JP2000513343A - 炭水化物含有インスリン製剤 - Google Patents

炭水化物含有インスリン製剤

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Abstract

(57)【要約】 優れた物理的安定性を有するインスリン製剤であって、溶解し及び/又は沈澱したヒトインスリン又はその類縁体もしくは誘導体と、炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有すろ水溶性の還元型炭水化物又は非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物又は還元型炭水化物のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、を含有するインスリン製剤が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 炭水化物含有インスリン製剤 序説 本発明は、優れた物理的安定性を有するヒトインスリン、またはその類縁体又は 誘導体を含有する水性インスリン製剤に関する。さらに、本発明は、そのような 製剤を含む非経腸的処方剤、およびインスリン製剤の物理的安定性の改善方法に 関する。 発明の背景発明の分野 糖尿病は、真性糖尿病(diabetes mellitus)及び尿崩症(diabetes insipid us)におけるように多尿排出者の疾患をいう一般的用語である。真性糖尿病はグ ルコースを利用する能力がほぼ完全に失われている代謝性障害である。全人口の 約2%が糖尿病に罹患している。 1920年代にインスリンが採用されてから、真性糖尿病の治療の改善が継続 的になされてきた。血糖値が過大になることを抑制するために、糖尿病患者はし ばしば多数回の注射治療を行い、それによりインスリンが食事毎に投与される。 真性糖尿病の治療においては、レギュラーインスリン、セミレンテ のような、多種のインスリン製剤が提供され使用された。糖尿病患者は数十年間 インスリンにより治療されるため、インスリン製剤の安全性とライフクオリティ を改善するという大きな要求がある。商業的に入手可能なインスリン製剤には、 作用の発現の速さに特徴のあるものや、発現は遅いが幾分長時間作用するものも ある。通常、速効性インスリン製剤はインスリン溶液であるのに対し、遅効性イ ンスリン製剤は亜鉛塩のみの添加により、またはプロタミンの添加により、ある いは双方の組合せにより沈澱した結晶性及び/又は非晶質のインスリンを含む懸 濁液であり得る。加えて、患者の中には発現の早期作用型と、より長時間作用型 の双方を有する製剤を使用している者もいる。患者の中には、患者本人が、懸濁 製剤にインスリン溶液を望ましい割合で混合することにより最終的調製を自分自 身で調製する者もいる。 通常、インスリン製剤は皮下注射により投与される。患者にとって重要なこと は、インスリン製剤の作用プロファイルであり、これは注射からの時間の関数と してのグルコース代謝に対するインスリン作用である。とりわけ、このプロファ イルにおいては、作用の発現までの時間、最大値、及び全体的な持続時間が重要 である。異なる作用プロファイルを有する様々なインスリン製剤が患者により所 望され、要求されている。ある患者は、同じ日に非常に異なった作用プロファイ ルを有するインスリン製剤を使用し得る。例えば、所望される作用プロファイル は、その日の時間と患者により摂取されるいずれかの食事の量および内容物に依 存する。 しかしながら、等しく重要なことは、インスリン製剤の物理的安定性である。 射器が大量に使用されており、この場合、インスリン製剤はカートリッジの全体 が空になるまでその中に保存されることに起因する。1.5〜3.0mlカート リッジを備えた注射器については、少なくとも1〜2週間は間に合わすことが可 能である。背景技術の説明 最初の安定な中性インスリン懸濁液は、スコットとフィッシャーにより開発さ れた(J.Pharmacol.Exp.Ther.58(1936)、78) 。 彼らは、過剰なプロタミン及び亜鉛塩(インスリンIU(国際単位)当たり2μ mgの亜鉛)を存在させることにより、プロタミンインスリン製剤(ヘイジドル ン(Hagedornn)等により、J.Am.Med.Assn.106(1936) 、177〜180に述べられている。)を安定化させ得ることを発見した。 合衆国又はヨーロッパ薬局方に従って製造されたプロタミン亜鉛インスリンに は、非晶質プロタミン亜鉛インスリン及び結晶性プロタミン亜鉛インスリンが含 まれる。新たに調製されたプロタミン亜鉛インスリンには、非晶質沈澱物が主と して含まれる。これは貯蔵時に部分的に結晶粒子に変化し得、効果をより長引か せることになる。 NPHインスリン又はイソフェインインスリンと称される完全な結晶性プロタ ミン亜鉛インスリンの改質が、クレイエンビュール(Krayenbuhl)とローゼンベ ルグにより開発された(Rep.Steno Mem.Hosp.Nord.I nsulinlab.1(1946)、60、およびデンマーク特許第64,7 08号参照)。彼らは少量の亜鉛及びフェノール、又はフェノール誘導体、又は 好ましくはm-クレゾールの存在下で中性pH値にあるイソフェイン製剤中に一 緒に用いられたインスリンとプロタミンは、放置すると非晶質沈澱物を形成し得 、これは、徐々にではあるが完全に、端面が三角面で限定された横長の正方晶系 に変化する。インスリン及びサーモンプロタミンは、インスリン1mg当たりプ ロタミン硫酸塩約0.09mgに対応する重量比で一緒に結晶化する。IU当た り少なくとも0.15μgの亜鉛と、0.1%よりも高い濃度のフェノールが正 方晶系の調製に必要である。 初期の頃は、この種の結晶は天然の供給源由来のブタインスリン及びウシイン スリンをも用いて調製されたが、80年代からは遺伝子工学的に、または半合成 的に作られたヒトインスリンもまた用いられている。 ヒトインスリンはいわゆるA鎖、B鎖の二つのポリペブチド鎖から構成され、 それぞれ21アミノ酸および30アミノ酸を含む。A鎖及びB鎖は二つのシスチ ンジスルフィド結合により相互に連結される。他の大多数の種に由来するインス リンは類似構造を有するが、ヒトインスリンの鎖の対応する位置に同じアミノ酸 を含まないことがあり得る。 遺伝子工学として知られているプロセスの発達により、ヒトインスリンの類縁 体である極めて多様なインスリン化合物を容易に合成することが可能となった。 これらのインスリン類縁体においては、1以上のアミノ酸がヌクレオチド配列に よりコードされ得る他のアミノ酸と置換された。上記で説明したように、ヒトイ ンスリンは51個のアミノ酸残基を含むため、多数のインスリン類縁体が可能で あることは明らかであり、事実、興味ある特性を備えた極めて多様な類縁体が合 成された。注射製剤のための濃度を備えたヒトインスリン溶液においては、イン スリン分子は6量体として会合形態で存在する(ブランジ等、糖尿病治療13、 (1990)、923〜954)。皮下注射後、血流による吸収速度は分子の大 きさに依存すると考えられ、この6量体形成を妨げ、または抑制するアミノ酸置 換を備えたインスリン類縁体は並外れて速い発現作用を有することが見出された (ブランジ等、Ibid)。これには糖尿病患者にとって大きな治療上の価値が ある。