JP3556686B2 - ヒドロホルミル化法およびそのためのバイメタル触媒 - Google Patents

ヒドロホルミル化法およびそのためのバイメタル触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アリルアルコールのヒドロホルミル化、より詳細には、均一なバイメタル触媒を用いてアリルアルコールをヒドロホルミル化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンを第VIII族遷移金属カルボニル錯体触媒の存在下でヒドロホルミル化してアルデヒドを製造することは公知である。HRh(CO)(PPh3 )3 のようなロジウム錯体は、温和な条件下で活性があり、しかも線状アルデヒド生成物に対して高度に選択的であるので、好適である。ロジウムは高価であるため、かかるロジウム触媒を用いる商業的なヒドロホルミル化法にとっては触媒の寿命が重要となる。Matsumoto ら(米国特許第 4,215,077号)は、この方法にジホスフィノアルカンを含めることによってロジウム触媒の寿命を引き延ばすことを教示している。触媒の寿命は改善されるが、ジホスフィノアルカンを用いると、線状:分枝アルデヒド生成物の比が限定される。例えば、アルデヒドの線状/分枝比は、米国特許第 4,215,077号の触媒を使ってアリルアルコールをヒドロホルミル化する場合、一般にせいぜい約7:1である。線状の最終生成物は、多くの場合、分枝アルデヒドから誘導されるものよりも価値があるので、線状アルデヒドに対するより一層高い選択性が望まれている。
【0003】
2種以上の第VIII族金属化合物を含むヒドロホルミル化触媒は知られている。Chang (米国特許第 4,453,019号)は、オレフィンのヒドロホルミル化において混合金属触媒を用いて線状のアルデヒドとアルコールを製造することを教示している。この触媒系は、HRh(CO)(PPh3 )3 のような中性第VIII族金属錯体であり得る第一の遷移金属化合物と、式M+n〔Hy Ax Lx 〕−nの陰イオン遷移金属化合物〔ここで、Aは第VIII(a) 族金属(鉄、ルテニウム、オスミウム)であり得る〕を含んでいる。後者の陰イオン錯体は水素化金属化合物の脱プロトン化または中性金属カルボニルの還元により製造される。好ましいオレフィンは非官能化オレフィンである。なぜなら、ヒドロキシル基やハロゲンはこの触媒を失活させることが知られているからである(第3欄、第30−35行)。
【0004】
Cooper(米国特許第 4,388,477号)は、非修飾ロジウム−コバルト触媒を使用するヒドロホルミル化法を教示している。このバイメタル触媒は、プロピレンのような非官能化オレフィンの場合、比較的高い割合の分枝アルデヒドをもたらす。
【0005】
Pettit(米国特許第 4,306,084号)は、水性媒体中で塩基性条件(pH8−11)下にルテニウムカルボニル触媒を使用して、プロピレンや1−ブテンのような非官能化オレフィンのヒドロホルミル化から線状アルデヒドおよびアルコール生成物を選択的に製造することを教示している。同様に、Laine (米国特許第 4,226,845号)は、塩基の存在下で2種以上の第VIII族金属カルボニル化合物(そのうちの1種はルテニウムである)を用いて、非官能化オレフィンをヒドロホルミル化することを教示している。
【0006】
Hignett ら(米国特許第 4,200,592号)は、内部オレフィンを異性化およびヒドロホルミル化して線状アルデヒドを得るための均一触媒系を教示している。この触媒系はRh(I)錯体と、第VI族または第VIII族からのロジウム以外の遷移金属の錯体を含む。非官能化オレフィンのみが使用され、報告された線状/分枝アルデヒド生成物の比は一般に2:1より小さい。
【0007】
Slaugh(米国特許第 3,239,566号)は、ロジウムまたはルテニウム含有触媒を用いてオレフィンをヒドロホルミル化することを教示している。バイメタル触媒系は教示されておらず、実施例は非官能化オレフィンに特定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
当分野では、特にアリルアルコールを用いる場合に、線状アルデヒドへの高い選択性を与えるヒドロホルミル化法が依然として欠けている。ヒドロホルミル化の間に失活する傾向が少なく、しかもまだ線状アルデヒドへの良好な選択性を与える触媒が必要とされている。
【0009】
本発明の目的は、アリルアルコールの改良されたヒドロホルミル化法を提供することである。もう一つの目的は、アリルアルコールのヒドロホルミル化において良好な活性と長い寿命を有し、しかも4−ヒドロキシブタナールへの高い選択性を与えるバイメタル触媒系を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は改良されたヒドロホルミル化法に関する。この方法は、アリルアルコールと水素と一酸化炭素を均一触媒系の存在下で反応させることから成っている。このバイメタル触媒系は、第VIII族金属カルボニル錯体触媒と三置換ホスフィンと中性第VIII(a)族金属錯体助触媒と、場合によりジホスフィノアルカン、を含む。この反応の生成物は線状対分枝モル比が約10:1より大であるアルデヒド混合物である。「バイメタル触媒系」であるため、この系に含まれる触媒と助触媒とは同一化合物ではない。
