JP2000350928A - 複合半透膜、複合半透膜モジュールおよびそれらの製造方法 - Google Patents

複合半透膜、複合半透膜モジュールおよびそれらの製造方法

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JP2000350928A
JP2000350928A JP11163863A JP16386399A JP2000350928A JP 2000350928 A JP2000350928 A JP 2000350928A JP 11163863 A JP11163863 A JP 11163863A JP 16386399 A JP16386399 A JP 16386399A JP 2000350928 A JP2000350928 A JP 2000350928A
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composite semipermeable
composite
water
membrane
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Akihiro Yuchi
章浩 有地
Kazunari Marui
一成 丸井
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰イオン界面活性剤の残留量が少なく、膜分離
装置の運転初期においても、膜モジュールからの陰イオ
ン界面活性剤の溶出量を極めて低く押さえることがで
き、異臭味や発泡を生じず、安全な飲用に供する水を製
造することができる複合半透膜、複合半透膜モジュ−
ル、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で被
覆した複合半透膜において、該複合半透膜から抽出され
る陰イオン界面活性剤の量が、複合半透膜重量1k g 当
たり9g 以下である複合半透膜。さらに、多孔質支持体
の表面をポリアミド薄膜で被覆した複合半透膜を構成要
素とし、該複合半透膜から抽出される陰イオン界面活性
剤の量が、複合半透膜重量1k g 当たり9g 以下である
複合半透膜モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を処理するた
めの複合半透膜、複合半透膜モジュール、およびその製
造方法に関するものである。本発明による複合半透膜及
び複合半透膜モジュールは海水の淡水化、かん水の脱
塩、上水の製造、食品プロセス、排水の処理や濃縮、有
価物の回収などに用いられる。特に、飲用に供する水の
製造に有効である。
【0002】
【従来の技術】選択分離性と水透過性に優れた複合半透
膜として、界面重合法を用い、多孔質支持体の表面に分
離活性能を有するポリアミド薄膜を形成させた複合半透
膜が考案されている。具体的には米国特許第31918
15号明細書、同第3744642号明細書、特開昭5
5−147106号公報、特表昭56−500062号
公報、PBレポ−ト83−191775、特開平2−78
428公報などが開示されている。これら複合半透膜の
製造においては、多孔質支持体に、多官能アミンを含む
水溶液を塗布し、ついで多官能酸ハライドを含む有機溶
液に接触させる、いわゆるin-situ 界面重合法がしばし
ば用いられる。このような界面重合法では多くの場合、
多孔質支持体の濡れ性の向上や、相間移動触媒としての
働きから、多官能アミンを含む水溶液中に陰イオン界面
活性剤を混在させることが行われている。
【0003】かかる複合半透膜はその優れた選択分離性
と水透過性から、逆浸透処理あるいはナノろ過、限外ろ
過等に用いられる。具体的には、海水の淡水化、かん水
の脱塩、河川水や地下水の浄水などの上水製造、純水製
造、家庭用もしくは業務用浄水器、食品プロセス、排水
の処理や濃縮、有価物の回収などに用いられる。
【0004】これら膜分離プロセスの目的は、不純物あ
るいは有価物を含む被処理液体をろ過し、浄化された透
過水と、濃縮された不純物あるいは有価物とに分離する
ことにある。しかるに、これら膜分離プロセスの運転初
期にはしばしば透過水中に不純物が混入することが起こ
る。複合半透膜の選択分離性は十分に高く、被処理液体
に含まれる不純物は除去するが、運転初期には複合半透
膜モジュール自身から不純物が溶出し、結果として浄化
された透過水が得られない場合があった。
【0005】このような欠点を解決する方策として、複
