JP3147918B2 - 穴拡げ加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents
穴拡げ加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の冷延鋼帯の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は穴拡げ加工性に優れたフ
ェライト系ステンレス鋼の冷延鋼帯を製造する方法に関
する。
ェライト系ステンレス鋼の冷延鋼帯を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、加工性と耐食性、表面性状に
優れたステンレス鋼としてC,NをNbにより安定化し
たフェライト系ステンレス鋼が使用されている。これら
の鋼種は通常Cr:16〜30%、C:0.1%以下、
N:0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、
Nb:0.1〜1.0%を含んでおり、更に耐食性、加
工性を向上させるためにCu:1%以下、Mo:4%以
下、Ni:1%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.
2%以下、V:0.2%以下、Ta:0.2%以下を含
む場合がある。これらのフェライト系ステンレス鋼の加
工性を向上させるために、しばしば熱間圧延終了温度を
850℃未満とする製造プロセスが用いられる。この方
法は、低温圧延することにより熱間圧延時の圧延歪を多
く残留させ、その後の焼鈍において十分な再結晶を促し
て、加工性を阻害する{001}〈110〉集合組織が
生じないようにするものである。
優れたステンレス鋼としてC,NをNbにより安定化し
たフェライト系ステンレス鋼が使用されている。これら
の鋼種は通常Cr:16〜30%、C:0.1%以下、
N:0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、
Nb:0.1〜1.0%を含んでおり、更に耐食性、加
工性を向上させるためにCu:1%以下、Mo:4%以
下、Ni:1%以下、Ti:0.2%以下、Zr:0.
2%以下、V:0.2%以下、Ta:0.2%以下を含
む場合がある。これらのフェライト系ステンレス鋼の加
工性を向上させるために、しばしば熱間圧延終了温度を
850℃未満とする製造プロセスが用いられる。この方
法は、低温圧延することにより熱間圧延時の圧延歪を多
く残留させ、その後の焼鈍において十分な再結晶を促し
て、加工性を阻害する{001}〈110〉集合組織が
生じないようにするものである。
【0003】Nb安定化鋼の低温熱延技術は文献(鉄と
鋼vol66(1980)No.11,S1167)に
も開示してあり、本発明者らも開示された技術に従って
冷延板まで作製し加工性を調査したが、コニカルカップ
試験等は良好であったが、穴拡げ試験では良い加工性を
示さなかった。
鋼vol66(1980)No.11,S1167)に
も開示してあり、本発明者らも開示された技術に従って
冷延板まで作製し加工性を調査したが、コニカルカップ
試験等は良好であったが、穴拡げ試験では良い加工性を
示さなかった。
【0004】また、本発明が対象とするNbを含有し、
しかもCr含有量も比較的多い鋼種の場合は熱間強度が
高いために低温で熱間圧延すると、圧延時やコイル巻取
り時に傷が発生しやすい。傷が発生すると熱延鋼帯の傷
取のため、グラインダー等による表面研削が必要にな
り、それは結局製品コストの大幅な増加につながる。そ
のため熱間圧延終了温度を850℃以上とし、熱間強度
が小さい状態で圧延する必要がある。
しかもCr含有量も比較的多い鋼種の場合は熱間強度が
高いために低温で熱間圧延すると、圧延時やコイル巻取
り時に傷が発生しやすい。傷が発生すると熱延鋼帯の傷
取のため、グラインダー等による表面研削が必要にな
り、それは結局製品コストの大幅な増加につながる。そ
のため熱間圧延終了温度を850℃以上とし、熱間強度
が小さい状態で圧延する必要がある。
【0005】熱間圧延終了温度850℃以上とした場合
は{001}〈110〉集合組織が生じやすいため加工
性の指標となるランクフォード値(r値)の方向平均値
は{001}〈110〉集合組織が生じやすいため加工
性の指標となるランクフォード値(r値)の方向平均値
【数1】 rL は圧延方向に並行なR値、rC は圧延方向に直角な