【0011】
本発明のバイメタル触媒系は、第VIII族金属カルボニル錯体、好ましくはロジウムヒドリドカルボニル錯体、例えばHRh(CO)(PPh3 )3 、三置換ホスフィンと、中性第VIII(a)族金属錯体助触媒、すなわち鉄、ルテニウムまたはオスミウムを含む中性錯体を含んでいる。「バイメタル触媒系」であるため、この系に含まれる触媒と助触媒とは同一化合物ではない。
【0012】
本発明の方法においては、アリルアルコールを、第VIII族金属カルボニル錯体触媒と三置換ホスフィンと中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒の存在下で、水素および一酸化炭素と反応させて、4−ヒドロキシブタナールと3−ヒドロキシ−2−メチルプロパナールの混合物を製造する。
【0013】
本発明の均一触媒系は第VIII族金属カルボニル錯体触媒を含有する。この触媒はカルボニル成分を含むか、あるいは一酸化炭素の存在下でカルボニル錯体に変換できるものである。第VIII族金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、およびカルボン酸塩が、水素および一酸化炭素との反応によりその場でカルボニル錯体に変換し得る化合物の例である。
【0014】
適当な第VIII族金属カルボニル錯体またはカルボニル錯体に変換し得る化合物の例としては、RhCl3 、RuCl3 、Rh(CO)2 Cl2 、Co2 (CO)8 、Rh6 (CO)16、Ru3 (CO)12、Fe3 (CO)12、HRh(CO)(PPh3 )3 、H2 Ru4 (CO)13、H2 Ru6 (CO)18、H2 PtCl6 、Rh4 (CO)12などと、これらの混合物があるが、これらに限定されない。ロジウム(I)錯体が好ましい。一般式HRh(CO)(PR3 )3 〔ここで、Rはアルキルまたはアリールである〕のロジウム錯体が特に好ましい。
【0015】
第VIII族金属カルボニル錯体触媒は、有機反応混合物中では約1ppm−約500ppmの範囲内の金属濃度で用いられる。より好ましい範囲は約60ppm−約200ppmである。
【0016】
過剰量の三置換ホスフィンは、触媒の寿命および4−ヒドロキシブタナールへの選択性を改良するために、触媒と共に用いられる。使用する三置換ホスフィンの割合は、第VIII族金属原子あたり約10−約500当量の範囲内である。より好ましい範囲は約50−約250当量である。本発明で用いるのに適した三置換ホスフィンとしては、トリアリールホスフィン、トリアリールホスフィット、アルキルジアリールホスフィンなどと、これらの混合物がある。特定の例はトリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリフェニルホスフィット、およびn−ブチルジフェニルホスフィンである。
【0017】
場合により、米国特許第 4,215,077号(Matsumoto ら)に詳述されるような、ジホスフィノアルカンが触媒系と共に使用される。ジホスフィノアルカンの使用は、しばしば第VIII族金属カルボニル錯体触媒の寿命を引き延ばす。本発明で用いるのに適したジホスフィノアルカンの例は米国特許第 4,215,077号に記載されるものであり、その教示内容を参照によりここにそのまま引用するものとする。
【0018】
ジホスフィノアルカンは任意の所望量で使用することができる。好ましくは、第VIII族金属カルボニル錯体触媒中の第VIII族金属原子あたり約0.2−2.5当量の範囲内の量が用いられる。より好ましい範囲は約0.25−約1.25当量である。
【0019】
触媒系はさらに中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒を含む。第VIII(a) 族金属は鉄とルテニウムとオスミウムである。中性金属錯体は、中心の金属とそのまわりのリガンドが中性化学種を形成する配位錯体のことである。このような化合物の例としては、RuCl3 、Ru3 (CO)12、H2 Ru4 (CO)13、Fe2 (CO)9 などがある。これらの中性錯体は、米国特許第 4,453,019号(第4欄、第31行以降)に記載されるタイプの陰イオン遷移金属錯体と区別されるべきである。陰イオン遷移金属錯体においては、中心の金属とそのまわりのリガンドが負の電荷を保有し、この負電荷は第IA族金属、第IIA 族金属または有機陽イオンの存在により釣り合っている。
【0020】
好ましくは、中性第VIII(a) 族金属錯体はカルボニル錯体であるか、または一酸化炭素/水素混合物の存在下で中性カルボニル錯体に容易に変換されるものである。
【0021】
本発明の中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒は水−安定性であることが好ましい。すなわち、好適な助触媒は、有機反応混合物を水抽出にさらすとき、その混合物から沈殿しないだろう。