合半透膜を酸水溶液で処理する方法(特開昭60−15
6507公報、特開平7−80259号公報)、複合半
透膜をアルカリ水溶液で処理する方法(特開昭55−1
59807公報、PBレポ−ト83−191775、特開
平7−80259号公報)、複合半透膜を熱水で処理す
る方法(特開昭63−287507公報、特開平1−1
68306公報、特開平7−80260号公報)、塩素
含有水溶液で処理する方法(特開平7−80261号公
報)などが開示されている。かかる処理により、複合半
透膜から出る不純物が大幅に低減できることが記載され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記逆
浸透膜の処理方法では、界面重合反応時の未反応物であ
る多官能アミンや多官能酸ハライドは十分に洗浄・除去
できるが、陰イオン界面活性剤は複合半透膜中に残留し
十分には除去できない。陰イオン界面活性剤は、膜分離
プロセスの運転中に極微量ではあるが、長期間にわたっ
て透過水中に徐放されるという問題点がある。
【0007】陰イオン界面活性剤は、水道水の水質基準
により0. 2m g/L 以下と定められ、発泡や異臭味を生
じさせない濃度レベルであり、人体には無害であると考
えられているが、一方で、ガンや奇形の原因になると主
張する学者もおり、膜モジュ- ルからの溶出は極力少な
いことが望ましい。
【0008】本発明は、前記問題を解決するため、陰イ
オン界面活性剤の残留量が少ない複合半透膜、複合半透
膜モジュールおよびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明における第1番目の発明は、多孔質支持体の表
面をポリアミド薄膜で被覆した複合半透膜において、該
複合半透膜から抽出される陰イオン界面活性剤の量が、
複合半透膜重量1kg当たり9g 以下であり、より好まし
くは複合半透膜重量1kg当たり5g 以下であり、さらに
好ましくは複合半透膜重量1kg当たり2. 5g 以下であ
ることを特徴とする複合半透膜である。
【0010】第1番目の発明の複合半透膜の製造方法と
しては、多孔質支持体の表面にポリアミド薄膜を形成さ
せた後、アルコール水溶液で浸漬処理することを特徴と
する。さらに続けて、50℃以上の熱水、酸水溶液、ア
ルカリ水溶液のうち少なくとも一つ以上の溶液で処理し
てもよい。
【0011】第2番目の発明は、多孔質支持体の表面を
ポリアミド薄膜で被覆した複合半透膜を構成要素とする
複合半透膜モジュールにおいて、該複合半透膜から抽出
される陰イオン界面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg
当たり9g 以下であり、より好ましくは複合半透膜重量
1kg当たり5g 以下であり、さらに好ましくは複合半透
膜重量1kg当たり2. 5g 以下であることを特徴とする
複合半透膜モジュ−ルである。
【0012】第2番目の発明の複合半透膜モジュールの
製造方法としては、多孔質支持体の表面にポリアミド薄
膜を形成させた複合膜形成物を構成要素とする複合半透
膜組立体の内部を、アルコール水溶液で満たす、もしく
は加圧通水することを特徴とする。さらに続けて、50
℃以上の熱水、酸水溶液、アルカリ水溶液のうち少なく
とも一つ以上の溶液で該複合半透膜組立体内部を満た
し、もしくは加圧通水してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
本発明における第1番目の発明は、多孔質支持体の表面
にin-situ 界面重合法により、陰イオン界面活性剤の存
在下に多官能アミンと多官能酸ハライドからなる架橋ポ
リアミド薄膜を形成させた複合半透膜において、該複合
半透膜から抽出される陰イオン界面活性剤の量が、複合
半透膜重量1kg当たり9g 以下であり、より好ましくは
複合半透膜重量1kg当たり5g 以下であり、さらに好ま
しくは複合半透膜重量1kg当たり2. 5g 以下であるこ
とを特徴とする複合半透膜である。
【0014】第1番目の発明の複合半透膜の製造方法と
しては、多孔質支持体の表面にin-situ 界面重合法によ
り、陰イオン界面活性剤の存在下に多官能アミンと多官
能酸ハライドからなる架橋ポリアミド薄膜を形成させた
後、アルコール水溶液で浸漬処理することを特徴とす
る。さらに続けて、50℃以上の熱水、酸水溶液、アル
カリ水溶液のうち少なくとも一つ以上の溶液で処理して
もよい。
【0015】第2番目の発明は、多孔質支持体の表面に
