JP3103154B2 - サンプル・ホールド回路 - Google Patents

サンプル・ホールド回路

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JP3103154B2
JP3103154B2 JP03241524A JP24152491A JP3103154B2 JP 3103154 B2 JP3103154 B2 JP 3103154B2 JP 03241524 A JP03241524 A JP 03241524A JP 24152491 A JP24152491 A JP 24152491A JP 3103154 B2 JP3103154 B2 JP 3103154B2
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  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサンプル・ホールド回路
(以下、S/H回路という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のS/H回路技術の中で、ダイオー
ドブリッジS/H回路技術は非常に高い速度性能ならび
に精密度性能を提供する。図10は、この従来のダイオ
ードブリッジ形S/H回路を示すものである。
【0003】この図において、501〜504はブリッ
ジを構成するダイオードである。ダイオード501,5
02の直列回路とダイオード503,504の直列回路
とが並列に接続されてブリッジを形成している。ダイオ
ード501,502の共通接続点が入力端子505とさ
れ、ダイオード503,504の共通接続点が出力端子
506とされている。出力端子506にはホールド容量
となるコンデンサ507が接続されている。
【0004】508〜510は定電流源回路、511,
512はスイッチングトランジスタである。定電流源回
路508はnpn形トランジスタ511のコレクターエ
ミッタを介し、定電流源回路509はnpn形トランジ
スタ512のコレクターエミッタを介して定電流源回路
510に対し共通に接続されている。これによってトラ
ンジスタ511は定電流源回路508,510によりバ
イアスされ、トランジスタ512は定電流源回路50
9,510によりバイアスされている。トランジスタ5
11,512のベースは互いに位相が180度ずれたク
ロック信号が入力されるタイミング信号の入力端子51
3,514となっており、トランジスタ511,512
は互いに逆位相で動作し、これによってサンプルモード
とホールドモードとが切換るようになっている。
【0005】まず、そのクロック信号がトランジスタ5
13をオフ、トランジスタ514をオンにするものであ
るときにはサンプルモードとなる。すなわち、トランジ
スタ511がオフ、トランジスタ512がオンの場合、
定電流源回路510からの電流Ibiasがトランジスタ5
12に流れ、タイオード501〜504がバイアスされ
る。
【0006】入力端子505への入力レベルが“0”で
ある場合には、定電流源回路508からの電流Ibias/
2がダイオードD1 ,D2 およびダイオードD3 ,D4
を夫々流れた後、定電流源回路509からの電流Ibias
/2とトランジスタ512において合流する。その結
果、出力の電流Is は流れず、コンデンサ507の電位
は変化しない。
【0007】入力端子505への入力レベルが上昇する
と、ダイオード502が入力信号によってもバイアスさ
れ、その分、ダイオード502を流れる電流値が増大す
る。トランジスタ512を流れる電流値はIbiasに制限
されているため、タイオード502を流れる電流が増大
すると定電流源回路508からの電流の一部はダイオー
ド503から出力端子506へ向かって電流Is となっ
て流れ、コンデンサ507が充電されてその電位が上昇
することとなる。
【0008】また、入力端子505への入力レベルが出
力レベルより下降すると、ダイオード503,504の
共通接続ノードの電位が出力端子506の電位よりも低
下するので、コンデンサ507の電位がその電位と等し
くなるまで放電するためにコンデンサ507の電位が入
力レベルの低下に伴って下降する。このように、トラン
ジスタ511をオフ、トランジスタ512をオンにする
ものであるときにはサンプルモードとなる。