r値、rX は圧延方向に45度方向のr値)が劣化する
が、これを改善するための方法として冷延工程において
二回圧延法が用いられる。
r値、rX は圧延方向に45度方向のr値)が劣化する
が、これを改善するための方法として冷延工程において
二回圧延法が用いられる。
【0006】二回圧延法とは、熱延焼鈍鋼帯を第一回目
の冷間圧延をした後、焼鈍、酸洗し、更に第二回目の冷
間圧延により最終板厚として仕上焼鈍、酸洗を行って製
品とする方法である。このように圧延、焼鈍を二回繰り
返すことにより{001}〈110〉集合組織を破壊し
て加工性を向上させることができる。
の冷間圧延をした後、焼鈍、酸洗し、更に第二回目の冷
間圧延により最終板厚として仕上焼鈍、酸洗を行って製
品とする方法である。このように圧延、焼鈍を二回繰り
返すことにより{001}〈110〉集合組織を破壊し
て加工性を向上させることができる。
【0007】二回圧延法が用いられる場合、通常は第一
回圧延時の圧下率と第二回圧延時の圧下率はほぼ均等に
なるように設定するのが一般的である。例えば熱延焼鈍
鋼帯の板厚が4mmで仕上板厚が1mmの場合、中間板
厚を2mmとすることにより、第一回圧下率を50%、
第二回圧下率も50%とすることである。このように圧
下率を均等配分すると、一回目または二回目の片方に重
点配分した場合より
回圧延時の圧下率と第二回圧延時の圧下率はほぼ均等に
なるように設定するのが一般的である。例えば熱延焼鈍
鋼帯の板厚が4mmで仕上板厚が1mmの場合、中間板
厚を2mmとすることにより、第一回圧下率を50%、
第二回圧下率も50%とすることである。このように圧
下率を均等配分すると、一回目または二回目の片方に重
点配分した場合より
【数2】 は向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に
【数3】 は加工性と良い相関があり、その値を高くする程加工性
が向上する。しかし、板をパイプと接合するために行う
バ−リング加工等においては穴拡げ加工法が必要とさ
れ、この場合は必ずしも
が向上する。しかし、板をパイプと接合するために行う
バ−リング加工等においては穴拡げ加工法が必要とさ
れ、この場合は必ずしも
【数4】 と加工性が一致しなかった。先の例のように4mm→2
mm→1mmの二回圧延法(圧下率配分50%:50
%)としても穴拡げ加工性は向上しなかった。
mm→1mmの二回圧延法(圧下率配分50%:50
%)としても穴拡げ加工性は向上しなかった。
【0009】本発明は、熱間圧延終了温度を850℃以
上としたCr:16〜30%,C:0.1%以下、N:
0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、およ
びNb:0.1〜1.0%を含み更に場合によってC
u:1%以下、Mo:4%以下、Ni:1%以下、T
i:0.2%以下、Zr0.2%以下、V:0.2%以
下およびTa:0.2%以下よりなる群より選ばれた一
種以上を含むフェライト系ステンレス鋼において、穴拡
げ加工法に優れた冷延鋼帯を製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
上としたCr:16〜30%,C:0.1%以下、N:
0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、およ
びNb:0.1〜1.0%を含み更に場合によってC
u:1%以下、Mo:4%以下、Ni:1%以下、T
i:0.2%以下、Zr0.2%以下、V:0.2%以
下およびTa:0.2%以下よりなる群より選ばれた一
種以上を含むフェライト系ステンレス鋼において、穴拡
げ加工法に優れた冷延鋼帯を製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは穴拡げ加工
性改善のため日夜研究した結果、穴拡げ加工法を向上さ
せるためには
性改善のため日夜研究した結果、穴拡げ加工法を向上さ
せるためには
【数5】 よりもrmin 値(通常はrx であることが多い)を高く
することが必要であることを知った。そして熱間圧延終
了温度が850℃以上のような鋼帯の場合は{001}
〈110〉集合組織を破壊する必要があるため、冷間圧
延において一回圧延法を用いてもrmin 値は向上せず、
二回圧延法を用い、しかも第一回目の圧下率を60%以
上70%未満とし、第二回目の圧下率を20〜40%と
