JP3557500B2 - 自動車用ドアライニング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員保護の観点から側突時の衝撃緩和対策を図る自動車用ドアライニングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用ドアライニングはライニング基板と表皮材との積層成形体でなるライニング本体を備えて形成されている。そのライニング本体には、図5で示すようにアームレスト部Aやプルポケット部P等が設けられている。
【0003】
そのライニング本体は、ライニング基板が2.5〜3.0mm程度の均一な板厚を有し、積層成形体として独自の剛性を持つよう形成されている。また、アームレスト部Aやプルポケット部P等がリブ的な機能を発揮することから、ライニング本体は乗員の荷重に対抗可能な剛性を持つ構造体として形成されている。
【0004】
そのライニング本体の剛性は、側突時の衝撃緩和対策から鑑みると好ましくない。特に、アームレスト部Aの成形部位は構造上剛性が高く、乗員が衝接し易い側部に位置するところから側突時の衝撃緩和対策を図る必要がある。
【0005】
従来、その側突時の衝撃緩和対策は、図6で示すようにV字またはU字状のノッチNをライニング基板Pの内面側でアームレスト部Aの膨出基部相当部分並びに前角部相当部分に沿ってライン状に刻設することにより図られている。このノッチNによると、破壊強度は低下するものの、耐寒衝撃による応力が当該部に局部的に集中し、ライニング基板が割れ易くなるところから商品性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、側突時の衝撃緩和対策を簡単な構造の変更で図れ、また、耐寒衝撃による応力が局部的に集中しないよう改良した自動車用ドアライニングを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る自動車用ドアライニングにおいては、ライニング基板と表皮材との積層成形体でなるライニング本体を有し、アームレスト部がライニング本体と一体に設けられるもので、アームレスト部の上方に連続する立壁部の下部寄り相当部分からアームレスト部の前角部相当部分までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成すると共に、立壁部の下部寄り相当部分を肉厚の徐々に薄くなる徐変区域として形成することにより構成されている。
【0008】
本発明の請求項2に係る自動車用ドアライニングにおいては、ライニング基板と表皮材との積層成形体でなり、且つ、別体のアッパー側とロアー側とから組み立てられるライニング本体を有し、アームレスト部がアッパー側と一体に設けられるもので、アームレスト部の上方に連続する立壁部の下部寄り相当部分からアームレスト部の前角部相当部分までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成すると共に、アッパー側の下フランジ部を背後より支持するロアー側の上フランジ部を肉厚の薄い脆弱部として形成することにより構成されている。
【0009】
本発明の請求項3に係る自動車用ドアライニングにおいては、ライニング基板と表皮材との積層成形体でなるライニング本体を有し、アームレスト部がライニング本体と一体に設けられ、別体のプルポケット部がアームレスト部の上面部に嵌込み固定されるもので、アームレスト部の上方に連続する立壁部の下部寄り相当部分からアームレスト部の前角部相当部分までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成すると共に、プルポケット部の張出しフランジ部を支持するアームレスト部の開口フランジ部を肉厚の薄い脆弱部として形成することにより構成されている。
【0010】
【作用】
本発明の請求項1に係る自動車用ドアライニングでは、側突に伴ってドアパネルが車内側に迫り出しまたは乗員が横揺れすることにより、乗員がドアライニングに衝接することがあっても、乗員が衝接し易いアームレスト部を含む立壁部の下部寄り相当部分の広い面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成するため、乗員の衝撃緩和対策を適確に図れる。それと共に、立壁部の下部寄り相当部分を肉厚の徐々に薄くなる徐変区域として形成することから、脆弱部を広い面積区域に設けても、アームレスト部を含む周辺の剛性を適度に保てる。
【0011】
本発明の請求項2に係る自動車用ドアライニングでは、ライニング本体をアッパー側とロアー側とから組み立てても、アームレスト部を含む立壁部の下部寄り相当部分の広い面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成すると共に、ロアー側の下フランジ部を脆弱部として形成することにより、衝撃に伴ってライニング本体が両者間で容易に崩れてアームレスト部の陥没変形を助長することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る自動車用ドアライニングでは、別体のプルポケット部をアームレスト部に装備しても、アームレスト部を含む立壁部の下部寄り相当部分の広い面積区域を肉厚の薄い脆弱部として形成すると共に、プルポケット部の張出しフランジ部を支持するアームレスト部の開口フランジ部を脆弱部として形成するから、プルポケット部を含むアームレスト部の周辺構造においても剛性を低減することができる。
