止手段18の開口部18bは、
第1のルツボ12内の融解した磁性材料表面の中心から
蒸発した磁性粒子が、所定範囲の角度で、冷却ドラム3
上の非磁性支持体4の表面に衝突するように、その形状
が定められている。
【0066】冷却ドラム3から所定の距離をおいて、上
流側マスク19および下流側マスク20が設けられてい
る。上流側マスク19および下流側マスク20の内部に
は、冷却水あるいは冷媒が循環されている。蒸発源11
により蒸発され、蒸気拡散防止手段18の開口部18b
を通過した磁性粒子は、上流側マスク19および下流側
マスク20により形成された開口部21を通って、図1
において、斜め下方から、非磁性支持体4の表面に供給
される。蒸着により形成された磁性層の磁気特性、とく
に保磁力および角型比は、磁性材料10の蒸気の非磁性
支持体4の表面への入射角度によって決定されることが
知られており、したがって、上流側マスク19および下
流側マスク20は、上流側マスク19により、許容され
る最大入射角が規定され、下流側マスク20によって、
許容される最小入射角が規定されるように、配置されて
いる。
【0067】下流側マスク20の上流側端部近傍には、
耐久性に優れ、磁気特性や電磁変換特性が良好な磁気記
録媒体を得るために、酸化性ガスあるいは酸化性ガスと
他のガスとの混合ガスを、非磁性支持体4に向けて噴射
するガス噴射手段22が設けられている。ガスの噴射
量、噴射角度、ガス噴射手段22の数などは、蒸着され
る磁性材料10の種類や非磁性支持体4の搬送速度など
に基づき、決定される。酸化性ガスとしては、酸素やオ
ゾンが挙げられ、混合ガスとしては、酸素やオゾンを主
成分とし、He、Ar、Kr、Xe、N2、H2、H2
などのガスが混合されたガスが挙げられる。
【0068】図示されてはいないが、蒸気拡散防止手段
18と上流側マスク19および下流側マスク20との間
には、非定常状態にある間に蒸発源11から蒸発した磁
性材料10が、非磁性支持体4に付着するのを防止する
開閉可能なシャッタ装置が設けられている。
【0069】以上のように構成された本発明の実施態様
にかかる磁気記録媒体の製造装置においては、以下のよ
うにして、非磁性支持体4の表面上に、磁性層が形成さ
れ、磁気記録媒体が製造される。
【0070】蒸着室9および巻き取り室8内が、独立し
た排気系(図示せず)により、排気され、たとえば、
5.0×10-5ないし4.0×10-4Torrの減圧状態に
保持される。
【0071】次いで、高周波電源17を用いて、高周波
誘導加熱コイル13に電力を供給して、第1のルツボ1
2内の磁性材料10を加熱し、蒸発させる。蒸発した磁
性材料10の粒子は、蒸発源10から上方に向かって、
飛散し、その一部は、蒸気拡散防止手段18の壁面18
aに付着して、凝縮するが、蒸気拡散防止手段18の外
周部に設けられた加熱手段(図示せず)あるいは冷却手
段(図示せず)により、壁面18aの表面温度が凝縮し
た磁性粒子が再融解する温度に調整されているため、蒸
気拡散防止手段18の壁面18aに付着して、凝縮した
磁性粒子は、液滴となって、壁面18aに沿い、第1の
ルツボ12内に回収される。
【0072】蒸気拡散防止手段18の壁面18aに付着
しなかった磁性粒子は、蒸気拡散防止手段18の開口部
18bを通過して、さらに、上方に向かって、飛散し、
上流側マスク19と下流側マスク20の間に形成された
開口部21を通って、最大入射角Xmax と最小入射角X
min の間の角度で、非磁性支持体4に衝突し、蒸着され
る。ガス噴射手段22から、酸化性ガスあるいは酸化性
ガスと他のガスとの混合ガスが、非磁性支持体4に向け
て噴射されているので、磁性粒子の一部が酸化されて、
強磁性金属薄膜が形成される。
【0073】本実施態様によれば、磁性材料10を収容
する第1のルツボ12は、底部と側壁との接合部に、そ
の断面形状が丸くなるように、すみ肉部12bが形成さ
れるとともに、側壁の上端部の肉厚が、底部の肉厚より
薄く、底部と側部との間の部分の最大肉厚が、底部の肉
厚より厚くなるように形成されており、また、略円柱状
の磁性材料10を用いられているので、磁性材料10
が、第1のルツボ12の磁性材料収容部12aの底面と
のみ接触し、側面とは接触せず、したがって、第1のル
ツボ12内の磁性材料10が加熱されて、融解されると