【0009】逆に、トランジスタ511がオン、トラン
ジスタ512がオフの場合には、ダイオード501〜5
04がオフとなるために、コンデンサ507の電位は保
持されることとなり、ホールドモードとなる。
【0010】しかしながら、このダイオードブリッジを
用いた従来のS/H回路に次のような問題があった。第
1に、スリューレート特性が十分ではない。ダイオード
ブリッジS/H回路のスリューレート特性はスイッチン
グダイオードのバイアス電流で制限される。一般に、消
費電力を小さくするために、そして、それより更に重要
にはDCオフセットを小さくするために、バイアス電流
は小さくしており、そのため、十分に高いスリューレー
ト特性を得ることができないのである。
【0011】第2に、ブリッジ回路は、サンプルモード
時にオンとなっているダイオードがホールドモード時に
は完全にオフとなるため、入力インピーダンスが両モー
ド間で激しく変化するという問題がある。従来、このこ
とにより、S/H回路の前段にバッファ回路が必要とな
り、それがあっても両モードの切換え時の雑音が信号源
側へ洩れ込んだりする欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のダ
イオードブリッジ形のS/H回路にあっては、消費電力
やDCオフセットとの関係で高スリューレートが得られ
ず、また入力インピーダンスがサンプル/ホールド両モ
ード間で激しく変化するという問題があった。
【0013】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、消費電力やCD
オフセットとに関連するダイオードのバイアス電流を増
大させることなく高スリューレートを得ることができ、
また入力インピーダンスがサンプル/ホールド両モード
間で変化しないようにしたサンプル・ホールド回路を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のS/H回路は、
複数のダイオードが直列に接続されてなるダイオード回
路と、入力信号のレベルに応じた電流を出力する第1,
第2の入力段トランジスタと、上記ダイオード回路にお
けるダイオード同士の共通接続点とグランドとの間に接
続されたホールド容量と、上記ダイオード回路と第1の
入力段トランジスタとの電流合流ノード、および第2の
入力段トランジスタとにバイアス電流を供給する定電流
源回路と、上記電流合流ノードと定電流源回路との間に
介在された第1のスイッチトランジスタ、および上記第
2の入力段トランジスタと定電流源回路との間に介在さ
れた第2のスイッチトランジスタからなる差動回路と、
基準電流入力端子と、第1、第2の電流出力端子とを備
え、基準電流入力端子は第1の入力段トランジスタの出
力端子に接続され、第1の電流出力端子は上記電流合流
ノードに接続され、前記第2の電流出力端子は前記ダイ
オード回路の入力端子に接続されたカレントミラー回路
とを備えている。
【0015】
【作用】本発明のS/H回路によれば、第1のスイッチ
トランジスタがオン、第2のスイッチトランジスタがオ
フのときサンプルモードとなる。すなわち、定電流源回
路からの電流が第1のスイッチトランジスタの方を流
れ、第1の入力段トランジスタおよびダイオード回路が
バイアスされることとなる。これにより、第1の入力段
トランジスタから入力信号に応じた電流が出力され、こ
れが基準電流としてカレントミラー回路に与えられる。
すると、カレントミラー回路の第1、第2の電流出力端
子から基準電流に応じた電流が出力される。
【0016】カレントミラー回路の第1の電流出力端子
からの電流は第1の入力段トランジスタからの電流と直
接合流し、第2の電流出力端子からの電流はダイオード
回路を通して第1の入力段トランジスタからの電流と合
流することとなる。
【0017】ここで、その合流路における電流値は定電
流源回路によって一定電流に規定されるため、入力信号
のレベル上昇下降に応じてダイオード回路からホールド
容量素子へ電流が流れ込み或いはこのホールド容量素子
からダイオード回路への放電がなされることとなる。カ
レントミラー回路からダイオード回路に流れ込む電流
は、入力信号レベル変動に応じた値を取るため、これに
よりホールド容量素子での充放電速度が制御され、高ス
リューレートが得られることとなる。
