JP3602143B2 - 液体のカプセル封入方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、熱可塑性材料の連続不浸透性被膜内に液体をカプセル封入する方法に関する。特に、本発明は、非常に薄い不浸透性被覆物を達成できる揮発性液体のカプセル封入方法に関する。
発明の背景
液体をカプセル封入して粒状固体を作ることは、皿乾燥(pan drying)または溶射被覆(spray coating)によってよく行われる。しなしながら、普通、揮発性液体はその不安定(fugitive)な性質のために、そのような簡単な方法でカプセル封入することはできない。従って、この機能を、まず揮発性物質を固体吸着剤の上に吸着し、そしてその揮発性吸着物を含有する吸着剤をカプセル封入することによって行うことがしばしば必要になる。しかし、そのような方法でよく直面する問題は、均一でしかも厚くなりすぎないという両方を満足させる確実に連続的な被膜でその吸着剤をどのようにカプセル封入するかということであった。勿論、そのような被膜は、予め選択した処理条件で容易に、しかも均一に溶解除去または溶融除去できるように比較的薄いということが好ましい。
発明の概要
本発明は、揮発性液体のカプセル封入に特に有利な改良された液体のカプセル封入法を対象とする。従って、本発明は、
(1)予め選択した温度で吸着剤の重量の20%より高いレベルまで揮発性液体を吸着する能力を有する微粉砕した固体吸着剤粒子を提供するステップと;
(2)連続的に撹拌しながら、吸着剤重量の20%を超える量の液体を固体吸着剤粒子と混合して、実質的にすべての揮発性液体をその粒子の上に吸着させ、その間に混合物はペーストコンシステンシーを得ることができるステップと;
(3)揮発性液体の添加の完了時に、その液体を完全に吸着し、吸着物質含有粒子を易流動性の粉末コンシステンシーに転換するのに必要なほどの充分な時間にわたって粒子の撹拌を続けるステップと;
(4)吸着剤粒子の温度を、熱可塑性被覆材の融点より低いレベルに維持しながら、吸着剤粒子の撹拌を続け、それによって易流動性の粉末の表面が繰り返し露出され、吸着剤粒子の露出された表面上に、(a)その上に連続被覆物を形成するに充分な総量で、(b)その粒子が流動性のままにするような速度で、(c)次の噴霧の前にその粒子上の被覆材を固化させるに充分な粒子温度および噴霧サイクルの時間間隔で、溶融した熱可塑性被覆材を複数のステップで断続的に噴霧するステップと
の一連のステップを含む方法に関する。
発明の詳細な説明
A.吸着剤
吸着物および被覆材に対して化学的に不活性であり、しかも使用される揮発性液体を吸着剤重量の少なくとも20%吸着する能力を有する限り、広範な種類の固体吸着剤物質が使用可能である。特に、固体吸着剤は、室温(ambient temperature)条件およびそのような固体を吸着物と混合するときに遭遇する温度において、その程度の吸着が可能でなければならない。吸着剤は、どのような揮発性液体が選ばれても、吸着剤重量の少なくとも50%吸着できることが好ましい。これらの吸着剤は、その粒子が250標準メッシュの網目を通過でき、かつさらにより好ましくは300標準メッシュの網目を通過できる粒状の粉末コンシステンシーを有することもまた好ましい。そのような吸着剤物質には、非晶質シリカ、シリカゲル、各種粘土、デンプン、粉砕したトウモロコシの穂軸、大豆タンパク質、小麦粉、マルトデキストリン、樹枝状塩(dendritic salt)および食物繊維が含まれる。その吸着能が高い(その重量の1〜2倍)ため、非晶質シリカが本発明での使用に関して特に好ましい。
B.吸着物
本発明の方法に従って、非常に多くの種類の材料をカプセル封入することができる。しかしながら、本発明は、揮発性物質に関して最も好都合であることが分かってきた。ここで使用される、「揮発性液体」という用語は、貯蔵、処理および取り扱い中にさらされるどんな条件でも200mmHg(266.6Pa)以上の蒸気圧を持つ液体のことをいう。吸着剤の論議のなかですでに記載したように、本発明で使用できる液体は、揮発性であろうとなかろうと、一緒に使用される吸着剤に対して化学的に不活性でなければならない。本発明が特に有利である重要な種類の吸着物は香味物質(flavoring material)である。香味物質は、揮発性化合物またはその混合物であることが多い。そのような物質には、ジアセチル(バター香味)、桂皮油、スモーク香味、およびそれ自体は揮発性ではなくてもよい各種香味料のアルコール溶液が含まれる。
C.不浸透性被覆材
