JP3554431B2 - 感熱記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドを用いる感熱記録装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断画像の記録に、フィルムを支持体として感熱記録層を形成してなる感熱記録フィルム(以下、感熱フィルムとする)等の感熱記録材料を用いた画像記録(以下、感熱画像記録ともいう)が利用されている。
また、このような感熱画像記録は、湿式の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単である等の利点を有することから、近年では、超音波診断のような小型の画像記録のみならず、MRI診断やX線診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途において、医療診断のための画像記録への利用も検討されている。
【0003】
周知のように、感熱画像記録は、発熱素子が一方向に配列されてなるグレーズを有するサーマルヘッドを用い、グレーズを感熱フィルム(感熱記録層)に若干押圧した状態で、両者をグレーズと直交する方向に相対的に移動しつつ、各発熱素子にエネルギーを印加することにより、感熱フィルムの感熱記録層を加熱して画像記録を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サーマルヘッドの発熱素子は、発熱時間および発熱エネルギーに応じて抵抗値が変化する。発熱素子は発熱体であるので、例えば、抵抗値が低下するに応じて発熱量は大きくなり、抵抗値が下がった分だけ発熱素子の温度が増加して、画像濃度が高くなってしまい、所定濃度の画像を記録することができなくなってしまう。
しかも、感熱記録装置に装着されたサーマルヘッドの各発熱素子の発熱履歴(行った画像記録に対してどの程度の割合で発熱したか=総発熱量)は、当然それぞれで異なるので、抵抗値の変化量も各発熱素子毎に異なる。そのため、画像記録を行うに従って、各発熱素子の抵抗値変化量に差(抵抗値のバラツキ)が生じ、この差に応じて、記録画像に濃度ムラが生じてしまう。
【0005】
これを解決するため、サーマルヘッドを用いた画像記録装置においては、画像記録時に、各発熱素子の抵抗値に応じた画像補正、いわゆる抵抗値補正を行って画像記録を行っている。
ところが、特公平3−37512号公報にも示されるように、従来のサーマルヘッドを用いた画像記録装置では、抵抗値補正は、各発熱素子の抵抗値を測定し、その抵抗値を用いて行っているため、各発熱素子の抵抗値のバラツキに起因する濃度ムラを十分に補正することができない。
【0006】
このような記録画像の濃度ムラは、仕上り画像の品質低下を招き、高画質な画像記録を要求される用途では、大きな問題となる。特に、前述のような医療用途では高画質の画像が要求され、しかも、濃度ムラは画像観察の障害となり、診断のミスにもつながる重大な問題となる。
【0007】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、サーマルヘッドを用いる感熱記録装置において、各発熱素子の抵抗値のバラツキに起因する濃度ムラを、抵抗値補正によって十分に補正することができ、濃度ムラのない高画質な画像を、安定して形成することができる感熱記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、発熱素子を一方向に配列してなるグレーズを有するサーマルヘッドと、前記グレーズと感熱記録材料とを接触して、前記発熱素子の配列方向と直交する方向にサーマルヘッドと感熱記録材料とを相対的に移動する手段と、画像データ供給源から画像データを受取り、この画像データに抵抗値補正を含む画像処理を施して、感熱記録画像データとする画像処理部と、サーマルヘッドの温度測定手段とを有し、さらに、前記画像処理部が、前記グレースの延在方向の両端部を除いた発熱素子の最大抵抗値を基準として、それぞれの抵抗値に応じて各発熱素子毎に設定された抵抗値補正データを用いて抵抗値補正を行うものであり、かつ、前記サーマルヘッドの温度、あるいは記録画像の画像データ値、もしくはその両者に応じて、前記抵抗値補正の補正係数を調整する手段を有することを特徴とする感熱記録装置を提供する。
【0010】
また、前記感熱記録装置において、前記抵抗値補正データが空間周波数処理されてなるものであるのが好ましい。