【0022】
中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒は、好ましくは、第VIII族金属カルボニル触媒の量に対して過剰に使用される。用いる助触媒金属:触媒金属の相対的重量比は約1:1から約10:1の範囲内であることが好ましい。より好ましい範囲は約3:1から約6:1で、約4:1から約5:1の範囲が最も好ましい。助触媒金属は通常、反応混合物中に約1ppm−約5000ppmの範囲内の濃度で存在し、より好ましい範囲は約50ppm−約1000ppmである。
【0023】
本発明の方法は、一般的に、アリルアルコールと均一触媒系を含む有機溶液中に一酸化炭素と水素の混合ガスを供給することにより行われる。この方法は約25℃−約150℃の範囲の温度で行うことが好ましい。より好ましい範囲は約40℃−約80℃であり、約60℃−約70℃の範囲が最も好ましい。
【0024】
この系の全圧力は約30気圧より低いことが有利であり、特に約1−約3気圧の範囲が好適である。水素対一酸化炭素の分圧比は、好ましくは約1:15から約5:1の範囲であり、より好ましい範囲は約1:1から約4:1である。この方法では、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタンなどの不活性ガスを希釈用気体として用いることもできる。
【0025】
本発明の方法は、好ましくは、不活性有機溶媒の存在下で行われる。アリルアルコール、三置換ホスフィン、第VIII族金属カルボニル錯体触媒、および中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒は有機溶媒に少なくとも部分的に可溶性であるべきである。適当な溶媒としては、芳香族および脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン、エステルなどと、これらの混合物がある。適当な溶媒の特定例にはベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどが含まれる。トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素が好ましい。
【0026】
本発明の方法は、所望により、バッチ式で、半連続的に、または連続的に行うことができる。連続法が好ましい。
【0027】
アルデヒド生成物は反応混合物から蒸留、抽出などの慣用手段で回収できる。好ましくは、有機反応混合物を水で抽出してアルデヒドを単離する。水抽出を用いる場合は、有機溶媒として芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
【0028】
本発明の重要な利点は次の通りである:
【0029】
(1)生成物の混合物が著しく高い割合の線状アルデヒドを含む。アリルアルコールを4−ヒドロキシブタナールにヒドロホルミル化する慣用方法は、一般に約7:1またはそれ以下の線状:分枝(L:B)アルデヒド比をもたらす。本発明方法は例外的に約10:1より大きい、それどころか20:1より大きいL:B比を与える。このことは、4−ヒドロキシブタナールが一般に2種類のアルデヒド生成物のうちでより価値があると見なされているので、重要な利点である。
【0030】
(2)反応速度がしばしば中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒の存在により促進される。アリルアルコールのヒドロホルミル化は通常、120ppmのロジウムを用いて60℃でバッチ法で行うと、約4時間後に完了する。助触媒の存在により、この反応は本質的に2時間後に完了する。
【0031】
(3)反応混合物から触媒を回収して再循環させたときでさえ、触媒の活性は高いままである。4−ヒドロキシブタナールへの選択性は多数回の触媒の再循環を通して高いままである。
【0032】
【実施例】
以下の実施例は本発明を単に例示するものである。当業者は、本発明の精神および特許請求の範囲に含まれる数多くの変更を認めるであろう。
【0033】
アリルアルコールのヒドロホルミル化
一般方法
バッチ式ヒドロホルミル化は乾かしたガラス器具で行う。装置は機械的攪拌機、冷却器、熱電対、サンプル口およびガス入口を備えた500mLの5つ口丸底フラスコから成る。H2 /CO混合ガスを、フリット端部をもつガラス管を通して反応溶媒中に散布する。流出ガスはヒュームフードに排気する前にトルエントラップ(ドライアイス/イソプロパノール)とカーボントラップを通過させる。
【0034】
