JP2013199455A - 2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)ガッターマン法;塩化アルミニウムや塩化亜鉛を触媒として用い、フェノール類にシアン化水素を反応させるか、又はシアン化亜鉛と塩化水素を反応させる方法(非特許文献1)
(b)ガッターマン−コッホ法;塩化アルミニウムと塩化銅の存在下、一酸化炭素と塩化水素を作用させる方法(非特許文献2)
(c)フッ化ホルミルと三フッ化ホウ素を用いる方法(非特許文献3)
(d)ジクロロメチルアルキルエーテル又はオルトギ酸エステルを用いる方法;ジクロロメチルアルキルエーテル又はオルトギ酸エステルを、四塩化チタンや塩化アルミニウムの存在下に反応させ、ついで加水分解する方法(非特許文献4)
(e)ビルスマイヤー反応;オキシ塩化リンや塩化チオニルを、N−置換ホルムアミド類と反応させて得られる化合物を用いる方法(非特許文献5)
(f)ライマー−チーマン反応;アルカリの存在下、クロロホルム、ブロモホルム、トリクロロ酢酸等を反応させる方法(非特許文献6)
(g)ダフ反応;ホウ酸グリセリンエステル、酢酸又はトリフルオロ酢酸の存在下、ヘキサメチレンテトラミンを反応させる方法(非特許文献7)。
(h)フェノキシマグネシウムブロミドとパラホルムアルデヒドによる方法;フェノール類を、エチルマグネシウムブロミドとパラホルムアルデヒドと反応させる方法(特許文献1)
(i)マグネシウムメトキシドとパラホルムアルデヒドによる方法;フェノール類とマグネシウムメトキシドをメタノール溶媒中で反応させ、ついで、芳香族炭化水素系溶媒中で、パラホルムアルデヒドを反応させる方法(非特許文献8)
しかしながら、これらの方法でハイドロキノン化合物のホルミル化を試みても、目的とする2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物は全く得られないか、得られたとしても収率は極めて低い。例えば(g)の方法で、ヘキサメチレンテトラミンとハイドロキノンを反応させた場合、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドの収率は19%程度である(非特許文献9)。
〔1〕式(2)
で示されるフェノール化合物を、芳香族炭化水素系溶媒中、マグネシウムアルコキシド存在下、パラホルムアルデヒドと反応させる工程(I)、
工程(I)で得られた反応液を、酸と接触させた後、塩基と接触させて、式(3)
で示される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を含有する溶液を得る工程(II)、および、
工程(II)で得られた溶液から前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を単離することなく、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物の水酸基の保護基R4を脱保護する工程(III)
を有する、式(1)
で示される2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
〔2〕前記式(1)、(2)及び(3)中、R1、R2及びR3が、いずれも水素原子である、〔1〕に記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
〔3〕前記式(2)及び(3)中、R4が、式(4)
〔4〕前記式(2)及び(3)中、R4がベンジル基である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
〔5〕前記工程(III)が、前記工程(II)で得られた溶液に、アルコール系溶媒を加えた後、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を単離することなく、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物の水酸基の保護基R4を脱保護する工程であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
〔7〕前記塩基として金属炭酸水素塩を用いる、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
本発明の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法は、下記工程(I)〜(III)を有することを特徴とする。
工程(I):前記式(2)で表されるフェノール化合物を、芳香族炭化水素系溶媒中、マグネシウムアルコキシド存在下、パラホルムアルデヒドと反応させる工程
工程(II):工程(I)で得られた反応液を、酸と接触させた後、塩基と接触させて、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を含有する溶液を得る工程
工程(III):前記工程(II)で得られた溶液から、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を単離・精製することなく、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物の水酸基の保護基R4を脱保護する工程
工程(I)は、前記式(2)で表されるフェノール化合物(以下、「フェノール化合物(2)」ということがある。)を、芳香族炭化水素系溶媒中、マグネシウムアルコキシドの存在下、パラホルムアルデヒドと反応させる工程である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらの置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基等が挙げられる。
これらの中でも、R5〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基であるのが好ましく、R5〜R9がすべて水素原子であるのが特に好ましい。
芳香族炭化水素系溶媒の使用量は、フェノール化合物(2)に対して、通常5〜20質量倍、好ましくは7〜10質量倍である。
マグネシウムアルコキシドの使用量は、フェノール化合物(2)に対して、通常0.5〜1.0当量、好ましくは0.6〜0.7当量である。
具体的な調製方法としては、後述する実施例に示す方法等が挙げられる。
本発明においては、マグネシウムアルコキシドとして、実施例に示すように、マグネシウムアルコキシドを調製した反応液をそのまま使用してもよいし、反応液から単離したもの(粉末)を使用してもよい。
反応時間は反応規模等にもよるが、通常、数十分から数時間である。
工程(II)は、工程(I)で得られた反応液を、酸と接触させた後、塩基と接触させて、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物(以下、「化合物(3)」ということがある。)を含有する溶液を得る工程である。
この操作を行うことにより、反応液から化合物(3)を単離することなく後工程に進んでも、後工程においてホルミル基が外れることなく、最終的に目的物を収率よく得ることができる。
撹拌温度は通常0〜40℃であり、撹拌時間は、通常数十分から数時間である。
酸の使用量は、用いたマグネシウムアルコキシド1モルに対し、通常2〜2.5モルである。