【0011】
さらに、前記画像記録装置において、前記画像処理部が、所定枚数の画像記録毎に前記抵抗値補正データを更新するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感熱記録装置について、添付の図面に示される好適実施例をもとに詳細に説明する。
【0013】
図1に、本発明の感熱記録装置の一例の概略図が示される。
図1に示される感熱記録装置10(以下、記録装置10とする)は、例えばB4サイズ等の所定のサイズのカットシートである感熱記録フィルム(以下、感熱フィルムAとする)に感熱画像記録を行うものであり、感熱フィルムAが収容されたマガジン24が装填される装填部14、供給搬送部16、サーマルヘッド66によって感熱フィルムAに感熱画像記録を行う記録部20、および排出部22を有して構成される。また、図3に示されるように、記録部20のサーマルヘッド66には、画像処理部80、画像メモリ82および記録制御部84が接続され、さらに、画像処理部80には補正データ記憶部86が接続される。
【0014】
このような記録装置10においては、供給搬送部16によって記録部20まで感熱フィルムAを搬送して、サーマルヘッド66を感熱フィルムAに押圧しつつ、サーマルヘッド66のグレーズ66aの延在方向と直交する方向に感熱フィルムAを搬送して(図2参照)、記録画像に応じて各発熱素子を加熱することにより、感熱フィルムAに感熱画像記録を行う。
【0015】
図示例の記録装置10は、樹脂フィルムや紙等を支持体として、その表面に感熱記録層を形成した感熱記録材料として、感熱フィルムAを用いるものであり、感熱フィルムAは、例えば、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の透明フィルムを支持体として、その一面に感熱記録層を形成してなるものである。
このような感熱フィルムAは、通常、100枚等の所定単位の積層体(束)とされて袋体や帯等で包装されており、図示例においては、所定単位の束のまま感熱記録層を下面として記録装置10のマガジン24に収納され、一枚ずつマガジン24から取り出されて感熱画像記録に供される。
【0016】
マガジン24は、開閉自在な蓋体26を有する筐体であり、感熱フィルムAを収納して記録装置10の装填部14に装填される。
装填部14は、記録装置10のハウジング28に形成された挿入口30、案内板32および案内ロール34,34、停止部材36を有しており、マガジン24は、蓋体26側を先にして挿入口30から記録装置10内に挿入され、案内板32および案内ロール34に案内されつつ、停止部材36に当接する位置まで押し込まれることにより、記録装置10の所定の位置に装填される。
【0017】
供給搬送手段16は、装填部14に装填されたマガジン24から感熱フィルムAを取り出して、記録部20に搬送するものであり、吸引によって感熱フィルムAを吸着する吸盤40を用いる枚葉機構、搬送手段42、搬送ガイド44、および搬送ガイド44の出口に位置する規制ローラ対52を有する。
搬送手段42は、搬送ローラ46と、この搬送ローラ46と同軸のプーリ47a、回転駆動源に接続されるプーリ47bならびにテンションプーリ47cと、この3つのプーリに張架されるエンドレスベルト48と、搬送ローラ46に押圧されるニップローラ50とを有して構成され、吸盤40によって枚葉された感熱フィルムAの先端を搬送ローラ46とニップローラ50とによって挟持して、感熱フィルムAを搬送する。
【0018】
記録装置10において記録開始の指示が出されると、図示しない開閉機構によって蓋体26が開放され、吸盤40を用いた枚葉機構がマガジン24から感熱フィルムAを一枚取り出し、感熱フィルムAの先端を搬送手段42(搬送ローラ46とニップローラ50)に供給する。搬送ローラ46とニップローラ50とによって感熱フィルムAが挟持された時点で、吸盤40による吸引は開放され、供給された感熱フィルムAは、搬送ガイド44によって案内されつつ搬送手段42によって規制ローラ対52に搬送される。
なお、記録に供される感熱フィルムAがマガジン24から完全に排出された時点で、前記開閉手段によって蓋体26が閉塞される。
【0019】
搬送ガイド44によって規定される搬送手段42から規制ローラ対52に至るまでの距離は、感熱フィルムAの搬送方向の長さより若干短く設定されており、搬送手段42による搬送で感熱フィルムAの先端が規制ローラ対52に至るが、規制ローラ対52は最初は停止しており、感熱フィルムAの先端はここで一旦停止して位置決めされる。
