JP2004017308A - 乾性油変性フェノール樹脂を用いたフェノール樹脂銅張積層板の製造方法 - Google Patents

乾性油変性フェノール樹脂を用いたフェノール樹脂銅張積層板の製造方法 Download PDF

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Kazunaga Sakai
坂井 和永
Yoshiyuki Narabe
奈良部 嘉行
Yoshinori Sato
佐藤 美紀
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Abstract

【課題】耐熱性,耐湿性,打抜加工性及び臭気性に優れた紙基材銅張積層板を提供する。
【解決手段】紙基材に乾性油変性フェノール樹脂ワニスを含浸し,加熱乾燥させプリプレグを作製し,これを複数枚重ね,その片面若しくは両面に接着剤付き銅はくを重ね併せ,加熱加圧成形して成る銅張積層板の製造方法において,エポキシ樹脂を5〜30部配合してなる乾性油変性フェノール樹脂で,かつ乾性油を変性する初期反応時の乾性油とフェノールの反応率(投入したフェノール量に対する,反応したフェノール量の割合)を20〜60%にした後,ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることを特徴とする銅張積層板の製造方法を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,耐熱性,耐湿性,打抜加工性及び臭気性に優れるフェノール樹脂積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙基材フェノール樹脂積層板は,加工性が良いため,打抜加工が多用されている。フェノール類とホルムアルデヒドだけで合成されたフェノール樹脂は,硬く,可塑性が無く,現在の積層板に要求されている打抜加工性が得られない。そのために,低弾性率の紙基材を使用する。このほか,フェノール樹脂自体に可塑性を付与するようにしている。フェノール樹脂に可塑性を付与する手段としては,乾性油でフェノール樹脂を変性する手法が広く採用されている。
また,基材としては,クラフト紙,リンター紙等の紙を用いる。紙基材に水溶性メラミン樹脂,または水溶性フェノール樹脂を含浸した後,乾性油変性フェノール樹脂を含浸して難燃性,耐湿性などを向上させる方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,乾性油変性フェノール樹脂において,乾性油で変性した際,フェノールとの反応率が低いと,その樹脂を用いたワニスは架橋密度が低く,耐熱性,耐湿性,打抜加工性が劣り,また未反応のフェノール等の低分子物による臭気性が強いという問題があった。また,紙基材を水溶性メラミン樹脂で処理すると,難燃性が向上するが,耐湿性が劣る。また,紙基材を水溶性フェノール樹脂で処理すると,耐熱性,耐湿性は向上するが,難燃性,打抜加工性が劣り,諸特性をバランスよくとるのが困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のもに関する。
(1) 紙基材に乾性油変性フェノール樹脂ワニスを含浸し,加熱乾燥させプリプレグを作製し,これを複数枚重ね,その片面若しくは両面に接着剤付き銅はくを重ね併せ,加熱加圧成形して成る銅張積層板の製造方法において,エポキシ樹脂を5〜30部を配合してなる乾性油変性フェノール樹脂を用いることを特徴とする銅張積層板の製造方法。
(2) 上記(1)記載の乾性油変性フェノール樹脂が,乾性油を変性する初期反応時の乾性油とフェノールの反応率(投入したフェノール量に対する,反応したフェノール量の割合)を20〜60%にした後,ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることを特徴とする銅張積層板の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は,乾性油変性フェノール樹脂において,エポキシ樹脂を5〜30部配合し,未反応のフェノール類等を少なくすることにより臭気性を低下させ,かつ乾性油を変性する初期反応時の乾性油とフェノールの反応率(投入したフェノール量に対する,反応したフェノール量の割合)を20〜60%にした後,ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることで,架橋密度をあげ,耐熱性,耐湿性他を改善することをを特徴とする銅張積層板の製造方法である。
紙基材に,予めメラミン樹脂で変性した水溶性フェノール樹脂を含浸乾燥させた後,更に前記乾性油変性フェノール樹脂にメラミン樹脂で変性した水溶性フェノール樹脂を配合したワニスを含浸乾燥させても良い。
乾性油変性フェノール樹脂に配合するエポキシ樹脂は5〜30部とするのが好ましく,5部以下では効果が不十分であり,30部以上では耐熱性が低下する。
【0006】
