JP2003264107A - 走間脱磁方法 - Google Patents
走間脱磁方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼材に変形や表面傷を生じさせることなく、
走間脱磁により残留磁気を確実に除去できるようにす
る。 【解決手段】 脱磁コイル10の前後に配設されている
搬送テーブルローラ12により、図中右方向に移動され
る長尺状の鋼材Sを、該脱磁コイル10内に発生させた
交番磁界中を通過させながら脱磁する際、前記脱磁コイ
ル10内を通過中の鋼材Sが、尾端部に対する磁界の作
用により停止した場合、前記テーブルローラ12による
鋼材Sの搬送を中断した後、前記脱磁コイル10内に発
生させる交番磁界を漸減させて脱磁し、脱磁を完了した
後、前記搬送テーブルローラ12による鋼材Sの搬送を
再開する。
走間脱磁により残留磁気を確実に除去できるようにす
る。 【解決手段】 脱磁コイル10の前後に配設されている
搬送テーブルローラ12により、図中右方向に移動され
る長尺状の鋼材Sを、該脱磁コイル10内に発生させた
交番磁界中を通過させながら脱磁する際、前記脱磁コイ
ル10内を通過中の鋼材Sが、尾端部に対する磁界の作
用により停止した場合、前記テーブルローラ12による
鋼材Sの搬送を中断した後、前記脱磁コイル10内に発
生させる交番磁界を漸減させて脱磁し、脱磁を完了した
後、前記搬送テーブルローラ12による鋼材Sの搬送を
再開する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走間脱磁方法、特
に脱磁に強い磁場を必要とする大型鋼材を移動させなが
ら走間脱磁する際に適用して好適な走間脱磁方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】スラブや丸棒鋼等の鋼材に発生している
表面欠陥を検査するために、従来より検出コイルに高周
波電流を供給し、該検出コイルに発生するインピーダン
スの変化を検出することにより、該鋼材の表面欠陥を定
量的に検出する渦流探傷法が用いられている。この検査
方法では、検出コイルのインピーダンスの変化を正確に
検出できるようにするために、鋼材に強い直流磁界を加
えて磁気飽和させ、該鋼材の透磁率が一定になるように
している。そのため、このような渦流探傷法により検査
を行なった後の鋼材には、大きな残留磁束が発生するこ
とになり、これがその後のハンドリング作用等に不具合
を生じさせる原因となることから、残留磁束を消磁す
る、いわゆる脱磁処理が行なわれている。 【0003】このような脱磁処理は、図3にその設備の
横方向から見た状態を模式的に示すように、交番磁界を
発生させる脱磁コイル10内に、該コイル10の前後に
配設されている搬送テーブルローラ12によって、図中
右方向に搬送され、移動される鋼材Sを通過させること
により行なわれている。この設備では、上記脱滋コイル
10に対応させてその下方にイメージを示すように、鋼
材Sの任意の位置が、該コイル10の中心で最大の磁場
の強さを受けた後、該中心から遠ざかるほど交番磁界か
ら受ける磁場の強さが減衰するようにできることによっ
て脱磁(消磁)されるようになっている。但し、図3に
は、尾端部についてのイメージが示されている。 【0004】このような走間脱磁設備を用いて、例えば
100mmφ以上の丸棒鋼等のような大型の鋼材を走間
で脱磁する場合には、強磁場をかける必要があり、この
ような強磁場の下で脱磁コイル10内に鋼材Sを通過さ
せる場合、長さ方向の途中までは問題なく搬送できる
が、該コイル10を尾端部が抜け出るときに、該尾端部
に最大の引力が作用することになる。 【0005】その際、脱磁コイル10で発生させる磁場
の強さより鋼材Sを搬送する力が小さい場合には、尾端
部が脱磁コイル10の位置に留まった状態で停止するこ
とになるため、走間で脱磁処理を続けることができなく
なる。そこで、鋼材Sが停止しないように該鋼材Sを搬
送する力を向上させるために、個々のテーブルローラ1
2の表面を加工(ナーリング等)して鋼材Sとの摩擦力
を大きくする方法や、テーブルローラ12との間に鋼材
Sを挟み付けるためのピンチローラや、搬送方向に押し
出すプッシャー等の搬送補助設備を配置し、外力を付与
する方法が考えられる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなピンチロールやプッシャーのように鋼材Sに外力
を与えて搬送を行なう方法には、該鋼材Sに変形や表面
傷を発生させるという問題があり、又、摩擦力を増大さ
せる方法にも、表面傷が発生する可能性があるという問