酸と接触させると、分液しても、有機層に酸が残り、その後の脱保護反応(触媒反応)を阻害するため、塩基と接触させて、有機層を中和しておく必要がある。
金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられる。
金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;等が挙げられる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の3級アミン等が挙げられる。
炭酸水素ナトリウムを用いる場合、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の形で用いるのが特に好ましい。
用いる塩基の使用量は、有機層に存在する酸を中和するのに必要な量であればよい。
工程(III)は、工程(II)で得られた溶液から化合物(3)を単離することなく、化合物(3)の水酸基の保護基R4を脱保護する工程である。
保護基R4が、t−ブチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基である場合には、例えば、前記工程(II)で得られた溶液に、酸を添加して全容を撹拌する方法等が挙げられる。
用いる酸としては、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素、酢酸、塩酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
アルコール系溶媒を用いることにより、目的物の溶解度が向上するため、水素化反応をより容易に進行させることができ、また、後処理操作におけるロスを防ぎ、収率よく目的物を得ることができる。
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定により、同定することができる。
〈工程(I)〉 中間体1の合成
窒素気流中、反応器に、マグネシウム1.24g(0.051mol)とメタノール51gを加え、加熱還流条件下で1時間攪拌した。反応液を25℃に戻し、4−(ベンジルオキシ)フェノール17.0g(0.085mol)を加え、常圧下でメタノール25gを蒸留により除去した。ここにトルエン85gを加え、反応液の内温が85℃になるまで、メタノールとトルエンとをさらに共沸蒸留により除去した。その後、パラホルムアルデヒド10.2g(0.340mol)とトルエン34gとのスラリー溶液を、滴下漏斗を用いて1時間かけて滴下した。その際、反応の進行とともにメタノールが生成するので、反応液内温を85〜95℃に維持してメタノールを共沸除去した。前記スラリー液の滴下終了後、さらに全容を1時間攪拌した。
反応終了後、反応液を25℃まで戻し、12N塩酸10.32gを水50gで希釈した溶液を反応液に加え、全容を2時間攪拌した。得られた反応混合物に飽和食塩水37gを加えて、分液し、有機層を分取した。次いで、有機層をさらに飽和食塩水17gと飽和重曹水17gとの混合液で洗浄し、分液し、有機層を分取して、中間体1を含有するトルエン溶液を得た。
目的物の構造は1H−NMRスペクトルで同定した。
実施例1の工程(II)において、有機層の中和に用いる飽和重曹水を、0.1N水酸化ナトリウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的物である化合物1を収率75.0%で得た。
実施例1の工程(II)において、有機層の中和に用いる飽和重曹水を、粉末の重曹1.7gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的物である化合物1を収率79.2%で得た。
実施例1の工程(II)において、有機層の中和に用いる飽和重曹水を、トリエチルアミン1.7gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的物である化合物1を収率72.3%で得た。
実施例1の工程(II)において、有機層の飽和重曹水による中和操作を実施しない以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的物である化合物1の収率は3.5%であった。
実施例1の工程(II)において、有機層の中和に用いる飽和重曹水を、蒸留水に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的物である化合物1の収率は21.1%であった。
実施例1〜4及び比較例1,2の結果を下記表1にまとめた。
ホルミル化工程で酸による後処理を行った後に、塩基で有機層を中和した実施例1〜4では、中間体を単離することなく、簡便な操作により、高収率で目的物を得ることができる。
Claims (7)
- 式(2)
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R4は、置換基を有していてもよいベンジル基、t-ブチル基、メトキシメチル基、又は2−メトキシエトキシメチル基を表す。)
で示されるフェノール化合物を、芳香族炭化水素系溶媒中、マグネシウムアルコキシド存在下、パラホルムアルデヒドと反応させる工程(I)、
工程(I)で得られた反応液を、酸と接触させた後、塩基と接触させて、式(3)
(式中、R1〜R4は、前記と同じ意味を表す。)
で示される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を含有する溶液を得る工程(II)、および、
工程(II)で得られた溶液から前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を単離することなく、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物の水酸基の保護基R4を脱保護する工程(III)
を有する、式(1)
(式中、R1〜R3は前記と同じ意味を表す。)
で示される2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。 - 前記式(1)、(2)及び(3)中、R1、R2及びR3が、いずれも水素原子である、請求項1に記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記式(2)及び(3)中、R4がベンジル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記工程(III)が、前記工程(II)で得られた溶液に、アルコール系溶媒を加えた後、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を単離することなく、前記式(3)で表される2−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物の水酸基の保護基R4を脱保護する工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記芳香族炭化水素系溶媒として、トルエン又はキシレンを用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記塩基として金属炭酸水素塩を用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド化合物の製造方法。
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