乾性油変性フェノール樹脂において,乾性油を変性する初期反応時の乾性油とフェノールの反応率(投入したフェノール量に対する,反応したフェノール量の割合)を20〜60%とするのが良く,好ましくは30〜50%が良い。乾性油とフェノールの反応率が20%未満では,架橋密度が低く,耐熱性,耐湿性,打抜加工性が劣る。反応率が60%を超えるもの得ることは通常の反応では難しく,増粘したり,ワニスのライフ等で管理が困難を極める。また,紙への含浸性も低下し,積層板用フェノール樹脂として適さない。
銅張積層板は,基材としてクラフト紙,リンター紙等の紙を,また,乾性油変性フェノール樹脂の乾性油としては,桐油,脱水ヒマシ油,アマニ油,オイチシカ油等が使用される。銅はくは,通常接着剤付き銅はくを用いる。フェノール樹脂用フェノールとしては,フェノール,メタクレゾール,パラクレゾール,オルソクレゾール,イソプロピルフェノール,パラターシャリブチルフェノール,パライソプロペニルフェノールオリゴマー,ノニルフェノール,ビスフェノールA等を用いている。
【0007】
用いるエポキシ樹脂としては,特に制限はなく,通常積層板用として用いているエポキシ樹脂を用いる。このようなエポキシ樹脂として,例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ノボラック型エポキシ樹脂,臭素化エポキシ樹脂などが挙げられ,これらは単独もしくは2種類以上組合せて用いることができる。
また,リン酸エステルのようなリン系化合物,ブロム化フェノールやブロム化エポキシ化合物のようなブロム系化合物,メラミン化合物やトリアジン化合物のような窒素系化合物又は三酸化アンチモンのような無機化合物を単独または混合して熱硬化性樹脂に添加して難燃化している。そして,下塗り樹脂として水溶性フェノール樹脂あるいはメラミン樹脂で処理した紙基材を用いることが好ましい。
【0008】
【実施例】
(実施例1)
水溶性フェノール樹脂を付着樹脂分が16〜24%になるように含浸乾燥し,更に桐油変性率が35%であるフェノール樹脂を樹脂付着量48〜60%になるように含浸乾燥し,所定の性能をもったプリプレグを得た。その際の桐油変性フェノール樹脂の桐油とフェノールの反応率を20%とし,またエポキシ樹脂(DER331,ダウ・ケミカル日本(株)製)を20部配合した。
このプリプレグ8枚と接着剤付き銅はく2枚を重ね合わせ,170℃,10MPaで加熱加圧して1.6mmの両面銅張積層板を得た。
【0009】
(実施例2)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を40%とした以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
【0010】
(実施例3)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を60%とした以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
同様条件にて銅張積層板を得た。
【0011】
(比較例1)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を10%とした以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
【0012】
(比較例2)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を40%とし,またエポキシ樹脂(DER331)を3部配合した以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
【0013】
(比較例3)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を40%とし,またエポキシ樹脂(DER331)を40部配合した以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
【0014】
(比較例4)
実施例1において,使用する桐油変性フェノール樹脂の反応率を10%とした以外,他は実施例1と全く同様条件にて銅張積層板を得た。
得られた積層板の打抜加工性,耐熱性,耐湿性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
Figure 2004017308
【0016】
【発明の効果】
表1に示すように,本発明の製造方法により得られた紙基材銅張積層板は,耐熱性,耐湿性,打抜加工性及び臭気性に優れる。

Claims (2)

  1. 紙基材に乾性油変性フェノール樹脂ワニスを含浸し,加熱乾燥させプリプレグを作製し,これを複数枚重ね,その片面若しくは両面に接着剤付き銅はくを重ね併せ,加熱加圧成形して成る銅張積層板の製造方法において,エポキシ樹脂を5〜30部を配合してなる乾性油変性フェノール樹脂を用いることを特徴とする銅張積層板の製造方法。
  2. 請求項1記載の乾性油変性フェノール樹脂が,乾性油を変性する初期反応時の乾性油とフェノールの反応率(投入したフェノール量に対する,反応したフェノール量の割合)を20〜60%にした後,ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることを特徴とする銅張積層板の製造方法。
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