【0018】このように本発明によれば、ダイオード回
路のダイオードのバイアス電流に依存することなしに高
スリューレートが得られるため、そのダイオードのバイ
アス電流を小さく押さえ、消費電力やDCオフセットの
低減を図ることができる。
【0019】次に、本発明のS/H回路は、第1のスイ
ッチトランジスタがオフ、第2のスイッチトランジスタ
がオンのときホールドモードとなる。すなわち、定電流
源回路からの直流バイアス電流は、第2のスイッチトラ
ンジスタに流れ、第1スイッチトランジスタには流れな
い。よって、ダイオード回路のダイオードはオフとな
り、ホールド容量素子の電位が保持されることとなる。
【0020】このとき、入力信号はサンプルモードのと
きと同様、入力段トランジスタ(第2の入力段トランジ
スタ)により負担されるため、サンプルモードおよびホ
ールドモードを通じて入力インピーダンスの変化がな
い。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1は、本発明の一実施例に係るS/H
回路を示すものである。
【0022】この図において、101〜104はサンプ
ル/ホールド用のスイッチング回路を構成するダイオー
ドであり、これらダイオード101〜104は「10
2,101,103,104」の順に全て直列に且つル
ープを形成するように接続されている。このスイッチン
グ回路においてはダイオード101とダイオード103
とが一つの対を成し、ダイオード104とダイオード1
02とがもう一つの対を成しており、後述するように両
ダイオード対が逆位相で交互にサンプル機能とホールド
機能とを果たすように構成されている。
【0023】ダイオード101とダイオード103との
接続ノード105はnpn形トランジスタ109のエミ
ッターベース接合を介してサンプリング入力端子111
に接続され、ダイオード102とダイオード104との
接合ノード106はnpn形トランジスタ110のエミ
ッターベース接合を介してサンプリング入力端子111
に接続されており、これらトランジスタ109,110
がサンプリングホールド回路の入力段デバイスを構成し
ている。
【0024】ダイオード101とダイオード102との
接続ノード107は第1ホールド出力端子112に接続
されており、この第1ホールド出力端子112にはホー
ルド容量となるコンデンサ113が接続されている。ダ
イオード103とダイオード104との接続ノード10
8は第2ホールド出力端子114に接続されており、こ
の第2ホールド出力端子114にはホールド容量となる
コンデンサ115が接続されている。
【0025】116はカレントミラー回路であり、この
カレントミラー回路116は一つの基準電流入力端子1
17および第1、第2の2つの出力端子118,119
を備えている。基準電流入力端子117にはトランジス
タ109のコレクタが接続され、第1出力端子118は
スイッチング回路の第1入力端子105に接続され、第
2出力端子119は同第2入力端子106に接続されて
いる。
【0026】120,121は互いに差動的に動作する
npn形トランジスタである。トランジスタ120のベ
ースは第1クロック入力端子122に接続され、コレク
タはスイッチング回路の第1入力端子105に接続さ
れ、エミッタは定電流源回路124でバイアスされるよ
うになっている。トランジスタ121のベースは第2ク
ロック入力端子123に接続され、同コレクタはスイッ
チング回路の第2入力端子106に接続され、エミッタ
は定電流源回路124によりバイアスされるようになっ
ている。第1クロック入力端子122および第2クロッ
ク入力端子123には互いに逆位相のクロック信号が入
力され、これによりトランジスタ120,121が差動
的に動作するようになっている。以上のように構成され
た本実施例のS/H回路は、クロック入力端子122,
123へのクロック信号の状態によって2つの動作モー
ドに切換る。
【0027】まず、第1、第2クロック入力端子12
2,123へのクロックがトランジスタ120をオン、
トランジスタ121をオフさせるものであるとする。す
ると、定電流源回路124からのバイアス電流Ibiasが
トランジスタ120に流れ、トランジスタ109のベー
ス・エミッタ間が順バイアスされると共に、ダイオード
101,102が順方向にバイアスされる。トランジス