長時間作用型のプロタミンインスリン製剤の結晶においては、インスリン は6量体になっていることが見出される(バッシュミット等、Acta Chr yst.B47、(1991)、975〜986)。 ヒトインスリンの類縁体に基づく薬学的製剤は、例えば以下の書類から知られ ている。 WO95/00550はAspB28及びプロタミンを含むインスリン結晶に基 づく薬学的製剤に関し、それは投与されると生体内で速い発現と長時間の活性を 示す。さらに、結晶には亜鉛イオン及びフェノール及び/又はm-クレゾールが 含まれ得る。等張剤としてグリセリンが製剤に添加される。 米国特許第5,461,031号には、早期作用型単量体インスリン類縁体、 亜鉛、プロタミン及びフェノール誘導体を含有する種々の非経腸的な薬学的処方 剤が開示されている。さらに、その処方剤には等張剤として作用するグリセリン が含有される。 米国特許第5,474,978号には、6個の単量体インスリン類縁体、亜鉛 イオン、および少なくともフェノール誘導体3分子からなるヒトインスリン類縁 体の6量体複合体を含む早期作用型非経腸的処方剤が開示されている。好ましい 等張剤はグリセリンである。 残念ながら、インスリンは非共有結合性重合により不溶性且つ生物学的に不活 性なフィブリルを形成する傾向がある(c.f.例えば、ジェンス・ブランジェ、イ ンスリン公定処方製剤、スプリンゲル−ヴェルラグ、1987、およびその参照 )。フィブリル形成は、温度を例えば30℃以上に上げることにより、並びに付 随する変化により促進される。このフィブリル化プロセスは抑制することが極め て困難であり、インスリン製剤が貯蔵され得る期間に上限をもたらし、それ故ペ ンフ 一般にフィブリル形成はインスリンの単量体化を必要とするため、2量体及び 6量体を形成し難いインスリン類縁体はフィブリル化により物理的安定性は劣化 したものとなる。 したがって、改善された物理的安定性を備えたヒトインスリン、又はその類縁 体もしくは誘導体を含有するインスリン製剤を提供することが本発明の目的であ る。 本発明においては、この目的は、溶解し及び/又は沈澱したヒトインスリン又 はその類縁体もしくは誘導体と、炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子 を含有する水溶性の還元型炭水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物 の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もし くは還元型炭水化物のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合 物により達成された。図面の簡単な説明 図1はAspB28ヒトインスリン-プロタミン結晶及びマニトールを含有する本 発明処方剤の顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 図2はヒトインスリン-プロタミン結晶及びマニトールを含有する本発明処方 剤の顕微鏡写真(倍率1000倍)である。 図3は溶解したAspB28ヒトインスリンと結晶化したAspB28ヒトインスリ ンの双方を含有する本発明製剤と、溶解したヒトインスリンと結晶化したヒトイ ンスリンの双方を含有する製剤の作用プロファイルのグラフ表示である。さらに 双方の製剤にはマニトールが含有される。グラフはブタに注射後の血液グルコー ス反応である。図は安定性の高いAspB28ヒトインスリン製剤について、作用 発現の速さが維持されることを示す。 発明の説明定義 本明細書で用いる「ヒトインスリン類縁体」とは、1以上のアミノ酸が欠失さ れ及び/又は他のアミノ酸(コードされ得ないアミノ酸を含む)により置換され たヒトインスリン、あるいは追加のアミノ酸を含む(すなわち51個より多くの アミノ酸を含む)ヒトインスリンを意味する。 本明細書で用いる「ヒトインスリン誘導体」とは、少なくとも1つの有機置換 基が1以上のアミノ酸と結合しているヒトインスリン又はその類縁体を意味する 。 本明細書において、「水溶性」という用語は、温度20℃において少なくとも 約10mmol/l、好ましくは少なくとも50mmol/lの水に対する溶解 度に対応する。 炭水化物、還元型炭水化物、単糖類、二糖類、並びにそのような化合物のエス テル及びエーテル誘導体という用語は、「Grundrlds af den organlske kemi、A lmen KemiIII、1.Ed.、Jul.Gjellerups forlag、 1969、299〜316頁 」におけるK.A.ジェンセンの教義に従い用いられる。 本明細書においては、「非還元性炭水化物」という表現は、糖化されたインス リンを形成するために本発明製剤中のインスリンのアミノ基と実質的に反応し得 ない炭水化物を表す。この定義には、カルボニル基が、例えば無水物形成又は誘 導体化により不活性化され、または妨げられた炭水化物が含まれる。 ある側面において、本発明は水性インスリン製剤に関し、この製剤は、 ・溶解し及び/又は沈澱したヒトインスリン、またはその類縁体及び/又は誘導 体と、 ・100〜400mM、好ましくは150〜250mM、より好ましくは180 〜230mMの、炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水 溶性の還元型炭水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に 少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物または還元型 炭水化物のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、 を含有する。 他の側面において、本発明は水性インスリン製剤に関し、この製剤は、 ・溶解したヒトインスリンおよび沈澱したヒトインスリン、またはその類縁体及 び/又は誘導体と、 ・炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭水 化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4個の 炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物のエス テル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、 を含有する。 さらに他の側面において、本発明は水性インスリン類縁体製剤に関し、この製 剤は、 ・溶解し及び/又は沈澱したヒトインスリン類縁体と、 ・炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭水 化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4個の 炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物のエス テル及び/またはエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、 を含有する。好ましい態様 本発明のインスリン製剤に用いられる炭水化物又は炭水化物誘導体は、炭水化 物の主構造に5〜18個の炭素原子を含有するものが有利であり、好ましくは以 下の化合物から選択される。