本発明で使用するのに適した被覆材は熱可塑性でなければならず、かつ下にある吸着剤および吸着物に対して不活性でなければならない。例えば、石油ワックスはこの方法でしばしば使用される。大豆油、綿実油などの硬化植物油も同じくしばしば使用される。その他の被覆材には、モノ−およびジ−グリセリド、蜜蝋、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス、ひまわり油、有機酸、合成ワックス、硬化ひまし油、ワニス樹脂、ラッカーおよびポリビニルアルコール、硬化獣脂および獣脂、置換蜜蝋、合成パラフィンワックス、硬化綿実油、ステアリン酸エステル、グリセラルトリステアリン酸エステル、結晶性ポリエチレン、セラックおよびポリエチレングリコールが含まれる。吸着物が食品用途に使用される場合、吸着剤および不浸透被覆材の両方とも人間が消費しても安全でなければならないことは認識されるだろう。米国では、米国食品医薬品局の適切な規則に対応しなければならない。
本発明の上述の方法で最初にカプセル封入されたそれらの粒子に1つ以上の追加の被覆材を付着できることは当業者には理解されるだろう。そのような追加被膜の連続性が重要でない状況では、追加の被覆材は単一の噴霧ステップで付着することができる。しかし、もし次の被膜の厚さを制限することおよび/またはより良好な厚さの均一性と連続性を得ることが望まれる場合は、最初の熱可塑性被覆の方法による複数の噴霧ステップで、第2の被覆材を付着できる。大部分の用途では、溶融した熱可塑性被覆材を噴霧することによって被覆するが、被覆材溶液を同じ方法で噴霧できることが理解されるだろう。その場合、噴霧速度および噴霧ステップの間隔は、その溶媒を完全に蒸発させるように調整することが必要になる。
D.操作変動要因
本発明の重要な態様は、カプセル封入は最終製品が粉末コンシステンシーであり、ペースト状のまたは半固体のコンシステンシーを有する塊を含まないような方法で実施しなければならないということである。この目的は、液体が付着される際の速度を調整することによって両噴霧ステップ中に達成される。こうして、もしその混合物が、揮発性物質を吸着剤の上に噴霧している間に、塊になったりまたはペースト状になる場合は、混合を継続しながら液体添加の速度を遅くするか、または液体添加を短時間停止することにより、その混合物を易流動性の粉末コンシステンシーに戻すことができる。同時に、吸着した揮発性物質を含有する吸着剤の上に熱可塑性被膜を噴霧している間に、その問題を同じ方法で取り扱うことができる。
本発明の方法を、液−固システムに使われる通常の混合装置で容易に行うことができる。一般に、固定タンク混合機、せん断棒混合機、らせん羽根混合機、およびダブルアーム混練混合機などのバッチ混合装置を使用できる。シグマミキサーなどのダブルアーム混合機が本発明の実施には特に満足できるものであることが分かった。せん断速度を調節すれば、そのような混合機で完全で均一な混合を行うことができる。なお羽根の間隔を調節して、微粉砕された粒子の破壊を避けることができる。
前述のような混合プロセスの監視が必要なので、混合されている物質の物理的状態を視覚的に観察することができ、必要に応じて断続的添加ができる混合機を採用することが好ましい。
揮発性物質の損失を最小にしながら、吸着剤の細孔に高度の吸着を行うためには、初期の吸着ステップを比較的低温で行うことが好ましい。一般に、冷却する必要はなく、通常は室温で吸着を行うことができる。すでに述べたように、熱可塑性コーティングの付着を始める前に吸着剤/吸着物の混合物が易流動性の粉末形態を維持するために、どれだけの量の揮発性物質が吸着剤に添加されても、それが完全に吸着されるということが重要である。
熱可塑性被覆材を吸着剤/吸着物の粒子に塗布する噴霧ステップは、その被覆材が融点以上に加熱されて、溶融形態で吸着剤の上に噴霧されるような方法で実施される。同時に、粒子上に噴霧された被覆材がすぐに固化するためには、吸着剤基体の温度は、その熱可塑性被覆材の融点より低く維持されなければならない。こうして、被覆材は吸着剤の上に、薄い被膜が付着され吸着剤との接触によって次の被覆ステップの前に急速に固化する複数の噴霧ステップで噴霧される。被覆材の急速な固化を得るためには、溶射被覆中の吸着剤粒子の温度は、溶融被覆材の溶融温度よりも少なくとも華氏5度(2.8℃)低いことが好ましい。しかしながら、被覆材があまりにも速く結晶化しないために、噴霧液と基体との温度差が華氏20度(11.1℃)を超えないことも好ましい。多くの例では、華氏10度(5.6℃)の温度差が最適であった。さらに、その混合物が、液体の添加中にペーストコンシステンシーに戻ろうとする傾向を低減するために、混合ステップの温度を低く維持することが好ましい。