きに、各部分の熱膨張率の違いによって生ずる内部応力
が最大となる底部と側壁との間の接合部(すみ肉部12
b)が破損することを防止できる。
【0074】また、本実施態様によれば、第1のルツボ
12と高周波誘導加熱コイル13の間の間隙には、融解
点1800℃以上の耐火物セラミックからなる充填材14が
充填されているので、高周波誘導加熱コイル13により
発生した誘導電流が、磁性材料10の表面近傍に集中的
に流れて、磁性材料10およびこれに隣接する第1のル
ツボ12の内壁の温度が局部的に上昇し、第1のルツボ
12にクラックが生じ、融解した磁性材料10が第1の
ルツボ12から流出しても、低温の充填材14によっ
て、高周波誘導加熱コイル13に向かって、流れること
が阻まれて、高周波誘導加熱コイル13と接触すること
が防止され、したがって、高周波誘導加熱コイル13が
短絡したり、地絡したりすることを確実に防止すること
が可能になる。
【0075】さらに、本実施態様によれば、高周波誘導
加熱コイル13の表面は、耐熱性、絶縁性セラミックス
によって、溶射コーティングされているので、充填材1
4によって、漏れ出た融解磁性材料10の流れを止める
ことができず、融解磁性材料10が高周波誘導加熱コイ
ル13の近傍に達した場合にも、高周波誘導加熱コイル
13が短絡したり、地絡したりするのを防止することが
可能になる。
【0076】また、本実施態様によれば、高周波誘導加
熱コイル13の外側には、耐火物からなる第2のルツボ
15が設けられ、高周波誘導加熱コイル13と第2のル
ツボ15との間の間隙には、断熱材16が充填されてい
るので、蒸発源11全体を断熱構造とすることができ、
第1のルツボ12の側面方向への伝熱や輻射によるエネ
ルギー損失を低減して、蒸発源11のエネルギー効率を
向上させることが可能になる。
【0077】
【実施例】以下、本発明の効果をより明瞭なものとする
ため、実施例を掲げる。 実施例1 各構成要素の配置を概略的に表すための図面である図4
ないし図7に示されている蒸発源41、51、61,7
1を用いて、高周波誘導加熱コイル13によって、Co80
Ni20からなる磁性材料10を加熱し、磁性材料10を収
容する第1のルツボのクラックの発生状況および融解し
たCo80Ni20の流出状況を調べた。
【0078】図4に示されるサンプル#1の蒸発源41
は、従来型のもであり、二重構造の第1のルツボ42及
び第2のルツボ43を備えている。第1のルツボ12の
材質は、MgO(化学成分:MgO;98.0% 、Al2O3;0.5%、S
iO2;0.5% 、CaO;0.2%、Fe2O3;0.2%、嵩比重:3.0、
圧縮強度:500 kg/cm2、熱伝導率(300 ℃):4.8kcal
/mh℃)である。第1のルツボ42の内部に設けられた
磁性材料収容部42aの横断面形状は円形で、外径96m
m、内径80mm、高さ100mm、深さ92 mmである。第2のル
ツボ43の材質は、第1のルツボ42と同一であり、第
2のルツボ43の横断面形状は円形であり、外径114m
m、内径98 mm、高さ105mm、深さ90mmである。第1のル
ツボ42は、その側部外壁面と第2のルツボ43の側部
内壁面との間隔dが1.0mmとなるように、第2のルツボ
15内に配置されている。高周波誘導加熱コイル13
は、第2のルツボ15の外周に沿って配置されている。
【0079】図5に示されるサンプル#2の蒸発源51
は、従来型のものであり、第1のルツボ52、第2のル
ツボ53を備え、第1のルツボ52と第2のルツボ53
との間に、Al2O3ボードからなる断熱材54が挿入され
たものである。第1のルツボ52は、サンプル♯1の第
1のルツボ42と同一のものである。第2のルツボ53
の横断面形状は円形で、外径146mm、内径130mm、高さ11
0mm、深さ100mmである。断熱材16の幅は10mm、高さは
90mm、厚みは4mmである。高周波誘導加熱コイル13
は、第2のルツボ52の外周に沿って、配置されてい
る。
【0080】図6に示されるサンプル#3の蒸発源61
は、本発明の1実施形態にかかるものであり、第1のル
ツボ62の外周に沿って、高周波誘導加熱コイル13を
配置し、第1のルツボ62と同じ材質の底板63上に第
1のルツボ62と高周波誘導加熱コイル13とを載置