タ121はオフであるためにトランジスタ110は順バ
イアスされずオフとなり、ダイオード103,104も
逆バイアスとなるためにこれらはオフとなる。この状態
で図1に示す回路は、等価的に図3に示すような回路構
造となる。
【0028】図3において、入力端子111への入力レ
ベルに応じた電流がトランジスタ109のコレクタより
カレントミラー回路116の基準電流入力端子117に
基準電流Iref として供給される。これにより、カレン
トミラー回路116の出力端子118,119からは基
準電流Iref と等しい電流が出力電流Iout1,Iout2と
して流れる。ここで、まず、第1ホールド出力端子11
2について考える。
【0029】Iref =Iout1=Iout2となるため、Ire
f =Ibias/3となる場合には、Ibias=(Iref +I
out1+Iout2)となり、コンデンサ113に対する電流
Islは流れず、出力端子112の電位は0電位となる。
Iref がIbias/3と異なるような入力信号が入力端子
111に入力されたときには、電流Is1が流れて、コン
デンサ113の電位が変化する。
【0030】まず、Iref >Ibias/3となる入力信号
が入力端子111に入力されたときには、(Iref +I
out1+Iout2)>Ibiasとなるために、{(Iref +I
out1+Iout2)−Ibias}分の電流が電流Is1となり、
コンデンサ113が充電されて出力端子112の電位が
上昇する。そして、ノード106とノード107とが同
電位になると、ダイオード102がオフとなるためにコ
ンデンサ113への充電は止まり、出力端子112の電
位上昇はそこで停止する。
【0031】また、Iref <Ibias/3となる入力信号
が入力端子111に入力されたときには、(Iref +I
out1+Iout2)<Ibiasとなるために、{Ibias−(I
ref+Iout1+Iout2)}分の電流が電流Is1となって
ダイオード101を流れ、コンデンサ113が放電し出
力端子112の電位が下降する。そして、ノード105
とノード107とが同電位になるとダイオード101が
オフとなるためにコンデンサ113の放電は止まり、そ
こで出力端子112の電位下降は停止する。
【0032】このようにして、第1出力端子112はそ
の電位が入力端子111の電位と追従するようにコンデ
ンサ113における充放電がなされ、動作モードはサン
プル(トラック)モードとなる。
【0033】一方、第2ホールド出力端子114は、ダ
イオード103,104が逆バイアス状態でオフとなっ
ているために、ここに接続されているコンデンサ115
の電位はホールドされ一定値を保つ状態となる。したが
って、出力端子114はホールドモードとなっている。
【0034】図1に戻って、第1、第2クロック入力端
子122,123へのクロックがトランジスタ120を
オン、トランジスタ121をオフさせるものであるとす
る。すると、定電流源回路124からのバイアス電流I
biasがトランジスタ121に流れ、トランジスタ110
が順バイアスされると共に、ダイオード103,104
が順バイアスされる。トランジスタ120はオフである
ためにトランジスタ109は順バイアスされずオフとな
り、ダイオード101,102も逆バイアスとなるため
にこれらはオフとなる。これによって、図1に示す回路
は図4に示すような回路構造となる。
【0035】図4において、入力端子111への入力レ
ベルに応じた電流がトランジスタ110のコレクタより
カレントミラー回路116の基準電流入力端子117に
基準電流Iref として供給されるため、図3のときと同
様、カレントミラー回路116の出力端子118,11
9からは基準電流Iref と等しい電流が出力電流Iout
1,Iout2として流れる。
【0036】まず、第1ホールド出力端子112につい
て考えると、ダイオード101,102が逆バイアス状
態でオフとなっているために、ここに接続されているコ
ンデンサ113の電位はホールドされ一定値を保つ状態
となる。したがって、出力端子112はホールドモード
となっている。次に、第2ホールド出力端子114につ
いて考える。
【0037】Iref =Iout1=Iout2となるため、Ire
f =Ibias/3となる場合には、Ibias=(Iref +I
out1+Iout2)となり、コンデンサ115に対する電流