反応器にHRh(CO)(PPh3 )3 、助触媒(Fe2 (CO)9 またはRu3 (CO)12)、トリフェニルホスフィン、および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPB)を装填し、窒素で15分間フラッシュする。第二のジャケット付き丸底フラスコにトルエン(100mL)を入れ、この場合も窒素で15分間フラッシュする。トルエンを反応器にカニューレで移す。反応器において、H2 /CO混合ガスの流れを開始する。第二の丸底フラスコにトルエン(100mL)とアリルアルコール(24mL)を再度入れ、窒素でパージする。両フラスコの内容物を60℃に加熱する。反応温度に達したら、アリルアルコールの溶液をカニューレで反応器にすばやく移す。移し終えた時点を反応の開始時点とする。サンプルを定期的に抜き取って、ガスクロマトグラフィーで分析して生成物の組成を決定する。反応は4時間後に終了する。
【0035】
実施例1−10
上記の一般方法を使って、アリルアルコールをヒドロホルミル化する。実施例1−10の結果を表1に示す。本発明の実施例(実施例2−8および10)では、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPB)を存在させて、または存在させないで、助触媒として鉄ノナカルボニルを使用する。鉄助触媒の存在は有益な効果をもたらす:すなわち、反応速度が増加し、最も重要なこととして、線状アルデヒドへの選択性が向上する。選択性の向上はDPBが存在しても存在しなくても起こる(実施例C1および3を実施例C9および10と比較されたい)。線状生成物への選択性は、ロジウム濃度が33%まで低下するときにも、高いままである(実施例4と8を比較されたい)。線状アルデヒドに対する高い選択性は注目に値し、価値がある。なぜなら、商業的に重要なHRh(CO)(PPh3 )3 /トリフェニルホスフィン/DPB触媒系を用いた場合に、約7:1より大きい線状:分枝(L:B)比がこれまで立証されていないからである。
【0036】
【表1】
Figure 0003556686
【0037】
表1の注
1 標準条件: 24mLアリルアルコール; 200mL トルエン; 1.0mM HRh(CO)(PPh3)3; 130mM トリフェニルホスフィン; 1.0mM DPB; H2/CO=3:1; 反応時間: 240 分; 温度: 60℃
2 DPB − 1,4−ビス( ジフェニルホスフィノ) ブタン
3 ガスクロマトグラフィーにより判明した線状:分枝アルデヒドの比
4 0.83mM HRh(CO)(PPh3)3; 108mMトリフェニルホスフィン; 0.83mM DPB
5 0.67mM HRh(CO)(PPh3)3; 86.7mM トリフェニルホスフィン; 0.67mM DPB
C −− 比較例を示す
【0038】
実施例11−11F
上記の一般方法を使って、アリルアルコールをヒドロホルミル化する。4時間の反応後、触媒混合物を回収し、アリルアルコールの新しいバッチをヒドロホルミル化するために再使用する。同一触媒(Fe2 (CO)9 の添加により改質した通常のロジウム触媒)を用いた6つの連続した再循環実験からの結果を表2に示す。触媒活性は良好なままである。線状アルデヒドへの選択性は高いままであり(L/B=10−20)、それどころか再循環の場合でもやや向上する。かくして、DPBの触媒寿命延長効果は維持されるが、線状アルデヒドへの選択性は鉄助触媒の非存在下での選択性よりも高い。
【0039】
【表2】
Figure 0003556686
【0040】
表2の注
1 標準条件: 24mLアリルアルコール; 200mL トルエン; 1.0mM HRh(CO)(PPh3)3; 130mM トリフェニルホスフィン; 1.0mM DPB; H2/CO=3:1; 反応時間: 240 分; 温度: 60℃
2 DPB − 1,4−ビス( ジフェニルホスフィノ) ブタン
3 ガスクロマトグラフィーにより判明した線状:分枝アルデヒドの比
4 実験11A−11F は再循環触媒を用いた連続実験である
【0041】
実施例12−12F
上記の一般方法を使って、アリルアルコールをヒドロホルミル化する。ロジウム触媒はRu3 (CO)12の添加により改質する。実施例12−12Fにおいては助触媒としてRu3 (CO)12を用いている。4時間の反応後、触媒を回収し、アリルアルコールの新しいバッチをヒドロホルミル化するために再使用する。同一触媒を用いた6つの連続した再循環実験からの結果を表3に示す。触媒活性は良好なままであり。線状アルデヒドへの選択性も高いままである(L/B=10ー13)。これらの結果は、助触媒としてFe2 (CO)9 を用いる実施例11−11Fからの結果に匹敵する。
【0042】
実施例13−13B
実施例12−12Fの手順に従うが、DPBを除く。良好な触媒活性と線状 アルデヒドへの高い選択性(L/B=15ー17)が2つの再循環実験を通して観察される。結果を表3に示す。実施例13−13Bにおいても、表3に示すように、助触媒としてRu3 (CO)12を用いている。
【0043】
【表3】
Figure 0003556686
【0044】
表3の注
1 標準条件: 24mLアリルアルコール; 200mL トルエン; 1.0mM HRh(CO)(PPh3)3; 130mM トリフェニルホスフィン; 1.0mM DPB; H2/CO=3:1; 反応時間: 240 分; 温度: 60℃
2 DPB − 1,4−ビス( ジフェニルホスフィノ) ブタン
3 ガスクロマトグラフィーにより判明した線状:分枝アルデヒドの比