題がある。 【0007】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、鋼材に変形や表面傷を生じさせるこ
となく、残留磁気を確実に除去することができる走間脱
磁方法を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、脱磁コイルの
前後に配設されている搬送手段により、鋼材を脱磁コイ
ル内に発生させた交番磁界中に通過させながら脱磁する
走間脱磁方法において、前記脱磁コイル内を通過中の鋼
材が、該鋼材の尾端部に対する磁界の作用により停止し
た場合、前記搬送手段による鋼材の搬送を中断した後、
前記脱磁コイル内に発生させる交番磁界を漸減させて脱
磁し、脱磁処理が完了した後、前記搬送手段による鋼材
の搬送を再開することにより、前記課題を解決したもの
である。 【0009】即ち、搬送手段が搬送テーブルローラのみ
である場合について説明すると、本発明においては、走
間脱磁を行なうために、鋼材を搬送する力(鋼材重量×
ローラ摩擦係数)より脱磁コイルが発生する磁場の強さ
(コイル巻数×電流)が大きくなり、鋼材が搬送テーブ
ルローラとスリップを起こして停止(停滞)した場合
は、即座に搬送テーブルローラによる搬送を中止し、鋼
材が止まったままの状態で、脱磁コイル自体の磁場の強
さを徐々に減衰(漸減)する制御に切換えるようにした
ので、鋼材に変形や表面傷が発生することを有効に防止
でき、しかも鋼材に加える磁場を、脱滋に適切な条件を
選択して減衰させることができるため、脱磁不良が発生
することも防止できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。 【0011】図1は、本発明に係る一実施形態の走間脱
磁方法を行うのに好適な脱滋設備を模式的に示したもの
である。 【0012】本実施形態では、上記走間脱磁設備におい
て、図3の場合と同様に、脱磁コイル(コイル磁石)1
0の前後に配設されている搬送テーブルローラ(搬送手
段)12により、図中右方向に長尺状の鋼材Sを移動さ
せ、該鋼材Sを脱磁コイル10内に発生させた交番磁界
中を通過させながら脱磁することが行なわれる。図中2
2は脱滋コイル10に対して給電を行う励磁電流用イン
バータであり、21は励磁電流の設定を行う脱滋コイル
制御装置である。 【0013】上記設備では、鋼材Sの先端部に対して
は、磁界による引力が作用するため容易に脱磁コイル1
0内に導入することができ、その後もしばらくは前後方
向の引力のバランスが取れるため、容易に移動させるこ
とができる。ところが、尾端部が電磁コイル10を抜け
出そうとすると、逆方向の引力のみが作用することにな
るため、磁界が強い場合には鋼材Sが停止してしまうこ
とになる。 【0014】本実施形態では、このように前記脱磁コイ
ル10内を通過中の鋼材Sが、尾端部に対する磁界の作
用により停止したことが、センサ20により検出された
場合に、直ちに搬送手段制御装置23が前記搬送テーブ
ルローラ12の回転駆動を停止させ、鋼材Sの搬送を中
止する。その後、図1に示した前記脱滋コイル10の近
傍位置に止まったままの状態で、脱滋コイル制御装置2
1が該脱磁コイル10内に発生させる交番磁界を漸減さ
せる減衰制御を行なって脱磁を完了させる。この場合の
磁界の制御は、脱磁コイル10の下方に示したように、
前記図3に示した距離による減衰曲線とほぼ同一になる
ように、徐々に減衰させるようにする。 【0015】図2は、脱滋コイル内位置と鋼材尾端位置
とについて、脱滋コイルにより発生する磁界の強さの経
時変化を、従来法(a)と本発明法(b)とで比較した
模式図である。 【0016】従来法では、一定速度にて鋼材が搬送さ
れ、鋼材Sの尾端が脱滋コイルを通過中及び通過後につ
いて、一定の強さの交番磁界を発生させる。よって、図
2(a)に示すように脱滋コイル内においては磁場強さ
は一定となる。そして、鋼材尾端が脱滋コイルを通過し
て所望の速度にて脱滋コイルから遠ざかっていけば、鋼
材尾端位置における磁界は図2(a)下段の破線で示す
ように減衰していき脱滋処理が行われる。しかし、鋼材
尾端が脱滋コイルを抜け出る時に停止してしまう場合、
例えば時間t1において鋼材尾端が停止すると、それ以
降は鋼材尾端と脱滋コイルとの距離は変化しないので、
図2(a)下段の実線で示すように、鋼材尾端位置にお
ける磁界が減衰せず、よって、脱滋処理が正常に行われ
なくなる。 【0017】これに対し、本発明法では、時間t1に鋼
材尾端の停止をセンサ20が検出すると、搬送手段が鋼
材の搬送を停止するとともに、脱滋コイル内に発生させ
る交番磁界を漸減させる。そして、尾端停止以降(t1
以降)は、図2(b)上段に示すように、脱滋コイル内
の磁界の減衰曲線が図2(a)の破線で示した磁界の減
衰曲線とほぼ同一になるように、徐々に減衰させるよう