in-situ 界面重合法により、陰イオン界面活性剤の存在
下に多官能アミンと多官能酸ハライドからなる架橋ポリ
アミド薄膜を形成させた複合半透膜を構成要素とする複
合半透膜モジュールにおいて、該複合半透膜から抽出さ
れる陰イオン界面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当
たり9g 以下であり、より好ましくは複合半透膜重量1
kg当たり5g 以下であり、さらに好ましくは複合半透膜
重量1kg当たり2. 5g 以下であることを特徴とする複
合半透膜モジュールである。
【0016】第2番目の発明の複合半透膜モジュールの
製造方法としては、多孔質支持体の表面にin-situ 界面
重合法により、陰イオン界面活性剤の存在下に多官能ア
ミンと多官能酸ハライドからなる架橋ポリアミド薄膜を
形成させた複合半透膜を構成要素とする複合半透膜組立
体の内部を、アルコール水溶液で満たす、もしくは加圧
通水することを特徴とする。さらに続けて、50℃以上
の熱水、酸水溶液、アルカリ水溶液のうち少なくとも一
つ以上の溶液で該複合半透膜組立体内部を満たし、もし
くは加圧通水してもよい。
【0017】本発明において、多孔質支持体とは実質的
に分離活性能を持たない層であり、該多孔質支持体表面
に形成された実質的に分離活性能を有する超薄膜に機械
的強度を付与するものである。多孔質支持体の形態は特
に限定されないが、平膜もしくは中空糸状膜の形態がよ
く用いられる。中空糸状膜の場合、内圧型、外圧型のい
ずれであってもよい。
【0018】多孔質支持体の素材は特に限定されない
が、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリ
アミド、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリ
イミド等を単独、もしくは複数ブレンドしたものを使用
することができる。これら素材の中では、機械的強度や
耐熱性、耐薬品性に優れたポリスルホン、あるいはポリ
エーテルスルホンなどが好適に用いられる。
【0019】多孔質支持体の製造方法は特に限定されな
いが、例えばポリマー、良溶媒、貧溶媒、界面活性剤を
混合溶解した製膜原液を、吐出ノズルを介して気体雰囲
気下に押し出し続いて凝固液中に導く乾湿式法、もしく
は吐出ノズルから直接凝固液中に導く湿式法が好適に用
いられる。一例を示すと、チューブインオリフィス型紡
糸ノズルを用いて外周部から製膜原液(ポリスルホン2
0重量部、トリエチレングリコール4重量部、N,N-ジメ
チルアセトアミド(DMAc)75. 5重量部、ラウリルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0. 5重量部)、内周部から
芯液(DMAc30重量部、水70重量部)を同時に空気中
に吐出し、続いて凝固液中(DMAc5重量部、水95重量
部)へ導くことによって、外表面に数十nmの微細孔を有
する多孔質支持体が得られる。得られた多孔質支持体
は、50℃から1 00℃の熱水処理を施してもよい。
【0020】本発明においては、上記多孔質支持体に、
一分子中に2個以上の反応性アミノ基を有する多官能ア
ミンおよび陰イオン界面活性剤を含有する、多官能アミ
ン水溶液を被覆・含浸する。
【0021】本発明における多官能アミンは特に限定さ
れるものではないが、例えば、脂環族多官能アミン、脂
肪族多官能アミン、芳香族多官能アミンを含み、具体的
には、ピペラジン、2, 5- ジメチルピペラジン、アミ
ノメチルピペリジン、エチレンジアミン、1, 2- ジア
ミノプロパン、1, 2 ジアミノ- 2- メチルプロパ
ン、2, 2 ジメチル- 1, 3- プロパンジアミン、2
- エチル- 2- メチル-1, 3- プロパンジアミン、ジ
アミノベンゼン、トリアミノベンゼン、フェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
エ−テル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノ安息
香酸等が挙げられる。これらアミノ化合物を単独で、も
しくは複数ブレンドして用いてもよい。
【0022】また、陰イオン界面活性剤としては特に限
定されるものではないが、代表的にはLAS (直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ABS (アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム)、AS(アルキル硫酸ナト