する時rmin 値が最も向上し、穴拡げ加工法が著しく改
善されることを見いだした。
することが必要であることを知った。そして熱間圧延終
了温度が850℃以上のような鋼帯の場合は{001}
〈110〉集合組織を破壊する必要があるため、冷間圧
延において一回圧延法を用いてもrmin 値は向上せず、
二回圧延法を用い、しかも第一回目の圧下率を60%以
上70%未満とし、第二回目の圧下率を20〜40%と
する時rmin 値が最も向上し、穴拡げ加工法が著しく改
善されることを見いだした。
【0011】第一回圧延に圧下率を重点配分せず、第一
回圧下率と第二回圧下率を均等配分した場合は、
回圧下率と第二回圧下率を均等配分した場合は、
【数6】 は向上するがrmin 値は十分向上せず、本発明法による
ものよりも穴拡げ加工性に劣る。また、本発明とは逆に
第二回圧延率を60%以上70%未満とし、第一回圧下
率を20〜40%とすると、熱間圧延終了温度850℃
以上の鋼帯では{001}〈110〉集合組織の破壊が
不十分となるためrmin 値は十分向上しない。
ものよりも穴拡げ加工性に劣る。また、本発明とは逆に
第二回圧延率を60%以上70%未満とし、第一回圧下
率を20〜40%とすると、熱間圧延終了温度850℃
以上の鋼帯では{001}〈110〉集合組織の破壊が
不十分となるためrmin 値は十分向上しない。
【0012】即ち、重量%で,C:0.1%以下、S
i:1%以下、Mn:1%以下、Cr:16〜30%、
Nb:0.1〜1.0%,N:0.1%以下を含有し、
場合によって更にCu:1%以下、Mo:4%以下、N
i:1%以下、Ti0.2%以下、Zr:0.2%以
下、V:0.2%以下、およびTa:0.2%以下より
なる群より選ばれた一種または二種以上を含んでもよ
く、残部は不可避的不純物とFeよりなるフェライト系
ステンレス鋼において、熱間圧延終了温度を850℃以
上とした熱延鋼帯を冷間圧延する際に、圧下率で60%
以上70%未満の第一回冷間圧延をした後、焼鈍、酸洗
し、引き続き圧下率で20〜40%の第二回冷間圧延を
し、その後焼鈍、酸洗することにより穴拡げ加工性に優
れたフェライト系ステンレス鋼帯が製造される。
i:1%以下、Mn:1%以下、Cr:16〜30%、
Nb:0.1〜1.0%,N:0.1%以下を含有し、
場合によって更にCu:1%以下、Mo:4%以下、N
i:1%以下、Ti0.2%以下、Zr:0.2%以
下、V:0.2%以下、およびTa:0.2%以下より
なる群より選ばれた一種または二種以上を含んでもよ
く、残部は不可避的不純物とFeよりなるフェライト系
ステンレス鋼において、熱間圧延終了温度を850℃以
上とした熱延鋼帯を冷間圧延する際に、圧下率で60%
以上70%未満の第一回冷間圧延をした後、焼鈍、酸洗
し、引き続き圧下率で20〜40%の第二回冷間圧延を
し、その後焼鈍、酸洗することにより穴拡げ加工性に優
れたフェライト系ステンレス鋼帯が製造される。
【0013】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】加工性と耐食性、表面性状に優れたステン
レス鋼としてNb安定化フェライト系ステンレス鋼が用
いられている。これらの鋼種は通常C:0.1%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:16〜30
%、Nb:0.1〜1.0%、N:0.1%以下を含有
する。C,NをNbによって安定化しているため加工性
と表面性状が良好であり、またCr含有量が比較的多い
ため耐食性も良好である。これらの鋼種は更に耐食性と
加工性を良くするために、Cu:1%以下、Mo:4%
以下、Ni:1%以下Ti:0.2%以下、Zr:0.
2%以下、V:0.2%以下、およびTa:0.2%以
下よりなる群より選ばれた一種または二種以上を含んで
も良い。
レス鋼としてNb安定化フェライト系ステンレス鋼が用
いられている。これらの鋼種は通常C:0.1%以下、
Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:16〜30
%、Nb:0.1〜1.0%、N:0.1%以下を含有
する。C,NをNbによって安定化しているため加工性
と表面性状が良好であり、またCr含有量が比較的多い
ため耐食性も良好である。これらの鋼種は更に耐食性と
加工性を良くするために、Cu:1%以下、Mo:4%
以下、Ni:1%以下Ti:0.2%以下、Zr:0.