すなわち、 i)非還元性アルドース又はケトース、好ましくは非還元性アルドテトロース 、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース及 びケトヘキソース、より好ましくは非還元性アルドペントース、ケトペントー ス、アルドヘキソース及びケトヘキソースからなる群の中から選択される単糖 類、 ii)還元された単糖類、すなわち、アルジトールのような多価アルコールであ って、好ましくはアルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケ トテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、及び ケトヘキソースの還元形態、より好ましくはアルドペントース、ケトペントー ス、アルドヘキソース、及びケトヘキソースの還元形態(すなわち、ペンチト ール及びへキシトール)からなる群の中から選択される、 iii)非還元性二糖類であって、好ましくは非還元性ジヘキソースから選択さ れ る。 好適な還元型又は非還元性炭水化物の具体例は、マニトール、ソルビトール、 キシリトール、イノシトール、スクロース、及びトレハロースである。 i)〜iii)の中で好ましい化合物は、マニトール及びソルビトール、最も好ま しくはマニトールである。 好ましいエステル及びエーテル誘導体は、それぞれC1〜C4脂肪酸エステル誘 導体、およびC1〜C4アルキルエーテル誘導体である。 本発明の具体的な態様においては、インスリン製剤にはさらにハロゲン化物、 好ましくは塩化物、より好ましくは塩化ナトリウムが含有される。ハロゲン化物 の存在により一層高い物理的安定性を有する製剤が得られることが示された。 一般的に速効性ヒトインスリン類縁体を含有するインスリン製剤はかなり低い 物理的安定性を示すため、本発明はそのような類縁体を含有する製剤に関して特 に有利である。したがって、本発明におけるインスリン製剤には、好ましくは、 1以上の速効性ヒトインスリン類縁体、特にB28位がAsp、Lys、Leu 、Val又はAlaであり、B29位がLys又はProであるヒトインスリン 類縁体、あるいはデス(B28〜B30)インストリン、デス(B27)インス トリン又はデス(B30)ヒトインスリンが含有される。インスリン類縁体は、 好ましくは、B28位がAsp又はLysであり、B29位がLys又はPro であるヒトインスリン類縁体から選択される。最も好ましい類縁体は、AspB2 8 ヒトインスリン又はLysB28ProB29ヒトインスリンである。 他の態様において、本発明におけるインスリン製剤は、1以上の脂肪親和性置 換基を有するインスリンのような長時間作用型のプロファイルを有するインスリ ン誘導体を含有する。好ましい脂肪親和性インスリンはアシル化インスリン(W O95/07931(ノヴォ・ノルディスクA/S)に述べられていろものを含 む)であり、例えば、LysB29のε−アミノ基が少なくとも6個の炭素原子か ら構成されるアシル置換基を含むヒトインスリン誘導体である。 好ましいインスリン誘導体は以下のものである。すなわち、 B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)-ヒトインスリン、B29-Nε-ミリ ストイル-ヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイル-デス(B30)-ヒトイ ンスリン、B28-Nε-ミリストイルLysB28-proB29ヒトインスリン、B 28-Nε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリ スト イル-ThrB29LysB30-ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-ThrB 29 LysB30-ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ-グルタミル )-デス(B30)-ヒトインスリン、及びB29-Nε-(ω-カルボキシヘプタ デカノイル)-デス(B30)-ヒトインスリンであり、最も好ましいのはB29 -Nε-ミリストイル-デス(B30)-ヒトインスリンである。 好ましい態様において、当該インスリン製剤は溶解したインスリン又はインス リン類縁体もしくは誘導体と、沈澱したインスリン又はインスリン類縁体もしく は誘導体の両者を、好ましくは結晶体で含有し、その重量比は1:99〜99: 1、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:3 0である。 本発明のこの態様において、インスリン製剤はインスリン又はインスリン類縁 体及びプロタミンと、任意に亜鉛及び/又はフェノール、m-クレゾール、又は それらの混合物のようなフェノール化合物を含有する結晶を含有することが有利 である。結晶中のプロタミンの量は、好ましくは、インスリン又はインスリン類 縁体100IU当たりプロタミン塩基0.20〜0.40mgに対応する。結晶 中のプロタミンとインスリンの比は、より好ましくはイソフェインの比に対応す る。亜鉛は、好ましくはインスリン100IU当たり亜鉛10〜40μg、より 好ましくはインスリン100IU当たり亜鉛15〜35μgの量で存在する。フ ェノールとm-クレゾールは、各々、好ましくは0〜4mg/mlに対応する量で 存在する。しかしながら、m-クレゾール1.4〜2.0mg/mlとフェノール 0.6〜2.0mg/mlからなる混合物が最も好ましい。 本発明の好ましいインスリン製剤は、 a)60〜3000nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/m lのヒトインスリン又はインスリン類縁体及び/又はインスリン誘導体と、 b)100〜400mM、好ましくは150〜250mM、より好ましくは1 80〜230mMの濃度の還元型炭水化物又は非還元性炭水化物であって、好 ましくはマニトールと、 c)0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より好ましくは5〜20mM の濃度の塩化物であって、好ましくは塩化ナトリウムと、 d)1〜4mg/ml量の生理学的に許容可能な緩衝剤であって、好ましくは リン酸二ナトリウム二水和物のようなリン酸塩緩衝剤とを含有する。 本発明の製剤は、さらに、グリセリンのような通常等張剤として用いられる1 以上の化合物を含有する。 インスリン製剤のpH値は、好ましくは7.0〜7.8の範囲である。 さらに、本発明は溶解したインスリン類縁体と沈澱したインスリン類縁体の双 方を含有するインスリン製剤の調製方法に関し、この方法は以下の工程、すなわ ち、 a)ヒトインスリン類縁体、亜鉛、及びイソフェイン量未満のプロタミンを含 有する酸性溶液を提供する工程と、 b)生理学的pHにおいて緩衝剤として作用する物質を含有するアルカリ性溶 液を提供する工程と、 (上の溶液の少なくとも1つはさらにフェノール化合物を含有する。) c)酸性溶液とアルカリ性溶液を混合し、任意に、pH値を6.5〜8.0、 好ましくは7.0〜7.8の範囲に調製する工程と、 d)得られた懸濁液を放置して沈澱させる工程と、を含む。 この方法により、溶解したインスリン類縁体と沈澱したインスリン類縁体の両 者を含有するインスリン製剤を極めて簡単な手法で得ることができる。