【0013】
それに加えて、いずれのものも、アームレスト部の面積区域が膨出形成されていることもあって、当該部位が深く陥没し或いは崩れることにより衝撃を効果的に緩和できる。また、肉厚を薄くすることによる脆弱部が少なくともアームレスト部の広い面積区域に設けられていることから、耐寒衝撃による応力がライニング基板の局部に集中せず、ライニング本体は商品形態を維持できる。この脆弱部は、ライニング基板をインジェクション成形する際に容易に形成できて材料費を削減できると共に、ライニング本体の軽量化も図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜4を参照して説明すれば、図1で示す自動車用ドアライニングはライニング本体1がライニング基板1aと表皮材1bとの積層成形体で形成されている。ライニング基板1aは、ABS樹脂またはポリプロピレン樹脂等をインジェクション成形することにより形成されている。
【0015】
表皮材1bとしては、ポリ塩化ビニルとポリプロピレンフォーム(PPF)との積層材や熱可塑性エラストマー(TPE)とPPFとの積層材或いはTPE,オレフィン系樹脂やABS樹脂等の樹脂シートまたは布地等を用いることができる。この表皮材1bは、真空成形等でライニング基板1aに積層被着するようにできる。
【0016】
その自動車用ドアライニングは、アッパー側10とロアー側11とを組み合せることによりライニング本体1が形成されている。アッパー側10には、アームレスト部12が長手方向を自動車用ドアライニングの前後方向に位置させて一体に膨出成形されている。このアームレスト部12には、プルポケット部13が上面部に設けた開口部(図示せず)で嵌込み固定することにより備え付けられている。
【0017】
その自動車用ドアライニングにおいては、衝撃緩和対策が側突に伴って乗員の衝接し易いアームレスト部12の成形部位において図られている。この衝撃緩和対策としては、図2で示すように2.5〜3mm程度の肉厚に形成されるライニング本体1の一般部t1よりもライニング基板1aの肉厚を相対的に薄くした脆弱部2で図られている。その脆弱部2は、ライニング基板1aをインジェクション成形する際に同時に型成形することができる。
【0018】
脆弱部2はドアアームレスト部12の上面相当部分t2と、アームレスト部12の上方に連続する立壁部14の下部寄り相当部t3と、アームレスト部12の前角部相当部分t4との面積区域に亘るよう設けられている。この脆弱部2は、アームレスト部12の長手方向全幅に亘るよう形成されている。
【0019】
その各部のうち、アームレスト部12の上面相当部分t2から前角部相当部分t4までは1.5mm程度の肉厚に形成されている。また、立壁部14の下部寄り相当部分t3は2.5mm程度の肉厚を有する一般部t1から1.5mm程度の肉厚になるアームレスト部12の上面相当部分t2に向けて肉厚を徐々に薄くした徐変区域wとして形成されている。
【0020】
この自動車用ドアライニングは、アンカークリップ等の止め具をドアパネルと相対する内面側に備え、その止め具をドアインナーパネルに設けられる嵌込み穴に圧入嵌着することによりドアパネルの内装部材として取付固定するようにできる。このドアライニングの取付状態では、脆弱部2がドアパネルと相対するドアライニング本体1の内面側に位置する。
【0021】
その自動車用ドアライニングにおいては、側突に伴ってはライニング本体1が車内側に迫り出し或いは乗員が横揺れすることによりライニング本体1に当っても、アームレスト部12が立壁部14の下部寄り相当部分t3と前角部相当部分t4との間の脆弱部2で容易に撓んで陥没変形し或いは崩れるようになる。これと共に、アームレスト部12が大きく膨出成形されているため、アームレスト部12はある程度のストロークを持って陥没変形し或いは崩れることにより乗員に加わる衝撃を十分に緩衝することができる。
【0022】
その自動車用ドアライニングにおいては、脆弱部2が広い面積区域に設けられているため、耐寒衝撃に伴う圧力が局部的に集中しないことにより割れがライニング基板1aに生ずるのも防げる。これに加えて、立壁部14の下部寄り相当部分t3が肉厚の徐々に薄くなる徐変区域wとして形成されているから、脆弱部2を広い面積区域に設けても、アームレスト部12を含む周辺の剛性を適度に保つことができる。
【0023】
上述したライニング本体1を別体のアッパー側10とロアー側11とから組み立てるものでは、図2で示す如く脆弱部2の他に、アッパー側10の下フランジ部10aを背後より支持するロアー側11の上フランジ部11aも脆弱部3として形成するとよい。この脆弱部3を設けると、側突に伴ってアッパー側10がロアー側11から容易に外れることから、アームレスト部12の陥没変形を助長するようにできる。
【0024】
プルポケット部13を装備するものでは、図3,4で示すようにプルポケット部13の張出しフランジ部13a,13bを支持するアームレスト部12の開口フランジ部12a,12bを脆弱部4,5として形成するとよい。その脆弱部4,5を設けると、プルポケット部13を含むアームレスト部12の周辺構造においても剛性を低減するようにできる。
【0025】