にする。そのため、鋼材が停止しているにもかかわら
ず、鋼材尾端位置における磁界は、図2(b)下段に示
すように減衰していき脱滋処理が行われるのである。 【0018】このようにして、脱磁を完了した後、前記
搬送テーブルローラ12による鋼材Sの搬送を再開し、
該鋼材Sを次の工程へ搬送する。なお、交番磁界の減衰
制御は、必ずしも距離による減衰曲線に合せる必要はな
く、予め実験等により決めた最適条件を使用して行なう
ようにしてもよい。 【0019】上記のように、鋼材Sが脱磁コイル10に
より磁界の作用により停止した場合の対処の仕方として
は、鋼材Sが停止した場合に磁場を弱めて搬送テーブル
ローラ12により搬送する方法も考えられるが、この場
合には磁場の強さが不十分であるために脱磁が完了でき
ないことが起こり得る。 【0020】これに対し、本実施形態によれば、充分に
脱磁が可能な減衰曲線に従って磁場の強さをコントロー
ルすることができるため、確実に鋼材Sの脱磁を完了す
ることができる。しかも、この脱磁処理を、搬送テーブ
ルローラ12の回転駆動を停止させて行なうようにした
ので、鋼材Sに変形や表面傷が発生することを確実に防
止することができる。 【0021】 【実施例】前記図1に示した走間脱磁設備において、4
00mmφ×5m(合金鋼)の鋼材Sを、18000A
T(アンペアターン=電流×コイル巻数)の磁場を有す
る脱磁コイル10内に貫通させたところ、その尾端部が
抜け出る段階で該鋼材Sを搬送する力が磁場による引力
より小さくなって該鋼材Sが停止した。そこで、直ちに
搬送テーブルローラ12を停止させ、鋼材Sの移動を中
断して、前述した方法に従って脱磁コイル10による減
衰制御に切換えて脱磁を完了させた。その結果、残留磁
気が15ガウス以下の良好な結果が得られた。 【0022】以上詳述した本実施形態によれば、走間脱
磁装置(設備)を設計するにあたって、コイルの磁場強
さと鋼材Sを搬送する力の関係を考慮する必要がほとん
どなくなるため、走間脱磁の能力(磁場強さ)の更なる
向上を図ることができる。又、走間脱磁を行なう際に、
小さい径の鋼材に対しても強磁場を作用させることが可
能となるため、鋼材Sの径や規格に基づいた脱磁条件を
設定することが不要となり、操業条件の統一化を図るこ
とができ、設備のシンプル化や処理能力の向上をも図る
ことができるようになる。 【0023】又、本実施例によれば、搬送補助設備を使
用することなく確実に搬送することができる。従って、
何らかの搬送補助設備を用いた場合には、鋼材Sに対す
る外力が変形若しくは表面傷発生の原因となるが、その
ような懸念も不要であり、製品段階ではユーザへの不良
品流出の防止を図ることもできる。 【0024】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。 【0025】例えば、前記実施形態では鋼材Sとして4
00mmφの棒鋼の場合について説明したが、この径に
限定されるものでなく、又、鋼材も、丸棒鋼に限らず、
角材やパイプ等であってもよい。 【0026】 【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
走間脱滋を行なう際、鋼材に変形や表面傷を発生させる
ことなく、残留磁気を確実に除去することができる。
に脱磁に強い磁場を必要とする大型鋼材を移動させなが
ら走間脱磁する際に適用して好適な走間脱磁方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】スラブや丸棒鋼等の鋼材に発生している
表面欠陥を検査するために、従来より検出コイルに高周
波電流を供給し、該検出コイルに発生するインピーダン
スの変化を検出することにより、該鋼材の表面欠陥を定
量的に検出する渦流探傷法が用いられている。この検査
方法では、検出コイルのインピーダンスの変化を正確に
検出できるようにするために、鋼材に強い直流磁界を加
えて磁気飽和させ、該鋼材の透磁率が一定になるように
している。そのため、このような渦流探傷法により検査
を行なった後の鋼材には、大きな残留磁束が発生するこ
とになり、これがその後のハンドリング作用等に不具合
を生じさせる原因となることから、残留磁束を消磁す
る、いわゆる脱磁処理が行なわれている。 【0003】このような脱磁処理は、図3にその設備の
横方向から見た状態を模式的に示すように、交番磁界を
発生させる脱磁コイル10内に、該コイル10の前後に
配設されている搬送テーブルローラ12によって、図中
右方向に搬送され、移動される鋼材Sを通過させること
により行なわれている。この設備では、上記脱滋コイル
10に対応させてその下方にイメージを示すように、鋼
材Sの任意の位置が、該コイル10の中心で最大の磁場