し、第1のルツボ62と高周波誘導加熱コイル13との
間に、充填材64を充填したものである。第1のルツボ
62は、♯1の第1のルツボ42と同一であり、充填材
64は、最大粒径1.0mmのMgO (化学成分:MgO;97.0%
、Al2O3;0.7%、CaO;0.7%、SiO2;2.0% 、Fe2O3;0.2
%)を、底の部分から軽く突き固めながら充填したもの
である。
【0081】図7に示されたサンプル#4の蒸発源71
は、本発明の1実施形態にかかるものであり、第1のル
ツボ72の外周に沿って、コイルセメント75で固めた
高周波誘導加熱コイル13を配置し、第1のルツボ72
と同じ材質からなる底板73上に、第1のルツボ72と
高周波誘導加熱コイル13を載置し、さらに、第1のル
ツボ72とコイルセメント75との間に、充填材74を
充填したものである。第1のルツボ72は、サンプル♯
1の第1のルツボ42と同一であり、充填材74は、♯
3の充填材64と同一である。
【0082】いずれの場合にも、高周波誘導加熱コイル
13として、内部に冷却水が循環される直径10mmの銅製
パイプを用い、高周波誘導加熱コイル13は5ターン
で、内径110mm、高さ95mmとした。高周波電源として
は、発振周波数が25kHz、出力が30kWの高周波電源を、
真空槽の外部に一台設置し、高周波電力供給用フィーダ
ーおよび真空用フィードスルーを介して、高周波誘導加
熱コイル13に接続した。図6に示されるように、高周
波誘導加熱コイル13の第1のルツボ62側の面に隣接
して、検出用アンテナ65を組み込んだ(図4、図5お
よび図7においては、検出用アンテナは省略されてい
る。)。
【0083】図4ないし図7に示されたサンプル#1な
いし♯4の蒸発源の第1のルツボ内に、それぞれ、磁性
材料10として、Co80Ni20を収容させ、真空槽を排気し
て、5.0×10−5Torrに保持し、高周波電源によっ
て、高周波誘導加熱コイル13に、20 kW の一定電力を
60分間にわたり供給して、磁性材料10を融解、蒸発さ
せた。その後、供給電力を0kWとして、30分にわたり
放置した。この加熱、放置操作を1サイクルとして、連
続して、加熱、放置を繰り返し、検出用アンテナ32
が、融解した磁性材料10を検出するまでのサイクル数
を比較した。テスト回数は、各蒸発源につき、5回づ
つ、おこなって、平均回数を求めた。さらに、実験の終
了後、蒸発源を分解して、第1のルツボ12のクラック
発生状況および融解した磁性材料10の流出状況を観察
した。
【0084】表1は、その結果を示すものである。
【0085】
【表1】 表1に示されるように、本発明の比較例にかかる図4お
よび図5に示された蒸発源41、51を用いたときは、
第1サイクルあるいは第2サイクルで、融解した磁性材
料10が検出用アンテナにより検出されたのに対し、本
発明の実施例にかかる図6および図7の蒸発源61、7
1を用いたときには、第3サイクルまでは、融解した磁
性材料10は検出されなかった。
【0086】テスト終了後に、♯1の蒸発源41(図
4)を分解して、第1のルツボ42のクラック発生状況
および融解した磁性材料10の流出状況を観察したとこ
ろ、第1のルツボ42の側壁に、連続する大きい2つの
クラックが発生しており、第1のルツボ42と第2のル
ツボ43との間の間隙には、底部から20mmの範囲に、Co
80Ni20の流出が観察された。さらに、第2のルツボ43
にも、部分的に1つのクラックが発生しており、このク
ラックから漏れ出た融解磁性材料10が検出用アンテナ
32によって検出されたことがわかった。
【0087】テスト終了後に、♯2の蒸発源51(図
5)を分解して、第1のルツボ52のクラック発生状況
および融解した磁性材料10の流出状況を観察したとこ
ろ、第1のルツボ52の側壁に、連続する大きいクラッ
クが一つ発生しており、断熱材53の隙間に、融解した
Co80Ni20が流出した跡が認められた。さらに、第2のル
ツボ52にも、部分的に1つのクラックが発生してお
り、このクラックから漏れ出た融解磁性材料10が検出
用アンテナによって検出されたことがわかった。
【0088】テスト終了後に、♯3の蒸発源61(図
6)を分解して、第1のルツボ62のクラック発生状況
および融解した磁性材料10の流出状況を観察したとこ
ろ、第1のルツボ62の側壁に連続する小さなクラック