そのアームレスト部12においては、図3で示す如く一般部t1を2.5mm程度の肉厚に形成すると、側部t5を2.0mm程度の肉厚とし、上面相当部分t2(図4で示す上面相当部分t2も同厚み)を1.5mm程度の肉厚とし、開口フランジ部12a(図4で示す開口フランジ部12bも同厚み)を1.0mm程度の肉厚に形成するとよい。
【0026】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る自動車用ドアライニングに依れば、ライニング本体の一般部に対して少なくともアームレスト部を含む面積区域を50〜60%程度薄肉の脆弱部として形成することから、側突に伴ってアームレスト部が容易に陥没変形し或いは構造崩れを生ずることにより衝撃を確実に緩和できる。それと共に、耐寒衝撃による応力が局部的に集中するのを防げ、応力集中による割れがライニング基板に生ずることもないから商品性を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用ドアライニングの基本構造を示す説明図である。
【図2】図1の自動車用ドアライニングをA−A線部分で示す部分断面図である。
【図3】図1の自動車用ドアライニングをB−B線部分で示す部分断面図である。
【図4】図1の自動車用ドアライニングをC−C線部分で示す断面図である。
【図5】一般例に係る自動車用ドアライニングの全体構造を示す説明図である。
【図6】従来例に係る自動車用ドアライニングを示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ライニング本体
10 ライニング本体のアッパー側
10a アッパー側の下フランジ部
11 ライニング本体のロアー側
11a ロアー側の上フランジ部
12 アームレスト部
12a,12b アームレスト部の開口フランジ部
13 プルポケット部
14 ライニング本体の立壁部
2、3、4、5 脆弱部
w 肉厚の徐変区域
t1 ライニング本体の一般部
t2 アームレスト部の上面相当部分
t3 立壁部の下部寄り相当部分
t4 アームレスト部の前角部相当部分
Claims (3)
- ライニング基板(1a)と表皮材(1b)との積層成形体でなるライニング本体(1)を有し、アームレスト部(12)がライニング本体(1)と一体に設けられる自動車用ドアライニングにおいて、アームレスト部(12)の上方に連続する立壁部(14)の下部寄り相当部分(t3)からアームレスト部(12)の前角部相当部分(t4)までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部(2)として形成すると共に、立壁部(14)の下部寄り相当部分(t3)を肉厚の徐々に薄くなる徐変区域(w)として形成したことを特徴とする自動車用ドアライニング。
- ライニング基板(1a)と表皮材(1b)との積層成形体でなり、且つ、別体のアッパー側(10)とロアー側(11)とから組み立てられるライニング本体(1)を有し、アームレスト部(12)がアッパー側(10)と一体に設けられる自動車用ドアライニングにおいて、アームレスト部(12)の上方に連続する立壁部(14)の下部寄り相当部分(t3)からアームレスト部(12)の前角部相当部分(t4)までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部(2)として形成すると共に、アッパー側(10)の下フランジ部(10a)を背後より支持するロアー側(11)の上フランジ部(11a)を肉厚の薄い脆弱部(3)として形成したことを特徴とする自動車用ドアライニング。
- ライニング基板(1a)と表皮材(1b)との積層成形体でなるライニング本体(1)を有し、アームレスト部(12)がライニング本体(1)と一体に設けられ、別体のプルポケット部(13)がアームレスト部(12)の上面部に嵌込み固定される自動車用ドアライニングにおいて、アームレスト部(12)の上方に連続する立壁部(14)の下部寄り相当部分(t3)からアームレスト部(12)の前角部相当部分(t4)までの面積区域を肉厚の薄い脆弱部(2)として形成すると共に、プルポケット部(13)の張出しフランジ部(13a,13b)を支持するアームレスト部(12)の開口フランジ部(12a,12b)を肉厚の薄い脆弱部(4,5)として形成したことを特徴とする自動車用ドアライニング。
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| JPH0825967A JPH0825967A (ja) | 1996-01-30 |
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Cited By (1)
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|---|---|---|---|---|
| CN102673489A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-09-19 | 力帆实业(集团)股份有限公司 | 轿车车门内饰板 |
-
1994
- 1994-07-11 JP JP18178394A patent/JP3557500B2/ja not_active Expired - Lifetime
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