JP2005225719A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】 GHzを超える高い周波数帯域において高比誘電率εrでかつ高いQfが得られるとともに、比誘電率の温度係数τεrも良好な誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の誘電体磁器組成物は、(Sr1−xCaTiOで示される組成の誘電体酸化物を含む主成分と、第1副成分としてCrの酸化物を含み、主成分に含まれる式中の組成モル比を示す記号x及びmが、0.32<x<0.42、0.965<m<1.035であり、主成分100モルに対して、第1副成分が1モル未満(0を含まず)含有する。この誘電体磁器組成物は、GHz帯でのTE011モードに由来する共振周波数fにおいて、比誘電率εr≧200、品質係数Q(=1/tanδ,tanδ:誘電正接)とfの積Qf≧4000(GHz)、−40〜85℃における比誘電率の温度係数τεrの絶対値|τεr|≦1000(ppm/℃)の特性を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、誘電体磁器組成物に関し、特にGHz帯といった高周波帯域において高い比誘電率、高いQfを有し、しかも比誘電率の温度特性が良好な誘電体磁器組成物に関するものである。
近年、通信機の小型化、軽量化、高速化が強く望まれている。その中で、デジタル携帯電話等の携帯移動体通信、衛星通信に使用される電波の周波数帯域はメガからギガHz帯(「GHz帯」という)の高周波帯域のものが使用されている。使用される通信機器の急速な発展の中で、匡体及び基板、電子素子の小型高密度実装化が図られているが、高周波帯域に対応した通信機器の小型化、軽量化をより一層推進するためには、通信機器に使用される基板等の材料はGHz帯において高周波伝送特性が優れた(誘電損失が小さい)ものでなければならない。ここで、誘電損失は周波数と基板の比誘電率εrと誘電正接(以下tanδと記載する)の積に比例する。よって、誘電損失を小さくするためには基板のtanδを小さくしなければならない。また、基板中では電磁波の波長が1/(εr)0.5に短縮されるため、比誘電率εrが大きい程基板の小型化が可能である。以上のことから高周波帯域で使用される小型の通信機器、電子機器、情報機器に用いる回路基板としては、比誘電率εrが高く、かつQf(品質係数Q=1/tanδ、f=共振周波数)が大きいことが要求されている。また、デバイスが使用される環境下、特に温度の変化に対して比誘電率εrの変動が小さいことが安定した特性を発揮するために重要である。
このような回路基板の材料としては、無機材料としての誘電体材料(焼結体)、有機材料としてフッ素樹脂等が用いられている。ところが、誘電体材料からなる基板は、寸法精度、加工性に難点があり、脆いため欠けや割れが生じやすいという問題点があった。他方、樹脂等の有機材料からなる基板は、成形性及び加工性に優れるという利点はあるが、比誘電率εrが小さいという問題があった。このため、近年、両者の利点を有する基板を得るため、例えば特許文献1(特許第2617639号公報)において有機材料と無機材料の複合体として樹脂材料中に誘電体材料からなる粉末を混合してなる複合基板が提案されている。
一方で、誘電体材料の組成としては、例えば、特許文献2(特開2001−20229号公報)、特許文献3(特開2002−274938号公報)等、これまで種々のものが開発されている。特許文献2及び特許文献3は、積層型セラミックコンデンサを構成することを前提としている。そのため、特許文献2、3は、焼成時の耐還元性に優れ、焼成後には優れた容量温度特性を有し、しかも絶縁抵抗の加速寿命を向上させることができる誘電体磁器組成物を提供することを課題としている。しかるに、積層型セラミックコンデンサは、MHz帯での使用を前提としているため、特許文献2、3において、GHz帯域における比誘電率εr、Qf、比誘電率の温度特性τεrについて検討はなされていない。
特許第2617639号公報 特開2001−220229号公報 特開2002−274938号公報
本発明は、以上の背景に基づいてなされたもので、GHz帯といった高周波帯域において高い比誘電率εr、高いQfを有し、しかも比誘電率の温度特性τεrが良好な誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の誘電体磁器組成物は、(Sr1−xCaTiOで示される組成の誘電体酸化物を含む主成分と、第1副成分としてCrの酸化物を含み、主成分に含まれる式中の組成モル比を示す記号x及びmが、0.32<x<0.42、0.965<m<1.035であり、主成分100モルに対して、第1副成分が、当該酸化物中のCr換算で、1モル未満(0を含まず)含有することを特徴としている。ここで、第1副成分は、高周波帯における比誘電率εr及び比抵抗ρを向上し、焼成温度を低下させる効果を有している。また、第1副成分としてのCrの酸化物の一部をMnの酸化物で置換することができる。