の強さを受けた後、該中心から遠ざかるほど交番磁界か
ら受ける磁場の強さが減衰するようにできることによっ
て脱磁(消磁)されるようになっている。但し、図3に
は、尾端部についてのイメージが示されている。 【0004】このような走間脱磁設備を用いて、例えば
100mmφ以上の丸棒鋼等のような大型の鋼材を走間
で脱磁する場合には、強磁場をかける必要があり、この
ような強磁場の下で脱磁コイル10内に鋼材Sを通過さ
せる場合、長さ方向の途中までは問題なく搬送できる
が、該コイル10を尾端部が抜け出るときに、該尾端部
に最大の引力が作用することになる。 【0005】その際、脱磁コイル10で発生させる磁場
の強さより鋼材Sを搬送する力が小さい場合には、尾端
部が脱磁コイル10の位置に留まった状態で停止するこ
とになるため、走間で脱磁処理を続けることができなく
なる。そこで、鋼材Sが停止しないように該鋼材Sを搬
送する力を向上させるために、個々のテーブルローラ1
2の表面を加工(ナーリング等)して鋼材Sとの摩擦力
を大きくする方法や、テーブルローラ12との間に鋼材
Sを挟み付けるためのピンチローラや、搬送方向に押し
出すプッシャー等の搬送補助設備を配置し、外力を付与
する方法が考えられる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなピンチロールやプッシャーのように鋼材Sに外力
を与えて搬送を行なう方法には、該鋼材Sに変形や表面
傷を発生させるという問題があり、又、摩擦力を増大さ
せる方法にも、表面傷が発生する可能性があるという問
題がある。 【0007】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、鋼材に変形や表面傷を生じさせるこ
となく、残留磁気を確実に除去することができる走間脱
磁方法を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、脱磁コイルの
前後に配設されている搬送手段により、鋼材を脱磁コイ
ル内に発生させた交番磁界中に通過させながら脱磁する
走間脱磁方法において、前記脱磁コイル内を通過中の鋼
材が、該鋼材の尾端部に対する磁界の作用により停止し
た場合、前記搬送手段による鋼材の搬送を中断した後、
前記脱磁コイル内に発生させる交番磁界を漸減させて脱
磁し、脱磁処理が完了した後、前記搬送手段による鋼材
の搬送を再開することにより、前記課題を解決したもの
である。 【0009】即ち、搬送手段が搬送テーブルローラのみ
である場合について説明すると、本発明においては、走
間脱磁を行なうために、鋼材を搬送する力(鋼材重量×
ローラ摩擦係数)より脱磁コイルが発生する磁場の強さ
(コイル巻数×電流)が大きくなり、鋼材が搬送テーブ
ルローラとスリップを起こして停止(停滞)した場合
は、即座に搬送テーブルローラによる搬送を中止し、鋼
材が止まったままの状態で、脱磁コイル自体の磁場の強
さを徐々に減衰(漸減)する制御に切換えるようにした
ので、鋼材に変形や表面傷が発生することを有効に防止
でき、しかも鋼材に加える磁場を、脱滋に適切な条件を
選択して減衰させることができるため、脱磁不良が発生
することも防止できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。 【0011】図1は、本発明に係る一実施形態の走間脱
磁方法を行うのに好適な脱滋設備を模式的に示したもの
である。 【0012】本実施形態では、上記走間脱磁設備におい
て、図3の場合と同様に、脱磁コイル(コイル磁石)1
0の前後に配設されている搬送テーブルローラ(搬送手
段)12により、図中右方向に長尺状の鋼材Sを移動さ
せ、該鋼材Sを脱磁コイル10内に発生させた交番磁界
中を通過させながら脱磁することが行なわれる。図中2
2は脱滋コイル10に対して給電を行う励磁電流用イン
バータであり、21は励磁電流の設定を行う脱滋コイル
制御装置である。 【0013】上記設備では、鋼材Sの先端部に対して
は、磁界による引力が作用するため容易に脱磁コイル1
0内に導入することができ、その後もしばらくは前後方
向の引力のバランスが取れるため、容易に移動させるこ
とができる。ところが、尾端部が電磁コイル10を抜け
出そうとすると、逆方向の引力のみが作用することにな
るため、磁界が強い場合には鋼材Sが停止してしまうこ
とになる。 【0014】本実施形態では、このように前記脱磁コイ
ル10内を通過中の鋼材Sが、尾端部に対する磁界の作
用により停止したことが、センサ20により検出された
場合に、直ちに搬送手段制御装置23が前記搬送テーブ
ルローラ12の回転駆動を停止させ、鋼材Sの搬送を中
止する。その後、図1に示した前記脱滋コイル10の近