リウム)、アルキルジフェニルエ−テルジスルフィドな
どが含まれる。
【0023】LAS およびABS は一般式:CnH2n+1-Ar-SO3
Naで表され、式中nは任意であるが、優れた界面活性能
と相間移動触媒能からn=8〜14が好ましい。特に好ま
しくは、工業的に利用可能なラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウムであるが、これはn=12化合物を主成分と
するn=8〜14混合物として安価に入手可能である。
【0024】LSは一般式:CnH2n+1-O-SO3Na で表され、
式中nは任意であるが、優れた界面活性能と相間移動触
媒能からn=8〜18が好ましい。特に好ましくは、n=1
2化合物を主成分とするラウリル硫酸ナトリウムが、工
業的に安価に利用可能である。
【0025】また、前記多官能アミンと陰イオン界面活
性剤を含む水溶液には、酸捕捉剤として、水酸化ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム等の無機アルカリ、トリエチル
アミン、トリエチレンジアミン等の3級アミンを添加し
てもよい。
【0026】前記多官能アミンと反応しうる多官能酸ハ
ライドは特に限定されるものではないが、例えば、脂環
族多官能酸ハライド、脂肪族多官能酸ハライド、芳香族
多官能酸ハライドを含み、具体的には、シクロヘキサン
トリカルボン酸ハライド、テレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライド、トリメシン酸ハライド、トリメリッ
ト酸ハライド、ピロメリット酸ハライド、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸ハライド等が挙げられる。これら酸
ハロゲン化物を単独で、もしくは複数ブレンドして用い
てもよい。
【0027】上記多官能酸ハライドを溶解する溶媒は、
水と非混和性で、多官能酸ハライドを溶解し多孔質支持
体を溶解しないものであればよい。たとえば、n-ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン等である。
【0028】分離活性能を有する架橋ポリアミド薄膜の
形成方法を以下に例示する。前記多孔質支持体を、前記
多官能アミン水溶液中に浸漬し、余分な水溶液を液切り
・乾燥する。続いて前記多官能酸ハライドを含む有機溶
液に接触させ、in-situ 界面重合法により該多孔質支持
体の表面を架橋ポリアミド薄膜で被覆する。これを乾燥
させて余分な有機溶媒を除去した後、純水中で洗浄す
る。
【0029】上記で得られた複合膜形成物は、すでに十
分な分離活性能を有しており、該複合膜形成物をケーシ
ングに収納し、被処理水の流入口と、濃縮水の排出口
と、複合半透膜透過水の取水口とを有する分離膜モジュ
ールとして組立て、膜分離プロセスに組み込み、使用す
ることは可能である。
【0030】しかしながら、このようにして得られた膜
分離モジュールでは、膜分離プロセスの運転初期におい
ては、水道水質基準である0. 2m g/L を上回る量の陰
イオン界面活性剤を含有する膜透過水が得られる。水道
水質基準に合致する膜透過水を得るためには、少なくと
も3時間以上、好ましくは10時間以上の加圧通水下に
おける膜分離モジュールの洗浄が必要である。また、こ
のような洗浄を実施したとしても、依然として0. 1mg
/Lを上回る量の陰イオン界面活性剤を含有する膜透過水
が長期間にわたって得られる。
【0031】本発明におけるアルコール水溶液は特に限
定されるものではないが、たとえば、メタノール、エタ
ノール、iso −プロパノ−ル、tert−ブタノール等が使
用できる。アルコール水溶液の濃度は、アルコールの種
類や処理時間、処理方法により異なるが10〜80重量
部、より好ましくは30〜70重量部水溶液を使用する
ことができる。
【0032】本発明における酸水溶液は特に限定される
ものではく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢
酸、クエン酸等の有機酸のごとく、水に可溶で、水溶液
としたときに酸性を示すものであればよい。酸水溶液は
pH1〜4、より好ましくはpH2〜3の水溶液が好適に用
いられる。これは、酸水溶液がpH1未満では酸加水分解
により複合半透膜自信が劣化する恐れがあり、pH4以上
では十分な洗浄効果が得られないためである。