Is2は流れず、出力端子114の電位は0電位となる。
ところが、Iref がIbias/3と異なるような入力信号
が入力端子111に入力されたときには、電流Is2が流
れて、コンデンサ115の電位が変化する。
【0038】まず、Iref >Ibias/3となる入力信号
が入力端子111に入力されたときには、(Iref +I
out1+Iout2)>Ibiasとなるために、{(Iref +I
out1+Iout2)−Ibias}分の電流が電流Is2となり、
コンデンサ115が充電されて出力端子114の電位が
上昇する。そして、ノード105とノード108とが同
電位になるとダイオード103がオフとなるためにコン
デンサ115への充電は止まり、出力端子114の電位
上昇はそこで停止する。
【0039】また、Iref <Ibias/3となる入力信号
が入力端子111に入力されたときには、(Iref +I
out1+Iout2)<Ibiasとなるために、{Ibias−(I
ref+Iout1+Iout2)}分の電流が電流Is2となって
ダイオード104を流れ、コンデンサ115が放電し出
力端子114の電位が下降する。そして、ノード106
とノード108とが同電位になるとダイオード104が
オフとなるためにコンデンサ115の放電は止まり、そ
こで出力端子114の電位下降は停止する。
【0040】このようにして、第2出力端子114はそ
の電位が入力端子111の電位と等しくなるようにコン
デンサ115における充放電がなされ、動作モードはサ
ンプル(トラック)モードとなる。
【0041】以上のように、本実施例の回路において
は、第1ホールド出力端子112および第2ホールド出
力端子114の一方がサンプルモードのとき他方がホー
ルドモードとなるように構成され、サンプリングをその
分精密に行うことができる。そして、本実施例によれ
ば、カレントミラー回路の使用によってスリューレート
特性を格段と向上させている。
【0042】ここで、カレントミラー回路116を定電
流源回路と置換え、上記入力トランジスタ109,11
0のコレクタをその定電流源回路に接続した場合につい
て考える。
【0043】まず、クロック信号によって第1ホールド
出力端子112がサンプルモードになっていると仮定す
ると、コンデンサ113に流れ込む最大電流はダイオー
ド101,102における立上がり電流(Ibias/3)
である。
【0044】これに対し、上記実施例のように、カレン
トミラー回路116を使用すれば、Ibiasが一定なのに
対し、(Iref +Iout1+Iout2)は入力端子111に
入力される信号のレベルに応じた値となるために、コン
デンサ113の電位を変化させる電流Is1は入力信号レ
ベルの変化の幅に応じて増加することとなる。
【0045】これにより、ダイオード101〜104の
バイアス電流に依存することなしに高スリューレートが
得られるために、ダイオード101〜104のバイアス
電流を小さくすることができる。これにより、消費電力
の低減を図ることができると共に、ダイオード101〜
104の寄生抵抗や寄生容量が原因のインピーダンス不
整合によるDCオフセットを減少させることができ、サ
ンプリング値の精度が向上する。
【0046】ここで、入力トランジスタ109,110
のベース−エミッタ間には寄生容量が存在し、この寄生
容量は入力トランジスタ109,110のベース電位を
高く保持するために、入力信号レベル以上にコンデンサ
113,115にホールドされる値が高くなってしま
う。この寄生容量によるサンプル値への影響はコンデン
サ113,115の容量が小さいほど大きくなる。コン
デンサ113,115の容量は大きくするほどサンプリ
ングの高速性が失われることになるため、是非とも改善
したい問題である。
【0047】この寄生容量は基板とコレクタ領域との間
に存在するものであり、これは2個のスイッチングデバ
イスを組合わせて1個のダブルベース素子として構成す
ることにより改善される。
【0048】例えば、ダイオード103とトランジスタ
120とを組合わせることができる。すなわち、両デバ
イスで共通のコレクタ領域を形成し、このコレクタ領域
上に2個のベース領域を形成し、各ベース領域上に一つ
ずつエミッタ領域を形成する。そして、一方のベース領
域をコレクタ領域と短絡し、その短絡したほうのコレク