4 実験12A−12F および13A−13B は再循環触媒を用いた連続実験である
【0045】
【発明の効果】
要するに、通常の第VIII族金属カルボニル錯体と三置換ホスフィンと中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒と、場合によりジホスフィノアルカン、の存在下でアリルアルコールをヒドロホルミル化すると、中性第VIII(a) 族金属錯体助触媒の非存在下での同一実験と比較して、反応速度の増加、満足のゆく触媒寿命、および線状アルデヒドへの著しく高い選択性が得られる。
【0046】
前述の実施例は単なる例示を表し、本発明の範囲および境界は特許請求の範囲によって定められるものとする。

Claims (20)

  1. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒、三置換ホスフィン、および中性第VIII(a)族金属錯体助触媒を含む均一バイメタル触媒系の存在下で、アリルアルコールと水素と一酸化炭素を反応させて、4−ヒドロキシブタナール対3−ヒドロキシ−2−メチルプロパナールのモル比が約10:1より大であるアルデヒド生成物の混合物を製造することから成るヒドロホルミル化法。
  2. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒がロジウムを含む、請求項1の方法。
  3. 中性第VIII(a)族金属錯体助触媒Fe2 (CO)9 およびRu3 (CO)12より成る群から選ばれる、請求項1の方法。
  4. 触媒系がジホスフィノアルカンを含む、請求項1の方法。
  5. ジホスフィノアルカンが1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである、請求項4の方法。
  6. 約25℃−約150℃の範囲の温度で該方法を行う、請求項1の方法。
  7. ロジウムカルボニル錯体触媒、三置換ホスフィン、および中性第VIII(a)族金属錯体助触媒を含む均一触媒系の存在下で、アリルアルコールと水素と一酸化炭素を反応させて、4−ヒドロキシブタナール対3−ヒドロキシ−2−メチルプロパナールのモル比が約10:1より大であるアルデヒド生成物の混合物を製造することから成るヒドロホルミル化法。
  8. 中性第VIII(a)族金属錯体助触媒がFe2 (CO)9 およびRu3 (CO)12より成る群から選ばれる、請求項7の方法。
  9. 触媒系がジホスフィノアルカンを含む、請求項7の方法。
  10. ジホスフィノアルカンが1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである、請求項9の方法。
  11. 約25℃−約150℃の範囲の温度で該方法を行う、請求項7の方法。
  12. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒、三置換ホスフィン、および触媒系をアリルアルコールのヒドロホルミル化に用いるとき線状:分枝アルデヒド生成物の比を高めるのに効果的な量の中性第VIII(a)族金属錯体助触媒を含む有機溶液から成るバイメタル触媒系。
  13. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒がロジウムを含む、請求項12のバイメタル触媒系。
  14. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒がHRh(CO)(PPh3 )3 である、請求項12のバイメタル触媒系。
  15. 中性第VIII(a)族金属錯体助触媒がFe2 (CO)9 およびRu3 (CO)12より成る群から選ばれる、請求項12のバイメタル触媒系。
  16. 第VIII族金属カルボニル錯体触媒対中性第VIII(a)族金属錯体助触媒のモル%比が約1:1から約10:1の範囲内である、請求項12のバイメタル触媒系。
  17. 触媒系がジホスフィノアルカンを含む、請求項12のバイメタル触媒系。
  18. ジホスフィノアルカンが1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである、請求項17のバイメタル触媒系。
  19. HRh(CO)(PPh3 )3 、三置換ホスフィン、および触媒系をアリルアルコールのヒドロホルミル化に用いるとき線状:分枝アルデヒド生成物の比を高めるのに効果的な量の中性第VIII(a)族金属錯体助触媒を含む芳香族炭化水素溶液から成るバイメタル触媒系。
  20. 中性第VIII(a)族金属錯体助触媒がFe2 (CO)9 およびRu3 (CO)12より成る群から選ばれる、請求項19のバイメタル触媒系。
JP14441293A 1992-07-20 1993-05-25 ヒドロホルミル化法およびそのためのバイメタル触媒 Expired - Fee Related JP3556686B2 (ja)

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