JP3553357B2 - 充填豆腐の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な充填豆腐の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
豆腐は種類別には木綿豆腐と絹ごし豆腐に大別されるが、絹ごし豆腐の製造法を大別すると、(1)豆乳を型枠の中で凝固させた後水晒しするカット豆腐と、(2)凝固剤を添加、混合した豆乳を小型容器に充填、密封し、容器中で凝固させる充填豆腐に分けられる。そして大量生産の容易性、流通の利便性、衛生面等から、昨今では充填豆腐が主流をなしている。
【0003】
充填豆腐は凝固剤を添加した冷たい豆乳を容器に充填密封した後に加熱し、凝固させるのが一般的であるが、豆乳をパイプ中で加熱凝固させながら、これを連続的に押し出して製造する方法(特開平9−322731等)や、凝固剤を添加した豆乳を110〜120℃で12〜20秒間、マイクロ波誘電加熱しながら豆乳が凝固しない程度の速度で圧送し、流動状態のまま任意の成型容器に充填してそのまま凝固させる方法(特開昭58−51865)が提案されている。
【0004】
ところで豆腐の品質は風味と共に食感(テクスチャー)も重要であり、また豆腐を調理して用いる場合と、湯豆腐としてあるいは冷奴として用いる場合とでは、要求されるテクスチャーは異なってくる。
このテクスチャーは原料大豆、豆乳製造法、蛋白質濃度、凝固剤の種類及び使用量等によって異なるものであるが、カット豆腐の製造法においては、熱い豆乳に凝固剤を添加した後の攪拌の程度により、テクステャーが決定されるといっても過言ではない。
したがってカット豆腐が、メーカーによって様々なテクステャーを有しているのは当然のことであり、どれ一つとっても同じものはないのである。
一方充填豆腐は連続的に、大量に、均一な製品が得られるという長所を有する製造法ではあるが、テクスチャーに難があると言われ、消費者に敬遠される要因のひとつとなっている。
このテクスチャーに影響を与える要因が、前述のごとく豆乳の製造法、蛋白質濃度、凝固剤の種類等にあるのではあるが、これらの条件を多少変化させたとしても、得られる豆腐のテクスチャーの質を変え、調理用、冷奴用、湯豆腐用等に作り分けることは極めて困難である。
即ち、充填豆腐におけるテクスチャーを決定づける最大の要因が容器に充填した豆乳を、そのまま加熱凝固させるという凝固方法にあると考えられるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、原料大豆、豆乳の蛋白質濃度、凝固剤の種類や使用量が同じであってもテクスチャーの異なる豆腐が製造できないものか、すなわちバラエティに富んだ豆腐を簡単に製造する方法について検討したところ、凝固工程を2段階とすることにより豆腐のテクスチャーを臨機応変に変えることができるという知見を得て本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
充填豆腐の製造法については各社多少の差はあるとしても、従来法は凝固剤を添加した冷たい豆乳を容器に充填した後に1段で加熱する方法が採られているが、本発明では凝固剤を添加した豆乳を容器充填前に一次加熱し、これを容器に充填したのち二次加熱して凝固を完了させるという2段加熱の方法を採用する。
そしてこの一次加熱の条件を変化させることにより、種々のテクスチャーの豆腐を得ることができるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を具体的に説明する。
豆乳の調製は通常の豆腐製造におけるそれと何ら変わるところはない。すなわち浸漬した丸大豆や脱皮大豆、あるいは浸漬しない大豆を水とともに磨砕機に投入して磨砕し、得られた呉を85〜120℃で0.1〜10分程度加熱後、濾過して豆乳とする。
【0008】
また呉の加熱処理によって豆乳中の大半の微生物は死滅するが、大豆に付着する土壌に起因する耐熱性細菌あるいは耐熱性芽胞の混入が予想されるため、130〜160℃で1〜20秒間の超高温瞬間加熱(UHT)処理をして滅菌豆乳としてもよい。なお豆乳の蛋白質濃度は4〜10%、好ましくは5〜8%であるが、この豆乳の蛋白質濃度の調整に、分離大豆蛋白質を添加してもよい。
【0009】
このような豆乳は2〜15℃、好ましくは5〜10℃に冷却され、これに凝固剤を添加する。凝固剤の添加は、通常の方法でおこなえばよく、例えば豆乳貯蔵タンク中に添加、混合したり、あるいは豆乳移送パイプ中に連続的に注入、添加する。