【0033】本発明におけるアルカリ水溶液は特に限定
されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のごとく、水に
可溶で、水溶液としたときにアルカリ性を示すものであ
ればよい。アルカリ水溶液はpH9〜12の水溶液が好適
に用いられる。分離活性能を有する架橋ポリアミド薄膜
は特にアルカリ加水分解を受けやすく、該ポリアミドを
構成するモノマー成分にもよるが、アルカリ水溶液がpH
12以上ではアルカリ加水分解により複合半透膜自体が
劣化する恐れがある。また、pH9未満では十分な洗浄効
果が得られない。
【0034】本発明における熱水は特に限定されるもの
ではないが、前記複合膜形成物や複合半透膜組立体と接
触したときに、それらと反応しうる基質を含まない水を
使用し、好適には逆浸透ろ過水やイオン交換水等が使用
できる。また、該熱水の温度は50℃以上、より好まし
くは60℃以上のものを好適に用いることができる。
【0035】アルコール水溶液による複合膜形成物の処
理方法は、簡便な方法として浸漬法、充填法もしくは加
圧通水法が用いられる。
【0036】浸漬法では、前記in-situ 界面重合法によ
り得られた複合膜形成物を前記アルコ−ル水溶液に1分
〜5時間、より好ましくは5分〜3時間浸漬し、次いで
純水で洗浄することにより本発明の複合半透膜が得られ
る。
【0037】また、前記複合膜形成物をケーシングに収
納し、被処理水の流入口と、濃縮水の排出口と、複合半
透膜透過水の取水口とを有する複合半透膜組立体として
組立て、該複合半透膜組立体の内部に前記アルコール水
溶液を充填する、充填法を用いることができる。処理時
間は1分〜5時間、より好ましくは5分〜3時間静置も
しくはゆっくりと振とうすることで、前記浸漬法と同様
の効果がある。次いで純水で洗浄することにより本発明
の複合半透膜モジュールが得られる。
【0038】本発明の複合半透膜モジュールを得るもう
一つの方法として、アルコール水溶液を前記複合半透膜
組立体の被処理水流入口より導入し、膜間圧力差を生じ
せしめ、濃縮水と膜透過水とを得る加圧通水法を利用で
きる。加圧通水法による場合は、前記濃縮水と膜透過水
を放流するワンパス運転を行ってもよく、また浴比を適
切に設定した上で前記濃縮水と膜透過水を供給側へ戻す
循環運転を行ってもよい。膜間圧力差は、アルコール水
溶液が透過側へ流れ出ればよく、例えば、ポンプにより
0. 05〜5M Pa程度の加圧給水を行う。処理時間は浸
漬法よりも短時間でよく、1分〜3時間加圧通水すれば
よい。加圧通水法では、アルコール水溶液が複合半透膜
内部にまで十分に侵入し、陰イオン界面活性剤を除去す
る効果が高まるが、ポンプを駆動するためのエネルギ-
コストを考慮すると、1 時間以内がより好ましい。加
圧通水処理の後、純水に置換して再度加圧通水・洗浄す
ることで本発明の複合半透膜モジュールが得られる。
【0039】本発明においてはさらに、前記アルコール
水溶液で処理した複合半透膜形成物および、複合半透膜
組立体を酸水溶液、アルカリ水溶液、熱水のいずれか一
つ、もしくは複数の組合せで処理してもよい。処理方法
は前記アルコール水溶液による処理の場合のごとく、浸
漬法、充填法、加圧通水法のいずれも用いることができ
る。
【0040】また本発明の複合半透膜および複合半透膜
モジュールの用途は、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透があ
る。特に、飲用に供する海水淡水化、かん水の脱塩、河
川水や地下水からの上水製造、純水製造、家庭用もしく
は業務用浄水器、食品プロセスに有効である。さらに
は、排水の処理や濃縮、有価物の回収に用いてもよい。
しかしながら、本発明はこれらの膜の用途に限定される
ものではない。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例において、複合半透膜に残留する陰イオン界
面活性剤の抽出はソクスレー抽出法により行い、該抽出
液中の陰イオン界面活性剤量は高速液体クロマトグラフ
による分離・定量により測定した。抽出に用いた複合半
透膜は絶乾ののち秤量し、残留陰イオン界面活性剤の量
を単位膜重量当たりに換算した。ソクスレー抽出は、複
合半透膜片を細断し、メタノールを抽出溶媒として、一
昼夜かけて実施した。上記高速液体クロマトグラフの測
定条件については、逆相系カラムPRP-1(ハミルトン社
製)を用い、移動相をアセトニトリル4 0重量部、0.