傍位置に止まったままの状態で、脱滋コイル制御装置2
1が該脱磁コイル10内に発生させる交番磁界を漸減さ
せる減衰制御を行なって脱磁を完了させる。この場合の
磁界の制御は、脱磁コイル10の下方に示したように、
前記図3に示した距離による減衰曲線とほぼ同一になる
ように、徐々に減衰させるようにする。 【0015】図2は、脱滋コイル内位置と鋼材尾端位置
とについて、脱滋コイルにより発生する磁界の強さの経
時変化を、従来法(a)と本発明法(b)とで比較した
模式図である。 【0016】従来法では、一定速度にて鋼材が搬送さ
れ、鋼材Sの尾端が脱滋コイルを通過中及び通過後につ
いて、一定の強さの交番磁界を発生させる。よって、図
2(a)に示すように脱滋コイル内においては磁場強さ
は一定となる。そして、鋼材尾端が脱滋コイルを通過し
て所望の速度にて脱滋コイルから遠ざかっていけば、鋼
材尾端位置における磁界は図2(a)下段の破線で示す
ように減衰していき脱滋処理が行われる。しかし、鋼材
尾端が脱滋コイルを抜け出る時に停止してしまう場合、
例えば時間t1において鋼材尾端が停止すると、それ以
降は鋼材尾端と脱滋コイルとの距離は変化しないので、
図2(a)下段の実線で示すように、鋼材尾端位置にお
ける磁界が減衰せず、よって、脱滋処理が正常に行われ
なくなる。 【0017】これに対し、本発明法では、時間t1に鋼
材尾端の停止をセンサ20が検出すると、搬送手段が鋼
材の搬送を停止するとともに、脱滋コイル内に発生させ
る交番磁界を漸減させる。そして、尾端停止以降(t1
以降)は、図2(b)上段に示すように、脱滋コイル内
の磁界の減衰曲線が図2(a)の破線で示した磁界の減
衰曲線とほぼ同一になるように、徐々に減衰させるよう
にする。そのため、鋼材が停止しているにもかかわら
ず、鋼材尾端位置における磁界は、図2(b)下段に示
すように減衰していき脱滋処理が行われるのである。 【0018】このようにして、脱磁を完了した後、前記
搬送テーブルローラ12による鋼材Sの搬送を再開し、
該鋼材Sを次の工程へ搬送する。なお、交番磁界の減衰
制御は、必ずしも距離による減衰曲線に合せる必要はな
く、予め実験等により決めた最適条件を使用して行なう
ようにしてもよい。 【0019】上記のように、鋼材Sが脱磁コイル10に
より磁界の作用により停止した場合の対処の仕方として
は、鋼材Sが停止した場合に磁場を弱めて搬送テーブル
ローラ12により搬送する方法も考えられるが、この場
合には磁場の強さが不十分であるために脱磁が完了でき
ないことが起こり得る。 【0020】これに対し、本実施形態によれば、充分に
脱磁が可能な減衰曲線に従って磁場の強さをコントロー
ルすることができるため、確実に鋼材Sの脱磁を完了す
ることができる。しかも、この脱磁処理を、搬送テーブ
ルローラ12の回転駆動を停止させて行なうようにした
ので、鋼材Sに変形や表面傷が発生することを確実に防
止することができる。 【0021】 【実施例】前記図1に示した走間脱磁設備において、4
00mmφ×5m(合金鋼)の鋼材Sを、18000A
T(アンペアターン=電流×コイル巻数)の磁場を有す
る脱磁コイル10内に貫通させたところ、その尾端部が
抜け出る段階で該鋼材Sを搬送する力が磁場による引力
より小さくなって該鋼材Sが停止した。そこで、直ちに
搬送テーブルローラ12を停止させ、鋼材Sの移動を中
断して、前述した方法に従って脱磁コイル10による減
衰制御に切換えて脱磁を完了させた。その結果、残留磁
気が15ガウス以下の良好な結果が得られた。 【0022】以上詳述した本実施形態によれば、走間脱
磁装置(設備)を設計するにあたって、コイルの磁場強
さと鋼材Sを搬送する力の関係を考慮する必要がほとん
どなくなるため、走間脱磁の能力(磁場強さ)の更なる
向上を図ることができる。又、走間脱磁を行なう際に、
小さい径の鋼材に対しても強磁場を作用させることが可
能となるため、鋼材Sの径や規格に基づいた脱磁条件を
設定することが不要となり、操業条件の統一化を図るこ
とができ、設備のシンプル化や処理能力の向上をも図る
ことができるようになる。 【0023】又、本実施例によれば、搬送補助設備を使
用することなく確実に搬送することができる。従って、
何らかの搬送補助設備を用いた場合には、鋼材Sに対す
る外力が変形若しくは表面傷発生の原因となるが、その
ような懸念も不要であり、製品段階ではユーザへの不良
品流出の防止を図ることもできる。 【0024】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。 【0025】例えば、前記実施形態では鋼材Sとして4
00mmφの棒鋼の場合について説明したが、この径に
限定されるものでなく、又、鋼材も、丸棒鋼に限らず、