が1つ発生していることが認められた。このクラックか
ら、充填材64内に流出したCo80Ni20の流れは、徐々に
細くなり、充填材64により、融解した磁性材料10が
外方に流れることが妨げられたことがわかった。また、
検出用アンテナが検出したCo80Ni20は、第1のルツボ6
2の底部から部分的にしみだしたものであることが判明
した。
【0089】テスト終了後に、♯4の蒸発源71(図
7)を分解して、第1のルツボ72のクラック発生状況
および融解した磁性材料10の流出状況を観察したとこ
ろ、Co 80Ni20の流出状況は、図6の場合と同様であっ
た。また、流出したCo80Ni20が、コイルセメントの前面
に、少し滞留していることが判明した。 実施例2
【0090】
【表2】
【表3】 表2、表3に示されるように、第1のルツボの断面形状
を変えて、実施例1と全く同様にして、高周波誘導加熱
コイル13によって、Co80Ni20からなる磁性材料10を
加熱し、磁性材料10を収容する第1のルツボのクラッ
クの発生状況および融解したCo80Ni20の流出状況を調べ
た。
【0091】表2及び表3において、A、B、C、D
は、それぞれ、第1のルツボの各部の厚み(mm)であ
り、E、Fは、側壁内面と底部上面とのなす角度、側壁
外面と底部下面とのなす角度である。
【0092】表2において、Rは曲率半径を示し、>90
ーは90ー未満を、<90ーは90ーを越えていることを示してい
る。また、「分割」とは、ルツボ12aの側部と底部が
分割されていることを意味している。また、第1のルツ
ボの材質は、CaO 安定化ZrO2(化学成分:ZrO294.2%、C
aO 4.4%、TiO2 0.2% 、SiO2 0.3% 、Fe2O3 0.1%以下、A
l2O3 0.4%、嵩比重:4.5 、圧縮強度:600 kg/ cm2、
熱伝導率(300 ℃):0.8kcal /mh℃)であり、寸法
は、外径 96 mm、内径 80 mm、高さ 100mm、深さ 92 mm
であった。
【0093】実験は、この第1のルツボを用いて、図6
と同様にして、蒸発源を組み立てておこなった。検出用
アンテナが、融解したCo80Ni20を検出した平均のサイク
ル数を、表4に示す。
【0094】
【表4】 融解したCo80Ni20の検出の後に、蒸発源を分解して、ク
ラックの発生状況を観察したところ、以下のような結果
を得た。 サンプル#5:側面に2つ、底部と側部の接合部に大き
なクラックが発生。 サンプル#6:側面に2つ、底部と側部の接合部に大き
なクラックが発生。 サンプル#7:底部の周方向に大きなクラックが発生。 サンプル#8:側面に2つ、底部と側部の接合部に大き
なクラックが発生。 サンプル#9:側面に1つ、底部と側部の接合部に小さ
なクラックが発生。 サンプル#10:底部の周方向に大きなクラックが発生。 サンプル#11:側面に2つ、底部と側部の接合部に小さ
なクラックが発生。 サンプル#12:側面に2つ、底部と側部の接合部に小さ
なクラックが発生。 サンプル#13:側面に1つのクラックが発生。 サンプル#14:側面に2つ、底部と側部の接合部に小さ
なクラックが発生。 サンプル#15:側面に2つ、底部と側部の接合部に小さ
なクラックが発生。 サンプル#16:側面に1つのクラックが発生。 サンプル#17:側面に1つのクラックが発生し、底部と
側部の接合部から漏れ。 サンプル#18:側面に1つのクラックが発生し、底部と
側部の接合部から漏れ。 サンプル#5、9、10、12、13の結果から、ルツボの側
壁下端部分の厚みが上端部分の厚みより大きい方が望ま
しいことが判明した。また、サンプル#5、9、11、1
2、13の結果から、ルツボの底部と側壁との接合部が丸
く、即ち、この部分にすみ肉が、形成されていることが
望ましいことが判明した。さらに、サンプル#5、6、
7の結果から、ルツボの底部の厚みが側部の厚みよりも
大きい方が望ましいことが判明した。また、サンプル#
5、9、17、18の結果から、ルツボaの側壁と底部とが
分割されている方が望ましいことが判明した。
【0095】本発明は、以上の実施の形態および実施例
に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発