2M 過塩素酸ナトリウム溶液6 0重量部の混合水溶液、
移動相流量1. 0m L/min 、カラム温度50℃とし、検
出器にはUV検出器(波長225nm)を用いた。
【0042】(実施例1)ポリスルホン20重量部、ト
リエチレングリコール4重量部、N,N-ジメチルアセトア
ミド(DMAc ) 75. 5 重量部、ラウリルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0. 5重量部からなる製膜原液を、チ
ュ−ブインオリフィス型紡糸ノズルを用いて外周部か
ら、DMAc30重量部、水70重量部からなる芯液を内周
部から、それぞれ同時に押し出し、6cmの空気中を走行
した後、DMAc5重量部、水95重量部からなる凝固液中
に15m/min の速度で引き取り、水洗工程を経て、中空
糸型多孔質支持体(外径350μm /内径200μm )
を得た。該多孔質支持体を、ピペラジン2重量部、トリ
エチレンジアミン1重量部、ラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0. 07重量部からなるアミン水溶液中に
1分間接触させ、該多孔質支持体を引き上げた後、余分
なアミン水溶液を液切りし、トリメシン酸クロリド1重
量部を含むヘキサン溶液、フッ素系溶媒(フロリナート
FC−70、住友3M 社製)、1重量部酢酸水溶液に順
次接触させることで、該多孔質支持体の外表面にポリア
ミド薄膜を形成させた、複合膜形成物を得た。該複合膜
形成物を、50重量部のエタノ−ル水溶液中に15分間
浸漬し、純水で十分に水洗することで複合半透膜を得
た。該複合半透膜に残留するラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを、ソクスレ−抽出、高速液体クロマトグ
ラフにより定量し、単位膜重量当たりの残留量を決定し
た。結果を表1に示す。
【0043】(実施例2〜3)実施例1において、該複
合膜形成物を、エタノール処理に続き、pH3またはpH2
の塩酸水溶液に1時間浸漬し、純水で十分に水洗した以
外は全く同一の操作を行った。結果を表1に示す。
【0044】(実施例4〜5)実施例1 において、該
複合膜形成物を、エタノール処理に続き、pH9またはpH
10の水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、純水で
十分に水洗した以外は全く同一の操作を行った。結果を
表1に示す。
【0045】(実施例6)実施例1において、該複合膜
形成物を、エタノール処理に続き、70℃の熱水に3時
間浸漬した以外は全く同一の操作を行った。結果を表1
に示す。
【0046】(比較例1)実施例1において、該複合膜
形成物を、エタノール処理を施さず、純水のみで洗浄し
た以外は全く同一の操作を行った。結果を表1に示す。
【0047】(実施例7)実施例1で得た中空糸状の該
複合膜形成物を多数本束ね、側面に液体流入口と排出口
を有する、人工透析器型の円筒状ケースに、該膜束を該
ケ−スの両端部からわずかにはみ出すように挿入し、ケ
ース外部と内部とを仕切るように、該ケース両端部を該
膜束と共にポッティング樹脂で封止した。封止した端部
の一方のみ、ケ−スからはみ出している膜束と接着樹脂
とをカッターで切断し、中空部を開口した。このように
して得られた複合半透膜組立体を膜分離装置に装着し、
5 0重量部のメタノール水溶液を送液ポンプにより操作
圧力0. 3M Pa、液温25℃で、濃縮水と膜透過水を供
給液タンクに戻す循環運転(加圧通水)を15分間行っ
た。次いで、純水で十分にすすぎ、複合半透膜モジュー
ルを得た。該複合半透膜モジュールを解体し、内部の複
合半透膜を取り出し、該複合半透膜に残留するラウリル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムを、ソクスレー抽出、高
速液体クロマトグラフにより定量し、単位膜重量当たり
の残留量を決定した。結果を表2に示す。
【0048】(実施例8〜9)実施例7において、該複
合半透膜組立体を、エタノール処理に続き、pH3または
pH2の塩酸水溶液で、同様の条件で1時間の加圧通水を
行い、純水で十分に水洗した以外は全く同一の操作を行
った。結果を表2に示す。
【0049】(実施例10〜11)実施例7において、
該複合半透膜組立体を、エタノール処理に続き、pH9ま
たはpH10の水酸化ナトリウム水溶液で、同様の条件で
1時間の加圧通水を行い、純水で十分に水洗した以外は
全く同一の操作を行った。結果を表2に示す。
【0050】(実施例12)実施例7において、該複合
半透膜組立体を、エタノール処理に続き、60℃の熱水
で、同様の条件で10時間の加圧通水を行い、純水で十
分に水洗した以外は全く同一の操作を行った。結果を表
2に示す。
【0051】(比較例2)実施例7において、該複合半
透膜組立体を、エタノール処理を施さず、純水のみで洗
浄した以外は全く同一の操作を行った。結果を表1に示