タ領域をアノード、同エミッタ領域をカソードにしてダ
イオード103とし、ベースーコレクタを短絡していな
い方の素子をトランジスタ120とするものである。
【0049】このようにすることにより、本来なら両素
子103,120間に存在する素子分離領域を省略する
ことができ、その分、基板とコレクタ領域との接する部
分を少なくすることができるために、寄生容量を減少さ
せることができる。したがって、可能な限り、このよう
な素子を組めば、かなりの効果が期待できる。
【0050】また、本発明のS/H回路への入力は、サ
ンプルモードおよびホールドモードの両モードにおいて
オフ状態の素子と定電流源回路124からの電流Ibias
によりバイアスされている素子とにより決まるために、
入力インピーダンスはサンプルモードおよびホールドモ
ードにおいて不変である。
【0051】つまり、第1ホールド出力端子112に着
目すると、そのサンプルモードのときにはオフ状態であ
るダイオード103,104と電流Ibas により順バイ
アスされているダイオード101,102とにより入力
インピーダンスが決まる。ホールドモードのときにはオ
フ状態であるダイオード101,102と電流Ibiasに
より順バイアスされているダイオード103,104と
により入力インピーダンスが決まる。ダイオード101
〜104は同一仕様のものであることから、結局入力イ
ンピーダンスはサンプルモードおよびホールドモードに
おいて不変となる。なお、第2ホールド出力端子114
について着目したときも同様である。図2は、図1に示
すカレントミラー回路の具体例を示すものである。
【0052】図2において、M1 は入力素子となるMO
Sトランジスタ、M2 ,M3 は出力素子となるMOSト
ランジスタである。トランジスタM1 のゲートとトラン
ジスタM2 ,M3 のゲートとは抵抗器Rを直列に介して
接続されており、この抵抗器RとトランジスタM1 の寄
生容量CZとで決まる時定数により出力端子118,1
19からの出力電流は入力周波数が低いほど小さくな
り、逆に入力周波数が高いほど大きくなる、という周波
数特性を持つものとなっている。これにより、サンプリ
ング入力端子111に入力される信号のレベル変動が高
周波であるほど高スリューレートが得られることとな
る。ここで、上記周波数特性について換言すれば、DC
ゲインよりも大きなACゲインを持つことになり、この
ACゲインAIAC は次式のように表される。 AIAC =(1+(R/Gm )) この式中、Gm はトランジスタM1 ,M2 ,M3 のトラ
ンスコンダクタンス値である。
【0053】図5は、図2のカレントミラー回路を構成
するトランジスタM1〜M3 をカスコード接続として、
回路精度をより向上させたカレントミラー回路の例であ
る。端子117〜119は図2と同じであり、トランジ
スタM1 〜M3 に対応するトランジスタがそれぞれM1
a,M1b〜M3a,M3bと、二つのトランジスタをカスコ
ード接続したものに変えてある。カスコード接続化に伴
って、カスコードトランジスタにバイアス電圧を印加す
るための端子200や全体としてカレントミラー回路を
構成するための追加素子であるバイポーラトランジスタ
Q1 ,MOSトランジスタM4 ,M6 が増える等の変化
があるが、DCゲインよりもACゲインを大きくしたカ
レントミラー回路を実現していることに変わりはない。
【0054】図6は、本発明のS/H回路を用いて完全
なサンプルホールド装置を構成した実施例を示すブロッ
ク図である。全体は大まかに、入力端子601からの信
号入力と出力端子606からの出力信号を選択して端子
605に出力するマルチプレクサ(MUX)700と、
その出力信号を入力とする本発明のS/H回路100
と、その出力112を最終出力端子606に出力するた
めの中間バッファ(MOSバッファ)800および出力
バッファ900とから構成されている。
【0055】これらの他に周辺回路として、外部からの
クロック信号610,611を内部回路に供給するため
のクロックバッファ609、サンプル/ホールド状態を
切り替えるためのS/H駆動回路608、マルチプレク
サ700に切り替え信号を供給するためのMUX駆動回
路607、MOSバッファ800と出力バッファ900
で発生する直流オフセットを補正するための増幅器61
2、全体回路に対して周囲温度に影響されないバイアス