本発明に係る誘電体磁器組成物は、さらに第2副成分として、X(ただし、XはV、Nb、W、Ta及びMoから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物を、主成分100モルに対して、当該酸化物中のX換算で、2モル未満(0を含まず)含有することが好ましい。この第2副成分は、焼成温度を低下させるとともに、高周波帯における比誘電率εr及びQfを向上させる効果を有している。
本発明に係る誘電体磁器組成物は、さらに第3副成分として、R(ただし、RはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物を、主成分100モルに対して、当該酸化物中のR換算で2モル未満(0を含まず)含有することが好ましい。この第3副成分は、高周波帯における比誘電率の温度特性τεrを向上させる効果を有している。
また本発明に係る誘電体磁器組成物は、さらに第4副成分として、SiO、MO(ただし、MはBa、Ca、Sr及びMgから選択される1種又は2種以上の元素)、LiO、B及びMSiOから選択される1種又は2種以上の化合物を、主成分100モルに対して、当該酸化物換算で、5モル未満(0を含まず)含有することが好ましい。この第4副成分は、焼結助剤として焼成温度を低下させるとともに、高周波帯における比誘電率εr、Qfを向上させる効果を有している。
以上の本発明による誘電体磁器組成物は、GHz帯でのTE011モードに由来する共振周波数fにおいて、比誘電率εr≧200、品質係数Q(=1/tanδ,tanδ:誘電正接)とfの積Qf≧4000(GHz)、−40〜85℃における比誘電率の温度特性τεrの絶対値|τεr|≦1000(ppm/℃)の特性を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、第1副成分としてCrの酸化物を含み、かつ組成を最適化することにより、GHzを超える高い周波数帯域で高比誘電率、かつ高いQfが得られるとともに、比誘電率の温度特性τεrも良好な誘電体磁器組成物が得られる。
以下本発明の誘電体磁器組成物をさらに詳細に説明する。
本発明の誘電体磁器組成物は、(Sr1−xCaTiOで示される組成の誘電体酸化物を含む主成分と、第1副成分としてCrの酸化物を含み、主成分に含まれる式中の組成モル比を示す記号x及びmが、0.32<x<0.42、0.965<m<1.035であり、主成分100モルに対する第1副成分が、当該酸化物中のCr換算で、1モル未満(0を含まず)含有する。
本発明の誘電体磁器組成物は、上記組成式において、xを、0.32<x<0.42とする。xはCa原子数を表し、xすなわちSr/Ca比を変えることで、結晶の相転移点を任意にシフトさせることが可能である。そのため比誘電率εr、Qf及び比誘電率の温度特性τεrを制御することができる。xが0.32以下になるとQfが4000GHzを超えることができないとともに、−40℃〜85℃における比誘電率の温度特性の絶対値|τεr|を1000ppm/℃以下にすることが困難となる。また、xが0.42以上になると比誘電率の温度特性τεrが悪化してその絶対値|τεr|を1000ppm/℃以下とすることができなくなる。xの範囲は、好ましくは0.34〜0.40、さらに好ましくは0.36〜0.38である。
本発明の誘電体磁器組成物は、上記組成式において、mを0.965<m<1.035とする。mが0.965以下になると4000GHz以上のQfを得ることができないとともに、比抵抗ρが大きく低下する。一方、mが1.035以上になると、焼成温度を高くしないと焼結が十分に進まないとともに、Qfが3000GHz未満の値にとどまるためである。mの範囲は、好ましくは0.970〜1.020、さらに好ましくは0.970〜1.010である。
本発明の誘電体磁器組成物は、第1副成分としてCrの酸化物を含有する。第1副成分の比率は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のCr換算で1モル未満(0を含まず)とする。第1副成分の比率が1モル以上になると、Qf及び比抵抗ρが低下するからである。第1副成分の比率は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のCr換算で好ましくは0.1〜0.8モル、さらに好ましくは0.1〜0.5モルである。