明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発
明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもな
い。
【0096】たとえば、前記実施の形態においては、高
周波誘導加熱コイル13の外側には、耐火物からなる第
2のルツボ15が設けられ、高周波誘導加熱コイル13
と第2のルツボ15との間の間隙には、断熱材16が充
填されているが、融解した磁性材料10が、外部に漏れ
ることを確実に防止するという観点からは、第2のルツ
ボ15を設けることや断熱材16を充填することは必ず
しも必要でない。
【0097】また、前記実施の形態においては、磁性材
料10は、略円柱状をなしているが、磁性材料10の形
状は、略円柱状に限定されるものではなく、種々の形状
の磁性材料10を用いることができる。磁性材料10の
形状は、第1のルツボ12の底面とのみ接触するよう
に、第1のルツボ12内に収容可能な形状であることが
望ましいが、かかる形状に限定されるわけではない。
【0098】さらに、前記実施態様においては、第1の
ルツボ12は、横断面形状が円形であり、縦断面形状が
略台形であるように形成されているが、底部と側部を有
していればよく、その形状はとくに限定されるものでは
ない。たとえば、横断面形状としては、円形、楕円形、
長円形、正方形、長方形、その他の形状のいずれも選択
することができ、縦断面形状としては、正方形、長方
形、台形、その他の形状のいずれも選択することができ
る。
【0099】また、前記実施態様においては、第1のル
ツボ12の底部と側部との間の部分は、断面形状が丸く
なるように形成されるとともに、第1のルツボ12の上
端部の肉厚は、底部の肉厚より薄く、底部と側部との間
の部分の最大肉厚は、底部の肉厚より厚くなるように形
成されているが、第1のルツボ12の断面形状はかかる
形状に限定されるものではない。
【0100】さらに、前記実施態様においては、単一の
蒸発源11が用いられているが、非磁性支持体4の幅が
広い場合には、複数の蒸発源11を非磁性支持体4の幅
方向に配置してもよい。複数の蒸発源11を設ける場合
には、複数組の第1のルツボ12、充填材14、断熱材
16、第2のルツボ15、高周波誘導加熱コイル13、
高周波電源16、高周波電力供給用フィーダー17を設
けても、第1のルツボ12、高周波誘導加熱コイル1
3、高周波電源16、高周波電力供給用フィーダー17
のみ、複数組設け、充填材14、断熱材16、第2のル
ツボ15を、各蒸発源11に共通に使用するようにして
も、第1のルツボ12のみ、複数設け、その他は各蒸発
源11に共通に使用するようにしてもよい。
【0101】また、前記実施態様においては、下流側マ
スク20の上流側端部近傍に、ガス噴射手段22を設け
ているが、ガス噴射手段22を設ける位置は、下流側マ
スク20の上流側端部近傍に限定されるものではなく、
ガス噴射手段22は、上流側マスク19の下流側端部近
傍、下流側マスク20の上流側端部近傍および上流側マ
スク19と下流側マスク20の間のいずれかに少なくと
も一つ配置されていればよい。
【0102】さらに、前記実施態様においては、冷却ド
ラム3が用いられているが、これは円筒状のものに限定
されるものではなく、たとえば、蒸発源12に対して、
斜面を形成するエンドレスベルト状のものでもよい。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、高周波誘導加熱法を利
用した真空蒸着によって磁気記録媒体を製造する方法お
よび装置であって、融解した磁性材料の漏出しに起因す
る問題を抑制できる磁気記録媒体の製造方法および装置
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる
磁気記録媒体の製造装置の略正面図である。
【図2】 図2は、蒸発源の略縦断面図である。
【図3】 図3は、融解前の磁性材料が、第1のルツボ
内に収容された状態を示す略断面図である。
【図4】 図4は、本発明の比較例♯1にかかる蒸発源
の略縦断面図である。
【図5】 図5は、本発明の比較例♯2にかかる蒸発源
の略縦断面図である。
【図6】 図6は、本発明の実施例♯3にかかる蒸発源
の略縦断面図である。