2%以下、V:0.2%以下、およびTa:0.2%以
下よりなる群より選ばれた一種または二種以上を含んで
も良い。
【0015】鋼組成の限定理由は以下の通りである。
【0016】Cは加工性と耐食性に大きく影響する元素
であり、C量が多いと硬くなり、またCr炭化物を形成
して粒界腐食を引き起こすため、0.1%以下にする必
要がある。
であり、C量が多いと硬くなり、またCr炭化物を形成
して粒界腐食を引き起こすため、0.1%以下にする必
要がある。
【0017】Siは脱酸剤として必要な元素であるが、
多量に添加すると加工性を害するため、上限を1.0%
とした。
多量に添加すると加工性を害するため、上限を1.0%
とした。
【0018】Mnには、脱酸および脱硫作用があるが、
多量に添加すると耐食性を害するため、上限を1.0%
とした。
多量に添加すると耐食性を害するため、上限を1.0%
とした。
【0019】Crは16%未満では十分な耐食性を維持
することができず、30%を超えると加工性が劣化する
ため16〜30%の範囲に限定した。
することができず、30%を超えると加工性が劣化する
ため16〜30%の範囲に限定した。
【0020】NbはC,Nと結合してNb炭窒化物を形
成し、Cr炭窒化物の析出を抑制するため耐食性と加工
性を確保するために必要不可欠である。0.1%未満で
はC,Nの固定が不十分であり、1.0%超では過剰N
bによりかえって加工性が低下するため0.1〜1.0
%の範囲に限定した。
成し、Cr炭窒化物の析出を抑制するため耐食性と加工
性を確保するために必要不可欠である。0.1%未満で
はC,Nの固定が不十分であり、1.0%超では過剰N
bによりかえって加工性が低下するため0.1〜1.0
%の範囲に限定した。
【0021】NはCと同様に加工性と耐食性に影響する
元素であり、N量が多いと硬くなり、またCr窒化物を
形成して粒界腐食を引き起こすため、0.1%以下にす
る必要がある。
元素であり、N量が多いと硬くなり、またCr窒化物を
形成して粒界腐食を引き起こすため、0.1%以下にす
る必要がある。
【0022】Cuは耐硫酸性などの耐食性をよくする元
素であるが、過剰に添加すると耐孔食性を劣化させるた
め上限を1.0%とした。
素であるが、過剰に添加すると耐孔食性を劣化させるた
め上限を1.0%とした。
【0023】Moは耐食性に極めて有効な元素である
が、多量に添加すると加工性を低下させるため上限を
4.0%とした。
が、多量に添加すると加工性を低下させるため上限を
4.0%とした。
【0024】Niは耐硫酸性をよくする元素であるが、
添加量が多くなると硬くなるため上限を1.0%とし
た。
添加量が多くなると硬くなるため上限を1.0%とし
た。
【0025】Ti,Zr,V,TaはNbと同様にC,
Nと結合して炭窒化物を形成して耐食性と加工性を改善
するが、添加量が多くなると過剰な固溶元素となって加
工性が低下させるため上限を0.2%とした。
Nと結合して炭窒化物を形成して耐食性と加工性を改善
するが、添加量が多くなると過剰な固溶元素となって加
工性が低下させるため上限を0.2%とした。
【0026】本発明が対象とする鋼種は、Nbを含有
し、Cr量も多いために熱間強度が高いという欠点をも
っており、熱間圧延時およびコイル巻取り時に生じる傷
を防止するためには熱間圧延終了温度を850℃以上と
しなければならない。
し、Cr量も多いために熱間強度が高いという欠点をも
っており、熱間圧延時およびコイル巻取り時に生じる傷
を防止するためには熱間圧延終了温度を850℃以上と
しなければならない。
【0027】熱間圧延終了温度が850℃以上となった
熱延鋼帯を冷間圧延する場合、加工性を良くするために
は二回圧延法を用いる必要がある。一回圧延法では熱延
鋼帯に生じた{001}〈110〉集合組織を破壊する
ことができないため穴拡げ加工性は向上しない。
熱延鋼帯を冷間圧延する場合、加工性を良くするために
は二回圧延法を用いる必要がある。一回圧延法では熱延
鋼帯に生じた{001}〈110〉集合組織を破壊する