この感熱フィルムAの先端が規制ローラ対52に至った時点で、サーマルヘッド66(グレーズ66a)の温度が確認され、サーマルヘッド66の温度が所定温度であれば、規制ローラ対52による感熱フィルムAの搬送が開始され、感熱フィルムAは、記録部20に搬送される。
【0020】
図2に、記録部20の概略図を示す。
記録部20は、サーマルヘッド66、プラテンローラ60、クリーニングローラ対56、ガイド58、サーマルヘッド66を冷却する冷却ファン76(図1参照)、およびガイド62を有する。
サーマルヘッド66は、例えば、最大B4サイズまでの画像記録が可能な、約300dpiの記録(画素)密度の感熱画像記録を行うものであって、感熱フィルムAへの感熱記録を行う発熱素子が一方向(図1および図2中紙面と垂直方向図3矢印c方向)に配列されるグレーズ66aが形成されたサーマルヘッド本体66bと、サーマルヘッド本体66bに固定されたヒートシンク66cとを有する(図3参照)。サーマルヘッド66は、支点68aを中心に矢印a方向および逆方向に回動自在な支持部材68に支持されている。
【0021】
プラテンローラ60は、感熱フィルムAを所定位置に保持しつつ所定の画像記録速度で回転し、グレーズ66aの延在方向と直交する方向(図2中の矢印b方向)に感熱フィルムAを搬送する。
クリーニングローラ対56は、粘着ゴムローラ56aと、通常のローラ56bとからなるローラ対であり、粘着ゴムローラ56aが感熱フィルムAの感熱記録層に付着したゴミ等を除去して、グレーズ66aへのゴミの付着や、ゴミが画像記録に悪影響を与えることを防止する。
【0022】
図示例の記録装置10において、感熱フィルムAが搬送される前は、支持部材68は上方(矢印a方向と逆の方向)に回動しており、サーマルヘッド66(グレーズ66a)とプラテンローラ60とは接触していない。
前述の規制ローラ対52による搬送が開始されると、感熱フィルムAは、次いでクリーニングローラ対56に挟持され、さらに、ガイド58によって案内されつつ搬送される。感熱フィルムAの先端が記録開始位置(グレーズ66aに対応する位置)に搬送されると、支持部材68が矢印a方向に回動して、感熱フィルムAがサーマルヘッド66のグレーズ66aとプラテンローラ60とで挟持されて、記録層にグレーズ66aが押圧された状態となり、感熱フィルムAはプラテンローラ60によって所定位置に保持されつつ、プラテンローラ60(および規制ローラ対52と搬送ローラ対63)によって矢印b方向に搬送される。
【0023】
この搬送に伴い、記録画像に応じてグレーズ66aの各発熱素子を加熱することにより、感熱フィルムAに感熱画像記録が行われる。
ここで、本発明の記録装置10においては、この感熱画像記録の抵抗値補正は以下のようにして行われる。
【0024】
図3(a)にサーマルヘッド66の概略斜視図を、図3(b)にサーマルヘッド66の記録制御系のブロック図を示す。
図3に示されるように、サーマルヘッド66の記録制御系は、基本的に、画像処理部80、画像メモリ82および記録制御部84から構成される。また、画像処理部80には、抵抗値補正に用いられるサーマルヘッド温度および画像データ値(すなわち画像濃度値)に応じた重み付け関数もしくは重み付けテーブルが記憶される補正データ記憶部86が接続される。
【0025】
CTやMRI等の画像データ供給源Rからの画像データは、画像処理部80に送られる。
画像処理部80は、下記の各種の画像処理を行う画像処理回路やメモリが組み合わされたものであり、画像データ供給源Rからの画像データを受け、この画像データに、画像の輪郭を強調するための鮮鋭度補正(シャープネス処理); 感熱フィルムAのγ値等に応じて適正な画像を得るための階調補正; 発熱素子の温度に応じて発熱エネルギを調整する温度補正; グレーズ66の中央部と両端部とにおける濃度差を補正するシェーディング補正; 各発熱素子の抵抗値の差を補正する抵抗値補正; 加熱する発熱素子数によらず、同じ濃度に対応する画像データを同濃度で発色するための黒比率補正; 等の所定の画像処理を行い、さらに、必要に応じてフォーマット(拡大・縮小、コマ割り当て)を行って、サーマルヘッド66による感熱記録に応じた感熱記録画像データとして画像メモリ82に出力する。
【0026】