使用される凝固剤は、天然ニガリ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコノデルタラクトンあるいはトランスグルタミナーゼを、単独であるいは組み合わせて、適宜の濃度で豆乳に添加すればよい。
【0010】
凝固剤を添加した豆乳は一次加熱するのであるが、この加熱は20〜50℃であり、加熱温度が高いほどテクスチャーの変化は大きい。しかしながら高すぎると容器充填前に凝固反応が進行して、容器への充填が困難となり、また品質的にも好ましくないものとなる。また加熱温度を高く設定した場合の加熱時間は、長すぎると凝固反応が進行するので注意しなければならない。
いずれにしても一次加熱は凝固反応が起こる前に止める必要がある。
この一次加熱での加熱方法は、プレートヒーター、チューブラーヒーター等を用いた間接加熱方式で行い、加熱媒体としては蒸気や熱水を用いる。
蒸気や熱水の温度を変えることにより一次加熱の温度を変化させ、あるいは加熱管内の豆乳の移送時間や加熱中の攪拌混合状態を変えることにより、豆腐のテクスチャーを自由に設定することができる。
【0011】
一次加熱された豆乳は直ちに容器に充填密封し、これを二次加熱して凝固を完了させる。二次加熱は通常の充填豆腐と同様に行なうことができ、たとえば55〜110℃で5〜120分間加熱し、冷却して製品とする。
また55℃以上で行なう二次加熱を多段的に行なえば、凝固時間の短縮化と共に豆腐のテクスチャーを更に変化させることが可能である。
例えば55〜70℃で10〜30分間加熱した後、更に75〜90℃で10〜30分間行なうことにより、テクスチャーに一層、変化をつけることができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、凝固剤を添加した豆乳の容器充填前の一次加熱の条件設定を変えることにより、テクスチャーの異なる豆腐を得ることができるので、連続生産による豆腐の製造においても、例えば硬めの豆腐、柔らかめな豆腐、あるいは弾力性のある豆腐、更には冷奴用豆腐、湯豆腐用豆腐等、簡単に用途に応じた豆腐が製造できるのである。 また1段加熱の充填豆腐と同じ程度の硬さの豆腐であっても、本発明による2段加熱による豆腐は、カット豆腐のような好ましい食感を有する。このことはおそらく1段加熱では全体が均一にゆっくりと凝固するので舌触りも均一なものとなるのに対し、2段加熱では豆腐組織が不均一となるので、舌触りも複雑となり、これが食感の微妙な差となって現われるものと思われる。
以下に実験例を示し、本発明の効果を確認する。
【0013】
【実験例】
全粒大豆100Kgを水洗いし、一晩水浸漬した後に400リットルの水を加えながら横型磨砕機で磨砕した。磨砕後直ちに磨砕機排出パイプに設けた加熱機により呉を一気に105℃に加熱し、30秒保持したのち80℃に冷却、スクリューデカンターで固液分離を行い豆乳を得た。
次いで真空チャンバー(500mmHg)に導入して脱気した後、10℃迄冷却し、これに塩化マグネシウム0.25%、塩化カルシウム0.05%となるように添加した。なおこの豆乳の蛋白質濃度は6.5%であった。
【0014】
上記凝固剤添加豆乳を表1に示す条件で一次加熱したのちプラスチック容器に充填密封し、これを直ちに80℃の熱水槽に入れ、50分間加熱して凝固させ、冷却槽に移し15℃まで冷却した。
この一次加熱は二重管の内部にスタティックミキサーを備えたチューブラーヒーターを用いて行い、加熱温度は容器充填時の豆乳の温度、加熱時間は加熱管内の豆乳の滞留時間である。
これらの豆腐を5℃に一晩保存後、各豆腐の硬さ(注1)をテンシプレッサー(タケトモ電気製)で測定した。
対照は一次加熱を行なわずに容器に充填密封し、これを上記と同様に凝固させたものである。これらの結果を表1に示す。
なおこれらのサンプルうち1、3、5、7、9についてはテンシプレッサーで測定時の応力パターンを図1〜図5に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
<注1>
それぞれの豆腐から17mm角にカットした測定用サンプルを調整し、これをテンシプレッサー(タケトモ電気製)を用いて円形プランジャー(径40mm)で押しつぶし、この時の破断点までの応力を豆腐の硬さ(erg/cm2)とした。数値は5個のサンプルの平均値で表した。