す。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合半透
膜および複合半透膜モジュールは、陰イオン界面活性剤
の残留量が少なく、膜分離装置の運転初期においても、
膜モジュールからの陰イオン界面活性剤の溶出量を極め
て低く押さえることができ、異臭味や発泡を生じず、安
全な飲用に供する水を製造することができる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 HA18 HA19 HA41 LA06 MA01 MA03 MA07 MA22 MA33 MB11 MB15 MB16 MB20 MC18 MC39 MC54 MC56X MC58 MC62X MC63 MC83 NA04 NA05 NA41 NA54 NA62 PA01 PA02 PA04 PB03 PB04 PB05 PB08 PC11 PC51

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で
    被覆した複合半透膜において、該複合半透膜から抽出さ
    れる陰イオン界面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当
    たり9g 以下であることを特徴とする複合半透膜。
  2. 【請求項2】 該複合半透膜から抽出される陰イオン界
    面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当たり5g 以下で
    ある請求項1記載の複合半透膜。
  3. 【請求項3】 該複合半透膜から抽出される陰イオン界
    面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当たり2. 5g 以
    下である請求項1記載の複合半透膜。
  4. 【請求項4】 前記複合半透膜が、中空糸型膜である請
    求項1乃至3のいずれかに記載の複合半透膜。
  5. 【請求項5】 多孔質支持体の表面にポリアミド薄膜を
    形成させた後、アルコ−ル水溶液で浸漬処理することを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の複合半透
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 多孔質支持体の表面にポリアミド薄膜を
    形成させた後、アルコ−ル水溶液で浸漬処理し、続いて
    50℃以上の熱水、酸水溶液及びアルカリ水溶液のうち
    少なくとも一つ以上の溶液で処理することを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載の複合半透膜の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で
    被覆した複合半透膜を構成要素とする複合半透膜モジュ
    ールにおいて、該複合半透膜から抽出される陰イオン界
    面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当たり9g 以下で
    あることを特徴とする複合半透膜モジュール。
  8. 【請求項8】 該複合半透膜から抽出される陰イオン界
    面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当たり5g 以下で
    ある請求項7記載の複合半透膜モジュール。
  9. 【請求項9】 該複合半透膜から抽出される陰イオン界
    面活性剤の量が、複合半透膜重量1kg当たり2. 5g 以
    下である請求項7記載の複合半透膜モジュール。
  10. 【請求項10】 前記複合半透膜が、中空糸型膜である
    請求項7乃至9のいずれかに記載の複合半透膜モジュー
    ル。
  11. 【請求項11】 多孔質支持体の表面に架橋ポリアミド
    薄膜を形成させた複合膜形成物を構成要素とする複合半
    透膜組立体の内部を、アルコ−ル水溶液で満たすか、も
    しくは加圧通水することを特徴とする請求項7乃至10
    のいずれかに記載の複合半透膜モジュールの製造方法。
  12. 【請求項12】 多孔質支持体の表面にポリアミド薄膜
    を形成させた複合膜形成物を構成要素とする複合半透膜
    組立体の内部を、アルコ−ル水溶液で満たし、もしくは
    加圧通水したのち、50℃以上の熱水、酸水溶液及びア
    ルカリ水溶液のうち少なくとも一つ以上の溶液で該複合
    半透膜組立体内部を満たすか、もしくは加圧通水するこ
    とを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の複
    合半透膜モジュ−ルの製造方法。
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