本発明に係る誘電体磁器組成物は、さらに第2副成分として、X(ただし、XはV、Nb、W、Ta及びMoから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物を添加してあることが好ましい。この第2副成分の添加量は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のX換算で2モル未満(0を含まず)の範囲とすることが好ましい。第2副成分の添加量が2モル以上になるとQfが低下するとともに、比抵抗ρも低下するからである。第2副成分の添加量は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のX換算で、好ましくは0.1〜1.5モル、さらに好ましくは0.1〜1モルである。
本発明に係る誘電体磁器組成物は、さらに第3副成分として、Rの酸化物(ただし、RはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される1種又は2種以上の元素)を添加してあることが好ましい。第3副成分の添加量は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のR換算で、2モル未満(0を含まず)の範囲とする。第3副成分の添加量が2モル以上になると、Qf及び比抵抗ρが低下するとともに、比誘電率の温度特性τεrが悪化するからである。第3副成分の添加量は、主成分100モルに対して、当該酸化物中のR換算で、好ましくは0.01〜1.5モル、さらに好ましくは0.1〜1モルである。
本発明に係る誘電体磁器組成物では、さらに第4副成分として、SiO、MO(ただし、MはBa、Ca、Sr及びMgから選択される1種又は2種以上の元素)、LiO、B及びMSiOから選択される1種又は2種以上の化合物を含むことが好ましい。この第4副成分は、主として焼結助剤として作用するが、Qfを向上する効果をも有している。
第4副成分の添加量は、主成分100モルに対して、当該酸化物換算で、5モル未満(0を含まず)とすることが好ましい。第4副成分の添加量が5モルを超えるとQfが低下するとともに、焼成温度を高くする必要がある。第4副成分の添加量は、主成分100モルに対して、好ましくは0.4〜3モル、さらに好ましくは1〜3モルである。
本発明の誘電体磁器組成物の原料には、前述した本発明に係る誘電体磁器組成物の組成に応じ、主成分を構成する原料と、第1〜第4副成分を構成する原料とが用いられる。主成分を構成する原料としては、Sr、Ca、Tiの酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第1副成分を構成する原料としては、Crの酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第2副成分を構成する原料としては、X(ただし、XはV、Nb、W、Ta及びMoから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物から選択される1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第3副成分を構成する原料としては、R(ただし、RはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物から選択される1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第4副成分を構成する原料としては、SiO、MO(ただし、MはBa、Ca、Sr及びMgから選択される1種又は2種以上の元素)、LiO、B及びMSiOから選択される1種又は2種以上の化合物が用いられる。
なお、焼成により酸化物になる化合物としては、例えば炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等が挙げられる。これらの化合物と酸化物とを併用してもよい。誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に前述した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。これらの原料粉末の平均粒径は0.01〜5.0μm程度の範囲で適宜選択すればよい。
これらの主成分及び副成分の原料粉末を、前述した本発明に係る誘電体磁器組成物の組成に応じて秤量し、例えばボールミルにより湿式混合する。このスラリーを乾燥後、例えば900〜1350℃の範囲で所定時間保持する仮焼を行う。このときの雰囲気はN中又は大気中とすればよい。仮焼の保持時間は0.5〜5.0時間の範囲で適宜選択すればよい。仮焼後、仮焼体を例えば平均粒径0.5〜2.0μm程度まで粉砕する。その粉砕には例えばボールミル等が使用される。
なお、第1〜第4副成分の原料粉末を添加するタイミングは上述したものに限定されるものではない。例えば、まず主成分の原料粉末のみを秤量、混合、仮焼及び粉砕し、この仮焼粉砕後に得られた主成分の粉末に、第1〜第4副成分の原料粉末を所定量添加し、混合するようにしてもよい。