さらに、 得られた懸濁液の沈澱物は、通常、ロッド形の結晶からなり、これはいわゆるプ レミックス(PreMix)インスリン製剤に有利である。 工程a)の溶液中のインスリン類縁体のプロタミンに対する重量比は、好まし くは、最終生成物中の溶解したインスリン類縁体の沈澱したインスリン類縁体に 対する重量比が1:99〜99:1、好ましくは20:80〜80:20、より 好ましくは30:70〜70:30の範囲で得られるように選択される。より具 体的には、好ましくは、工程a)の溶液は120〜6000nmol/mlのイ ンスリン類縁体と0.01〜5.0mg/mlのプロタミンとを含有する。 さらに、工程a)の溶液は亜鉛を含有し、好ましくはインスリン100IU当 たり亜鉛10〜40μg、より好ましくはインスリン100IU当たり亜鉛15 〜35μg含有する。 好ましい態様において、溶液a)及び/又は溶液b)は、塩化物、好ましくは塩化 ナトリウムを、最終生成物中に0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より 好ましくは5〜20mM含有する。 工程a)の酸性溶液のpHは、好ましくは5以下、より好ましくは2〜3.5 の範囲である。 インスリン類縁体は、好ましくは、B28位がAsp、Lys、Leu、Va l又はAlaであり、B29位がLys又はProであるヒトインスリン、ある いはデス(B28〜B30)ヒトインスリン、デス(B27)ヒトインスリン又 はデス(B30)ヒトインスリンであり、より好ましくはAspB28ヒトインス リン又はLysB28ProB29ヒトインスリン、さらに好ましくはAspB28ヒト インスリンである。 工程a)及び/又は工程b)の溶液に用いられたフェノール化合物は、好ましくは 、フェノール、m-クレゾール、又はそれらの混合物である。 さらに、工程a)及び/又は工程b)の溶液は、炭水化物の主構造に少なくとも4 個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭水化物もしくは非還元性炭水化物を含 有し、または炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の 非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物のエステル及び/又はエーテル誘導体 、またはそれらの混合物を含有することが有利である。 前記炭水化物又は炭水化物誘導体は、好ましくは、炭水化物の主構造に5〜1 8個の炭素原子を含有する。 特に好ましい態様では、工程a)及び/又は工程b)の溶液は、マニトール、ソル ビトール、キシリトール、イノシトール、トレハロース、スクロース、又はそれ らの中のいずれかとの混合物を含有し、好ましくはマニトール及び/又はソルビ トール、より好ましくはマニトールを含有する。 工程b)のアルカリ性溶液に用いられる緩衝剤物質は、好ましくは生理学的に許 容可能な緩衝剤であり、好ましくはリン酸塩緩衝剤、より好ましくはリン酸二ナ トリウム二水和物である。 沈澱したインスリン類縁体は、好ましくはインスリン類縁体及びプロタミンを 含有する結晶である。 工程d)で得られる懸濁液は、好ましくは、温度5℃〜40℃、より好ましくは 20℃〜36℃、さらに好ましくは30℃〜34℃の範囲で放置され、沈澱され る。 さらに、本発明は以下の実施例により示されるが、これらに限定して解釈され るべきものではない。 実施例I 製剤1 溶解したAspB28ヒトインスリンと結晶化したAspB28ヒトインスリンの双 方を含有するインスリン製剤が、以下の方法で調製された。 溶液A: 濃度200IU/mlのAspB28ヒトインスリンの溶液は、76.5mgの AspB28ヒトインスリンに326μlの0.2N塩酸と、163μlの塩化亜 鉛溶液(0.4mg/ml)を添加することにより、これを水に溶解させること によって調製された。次いで、6.35mgのプロタミン硫酸塩溶液が撹拌しな がらインスリン溶液に加えられ、17.2mgのm−クレゾール、15mgのフ ェノール、及び455mgのマニトールからなる混合物が撹拌しながらこの溶液 に加えられた。得られた透明溶液のpHは2.6〜2.9と測定され、10ml の水が加えられた。溶液は28〜32℃で平衡化された。 溶液B: 25mgのリン酸二ナトリウム二水和物が注射用の水に溶解された。17.2 mgのm−クレゾール、15mgのフェノール及び455mgのマニトールが撹 拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHは9と測定され、10mlの水 が加えられた。溶液は28〜32℃で平衡化された。 溶液AとBの混合: 溶液Bは溶液Aに加えられ、pHは7.30に再調製された。得られた懸濁液 は30℃で6日間で放置され、結晶化された。 得られた製剤中の沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重量比は 70:30であった。 実施例II 製剤2 溶解したAspB28ヒトインスリン及び結晶化したAspB28ヒトインスリンの 双方を含有するインスリン製剤が、以下の方法で調製された。 i)結晶画分 溶液A: 濃度200IU/mlのAspB28ヒトインスリンの溶液が、190.3mg のAspB28ヒトインスリンに813μlの0.2N塩酸と、410μlの塩化 亜鉛溶液(0.4mg/ml)を添加することにより、これを水に溶解させるこ とによって調製された。次いで、16.1mgのプロタミン硫酸塩溶液がインス リンの溶液に撹拌しながら加えられ、43.0mgのm−クレゾール、37.5 mgのフェノール、及び909mgのマニトールからなる混合物と、14.6m gの塩化ナトリウムがこの溶液に撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液の pHはpH=2.6〜2.9と測定され、22mlの水が加えられた。溶液は3 2℃で平衡化された。 溶液B: 62.4mgのリン酸二ナトリウム二水和物が水に溶解された。43.0mg のm−クレゾール、37.5mgのフェノール、909mgのマニトール、及び 14.6mgの塩化ナトリウムが撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液の pHは9と測定され、22mlの水が加えられた。溶液は32℃で平衡化された 。 溶液AとBの混合: 溶液Bは溶液Aに加えられ、pHは7.30に再調製され、50mlの水が加 えられた。得られた懸濁液は4日間32℃で放置され、結晶化された。 得られた製剤中の沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重量比は 70:30であった。 実施例III−VI 製剤3〜6 溶解したAspB28ヒトインスリンと結晶化したAspB28ヒトインスリンの両 者を含有するインスリン製剤が、溶液AとBにおいて使用されたマニトールの量 が、各々、818mg、1005mg、1047mg、1137mgである点を 除いて、実施例IIにおいて説明されたように調製された。 実施例VII 製剤7 溶解したLysB28ProB29ヒトインスリンと結晶化したLysB28ProB29 ヒトインスリンの両者を含有するインスリン製剤が、以下の方法で調製された。 