【0017】
表1及び図1〜図5から明らかなように、本発明方法による充填豆腐(サンプル1〜5)は一次加熱条件を変えることにより、対照の豆腐とは異なる種々の硬さの豆腐となり、またテンシプレーサーの測定パターンも対照のそれとは異なるものであった。テンシプレッサーパターン図では、豆腐サンプルを押しつぶしたときの破断点までのカーブ(1段目のピーク)と、そのまま押しつぶしたときの最圧縮点(17mmの高さの豆腐を5mmまで圧縮)でのピーク(2段目のピーク)を表しているが、2段目のピークが小さいものほど豆腐組織が均一に近く、2段目のピークが大きくなるに従い不均一であることを示していると思われる。そして、このパターンの違いがテクスチャーに微妙な影響をもたらしているのである。
以下に実施例を示す。
【0018】
【実施例】
実施例1
全粒大豆300Kgを水洗いし、一晩水浸漬した後に1100リットルの5℃の水を加えながら横型磨砕機で低温磨砕した。磨砕後直ちに磨砕機排出パイプに接続した二重管ヒーターで予備加熱後、同じ二重管内に設けたスチームインジェクション加熱機により呉を108℃に加熱し、30秒保持したのち90℃に冷却、スクリューデカンターで固液分離を行い豆乳を得、次いで真空缶(真空度65mmHg)に導入して脱気した後、10℃迄冷却した。この豆乳の蛋白質濃度は6.6%であった。
【0019】
この冷却豆乳(5℃)に天然ニガリ(マグネシウム61,000ppm,カルシウム300ppm)の50%水溶液を、豆乳1L当たり6ml、添加、混合し、これをチューブラーヒーターを用いて一次加熱し、300ml容プラスチック容器に充填、密封した。
容器充填時の豆乳温度は30℃であり、加熱時間(豆乳の加熱管中の滞留時間)は20秒であった。
これを直ちに70℃の熱水中で60分間の二次加熱して凝固を完結させた後、冷水で冷却して製品とした。
この製品は、硬さが7.84×106(erg/cm2)であった。
【0020】
実施例2
実施例1で用いたと同じニガリ添加豆乳を、チューブラーヒーターを用いて40℃、15秒間加熱し300ml容プラスチック容器に充填密封した。これを直ちに60℃で30分間加熱し、更に80℃で30分間の二次加熱を行った後に冷水で冷却して製品とした。
この製品は、硬さが7.05×106(erg/cm2)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例におけるサンプル1のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図2】実験例におけるサンプル3のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図3】実験例におけるサンプル5のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図4】実験例におけるサンプル7のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図5】実験例におけるサンプル9のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な充填豆腐の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
豆腐は種類別には木綿豆腐と絹ごし豆腐に大別されるが、絹ごし豆腐の製造法を大別すると、(1)豆乳を型枠の中で凝固させた後水晒しするカット豆腐と、(2)凝固剤を添加、混合した豆乳を小型容器に充填、密封し、容器中で凝固させる充填豆腐に分けられる。そして大量生産の容易性、流通の利便性、衛生面等から、昨今では充填豆腐が主流をなしている。
【0003】
充填豆腐は凝固剤を添加した冷たい豆乳を容器に充填密封した後に加熱し、凝固させるのが一般的であるが、豆乳をパイプ中で加熱凝固させながら、これを連続的に押し出して製造する方法(特開平9−322731等)や、凝固剤を添加した豆乳を110〜120℃で12〜20秒間、マイクロ波誘電加熱しながら豆乳が凝固しない程度の速度で圧送し、流動状態のまま任意の成型容器に充填してそのまま凝固させる方法(特開昭58−51865)が提案されている。
【0004】
ところで豆腐の品質は風味と共に食感(テクスチャー)も重要であり、また豆腐を調理して用いる場合と、湯豆腐としてあるいは冷奴として用いる場合とでは、要求されるテクスチャーは異なってくる。