ここで、図3に示されるように、図示例のサーマルヘッド66のヒートシンク66cのフィンにはグレーズ66aに対応する部分で5か所の切り欠き66d,66d……が形成され、この部分のヒートシンク66cの基部には、サーミスタ88が配置されている。各サーミスタ88は、ヒートシンク66cの基部の温度を測定することでグレーズ66aの温度を検出するものであり、図示例においては、5か所でグレーズ66aの温度(すなわち、この部分の発熱素子の温度)を検出する。
【0027】
サーミスタ88による温度検出結果は、画像処理部80に送られ、画像処理部80は、例えば、直線補間等によって各発熱素子(各画素)の温度を検知し、その温度に応じて前述の温度補正を行う。
さらに、本発明にかかる記録装置10においては、この各発熱素子の温度および画像データ値に応じて、係数を調整して抵抗値補正を行う。
【0028】
前述のように、サーマルヘッドを利用する記録装置においては、使用に伴って発熱素子の抵抗値にバラツキが生じ、それが記録画像の濃度ムラの要因の一つとなっており、定期的にあるいは必要に応じて、各発熱素子の抵抗値を測定し、その抵抗値に応じた抵抗値補正を行って画像記録を行っている。しかしながら、本発明者の検討によれば、感熱画像は、サーマルヘッドすなわち各発熱素子の温度、および記録画像の濃度すなわち記録する画像の画像データ値にも影響を受け、単に抵抗値のみを用いて抵抗値補正を行う従来の装置では、抵抗値のバラツキに起因する濃度ムラを十分に補正することができない。
これに対し、本発明の記録装置10においては、前述のサーミスタ88による温度検出結果から得られる発熱素子の温度および記録画像の画像データ値に応じて、抵抗値補正の係数を調整する。
【0029】
なお、図示例においては、好ましい対応として発熱素子温度および画像データ値の両者に応じて係数を調整して抵抗値補正を行うが、本発明はこれに限定はされず、発熱素子の温度もしくは画像データ値のいずれか一方のみに応じて係数を調整して抵抗値補正を行ってもよい。
【0030】
記録装置10において、抵抗値補正は、基本的に、抵抗値補正データ[R/Rm]を、前の画像処理回路(例えば、シェーディング補正回路 あるいは画像データ供給源Rからの画像データ)から転送された画像データ値(画像濃度値)Dに乗算すること(D×[R/Rm])によって行われる。
上記抵抗値補正データ[R/Rm]において、Rはその発熱素子の抵抗値を、Rmは全発熱素子の内の最大抵抗値を示す。すなわち、記録装置10においては、サーマルヘッド66の各発熱素子の最大抵抗値Rmを基準として抵抗値補正を行う。
記録装置10においては、各発熱素子毎に抵抗値補正データすなわち[R/Rm]が算出され、画像処理部80のメモリに記憶されており、抵抗値補正の際に、対応する発熱素子の抵抗値補正データを読み出して、これを画像データ値Dに乗算することにより、抵抗値補正が行われる。
【0031】
ここで、本発明の記録装置10においては、前記発熱素子の温度および記録画像の画像データ値Dに応じて、抵抗値補正データに掛ける係数を調整(補正)して抵抗値補正が行われる。
前述のように、画像処理部80には、補正データ記憶部86が接続される。この補正データ記憶部86には、図4(a)に示されるような、サーマルヘッド66(発熱素子)の温度に応じた重みαを算出する重み付け関数(あるいはこれに対応するテーブル)、および図4(b)に示されるような、記録画像の画像データ値Dに応じた重みβ(D)を算出する重み付け関数が記憶されている。
【0032】
画像処理部80は、抵抗値補正の際に、前記抵抗値補正データと共に、補正データ記憶部86に記憶される図4(a)に示される関数(テーブル)を用いて、検出された発熱素子の温度に応じた重みαを算出(あるいは読み出し)し、さらに、図4(b)に示される関数を用いて、抵抗値補正の前の画像処理回路から出力された画像データ値Dに応じた重みβ(D)を算出し、両重みを抵抗値補正データ[R/Rm]に掛ける係数として、下記式によって抵抗値補正されてなる画像データDaを算出する。
Da=D×(1−α×β(D)×(1−[R/Rm]))
【0033】
従って、本発明の記録装置10によれば、サーマルヘッドの温度や画像データ値も補償して、各発熱素子の抵抗値バラツキに起因する濃度ムラを十分に補正した感熱画像記録が可能であり、濃度ムラのない高画質な画像を、安定して形成することができる。
【0034】