i)結晶画分 溶液A: 濃度200IU/mlのLysB28ProB29ヒトインスリンの溶液が、水に6 9.7mgのLysB28ProB29ヒトインスリンを懸濁させることにより調製さ れた。16.0mgのm−クレゾール、6.5mgのフェノール、364mgのマ ニトール、及び25.1mgのリン酸二ナトリウム二水和物からなる混合物がこ の溶液に撹拌しながら加えられた。次いで、50μlの塩化亜鉛溶液(10mg /ml)が加えられた。得られた透明溶液のpHは7.40と測定され、10m lの水が加えられた。溶液は15℃で平衡化された。 溶液B: プロタミン硫酸塩溶液が、7.61mgのプロタミン硫酸塩と25.1mgの リン酸二ナトリウム二水和物を水に溶かすことにより調製された。16.0mg のm−クレゾール、6.5mgのフェノール、及び364mgのマニトールが撹 拌しながら加えられた。この溶液はプロタミン硫酸塩溶液に撹拌しながら加えら れた。得られた透明溶液のpHは7.40に再調製され、10mlの水が加えら れた。溶液は15℃で平衡化された。 溶液AとBの混合: 溶液Bは溶液Aに加えられ、pHは7.30に再調製された。得られた懸濁液 は15℃で3日間放置され、結晶化された。 ii)溶解画分 LysB28ProB29ヒトインスリン溶液は、34.9mgのLysB28ProB 29 ヒトインスリンに33μlの1N塩酸と、25μlの塩化亜鉛溶液(10mg /ml)を添加することにより、これを水に溶解させることによって調製された 。次いで、26.1mgのリン酸二ナトリウム二水和物、6.5mgのフェノー ル、16.0mgのm−クレゾール、及び364mgのマニトールからなる混合 物がインスリン溶液に撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHはpH =7.3と測定され、10mlの水が加えられた。 6mlの溶解画分が14mlの結晶フラクションに加えられ、pHが7.30 に調製された。 得られた製剤中の沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重量比は 70:30であった。 実施例VIII 製剤8 溶解したヒトインスリンと結晶化したヒトインスリンの両者を含有するインス リン製剤が、以下の方法で調製された。 i)結晶画分 溶液A: ヒトインスリンの溶液は、69.7mgのヒトインスリンに65μlの1N塩 酸と、26μlの塩化亜鉛溶液(10mg/ml)とを加えることにより、これ を水に溶解させることによって調製された。次いで、6.0mgのプロタミン硫 酸塩溶液がインスリン溶液に撹拌しながら加えられ、15.0mgのフェノール 及び17.2mgのm−クレゾールからなる混合物が溶液に撹拌しながら加えら れた。得られた透明溶液のpHはpH=2.7〜3.2と測定され、10mlの 水が加えられた。 溶液B: 24.9mgのリン酸ナトリウム二水和物が水に溶解された。15mgのフェ ノール、17.2mgのm−クレゾール、728mgのマニトール、及び11. 7mgの塩化ナトリウムが撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHは pH=9に調製され、10mlの水が加えられた。 溶液Bは溶液Aに加えられ、pHは7.30に調製された。得られた懸濁液は 次の日まで22〜24℃で放置された。 ii)溶解画分 ヒトインスリンの溶液は、34.9mgのヒトインスリンに33μlの1N塩 酸と、13μlの塩化亜鉛溶液(10mg/ml)とを加えることにより、これ を水に溶解させることによって調製された。次いで、12.5mgのリン酸ナト リウム二水和物、15mgのフェノール、17.2mgのm−クレゾール、36 4mgのマニトール、及び5.8mgの塩化ナトリウムからなる混合物がインス リン溶液に撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHは、pH=7.3 と測定され、10mlの水が加えられた。 6mlの溶解画分が14mlの結晶画分に加えられ、pHが7.30に調製さ れた。 得られた製剤中の沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重量比は 70:30であった。 実施例IX 製剤9 溶解したAspB28ヒトインスリン及び結晶化したAspB28ヒトインスリンの 双方を含有するインスリン製剤が、以下の方法で調製された。 溶液A: 濃度200IU/mlのAspB28ヒトインスリン溶液は、189.9mgの AspB28ヒトインスリンに163μlの1N塩酸と、163.5μlの塩化亜 鉛溶液(10mg/ml)を加えることにより、これを水に溶解させることによ って調製された。次いで、11.5mgのプロタミン硫酸塩溶液がインスリン溶 液に撹拌しながら加えられ、44.3mgのm−クレゾール、38.6mgのフ ェノール、及び1048mgのマニトールからなる混合物と、7.3mgの塩化 ナトリウムがこの溶液に撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHはp H=2.6〜2.9と測定され、25mlの水が加えられた。溶液は22〜24 ℃で平衡化された。 溶液B: 62.3mgのリン酸二ナトリウム二水和物が水に溶解された。44.3mg のm−クレゾール、38.6mgのフェノール、1048mgのマニトール、及 び7.3mgの塩化ナトリウムが撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液の pHは9と測定され、25mlの水が加えられた。溶液は22〜24℃で平衡化 された。 溶液AとBの混合: 溶液Bが溶液Aに加えられ、pHは7.30に調製された。得られた懸濁液は 32℃で2日間放置され、結晶化された。 得られた製剤中の沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重量比は 50:50であった。 実施例X(比較例) 製剤10 溶解したAspB28ヒトインスリンと結晶化したAspB28ヒトインスリンの双 方を含有するインスリン製剤が、以下の方法で調製された。 溶液A: 濃度200IU/mlのAspB28ヒトインスリン溶液は、76.5mgのA spB28ヒトインスリンに326μlの0.2N塩酸と、163μlの塩化亜鉛 溶液(0.4mg/ml)を加えることにより、これを水に溶解させることによ って調製された。次いで、6.35mgのプロタミン硫酸塩溶液がインスリン溶 液に撹拌しながら加えられ、17.2mgのm−クレゾール、15.0mgのフ ェノール、及び160mgのグリセリンからなる混合物がこの溶液に撹拌しなが ら加えられた。得られた透明溶液のpHはpH=2.6〜2.9と測定され、1 0mlの水が加えられた。溶液は28〜32℃で平衡化された。 溶液B: 25mgのリン酸二ナトリウム二水和物が注射用に水に溶解された。17.2 mgのm−クレゾール、15.0mgのフェノール、及び160mgのグリセリ ンが撹拌しながら加えられた。得られた透明溶液のpHは9と測定され、10m lの水が加えられた。溶液は28〜32℃で平衡化された。 溶液Bは溶液Aに加えられ、pHは7.30に再調整された。得られた懸濁液 は28〜32℃で2日間放置され、結晶化された。 得られた製剤中におけろ沈澱したインスリンの溶解したインスリンに対する重 量比は70:30であった。 実施例XI 物理的応力試験の物理的応力試験を受けた。 たり30回転の速度で且つ37℃±2℃の定温で、一日当たり4時間360°回 定温で保存された。 における変化が次の原則:21に従い記録された。 i)撹拌時に再び懸濁可能であり、塊や細粒のない白色懸濁液を含むカートリ ッジは「非フィブリル化」と分類された。 ii)塊及び/又は細粒を含み撹拌時に再懸濁し得ない懸濁液、及び/又はカー トリッジ壁に堆積している懸濁液を含むカートリッジは「フィブリル化した」 と仮定された。これはカートリッジへの6μlの6N塩酸の添加により確かめ られた。すなわち、フィブリル化したカートリッジは、酸添加後は視覚的に透明 ではない。 カートリッジの回転はすべてのサンプルがフィブリル化されるまで続けられた。 結果は次の表Iに要約されている。 表I