このテクスチャーは原料大豆、豆乳製造法、蛋白質濃度、凝固剤の種類及び使用量等によって異なるものであるが、カット豆腐の製造法においては、熱い豆乳に凝固剤を添加した後の攪拌の程度により、テクステャーが決定されるといっても過言ではない。
したがってカット豆腐が、メーカーによって様々なテクステャーを有しているのは当然のことであり、どれ一つとっても同じものはないのである。
一方充填豆腐は連続的に、大量に、均一な製品が得られるという長所を有する製造法ではあるが、テクスチャーに難があると言われ、消費者に敬遠される要因のひとつとなっている。
このテクスチャーに影響を与える要因が、前述のごとく豆乳の製造法、蛋白質濃度、凝固剤の種類等にあるのではあるが、これらの条件を多少変化させたとしても、得られる豆腐のテクスチャーの質を変え、調理用、冷奴用、湯豆腐用等に作り分けることは極めて困難である。
即ち、充填豆腐におけるテクスチャーを決定づける最大の要因が容器に充填した豆乳を、そのまま加熱凝固させるという凝固方法にあると考えられるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、原料大豆、豆乳の蛋白質濃度、凝固剤の種類や使用量が同じであってもテクスチャーの異なる豆腐が製造できないものか、すなわちバラエティに富んだ豆腐を簡単に製造する方法について検討したところ、凝固工程を2段階とすることにより豆腐のテクスチャーを臨機応変に変えることができるという知見を得て本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
充填豆腐の製造法については各社多少の差はあるとしても、従来法は凝固剤を添加した冷たい豆乳を容器に充填した後に1段で加熱する方法が採られているが、本発明では凝固剤を添加した豆乳を容器充填前に一次加熱し、これを容器に充填したのち二次加熱して凝固を完了させるという2段加熱の方法を採用する。
そしてこの一次加熱の条件を変化させることにより、種々のテクスチャーの豆腐を得ることができるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を具体的に説明する。
豆乳の調製は通常の豆腐製造におけるそれと何ら変わるところはない。すなわち浸漬した丸大豆や脱皮大豆、あるいは浸漬しない大豆を水とともに磨砕機に投入して磨砕し、得られた呉を85〜120℃で0.1〜10分程度加熱後、濾過して豆乳とする。
【0008】
また呉の加熱処理によって豆乳中の大半の微生物は死滅するが、大豆に付着する土壌に起因する耐熱性細菌あるいは耐熱性芽胞の混入が予想されるため、130〜160℃で1〜20秒間の超高温瞬間加熱(UHT)処理をして滅菌豆乳としてもよい。なお豆乳の蛋白質濃度は4〜10%、好ましくは5〜8%であるが、この豆乳の蛋白質濃度の調整に、分離大豆蛋白質を添加してもよい。
【0009】
このような豆乳は2〜15℃、好ましくは5〜10℃に冷却され、これに凝固剤を添加する。凝固剤の添加は、通常の方法でおこなえばよく、例えば豆乳貯蔵タンク中に添加、混合したり、あるいは豆乳移送パイプ中に連続的に注入、添加する。
使用される凝固剤は、天然ニガリ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコノデルタラクトンあるいはトランスグルタミナーゼを、単独であるいは組み合わせて、適宜の濃度で豆乳に添加すればよい。
【0010】
凝固剤を添加した豆乳は一次加熱するのであるが、この加熱は20〜50℃であり、加熱温度が高いほどテクスチャーの変化は大きい。しかしながら高すぎると容器充填前に凝固反応が進行して、容器への充填が困難となり、また品質的にも好ましくないものとなる。また加熱温度を高く設定した場合の加熱時間は、長すぎると凝固反応が進行するので注意しなければならない。
いずれにしても一次加熱は凝固反応が起こる前に止める必要がある。
この一次加熱での加熱方法は、プレートヒーター、チューブラーヒーター等を用いた間接加熱方式で行い、加熱媒体としては蒸気や熱水を用いる。
蒸気や熱水の温度を変えることにより一次加熱の温度を変化させ、あるいは加熱管内の豆乳の移送時間や加熱中の攪拌混合状態を変えることにより、豆腐のテクスチャーを自由に設定することができる。
【0011】
一次加熱された豆乳は直ちに容器に充填密封し、これを二次加熱して凝固を完了させる。二次加熱は通常の充填豆腐と同様に行なうことができ、たとえば55〜110℃で5〜120分間加熱し、冷却して製品とする。