を与えるためのバイアス回路613がある。
【0056】図7は、マルチプレクサ700の好適な回
路例である。カレントミラー回路を負荷に持つ差動np
nトランジスタ対(Q5 ,Q6 ),(Q7 ,Q8 )、お
よびこれらの差動トランジスタ対の共通エミッタに接続
されてサンプル/ホールドの切り替えに用いられる差動
npnトランジスタ対(Q9 ,Q10)等により構成され
ている。信号入力端子601,602に加えられた二つ
の入力は、切り替え信号入力端子603,604に印加
されたサンプル/ホールド状態を切り替えるための差動
信号に応じて出力端子605に出力される。
【0057】図8は、MOSバッファ800の好適な回
路例である。これは、信号入力端子801に印加された
信号電圧を高インピーダンスで受け、ほぼ1倍のゲイン
で出力端子802に低インピーダンスに変換して出力す
る。このバッファは、S/H回路100に出力にあるホ
ールド用キャパシタの値が小さいため、精度を保つべく
高インピーダンスが必要とされるために設けられたお
り、この例ではMOSトランジスタMUB1 が初段に用
いられている。基本的にはこの回路はソースフォロアで
ある。ブートストラップ信号入力端子803は、後続の
出力バッファ900からのブートストラップ信号を受け
て正帰還ループを構成し、出力バッファ900と一体に
なって高速に信号を伝達するためのものである。
【0058】図9は、出力バッファ900の好適な回路
例である。信号入力端子901に印加された信号電圧
は、ほぼ1倍のゲインで出力端子903に低インピーダ
ンスで出力される。この出力バッファは基本的に2段の
縦続接続されたエミッタフォロアであるが、低インピー
ダンスの負荷を高速に駆動するため、出力段のエミッタ
フォロアにブートストラップの手法を用いている。端子
902は、前述のMOSバッファ800へのブートスト
ラップ信号のための出力端子である。
【0059】以上の構成において、マルチプレクサ70
0は、S/H回路100がホールド状態の時の過大入力
によって誤動作しないように設けられている。すなわち
ホールド状態では、その時点の端子606の出力値がサ
ンプルホールド回路100の入力端子111に与えられ
る。換言すれば、ホールド時には現在ホールドされてい
る値そのものが入力されることになり、過大入力となる
ことが防止される。しかし、ホールド時の過大入力が避
けられるならば、この部分は必ずしもマルチプレクサで
ある必要はなく、他の回路を用いることができる。
【0060】なお図6の実施例では、S/H回路100
は一つの出力端子(図では、端子112)だけを用いて
いるが、マルチプレンサ700を除いて、もう一つの端
子114をも用い、これにMOSバッファ800,出力
バッファ900と同じものを同じ構成で接続してもよ
い。これにより、2系統のホールド出力が得られ、入力
信号を上記実施例の2倍の速度でサンプリングすること
ができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ダ
イオード回路のダイオードのバイアス電流に依存するこ
となしに高スリューレートが得られるため、そのダイオ
ードのバイアス電流を小さく押さえ、消費電力の低減や
DCオフセットの防止化を図ることができる。
【0062】また、入力信号はサンプルモード、ホール
ドモード共に同じ入力段トランジスタにより負担される
ため、サンプルモードおよびホールドモードを通じて入
力インピーダンスの変化がない。
【0063】さらに、本発明のサンプル・ホールド回路
は、2チャネルのサンプル・ホールド回路があるため、
同一のサンプリングクロック周波数に対して従来のダイ
オードブリッジ型サンプル・ホールド回路に比べて実効
的に2倍の高速度でサンプルを行うことができる。
【0064】むろん、いずれかのホールド容量を取除い
て、通常の1チャネルのサンプル・ホールド回路として
使用しても前記の効果が同様に得られることは言うまで
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るS/H回路の回路図。
【図2】カレントミラー回路の好適な実施例の回路図。
【図3】図1に示す回路の第1出力端子112がサンプ
ルモード、第2出力端子114がホールトモードにある
ときの回路構造を示す回路図。
【図4】図1に示す回路の第1出力端子112がホール