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ジェンセン、スティーン デンマーク国、デーコー―2791 ドラゲ ル、ソプフス・ファルクス・アレ 34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.水性インスリン製剤であって、 溶解し及び/又は沈澱したヒトインスリン、又はその類縁体及び/又は誘導 体と、 100〜400mM、好ましくは150〜250mM、より好ましくは18 0〜230mMの、炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有す る水溶性の還元型炭水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主 構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もし くは還元型炭水化物のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの 混合物と、 を含有する前記水性インスリン製剤。 2.前記炭水化物又は炭水化物誘導体は炭水化物の主構造に5〜18個の炭素原 子を含有する請求項1に記載のインスリン製剤。 3.マニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、トレハロース、 スクロース、又はそれらの中のいずれかとの混合物、好ましくはマニトール 及び/又はソルビトール、より好ましくはマニトールを含有する請求項2に 記載のインスリン製剤。 4.前記インスリン製剤が、さらに、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、より好 ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のイ ンスリン製剤。 5.B28位がAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaであり、B29位 がLys又はProであるヒトインスリン類縁体、あるいはデス(B28〜 B30)ヒトインスリン、デス(B27)ヒトインスリン、又はデス(B3 0)ヒトインスリンを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインス リン製剤。 6.B28位がAsp又はLysであり、B29位がLys又はProであるヒ トインスリン類縁体、好ましくはAspB28ヒトインスリン又はLysB28 ProB29ヒトインスリンを含有する請求項5に記載のインスリン製剤。 7.1以上の脂肪親和性置換基、好ましくはアシル化インスリンを有するヒトイ ンスリン誘導体を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインスリン 製剤。 8.B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)-ヒトインスリン、B29-Nε- ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、 B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-N ε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリス トイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-T hrB29LysB30ヒトインスリン、B29−Nε-(N-パルミトイル-γ-グ ルタミル)-デス(B30)-ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコリ ル-γ-グルタミル)-デス(B30)-ヒトインスリン、及びB29-Nε-( ω-カルボキシヘプタデカノイル)-デス(B30)-ヒトインスリンからな る群から選択されるヒトインスリン誘導体、好ましくはB29-Nε-ミリス トイル-デス(B30)-ヒトインスリンを含有する請求項7に記載のインス リン製剤。 9.前記インスリン製剤が、ヒトインスリン又はその類縁体もしくは誘導体及び プロタミンを含有する結晶を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の インスリン製剤。 10.前記結晶が、さらに、亜鉛及び任意にフェノール化合物、好ましくはフェノ ール、m-クレゾール、又はそれらの混合物を含有する請求項9に記載のイ ンスリン製剤。 11.溶解したインスリン又はインスリン類縁体および沈澱したインスリン又はイ ンスリン類縁体(好ましくは結晶化している)を、重量比で1:99〜99 :1、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜7 0:30含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のヒトインスリン製 剤。 12.60〜3000nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/m lのヒトインスリン又はインスリン類縁体もしくは誘導体を含有する請求項 1〜11のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 13.0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より好ましくは5〜20mMの 塩化物、好ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項1〜12のいずれか1 項に記載のインスリン製剤。 14.さらに、生理学的に許容可能な緩衝剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤を含有す る請求項1〜13のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 15.