角材やパイプ等であってもよい。 【0026】 【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
走間脱滋を行なう際、鋼材に変形や表面傷を発生させる
ことなく、残留磁気を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態に適用される走間脱磁
設備を模式的に示す説明図 【図2】脱滋コイルにより発生する磁界の強さの経時変
化を模式的に示す説明図 【図3】従来の走間脱磁に適用される脱磁設備を模式的
に示す説明図 【符号の説明】 10…脱磁コイル 12…搬送テーブルローラ S…鋼材
設備を模式的に示す説明図 【図2】脱滋コイルにより発生する磁界の強さの経時変
化を模式的に示す説明図 【図3】従来の走間脱磁に適用される脱磁設備を模式的
に示す説明図 【符号の説明】 10…脱磁コイル 12…搬送テーブルローラ S…鋼材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 坂本 俊夫
岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な
し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
(72)発明者 大平 洋由
岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な
し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】脱磁コイルの前後に配設されている搬送手
段により、鋼材を脱磁コイル内に発生させた交番磁界中
に通過させながら脱磁する走間脱磁方法において、 前記脱磁コイル内を通過中の鋼材が、該鋼材の尾端部に
対する磁界の作用により停止した場合、 前記搬送手段による鋼材の搬送を中断した後、前記脱磁
コイル内に発生させる交番磁界を漸減させて脱磁し、 脱磁処理が完了した後、前記搬送手段による鋼材の搬送
を再開することを特徴とする走間脱磁方法。
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|---|---|---|---|
| JP2002065762A JP2003264107A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | 走間脱磁方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=29197906
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002065762A Pending JP2003264107A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | 走間脱磁方法 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP2003264107A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2335819C2 (ru) * | 2006-05-06 | 2008-10-10 | Закрытое акционерное общество Научно-производственное объединение "Спектр" | Способ размагничивания длинномерных изделий из магнитомягких материалов и устройство для его осуществления |
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2002
- 2002-03-11 JP JP2002065762A patent/JP2003264107A/ja active Pending
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| JP7150025B2 (ja) | 2018-08-08 | 2022-10-07 | 京セラ株式会社 | 遮光部材 |
| JP7150026B2 (ja) | 2018-08-08 | 2022-10-07 | 京セラ株式会社 | 基板 |
| US11987529B2 (en) | 2018-08-08 | 2024-05-21 | Kyocera Corporation | Light shielding member |
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