また55℃以上で行なう二次加熱を多段的に行なえば、凝固時間の短縮化と共に豆腐のテクスチャーを更に変化させることが可能である。
例えば55〜70℃で10〜30分間加熱した後、更に75〜90℃で10〜30分間行なうことにより、テクスチャーに一層、変化をつけることができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、凝固剤を添加した豆乳の容器充填前の一次加熱の条件設定を変えることにより、テクスチャーの異なる豆腐を得ることができるので、連続生産による豆腐の製造においても、例えば硬めの豆腐、柔らかめな豆腐、あるいは弾力性のある豆腐、更には冷奴用豆腐、湯豆腐用豆腐等、簡単に用途に応じた豆腐が製造できるのである。 また1段加熱の充填豆腐と同じ程度の硬さの豆腐であっても、本発明による2段加熱による豆腐は、カット豆腐のような好ましい食感を有する。このことはおそらく1段加熱では全体が均一にゆっくりと凝固するので舌触りも均一なものとなるのに対し、2段加熱では豆腐組織が不均一となるので、舌触りも複雑となり、これが食感の微妙な差となって現われるものと思われる。
以下に実験例を示し、本発明の効果を確認する。
【0013】
【実験例】
全粒大豆100Kgを水洗いし、一晩水浸漬した後に400リットルの水を加えながら横型磨砕機で磨砕した。磨砕後直ちに磨砕機排出パイプに設けた加熱機により呉を一気に105℃に加熱し、30秒保持したのち80℃に冷却、スクリューデカンターで固液分離を行い豆乳を得た。
次いで真空チャンバー(500mmHg)に導入して脱気した後、10℃迄冷却し、これに塩化マグネシウム0.25%、塩化カルシウム0.05%となるように添加した。なおこの豆乳の蛋白質濃度は6.5%であった。
【0014】
上記凝固剤添加豆乳を表1に示す条件で一次加熱したのちプラスチック容器に充填密封し、これを直ちに80℃の熱水槽に入れ、50分間加熱して凝固させ、冷却槽に移し15℃まで冷却した。
この一次加熱は二重管の内部にスタティックミキサーを備えたチューブラーヒーターを用いて行い、加熱温度は容器充填時の豆乳の温度、加熱時間は加熱管内の豆乳の滞留時間である。
これらの豆腐を5℃に一晩保存後、各豆腐の硬さ(注1)をテンシプレッサー(タケトモ電気製)で測定した。
対照は一次加熱を行なわずに容器に充填密封し、これを上記と同様に凝固させたものである。これらの結果を表1に示す。
なおこれらのサンプルうち1、3、5、7、9についてはテンシプレッサーで測定時の応力パターンを図1〜図5に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
<注1>
それぞれの豆腐から17mm角にカットした測定用サンプルを調整し、これをテンシプレッサー(タケトモ電気製)を用いて円形プランジャー(径40mm)で押しつぶし、この時の破断点までの応力を豆腐の硬さ(erg/cm2)とした。数値は5個のサンプルの平均値で表した。
【0017】
表1及び図1〜図5から明らかなように、本発明方法による充填豆腐(サンプル1〜5)は一次加熱条件を変えることにより、対照の豆腐とは異なる種々の硬さの豆腐となり、またテンシプレーサーの測定パターンも対照のそれとは異なるものであった。テンシプレッサーパターン図では、豆腐サンプルを押しつぶしたときの破断点までのカーブ(1段目のピーク)と、そのまま押しつぶしたときの最圧縮点(17mmの高さの豆腐を5mmまで圧縮)でのピーク(2段目のピーク)を表しているが、2段目のピークが小さいものほど豆腐組織が均一に近く、2段目のピークが大きくなるに従い不均一であることを示していると思われる。そして、このパターンの違いがテクスチャーに微妙な影響をもたらしているのである。
以下に実施例を示す。
【0018】
【実施例】
実施例1
全粒大豆300Kgを水洗いし、一晩水浸漬した後に1100リットルの5℃の水を加えながら横型磨砕機で低温磨砕した。磨砕後直ちに磨砕機排出パイプに接続した二重管ヒーターで予備加熱後、同じ二重管内に設けたスチームインジェクション加熱機により呉を108℃に加熱し、30秒保持したのち90℃に冷却、スクリューデカンターで固液分離を行い豆乳を得、次いで真空缶(真空度65mmHg)に導入して脱気した後、10℃迄冷却した。この豆乳の蛋白質濃度は6.6%であった。
【0019】