驚くべきことには、噴霧ステップを実施する上での重要な変動要因は、噴霧液の液滴の大きさであるということが分かってきた。特に、もしも液滴の平均的大きさが大きすぎると、すなわち約750マイクロメートルを超えると、粒子の凝集が過度になる。一方、液滴の平均的大きさが小さすぎる場合は、すなわち、100マイクロメートル未満の場合は、粒子群への液滴の浸透が不充分になる。液滴の平均サイズは、200〜400マイクロメートルが好ましい。
所定の噴霧ノズルで噴霧ステップを実施する場合、液滴の大きさはノズルの圧力に直接関係する。次のデータがこのことを示している。
Figure 0003602143
熱可塑性被覆物の厚さは、勿論、どれだけ多くの被覆材が基体吸着剤の上に噴霧されるかの直接的な関数である。被覆された吸着剤を易流動性の形態で保持できるようにするために、被覆材が、吸着剤の重量の約50%未満を構成しなければならないということを見出している。しかし、被膜が連続していることを確実にするには、少なくとも5重量%のコーティングが必要である。さらに、被覆材の量は吸着剤重量の20〜40%を構成することがより好ましい。多くの例で、被覆材の最適量は25〜30重量%であることが見出されている。
薄い被覆を塗布した場合に、熱可塑性物質の被覆の連続性を確実にするために、最初のコーティング方法を少なくとも2回、好ましくは3回のステップで実施することが必要である。コーティング操作を4回あるいは5回以上のステップで実施することが必要である、または有利であるということは未だ見出されていない
上述したように、噴霧ステップ間の時間は、被覆材が固化するに充分であるべきである。一般的には、各噴霧サイクルは、冷却を容易にするために噴霧サイクル間に約5分の間隔をおいて、10〜15秒の持続時間である。
実施例
実施例1:
この実施例では、ジアセチルバター香味料を、パラフィンワックスの被覆材中にカプセル封入した。その製品は、電子レンジ調理されるポップコーンと一緒に使用することを目的としたもので、華氏150度(66℃)を超えるがコーンがはじける温度以下の温度で香味料を放出させるように設計された。詳細には、Syloid 74(メリーランド州ボルチモアにあるW.R.Grace & Co.社のDavison Chemical Division製の合成非晶質シリカ)402gをジアセチルの液体198gと混合して、そのシリカの上にそのジアセチルを吸着させた。この液を添加中、その混合物はコンシステンシーがペースト状になったが、ジアセチルの添加終了後も混合を続けるにつれて粉末コンシステンシーを回復した。その後、吸着されたジアセチルを含有するその吸着剤を、混合しかつ35℃に加熱しながら、蓋をしたジャケット付きのシグマミキサーに入れた。羽根の速度は70rpmであった。加熱している間に、Shell 650パラフィンワックス(テキサス州ヒューストンのShell Chemical Company)320gを80℃に加熱して溶融させた。吸着剤と吸着されたジアセチルを含むシグマミキサーを中間速度で回転させながら、そのワックスを3回の同一の噴霧ステップで添加して、吸着剤に被覆した。0.76mmのオリフィスを有する低圧噴霧ノズルを使用した。ワックス添加の間の時間間隔を、その前のステップで添加されたワックスが完全に固化して連続した被膜を形成するように設定した。混合物が噴霧ステップ中ずっと粉末コンシステンシーを保持できるように噴霧速度を制御した。混合を続けながら、粒子上への3回のワックス噴霧の終了時に、完全に硬化した大豆油(テネシー州メンフィスのKraft Food Ingredientsの低IV大豆油フレーク)80gの第2の被覆材をその粒子上に1回で噴霧した。その硬化大豆油を付着した後、粉状混合物をふるいにかけて、製品塊は全て除去した。それからふるいにかけた粉末を包装した。除いた塊は第2の被覆ステップにリサイクルした。
この方法で作った製品は、60℃で4時間までジアセチルを保持することが可能であり、電子レンジ(microwave)で加熱する場合、66℃を超える温度で香味物質を放出する。5%の湿度を含んだはじけていないポップコーンと接触した状態での、このカプセル封入製品の貯蔵寿命は少なくとも3ヶ月である。
次に上述の製品について、湿度および熱の両安定性試験を行った。湿度安定性試験では、製品25mgをSuper Wesson Oil(部分的に硬化した植物油)1.0gと混合し、華氏120度(49℃)で3時間露出した。その後、それを亜硝酸ナトリウムの上で、室温における相対湿度65%で21日間保持した。その製品は、少なくとも、そのジアセチル含有量の31重量%を保持した。
熱安定性試験では、製品25mgを硬化植物油1.0gと混合して49℃に6時間保った。その間、その製品はそのジアセチル含有量の90重量%以上を保持した。遊離のジアセチルをその硬化植物油と混合し同じ条件にさらした場合、ジアセチルの約10重量%が保持されたに過ぎなかった。これらの試験の結果、本発明の製品は長期間の貯蔵保存中に全く安定であることが明らかになった。