前述の粉砕粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒化される。この際、粉砕粉末に適当なバインダ、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加することが望ましい。得られる顆粒の粒径は80〜200μm程度とすることが望ましい。この造粒粉末を200〜300MPaの圧力で加圧成形し、所望の形状の成形体を得ることができる。
成形時に添加したバインダを焼成前に加熱保持によって除去した後、例えば1250〜1500℃の範囲内で所定時間成形体を加熱保持し、焼結体を得る。このときの雰囲気はN中又は大気中とすればよい。加熱時間は2〜6時間の範囲で適宜設定すればよい。本発明の誘電体磁器組成物の効果を充分に引き出すには、1300〜1400℃の範囲で焼成することが望ましい。
以上の工程を経ることで、本発明における誘電体磁器組成物を得ることができる。本発明における誘電体磁器組成物は、GHz帯でのTE011モードに由来する共振周波数fにおける比誘電率εrが200以上、Qfが4000GHz以上、−40〜85℃における比誘電率の温度特性τεrの絶対値|τεr|が1000ppm/℃以下という特性を備える。こうした優れた特性を備える本発明による誘電体磁器組成物は、高周波用、特にマイクロ波の共振器、フィルタ、積層コンデンサ等の材料として好適である。
また、本発明の誘電体磁器組成物は、前述した複合基板中に含有される誘電体粉末に適用することができる。この粉末は、原料粉末を焼成した後に粉砕して作製することができる。例えば、最終組成になるように秤量された原料粉末を混合した後に仮焼を行い、仮焼組成物に対して添加物を添加して粉砕し、さらに粉砕粉末を焼成し、得られた焼成物を粉砕することにより得ることができる。仮焼、焼成は、常法にしたがって行えばよい。また、粉砕についても同様である。なお、主成分及び第1〜第4副成分に関する原料粉末は、前述したように、酸化物粉末を用いることもできるし、焼成後に酸化物となる化合物粉末を用いることもできる。
複合基板を得る場合、誘電体粉末と樹脂との合計を100vol%としたとき、誘電体粉末の含有量は30〜70vol%とすることが好ましい。誘電体粉末の量が30vol%未満になる(樹脂の量が70vol%を超える)と、基板としての寸法安定性を欠くとともに、比誘電率εrが低下してしまう。つまり、誘電体粉末を含有する効果があまりみられない。一方、誘電体粉末の量が70vol%を超える(樹脂の量が30vol%未満になる)と、プレス成形の際、流動性が非常に悪くなり、緻密な成形物が得られなくなる。その結果、強度の低下、水等の侵入が容易になり電気特性の劣化につながる。また、誘電体セラミックス粉末を添加しない場合に比べて、Qfが大きく低下することもある。よって、誘電体粉末の含有量は30〜70vol%とする。望ましい誘電体粉末の含有量は30〜50vol%、さらに望ましい誘電体粉末の含有量は35〜50vol%である。
誘電体材料を作製するための出発原料として、それぞれ平均粒径0.1〜1μmの主成分原料としてのSrCO、CaCO、TiO、及び第1〜第4副成分原料を用意した。副成分原料としては酸化物である第1副成分:Cr、第2副成分:V、第3副成分:Y、第4副成分:CaSiOをそれぞれ用いた。なお、第4副成分であるCaSiOは、SiO及びCaCOをボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1330℃で空気中で焼成し、さらにボールミルで100時間湿式粉砕して得られたものを用いた。
これらの原料を組成式(Sr1−xCaTiO(主成分)+Cr(第1副成分)+V(第2副成分)+Y(第3副成分)+CaSiO(第4副成分)において、焼成後に表1〜表6に示す組成になるように秤量した後、これらをそれぞれボールミルにより約16時間湿式混合した。このスラリーを充分乾燥した後、空気中、1230℃で仮焼成を行った。得られた仮焼成体を乳鉢で粗粉砕した後ボールミルにより約16時間湿式粉砕し、これを乾燥することによって誘電体磁器組成物(誘電体材料)を得た。なお、表1〜表6の第1〜第4副成分のモル数は、主成分100モルに対する比率である。
このようにして得られた乾燥後の誘電体材料にバインダとして適量のPVA(ポリビニルアルコール)を加えて造粒し、プレス成形により直径約12mm、厚さ約6mmのバルク成形体、及び直径約12mm、厚さ約1mmのディスク状成形体を作製した。これらの成形体を空気中、1300〜1400℃で焼成し、誘電体磁器組成物からなる試料を得た。バルク成形体については、焼成後、直径約10mm、厚さ約5mmに加工して、誘電体磁器組成物からなる試料を得た。
得られた誘電体磁器組成物を用いて、誘電特性(比誘電率εr、Qf、比誘電率の温度特性τεr)及び比抵抗ρを測定した。