この冷却豆乳(5℃)に天然ニガリ(マグネシウム61,000ppm,カルシウム300ppm)の50%水溶液を、豆乳1L当たり6ml、添加、混合し、これをチューブラーヒーターを用いて一次加熱し、300ml容プラスチック容器に充填、密封した。
容器充填時の豆乳温度は30℃であり、加熱時間(豆乳の加熱管中の滞留時間)は20秒であった。
これを直ちに70℃の熱水中で60分間の二次加熱して凝固を完結させた後、冷水で冷却して製品とした。
この製品は、硬さが7.84×106(erg/cm2)であった。
【0020】
実施例2
実施例1で用いたと同じニガリ添加豆乳を、チューブラーヒーターを用いて40℃、15秒間加熱し300ml容プラスチック容器に充填密封した。これを直ちに60℃で30分間加熱し、更に80℃で30分間の二次加熱を行った後に冷水で冷却して製品とした。
この製品は、硬さが7.05×106(erg/cm2)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例におけるサンプル1のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図2】実験例におけるサンプル3のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図3】実験例におけるサンプル5のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図4】実験例におけるサンプル7のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
【図5】実験例におけるサンプル9のテンシプレッサーで豆腐の硬さを測定したときの、応力パターン図である。
Claims (1)
- 以下の工程を含む充填豆腐の製造方法
(1)豆乳を5〜10℃に冷却した後、これに天然ニガリ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、第一りん酸カルシウム、乳酸カルシウムあるいはトランスグルタミナーゼを単独であるいは組合わせて添加、混合する工程
(2)上記豆乳を20〜50℃に一次加熱する工程
(3)一次加熱した豆乳を容器に充填、密閉する工程
(4)容器に充填、密閉した豆乳を55℃以上に二次加熱して凝固させる工程。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04300098A JP3553357B2 (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 充填豆腐の製造方法 |
| US09/238,429 US6120830A (en) | 1998-02-10 | 1999-01-28 | Process for producing tofu |
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| JP04300098A JP3553357B2 (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 充填豆腐の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11225698A JPH11225698A (ja) | 1999-08-24 |
| JP3553357B2 true JP3553357B2 (ja) | 2004-08-11 |
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ID=12651751
Family Applications (1)
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| JP04300098A Expired - Fee Related JP3553357B2 (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 充填豆腐の製造方法 |
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|---|---|
| US (1) | US6120830A (ja) |
| JP (1) | JP3553357B2 (ja) |
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