水性インスリン製剤であって、 溶解したヒトインスリン又はその類縁体及び/又は誘導体、および沈澱した ヒトインスリン又はその類縁体及び/又は誘導体と、 炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭 水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4 個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物 のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、 を含有する前記水性インスリン製剤。 16.前記炭水化物又は炭水化物誘導体は炭水化物の主構造に5〜18個の炭素原 子を含有する請求項15に記載のインスリン製剤。 17.マニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、トレハロース、 スクロース、またはそれらのいずれかとの混合物、好ましくはマニトール及 び/又はソルビトール、より好ましくはマニトールを含有する請求項16に 記載のインスリン製剤。 18.前記インスリン製剤は、さらに、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、より好 ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項15〜17のいずれか1項に記載 のインスリン製剤。 19.B28位がAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaであり、B29位 がLys又はProであるヒトインスリン類縁体、もしくはデス(B28〜 B30)ヒトインスリン、デス(B27)ヒトインスリン、又はデス(B3 0)ヒトインスリンを含有する請求項15〜18のいずれか1項に記載のイ ンスリン製剤。 20.B28位がAsp又はLysであり、B29位がLys又はProであるヒ トインスリン類縁体、好ましくはAspB28ヒトインスリン又はLysB28 ProB29ヒトインスリンを含有する請求項19に記載のインスリン製剤。 21.1以上の脂肪親和性置換基、好ましくはアシル化インスリンを有するヒトイ ンスリン誘導体を含有する請求項15〜18のいずれか1項に記載のインス リン製剤。 22.B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)-ヒトインスリン、B29-Nε- ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、 B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-N ε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリス トイル-ThrB29LysB30-ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル- T hrB29LysB30-ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ- グルタミル)-デス(B30)-ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコ リル-γ-グルタミル)-デス(B30)-ヒトインスリン、及びB29-Nε- (ω-カルボキシヘプタデカノイル)-デス(B30)-ヒトインスリン、か らなる群から選択されるヒトインスリン誘導体、好ましくはB29-Nε-ミ リストイル-デス(B30)-ヒトインスリンを含有する請求項21に記載の インスリン製剤。 23.前記インスリン製剤は、インスリン、インスリン類縁体、又はインスリン誘 導体、及びプロタミンを含有する結晶を含有する請求項15〜22のいずれ か1項に記載のインスリン製剤。 24.前記結晶は、さらに、亜鉛、及び任意にフェノール化合物、好ましくはフェ ノール、m-クレゾール、またはそれらの混合物を含有する請求項23に記 載のインスリン製剤。 25.溶解したインスリン又はインスリン類縁体、および沈澱したインスリン又は インスリン類縁体(好ましくは結晶化している)を重量比で1:99〜99 :1、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜7 0:30含有する請求項15〜24のいずれか1項に記載のインスリン製剤 。 26.還元型炭水化物又は非還元性炭水化物であって、好ましくはマニトールが、 100〜400mM、好ましくは150〜250mM、より好ましくは18 0〜230mMに対応する量で存在する請求項15〜25のいずれか1項に 記載のインスリン製剤。 27.60〜3000nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/m lのヒトインスリン又はインスリン類縁体もしくは誘導体を含有する請求項 13〜26のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 28.0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より好ましくは5〜20mMの 塩化物、好ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項15〜27のいずれか 1項に記載のインスリン製剤。 29.さらに、生理学的に許容可能な緩衝剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤を含有す る請求項15〜29のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 30.水性インスリン類縁体製剤であって、 溶解した及び/又は沈澱したヒトインスリン類縁体と、 炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭 水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4 個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物 のエステルおよび/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物と、を含有 する前記水性インスリン類縁体製剤。 31.前記炭水化物又は炭水化物誘導体は炭水化物の主構造に炭素原子を5〜18 個含有する請求項30に記載のインスリン製剤。 32.マニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、トレハロース、 スクロース、又はそれらの中のいずれかとの混合物、好ましくはマニトール 及び/又はソルビトール、より好ましくはマニトールを含有する請求項31 に記載のインスリン製剤。 33.前記インスリン製剤は、さらに、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、より好 ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項30〜32のいずれか1項に記載 のインスリン製剤。 34.前記ヒトインスリン類縁体は、B28位がAsp、Lys、Leu、Val 、 又はAlaであり、B29位がLys又はProであるヒトインスリン、あ るいはデス(B28〜30)ヒトインスリン、デス(B27)ヒトインスリ ン、又はデス(B30)ヒトインスリンである請求項30〜33のいずれか 1項に記載のインスリン製剤。 