ことができないため穴拡げ加工性は向上しない。
【0028】穴拡げ加工性において問題となるrmin 値
は60%以上70%未満の冷延圧下率とした時に著しく
向上するため、二回の圧延の内の一方に圧下率を重点配
分することになる。その時第二回目の圧延に圧下率を重
点配分すると、必然的に第一回目の圧下率が小さくな
り、そのため熱延鋼帯に生じた{001}〈110〉集
合組織を十分に破壊することができなくなる。圧下率を
第一回圧延に重点配分した場合と第二回圧延に重点配分
した場合を比較すると、第一回圧延に重点配分した方が
rmin 値は大きくなる。
は60%以上70%未満の冷延圧下率とした時に著しく
向上するため、二回の圧延の内の一方に圧下率を重点配
分することになる。その時第二回目の圧延に圧下率を重
点配分すると、必然的に第一回目の圧下率が小さくな
り、そのため熱延鋼帯に生じた{001}〈110〉集
合組織を十分に破壊することができなくなる。圧下率を
第一回圧延に重点配分した場合と第二回圧延に重点配分
した場合を比較すると、第一回圧延に重点配分した方が
rmin 値は大きくなる。
【0029】しかし、第一回圧延に圧下率の極端な重点
配分をして、第二回圧延の圧下率が20%未満になる
と、その後の焼鈍において結晶粒の粗大化が生じるため
rmin値はかえって低下する。また、第二回圧延の圧下
率を40%超としてもあまり効果は無く、その分第一回
圧延の圧下率が低下するため、むしろrmin 値は劣化す
る。
配分をして、第二回圧延の圧下率が20%未満になる
と、その後の焼鈍において結晶粒の粗大化が生じるため
rmin値はかえって低下する。また、第二回圧延の圧下
率を40%超としてもあまり効果は無く、その分第一回
圧延の圧下率が低下するため、むしろrmin 値は劣化す
る。
【0030】圧延後の焼鈍としては、900〜1050
℃×10〜100secの条件で行うのが望ましい。
℃×10〜100secの条件で行うのが望ましい。
【0031】焼鈍後の酸洗としては、とくに定める必要
ないがソルト処理→硫酸酸洗→硝酸酸洗の条件で行うの
が望ましい。
ないがソルト処理→硫酸酸洗→硝酸酸洗の条件で行うの
が望ましい。
【0032】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0033】(実施例1)試験に用いた供試材の組成を
表1に示す。これらの組成を持つスラブを次に示す条件
で熱間圧延した。 熱間圧延終了温度:860℃ 熱延後の寸法:厚さ4mm×幅1020mm
表1に示す。これらの組成を持つスラブを次に示す条件
で熱間圧延した。 熱間圧延終了温度:860℃ 熱延後の寸法:厚さ4mm×幅1020mm
【0034】この熱延鋼帯を1020℃×1分の条件で
焼鈍し、更にショットプラスト、酸洗により脱スケール
した。焼鈍酸洗後の熱延鋼帯を次に示す工程で厚さ1m
mの冷延焼鈍鋼帯とした。
焼鈍し、更にショットプラスト、酸洗により脱スケール
した。焼鈍酸洗後の熱延鋼帯を次に示す工程で厚さ1m
mの冷延焼鈍鋼帯とした。
【0035】得られた冷延鋼帯からJIS13B号試験
片を作製し、引張試験によりr値を測定した。また、次
に示す条件により穴拡げ試験を行った。 ブランク外径:80mmφ 初期穴径:10mmφ 30°円錐パンチ パンチ径:50mmφ
片を作製し、引張試験によりr値を測定した。また、次
に示す条件により穴拡げ試験を行った。 ブランク外径:80mmφ 初期穴径:10mmφ 30°円錐パンチ パンチ径:50mmφ
【0036】穴拡げ性は、円錐パンチにより初期穴を拡
げ加工して穴縁に破断が生じた時の穴直径より、穴広が
り限(λB )を求めて評価した。λB 値が大きい程、穴
拡げ加工性は良い。 穴広がり限(λB )=(破断時穴直径−初期穴直径)/
初期穴直径
げ加工して穴縁に破断が生じた時の穴直径より、穴広が
り限(λB )を求めて評価した。λB 値が大きい程、穴
拡げ加工性は良い。 穴広がり限(λB )=(破断時穴直径−初期穴直径)/
初期穴直径
【0037】冷延条件と加工性を表2に示す。また、第