なお、重みαおよびβを得るための重み付け関数あるいはテーブルは、用いるサーマルヘッド66の特性、感熱フィルムAの特性、装置構成(加熱、冷却効率等)等に応じて適宜決定すればよい。
また、抵抗値補正データを記憶するのは、補正データ記憶部86であってもよい。
【0035】
前述のように、抵抗値補正データのRmは、全発熱素子中の最大抵抗値であり、これを基準として抵抗値補正が行われる。
ここで、サーマルヘッドの製造上、グレーズ66aの延在方向の端部は、中央部分に比して発熱素子の抵抗値のバラツキが大きく、また、端部は記録画像に対応しない場合が多く、経時的な発熱素子の抵抗値変化が大きい。そのため、この部分の抵抗値が抵抗値補正データの基準すなわちRmになると、抵抗値補正が不安定になってしまう。
そのため、本発明の記録装置10においては、抵抗値補正データの基準となる最大抵抗値Rmは、グレーズ66a延在方向の端部の所定点数、例えば100画素を除いた発熱素子から選択・設定されるのが好ましい。
【0036】
最大抵抗値Rmの設定から除く端部の発熱素子数には特に限定はなく、サーマルヘッド66の特性やサイズ、感熱フィルムAの特性、最も記録頻度が高いフォーマット等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、前述のような、最大B4サイズで、記録密度300dpiのサーマルヘッド66(3072画素)であれば、両端を100画素前後除いた中から最大抵抗値Rmを設定すればよい。
【0037】
各発熱素子の抵抗値の測定は、通常は、サーマルヘッドの全発熱素子を発熱した状態で、電流値もしくは電圧を測定することによって行われる。
そのため、本発明の記録装置10においては、実測で得られた各発熱素子毎のR/Rmを空間周波数処理して、これを抵抗値補正データ[R/Rm]として画像処理部80に記憶して、抵抗値補正を行うのが好ましい。
【0038】
空間周波数処理の方法には特に限定はなく、例えば、フィルタリング処理等によって行なうことができる。
【0039】
前述のように、各発熱素子の抵抗値は、画像記録を行うに応じて経時と共に変化する。
そのため、本発明の記録装置10においては、好ましい態様として、所定枚数の記録を行う毎に、全発熱素子の抵抗値を測定し、抵抗値補正データ[R/Rm]を更新するように構成される。
発熱素子の抵抗値の測定方法には特に限定はなく、定電圧を印加して電流値を測定する方法、定電流を供給して電圧を測定する方法、一定のエネルギーを供給して熱量を測定する方法等、各種の発熱素子の抵抗値測定方法が例示されるが、図示例の記録装置10においては、一例として、図5に模式的に示される方法で行われる。
【0040】
図5に示されるように、記録装置10には、駆動用電源90および前述の記録制御部84に加え、抵抗値測定用の定電流源92および抵抗測定信号発生部94が配置されている。
サーマルヘッド66(その各発熱素子)には、サーマルヘッド66と駆動用電源90もしくは定電流源92とを切り替えて接続する切換スイッチSWと、サーマルヘッド66と記録制御部84もしくは抵抗測定信号発生部94とを切り替えて接続する切換スイッチSWが接続される。
【0041】
通常の状態では、サーマルヘッド66には駆動用電源90および記録制御部84が接続されているが、抵抗値補正データ更新の指示が出されると、記録装置10全体を制御する制御部(図示省略)によって、切換スイッチSWおよび切換スイッチSWが切り替えられ、図5に示されるように、サーマルヘッド66と定電流源92および抵抗測定信号発生部94とが接続される。
この状態で、定電流源92からサーマルヘッド66に所定の電流を供給し、サーマルヘッド66の電圧を測定することにより、各発熱素子の抵抗値が測定される。
各発熱素子の抵抗値は、画像処理部80に送られ、前述のようにして最大抵抗値Rmと各発熱素子の抵抗値Rとから抵抗値補正データが算出され、画像処理部80に記憶されて抵抗値補正データが更新される。
【0042】
なお、抵抗値補正データの更新を行う感熱記録枚数には特に限定はなく、サーマルヘッドの特性、記録頻度が高いフォーマット等に応じて適宜設定すればよいが、通常、B4の感熱画像記録で、1000〜10000枚程度とすればよい。また、この抵抗値補正データの更新は、記録装置10にカウンタを設け、所定枚数の画像記録毎に自動的に行うように構成してもよく、カウンタを値を見たオペレータやサービスマンの指示に応じて適宜行うものであってもよい。