35.前記ヒトインスリン類縁体は、B28位がAsp又はLysであり、B29 位がLys又はProであるヒトインスリン、好ましくはAspB28ヒトイ ンスリン又はLysB28ProB29ヒトインスリンである請求項34に記載 のインスリン製剤。 36.前記ヒトインスリン類縁体はAspB28ヒトインスリンである請求項35に 記載のインスリン製剤。 37.前記インスリン製剤は、インスリン類縁体及びプロタミンを含有する結晶を 含有する請求項30〜36のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 38.前記結晶は、さらに、亜鉛、および任意にフェノール化合物、好ましくはフ ェノール、m-クレゾール、又はそれらの混合物を含有する請求項37に記 載のインスリン製剤。 39.溶解したインスリン類縁体、および沈澱したインスリン類縁体(好ましくは 結晶化している)を重量比で1:99〜99:1,好ましくは20:80〜 80:20、より好ましくは30:70〜70:30含有する請求項30〜 38のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 40.60〜3000nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/m lのヒトインスリン類縁体を含有する請求項30〜39のいずれか1項に記 載のインスリン製剤。 41.0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より好ましくは5〜20mMの 塩化物、好ましくは塩化ナトリウムを含有する請求項30〜40のいずれか 1項に記載のインスリン製剤。 42.さらに、生理学的に許容可能な緩衝剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤を含有す る請求項30〜41のいずれか1項に記載のインスリン製剤。 43.請求項1〜42のいずれか1項に記載のインスリン製剤を含有する、非経腸 的な薬学的処方剤。 44.炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭 水化物もしくは非還元性炭水化物、または炭素原子の主構造に少なくとも4 個の炭素原子を含有する水溶性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物 のエステル及び/又はエーテル誘導体、またはそれらの混合物の使用であっ て、ヒトインスリン又はその類縁体及び/又は誘導体を含有するインスリン 製剤の物理的安定性を改善するための使用。 45.マニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、トレハロース、 スクロース、又はそれらの中のいずれかとの混合物、好ましくはマニトール 及び/又はソルビトール、より好ましくはマニトールの使用であって、ヒト インスリン又はその類縁体及び/又は誘導体を含有するインスリン製剤の物 理的安定性を改善するための使用。 46.溶解したインスリン類縁体および沈澱したインスリン類縁体の双方を含有す るインスリン製剤の調整方法であって、 a)ヒトインスリン類縁体、亜鉛、及びイソフェイン量未満のプロタミン を含有する酸性溶液を提供する工程と、 b)生理学的pHにおいて緩衝剤として作用する物質を含有するアルカ リ性溶液を提供する工程と、 (上記溶液の少なくとも1つは、さらに、フェノール化合物を含有す る。) c)酸性溶液とアルカリ性溶液を混合し、任意に、pH値を6.5〜8. 0、好ましくは7.0〜7.8の範囲に調整する工程と、 d)得られた懸濁液を放置し沈澱させる工程と、 を含有する前記調製方法。 47.工程a)の溶液中のインスリン類縁体のプロタミンに対する重量比は、最終 生成物中の溶解したインスリン類縁体の沈澱したインスリン類縁体に対する 重量比が1:99〜99:1、好ましくは20:80〜80:20、より好 ましくは30:70〜70:30の範囲で得られるように選択される請求項 46に記載の方法。 48.工程a)の溶液は120〜6000nmol/mlのインスリン類縁体と、0 .01〜5.0mg/mlのプロタミンとを含有する請求項47に記載の方 法。 49.工程a)の溶液は、さらに、亜鉛、好ましくは塩化亜鉛を、インスリン100 IU当たり亜鉛10〜40μg、好ましくはインスリン100IU当たり亜 鉛15〜35μgに対応する量で含有する請求項48に記載の方法。 50.溶液a)及び/又は溶液b)は、最終生成物中に塩化物、好ましくは塩化ナト リウムを、0〜100mM、好ましくは5〜40mM、より好ましくは5〜 20mMに対応する量で含有する請求項46〜49のいずれか1項に記載の 方法。 51.工程a)の酸性溶液のpHは5以下、好ましくは2〜3.5の範囲である請求 項46〜50のいずれか1項に記載の方法。 52.インスリン類縁体はB28位がAsp、Lys、Leu、Val、又はAl aであり、B29位がLys又はProであるヒトインスリン、またはデス (B28〜B30)ヒトインスリン、デス(B27)ヒトインスリン、又は デス(B30)ヒトインスリンである請求項46〜51のいずれか1項に記 載の方法。 53.前記インスリン類縁体はAspB28ヒトインスリン又はLysB28Pro B29ヒトインスリン、好ましくはAspB28ヒトインスリンである請求項52 に記載の方法。 54.工程a)及び/又は工程b)は、さらに、フェノール化合物、好ましくはフェ ノール、m-クレゾール、又はそれらの混合物を含有する請求項46〜53 のいずれか1項に記載の方法。 55.工程a)及び/又は工程b)の溶液は、さらに、炭水化物の主構造に少なくと も4個の炭素原子を含有する水溶性の還元型炭水化物もしくは非還元性炭水 化物、または炭水化物の主構造に少なくとも4個の炭素原子を含有する水溶 性の非還元性炭水化物もしくは還元型炭水化物のエステル及び/又はエーテ ル誘導体、またはそれらの混合物を含有する請求項46〜54のいずれか1 項に記載の方法。 56.前記炭水化物又は炭水化物誘導体は炭水化物の主構造に5〜18個の炭素原 子を含有する請求項55に記載の方法。 57.工程a)及び/又は工程b)の溶液はマニトール、ソルビトール、キシリトー ル、イノシトール、トレハロース、スクロース、又はそれらの中のいずれか との混合物、好ましくはマニトール及び/又はソルビトール、より好ましく はマニトールを含有する請求項56に記載の方法。 58.工程b)のアルカリ性溶液に用いられた緩衝剤物質は、生理学的に許容可能な 緩衝剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤、より好ましくはリン酸二ナトリウム二 水和物である請求項46〜57のいずれか1項に記載の方法。 59.沈澱したインスリン類縁体は、インスリン類縁体及びプロタミンを含有する 結晶である請求項46〜58のいずれか1項に記載の方法。 60.工程d)で得られた懸濁液は5℃〜40℃、好ましくは20℃〜36℃、より 好ましくは30℃〜34℃の範囲の温度で放置され、沈澱された請求項46 〜59のいずれか1項に記載の方法。
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