一回圧下率と第二回圧下率の配分を変えた時の
一回圧下率と第二回圧下率の配分を変えた時の
【数7】 とrmin 値の変化を図1に示す。第一回圧延と第二回圧
延の圧下率を50%:50%として均等配分した場合、
延の圧下率を50%:50%として均等配分した場合、
【数8】 は高いがrmin 値は低く、従って穴拡げ加工性も悪い。
また、第二回圧延に圧下率を重点配分した場合はrmin
値は若干向上するが十分ではない。一方、本発明法に従
って圧下率を第一回圧延に重点配分し、第二回圧延の圧
下率を適正な範囲に保ったものは、rmin 値が著しく高
く、穴拡げ加工性に優れている。
また、第二回圧延に圧下率を重点配分した場合はrmin
値は若干向上するが十分ではない。一方、本発明法に従
って圧下率を第一回圧延に重点配分し、第二回圧延の圧
下率を適正な範囲に保ったものは、rmin 値が著しく高
く、穴拡げ加工性に優れている。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】また、鋼種Aについて加工性に及ぼす圧下
配分の影響を調べた結果を図1に示す。この図から、本
発明範囲に配分した圧下率で圧下を行なうと、穴拡げ性
(λ B )が改善されていることが明白である。
配分の影響を調べた結果を図1に示す。この図から、本
発明範囲に配分した圧下率で圧下を行なうと、穴拡げ性
(λ B )が改善されていることが明白である。
【0041】
【発明の効果】本発明により、従来から用いられている
一回圧延法および圧下率をほぼ均等に配分する二回圧延
法では十分な特性が得られなかった穴拡げ性を著しく改
善することが可能となった。
一回圧延法および圧下率をほぼ均等に配分する二回圧延
法では十分な特性が得られなかった穴拡げ性を著しく改
善することが可能となった。
【図1】鋼種Aについて加工性に及ぼす圧下配分の影響
を示す図である。
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−128423(JP,A) 特開 昭58−22330(JP,A) 特開 平2−73918(JP,A) 特開 昭61−163216(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/02 - 8/04 C22C 38/00 - 38/60
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.1%以下、Si:1
%以下、Mn:1%以下、Cr:16〜30%、Nb:
0.1〜1.0%,およびN:0.1%以下を含有し、
残部は不可避的不純物とFeよりなるフェライト系ステ
ンレス鋼において、熱間圧延終了温度を850℃以上と
した熱延鋼帯を冷間圧延する際に、圧下率で60%以上
70%未満の第一回冷間圧延をした後、焼鈍、酸洗し、
引続き圧下率で20〜40%の第二回冷間圧延をし、そ
の後焼鈍、酸洗することを特徴とする穴拡げ加工性に優
れたフェライト系ステンレス鋼の冷延鋼帯の製造方法。 - 【請求項2】 前記フェライト系ステンレス鋼は、C:
0.1%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、C
r:16〜30%、Nb:0.1〜1.0%およびN:
0.1以下を含有し、更にCu:1%以下、Mo:4%
以下、Ni:1%以下、Ti:0.2%以下、Zr:
0.2%以下、V:0.2%以下、およびTa:0.2
%以下よりなる群より選ばれた一種または二種以上を含
み、残部は不可避的不純物とFeよりなる請求項1に記
載の穴拡げ加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の
冷延鋼帯の製造方法。
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ID=13647120
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