ドモード、第2出力端子114がサンプルモードにある
ときの回路構造を示す回路図。
【図5】カスコード接続したカレントミラー回路例を示
す図。
【図6】本発明を利用したサンプル・ホールド装置の全
体構成を示すブロック図。
【図7】図6におけるマルチプレクサの回路例を示す
図。
【図8】図6におけるMOSバッファの回路例を示す
図。
【図9】図6における出力バッファの回路例を示す図。
【図10】従来のS/H回路を示す図。
【符号の説明】
101〜104…ダイオード、 109,110…入力段トランジスタ、 105,106…電流合流ノード、 111…入力端子、 112,114…ホールド出力端子、 113,115…ホールド容量、 120,121…スイッチングトランジスタ、 124…定電流源回路、 116…カレントミラー回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11C 27/02 WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のダイオードが直列に接続されてなる
    ダイオード回路と、 入力信号のレベルに応じた電流を出力する第1、第2の
    入力段トランジスタと、 前記ダイオード回路におけるダイオード同士の共通接続
    点とグランドとの間に接続されたホールド容量と、 前記ダイオード回路と前記第1の入力段トランジスタと
    の電流合流ノード、および前記第2の入力段トランジス
    タに直流バイアス電流を供給する定電流電源回路と、 前記電流合流ノードと前記定電流源回路との間に介在さ
    れた第1のスイッチングトランジスタ、および前記第2
    の入力段トランジスタと前記定電流源回路との間に介在
    された第2のスイッチングトランジスタからなる差動回
    路と、 基準電流入力端子と、第1、第2の電流出力端子とを備
    え、前記基準電流入力端子は前記第1の入力段トランジ
    スタの出力端子に接続され、前記第1の電流出力端子は
    前記電流合流ノードに接続され、第2の電流出力端子は
    前記ダイオード回路の入力端子に接続されたカレントミ
    ラー回路と、を備えたことを特徴とするサンプル・ホー
    ルド回路。
  2. 【請求項2】前記カレントミラー回路は前記基準電流入
    力端子から前記第1、第2の電流出力端子までの利得が
    直流入力に比べて交流入力の方が大きいものであること
    を特徴とする請求項1記載のサンプル・ホールド回路。
  3. 【請求項3】複数のダイオードが直列に接続されてなる
    第1、第2のダイオード回路と、 入力信号のレベルに応じた電流を出力する第1、第2の
    入力段トランジスタと、 前記第1のダイオード回路におけるダイオード同士の共
    通接続点とグランドとの間に接続された第1のホールド
    容量と、 前記第2のダイオード回路におけるダイオード同士の共
    通接続点とグランドとの間に接続された第2のホールド
    容量と、 前記第1のダイオード回路の出力電流と前記第1の入力
    段トランジスタの出力電流とが合流する第1の電流合流
    ノード、および第2のダイオード回路の出力電流と前記
    第2の入力段トランジスタの出力電流とが合流する第2
    の電流合流ノードに直流バイアス電流を供給する定電流
    源回路と、 前記第1の電流合流ノードと前記定電流源回路との間に
    介在された第1のスイッチングトランジスタ、および前
    記第2の電流合流ノードと前記定電流源回路との間に介
    在された第2のスイッチングトランジスタからなる差動
    回路と、 基準電流入力端子と、第1、第2の電流出力端子とを備
    え、前記基準電流入力端子は前記第1、第2の入力段ト
    ランジスタの出力端子に接続され、前記第1の電流出力
    端子は前記第1の電流合流ノードおよび前記第2のダイ
    オード回路の入力端子に接続され、第2の電流出力端子
    は前記第2の電流合流ノードおよび前記第1のダイオー
    ド回路の入力端子に接続されたカレントミラー回路と、
    を備えたことを特徴とするサンプル・ホールド回路。
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