誘電特性の測定はHakki−Coleman法に基づき以下のように行った。
平行に配設された2枚の金属板にバルク試料を挟み、ネットワークアナライザー(ヒューレッドパッカード社製 8510C)に接続されたプローブを試料の両側に固定した。一方のプローブより高周波を発振して周波数特性を測定し、得られたTE011モードの共振ピークと試料寸法より比誘電率εrを求めた。また、標準試料を用いて前記金属板の表面比抵抗を求め、この値から金属板の誘電損失分を求めて全体の誘電損失値から前記金属板の誘電損失分を除き、試料のQfを得た。さらに、−40℃及び85℃における比誘電率εrを前述の方法と同様に求め、その温度間における比誘電率の温度特性τεrを算出した。その評価結果を表1〜表6に示す。
比抵抗ρの測定は以下のようにして行った。
焼成後のディスク状試料の両面に電極ペーストを塗布した。この試料に絶縁抵抗計(アドバンテスト社製 R8340A)を用いて25℃でDC100Vを60秒間印加した後の絶縁抵抗IRを測定した。この測定値とディスク状試料の電極面積及び厚みとから、比抵抗ρ(Ωcm)を算出した。その評価結果を表1〜表6に示す。この表1〜表6において、比抵抗ρの欄の「aE+n」は「a×10+n」を意味する。
なお、これらの試料は、主成分原料であるSrCO、CaCO、TiOを先に湿式混合し、仮焼した後に第1〜第4副成分を添加して湿式混合し、焼成する方法でも同様の特性が得られた。
以上のようにして得られた試料は、原料やボールミルによる粉砕混合等から組成式に示した成分以外にZrO、BaO等が混入するが、本発明の特性に影響を与えない範囲であれば混入していても差し支えない。
Figure 2005225719
表1に示すように、Ca量を示すxが0.32ではQfが4000未満であるとともに、比誘電率の温度特性τεrも−1500ppm/℃程度である。また、xが0.42では比誘電率の温度特性τεrが−2000ppm/℃を下回ってしまう。以上の結果より、本発明ではxを0.32<x<0.42と規定した。好ましいxは0.34〜0.40、さらに好ましいxは0.36〜0.38である。
Figure 2005225719
表2に示すように、主成分のモル比(Sr+Ca)/Tiを表すmが0.965の場合にはQf及び比抵抗ρが低い。一方、mが1.035の場合には、焼成温度を1395℃と高くしないと焼結が十分に進まない。しかも、焼成温度を高くしてもQfが3000未満の値に低下する。したがって本発明では、mを0.965<m<1.035とする。好ましいmは0.970〜1.020、さらに好ましいmは0.970〜1.010である。
Figure 2005225719
表3において、Cr(第1副成分)を添加することにより、比誘電率εr及びQfが向上するとともに、比誘電率の温度特性τεrも向上することがわかる。ただし、その添加量が、酸化物中のCr換算で1.00モルになると、Qfの低下が顕著になるとともに、比抵抗ρの低下も無視できなくなる。したがって本発明では、第1副成分は酸化物中のCr換算で1モル未満(0を含まず)とする。第1副成分の添加量は、主成分100モルに対して、酸化物中のCr換算で、好ましくは0.1〜0.8モル、さらに好ましくは0.1〜0.5モルである。
Figure 2005225719
表4に示すように、V(第2副成分)を添加することにより、焼成温度が低下し、Qfが向上するとともに、比誘電率の温度特性τεrも向上する傾向にある。ただし、その添加量が、酸化物中のV換算で2.00モルになると、Qfの低下が顕著になるとともに、比抵抗ρの低下も無視できなくなる。したがって本発明では、第2副成分の添加量は酸化物中のV(X)換算で2モル未満(0を含まず)とする。第2副成分の添加量は、主成分100モルに対して、酸化物中のV(X)換算で、好ましくは0.1〜1.5モル、さらに好ましくは0.1〜1モルである。
Figure 2005225719
表5に示すように、Y(第3副成分)を添加することにより、比誘電率の温度特性τεrが向上する。ただし、その添加量が、酸化物中のY換算で2.00モルになると、Qfの低下が顕著になるとともに、比誘電率の温度特性τεrの悪化も無視できなくなる。また、焼成温度が高くなる。したがって本発明では、第3副成分の添加量は、主成分100モルに対して、酸化物中のY(R)換算で2モル未満(0を含まず)とする。第3副成分の添加量は、主成分100モルに対して、酸化物中のY(R)換算で、好ましくは0.01〜1.5モル、さらに好ましくは0.1〜1モルである。
Figure 2005225719