Claims (16)

  1. 揮発性液体を熱可塑性材料の連続的な不浸透性被膜内にカプセル封入する方法であって、
    (1)室温において吸着剤の重量の20%より高いレベルまで揮発性液体を吸着する能力を有する固体吸着剤の微粉砕した粒子を提供するステップと;
    (2)固定タンク混合機、せん断棒混合機、らせん羽根混合機および2枚羽根混合機から選択されたバッチ混合装置を使用して連続的に撹拌しながら、前記吸着剤重量の20%を超える量の揮発性液体を前記固体吸着剤粒子と混合して、実質的にすべての前記揮発性液体を前記粒子上に吸着させ、その間にその混合物はペーストコンシステンシーを得ることができるステップと;
    (3)揮発性液体の添加完了時に、前記吸着物を含有する粒子を易流動性の粉末コンシステンシーに転換するのに必要なほどの、充分な時間にわたって前記粒子の撹拌を続けるステップと、
    (4)前記吸着剤粒子の温度を、熱可塑性被覆材の融点より低いレベルに維持しながら、前記吸着剤粒子の撹拌をさらに続け、それによって前記易流動性の粉末の表面が繰り返し露出され、(a)その上に連続的な被膜を形成するに充分な総量で、(b)その粒子が易流動性のままであるような速度で、(c)次の噴霧の前にその粒子上の被覆材を固化させるのに充分な粒子温度および噴霧サイクルの時間間隔で、溶融した熱可塑性コーティング物質を、複数のステップで、吸着剤粒子の露出された表面上に断続的に噴霧するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記吸着剤固体粒子が沈降シリカを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記固体粒子が実質的に球形であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記吸着された揮発性液体が少なくとも吸着剤の50重量%を構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記噴霧ステップ中の前記吸着剤の温度が前記被覆材の融点より少なくとも3℃低いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法がシグマブレードミキサー内で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記熱可塑性被覆材が硬化植物油であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記熱可塑性被覆材が硬化大豆油であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記熱可塑性被覆材がパラフィンワックスであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記揮発性液体の噴霧液滴が100マイクロメートルから750マイクロメートルの大きさであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記最初の不浸透性熱可塑性被覆材の融点より低い温度である量の追加の被覆材を混合することによって、不浸透性の熱可塑性被膜の上に、追加の被覆材の層を付着することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記被覆材を揮発性溶媒の溶液として塗布し、その混合物を加熱してその溶媒を蒸発させることにより溶媒を除去することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記追加の被覆材が熱可塑性物質であり、溶融形態で塗布され、およびその混合物を冷却して熱可塑性物質を固化させることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記熱可塑性被覆材の噴霧された層が、吸着物重量を除く吸着剤重量の5〜50%を構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記熱可塑性被覆材の噴霧された層が、吸着物重量を除く吸着剤の20〜40%を構成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記熱可塑性被覆材が、3回のステップで塗布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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