あるいは、オペレータやサービスマンが記録画像の画質を判断し、抵抗値補正データの更新が必要であると判断した時点を以て所定枚数の画像記録とし、更新の指示を出してもよい。
【0043】
記録装置10において、前述のように、CTやMRI等の画像データ供給源Rからの画像データは、画像処理部80に送られ、画像処理部80において鮮鋭度補正、階調補正、温度補正、シェーディング補正、以上詳述した抵抗値補正、黒比率補正等の所定の画像処理が施され、さらに、必要に応じてフォーマットされて、サーマルヘッド66による感熱記録に応じた画像データとされた感熱記録画像データは、画像処理部80から出力され、画像メモリ82に記憶される。
記録制御部84は、画像メモリ82に記憶された感熱記録画像データを、グレーズ66aの延在方向の1ラインずつ順次読み出し、読み出した感熱記録画像データに応じた記録信号(画像に応じた電圧印加時間幅)をサーマルヘッド66に出力する。
サーマルヘッド66の各発熱素子は、記録信号に応じて発熱し、前述のように、感熱フィルムAがプラテンローラ60等によって矢印b方向に搬送されつつ、感熱画像記録が行われる。
【0044】
感熱画像記録が終了した感熱フィルムAは、ガイド62に案内されつつ、プラテンローラ60および搬送ローラ対63に搬送されて排出部22のトレイ72に排出される。トレイ72は、ハウジング28に形成された排出口74を経て記録装置10の外部に突出しており、画像が記録された感熱フィルムAは、この排出口74を経て外部に排出され、取り出される。
【0045】
以上、本発明の感熱記録装置について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の感熱記録装置によれば、サーマルヘッドの各発熱素子の抵抗値のバラツキに起因する濃度ムラを、抵抗値補正によって十分に補正することができ、濃度ムラのない高画質な画像を、安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録装置の一例の概念図である。
【図2】図1に示される感熱記録装置の記録部の概念図である。
【図3】(a)はサーマルヘッドの概略斜視図を、(b)はサーマルヘッドの記録制御系のブロック図である。
【図4】(a)および(b)は、抵抗値補正の重み関数を示すグラフである。
【図5】抵抗値測定の方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 (感熱)記録装置
14 装填部
16 供給搬送手段
20 記録部
22 排出部
24 マガジン
26 蓋体
28 ハウジング
30 挿入口
32 案内板
34 案内ロール
36 停止部材
40 吸盤
42 搬送手段
44 搬送ガイド
48 エンドレスベルト
50 ニップローラ
52 規制ローラ対
56 クリーニングローラ対
58,62 ガイド
60 プラテンローラ
63 搬送ローラ対
66 サーマルヘッド
68 支持部材
72 トレイ
74 排出口
76 冷却ファン
80 画像処理部
82 画像メモリ
84 記録制御部
86 補正データ記憶部
88 サーミスタ
90 駆動用電源
92 定電流源
94 抵抗測定信号発生部
A 感熱(記録)フィルム

Claims (3)

  1. 発熱素子を一方向に配列してなるグレーズを有するサーマルヘッドと、
    前記グレーズと感熱記録材料とを接触して、前記発熱素子の配列方向と直交する方向にサーマルヘッドと感熱記録材料とを相対的に移動する手段と、
    画像データ供給源から画像データを受取り、この画像データに抵抗値補正を含む画像処理を施して、感熱記録画像データとする画像処理部と、
    サーマルヘッドの温度測定手段とを有し、
    さらに、前記画像処理部が、前記グレースの延在方向の両端部を除いた発熱素子の最大抵抗値を基準として、それぞれの抵抗値に応じて各発熱素子毎に設定された抵抗値補正データを用いて抵抗値補正を行うものであり、かつ、前記サーマルヘッドの温度、あるいは記録画像の画像データ値、もしくはその両者に応じて、前記抵抗値補正の補正係数を調整する手段を有することを特徴とする感熱記録装置。
  2. 前記抵抗値補正データが空間周波数処理されてなるものである請求項1に記載の感熱記録装置。
  3. 前記画像処理部が、所定枚数の画像記録毎に前記抵抗値補正データを更新する請求項1または2に記載の感熱記録装置。
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