【図7】 図7は、本発明の実施例♯4にかかる蒸発源
の略縦断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体の製造装置 2 真空槽 3 冷却ドラム 4 非磁性支持体 5 送り出し軸 6 巻き取り軸 7 仕切り板 8 巻き取り室 9 蒸着室 10 磁性材料 11 蒸発源 12 第1のルツボ 12a 磁性材料収容部 12b すみ肉部 13 高周波誘導加熱コイル 14 充填材 15 第2のルツボ 16 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA01 BB01 BC06 BD11 BD12 CA01 DB12 DB13 DB19 5D112 AA05 AA30 FA02 FB23 GB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に向かって開口する磁性材料収容部
    を備えた第1のルツボと、該第1のルツボの外側に配置
    され前記磁性材料収容部内の磁性材料を加熱して蒸発さ
    せる高周波誘導加熱手段と、摂氏1800度以上の融点
    を有する耐火物セラミックスからなり前記第1のルツボ
    と前記高周波誘導加熱手段との間に配置された充填材と
    を有する蒸発源を備えている磁気記録媒体の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のルツボが有底筒体であり、前
    記充填材が前記磁性材料収容部を構成する前記第1のル
    ツボの側壁の外側を覆って配置されている請求項1に記
    載の磁気記録媒体の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波誘導加熱手段の外側に配置さ
    れた第2のルツボを更に備え、該第2のルツボと前記高
    周波誘導加熱手段との間に断熱材が配置されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のルツボの側壁上部の肉厚が、
    側壁下部の肉厚以下であるように形成されていることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁
    気記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のルツボの底部と側壁との接合
    部にすみ肉部が形成され、前記接合部の最大肉厚が、前
    記底部の肉厚以上に形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の
    製造装置。
  6. 【請求項6】 前記充填材の主成分が、前記第1のルツ
    ボの主成分と同一であることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記充填材が、粒径の均一なパウダー状
    材料によって形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上方に向かって開口する収容部を有する
    第1のルツボに、磁性材料を収容し、摂氏1800度以
    上の融点を有する耐火物セラミックスからなる充填材を
    介して前記第1のルツボに対して配置された高周波加熱
    手段によって前記磁性材料を高周波誘導加熱して蒸発さ
    せ、蒸発した磁性材料を非磁性支持体の表面に付着させ
    て磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20040001384A (ko) * 2002-06-28 2004-01-07 (주)알파플러스 유기물 진공 증발원의 열투명 도가니 구조
JP2014185354A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Nippon Tungsten Co Ltd 金属または合金蒸発用容器およびその使用方法
CN114555855A (zh) * 2019-08-30 2022-05-27 戴森技术有限公司 多区坩埚设备
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