表6に示すように、CaSiO(第4副成分)を添加することにより、Qfを向上させることができる。また、焼成温度の低下にもCaSiO(第4副成分)の添加は有効である。ただし、その添加量が5.00モルになるとQfが低下するとともに、焼成温度を高くする必要がある。したがって、本発明ではCaSiO(第4副成分)の量を5モル未満(0を含まず)とする。第4副成分の量は、主成分100モルに対して、好ましくは0.4〜3モル、さらに好ましくは1〜3モルである。
焼成後に表7に示す組成となるように原料粉末を秤量した以外は実施例1と同様に誘電体磁器組成物を作製し、やはり実施例1と同様にして比誘電率εr等の特性を測定した。その結果を表7に示す。なお、第1副成分の原料には、MnOの原料としてのMnCO粉末及びCr粉末を用いた。
Figure 2005225719
表7に示すように、第1副成分としてのCrの一部をMnOで置換した場合も、Cr単独で添加した場合と同等の特性が得られることが確認できた。
焼成後に表8に示す組成となるように原料粉末を秤量した以外は実施例1と同様に誘電体磁器組成物を作製し、やはり実施例1と同様にして比誘電率εr等の特性を測定した。その結果を表8に示す。なお、第2副成分の原料には、各元素の酸化物粉末を用いた。
Figure 2005225719
表8に示すように、V以外の第2副成分を用いても、Vを用いた場合と同等の特性が得られることが確認された。
焼成後に表9に示す組成となるように原料粉末を秤量した以外は実施例1と同様に誘電体磁器組成物を作製し、やはり実施例1と同様にして比誘電率εr等の特性を測定した。その結果を表8に示す。なお、第3副成分の原料には、各元素の酸化物粉末を用いた。
Figure 2005225719
表9に示すように、Y以外の第3副成分を用いた場合であっても、Yと同等の効果が得られることが確認された。
焼成後に表10に示す組成となるように原料粉末を秤量した以外は実施例1と同様に誘電体磁器組成物を作製し、やはり実施例1と同様にして比誘電率εr等の特性を測定した。その結果を表10に示す。なお、(Ba、Ca)SiO、(Sr、Ca)SiOおよび(Mg、Ca)SiOは、SiOおよびMCO(M=Ba、Sr、Ca、Mg)をボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1330℃で空気中で焼成し、さらにボールミルで100時間湿式粉砕して得られたものを用いた。
Figure 2005225719
表10に示すように、CaSiO以外の第4副成分を用いた場合にも、CaSiOと同等の特性が得られることが確認された。

Claims (6)

  1. (Sr1−xCaTiOで示される組成の誘電体酸化物を含む主成分と、第1副成分としてCrの酸化物を含み、
    前記主成分に含まれる式中の組成モル比を示す記号x及びmが、0.32<x<0.42、0.965<m<1.035であり、
    前記主成分100モルに対して、前記第1副成分が、当該酸化物中のCr換算で、1モル未満(0を含まず)含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 第2副成分として、X(ただし、XはV、Nb、W、Ta及びMoから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物を、主成分100モルに対して、当該酸化物中のX換算で、2モル未満(0を含まず)含有する請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 第3副成分として、R(ただし、RはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される1種又は2種以上の元素)の酸化物を、主成分100モルに対して、当該酸化物中のR換算で2モル未満(0を含まず)含有する請求項1又は2に記載の誘電体磁器組成物。
  4. 第4副成分として、SiO、MO(ただし、MはBa、Ca、Sr及びMgから選択される1種又は2種以上の元素)、LiO、B及びMSiOから選択される1種又は2種以上の化合物を、主成分100モルに対して、当該酸化物換算で、5モル未満(0を含まず)含有する請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
  5. 前記第1副成分としてのCrの酸化物の一部がMnの酸化物で置換されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
  6. GHz帯でのTE011モードに由来する共振周波数fにおいて、比誘電率εr≧200、品質係数Q(=1/tanδ,tanδ:誘電正接)とfの積Qf≧4000(GHz)、−40〜85℃における比誘電率の温度特性τεrの絶対値|τεr|≦1000(ppm/℃)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
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